JP2010162214A - 光照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生体の状態を効率的に調整可能な光照射装置を提供する。
【解決手段】 第1の波長領域に係る光を発する第1の光源171と、第2の波長領域に係る光を発する第2の光源172と、第3の波長領域に係る光を発する第3の光源173と、第4の波長領域に係る光を発する第4の光源174と、これらの複数の光源から発せられた光を合成して合成光を出力する積分球160と、第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173及び第4の光源174の各光源を制御して、観察者の眼200の網膜に存在する3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞をそれぞれ独立して刺激するための前記合成光の像を表示部180に表示する制御を行うPC140とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1の波長領域に係る光を発する第1の光源171と、第2の波長領域に係る光を発する第2の光源172と、第3の波長領域に係る光を発する第3の光源173と、第4の波長領域に係る光を発する第4の光源174と、これらの複数の光源から発せられた光を合成して合成光を出力する積分球160と、第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173及び第4の光源174の各光源を制御して、観察者の眼200の網膜に存在する3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞をそれぞれ独立して刺激するための前記合成光の像を表示部180に表示する制御を行うPC140とを具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、網膜に存在する光受容体を刺激する光を照射する光照射装置に関するものである。
現代の社会において、人々は、照明の発達により生活の夜型化が進んでおり、昼夜であまり明暗変化のない光環境で生活を送っている。このため、生体リズムを含む生体の状態がうまく調整されず、例えば、睡眠障害など健康を害する結果につながることも懸念される。
このような背景のもと、従来、生体の状態を調整するために様々な技術が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、色温度の低い照明と色温度の高い照明とを備え、これを朝や夜などの時間帯に応じて切り替えて点灯、あるいは同時点灯を行うようにした技術が提案されている。また、下記の特許文献2には、低照度、中照度、高照度の3つの光発生手段を備え、起床時間に向けて徐々に照度を上げていくようにした技術が提案されている。
一般に、人間等の眼の網膜には、各種の光受容体(具体的には、3種類の錐体細胞やメラノプシンを含む神経節細胞等)が存在しており、人間等は、外部の光環境によって、各光受容体が刺激され、生体の状態が調整されている。
しかしながら、上述した従来の技術では、照射する光に応じて、目的とする光受容体以外の複数の光受容体が任意に刺激されてしまい、生体の状態を効率的に調整することが困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、生体の状態を効率的に調整可能な光照射装置を提供することを目的とする。
本発明の表示装置は、第1の波長領域に係る光を発する第1の光源と、第2の波長領域に係る光を発する第2の光源と、第3の波長領域に係る光を発する第3の光源と、第4の波長領域に係る光を発する第4の光源と、複数の光源から発せられた光を合成して合成光を出力する光合成手段と、前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源及び前記第4の光源の各光源を制御して、網膜に存在する3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞をそれぞれ独立して刺激するための前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行う制御手段とを有する。
本発明によれば、生体の状態を効率的に調整可能な光照射装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光照射装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光照射装置100は、PC140と、PWM装置150と、積分球160と、光源群170と、表示部180を有して構成されている。
図1に示すように、本実施形態に係る光照射装置100は、PC140と、PWM装置150と、積分球160と、光源群170と、表示部180を有して構成されている。
PC140は、各種の情報を処理する情報処理装置であり、制御装置110、キーボード121及びマウス122からなる操作入力装置120、ディスプレイ130を有して構成されている。
PWM装置150は、制御装置110の制御に基づいて、積分球160の内部に設けられている光源群170の各光源から放射する光のパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)に係る処理を行う。
積分球160は、その内部に複数の光源群170を具備しており、光源群170の各光源から放射された光を光学的に積分(合成)して、その合成光を開口部161から外部に放射するものである。即ち、積分球160は、複数の光源から発せられた光を合成して合成光を出力する光合成手段を構成する。
光源群170としては、それぞれが異なる波長領域に係る光を発する複数の光源(図1に示す例では、第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173、第4の光源174、第5の光源175、・・・)が設けられている。光源群170の各光源は、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)で形成されており、これにより、時間特性に優れ、色再現領域が大きく、かつ、軽量・小型な光源を実現することができる。
また、光源群170の各光源は、図1に示すように、観察者の眼200の位置から表示部180を介して開口部161を視認した際に、開口部161から直接見えない位置に構成されている。これは、積分球160の機能は、複数の光源群170からの光を光学的に積分(合成)することであるが、このとき、直接、光源が視認できると、各光源からの光が空間的に積分(合成)されないからである。
第1の光源171は、第1の波長領域に係る光を発する光源であり、第2の光源172は、第2の波長領域に係る光を発する光源、第3の光源173は、第3の波長領域に係る光を発する光源、第4の光源174は、第4の波長領域に係る光を発する光源、第5の光源175は、第5の波長領域に係る光を発する光源である。この第1の光源171〜第5の光源175は、例えば積分球160の開口部の外周に同心円状に配置されている。
なお、図1に示す例では、第1の光源171から第5の光源175について、それぞれ1つの光源のみを図示しているが、第1の光源171から第5の光源175の各光源について、それぞれの複数の光源を構成することも可能である。
表示部180は、積分球160の開口部161から放射された光(合成光)の像181を表示する表示手段であり、例えば、すりガラス(ディフューザ:diffuserともいう)で形成されている。この表示部180に表示された光の像181は、観察者の眼200で視認されて網膜に到達する。また、図1に示す光照射装置100は、表示部180を設けて、観察者の眼200の網膜を刺激する光の像181を表示する表示装置に係るものであるが、本実施形態においては、この形態に限定されるものではない。例えば、光照射装置100として、表示部180を設けずに、積分球160で合成された合成光を開口部161から直接、観察者の眼200に照射する照明装置を構成することも適用可能である。
次に、制御装置110の内部構成について説明する。
図2は、図1に示す制御装置110の内部構成の一例を示す模式図である。
図2に示すように、制御装置110は、CPU111、RAM112、ROM113、外部メモリ114、通信インタフェース(以下、「通信I/F」と称する)115、及び、バスを有して構成されている。
図2は、図1に示す制御装置110の内部構成の一例を示す模式図である。
図2に示すように、制御装置110は、CPU111、RAM112、ROM113、外部メモリ114、通信インタフェース(以下、「通信I/F」と称する)115、及び、バスを有して構成されている。
CPU111は、制御装置110における動作を統括的に制御するものであり、バスを介して、制御装置110の各構成部(112〜115)を制御する。
RAM112は、CPU111の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU111は、処理の実行に際して、ROM113から必要なプログラム113a等をRAM112にロードし、当該プログラム113a等を実行することで各種の機能動作を実現する。
ROM113には、CPU111が処理を実行するために必要なプログラム113a等が記憶されている。なお、プログラム113aは、例えば、外部メモリ114に記憶されていてもよい。
外部メモリ114には、例えば、CPU111がプログラム113a等を用いた処理を行う際に必要な各種のデータや各種の情報が記憶されている。また、外部メモリ114には、例えば、CPU111がプログラム113a等を用いた処理を行うことにより得られた各種のデータや各種の情報が記憶される。
通信I/F115は、外部装置との通信を司るものである。また、バスは、CPU111と、RAM112、ROM113、外部メモリ114及び通信I/F115とを通信可能に接続するためのものである。
なお、図1に示すPWM装置150の内部構成についても、図2に示す構成を適用することが可能である。
次に、上述した本発明の実施形態に係る光照射装置100で行われる各実施例について説明を行う。
(実施例1)
まず、本発明の実施形態に係る実施例1について説明する。
本発明の実施形態に係る実施例1では、光源群170として、第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173及び第4の光源174を用いる。そして、本例の光照射装置100は、この第1の光源171〜第4の光源174を用いて、観察者の眼200の網膜に存在する4種類の光受容体(具体的には、3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞)をそれぞれ独立して刺激するための光の像を表示部180に表示する制御を行う。ここで、上述した3種類の錐体細胞は、3原色の光に刺激を受ける視細胞である。また、実施例1は、観察者の眼200の網膜に存在するかん体細胞がほとんど寄与しない明所視条件で実施されるものである。
まず、本発明の実施形態に係る実施例1について説明する。
本発明の実施形態に係る実施例1では、光源群170として、第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173及び第4の光源174を用いる。そして、本例の光照射装置100は、この第1の光源171〜第4の光源174を用いて、観察者の眼200の網膜に存在する4種類の光受容体(具体的には、3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞)をそれぞれ独立して刺激するための光の像を表示部180に表示する制御を行う。ここで、上述した3種類の錐体細胞は、3原色の光に刺激を受ける視細胞である。また、実施例1は、観察者の眼200の網膜に存在するかん体細胞がほとんど寄与しない明所視条件で実施されるものである。
図3は、本発明の実施形態に係る実施例1を示し、図1に示す第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173及び第4の光源174の各光源から放射される光の波長領域の一例を示す模式図である。この第1の光源171〜第4の光源174におけるこれらの4種類の光源から放射される光のピーク波長及び強度は、提示する刺激に係る輝度(明るさ)や色などに応じて柔軟に変更が可能である。ただし、本例では、4種類の光源の波長領域が可視光(400nm〜700nm)の範囲内である必要があり、各光源の波長領域が短波長や長波長に偏って分布することのないように、各光源の波長領域を設定する。
第1の光源171は、第1の波長領域(図3に示す例では、波長430nm〜530nm程度)の光301を発するものであり、主として、短波長帯域(青)の光を発するものである。また、第1の光源171から放射される第1の波長領域の光301は、そのピーク波長が470nm程度、その半値幅(エネルギーが0.5のときの波形の幅)が25nm程度となっている。
第2の光源172は、第2の波長領域(図3に示す例では、波長470nm〜600nm程度)の光302を発するものであり、主として、中波長帯域(緑)の光を発するものである。また、第2の光源172から放射される第2の波長領域の光302は、そのピーク波長が525nm程度、その半値幅が35nm程度となっている。
第3の光源173は、第3の波長領域(図3に示す例では、波長550nm〜620nm程度)の光303を発するものであり、主として、中波長帯域(黄)の光を発するものである。また、第3の光源173から放射される第3の波長領域の光303は、そのピーク波長が590nm程度、その半値幅が15nm程度となっている。
第4の光源174は、第4の波長領域(図3に示す例では、波長590nm〜665nm程度)の光304を発するものであり、主として、長波長帯域(赤)の光を発するものである。また、第4の光源174から放射される第4の波長領域の光304は、そのピーク波長が630nm程度、その半値幅が15nm程度となっている。
次に、実施例1の処理の流れについて説明する。
まず、例えば、光照射装置100のユーザから、観察者の眼200に与える刺激の種類(刺激を行う光受容体の種類等)、その刺激の提示時間、その刺激の強度などの情報が操作入力装置120を介して入力指示されると、制御装置110のCPU111は、これらの入力情報を、例えば外部メモリ114に記憶して設定する。その後、制御装置110のCPU111は、ROM113に記憶されているプログラム(刺激提示プログラム)113aの実行を開始する。
まず、例えば、光照射装置100のユーザから、観察者の眼200に与える刺激の種類(刺激を行う光受容体の種類等)、その刺激の提示時間、その刺激の強度などの情報が操作入力装置120を介して入力指示されると、制御装置110のCPU111は、これらの入力情報を、例えば外部メモリ114に記憶して設定する。その後、制御装置110のCPU111は、ROM113に記憶されているプログラム(刺激提示プログラム)113aの実行を開始する。
そして、制御装置110のCPU111は、上述した入力情報に従って、例えば外部メモリ114に予め記憶されている、各光源(171〜174)の最大輝度の情報、3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞の分光感度特性の情報、並びに、各光源(171〜174)の分光放射輝度特性の情報に基づいて、観察者の眼200の網膜に存在する各光受容体(3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞)をそれぞれ独立して刺激する光を放射するための各光源(171〜174)の輝度(明るさ)を算出する。本実施例においては、制御装置110のCPU111は、各光源(171〜174)から放射する光の輝度(明るさ)を、パルス列のduty比として算出を行う。
図4は、本発明の実施形態に係る実施例1で光源の輝度(明るさ)を算出する際に用いられる、3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞の分光感度特性を示す模式図である。本例において、この図4に示す分光感度特性の情報は、上述したように、予め外部メモリ114に記憶されている。また、図4に示す各分光感度特性は、標準被験者に基づいて算出されたものであり、年齢や、提示する刺激の大きさなどにより多少の分散が生じる。そして、これらの個人差を考慮すると、さらに特定の個人の光受容体に正確に刺激を与えることが可能となる。
図4には、そのピークの波長が、短波長側から、S錐体細胞の分光感度401、メラノプシンを含む神経節細胞の分光感度402、M錐体細胞の分光感度403及びL錐体細胞の分光感度404の順で示されている。
ここで、観察者の眼200の網膜に存在する3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞をそれぞれ独立して刺激する光を放射するための各光源(171〜174)の輝度(明るさ)の算出方法を含む、独立刺激方法について、以下に説明する。
まず、図4で示した、L錐体細胞の分光感度404、M錐体細胞の分光感度403、S錐体細胞の分光感度401、及び、メラノプシンを含む神経節細胞の分光感度402を、それぞれ、L(λ)、M(λ)、S(λ)、及び、mRGC(λ)とおく。この際、λは波長を表す。また、第1の光源171の分光放射輝度(例えば図3に示す第1の波長領域の光301)をI1(λ)、第2の光源172の分光放射輝度(例えば図3に示す第2の波長領域の光302)をI2(λ)、第3の光源173の分光放射輝度(例えば図3に示す第3の波長領域の光303)をI3(λ)、第4の光源174の分光放射輝度(例えば図3に示す第4の波長領域の光304)をI4(λ)とする。ここで、一般化すると、第nの光源の分光放射輝度は、In(λ)と表せる。
この場合、L錐体細胞が、第1の光源171から受ける興奮度をL1、第2の光源172から受ける興奮度をL2、第3の光源173から受ける興奮度をL3、第4の光源174から受ける興奮度をL4とすると、各興奮度(L1〜L4)は、それぞれ、以下の(1)式〜(4)式のようになる。また、一般化すると、L錐体細胞が、第nの光源から受ける興奮度は、Lnと表せる。
同様に、M錐体細胞が、第1の光源171から受ける興奮度をM1、第2の光源172から受ける興奮度をM2、第3の光源173から受ける興奮度をM3、第4の光源174から受ける興奮度をM4とすると、各興奮度(M1〜M4)は、それぞれ、以下の(5)式〜(8)式のようになる。また、一般化すると、M錐体細胞が、第nの光源から受ける興奮度は、Mnと表せる。
同様に、S錐体細胞が、第1の光源171から受ける興奮度をS1、第2の光源172から受ける興奮度をS2、第3の光源173から受ける興奮度をS3、第4の光源174から受ける興奮度をS4とすると、各興奮度(S1〜S4)は、それぞれ、以下の(9)式〜(12)式のようになる。また、一般化すると、S錐体細胞が、第nの光源から受ける興奮度は、Snと表せる。
同様に、メラノプシンを含む神経節細胞が、第1の光源171から受ける興奮度をmRGC1、第2の光源172から受ける興奮度をmRGC2、第3の光源173から受ける興奮度をmRGC3、第4の光源174から受ける興奮度をmRGC4とすると、各興奮度(mRGC1〜mRGC4)は、それぞれ、以下の(13)式〜(16)式のようになる。また、一般化すると、メラノプシンを含む神経節細胞が、第nの光源から受ける興奮度は、mRGCnと表せる。
したがって、1つの光受容体が、全ての光源(本例では、4個の光源)の光から受ける総興奮度Pは、第nの光源の光から受ける興奮度をPnとすると、以下の(17)式のように表せる。
(17)式のPにおいて、L錐体細胞の総興奮度をL、M錐体細胞の総興奮度をM、S錐体細胞の総興奮度をS、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度をmRGCとし、上述した関係を整理すると、本例に示す4つの光源(171〜174)を用いた場合には、以下の(18)式のように表すことができる。ただし、(18)式において、I1、I2、I3及びI4は、それぞれ、第1の光源171の輝度、第2の光源172の輝度、第3の光源173の輝度及び第4の光源174の輝度である。
また、(18)式に示す行列を、以下の(19)式に示す行列Aと定義して、その逆行列A-1を計算すると、以下の(20)式のようになる。
ここで、まず、3種類の錐体細胞とは独立してメラノプシンを含む神経節細胞のみを刺激するための、各光源(171〜174)の輝度の算出方法を含む、独立刺激方法の一例について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る実施例1を示し、3種類の錐体細胞とは独立してメラノプシンを含む神経節細胞のみを刺激するための、各光源(171〜174)の輝度を算出する際に用いられる刺激パターンの一例を示すテーブル図である。この図5に示すテーブルは、例えばユーザから入力情報によって設定され、例えば、外部メモリ114に予め記憶されているものとする。
この図5において、縦方向に並べられた項目(L、M、S、mRGC)は、(20)式の右辺に示される、各光受容体(各細胞)の総興奮度を示している。また、図5において、横方向に並べられた項目(第1の光照射パターン及び第2の光照射パターン)は、それぞれ、各光源(171〜174)から放射する1つの光照射パターンを示している。
ユーザから操作入力装置120を介して、メラノプシンを含む神経節細胞を独立して刺激する指定(指示)がされた場合、制御装置110のCPU111は、例えば外部メモリ114に記憶されている、図5の刺激パターンのテーブルを読み出す。そして、制御装置110のCPU111は、まず、図5の刺激パターンのテーブルから、第1の光照射パターンの情報を取得する。ここで、本例では、図5の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
続いて、制御装置110のCPU111は、(20)式を用いて、第1の光照射パターンに示された条件、即ち、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6となる条件を満たす、第1の光源171の輝度I1、第2の光源172の輝度I2、第3の光源173の輝度I3及び第4の光源174の輝度I4を算出する。この際、本例では、各光源(171〜174)の輝度をパルス列のduty比として算出する。
続いて、制御装置110において各光源(171〜174)の輝度がパルス列のduty比として算出されると、続いて、PWM装置150のCPU111は、制御装置110で算出されたduty比に基づいて、各光源(171〜174)を所定の輝度(明るさ)で発光させるPWM処理を行う。
その後、光源群170の各光源から放射された光は、積分球160において光学的に積分(合成)されて、その合成光が開口部161から外部の表示部180に照射される。そして、表示部180には、光源群170から放射された合成光に基づく光の像181が表示される。この際、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞に対して、それぞれ、3、4、5及び6の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
この第1の光照射パターンによる合成光の像の表示が所定時間なされると、次に、制御装置110のCPU111は、図5の刺激パターンのテーブルから、第2の光照射パターンの情報を取得する。ここで、本例では、図5の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が7(又は5)の情報が取得される。
続いて、制御装置110のCPU111は、(20)式を用いて、第2の光照射パターンに示された条件、即ち、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が7(又は5)となる条件を満たす、第1の光源171の輝度I1、第2の光源172の輝度I2、第3の光源173の輝度I3及び第4の光源174の輝度I4を算出する。この際、本例では、各光源(171〜174)の輝度をパルス列のduty比として算出する。
続いて、制御装置110において各光源(171〜174)の輝度がパルス列のduty比として算出されると、続いて、PWM装置150のCPU111は、制御装置110で算出されたduty比に基づいて、各光源(171〜174)を所定の輝度(明るさ)で発光させるPWM処理を行う。
その後、光源群170の各光源から放射された光は、積分球160において光学的に積分(合成)されて、その合成光が開口部161から外部の表示部180に照射される。そして、表示部180には、光源群170から放射された合成光に基づく光の像181が表示される。この際、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞に対して、それぞれ、3、4、5及び7(又は5)の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
このように、図5のテーブルに示された第1の光照射パターン及び第2の光照射パターンに基づく合成光を観察者の眼200に提示(照射)することにより、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞及びS錐体細胞については、総興奮度が一定(それぞれ、3→3、4→4、5→5)であり変化しないため、刺激は行われない。一方、観察者の眼200の網膜に存在するメラノプシンを含む神経節細胞については、総興奮度が変化している(6→7(又は5))ため、刺激がなされる。このように、本例では、図5の刺激パターンのテーブルに基づいて各光源(171〜174)の輝度を制御することにより、3種類の錐体細胞とは独立してメラノプシンを含む神経節細胞のみの刺激を実現する。
次に、L錐体細胞、M錐体細胞及びS錐体細胞をそれぞれ独立して刺激する独立刺激方法の一例について簡単に説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る実施例1を示し、L錐体細胞、M錐体細胞及びS錐体細胞をそれぞれ独立して刺激するための、各光源(171〜174)の輝度を算出する際に用いられる刺激パターンの一例を示すテーブル図である。具体的に、図6(a)には、L錐体細胞を独立して刺激するための刺激パターンのテーブルが示されており、図6(b)には、M錐体細胞を独立して刺激するための刺激パターンのテーブルが示されており、図6(c)には、S錐体細胞を独立して刺激するための刺激パターンのテーブルが示されている。これらの図6に示すテーブルは、例えばユーザから入力情報によって設定され、例えば、外部メモリ114に予め記憶されているものとする。
まず、L錐体細胞を独立して刺激する独立刺激方法について説明する。
ユーザから操作入力装置120を介して、L錐体細胞を独立して刺激する指定(指示)がされた場合、制御装置110のCPU111は、例えば外部メモリ114に記憶されている、図6(a)の刺激パターンのテーブルを読み出し、まず、図6(a)の刺激パターンのテーブルから、第1の光照射パターンの情報を取得する。本例では、図6(a)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
ユーザから操作入力装置120を介して、L錐体細胞を独立して刺激する指定(指示)がされた場合、制御装置110のCPU111は、例えば外部メモリ114に記憶されている、図6(a)の刺激パターンのテーブルを読み出し、まず、図6(a)の刺激パターンのテーブルから、第1の光照射パターンの情報を取得する。本例では、図6(a)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
その後、上述したメラノプシンを含む神経節細胞における第1の光照射パターンの場合と同様の処理を行うことにより、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞に対して、それぞれ、3、4、5及び6の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
この第1の光照射パターンによる合成光の像の表示が所定時間なされると、次に、制御装置110のCPU111は、図6(a)の刺激パターンのテーブルから、第2の光照射パターンの情報を取得する。ここで、本例では、図6(a)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が4(又は2)、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
続いて、制御装置110のCPU111は、(20)式を用いて、第2の光照射パターンに示された条件、即ち、L錐体細胞の総興奮度が4(又は2)、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6となる条件を満たす、第1の光源171の輝度I1、第2の光源172の輝度I2、第3の光源173の輝度I3及び第4の光源174の輝度I4を算出する。
その後、上述したメラノプシンを含む神経節細胞における第2の光照射パターンの場合と同様の処理を行うことにより、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞に対して、それぞれ、4(又は2)、4、5及び6の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
このように、図6(a)の刺激パターンのテーブルに示された第1の光照射パターン及び第2の光照射パターンに基づく合成光を観察者の眼200に提示(照射)することにより、観察者の眼200の網膜に存在するM錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞については、総興奮度が一定(それぞれ、4→4、5→5、6→6)であり変化しないため、刺激は行われない。一方、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞については、総興奮度が変化している(3→4(又は2))ため、刺激がなされる。このように、本例では、図6(a)の刺激パターンのテーブルに基づいて各光源(171〜174)の輝度を制御することにより、L錐体細胞のみを独立して刺激することを実現する。このL錐体細胞の総興奮度を変化させる光照射パターンでは、赤色(3→4)、又は、緑色(3→2)に変化する。このことは、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度を意図的に変化させない光照射パターンを実現可能であることを意味する。
次に、M錐体細胞を独立して刺激する独立刺激方法について説明する。
ユーザから操作入力装置120を介して、M錐体細胞を独立して刺激する指定(指示)がされた場合、制御装置110のCPU111は、例えば外部メモリ114に記憶されている、図6(b)の刺激パターンのテーブルを読み出し、まず、図6(b)の刺激パターンのテーブルから、第1の光照射パターンの情報を取得する。本例では、図6(b)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
ユーザから操作入力装置120を介して、M錐体細胞を独立して刺激する指定(指示)がされた場合、制御装置110のCPU111は、例えば外部メモリ114に記憶されている、図6(b)の刺激パターンのテーブルを読み出し、まず、図6(b)の刺激パターンのテーブルから、第1の光照射パターンの情報を取得する。本例では、図6(b)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
その後、上述したメラノプシンを含む神経節細胞における第1の光照射パターンの場合と同様の処理を行うことにより、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞に対して、それぞれ、3、4、5及び6の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
この第1の光照射パターンによる合成光の像の表示が所定時間なされると、次に、制御装置110のCPU111は、図6(b)の刺激パターンのテーブルから、第2の光照射パターンの情報を取得する。ここで、本例では、図6(b)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が5(又は3)、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
続いて、制御装置110のCPU111は、(20)式を用いて、第2の光照射パターンに示された条件、即ち、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が5(又は3)、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6となる条件を満たす、第1の光源171の輝度I1、第2の光源172の輝度I2、第3の光源173の輝度I3及び第4の光源174の輝度I4を算出する。
その後、上述したメラノプシンを含む神経節細胞における第2の光照射パターンの場合と同様の処理を行うことにより、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞に対して、それぞれ、3、5(又は3)、5及び6の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
このように、図6(b)のテーブルに示された第1の光照射パターン及び第2の光照射パターンに基づく合成光を観察者の眼200に提示(照射)することにより、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞については、総興奮度が一定(それぞれ、3→3、5→5、6→6)であり変化しないため、刺激は行われない。一方、観察者の眼200の網膜に存在するM錐体細胞については、総興奮度が変化している(4→5(又は3))ため、刺激がなされる。このように、本例では、図6(b)の刺激パターンのテーブルに基づいて各光源(171〜174)の輝度を制御することにより、M錐体細胞のみを独立して刺激することを実現する。このM錐体細胞の総興奮度を変化させる光照射パターンでは、緑色(4→5)、又は、赤色(4→3)に変化する。このことは、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度を意図的に変化させない光照射パターンを実現可能であることを意味する。
次に、S錐体細胞を独立して刺激する独立刺激方法について説明する。
ユーザから操作入力装置120を介して、S錐体細胞を独立して刺激する指定(指示)がされた場合、制御装置110のCPU111は、例えば外部メモリ114に記憶されている、図6(c)の刺激パターンのテーブルを読み出し、まず、図6(c)の刺激パターンのテーブルから、第1の光照射パターンの情報を取得する。本例では、図6(c)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
ユーザから操作入力装置120を介して、S錐体細胞を独立して刺激する指定(指示)がされた場合、制御装置110のCPU111は、例えば外部メモリ114に記憶されている、図6(c)の刺激パターンのテーブルを読み出し、まず、図6(c)の刺激パターンのテーブルから、第1の光照射パターンの情報を取得する。本例では、図6(c)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
その後、上述したメラノプシンを含む神経節細胞における第1の光照射パターンの場合と同様の処理を行うことにより、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞に対して、それぞれ、3、4、5及び6の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
この第1の光照射パターンによる合成光の像の表示が所定時間なされると、次に、制御装置110のCPU111は、図6(c)の刺激パターンのテーブルから、第2の光照射パターンの情報を取得する。ここで、本例では、図6(c)の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が6(又は4)、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6の情報が取得される。
続いて、制御装置110のCPU111は、(20)式を用いて、第2の光照射パターンに示された条件、即ち、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が6(又は4)、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6となる条件を満たす、第1の光源171の輝度I1、第2の光源172の輝度I2、第3の光源173の輝度I3及び第4の光源174の輝度I4を算出する。
その後、上述したメラノプシンを含む神経節細胞における第2の光照射パターンの場合と同様の処理を行うことにより、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞に対して、それぞれ、3、4、6(又は4)及び6の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
このように、図6(c)のテーブルに示された第1の光照射パターン及び第2の光照射パターンに基づく合成光を観察者の眼200に提示(照射)することにより、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞については、総興奮度が一定(それぞれ、3→3、4→4、6→6)であり変化しないため、刺激は行われない。一方、観察者の眼200の網膜に存在するS錐体細胞については、総興奮度が変化している(5→6(又は4))ため、刺激がなされる。このように、本例では、図6(c)の刺激パターンのテーブルに基づいて各光源(171〜174)の輝度を制御することにより、S錐体細胞のみを独立して刺激することを実現する。このS錐体細胞の総興奮度を変化させる光照射パターンでは、青色(5→6)、又は、黄色(5→4)に変化する。このことは、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度を意図的に変化させない光照射パターンを実現可能であることを意味する。
以上、説明したように、本例の光照射装置100では、制御装置110(PWM装置150も含む)において、第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173及び第4の光源174の各光源を制御して、各光源から放射された光を積分球160で合成し、観察者の眼200の網膜に存在する3種類の錐体細胞(3原色の光に刺激を受ける視細胞であるS錐体細胞、M錐体細胞及びL錐体細胞)、及び、メラノプシンを含む神経節細胞をそれぞれ独立して刺激するための合成光の像181を表示部180に表示する制御を行う。
次に、上述した3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞を独立して刺激する際の利点について説明する。
上述した3種類の錐体細胞は、視覚情報に関与するものであるが、この3種類の錐体細胞を独立して刺激することにより、例えば観察者の色覚等の視覚情報を従来のディスプレイや照明と同様に制御することが可能になる。
また、上述したメラノプシンを含む神経節細胞は、上述した3種類の錐体細胞とは異なり、生体リズム(サーカディアンリズム)、瞳孔反応、気づき等の非視覚情報に関与するものである。そして、メラノプシンを含む神経節細胞に対する刺激を、3種類の錐体細胞とは独立して行うことにより、観察者の非視覚情報を、上述した視覚情報とは独立して制御することが可能になる。具体的に、非視覚情報の制御としては、例えば、生体リズム(サーカディアンリズム)の再調整による疾患の治療や、車や飛行機の操縦席の照明による気づきの制御など、他分野、多方面への適用が可能である。即ち、メラノプシンを含む神経節細胞は、視覚情報にほとんど関与していないと考えられるため、このメラノプシンを含む神経節細胞を独立して刺激する光照射装置100は、運転時や作業時などにも用いることができる。
このように、本実施例の光照射装置100によれば、生体の状態を効率的に調整可能な光照射装置を提供することが可能となる。
(実施例2)
次に、本発明の実施形態に係る実施例2について説明する。
本発明の実施形態に係る実施例2では、光源群170として、実施例1で用いた第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173及び第4の光源174に加えて、第5の光源175を用いる。そして、本例の光照射装置100は、この第1の光源171〜第5の光源175を用いて、観察者の眼200の網膜に存在する5種類の光受容体(具体的には、3種類の錐体細胞、メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞)を独立して刺激するための合成光の像を表示部180に表示する制御を行う。ここで、第1の光源171〜第5の光源175におけるこれらの5種類の光源から放射される光のピーク波長及び強度は、提示する刺激の輝度(明るさ)や色などに応じて柔軟に変更が可能である。ただし、本例では、5種類の光源の波長領域が可視光(400nm〜700nm)の範囲内である必要があり、各光源の波長領域が短波長や長波長に偏って分布することのないように、各光源の波長領域を設定する。また、実施例2は、かん体細胞及び錐体細胞がともに視覚に寄与する薄明視条件で実施する。
次に、本発明の実施形態に係る実施例2について説明する。
本発明の実施形態に係る実施例2では、光源群170として、実施例1で用いた第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173及び第4の光源174に加えて、第5の光源175を用いる。そして、本例の光照射装置100は、この第1の光源171〜第5の光源175を用いて、観察者の眼200の網膜に存在する5種類の光受容体(具体的には、3種類の錐体細胞、メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞)を独立して刺激するための合成光の像を表示部180に表示する制御を行う。ここで、第1の光源171〜第5の光源175におけるこれらの5種類の光源から放射される光のピーク波長及び強度は、提示する刺激の輝度(明るさ)や色などに応じて柔軟に変更が可能である。ただし、本例では、5種類の光源の波長領域が可視光(400nm〜700nm)の範囲内である必要があり、各光源の波長領域が短波長や長波長に偏って分布することのないように、各光源の波長領域を設定する。また、実施例2は、かん体細胞及び錐体細胞がともに視覚に寄与する薄明視条件で実施する。
図7は、本発明の実施形態に係る実施例2を示し、図1に示す第5の光源175から放射される光の波長領域の一例を示す模式図である。
第5の光源175は、第5の波長領域(図7に示す例では、波長450nm〜590nm程度)の光305を発するものであり、主として、中波長帯域(青緑)の光を発するものである。また、第5の光源175から放射される第5の波長領域の光は、そのピーク波長が505nm程度、その半値幅が30nm程度となっている。
第5の光源175は、第5の波長領域(図7に示す例では、波長450nm〜590nm程度)の光305を発するものであり、主として、中波長帯域(青緑)の光を発するものである。また、第5の光源175から放射される第5の波長領域の光は、そのピーク波長が505nm程度、その半値幅が30nm程度となっている。
次に、実施例2の処理の流れについて説明する。
まず、例えば、光照射装置100のユーザから、観察者の眼200に与える刺激の種類(刺激を行う光受容体の種類等)、その刺激の提示時間、その刺激の強度などの情報が操作入力装置120を介して入力指示されると、制御装置110のCPU111は、これらの入力情報を、例えば外部メモリ114に記憶して設定する。その後、制御装置110のCPU111は、ROM113に記憶されているプログラム(刺激提示プログラム)113aの実行を開始する。
まず、例えば、光照射装置100のユーザから、観察者の眼200に与える刺激の種類(刺激を行う光受容体の種類等)、その刺激の提示時間、その刺激の強度などの情報が操作入力装置120を介して入力指示されると、制御装置110のCPU111は、これらの入力情報を、例えば外部メモリ114に記憶して設定する。その後、制御装置110のCPU111は、ROM113に記憶されているプログラム(刺激提示プログラム)113aの実行を開始する。
そして、制御装置110のCPU111は、上述した入力情報に従って、例えば外部メモリ114に予め記憶されている、各光源(171〜175)の最大輝度の情報、3種類の錐体細胞、メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞の分光感度特性の情報、並びに、各光源(171〜175)の分光放射輝度特性の情報に基づいて、観察者の眼200の網膜に存在する各光受容体(3種類の錐体細胞、メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞)をそれぞれ独立して刺激する光を放射するための各光源(171〜175)の輝度(明るさ)を算出する。本実施例においては、制御装置110のCPU111は、上述した実施例1と同様に、各光源(171〜175)から放射する光の輝度(明るさ)を、パルス列のduty比として算出を行う。
図8は、本発明の実施形態に係る実施例2で光源の輝度(明るさ)を算出する際に用いられる、かん体細胞の分光感度特性を示す模式図である。本例において、この図8に示すかん体細胞の分光感度特性の情報は、図4に示す3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞の分光感度特性と同様に、予め外部メモリ114に記憶されている。
ここで、本実施例では、実施例1で説明した図4に加えて、図8で示した、かん体細胞の分光感度をR(λ)とおく。また、本実施例では、第5の光源175の分光放射輝度(例えば図7に示す第5の波長領域の光305)をI5(λ)とする。
この場合、かん体細胞が、第1の光源171から受ける興奮度をR1、第2の光源172から受ける興奮度をR2、第3の光源173から受ける興奮度をR3、第4の光源174から受ける興奮度をR4、第5の光源175から受ける興奮度をR5とすると、各興奮度(R1〜R5)は、それぞれ、以下の(21)式〜(25)式のようになる。また、一般化すると、かん体細胞が、第nの光源から受ける興奮度は、Rnと表せる。
また、L錐体細胞が第5の光源175から受ける興奮度をL5、M錐体細胞が第5の光源175から受ける興奮度をM5、S錐体細胞が第5の光源175から受ける興奮度をS5、メラノプシンを含む神経節細胞が第5の光源175から受ける興奮度をmRGC5とすると、各興奮度(L5、M5、S5、mRGC5)は、それぞれ、以下の(26)式〜(29)式のようになる。
(17)式のPにおいて、かん体細胞の総興奮度をRとし、上述した関係を整理すると、本例に示す5つの光源(171〜175)を用いた場合には、以下の(30)式のように表すことができる。ただし、(30)式において、I1、I2、I3、I4及びI5は、それぞれ、第1の光源171の輝度、第2の光源172の輝度、第3の光源173の輝度、第4の光源174の輝度及び第5の光源175の輝度である。
また、(30)式に示す行列を、以下の(31)式に示す行列Bと定義して、その逆行列B-1を計算すると、以下の(32)式のようになる。
本例では、実施例1に示した方法を用いることで、観察者の眼200の網膜に存在する3種類の錐体細胞、メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞をそれぞれ独立して刺激することができる。ここでは、代表して、かん体細胞を独立して刺激する独立刺激方法について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る実施例2を示し、かん体細胞を独立して刺激するための、各光源(171〜175)の輝度を算出する際に用いられる刺激パターンの一例を示すテーブル図である。この図9に示すテーブルは、例えばユーザから入力情報によって設定され、例えば、外部メモリ114に予め記憶されているものとする。
ユーザから操作入力装置120を介して、かん体細胞を独立して刺激する指定(指示)がされた場合、制御装置110のCPU111は、例えば外部メモリ114に記憶されている、図9の刺激パターンのテーブルを読み出し、まず、図9の刺激パターンのテーブルから、第1の光照射パターンの情報を取得する。本例では、図9に示すテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6、かん体細胞の総興奮度が7の情報が取得される。
続いて、制御装置110のCPU111は、(32)式を用いて、第1の光照射パターンに示された条件、即ち、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6、かん体細胞の総興奮度が7となる条件を満たす、第1の光源171の輝度I1、第2の光源172の輝度I2、第3の光源173の輝度I3、第4の光源174の輝度I4及び第5の光源175の輝度I5を算出する。
その後、実施例1で説明した第1の光照射パターンの場合と同様の趣旨の処理を行うことにより、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞、メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞に対して、それぞれ、3、4、5、6及び7の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
この第1の光照射パターンによる合成光の像の表示が所定時間なされると、次に、制御装置110のCPU111は、図9の刺激パターンのテーブルから、第2の光照射パターンの情報を取得する。ここで、本例では、図9の刺激パターンのテーブルから、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6、かん体細胞の総興奮度が8(又は6)の情報が取得される。
続いて、制御装置110のCPU111は、(32)式を用いて、第2の光照射パターンに示された条件、即ち、L錐体細胞の総興奮度が3、M錐体細胞の総興奮度が4、S錐体細胞の総興奮度が5、メラノプシンを含む神経節細胞の総興奮度が6、かん体細胞の総興奮度が8(又は6)となる条件を満たす、第1の光源171の輝度I1、第2の光源172の輝度I2、第3の光源173の輝度I3、第4の光源174の輝度I4及び第5の光源175の輝度I5を算出する。
その後、実施例1で説明した第2の光照射パターンの場合と同様の趣旨の処理を行うことにより、本例では、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞、メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞に対して、それぞれ、3、4、5、6及び8(又は6)の総興奮度を与えるための合成光の像181が表示部180に表示される。
このように、図9のテーブルに示された第1の光照射パターン及び第2の光照射パターンに基づく合成光を観察者の眼200に提示(照射)することにより、観察者の眼200の網膜に存在するL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞については、総興奮度が一定(それぞれ、3→3、4→4、5→5、6→6)であり変化しないため、刺激は行われない。一方、観察者の眼200の網膜に存在するかん体細胞については、総興奮度が変化している(7→8(又は6))ため、刺激がなされる。このように、本例では、図9の刺激パターンのテーブルに基づいて各光源(171〜175)の輝度を制御することにより、かん体細胞のみを独立して刺激することを実現する。
ここでは、かん体細胞を独立して刺激する方法について代表して説明したが、L錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞をそれぞれ独立して刺激する方法についても、当該かん体細胞を独立して刺激する方法と同様の趣旨で実行可能である。
以上、説明したように、本例の光照射装置100では、制御装置110(PWM装置150も含む)において、第1の光源171、第2の光源172、第3の光源173、第4の光源174及び第5の光源175の各光源を制御して、各光源から放射された光を積分球160で合成し、観察者の眼200の網膜に存在する3種類の錐体細胞(3原色の光に刺激を受ける視細胞であるS錐体細胞、M錐体細胞及びL錐体細胞)、メラノプシンを含む神経節細胞、及び、かん体細胞をそれぞれ独立して刺激するための合成光の像181を表示部180に表示する制御を行う。
このように、本実施例の光照射装置100によれば、生体の状態を効率的に調整可能な光照射装置を提供することが可能となる。
−実験−
次に、発明者らが行った実験及びその結果について説明する。
本実験では、本実施形態に係る光照射装置100を用いて、メラノプシンを含む神経節細胞に対する刺激(以下、この刺激を「mRGC(melanopsin-expressing Retinal Cell)刺激」と称する)、輝度刺激(M+L)、及び、等輝度刺激(M−L)に対する観察者の眼200の瞳孔反応(非視覚情報)を測定した。
次に、発明者らが行った実験及びその結果について説明する。
本実験では、本実施形態に係る光照射装置100を用いて、メラノプシンを含む神経節細胞に対する刺激(以下、この刺激を「mRGC(melanopsin-expressing Retinal Cell)刺激」と称する)、輝度刺激(M+L)、及び、等輝度刺激(M−L)に対する観察者の眼200の瞳孔反応(非視覚情報)を測定した。
図10は、実験で用いた各刺激の刺激パターンの一例を示す模式図である。この図10に示す刺激パターンは、表示部180に表示されるものである。また、図10において、背景の像は、例えば上述した実施例の第1の光照射パターンに基づく合成光の像に相当するものであり、テストの像は、例えば上述した実施例の第2の光照射パターンに基づく合成光の像に相当するものである。
以下に、本実験で用いた各刺激について説明する。
まず、輝度刺激(M+L)は、図10に示す刺激パターンにおいて、背景での刺激に対してテストでの刺激の輝度成分(M+L)のみを変化させ、色は変化させない刺激である。具体的に、上述した(1)式〜(8)式に倣って、L錐体細胞及びM錐体細胞の分光感度における波長特性を、それぞれ、L(λ)、M(λ)とし、テスト刺激の分光放射輝度に係るスペクトラムをI(λ)とすると、L錐体細胞の興奮度L及びM錐体細胞の興奮度Mは、それぞれ、以下の(33)式及び(34)式のように表せる。
まず、輝度刺激(M+L)は、図10に示す刺激パターンにおいて、背景での刺激に対してテストでの刺激の輝度成分(M+L)のみを変化させ、色は変化させない刺激である。具体的に、上述した(1)式〜(8)式に倣って、L錐体細胞及びM錐体細胞の分光感度における波長特性を、それぞれ、L(λ)、M(λ)とし、テスト刺激の分光放射輝度に係るスペクトラムをI(λ)とすると、L錐体細胞の興奮度L及びM錐体細胞の興奮度Mは、それぞれ、以下の(33)式及び(34)式のように表せる。
なお、上述した(33)式及び(34)式は、S錐体細胞の興奮度Sやメラノプシンを含む神経節細胞の興奮度mRGCについても、同様の主旨で適用可能である。
即ち、輝度刺激(M+L)は、図10に示す背景の像とテストの像とにおいて、L錐体細胞の興奮度LとM錐体細胞の興奮度Mのみ同じ割合で変化させ、S錐体細胞の興奮度Sとメラノプシンを含む神経節細胞の興奮度mRGCは変化させない刺激である。この際、各光源の輝度は、例えば上述した実施例1で説明した趣旨に基づき設定される。
また、等輝度刺激(M−L)は、赤緑で変調している等輝度な色刺激を表し、輝度と興奮度mRGCは変化させず、色(L−M)のみ変化させる刺激である。
また、mRGC刺激は、錐体細胞やかん体細胞などの他の光受容体の興奮度は変化させないで、興奮度mRGCのみ変化させる刺激である。したがって、mRGC刺激では、輝度も色も変化しない。
そして、本実験では、各刺激の知覚への影響を一定とするために、各刺激のコントラストは、対象の変化が知覚できる最小値であるコントラスト閾値の2.5倍とし、また、各刺激に対する瞳孔反応は、瞬目を除き20回以上の瞳孔反応を平均して測定を行った。
図11は、実験で用いた各刺激に対する瞳孔反応の実験結果の一例を示す特性図である。図11に示す特性図において、横軸は時間[ms]を示し、縦軸は観察者の眼200の瞳孔直径を示している。また、図11には、時間0[ms]〜100[ms]の間に、それぞれ、mRGC刺激、輝度刺激(M+L)及び等輝度刺激(M−L)を与えた際の瞳孔反応の特性が示されている。
図11に示すように、mRGC刺激に対する瞳孔反応の振幅(刺激後の瞳孔直径の変化量)は、輝度刺激(M+L)に対する瞳孔反応の振幅よりも2.1倍大きく、また、等輝度刺激(M−L)に対する瞳孔反応の振幅よりも1.7倍大きくなるという実験結果が得られた。このことは、mRGC刺激が視覚経路よりもむしろ、瞳孔経路等の非視覚経路に大きく寄与していることを示し、本実施形態における光照射装置100を用いたmRGC刺激は、観察者の非視覚情報を刺激していることが分かる。
また、図12は、図11に示す瞳孔反応の特性において、各刺激に対する瞳孔直径を正規化した特性図である。この図12には、図11に示す特性のうち、時間0[ms]〜1000[ms]の間のものを示している。
図12に示すように、mRGC刺激に対する瞳孔反応は、輝度刺激(M+L)に対する瞳孔反応よりも持続的な反応を示していることが分かる。
また、発明者らは、その他の実験により、mRGC刺激は、輝度変化による刺激よりも、上述したコントラスト閾値が高い(即ち視覚系に対する感度が低い)という結果を得ている。このことは、メラノプシンを含む神経節細胞から入力された情報の伝達経路は、輝度情報の伝達経路とは異なる可能性を示唆している。
100 光照射装置
110 制御装置
120 操作入力装置
121 キーボード
122 マウス
130 ディスプレイ
140 PC
150 PWM装置
160 積分球
161 開口部
170 光源群
171 第1の光源
172 第2の光源
173 第3の光源
174 第4の光源
175 第5の光源
180 表示部
181 合成光の像
200 観察者の眼
110 制御装置
120 操作入力装置
121 キーボード
122 マウス
130 ディスプレイ
140 PC
150 PWM装置
160 積分球
161 開口部
170 光源群
171 第1の光源
172 第2の光源
173 第3の光源
174 第4の光源
175 第5の光源
180 表示部
181 合成光の像
200 観察者の眼
Claims (8)
- 第1の波長領域に係る光を発する第1の光源と、
第2の波長領域に係る光を発する第2の光源と、
第3の波長領域に係る光を発する第3の光源と、
第4の波長領域に係る光を発する第4の光源と、
複数の光源から発せられた光を合成して合成光を出力する光合成手段と、
前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源及び前記第4の光源の各光源を制御して、網膜に存在する3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞をそれぞれ独立して刺激するための前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行う制御手段と
を有することを特徴とする光照射装置。 - 前記3種類の錐体細胞及びメラノプシンを含む神経節細胞の各細胞を独立して刺激する際に用いられ、当該独立して刺激する細胞ごとに、前記各細胞の興奮度を定めた第1の光照射パターンと、当該第1の光照射パターンに対して前記独立して刺激する細胞のみの興奮度を変化させた第2の光照射パターンとが設定された刺激パターンを記憶する記憶手段を更に有し、
前記制御手段は、前記独立して刺激する細胞が指定された際に、前記記憶手段から当該独立して刺激する細胞に係る前記刺激パターンを取得し、当該取得した刺激パターンにおける前記第1の光照射パターンに基づいて前記各光源から発する光の輝度を制御して当該第1の光照射パターンに基づく前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行った後、前記取得した刺激パターンにおける前記第2の光照射パターンに基づいて前記各光源から発する光の輝度を制御して当該第2の光照射パターンに基づく前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。 - 前記制御手段は、前記メラノプシンを含む神経節細胞が独立して刺激する細胞として指定された場合、前記記憶手段から前記メラノプシンを含む神経節細胞に係る前記刺激パターンを取得し、当該取得した刺激パターンにおける前記第1の光照射パターンに基づいて前記各光源から発する光の輝度を制御して当該第1の光照射パターンに基づく前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行った後、前記取得した刺激パターンにおける前記第2の光照射パターンに基づいて前記各光源から発する光の輝度を制御して当該第2の光照射パターンに基づく前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。
- 第5の波長領域に係る光を発する第5の光源を更に有し、
前記制御手段は、前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源及び前記第4の光源に加えて、更に前記第5の光源を制御して、網膜に存在する前記3種類の錐体細胞、前記メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞をそれぞれ独立して刺激するための前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。 - 前記3種類の錐体細胞、メラノプシンを含む神経節細胞及びかん体細胞の各細胞を独立して刺激する際に用いられ、当該独立して刺激する細胞ごとに、前記各細胞の興奮度を定めた第1の光照射パターンと、当該第1の光照射パターンに対して前記独立して刺激する細胞のみの興奮度を変化させた第2の光照射パターンとが設定された刺激パターンを記憶する記憶手段を更に有し、
前記制御手段は、前記かん体細胞が独立して刺激する細胞として指定された場合、前記記憶手段から前記かん体細胞に係る前記刺激パターンを取得し、当該取得した刺激パターンにおける前記第1の光照射パターンに基づいて前記各光源から発する光の輝度を制御して当該第1の光照射パターンに基づく前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行った後、前記取得した刺激パターンにおける前記第2の光照射パターンに基づいて前記各光源から発する光の輝度を制御して当該第2の光照射パターンに基づく前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の光照射装置。 - 前記3種類の錐体細胞は、3原色の光に刺激を受ける視細胞であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光照射装置。
- 表示手段を更に有し、
前記制御手段は、前記合成光の像を前記表示手段に表示することにより、前記合成光を前記網膜に対して照射する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光照射装置。 - 前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源、前記第4の光源及び前記第5の光源として、発光ダイオードを用いることを特徴とする請求項4に記載の光照射装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009008069A JP2010162214A (ja) | 2009-01-16 | 2009-01-16 | 光照射装置 |
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JP2009008069A JP2010162214A (ja) | 2009-01-16 | 2009-01-16 | 光照射装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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2009
- 2009-01-16 JP JP2009008069A patent/JP2010162214A/ja active Pending
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