JP2015228301A - 照明器具及びそれを用いた医療器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】照明器具において、患者の肌と静脈との弁別性を簡易に向上させる。【解決手段】照明器具1は、495〜510nmの波長範囲に第1ピーク波長P1と、610〜680nmの波長範囲に第2ピーク波長P2と、を有する照明光を出射する発光部2を備え、第2ピーク波長P2の発光レベルが、第1ピーク波長P1の発光レベルよりも高い。600〜780nmの波長範囲では、静脈上の肌とその周囲の肌との分光反射率の差分が高ので、610〜680nmの波長範囲の第2ピーク波長P2の発光レベルを、495〜510nmの波長範囲の第1ピーク波長P1の発光レベルよりも高くすることで、患者の肌と静脈との弁別性が向上する。【選択図】図4

Description

本発明は、患者の肌と静脈との弁別性を向上させる照明器具及びそれを用いた医療器具に関する。
従来から、病院等の医療施設では、例えば、手術中に動脈と静脈とを判別し易い色差が得られるようにするため、生体組織のコントラストが高くなるようなスペクトル成分の光を出射する照明装置が用いられている。
近年では、この種の医療用の照明装置として、高効率で低消費電力の発光が可能であり、長寿命で信頼性が高い発光ダイオード(以下、LED)を光源に用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の照明装置は、白色光を出力可能な光源と、緑色光成分の光量を独立して調整可能な光量調整手段と、を備え、可視光成分である波長380〜780nmにおける光出力を低くすることで、生体組織のコントラストを高くすることができる。
特許第4452607号公報
ところで、診療所等を含む一般的な医療施設の診察室や病室では、静脈注射といった比較的簡易な医療行為の頻度が多く、そのような医療設備では、患者の肌と静脈との弁別性の高い照明器具が好適に用いられる。しかしながら、上記特許文献1に記載の照明装置は、手術室用照明として用いられるものであり、静脈や動脈血の弁別性は高いが、必ずしも肌と静脈の弁別性が高いものではない。また、上記照明装置は、静脈、動脈血、肝臓、肺等の複数の生体組織の弁別性を向上させるために、黒体輻射光、白色LED、2波長LED、第2の2波長LED等といった複数の光源を備えた大掛かりな装置であり、一般的な診察室や病室用の照明には適さない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、患者の肌と静脈との弁別性を向上させることができる簡易な照明器具及びそれを用いた医療器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の照明器具は、495〜510nmの波長範囲に第1ピーク波長と、610〜680nmの波長範囲に第2ピーク波長と、を有する照明光を出射する発光部を備え、前記第2ピーク波長の発光レベルが、前記第1ピーク波長の発光レベルよりも高いことを特徴とする。
上記照明器具において、前記第1ピーク波長は、505〜510nmの波長範囲に存在することが好ましい。
上記照明器具において、前記第2ピーク波長は、630〜680nmの波長範囲に存在することが好ましい。
上記照明器具において、前記第1ピーク波長及び第2ピーク波長の少なくとも一方の半値幅は、50nm以下であることが好ましい。
上記照明器具において、380〜780nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーに対する、495〜510nmの波長範囲及び610〜680nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーの総和の割合が60%以上であることが好ましい。
上記照明器具において、380〜780nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーに対する、495〜510nmの波長範囲及び610〜680nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーの総和の割合が80%以上であることが好ましい。
上記照明器具において、前記第1ピーク波長を有する照明光及び前記第2ピーク波長を有する照明光の少なくとも一方は、単波長固体発光素子によって出射されることが好ましい。
上記照明器具において、前記発光部から出射された照明光を拡散して放射する拡散板を更に備えることが好ましい。
上記照明器具は、医療器具に用いられることが好ましい。
本発明によれば、600〜780nmの波長範囲では、静脈上の肌とその周囲の肌との分光反射率の差分が高いので、610〜680nmの波長範囲の第2ピーク波長の発光レベルを、495〜510nmの波長範囲の第1ピーク波長の発光レベルよりも高くすることで、患者の肌と静脈との弁別性を簡易に向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る照明器具及びこれを用いた医療器具の側面図。 上記照明器具の側断面図。 同照明器具のブロック構成図。 同照明器具から出射される照明光の分光スペクトルの一例を示す図。 (a)同照明器具の第1発光部の側断面構成図、(b)同照明器具の第2発光部の側断面構成図。 上記照明器具の発光部の別の構成例を示す側断面構成図。 実施例、比較例1及び比較例2の照明器具から出射される照明光の分光スペクトルを示す図。 (a)は一般的な照明器具を用いたときの肌と静脈の見え具合を示すイメージ図、(b)は上記実施例の照明器具を用いたときの肌と静脈の見え具合を示すイメージ図。 上記照明器具が出射する照明光の2つのピーク波長の組み合わせパターンを説明する図。 上記照明器具が出射する照明光の波長範囲の放射エネルギーの割合と、色差との関係を示す図。 上記照明器具が出射する照明光の好ましい色温度帯を示す図。
本発明の一実施形態に係る照明器具及びこれを用いた医療器具について、図1乃至図11を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の照明器具1は、キャスタ11を有するナースカート12に可動アーム13を介して設置されて、医療用器具14に組み込まれる。この医療用器具14は、例えば、静脈注射が施術される患者がいるベッドに横付けされ、看護師等の医療従事者が可動アーム13を適宜の位置及び角度に移動させることで、患者の腕に照明器具1からの光を照射する。
図2に示すように、照明器具1は、2種の発光部2a,2b(総称して発光部2という)と、発光部2を搭載する基板3と、発光部2に給電する電源回路4と、基板3を保持し且つ電源回路4を収容する器具本体5と、を備える。また、照明器具1は、発光部2から出射された照明光の配光を制御する反射板6と、反射板6を収容し且つ基板3と対向する位置に開口を有する筐体7と、筐体7の開口に設けられて発光部2a,2bから出射された照明光を拡散して放射する拡散板8と、を備える。なお、器具本体5には、発光部2の発光により生じた熱を放熱するための放熱板(不図示)が設けられる。
発光部2a,2bは、図例では、サーフェイスマウントデバイス(SMD)方式により基板3に実装された構成を示すが、チップオンボード(COB)方式で実装されていてもよい。なお、COB方式では、上記拡散板8に換えて、封止樹脂に蛍光体又は拡散剤を添加することで、各発光部2a,2bの発光による粒々感や、色ムラを抑制することができる。
反射板6は、反射性を有する椀型の板材が、基板3の周囲を覆うように配置されたものである。反射板6は、例えば、上記形状に形成された樹脂構造体に、高反射性の白色塗料を塗装して作製された光拡散反射板が好適に用いられる。なお、単に筐体7の内側面に上記処理が施されたものであってもよい。筐体7は、反射板6を収容できればよく、反射板6よりも僅かに大きな椀形状又は筒状の構造体であり、アルミ等の金属材料又は耐熱性樹脂等により形成される。拡散板8は、アクリル樹脂等の透光性樹脂に酸化チタン等の拡散粒子を添加した乳白色材料を、筐体7の開口の内寸形状と略同形状に形成加工した板状部材である。なお、拡散板8は、透明なガラス板又は樹脂板の表面又は裏面に、サンドブラスト処理を施して粗面としたもの、又はシボ加工を施したもの等であってもよい。この拡散板8を用いることにより、各発光部2a,2bから出射された照明光が混色され、色ムラやグレアの少ない自然な照明光を得ることができる。
図3に示すように、各発光部2a,2bは、複数の発光ダイオード(LED20a,20b)から構成されており、LED20a,20bは、夫々複数個がパッケージとして基板3に実装される。なお、LED20a,20bの個数は図例の個数に限られず、また、例えば、LED20aの個数が、LED20bの個数よりも少なくてもよい。基板3には、同種のLED20a,20bが1つのパッケージとして直列に接続されるように、配線回路(図例では配線回路31a,31b)が形成されている。また、基板3の配線回路31a,31bの電極端子が、配線41a,41bを介して電源回路4の出力端子a,bに夫々接続されている。
基板3は、汎用の発光モジュール用の基板であり、例えば、酸化アルミニウム(Al)や窒化アルミニウム(AlN)等の電気絶縁性を有する金属酸化物(セラミックスを含む)、金属窒化物、又は金属、樹脂、ガラス繊維等の材料から構成される。基板3に形成された配線回路31は、絶縁材料によって被覆され、LED20a,20bの各正負電極と接続される箇所及び配線41a,41bと接続される箇所が夫々電極端子として露出している(不図示)。
電源回路4は、照明器具1を点灯させる電源ユニット(不図示)として構成されており、LED20a,20bのパッケージの種類に応じた複数の出力端子(図例では、出力a,b)を備える。また、電源回路4は、商用電源(不図示)からの給電を受けてこれを所定の直流電流に変換すると共に、操作部9で設定された発光レベルに相当するduty信号に対応するよう各LED20a,20bへの印加電圧を制御する整流変圧回路(不図示)を有する。
また、照明器具1は、発光部2の点灯及び発光レベルを制御するための操作部9(図3参照、図2では不図示)。操作部9は、器具本体5に設けられていてもよいし、器具本体5とは離れた位置に設けられて、有線又は無線で電源回路に対して所定の調光制御信号を伝送可能なように構成されていてもよい。操作部9は、発光部2の発光レベルを調整するためのボリュームコントローラ91を有する。ボリュームコントローラ91は、ユーザによる摘みの回転操作によって、照明器具1をオフ状態からオン状態へ切り替え、回転範囲に応じて発光部2の発光レベルを変化させる。なお、ボリュームコントローラ91は、照明器具1の発光レベルが低い間は相対的に低色温度の光を照射し、摘みを更に回転させることによって、発光レベルを高くすると共に、漸次的に低色温度から高色温度の光を照射するよう構成されていてもよい。
図4に示すように、発光部2a、2bの一方(以下、第1発光部2aという)は、495〜510nmの波長範囲に第1ピーク波長を有する照明光を出射し、他方(以下、第1発光部2aという)は、610〜680nmの波長範囲に第2ピーク波長を有する照明光を出射する。また、照明器具1は、第2発光部2bから出射された照明光の第2ピーク波長の発光強度が、第1発光部2aから出射された照明光の第1ピーク波長の発光強度よりも高くなるように、第1発光部2a及び第2発光部2bを制御する。第1ピーク波長及び第2ピーク波長の両方又は一方の半値幅は、50nm以下であることが好ましい。
図5(a)に示すように、第1発光部2aのLED20aは、断面矩形状の基材20と、基材20上に実装されたLEDチップ21aと、LEDチップ21aを取り囲む凹部を有する枠体22と、枠体22に充填される充填材23と、を備える。充填材23には、シリコン等が用いられる。基材20の一側面にはカソード電極24が、他側面にはアノード電極25が設けられ、基材20の下面両端部に形成された外部接続電極26,27に夫々接続される。また、カソード電極24及びアノード電極25は、ワイヤ28によってLEDチップ21aの各電極端子(不図示)に夫々接続される。枠体22の内周面は、光の導出方向に開口した円錐面として形成されており、円錐面の表面は光反射機能を有する。
LEDチップ21aには、495〜510nmの波長範囲、より好ましくは505〜510nmの波長範囲にピーク波長を有するシアン(青緑)色光を出射する素子が用いられる。また、LED20aには、適宜に出射光の配光を制御するためのレンズ部材(不図示)が設けられていてもよい。
図5(b)に示すように、第2発光部2bのLED20bは、610〜680nmの波長範囲、より好ましくは630〜680nmの波長範囲にピーク波長を有する赤色光を出射するLEDチップ21bが用いられる点を除き、上記LED20aと同様の構成である。
第1ピーク波長を有する照明光及び第2ピーク波長を有する照明光の少なくとも一方は、単波長固体発光素子(LEDチップ)によって出射されることが好ましい。蛍光体を用いてLEDチップからの出射光を変換した場合、分光スペクトル上、LEDチップの自発光に由来するピーク波長が含まれる。そのため、所望のピーク波長の発光強度が十分に得られず、また、ピーク波長の半値幅も大きくなり易く、第1ピーク波長及び第2ピーク波長のコントラストが不鮮明になる虞がある。一方、LED20a,20bの両方又は一方のLEDチップに単波長固体発光素子を用いれば、分光スペクトル上、不要なピーク波長が少なくなるので、第1ピーク波長及び第2ピーク波長のコントラストを鮮明にすることができる。
なお、上述した発光スペクトルを得られるなら、図6に示すように、発光部2は、LEDチップ21aが出射光を、610〜680nmの波長範囲にピーク波長を有する赤色光に変換する蛍光体29が充填材23に添加されたLED20’により構成されていてもよい。発光部2自体は一種類でよく、拡散板8を要さずに、2つのピーク波長を含む照明光を混光して放射することができる。
ここで、本実施形態の照明器具1が、一般的な照明器具と比べて、肌と静脈との弁別性を向上させることができるかを検証した。ここでは、図7に示す分光スペクトルのように、本実施形態の照明器具1の照明光(実施例(2ピーク光)、図中の実線)と、一般的な3波長型蛍光灯を用いた照明器具の照明光(比較例1、図中の点線)と、一般的な屋内用LED照明器具の照明光(比較例2、図中の一点差線)と、を用いた。比較例1の3波長型蛍光灯は、R(赤色)、G(緑色)B(青色)波長範囲のピーク波長を含む複数のピーク波長の照明光が出射されるように構成される。比較例2の屋内用LED照明器具は、青色LEDの出射光をYAG系黄色蛍光体で波長変換することにより、青色LEDの自発光に由来するピーク波長と、黄色波長を中心とする緩やかなピーク波長とを含む照明光が出射される。
下記表1は、実施例、比較例1及び比較例2の各照明器具から出射される照明光の光特性(色度座標(x,y)、相関色温度Tcp[K]、黒体放射軌跡からの色偏差duv、演色性(平均演色評価数Ra))を示す。
また、下記表2に、実施例、比較例1及び比較例2の各照明器具から出射される照明光によって、静脈上の肌と、その周辺の肌における色差ΔEと、L*a*b*表色系座標を示す。
実施例は、比較例1,2に比べて、赤色光の発光レベルが高いので、CIELAB色空間における赤・マゼンタ色と間において赤色寄りの位置を示すa*の値が高い。一方、シアン色光の発光レベルが赤色光に比べて低いので、黄色と青色の間において黄色寄りの位置を示すb*の値は低い。
人間(主に白人及び黄色人種)の肌は、600〜780nmの波長範囲では、470〜525nmの波長範囲に比べて、静脈上の肌とその周囲の肌との分光反射率の差分が高い値となる。そこで、実施例では、610〜680nmの波長範囲にピーク波長を有する赤色光の発光レベルを高くすることで、静脈上の肌と、その周辺の肌における色差ΔEが2.35となり、比較例1,2(夫々1.25、1.20)に比べて、肌と静脈との弁別性を大きく向上させることができる。また、単に赤色光を出射する発光部(第2発光部2b)のみを用いた場合、肌の色が、赤味がかって不自然な色に見える。そこで、シアン色光を出射する発光部(第1発光部2a)を用いることにより、肌と静脈との弁別性を向上させながらも、肌の赤味がかりを抑制し、肌を自然な色に見せることができる。その結果、図8(a)に示すような静脈を、図8(b)に示すように、分別し易くすることができる。また、実施例では、光源として、上記2ピーク波長を出射できる発光部を用いればよく、従来の手術室用照明のような大掛かりな装置ではなく、簡易な照明器具に適用することができる。
図9に示すように、上記照明器具1が出射する照明光の2つのピーク波長、すなわち第1ピーク波長と、第2ピーク波長とを、如何に組み合わせるかによって、静脈上に肌と、その周囲の肌との色差ΔEが変化する。それらの組み合わせのパターンとしては、パターンとしては、495〜510nm×610〜680nmの組み合わせで、色差ΔEが2.18以上となり、505〜510nm×630〜680nmの組み合わせで、色差ΔEが2.68以上となる。一般に、色差ΔEは、1.5以上であれば一般の人が感知し得る色差であり、3.0以上では誰もが著しい色の差を感知することができる。なお、図中の楕円で囲う領域の組み合わせは、色差ΔEが2.18以下であっても、ある程度の弁別性はあるが、色差向上は乏しい。
従って、第1ピーク波長は、495〜510nmの波長範囲に存在することが好ましく、505〜510nmの波長範囲に存在することが、より好ましい。静脈自体の弁別性を高めるには、上述したように610〜680nmの波長範囲に第2ピーク波長を有する照明光の発光レベルを高める必要がある。一方、静脈上の肌と静脈との弁別性を向上させるには、495〜510nmの波長範囲、好ましくは505〜510nmの波長範囲に存在する第1ピーク波長を有する照明光も、一定の発光レベルで用いる必要がある。特に、高い色差ΔEが得られる第1ピーク波長の波長範囲は、第2ピーク波長の波長範囲に比べて狭い。そのため、第1ピーク波長を有する照明光を出射する発光部(第1発光部2a)は、そのピーク波長を高精度で調整することができ、且つ第1ピーク波長の半値幅を小さく(50nm以下)することができるLED(LED20a)が好適に用いられる。そこで、第1発光部2aのLEDチップ21aに、ピーク波長が505〜510nmの波長範囲に存在する単波長固体発光素子を用いることで、所望の発光特性を有する発光部を得ることができる。
また、第2ピーク波長は、610〜680nmの波長範囲に存在することが好ましく、630〜680nmの波長範囲に存在することが、より好ましい。
照明器具1では、第1ピーク波長(495〜510nm)と、第2ピーク波長(610〜680nm)の2つのピーク波長を有する照明光を用いて静脈上の肌とその周囲の肌との色差を大きくしており、上記波長範囲以外の波長成分の光は少ないことが望ましい。
図10に示すように、可視光を示す380〜780nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーに対する、495〜510nmの波長範囲及び610〜680nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーの総和の割合は、色差ΔEと強い正の相関関係がある。具体的には、可視光を示す380〜780nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーに対する、495〜510nmの波長範囲及び610〜680nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーの総和の割合が60%以上であることが望ましく、上記割合は80%以上であることがより望ましい。つまり、495〜510nmの波長範囲及び610〜680nmの波長範囲の照明光の発光レベルを高くし、それ以外の波長範囲を低くすることで、上記2つのピーク波長のコントラストが大きくなり、色差ΔEをより大きくすることができる。
610〜680nmの波長範囲に第2ピーク波長の発光レベルが、495〜510nmの波長範囲に第1ピーク波長の発光レベルよりも高ければ、それらの発光比率は特に限定されず、照明器具1から出射される照明光の色温度も限定されない。なお、図11に示すように、JIS Z 9112で規格されているLEDの光源色区分のうち、温白色、白色、昼白色を含む、相関色温度3250〜5000Kであることが望ましい。また、このときの色偏差duvは−10≦duv≦10の範囲であることが望ましい。
なお、本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。照明器具1は、上述したナースカートに設置された医療用器具14に限らず、例えば、患者用ベッドの上方の天井に吊り下げられて電源や医療用ガスを供給するメディカルハンガ(不図示)に組み込まれてもよい。また、上述した発光部2以外の波長特性を有する光を出射することができ、室内灯や読書灯等としても利用できる一般の照明器具に組み込まれていてもよい。
1 照明器具
2 発光部
20 LED
21a シアン色光を出射するLEDチップ(単発光固体発光素子)
21b 赤色光を出射するLEDチップ(単発光固体発光素子)
8 拡散板
P1 第1ピーク波長
P2 第2ピーク波長

Claims (9)

  1. 495〜510nmの波長範囲に第1ピーク波長と、610〜680nmの波長範囲に第2ピーク波長と、を有する照明光を出射する発光部を備え、
    前記第2ピーク波長の発光レベルが、前記第1ピーク波長の発光レベルよりも高いことを特徴とする照明器具。
  2. 前記第1ピーク波長は、505〜510nmの波長範囲に存在することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
  3. 前記第2ピーク波長は、630〜680nmの波長範囲に存在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
  4. 前記第1ピーク波長及び第2ピーク波長の少なくとも一方の半値幅は、50nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明器具。
  5. 380〜780nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーに対する、495〜510nmの波長範囲及び610〜680nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーの総和の割合が60%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の照明器具。
  6. 380〜780nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーに対する、495〜510nmの波長範囲及び610〜680nmの波長範囲における照明光の放射エネルギーの総和の割合が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の照明器具。
  7. 前記第1ピーク波長を有する照明光及び前記第2ピーク波長を有する照明光の少なくとも一方は、単波長固体発光素子によって出射されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明器具。
  8. 前記発光部から出射された照明光を拡散して放射する拡散板を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の照明器具。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の照明器具を備えた医療器具。
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