JP2015226389A - 充電装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源オフ状態の下で第2種の装置に接続されて起動された電子機器の制御回路が第2種の装置との初期処理を失敗しても、制御回路の起動による電気の浪費を抑制することができる充電装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】プリンターは、電源スイッチがオフ状態の下でUSB接続している相手が電源アダプター(第1種の装置)であれば(S12で否定判定)、制御回路は、初期処理を行わずにUSB接続で受け取った電力で二次電池を充電する(S13)。一方、USBコネクターが接続している相手がホスト装置(第2種の装置)であれば(S12で肯定判定)、初期処理(エニュメレーション)を行い、初期処理が完了した後に、二次電池を第2電力(500mA相当)で充電する(S22)。USBコネクターが接続している相手がホスト装置であり、タイムアウトとなって初期処理に失敗したときは(S21で肯定判定)、二次電池を充電しない。
【選択図】図4

Description

本発明は、パーソナルコンピューター(PC)等の外部装置から電源供給を受けて充電式の電池に充電する充電装置及びその充電装置を備えた電子機器に関する。
例えば特許文献1には、USB端子部がホスト装置(第2種の装置の一例)と接続された場合、ホスト装置からの電源供給でバッテリー(充電式の電池)を充電する電子機器の一例として携帯電話機が開示されている。この携帯電話機は、USB端子部を介してホスト装置との間でデータ転送を行うことによって初期処理(エニュメレーション)を開始すると共に第1電力でバッテリーへの充電を行う。USB端子部がホスト装置に接続されてから所定時間以内に初期処理が完了した場合はその初期処理に基づいた処理を行う。一方、USB端子部がホスト装置に接続されてから所定時間以内に初期処理が完了しなかった場合は、第1電力よりも大きい第2電力でバッテリーへの充電を行う。
また、USB端子部にUSBバッテリーチャージャー等の電源アダプター(第1種の装置の一例)が接続された場合、電子機器(デバイス機器)は電源アダプターから供給される電力でバッテリーを充電する。
特開2012−203765号公報
ところで、電子機器の電源オフ状態において、ホスト装置とUSB接続された場合は、制御回路を構成するCPUがホスト装置と充電のための通信を確立するために起動され、ホスト装置との間で初期処理(エニュメレーション)を行う。このような電源オフ状態の下でUSB接続されて充電を目的とする場合、電子機器は初期処理においてホスト装置に対して第1電力(例えば電流値100mA)よりも大きな第2電力(例えば電流値500mA)での電源供給を要求する。
しかし、ホスト装置は電子機器から要求された第2電力で電源供給ができない場合がある。例えばホスト装置と電子機器とがバスパワーで動作するハブを経由して接続されている場合が挙げられる。この場合、電子機器が初期処理において要求電流値(例えば500mA)及びクラス情報を含むディスクリプターと呼ばれる構成情報を送信しても、ホスト装置は第2電力(電流値で500mA)での電源供給が不可能なハブ経由であることを認識し、その構成情報を設定しない。このため、ホスト装置から電子機器に対して、構成情報の設定を通知する初期処理完了通知(設定完了通知)は送信されない。この結果、電子機器はホスト装置から送信されることのない初期処理完了通知を待つことになり、CPUは起動状態のまま放置される。
また、例えばホスト装置がバッテリー駆動であるときに電力の消費を抑えるため、最大供給電力(例えば電流値500mA)未満の第3電力でしか電源供給を許可しない設定がなされている場合がある。電子機器からこの種のホスト装置に第3電力より大きな第2電力を要求した場合、ホスト装置は第2電力での電源供給ができないので、この場合もホスト装置から電子機器に対して初期処理完了通知が送信されない。このため、電子機器はホスト装置から送信されることのない初期処理完了通知を待つことになり、この場合もCPUは起動状態のまま放置される。
これらの場合、ホスト装置から通信ケーブルを通じて初期処理前の第1電力(例えば保証電流値100mA)で電源供給がなされるものの、電子機器のCPUが消費する電気は無駄遣いである。特に、電子機器のCPUが初期処理完了通知を待っている状態で消費する電力が第1電力より大きければ、電池の残量が徐々に減少してしまう。このように上記二つのケースを一例とする何らかの原因で、ホスト装置が電子機器に対して第2電力で電源供給できない場合、電子機器の電源オフ状態の下で起動された制御回路のCPU等の電力消費により、電池の残量が徐々に減少してしまう。なお、上記の課題は、携帯電話機等の電子機器に限らず、プリンター(複合機を含む。)、スキャナー、プロジェクター、デジタルカメラ(撮影装置)、オーディオ装置(音響機器)など、ホスト装置(外部装置)と電源オフ状態の下で接続されたときに、ホスト装置からの電源供給で電池を充電する電子機器において概ね共通する。
本発明の目的は、電源オフ状態の下で第2種の装置に接続されて起動された電子機器の制御回路が第2種の装置との初期処理を失敗しても、制御回路の起動による電気の浪費を抑制することができる充電装置及び電子機器を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する充電装置は、外部装置と接続して、通信を行うとともに電力供給を受ける通信回路と、制御回路と、電源スイッチと、を備え、前記電源スイッチがオフ状態で前記通信回路が外部装置と接続した場合に、前記制御回路は、前記通信回路が接続している相手が第1種の装置であれば、初期処理を行わずに前記通信回路が受け取った電力で充電式の電池に充電を行い、前記通信回路が接続している相手が第2種の装置であれば、初期処理を行い、当該初期処理が完了した後に、前記電池に充電を行い、前記通信回路が接続している相手が第2種の装置であり、初期処理に失敗したときは、前記電池に充電を行わない。
この構成によれば、電源スイッチがオフ状態で通信回路が外部装置と接続した場合に、制御回路は、通信回路が接続している相手が第1種の装置であれば、初期処理を行わずに通信回路が受け取った電力で充電式の電池に充電が行われる。また、通信回路が接続している相手が第2種の装置であれば、制御回路が電源オン状態に起動されて初期処理が行われ、その初期処理が完了した後に、電池に充電が行われる。一方、通信回路が接続している相手が第2種の装置であり、初期処理に失敗したときは、電池に充電が行われない。すなわち、初期処理に失敗したときは、制御回路が起動状態(電源オン状態)からオフすることができ、電池への充電をその充電の開始前に中止できる。このため、初期処理が完了せず長時間に亘って制御回路が起動状態のまま放置されることによる電気の浪費や電池の残量の低減を抑制することができる。つまり、電源オフ状態の下で第2種の装置に接続されて起動された電子機器の制御回路が第2種の装置との初期処理を失敗しても、制御回路の起動による電気の浪費や電池の残量減少を抑制することができる。
上記充電装置では、前記制御回路は、前記通信回路が接続している相手を判定する判定回路と、前記初期処理の少なくとも一部を実行する処理回路と、を備え、前記処理回路が動作する場合には、前記通信回路が初期処理前に受け取る電力以上の電力を消費し、前記電源スイッチがオフ状態で前記通信回路が外部装置と接続した場合に、前記判定回路は前記通信回路が初期処理前に受け取る電力によって動作して前記通信回路が接続している相手を判定し、前記通信回路が接続している相手が第1種の装置と判定すれば、前記処理回路を電源オフ状態に維持し、前記通信回路が接続している相手が第2種の装置と判定すれば、前記処理回路を電源オン状態に移行させることが好ましい。
この構成によれば、電源スイッチがオフ状態で通信回路が外部装置と接続した場合に、判定回路は通信回路が初期処理前に受け取る電力によって動作して通信回路が接続している相手を判定する。通信回路が接続している相手が第1種の装置と判定すれば、処理回路を電源オフ状態に維持し、通信回路が接続している相手が第2種の装置と判定すれば、処理回路を電源オン状態に移行させる。このため、通信回路が接続している相手が第2種の装置の場合に、電源オン状態に移行した処理回路は第2種の装置との間で初期処理を行うことができる。
上記充電装置では、前記制御回路は、前記第2種の装置との初期処理においてタイムアウトが発生した場合に、前記初期処理に失敗したと判断することが好ましい。
この構成によれば、制御回路は、第2種の装置との初期処理においてタイムアウトが発生した場合に、初期処理に失敗したと判断する。タイムアウトを考慮することなく初期処理の完了まで待機する構成に比べ、初期処理が失敗であるときの制御回路の電源オン時間(起動時間)を短くすることができる。よって、初期処理を失敗して充電不可能であるにも拘らず、制御回路が電源オン状態(起動状態)に放置されて二次電池の電力が不要に消費される事態を抑制できる。
上記充電装置では、前記制御回路は、前記第2種の装置から定期的に送られてくるはずの信号が送られてこなくなったことで、初期処理に失敗したと判断することが好ましい。
この構成によれば、制御回路は、第2種の装置から定期的に送られてくるはずの信号が送られてこなくなったことで、初期処理に失敗したと判断する。よって、初期処理に失敗したと判断した時点で、電池の充電をしない選択をし、制御回路を電源オフ状態にすることができる。このため、制御回路が初期処理の失敗が分からず電源オン状態のまま放置される事態を回避できる。また、例えばタイムアウトの発生を初期処理の失敗と判断する場合に比べ、初期処理失敗時点で比較的早期に制御回路を電源オフ状態にすることができる。このため、初期処理が失敗であるときの制御回路の電源オン時間(起動時間)をより短くすることができる。
上記充電装置では、前記制御回路は、前記タイムアウトと判定する際に用いるタイムアウト時間を、前記第2種の装置の起動所要時間に応じて設定することが好ましい。
この構成によれば、制御回路は、タイムアウトと判定する際に用いるタイムアウト時間を、第2種の装置の起動所要時間に応じて設定する。よって、通信回路が接続している相手が第2種の装置であるときに、その第2種の装置が起動途中の状態にあっても、その起動後の第2種の装置と初期処理を行って第2種の装置から通信回路が受け取った電力で電池を充電することができる。
上記充電装置では、データの入力のために操作される操作部を備え、前記制御回路が、前記タイムアウトと判定する際に用いるタイムアウト時間は、前記操作部の操作に基づいて設定されることが好ましい。
この構成によれば、制御回路がタイムアウトの発生を判定する際に用いるタイムアウト時間は、操作部の操作に基づいて設定される。よって、ユーザーの使用環境(使用される第2種の装置の起動所要時間等)に合った適切なタイムアウト時間を設定できる。このため、第2種の装置の起動所要時間に合っていない短過ぎるタイムアウト時間が設定されているために、第2種の装置の起動途中でタイムアウトと判定されてしまい充電できたにも拘らず充電されない不都合を減らすことができる。したがって、電池が充電される頻度を高めることができる。
上記充電装置では、前記制御回路は、前記通信回路に接続された前記外部装置が前記第2種の装置である場合、当該第2種の装置の起動所要時間を取得し、前記タイムアウトの発生を判定する際に用いるタイムアウト時間を前記起動所要時間に応じた値に設定することが好ましい。
この構成によれば、制御回路は、第2種の装置に接続されたときは、第2種の装置の起動所要時間を取得し、その起動所要時間に応じたタイムアウト時間を設定する。よって、ユーザーの使用環境(使用される第2種の装置の起動所要時間等)に合った適切なタイムアウト時間を設定することができる。このため、第2種の装置の起動所要時間に合っていない短過ぎるタイムアウト時間が使用されたことが原因で、第2種の装置の起動途中でタイムアウトとなり、充電できたにも拘らず充電されない不都合を減らすことができる。したがって、電池が充電される頻度を高めることができる。
上記充電装置では、前記制御回路は、前記電池の残量又は残量の変化を示す値を計測し、前記電池の残量又は残量の変化を示す値が閾値を超えると、初期処理に失敗したと判断することが好ましい。
この構成によれば、制御回路は、電池の残量又は残量の変化を示す値が閾値を超えたことをもって初期処理の失敗を判断するので、タイマー等の計時手段を用いなくても、あるいは第2種の装置から送られてくるはずの信号を監視しなくても、初期処理の失敗を判断することができる。
上記課題を解決する電子機器は、上記の充電装置を備えている。この構成によれば、電子機器により、充電装置と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態におけるプリンターと外部装置との電気的構成を示す模式図。 ホスト装置とプリンターとの初期処理成功時のシーケンス図。 ホスト装置とプリンターとの初期処理失敗時のシーケンス図。 充電処理を示すフローチャート。 ホスト装置とプリンターとがハブを介してUSB接続された例を示す模式図。 第2実施形態の充電処理を示すフローチャート。
以下、印刷システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、電子機器の一例としてのプリンター11(印刷装置)は、USB(Universal Serial Bus)規格上のUSBデバイス11A(図5参照)として機能する。図1に示すプリンター11は、USBホスト30Aとして機能するホスト装置30とUSBケーブル等の通信ケーブル35を通じて通信可能に接続するためにそのコネクター35A(端子)が挿抜可能に接続されるUSBコネクター12を備えている。USBコネクター12は、電源供給路としての電源線(+−)(P,G)と、データを送受信するためのデータ線(D+,D−)とを備えている。通信ケーブル35のコネクター35AがUSBコネクター12に接続された場合、データ線及び電源線のそれぞれ同じ極同士が接続され、ホスト装置30とデータの送受信及びホスト装置30からの電源供給が可能になる。USBコネクター12は、電源線とデータ線と各種の素子(例えば抵抗)等とを含む通信用の電気回路を有している。この点において、本実施形態では、USBコネクター12により、通信回路の一例が構成される。
ホスト装置30は、例えばパーソナルコンピューター(PC)により構成されるが、USBホスト30Aとして機能する限りにおいて、携帯情報端末(PDA(Personal Digital Assistants))、タブレットPC等のコンピューター類であってもよい。さらにホスト装置30は、USBホスト機能を有するプリンターであってもよい。ホスト装置30は、図1に示すUSBホスト30A及びCPU30Bを備えている。USBホスト30Aのソフトウェア部分の少なくとも一部は例えばCPU30BがUSB用プログラムを実行することで構築される。なお、本実施形態では、USB規格として例えばUSB2.0を用いている。
図1に示すように、プリンター11は、USBコネクター12と電源供給路12Aとデータ線12Bで接続された制御回路13を備えている。また、プリンター11は、制御回路13により充電制御される充電式の電池の一例としての二次電池14と、制御回路13からの指示を受け付ける駆動回路15と、制御回路13の指示によって駆動回路15を介して制御される印刷機構16とを備えている。
図1に示すように、USBコネクター12には、充電用のUSBバッテリーチャージャー40(電源アダプター)のコネクター40A(端子)が挿抜可能に接続される。また、プリンター11は、USBコネクター12に加え、補助的に電源供給するための外部電源コネクター17を備えている。外部電源コネクター17は、制御回路13と電源供給路17A及びデータ線17Bを通じて接続されている。外部電源コネクター17には、ACアダプター50(電源アダプター)のコネクター50A(端子)が挿抜可能に接続される。ACアダプター50のコネクター50Aは、他の一般的なACアダプターのコネクターの形状と同様の円筒形状を有している。なお、本実施形態では、ホスト装置30及びUSBバッテリーチャージャー40により、外部装置の一例が構成される。また、USBバッテリーチャージャー40により第1種の装置の一例が構成され、ホスト装置30により第2種の装置の一例が構成される。
また、図1に示すように、プリンター11の本体11aには、操作パネル19が設けられている。操作パネル19は、プリンター11に各種の指示等を入力するために操作される操作スイッチ群20と、各種メニューや動作状況のメッセージ等が表示される表示部21とを備えている。操作スイッチ群20は制御回路13と電気的に接続されている。また、表示部21は制御回路13に対して表示駆動回路18を介して電気的に接続されている。
操作スイッチ群20は、電源スイッチ20Aと、各種の指示入力や選択操作等によってデータの入力のために操作される操作スイッチ20Bとを備えている。電源スイッチ20Aが操作されることで、プリンター11の電源のオンとオフが切り替えられる。つまり、プリンター11は、電源オフ状態の下で電源スイッチ20Aが操作されると電源オン状態に切り替わり、電源オン状態の下で電源スイッチ20Aが操作されると電源オフ状態に切り替わる。また、例えば表示部21に表示されるメニューにおいてユーザーが操作スイッチ20Bを操作して各種の項目を選択することで、制御回路13はその選択結果を受け付けて印刷条件等を設定する。
制御回路13は、プリンター11の電源オフ中に、USBコネクター12が接続している相手がホスト装置30又はUSBバッテリーチャージャー40である場合、充電モードになり、ホスト装置30又はUSBバッテリーチャージャー40からUSBコネクター12を通じて供給される電力で二次電池14を充電する充電制御を司る。但し、制御回路13は、プリンター11の電源オフ中に外部電源コネクター17にACアダプター50が接続されている場合は、ACアダプター50からの供給電力による二次電池14の充電を優先し、ホスト装置30又はUSBバッテリーチャージャー40からの供給電力に基づく充電は行わない。
また、制御回路13は、プリンター11の電源オン中に、ホスト装置30から受信した印刷ジョブデータに基づく文書や画像を用紙等の印刷媒体に印刷する印刷制御を司る。プリンター11の電源オン中に、外部電源コネクター17にACアダプター50が接続されている場合は、ACアダプター50から供給される電力によりプリンター11は動作する。さらに制御回路13は、外部電源コネクター17にACアダプター50が接続されていないプリンター11の電源オン状態においては、USBコネクター12が接続している相手がホスト装置30であっても非充電モードにあり、二次電池14の充電を行わないうえ、二次電池14を電源としてプリンター11を動作させる。また、プリンター11の電源オン状態においてはUSBコネクター12が接続している相手がUSBバッテリーチャージャー40であっても、制御回路13は非充電モードにあり、二次電池14の充電を行わないうえ、USBバッテリーチャージャー40からの電力でプリンター11を動作させる。
本実施形態の印刷機構16は、用紙等の印刷媒体にインクで記録する不図示の印刷ヘッドと、印刷媒体を搬送する不図示の搬送装置とを備える。印刷ヘッドは、印刷媒体の搬送方向と交差する走査方向にヘッドを往復移動させつつ印刷するシリアル方式でもよいし、搬送方向と交差する幅方向の印刷幅を一度で印刷可能な長さのヘッドにより一定速度で搬送される印刷媒体に印刷するラインヘッド方式でもよい。また、印刷ヘッドの方式は、インクジェット方式、ドットインパクト方式及び電子写真式のいずれであってもよい。また、インクジェット方式の場合、インクを噴射する圧力を発生させる駆動素子には、圧力板を撓ませて圧力を発生させる圧電素子や静電素子、あるいは熱等を利用して瞬間的に気泡を発生させるバブル素子を使用することができる。また、プリンター11は印刷に用いる印刷ジョブデータを有線と無線の少なくとも一方で受信できるうえ、メモリーカード等の記憶媒体から印刷に用いるデータを読み取るものでもよい。
図1に示すように、制御回路13は、制御IC22、電源回路23、CPU24及びメモリー25を備えている。制御IC22は、充電制御を行う集積回路である。なお、制御回路13内にCPU24に加え、ASIC(Application Specific IC(特定用途向けIC))を備え、印刷機構16のうち一部(例えば印刷ヘッド)の制御をASICが行ってもよい。
USBコネクター12の電源供給路12A及びデータ線12Bは、制御回路13内の制御IC22に接続されている。また、外部電源コネクター17の電源供給路17A及びデータ線17Bは、制御IC22に接続されている。制御IC22は、各コネクター12,17への外部装置の接続を検出する接続検出機能、その検出された接続相手(外部装置)を判定する判定機能を有する。さらに制御IC22は、充電モードにおいて二次電池14に対する充電制御を行うとともに、CPU24及び駆動回路15等に電源電力を供給する電源供給路12A,17Aの管理、及びCPU24等にデータを送信するデータ線12B,17Bの管理を行う。
制御IC22は、ホスト装置30からの通信ケーブル35のコネクター35A又はUSBバッテリーチャージャー40のコネクター40A等のいずれかがUSBコネクター12に接続されると、USB接続を検出する。制御IC22は、USB接続を検出すると、例えばデータ線12B(D+,D−)について、(D+)≠(D−)である場合にUSBコネクター12がコンピューター類であるホスト装置30に接続されていると判断し、一方、(D+)=(D−)である場合にUSBコネクター12がUSBバッテリーチャージャー40に接続されていると判断する。つまり、制御IC22は、USBコネクター12に接続されている接続相手(接続先)が、ホスト装置30であるか、USBバッテリーチャージャー40であるかを判定可能である。この点において、本実施形態では、制御IC22により、接続相手を判定する判定回路の一例が構成される。なお、制御IC22は、他の判定手法により接続相手を判定してもよい。
電源供給路12Aにおける制御IC22とCPU24との間の部分には、電源回路23が直列に介在されている。電源回路23は、入力した直流電圧を必要に応じて変圧して制御IC22及びCPU24に必要な駆動電圧(例えば3〜6Vの範囲内の所定電圧)、印刷機構16を構成する印刷ヘッドの駆動に必要な駆動電圧、用紙等の印刷媒体を搬送する搬送装置の動力源となる搬送モーターの駆動に必要な駆動電圧等を生成する。二次電池14は、電源供給路12Aにおける制御IC22と電源回路23との間の部分に対して第1スイッチ26を介して接続されている。この第1スイッチ26は制御IC22によりオン・オフ制御される。第1スイッチ26がオンになって導通しているときに電源供給路12Aからの電源電力によって二次電池14が充電される。
また、電源供給路12Aにおける電源回路23とCPU24との間の部分には、プッシュ式の第2スイッチ27と、半導体スイッチで構成される第3スイッチ28とが互いに並列な状態で介在している。プッシュ式の第2スイッチ27は、電源スイッチ20Aの操作に連動して機械的に押下され、電源スイッチ20Aの操作中のみオンし、電源スイッチ20Aの操作が止められるとオフする。また、電源回路23と駆動回路15とを接続する電源供給路12C上には第4スイッチ29が介在している。
制御IC22は、その判断結果に基づいて第3スイッチ28のオン(導通)とオフ(非導通)の切替え、データ線12B上の不図示のスイッチのオン(導通)とオフ(非導通)の切替え、第1スイッチ26のオン(導通)とオフ(非導通)の切替えを制御している。
プリンター11の起動のトリガーとするのは、プッシュ式の第2スイッチ27であり、プリンター11の電源オフ状態の下で電源スイッチ20Aが押下されて第2スイッチ27がオンされると、制御IC22は第3スイッチ28をオン状態に維持する。詳しくは、プッシュ式の第2スイッチ27がオンした際のオン信号はCPU24に入力される。CPU24は第2スイッチ27からオン信号を入力すると、制御IC22に対してプリンター11の電源のオンとオフの切替えを指示する。制御IC22は、プリンター11の電源オフ状態でCPU24から電源の切替え指示を受け付けると、第3スイッチ28及び第4スイッチ29をオンさせ、プリンター11の電源オン状態でCPU24から電源の切替え指示を受け付けると、第3スイッチ28及び第4スイッチ29をオフさせる。
第3スイッチ28がオンされることで電源回路23からCPU24へ必要な電力が供給され、第3スイッチ28がオフされることで電源回路23からCPU24への電力の供給が遮断される。また、第4スイッチ29がオンされることで電源回路23から駆動回路15へ必要な電力が供給され、第4スイッチ29がオフされることで電源回路23から駆動回路15への電力供給が遮断される。なお、第4スイッチ29は電圧別の電力を供給するためのスイッチ群により構成されてもよい。
プリンター11の電源オフ状態では、第3スイッチ28及び第4スイッチ29が共にオフ状態にある。また、この電源オフ状態において外部電源コネクター17にACアダプター50が接続されておらず、USBコネクター12にホスト装置30とUSBバッテリーチャージャー40のどちらも接続されていなければ、第1スイッチ26はオフ状態にある。
制御IC22は、プリンター11の電源オフ状態であって、かつACアダプター50が接続されていない状態において、USBコネクター12へのUSB接続を検出したときにその接続先がホスト装置30(USBホスト30A)であり、そのとき二次電池14の充電が必要であれば、それまでオフ状態にあった第3スイッチ28をオンさせる。制御IC22は、第3スイッチ28のオンによって、二次電池14の充電に先立ちホスト装置30との間でエニュメレーションと呼ばれる初期処理を実行させるためにCPU24を起動させる。このとき、制御IC22は、内部のスイッチをオンさせてCPU24を、データ線12Bを通じたデータの送受信が可能な状態にする。
電源スイッチ20Aがオフ状態の下でUSBコネクター12が外部装置と接続した場合、制御IC22は、USBコネクター12が初期処理の前に受け取る第1電力(例えば保証電流値100mA)を二次電池14と共に電源の一部としてUSBコネクター12が接続している相手を判定する。また、CPU24は初期処理を行うことによって、USBコネクター12が受け取る第1電力以上の電力を消費する。このため、CPU24がホスト装置30から初期処理完了通知を受信することなく初期処理の途中で待機状態のまま放置された場合、その待機時間のうちにCPU24の起動中の消費電力により二次電池14の残量が低減してしまう。ここで、保証電力とは、USB規格上、USB接続されたUSBデバイスに供給しなければならない電力であり、USB規格では例えば100mAに定められている。
なお、本実施形態では、プリンター11が電源オフ中にホスト装置30とUSB接続されたときに、二次電池14の充電に必要な初期処理を行わせるためのCPU24の起動を、「充電起動」と呼ぶ。また、制御IC22が第3スイッチ28をオンさせてCPU24を起動させることを「充電起動オン」、第3スイッチ28をオフさせて起動中のCPU24を電源オフさせることを「充電起動オフ」と呼ぶ場合がある。
また、制御IC22は、プリンター11が電源オン状態の下でACアダプター50又はUSBバッテリーチャージャー40に接続されているときは、第1スイッチ26をオフ状態、各スイッチ28,29をオン状態とすることにより電源アダプターから供給される電力でCPU24及び駆動回路15を動作させる。一方、制御IC22は、プリンター11が電源オフ状態の下でACアダプター50又はUSBバッテリーチャージャー40に接続されているときは、第1スイッチ26をオン状態、各スイッチ28,29をオフ状態とすることにより電源アダプターから供給される電力で二次電池14を充電する。
制御IC22は、プリンター11が電源オフ状態の下でACアダプター50又はUSBバッテリーチャージャー40からの電力で二次電池14を充電する際は、初期処理を行う必要がないので、CPU24は起動されない。なお、USBバッテリーチャージャー40及びACアダプター50は、AC電源のコンセントに繋がっているものに限らず、DCバッテリーに繋がっているものも含む。
CPU24に接続されているメモリー25には、ホスト装置30と電源供給能力のネゴシエーションを含むエニュメレーションと呼ばれる初期処理を行うためのUSB通信用プログラムが記憶されている。USBコネクター12にホスト装置30の接続が検出された場合、CPU24は初期処理(エニュメレーション)をホスト装置30との間で行う。本実施形態では、CPU24が初期処理の全てを実行するが、初期処理の一部をCPU24が実行し他の一部をASIC又は制御IC22が実行する構成としてもよい。なお、本実施形態では、CPU24により、初期処理の少なくとも一部を実行する処理回路の一例が構成される。
また、図1に示すCPU24はタイマー24Aを備えている。タイマー24Aは、例えばCPU24内のカウンターにより構成され、クロック信号のパルスを計数することでタイマーとして機能する。CPU24は、充電起動時点からの経過時間を計時時間Tとしてタイマー24Aに計時させる。メモリー25には、初期処理が失敗であるか否かを判定する際に用いられる設定タイムアウト時間T1(以下、単に「タイムアウト時間T1」ともいう。)が記憶されている。CPU24は、タイマー24Aの計時時間Tが、ホスト装置30から初期処理完了通知を受信することなく、タイムアウト時間T1に達してタイムアウトになると、制御IC22に充電起動オフを指示し、電源オフすることで、初期処理を充電開始前に中止する。一方、CPU24は、タイマー24Aの計時時間Tがタイムアウト時間T1に達する前に、ホスト装置30から初期処理完了通知を受信すると、制御IC22に充電開始を指示して第1スイッチ26をオンさせることで、ホスト装置30からの電源電力による二次電池14の充電を開始させる。なお、タイマー24Aは、プログラムにより計時処理を行うソフトウェアで構成してもよいし、CPU24に替え、制御IC22又はASICに設けられてもよい。
ここで、タイムアウト時間T1は、使用が想定される複数種のホスト装置30のうちBIOS(Basic Input/Output System)起動所要時間が最長であるホスト装置30のBIOS起動所要時間以上、かつこのホスト装置30のBIOS起動所要時間にマージン時間を加えた時間以下の値に設定されている。タイムアウト時間T1は、一例として30〜120秒の範囲内の所定値に設定されている。もちろん、タイムアウト時間T1は、上記の範囲に限らず、BIOS起動所要時間と関連付けてあるいはBIOS起動所要時間と無関係に、例えば10秒や20秒などのより短い時間、あるいは3分や5分などのより長い時間とすることもできる。
次に図2及び図3を参照して、プリンター11の電源オフ状態の下でホスト装置30と通信接続状態を確立するために初期処理として実行されるエニュメレーション及びタイマー24Aによるタイムアウト処理を伴う充電処理について説明する。
図2に示すように、プリンター11がホスト装置30との間でUSB接続されると、このUSB接続を検出したホスト装置30とプリンター11との間で初期処理としてエニュメレーションが実行される。
図2に示すように、エニュメレーションでは、まずプリンター11は、ホスト装置30からエニュメレーション開始に当たりリセット処理(バスリセット)を指示する「USB BusReset」を受信する。次にディスクリプターと呼ばれる構成情報を要求する「GetDescriptor」を受信する。そして、プリンター11はこの要求に応答して構成情報としてプリンター情報をホスト装置30へ応答する。プリンター情報には、プリンター11のクラス情報と、ホスト装置30に要求する電源供給の要求電力値情報とが含まれる。ここで、プリンター11の電源オフ時は、クラス情報は例えば「ヒューマンインターフェイスデバイス(HID)クラス」とされる。また、プリンター11の電源オン時は、クラス情報は例えば「プリンタークラス」とされる。
また、要求電力値情報として、第1電力(保証電力(例えば電流値100mA))よりも大きな第2電力が設定される。要求電力値情報は、所定の電源電圧(例えば5ボルト)の下で電流値を要求する要求電流値情報で示される。第2電力を要求する要求電流値情報は、USB規格で供給可能な最大電力に相当する例えば「500mA」とされる。なお、第2電力は、最大電力に限らず、二次電池14への充電が可能な電力であればよく、第1電力より大きくかつ最大電力未満の電力でもよい。
そして、ホスト装置30は、クラス情報(例えば「HID」)に基づいてUSB接続されたUSBデバイスがヒューマンインターフェイスデバイスであると認識する。また、ホスト装置30は、要求電流値情報(例えば500mA)に基づいて、その要求された第2電力での電源供給が可能であるか否かを判断し、第2電力での電源供給が可能であれば、そのプリンター情報を設定するとともに、初期処理完了通知(設定完了通知)である「SetConfiguration」をプリンター11に送信する。
図2に示すように、エニュメレーションにおいてプリンター11から要求した第2電力での電源供給が許可されて初期処理完了通知「SetConfiguration」を受信するまでは、充電不可能な状態にある。そして、初期処理完了通知を受信した場合に、ホスト装置30からプリンター11に要求した第2電力で電源供給されて二次電池14の充電が可能になる。
本実施形態では、プリンター11の電源オフ状態かつACアダプター50が非接続の状態の下でUSB接続が検出されたときの接続相手がホスト装置30である場合、プリンター11内のCPU24が起動される(充電起動オン)。このCPU24の充電起動とほぼ同時にCPU24はタイマー24Aによる計時を開始させる。CPU24は、その起動時点からの経過時間をタイマー24Aで計時し、その計時時間Tがタイムアウト時間T1に達したか否かを判断する。計時時間Tがタイムアウト時間T1に達する前に初期処理完了通知「SetConfiguration」を受信すれば、ホスト装置30から第2電力(例えば電流値で500mA)での電源供給が開始されるため、その供給される第2電力で二次電池14を充電する。
一方、図3に示すように、プリンター11とホスト装置30とのUSB接続が検出され、プリンター11内のCPU24が起動(充電起動オン)されて開始した初期処理において、プリンター11が送信したプリンター情報がホスト装置30で許可されない場合、プリンター11は初期処理完了通知「SetConfiguration」を受信できない。この場合、プリンター11では、初期処理完了通知を受信することなく、タイマー24Aの計時時間Tが、タイムアウト時間T1に達する。このように初期処理完了通知「SetConfiguration」を受信することなく、計時時間Tがタイムアウト時間T1に達すると、プリンター11は充電を目的に内部的に電源オンさせたCPU24の電源をオフにすることで、充電起動をオフにする(電源オフ)。
ここで、タイムアウト時間T1を経過しても初期処理完了通知を受信できない例として、以下の場合が挙げられる。例えば図5に示すように、ホスト装置30とプリンター11とがバスパワーで動作しているハブ60(分岐装置)を経由して接続されている構成では、ハブ60のポート60aが例えばNポート(図5の例では5ポート)である場合、1ポート当たり500/N(mA)の電流値(図5の例では100mA)でしか電源供給ができない。そのため、プリンター11がクラス情報及び要求電流値情報(例えば500mA)を含むプリンター情報を送信しても、ホスト装置30はハブ経由であることの認識をもって、第2電力(例えば電流値で500mA)での電源供給ができないと判断する。このため、ホスト装置30は、要求された第2電力での電源供給を許可できないため、プリンター情報を設定しない。この結果、図3に示すように、ホスト装置30は、初期処理完了通知「SetConfiguration」をプリンター11に送信しない。このため、プリンター11はホスト装置30から送信されることのない初期処理完了通知「SetConfiguration」の受信を待つ待機状態となる。
また、ホスト装置30がバッテリー駆動時にUSBデバイス(プリンター11)への電源供給が最大電力(例えば電流値で500mA)未満の所定電力以下に制限する設定がなされている場合がある。このようなホスト装置30では、プリンター11から要求された第2電力での電源供給ができないため、ホスト装置30からプリンター11へ初期処理完了通知「SetConfiguration」が送信されない。この場合も、プリンター11はホスト装置30から送信されることのない初期処理完了通知「SetConfiguration」の受信を待つ待機状態となる。
この待機状態においてCPU24は起動状態(充電起動オン状態)で待機するため、二次電池14の電力を消費する。この待機状態においてプリンター11はホスト装置30から通信ケーブル35を通じて第1電力(電流値で例えば100mA)で電源供給を受けるものの、起動中のCPU24が初期処理で消費する電力が、第1電力を上回るため、待機時間の経過と共に二次電池14の残量が徐々に低下してしまう。
そこで、本実施形態では、前述のタイムアウト時間T1を設定し、初期処理完了通知を受信することなく計時時間Tがタイムアウト時間T1に達してタイムアウトになると、ホスト装置30に応答したプリンター情報に含まれる要求が許可されず初期処理を失敗したとみなして、CPU24は電源をオフにする(充電起動オフ)。そして、タイムアウト時間T1を、USBコネクター12への接続が想定される複数種のホスト装置30のうち最長のBIOS起動所要時間に応じた値に設定しているので、ホスト装置30のBIOS起動を待つにほぼ十分な時間を待った後にタイムアウトとなる。このため、待機すれば充電できたにも拘らず短過ぎるタイムアウト時間によりタイムアウトになってしまい、二次電池14の充電ができなくなる不都合を回避し易いタイムアウト時間T1に設定されている。
また、プリンター11は、図4にフローチャートで示される充電処理用プログラムを記憶している。なお、このプログラムは制御IC22に書き込まれた部分(ステップS11〜S16)と、メモリー25に記憶されてCPU24により実行される部分(ステップS17〜S23)とを含んでいる。
次に図4を参照してプリンター11の作用を説明する。すなわち、プリンター11内の制御IC22及びCPU24が実行する充電処理について説明する。図4に示す充電処理は、プリンター11が電源オフ状態にあり、かつACアダプター50が接続されておらずACアダプター50による二次電池14への充電が行われていない状態の下で行われる。USBコネクター12に何らかのコネクターが接続され、USB接続を検出すると、図4に示す充電処理のプログラムが実行される。
まずステップS11では、制御ICを起動する。
次のステップS12では、接続先がホスト装置であるか否かを判断する。すなわち、制御IC22は、接続先がUSBホスト30Aとして機能するホスト装置30であるかUSBバッテリーチャージャー40等の電源アダプターであるかを判定する。例えばデータ線が(D+)≠(D−)である場合は接続先がホスト装置30であると判断し、(D+)=(D−)である場合は接続先が電源アダプターであると判断する。接続先がホスト装置30ではなく電源アダプターであればステップS13に進み、ホスト装置30であればステップS14に進む。
ステップS13では、電源アダプターで充電を開始する。本例の場合、USBバッテリーチャージャー40からの電力で二次電池14を充電する。
ステップS14では、二次電池の残量が閾値未満であるか否かを判断する。すなわち、二次電池14の残量が、初期処理を行ううえで十分な残量である閾値未満であるか否かを判断する。二次電池14の残量が閾値未満であればステップS15に進み、閾値未満でなければステップS16に進む。
ステップS15では、二次電池を第1電力(例えば100mA)で充電する。USB規格では第1電力での電源供給は保証されているので、二次電池14を第1電力でその残量が閾値に達するまで充電する。そして、二次電池14がその残量が閾値以上になるまで充電されると(S14で否定判定)、ステップS16に進む。
ステップS16では、CPUを起動させる(充電起動オン)。すなわち、制御IC22は、第3スイッチ28をオフからオンに切り替えることでCPU24を起動させる。このように二次電池14の充電を開始する前に必要なホスト装置30との初期処理を行わせるためにCPU24を起動させる。
ステップS17では、タイマーの計時を開始する。すなわち、CPU24はタイマー24Aの計時を開始する。この結果、タイマー24AはCPU24の起動時点からの経過時間(計時時間T)を計時する。
次のステップS18では、プルアップを行う。すなわち、CPU24は、データ線D+,D−の電圧を変動させてプルアップを行う。このプルアップによりホスト装置30はUSBデバイス11A(プリンター11)の接続を検出し、初期処理(エニュメレーション)(図2、図3を参照)を開始する。なお、タイマー24Aによる計時開始処理(S17)とプルアップ処理(S18)との処理の順番は逆でもよい。
ステップS19では、初期処理を行い、ホスト装置30からの要求に対してプリンター情報を送信する。プリンター情報にはクラス情報と要求電力情報とが含まれる。本例のプリンター11では、充電モードにおいて要求電力情報は第2電力(電流値で例えば500mA)に設定されている。このため、プリンター11はプリンター情報を通じてホスト装置30に対して第2電力を要求する。
こうして図2に示すように、プルアップによりUSB接続が検出されると、ホスト装置30とプリンター11との間で初期処理としてエニュメレーションが行われる。すなわち、まずホスト装置30からプリンター11に対してバスリセットを指示する「USB BusReset」が送信され、次に構成情報(ディスクリプター)を要求する「GetDescriptor」が送信される。「GetDescriptor」を受信したプリンター11は、構成情報としてクラス情報(例えば「HID」)と要求電力情報(第2電力)とを含むプリンター情報を送信する。
ホスト装置30が第2電力でプリンター11に電源供給できる場合、図2に示すように、ホスト装置30からプリンター11へ初期処理完了通知「SetConfiguration」が送信される。
一方、図5に示すように、ホスト装置30とプリンター11とがバスパワーハブ経由で接続されている場合、プリンター11がクラス情報及び要求電力情報(第2電力)を含むプリンター情報を送信しても、ホスト装置30はハブ経由であるとの認識から、要求された第2電力での電源供給を許可しない。このため、図3に示すように、ホスト装置30から初期処理完了通知「SetConfiguration」は送信されない。よって、プリンター11は、ホスト装置30から送信されることのない初期処理完了通知「SetConfiguration」を起動状態のまま待機することになる。この待機中は起動中(充電起動オン状態)のCPU24により、二次電池14の電力が消費される。
また、ホスト装置30がバッテリー駆動時にUSBデバイス11Aへの供給電力が最大電力(電流値で500mA)未満の所定電力以下に制限する設定がなされている場合、プリンター11から要求された第2電力(電流値で500mA)での電源供給ができない。このため、ホスト装置30からプリンター11へ初期処理完了通知「SetConfiguration」が送信されない。この場合も、プリンター11内のCPU24は、ホスト装置30から送信されることのない初期処理完了通知「SetConfiguration」を起動状態のまま待機することになる。この待機中は起動中のCPU24により、二次電池14の電力が消費される。これらの場合、ホスト装置30から通信ケーブル35を通じて第1電力(電流値で100mA)が供給されるものの、起動中のCPU24が初期処理で消費する電力が第1電力を上回る場合、二次電池14の残量が徐々に低下してしまう。
ステップS20では、初期処理完了通知を受信したか否かを判断する。ここで、ホスト装置30は、初期処理において受信したプリンター情報(構成情報)中で要求された第2電力での電源供給を許容できるか否かを判断し、許容できる場合はそのプリンター情報を設定して初期処理完了通知「SetConfiguration」をプリンター11に送信する。そして、CPU24は、初期処理完了通知を受信しなければステップS21に進み、受信すればステップS22に進む。
初期処理完了通知を受信しない場合は、ステップS21において、タイムアウトか否かを判断する。すなわち、タイマー24Aの計時時間Tがタイムアウト時間T1に達したか否かを判断する。タイムアウトでなければステップS20に戻る。つまり、初期処理完了通知を受信するか(S20で肯定判定)、タイムアウト(S21で肯定判定)になるまで、ステップS20,S21の処理を繰り返す。
ステップS22では、第2電力(電流値で500mA)で充電する。つまり、ホスト装置30から電源供給される第2電力で二次電池14を充電する。
一方、タイムアウトになった場合(S21で肯定判定)は、ステップS23において、CPU24と制御IC22をオフにする(充電起動オフ)。つまり、CPU起動時点からの経過時間である計時時間Tがタイムアウト時間T1に達した場合、起動状態にあるCPU24及び制御IC22の電源を共にオフし、二次電池14の充電をその開始前に中止する(充電起動オフ)。例えばCPU24からのオフ指示に従って制御IC22は、第3スイッチ28をオフにすることによりCPU24の電源をオフにし、その後、自身の電源をオフにする。なお、ステップS13及びS22で二次電池14の充電開始後の充電中において、制御IC22は二次電池14の残量を監視し、二次電池14が満充電されると、第1スイッチ26をオフにすることで、二次電池14の充電を終了させる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)制御回路13は、電源スイッチ20Aがオフ状態でUSBコネクター12が接続している相手がUSBバッテリーチャージャー40(第1種の装置の一例)であれば、初期処理(エニュメレーション)を行わずにUSBコネクター12が受け取った電力で二次電池14を充電する。また、USBコネクター12が接続している相手がホスト装置30(第2種の装置の一例)であれば、制御回路13は初期処理を行い、初期処理が完了した後に、二次電池14を充電する。一方、USBコネクター12が接続している相手がホスト装置30であり、初期処理に失敗したときは、二次電池14の充電を行わない。よって、電源スイッチ20Aがオフ状態でUSBコネクター12が接続している相手がホスト装置30であり、初期処理に失敗したときは、制御回路13(特にCPU24)の電源をオフすることができ、電池14への充電をその開始前に中止できる。このため、初期処理が失敗しても長時間に亘って制御回路13が起動状態のまま放置されることによる電気の浪費や電池14の残量の低減を抑制することができる。
(2)制御回路13は、USBコネクター12が接続している相手を判定する制御IC22(判定回路の一例)と、初期処理の少なくとも一部を実行するCPU24(処理回路の一例)とを備える。USBコネクター12が接続している相手がUSBバッテリーチャージャー40(第1種の装置の一例)と判定すれば、CPU24を電源オフ状態に維持する。また、USBコネクター12が接続している相手がホスト装置30(第2種の装置の一例)と判定すれば、CPU24を電源オン状態に移行させる。このため、電源オン状態に移行したCPU24はホスト装置30との間で初期処理を行うことができる。
(3)制御回路13は、ホスト装置30との初期処理においてタイムアウトが発生した場合に、初期処理に失敗したと判断する。このため、タイムアウトを考慮することなく初期処理完了通知を受信するまで待機する構成である場合に比べ、初期処理が失敗であるときの制御回路13の起動時間(電源オン時間)を短くすることができる。よって、初期処理を失敗して充電不可能であるにも拘らず、制御回路13が起動状態(電源オン状態)に放置され、二次電池14の電力が不要に消費される事態を抑制できる。
(4)制御回路13は、タイムアウトと判定する際に用いるタイムアウト時間T1を、ホスト装置30のBIOS起動所要時間(起動所要時間の一例)に応じて設定する。よって、USBコネクター12が接続しているホスト装置30が起動途中の状態にあっても、その起動後のホスト装置30と初期処理を行ってホスト装置30からの電源供給により第2電力(例えば電流値500mA)で二次電池14を充電することができる。
(5)特にタイムアウト時間T1を、接続が想定される複数種のホスト装置30の起動所要時間のうち最長時間のものに所定のマージン時間を加えて設定している。よって、充電できるにも拘らず短過ぎるタイムアウト時間によりホスト装置30の起動途中にタイムアウトの発生により初期処理が失敗したと判断されたために二次電池14を充電できなくなる事態を極力抑えることができる。このため、二次電池14が充電される頻度を相対的に高めることができる。
(第2実施形態)
次に図6を参照して第2実施形態を説明する。本実施形態では、タイムアウトに加え、他の方法によっても、CPU24の起動をオフにする。なお、プリンター11の構成は第1実施形態と同様であり、CPU24が実行する充電処理の一部が異なるだけなので、第1実施形態と共通の構成及び共通の処理については同一の符号を用いてその説明を省略し、特に異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、初期処理の失敗を、第1実施形態と同様のタイムアウトの発生に加え、ホスト装置30のサスペンド状態(一時停止状態)への移行によって判断する。ホスト装置30の種類によってはUSB接続中においてSOF(スタートオブフレーム)信号を定期的(例えば1ミリ秒未満の所定時間毎)にプリンター11に送信する。SOF信号は、例えば10マイクロ秒〜1ミリ秒の範囲内の一定時間Toの間隔毎にホスト装置30からプリンター11へ送信される信号である。
このため、初期処理中においてもホスト装置30からプリンター11へSOF信号が送信される。そして、ホスト装置30は、初期処理においてプリンター11から受信したプリンター情報(構成情報)に含まれる要求電力情報(第2電力)を許可できない場合、プリンター情報の設定を行わず、サスペンド状態に移行する。このサスペンド状態への移行によって、ホスト装置30は、SOF信号の送信を停止する。
プリンター11内の制御回路13を構成するCPU24は、ホスト装置30とのUSB接続中においてホスト装置30から送られてくるはずのSOF信号が途絶えて送られてこなくなると、ホスト装置30がサスペンド状態へ移行し、初期処理が失敗したとみなし、CPU24等の起動をオフにする(充電起動オフ)。本例では、CPU24は、ホスト装置30から送られてくるはずのSOF信号が第2設定時間T2の間、途絶えて送られてこなくなると、ホスト装置30がサスペンド状態に移行したとみなし、CPU24の電源をオフにする(充電起動オフ)。第2設定時間T2は、例えば1〜10ミリ秒の範囲内でかつT2>Toを満たす一定時間に設定されている。つまり、SOF信号が途絶えて第2設定時間T2以上アイドル状態になった時点で、初期処理を失敗したと判断する。
次に図6を参照して、本実施形態のプリンター11の作用を説明する。第1実施形態において図4で示したステップS11〜S18の各処理は本実施形態でも同様である。
ステップS19では、初期処理を行い、ホスト装置30からの要求に対してクラス情報(例えば「HID」)と要求電力情報(第2電力(電流値で500mA))とが含まれるプリンター情報を送信する。
ステップS20では、初期処理完了通知を受信したか否かを判断する。ここで、ホスト装置30は、初期処理において受信したプリンター情報(構成情報)中で要求された第2電力での電源供給を許可できるか否かを判断し、許可できる場合はそのプリンター情報を設定するとともに初期処理完了通知「SetConfiguration」をプリンター11に送信する。そして、プリンター11のCPU24は、初期処理完了通知を受信しなければステップS21に進み、受信すればステップS22に進む。
初期処理完了通知を受信しない場合(S20で否定判定)は、ステップS21において、タイムアウトか否かを判断する。すなわち、タイマー24Aの計時時間Tがタイムアウト時間T1に達したか否かを判断する。タイムアウトでなければステップS31に進む。
ステップS31では、SOF信号の受信が第2設定時間T2以上ないか否かを判断する。つまり、CPU24は、USB接続中はホスト装置30から送られてくるはずのSOF信号の受信が第2設定時間T2以上途絶えたアイドル状態になったか否かを判断する。SOF信号の受信が途切れたアイドル状態が第2設定時間T2に達していなければステップS20に戻り、そのアイドル状態が第2設定時間T2以上継続すればステップS23に進む。
こうして初期処理完了通知を受信するか(S20で肯定判定)、タイムアウトになるか(S21で肯定判定)、SOF信号の受信が第2設定時間以上ないかの各判定処理のうちいずれか1つが成立するまで、ステップS20,S21,S31の各処理を繰り返す。
SOF信号の受信が第2設定時間T2以上途切れることなく(S31で否定判定)、初期処理完了通知を受信すれば、ステップS22に進んで第2電力で二次電池14を充電する。
一方、USB接続中はホスト装置30から定期的に送られてくるはずのSOF信号が途絶えたアイドル状態が第2設定時間T2以上継続すると(S31で肯定判定)、初期処理の失敗とみなし、ステップS23に進んで、CPU24と制御IC22の電源をオフにする(充電起動オフ)。この場合、CPU24は起動時点からタイムアウト時間T1の経過を待つことなく初期処理の失敗をほぼリアルタイムに検出(判断)して、CPU24及び制御IC22の電源をオフし、初期処理を充電開始前に中止する。
また、SOF信号を送信しないホスト装置である場合、ホスト装置30が第2電力での電源供給を許可できない場合、プリンター11のCPU24は、初期処理完了通知を受信することなく計時時間Tがタイムアウト時間T1に達することになる(S21で肯定判定)。この場合、ステップS23において、CPU24及び制御IC22の電源をオフにする(充電起動オフ)。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるうえ、更に以下に示す効果が得られる。
(6)プリンター11のCPU24は、USB接続中はホスト装置30から定期的に送られてくるはずのSOF信号が送られてこなくなって第2設定時間T2に亘り途絶えると、CPU24及び制御IC22の電源をオフにする。すなわち、SOF信号を第2設定時間T2に亘り受信しなくなると、初期処理の失敗と判断して、CPU24及び制御IC22の電源をオフにし、二次電池14の充電を止めることができる。このため、制御回路13が初期処理の失敗が分からず電源オン状態のまま放置される事態を回避できる。
(7)CPU24の起動時点からタイムアウト時間T1を待つことなく、初期処理に失敗した時点でほぼリアルタイムにCPU24及び制御IC22を電源オフ状態に移行させることができる。このため、初期処理が失敗であるときの制御回路13の電源オン時間(起動時間)をより短くすることができ、制御回路13が起動状態に放置されることによる二次電池14の残量の低減を一層抑制できる。
なお、上記各実施形態は以下のような形態に変更したり、これらを組み合わせたりすることもできる。
・ユーザーの動作環境に応じてタイムアウト時間を変更できるようにしてもよい。データの入力のために操作される操作部の一例としての操作スイッチ20Bを備え、制御回路13は、タイムアウトと判定する際に用いるタイムアウト時間T1を、操作スイッチ20Bの操作に基づき設定できる構成としてもよい。この場合、操作スイッチ20Bの操作によりタイムアウト時間T1を数値で入力設定してもよいし、タイムアウト時間T1の選択肢の中から所望の一つを選択する構成としてもよい。この構成によれば、操作スイッチ20Bの操作に基づいて、ユーザーが使用環境に合った適切なタイムアウト時間T1を設定することができる。よって、使用されるホスト装置30のBIOS起動所要時間に合っていない短過ぎるタイムアウト時間が変更不能な状態で設定されているために、充電できるにも拘らずホスト装置30の起動途中でタイムアウトと判断されてしまい充電されない不都合を減らすことができる。この結果、二次電池14が充電される頻度を高めることができる。
・タイムアウト時間T1を一定値としたが可変としてもよい。制御回路13は、USBコネクター12が接続している相手が第2種の装置の一例であるホスト装置30であるときは、ホスト装置30から起動所要時間情報を取得するか、又はホスト装置30の起動所要時間を制御回路13内のタイマーで計時するかして取得し、その取得した起動所要時間に応じてタイムアウト時間T1を設定してもよい。この構成によれば、制御回路13は、取得した起動所要時間に応じたタイムアウト時間T1を設定できるので、ユーザーの使用環境に合った適切なタイムアウト時間T1を設定することができる。このため、ホスト装置30の起動所要時間に合っていない短過ぎるタイムアウト時間が設定されているために、ホスト装置30の起動途中でタイムアウトと判断されてしまい、充電できたにも拘らず充電されない不都合を減らすことができる。この結果、電池14が充電される頻度を高めることができる。また、制御回路13は、最大M個の起動所要時間のデータをメモリー25に記憶し、新規の起動所要時間を取得する度にM個を超える過去のデータのうち一番旧いデータを消去し、M個のうち最も長い起動所要時間に応じてタイムアウト時間を設定する。また、過去M個のうち予め設定された最長設定時間を超えるデータは採用せず、最長設定時間以下の起動所要時間のデータのうち最も長い起動所要時間に応じてタイムアウト時間T1を設定してもよい。これらの構成であれば、ユーザーがたまたま1回だけ起動所要時間の非常に長いホスト装置30をプリンター11に接続したために、そのホスト装置30の非常に長い起動所要時間に基づく長過ぎるタイムアウト時間が設定されることを回避しつつ、適切なタイムアウト時間T1を設定できる。
・制御回路13は、二次電池14の残量又は残量の変化を示す値を計測し、二次電池14の残量又は残量の変化を示す値が閾値を超えると、初期処理に失敗したと判断してもよい。この場合、二次電池の残量の変化を示す値は、変化量でもよいし変化率でもよい。この構成によれば、制御回路13は、二次電池14の残量又は残量の変化を示す値(例えば変化量又は変化率)が閾値を超えたことをもって、初期処理に失敗したと判断する。このため、タイマー等の計時手段を用いなくても初期処理の失敗を判定することができる。また、残量の変化率を用いた場合、二次電池14の残量が相対的に少ないときは相対的に早めに初期処理の失敗と判断され、二次電池14の残量が相対的に多いときは相対的に遅めに初期処理の失敗と判断される。このため、二次電池14の残量が少ないにも拘らず、初期処理の失敗の判断が遅れて残量が極めて少なくなる事態を回避し易い。また、二次電池14の残量に応じてタイムアウト時間T1を設定した場合、例えば二次電池14の残量が閾値未満と少ない場合はタイムアウト時間T1を相対的に短く設定し、その残量が多い場合はタイムアウト時間T1を相対的に長く設定してもよい。
・タイムアウト時間T1は、接続が想定される複数種のホスト装置30のうち最も長い起動所要時間(BIOS起動所要時間)に応じた値に設定することが好ましいが、ホスト装置のBIOS起動所要時間と同じ時間又はBIOS起動所要時間よりも短い時間を設定してもよい。例えばBIOS起動所要時間の1/2又は1/3の時間でもよい。また、BIOS起動所要時間を考慮しないタイムアウト時間T1を設定してもよい。例えばタイムアウト時間T1をエニュメレーション所要時間以上、エニュメレーション所要時間に所定のマージン時間(例えば1〜10秒)を加えた時間以下の値に設定してもよい。
・計時時間Tの計時開始時期は、CPUの起動時点(充電起動オン時点)に限定されない。例えばUSB接続時点(例えばUSB接続検出時点)に、タイマー24Aの計時を開始してもよい。この場合、例えば制御IC22内のタイマー(例えばカウンター)により計時を行えば、CPUの起動前であっても計時を開始できる。また、CPU起動時点から所定時間経過時点にタイマーの計時を開始させてもよい。例えばプリンター情報(構成情報)の送信時点からタイマーによる計時を開始してもよい。
・第2実施形態において、ホスト装置30が、USB接続中に定期的にSOF信号をUSBデバイス11Aに送信することが前提であれば、図6に示すフローチャートにおいてタイムアウトであるか否かを判断する処理(S22)を廃止してもよい。
・USB規格はUSB2.0に限定されることなく、USB3.0、USB3.1に適用してもよい。また、USB1.0やUSB1.1に適用してもよい。また、USB規格に限定されず、他の通信規格に適用してもよい。要するに、ホスト装置と電子機器との間で初期処理が行われ、初期処理完了通知(USB規格の「Set Configuration」に相当する通知)の受信をトリガーにして初期処理が完了し、この初期処理の完了をもってホスト装置から充電に必要な電力の供給を受ける構成であれば、他の通信規格でもよい。例えばIEEE1394、SCSI、ATAでもよい。また、通信方式は有線通信方式に限定されず、ホスト装置から電子機器への電源供給が可能な限りにおいて無線通信方式でもよい。
・電源スイッチ20Aは、プッシュ式に限定されず、トグル式でもよい。その他、電源のオンとオフを切り替え可能に操作されるスイッチであればよい。また、センサー式の電源スイッチでもよく、接触センサー式又は非接触センサー式の電源スイッチでもよい。
・制御回路を、ハードウェアで構成される制御IC22と、プログラムを実行するCPUによるソフトウェアとを備えた構成としたが、制御IC22やASIC等の電子回路によりハードウェアで実現したり、ソフトウェアのみにより実現したりしてもよい。
・プリンター(印刷装置)は、印刷専用機に限らず、コピー機能やスキャナー機能を備えた複合機であってもよい。さらに、プリンターは、シリアルプリンター、ラインプリンターの他、ページプリンターのいずれであってもよい。また、プリンターは、携帯型、小型、中型プリンター及び大型プリンターでもよい。例えばビジネス用プリンターや大判プリンターでもよい。
・電子機器は、プリンター(複合機を含む。)に限らず、スキャナー、プロジェクター、デジタルカメラ(撮影装置)、デジタルオーディオ装置(音響機器)などであってもよい。
11…電子機器の一例としてのプリンター、12…通信回路の一例としてのUSBコネクター、13…制御回路、14…充電式の電池の一例としての二次電池、15…駆動回路、16…印刷機構、20A…電源スイッチ、20B…操作部の一例としての操作スイッチ、22…判定回路の一例としての制御IC、23…電源回路、24…処理回路の一例としてのCPU、25…メモリー、26…第1スイッチ、30…外部装置及び第2種の装置の一例としてのホスト装置、35…通信ケーブル、40…外部装置及び第1種の装置の一例としてのUSBバッテリーチャージャー、T1…タイムアウト時間の一例としての設定タイムアウト時間、T2…第2設定時間。

Claims (9)

  1. 外部装置と接続して、通信を行うとともに電力供給を受ける通信回路と、
    制御回路と、
    電源スイッチと、を備え、
    前記電源スイッチがオフ状態で前記通信回路が外部装置と接続した場合に、前記制御回路は、前記通信回路が接続している相手が第1種の装置であれば、初期処理を行わずに前記通信回路が受け取った電力で充電式の電池に充電を行い、
    前記通信回路が接続している相手が第2種の装置であれば、初期処理を行い、当該初期処理が完了した後に、前記電池に充電を行い、
    前記通信回路が接続している相手が第2種の装置であり、初期処理に失敗したときは、前記電池に充電を行わない、ことを特徴とする充電装置。
  2. 前記制御回路は、前記通信回路が接続している相手を判定する判定回路と、前記初期処理の少なくとも一部を実行する処理回路と、を備え、
    前記処理回路が動作する場合には、前記通信回路が初期処理前に受け取る電力以上の電力を消費し、
    前記電源スイッチがオフ状態で前記通信回路が外部装置と接続した場合に、
    前記判定回路は前記通信回路が初期処理前に受け取る電力によって動作して前記通信回路が接続している相手を判定し、
    前記通信回路が接続している相手が第1種の装置と判定すれば、前記処理回路を電源オフ状態に維持し、
    前記通信回路が接続している相手が第2種の装置と判定すれば、前記処理回路を電源オン状態に移行させることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
  3. 前記制御回路は、前記第2種の装置との初期処理においてタイムアウトが発生した場合に、前記初期処理に失敗したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の充電装置。
  4. 前記制御回路は、前記第2種の装置から定期的に送られてくるはずの信号が送られてこなくなったことで、初期処理に失敗したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の充電装置。
  5. 前記制御回路は、前記タイムアウトと判定する際に用いるタイムアウト時間を、前記第2種の装置の起動所要時間に応じて設定することを特徴とする請求項3に記載の充電装置。
  6. データの入力のために操作される操作部を備え、
    前記制御回路が前記タイムアウトの発生を判定する際に用いるタイムアウト時間は、前記操作部の操作に基づいて設定されることを特徴とする請求項3又は5に記載の充電装置。
  7. 前記制御回路は、前記通信回路に接続された前記外部装置が前記第2種の装置である場合、当該第2種の装置の起動所要時間を取得し、前記タイムアウトの発生を判定する際に用いるタイムアウト時間を前記起動所要時間に応じた値に設定することを特徴とする請求項3又は5に記載の充電装置。
  8. 前記制御回路は、前記電池の残量又は残量の変化を示す値を計測し、前記電池の残量又は残量の変化を示す値が閾値を超えると、初期処理に失敗したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の充電装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の充電装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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