以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1は、通信装置および通信装置の制御方法の一実施形態を示す。例えば、図1では、一対の半導体チップCHIP(CHIP1、CHIP2)が伝送路TP(一対のチャネルCH)を介して互いに接続され、半導体チップCHIP1、CHIP2間で信号が授受される。半導体チップCHIP1、CHIP2がプリント基板に搭載される場合、伝送路TPは、プリント基板上の配線を含む。
半導体チップCHIP1、CHIP2が互いに異なるプリント基板に搭載される場合、伝送路は、各プリント基板上の配線と、各プリント基板を互いに接続するバックプレーン等の配線とを含む。あるいは、半導体チップCHIP1、CHIP2は、互いに異なるサーバ等の情報処理装置に搭載され、情報処理装置間に配線されるケーブルを介して互いに接続されてもよい。上述のいずれの形態においても、チャネルCHにおける信号の劣化特性は、互いに同程度であるとする。半導体チップCHIP1、CHIP2は、互いに同一または同様の構成を有するため、以下では、半導体チップCHIP1の構成が説明される。
半導体チップCHIP1は、チャネルCHを介して送信データTDTを半導体チップCHIP2に送信する送信部TXと、チャネルCHを介して半導体チップCHIP2から送信されるデータを受信する受信部RXとを有する。なお、半導体チップCHIP1、CHIP2における送信部TXおよび受信部RX以外の構成の例は、図2に示される。例えば、半導体チップCHIP1に搭載される送信部TXおよび受信部RXは、通信装置の一例であり、半導体チップCHIP2に搭載される送信部TXおよび受信部RXは、他の通信装置の一例である。なお、送信部TXおよび受信部RXは、1つの半導体チップに搭載される一対のマクロのそれぞれに設けられてもよい。この場合、伝送路TPは、一対のマクロ間に配線される信号線である。
送信部TXは、スイッチSW、バッファFIFO(First-In First-Out)、シリアライザSERおよびアンプAMPを有する。スイッチSWは、受信部RXで生成されるスイッチ制御信号SWCに基づいて動作し、送信データTDTまたはコードTCDのいずれかをバッファFIFOに出力する。コードTCDは、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEの等化強度を変更するコードHFEQC、LFEQC、DFECを含む。例えば、送信データTDTは、8b/10b方式または64b/66b方式等を用いてデータに埋め込まれたクロック成分を含む。
例えば、スイッチ制御信号SWCが第1のレベル(例えば、ロウレベル)の場合、スイッチSWは、半導体チップCHIP2で処理する情報を含む送信データTDTを選択する側に切り替わる。スイッチ制御信号SWCが第2のレベル(例えば、ハイレベル)の場合、スイッチSWは、イコライズロジック回路EQLaから出力されるコードTCDを選択する側に切り替わる。第1のレベルは第1の状態の一例であり、第2のレベルは、第2の状態の一例である。
シリアライザSERは、バッファFIFOに保持された送信データTDTまたはコードTCDをシリアルデータに変換する。アンプAMPは、シリアライザSERにより変換された直列のデータの信号振幅を増幅し、伝送路TPに出力する。例えば、アンプAMPは、直列のデータ信号を差動信号として伝送路TPに出力する。なお、アンプAMPは、直列のデータ信号をシングルエンド信号として伝送路TPに出力してもよい。
受信部RXは、等化回路HFEQ(High Frequency Equalizer)、等化回路LFEQ(Low Frequency Equalizer)および等化回路DFE(Decision Feedback Equalizer)を有する。また、受信器RXは、判定回路DCa、デシリアライザDES、クロックデータ再生回路CDR(Clock and Data Recovery)、検出回路DET1aおよびイコライズロジック回路EQLaを有する。
等化回路HFEQ、LFEQ、DFEは、半導体チップCHIP2の送信部TXから送信される直列のデータを受ける受信端に、この順で接続され、受信した信号を順次に等化する。等化回路HFEQは、イコライズロジック回路EQLaから出力されるコードHFEQCに基づき、等化強度を変更する。等化回路LFEQは、イコライズロジック回路EQLaから出力されるコードLFEQCに基づき、等化強度を変更する。等化回路DFEは、イコライズロジック回路EQLaから出力されるコードDFECに基づき、等化強度を変更する。
等化回路HFEQ、LFEQは、信号の損失をアナログ的に補償するCTLE(Continuous Linear Equalizer)の一種であり、等化回路DFEは、信号の損失をデジタル的に補償する等化回路の一種である。コードHFEQC、LFEQC、DFECは、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEで等化された信号に基づいて生成され、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEにフィードバックされる。このため、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEの等化強度は、伝送路TPの特性の変化に応じて、自動的に調整される。
等化回路HFEQ、LFEQ、DFEにより損失が補償される信号の周波数帯域は、互いに異なり、等化回路LFEQ、HFEQ、DFEの順で、補償する周波数帯域は高くなる。例えば、等化回路LFEQは、1GHz(ギガヘルツ)程度より低い周波数帯域の損失を補償し、等化回路HFEQは、1GHzから6GHz程度の周波数帯域の損失を補償し、等化回路DFEは、6GHz程度より高い周波数帯域の損失を補償する。なお、受信部RXに搭載される等化回路の数(種類)は、3つに限定されない。
判定回路DCaは、等化回路LFEQで等化された直列のデータ信号の振幅に基づいて、データ信号の論理を判定し、エラーを検出する。デシリアライザDESは、等化回路DFEから出力される直列のデータ信号を並列のデータ信号RDTに変換し、判定回路DCaから出力される直列のエラー信号を並列のエラー信号ERRに変換する。クロックデータ再生回路CDRは、デシリアライザDESから出力されるデータ信号RDTの遷移エッジに基づいてクロックを抽出し、クロックの位相を調整して等化回路DFEおよび判定回路DCaに出力する。
検出回路DET1aは、スイッチ制御信号SWCが第1のレベルの間に動作し、データ信号RDTに半導体チップCHIP2から送信されたコードTCD(コードHFEQC、LFEQC、DFECを含む)が含まれるか否かを検出する。検出回路DET1aは、コードTCDを検出した場合、検出したコードを、信号線CDINを介してイコライズロジック回路EQLaに出力する。検出回路DET1aは、第2のレベルのスイッチ制御信号SWCを受けたことに基づいて、コードTCDの検出動作を停止する。
イコライズロジック回路EQLaは、データ信号RDTおよびエラー信号ERRに基づいて、コードHFEQC、LFEQC、DFECを生成する。イコライズロジック回路EQLaは、例えば半導体チップCHIP1のパワーオン時に、コードHFEQC、LFEQC、DFECが最適化されたことを検出し、スイッチ制御信号SWCを第1のレベルから第2のレベルに変化させる。また、イコライズロジック回路EQLaは、最適化されたコードHFEQC、LFEQC、DFECを開始コードとともにコードTCDとしてスイッチSWに出力する。イコライズロジック回路EQLaの例は、図3に示され、開始コードの例は、図5に示される。コードHFEQC、LFEQC、DFECは、等化回路LFEQ、HFEQ、DFEの等化強度を変更する強度情報の一例である。イコライズロジック回路EQLaは、判定回路DCaでの判定結果に基づきコードHFEQC、LFEQC、DFECを生成する制御回路の一例である。
図2は、図1に示す半導体チップCHIP1、CHIP2の例を示す。半導体チップCHIP1、CHIP2は、互いに同一または同様の構成を有するため、以下では、半導体チップCHIP1の構成が説明される。
例えば、半導体チップCHIP1は、図1に示す構成に加えて、複数のCPU(Central Processing Unit)コアと、CPUコアと送信部TXおよび受信部RXとの接続を制御するルータROUTとを有する。送信部TXおよび受信部RXは、入出力制御部IOCに含まれる。入出力制御部IOCは、通信装置の一例である。そして、各CPUコアは、半導体チップCHIP2に送信するデータを、ルータROUTを介して送信部TXに出力し、受信部RXが半導体チップCHIP2から受信するデータを、ルータROUTを介して受ける。
なお、入出力制御部IOCは、複数組の送信部TXおよび受信部RXを有してもよい。この場合、複数組の送信部TXおよび受信部RXの一部の対は、半導体チップCHIP2と異なる半導体チップに接続されてもよい。
図3は、図1に示すイコライズロジック回路EQLaの例を示す。イコライズロジック回路EQLaは、イコライズコアELCOREa、検出回路DET2a、レジスタELREGaおよび記憶部MEMを有する。例えば、イコライズロジック回路EQLaは、送信部TXおよび受信部RXがデータを送受信するために用いるクロックの周波数に比べて低い周波数のクロックELCLKに同期して動作する。例えば、クロックELCLKの周波数は、データを送受信するために用いるクロックの周波数の32分の1である。
イコライズコアELCOREaは、受信部RXが過去に受信したデータ信号RDTの論理パターンの長さに基づいてデータ信号RDTの周波数帯域を検出し、等化強度を調整する等化回路(HFEQ、LFEQ、DFEのいずれか)を選択する。また、イコライズコアELCOREaは、エラー信号ERRに基づいて、選択した等化回路に設定する等化強度を求め、求めた等化強度を示すコード(HFEQC、LFEQC、DFECのいずれか)を生成する。各等化回路HFEQ、LFEQ、DFEは、イコライズコアELCOREaからのコードHFEQC、LFEQC、DFECに基づいて、等化強度を変更する。
イコライズコアELCOREaは、等化回路DFEの等化強度を調整するコードDFECを求める場合、例えば、1ビットから2ビット前に受信したデータRDTと現在のエラー信号ERRとを用いる。イコライズコアELCOREaは、等化回路HFEQCの等化強度を調整するコードHFEQCを求める場合、例えば、2ビットから5ビット前に受信したデータRDTと現在のエラー信号ERRとを用いる。イコライズコアELCOREaは、等化回路LFEQCの等化強度を調整するコードLFEQCを求める場合、例えば、6ビットから15ビット前に受信したデータRDTと現在のエラー信号ERRとを用いる。
イコライズコアELCOREaは、データ信号RDTのパターンから周波数帯域を判断し、判断した周波数帯域に対応する等化回路HFEQ、LFEQ、HFE毎に、エラー信号ERRに基づいて等化強度を示すコードHFEQC、LFEQC、DFECを設定する。このように、コードHFEQC、LFEQC、DFECを生成するために参照するデータ信号RDTは互いに異なるため、コードHFEQC、LFEQC、DFECは、互いに独立に最適化される。したがって、コードHFEQC、LFEQC、DFECの少なくともいずれかが、最適値でない等化強度に収束する、いわゆるローカルミニマムは存在しない。
イコライズコアELCOREaが生成したコードHFEQC、LFEQC、DFECは、検出回路DET2aに転送されるとともに、レジスタELREGaに格納される。レジスタELREGaは、コードHFEQC、LFEQC、DFECを格納する領域を有する。例えば、半導体チップCHIP1のパワーオン時に、記憶部MEMに格納されたコードHFEQC、LFEQC、DFECの初期値が、レジスタELREGaに転送される。例えば、記憶部MEMは、書き替え可能な不揮発性のメモリを含み、コードHFEQC、LFEQC、DFECの初期値は、半導体チップCHIP1の製造時に記憶部MEMに書き込まれる。なお、コードHFEQC、LFEQC、DFECの初期値は、半導体チップCHIP1の製造後に、図2に示すCPUコア等のコントローラにより記憶部MEMに書き込まれてもよい。図4で説明するように、半導体チップCHIP1、CHIP2の記憶部MEMに書き込まれるコードHFEQC、LFEQC、DFECの初期値は、互いに異なる。
さらに、イコライズコアELCOREaは、スイッチSWにコードTCDを出力させるスイッチ制御信号SWCを検出回路DET2aから受けたことに基づいて、信号線CDOUTにコードTCDを出力する。例えば、コードTCDは、図5に示す開始コードと、コードHFEQC、LFEQC、DFECとを含む。イコライズコアELCOREaは、図1に示す検出回路DET1aから出力されるコードを、信号線CDINを介して受ける。
検出回路DET2aは、例えば、半導体チップCHIP1のパワーオン時に動作し、全てのコードHFEQC、LFEQC、DFECが初期値から最適値に収束したことを判定したときに、スイッチ制御信号SWCを第1のレベルから第2のレベルに変化する。なお、検出回路DET2aは、イコライズコアELCOREaの内部に設けられてもよい。半導体チップCHIP1のパワーオン時のイコライズロジック回路EQLaの動作の例は、図4に示される。
図4は、図3に示すイコライズロジック回路EQLaのパワーオン時の動作の例を示す。換言すれば、図4は、初期値に設定されたコードHFEQC、LFEQC、DFECを伝送路TPの特性に合わせて収束させる収束動作の例(通信装置の制御方法)を示す。
例えば、半導体チップCHIP1、CHIP2のイコライズロジック回路EQLaは、半導体チップCHIP1、CHIP2のパワーオンPONに基づいてそれぞれ動作を開始する。図4に示す例では、半導体チップCHIP1、CHIP2は、同じ時刻に電源が供給される(PON)。
パワーオンPONの後、等化回路DFEのオフセットをキャンセルする較正が実行される。等化回路DFEの較正後、図3に示すイコライズコアELCOREaは、パワーオン時に記憶部MEMからレジスタELREGaに転送されたコードHFEQC、LFEQC、DFECの初期値を読み出す。イコライズコアELCOREaは、読み出したコードHFEQC、LFEQC、DFECを、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEのそれぞれに出力し、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEの等化強度を初期設定する。コードHFEQCの初期値は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なり、コードLFEQCの初期値は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なり、コードDFECの初期値は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なる。
イコライズコアELCOREaは、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEの等化強度を初期設定した後、データ信号RDTとエラー信号ERRに基づいて、各コードHFEQC、LFEQC、DFECを最適化する動作(すなわち、収束動作)を実行する。ここで、損失が補償される信号の周波数帯域は、等化回路HFEQ、LFEQ、DFE毎に異なる。周波数帯域が最も低い等化回路LFEQに対応するコードLFEQCが最適値に収束するまでの時間は、他の等化回路HFEQ、DFEに対応するコードHFEQC、DFECが最適値に収束するまでの時間より長い。例えば、コードHFEQC、DFECが最適値に収束するまでの時間は、数十ミリ秒であり、コードLFEQCが最適値に収束するまでの時間は、数百ミリ秒である。
図3に示す検出回路DET2aは、規定時間内での各コードHFEQC、LFEQC、DFECの変化量が、例えば2コード(最小の変化量の2つ分)以内に収まった場合、各コードHFEQC、LFEQC、DFECの最適値への収束を検出する。なお、最適値への収束を検出する各コードHFEQC、LFEQC、DFECの変化量は、2コードに限定されない。コードLFEQCが最適値に収束するまでの時間は、コードHFEQC、DFECが最適値に収束するまでの時間より長い。このため、コードLFEQCの最適値への収束により、全てのコードHFEQC、LFEQC、DFECの最適値への収束が完了する。
半導体チップCHIP1、CHIP2では、コードHFEQCの初期値は互いに異なり、コードLFEQCの初期値は互いに異なり、コードDFECの初期値は互いに異なる。このため、コードHFEQCの最適値への収束時間は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なり、コードLFEQCの最適値への収束時間は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なる。同様に、コードDFECの最適値への収束時間は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なる。受信部RX毎に、コードHFEQC、LFEQC、DFECのそれぞれの初期値を相違させることで、コードHFEQC、LFEQC、DFECのそれぞれの初期値を同じにする場合に比べて、最適値に収束するまでの時間を短縮することができる。
図4に示す例では、半導体チップCHIP1の検出回路DET2aは、半導体チップCHIP2の検出回路DET2aより早く、コードLFEQCの最適値CD1への収束を検出する。そして、半導体チップCHIP1の検出回路DET2aは、スイッチ制御信号SWCを第1のレベルから第2のレベルに変更する。この後、半導体チップCHIP1において最適値に収束されたコードHFEQC、LFEQC、DFECは、半導体チップCHIP1の送信部TXを介して半導体チップCHIP2の受信部RXに送信される。
半導体チップCHIP2の受信部RXの検出回路DET1aは、コードHFEQC、LFEQC、DFECの受信を検出し、半導体チップCHIP2のイコライズロジック回路EQLaに転送する。そして、半導体チップCHIP2のイコライズロジック回路EQLaのイコライズコアELCOREaは、転送されたコードHFEQC、LFEQC、DFECを各等化回路HFEQ、LFEQ、DFEに設定するとともに、レジスタELREGaに書き込む。これにより、各半導体チップCHIP1、CHIP2に共通のコードHFEQC、LFEQC、DFECの初期値を用いる場合に比べて、コードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束するまでの時間を短縮することができる。なお、図1で説明されたように、各チャネルCHにおける信号の劣化特性は同程度であるため、各コードHFEQC、LFEQC、DFECの最適値は、半導体チップCHIP1、CHIP2の受信部RXにおいて互いに同様の値である。
図5は、図3に示すイコライズコアELCOREaが出力する開始コードおよび最適化されたコードHFEQC、LFEQC、DFECの例を示す。すなわち、図5は、通信装置の制御方法を示す。等化回路HFEQ、LFEQ、DFEのそれぞれに設定されるコードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束していない場合、受信部RXは、受信する信号の論理を誤って判定するおそれがある。例えば、信号の論理が変化する境界付近は、境界以外に比べて、論理を誤って判定する可能性が高い。
このため、コードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束していない相手の半導体チップCHIPへの開始コードおよびコードHFEQC、LFEQC、DFECの送信周波数F2は、通常動作時の送信周波数F1に比べて低く設定される。すなわち、イコライズコアELCOREaは、収束動作において収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを伝送路TPに送信する通信速度を、データTDTを伝送路TPに送信する通信速度に比べて遅く設定する。ここで、通常動作は、図2に示すCPUが相手の半導体チップCHIPにデータを送信する動作であり、通常動作時の通信速度は、例えば、36Gbps(Gigabit per second)である。
これにより、相手の半導体チップCHIPにおいて、等化回路DFEおよび判定回路DCaは、コードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束する前に、コードHFEQC、LFEQC、DFECを正しく受信することができる。また、検出部DET1aは、開始コードを検出することで、相手の半導体チップCHIPからコードHFEQC、LFEQC、DFECが送信されたことを認識することができる。開始コードは、コードHFEQC、LFEQC、DFECを識別するための識別情報の一例である。
例えば、イコライズコアELCOREaは、相手の半導体チップCHIPに送信する開始コードおよびコードHFEQC、LFEQC、DFECを、論理毎に16ビット連続して生成する。この場合、開始コードおよびコードHFEQC、LFEQC、DFECの通信速度は、通常動作時の16分の1の2.25Gbpsになる。
例えば、開始コードの論理は、”010”である。図1に示す検出回路DET1aは、14ビット以上の連続する”0”、14ビット以上の連続する”1”、および14ビット以上の連続する”0”を順次に受けた場合、開始コードを受信したと判定する。そして、検出回路DET1aは、開始コードの受信に続き、14ビット以上の連続する”0”および14ビット以上の連続する”1”の組み合わせでそれぞれ表されるコードHFEQC、LFEQC、DFECを順次に受信する。
図6は、図1に示す受信部RXを初期化する動作の例を示す。すなわち、図6は、通信装置の制御方法を示す。図6に示す動作は、各半導体チップCHIP1、CHIP2のパワーオン時にそれぞれの受信部RXで開始される。パワーオン後、半導体チップCHIP1の受信部RXは、半導体チップCHIP2の送信部TXから送信されるデータTDT(図1)を受信する。半導体チップCHIP2の受信部RXは、半導体チップCHIP1の送信部TXから送信されるデータTDTを受信する。送信部TXから送信されるデータTDTは、半導体チップCHIP1、CHIP2の初期化動作中に生成されるトレーニングデータまたはダミーデータでもよく、CPUが出力する実データでもよい。半導体チップCHIP1、CHIP2のイコライズコアELCOREaは、データ信号RDTおよびエラー信号ERRに基づいて、図4に示す各コードHFEQC、LFEQC、DFECを最適値に収束する収束動作を繰り返し実行する。イコライズコアELCOREaは、各コードHFEQC、LFEQC、DFECの収束動作毎に、変更したコード(HFEQC、LFEQC、DFECのいずれか)を、等化回路(HFEQ、LFEQ、DFEのいずれか)に設定する。また、イコライズコアELCOREaは、各コードHFEQC、LFEQC、DFECの収束動作毎に、変更したコード(HFEQC、LFEQC、DFECのいずれか)を、レジスタELREGaに書き込む。
図3に示す検出回路DET2aは、動作OP102において、コードHFEQCのX1秒後の変化量が所定のコード数Y1以下か否かを判定し、動作OP104において、コードLFEQCのX2秒後の変化量が所定のコード数Y2以下か否かを判定する。また、検出回路DET2aは、動作OP106において、コードDFECのX3秒後の変化量が所定のコード数Y3以下か否かを判定する。なお、動作OP102、OP104、OP106は、並列に実行されてもよい。
例えば、X1秒、X3秒は、2ms(ミリ秒)であり、X2秒は、100msであり、コード数Y1、Y2、Y3は、”2”である。動作OP102、OP104、OP106の全てが肯定判定(Yes)の場合、すなわち、コードHFEQC、LFEQC、DFECの全てが収束した場合、受信部RXは動作OP108を実行する。動作OP102、OP104、OP106のいずれかが否定判定(No)の場合、受信部RXは動作OP120を実行する。
動作OP108において、検出回路DET2aはスイッチ制御信号SWCを第2のレベルに設定する。スイッチSWは、スイッチ制御信号SWCに基づいて、イコライズロジック回路EQLaから送信されるコードTCDをバッファFIFOに転送する側に切り替わる。次に、動作OP110において、検出回路DET1aは、スイッチ制御信号SWCの第2のレベルの変化に基づいて、コードTCDの検出動作を停止する。これにより、例えば、半導体チップCHIP1の検出回路DET1aは、コードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束した後、半導体チップCHIP2から送信されるコードHFEQC、LFEQC、DFECを検出しない。したがって、一方の半導体チップCHIPで、コードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束した場合に、他方の半導体チップCHIPで収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを使用することを抑止することができる。また、検出回路DET1aが動作を停止することで、受信部RXの消費電力を削減することができる。
次に、動作OP112において、イコライズコアELCOREaは、開始コード(図5に示す”010”)と、最適値に収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECとを、スイッチSWおよび送信部TXを介して相手の半導体チップCHIPに送信する。次に、動作OP114において、検出回路DET2aは、所定時間後に、スイッチ制御信号SWCを第2のレベルから第1のレベルに戻す。なお、検出回路DET1aは、スイッチ制御信号SWCが第2のレベルから第1のレベルに戻った場合にも、停止状態を維持する。次に、動作OP116において、検出回路DET2aは、動作を停止し、受信部RXの収束動作は完了する。
一方、動作OP120において、検出回路DET1aは、相手の半導体チップCHIPから、開始コードを受信したか否かを判定する。動作OP120が肯定判定の場合、受信部RXは動作OP122を実行し、動作OP120が否定判定の場合、受信部RXは動作OP102、OP104、OP106を再び実行する。なお、開始コードに続くコードHFEQC、LFEQC、DFECを示す論理が所定のビット数(図5では、14ビット)連続しない場合、検出回路DET1aは、開始コードを受信していないと判定してもよい。この場合、受信部RXは動作OP102、OP104、OP106を再び実行する。
動作OP122において、検出回路DET1aは、開始コードに続いて受信するコードHFEQC、LFEQC、DFECをイコライズロジック回路EQLaに転送する。イコライズロジック回路EQLaのイコライズコアELCOREaは、相手の半導体チップCHIPから受信したコードHFEQC、LFEQC、DFECをレジスタELREGaに格納する。
次に、動作OP124において、受信部RXは、検出回路DET1a、DET2aの動作を停止する。そして、動作OP126において、イコライズコアELCOREaは、相手の半導体チップCHIPから受信したコードHFEQC、LFEQC、DFECを、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEのそれぞれに設定する。そして、受信部RXの収束動作は完了する。
このように、図6に示す例では、互いに異なる初期値で収束動作を開始した半導体チップCHIP1、CHIP2の受信部RXは、早く収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを採用する。
図7は、図1に示す受信部の動作の別の例を示す。図6と同一または同様の動作については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図4で説明されたように、コードLFEQCが最適値に収束するまでの収束時間は、コードHFEQC、DFECが最適値に収束するまでの収束時間より長い。このため、コードLFEQCの最適値への収束を判定することで、コードHFEQC、DFECの最適値への収束も判定することができる。
図7では、受信部RXは、コードHFEQC、DFECの最適値への収束を判定する動作OP102、OP106(図6)を実行しない。また、受信部RXは、動作OP112、OP122、OP126の代わりに、動作OP112a、OP122a、OP126aを実行する。
動作OP112aでは、イコライズコアELCOREaは、開始コード(図5に示す”010”)と、最適値に収束したコードLFEQCとを、スイッチSWおよび送信部TXを介して相手の半導体チップCHIPに送信する。動作OP122aでは、検出回路DET1aは、開始コードに続いて受信するコードLFEQCをイコライズロジック回路EQLaに転送する。イコライズロジック回路EQLaのイコライズコアELCOREaは、相手の半導体チップCHIPから受信したコードLFEQCをレジスタELREGaに格納する。なお、イコライズコアELCOREaは、検出回路DET1aからコードLFEQCを受信した時点で、他のコードHFEQC、DFECを最適値に収束する動作を完了しており、最適化したコードHFEQC、DFECを、レジスタELREGaに格納済みである。また、イコライズコアELCOREaは最適化したコードHFEQC、DFECを、等化回路HFEQ、DFEに設定済みである。
このため、動作OP126aでは、イコライズコアELCOREaは、相手の半導体チップCHIPから受信したコードLFEQCのみを、等化回路LFEQに設定し、受信部RXの収束動作を完了する。図7では、コードLFEQCが最適値に収束した場合、コードLFEQCのみを相手の半導体チップCHIPに送信し、相手の半導体チップCHIPの等化回路LFEQに設定させる。これにより、受信部RXへのコードHFEQC、DFECの送信時間をなくすことができ、受信部RXの収束動作時間を図6に比べて短縮することができる。
以上、図1から図7に示す実施形態では、半導体チップCHIP1、CHIP2の受信部RX毎に、コードHFEQC、LFEQC、DFECのそれぞれの初期値を相違させる。これにより、コードHFEQC、LFEQC、DFECのそれぞれの初期値を同じにする場合に比べて、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEの等化強度を最適値に収束するまでの時間を短縮することができる。
半導体チップCHIP1の検出回路DET1aは、コードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束した場合に動作を停止し、半導体チップCHIP2から送信されるコードHFEQC、LFEQC、DFECを検出しない。これにより、半導体チップCHIP1、CHIP2において、コードHFEQC、LFEQC、DFECがほぼ同時に収束した場合に、他の通信装置で収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを使用することを抑止することができる。また、受信部RXの消費電力を削減することができる。
図7において、コードLFEQCが最適値に収束した場合、コードLFEQCのみを相手の半導体チップCHIPに送信することで、相手の半導体チップCHIPの受信部RXへのコードHFEQC、DFECの送信時間をなくすことができる。この結果、通信装置におけるコードHFEQC、LFEQC、DFECの収束動作の時間を図6に比べて短縮することができる。
コードHFEQC、LFEQC、DFECの通信速度を、データTDTの通信速度に比べて遅く設定することで、等化回路DFEおよび判定回路DCaは、コードHFEQC、LFEQC、DFECを正しく受信することができる。また、検出部DET1aは、開始コードを検出することで、相手の半導体チップCHIPからコードHFEQC、LFEQC、DFECが送信されたことを認識することができる。
図8は、通信装置および通信装置の制御方法の別の実施形態を示す。図1から図7に示す実施形態で説明した要素と同一または同様の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。この実施形態では、受信部RXは、図1に示すイコライズロジック回路EQLaおよび検出回路DET1aの代わりにイコライズロジック回路EQLbおよび検出回路DET1bを有する。また、受信部RXは、図1に示す等化回路HFEQ、LFEQの代わりに等化回路EQを有し、図1に示す等化回路DFEおよび判定回路DCaの代わりに判定回路DCbを有する。受信部RXのその他の構成は、図1に示す受信部RXと同様である。送信部TXの構成は、図1に示す送信部TXと同一または同様である。例えば、チャネルCHにおける信号の劣化特性は、互いに同程度であるとする。
イコライズロジック回路EQLbは、コードHFEQC、LFEQC、DFECを出力する機能の代わりに、等化回路EQの等化強度を調整するコードEQCを出力する機能を有することを除き、図1に示すイコライズロジック回路EQLaと同様である。イコライズロジック回路EQLbの例は、図9に示される。
検出回路DET1bは、コードHFEQC、LFEQC、DFECを受信する機能の代わりに、相手の半導体チップCHIPからコードEQCを受信する機能を有することを除き、図1に示す検出回路DET1aと同様である。すなわち、検出回路DET1bは、開始コードとコードEQCとを検出する機能を有する。コードEQCの初期値は、図4に示す例と同様に、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なる。
例えば、等化回路EQは、信号の損失をアナログ的に補償するCTLEの一種である。判定回路DCbは、等化回路EQから出力される直列のデータ信号の論理を判定するとともに、等化回路EQから出力される直列のデータ信号の振幅に基づいてエラーを検出する。
図9は、図8に示すイコライズロジック回路EQLbの例を示す。図3と同一または同様の要素については、詳細な説明は省略する。イコライズロジック回路EQLbは、イコライズコアELCOREb、検出回路DET2b、レジスタELREGbおよび記憶部MEMを有する。
イコライズコアELCOREbは、データ信号RDTおよびエラー信号ERRに基づいて、等化回路EQに設定するコードEQCを最適値に収束する収束動作を実行する。イコライズコアELCOREbは、収束動作中、生成したコードEQCを等化回路EQに設定し、レジスタELREGbに格納する。イコライズコアELCOREbは、コードEQCが最適値に収束したことを検出回路DET2bが検出した場合に、開始コードおよびコードEQCをコードTCDとして信号線CDOUTに出力する。また、イコライズコアELCOREbは、信号線CDINを介して開始コードおよびコードEQCを、相手の半導体チップCHIPから受信した場合、受信したコードEQCを等化回路EQに設定し、レジスタELREGbに格納する。
検出回路DET2bは、コードEQCが初期値から最適値に収束したときに、スイッチ制御信号SWCを第1のレベルから第2のレベルに変更し、スイッチSWにコードTCDを出力させる。レジスタELREGbは、コードEQCを格納する領域を有する。すなわち、イコライズロジック回路EQLbは、コードHFEQC、LFEQC、DFECの代わりにコードEQCを扱うことを除き、図3に示すイコライズロジック回路EQLaと同様である。
図10は、図8に示す受信部の動作の例を示す。すなわち、図10は、通信装置の制御方法を示す。図6と同一または同様の動作については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10では、受信部RXは、図6に示す動作OP102、OP104、OP106の代わりに、動作OP107を実行する。また、受信部RXは、図6に示す動作OP112、OP122、OP126の代わりに、動作OP112b、OP122b、OP126bを実行する。
動作OP107において、図9に示す検出回路DET2bは、コードEQCのX4秒後の変化量が所定のコード数Y4以下か否かを判定する。例えば、X4秒は、2msであり、コード数Y4は、”2”である。動作OP107が肯定判定(Yes)の場合、すなわち、コードEQCが収束した場合、受信部RXは動作OP108を実行する。動作OP107が否定判定(No)の場合、受信部RXは動作OP120を実行する。
動作OP112bでは、イコライズコアELCOREbは、図5と同様に、開始コード(例えば、”010”)と、最適値に収束したコードEQCとを、スイッチSWおよび送信部TXを介して相手の半導体チップCHIPに送信する。すなわち、開始コードとコードEQCの通信速度は、データTDTの通信速度に比べて低く設定される。
動作OP122bでは、検出回路DET1bは、開始コードに続いて受信するコードEQCをイコライズロジック回路EQLbに転送する。イコライズロジック回路EQLbのイコライズコアELCOREbは、相手の半導体チップCHIPから受信したコードEQCをレジスタELREGbに格納する。動作OP126aでは、イコライズコアELCOREbは、相手の半導体チップCHIPから受信したコードEQCを、等化回路EQに設定する。そして、受信部RXの収束動作は完了する。
以上、図8から図10に示す実施形態では、コードEQCの初期値は、半導体チップCHIP毎に異なり、コードEQCが収束した半導体チップCHIPは、他の半導体チップCHIPに収束したコードEQCを送信する。これにより、受信部RXが、受信した信号を等化する1つの等化回路EQを有する場合にも、図1から図7に示す実施形態と同様に、等化回路EQの等化強度を最適値に収束するまでの時間、互いに同じ初期値を用いる場合に比べて短縮することができる。
また、コードEQCが収束した場合に、検出回路DET1bによる他の半導体チップCHIPからのコードEQCの検出動作を停止することで、他の半導体チップCHIPで収束したコードEQCを使用することを抑止することができる。コードEQCの通信速度をデータTDTの通信速度に比べて遅く設定することで、判定回路DCbは、コードEQCを正しく受信することができる。また、検出部DET1bは、開始コードを検出することで、相手の半導体チップCHIPからコードEQCが送信されたことを認識することができる。
図11は、通信装置および通信装置の制御方法の別の実施形態を示す。図1から図10に示す実施形態で説明した要素と同一または同様の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。この実施形態では、各半導体チップCHIP1、CHIP2は、送信部TXと受信部RXとを含むn個の送受信部TRX(TRX1、TRX2、...、TRXn)と、制御部CNTLとを有する。半導体チップCHIP1、CHIP2は、送受信部TRXのそれぞれに対応して一対のチャネルCHを含むn個のレーンLN(LN1、LN2、...、LNn)を介して互いに接続される。例えば、チャネルCHにおける信号の劣化特性は、互いに同程度であるとする。
半導体チップCHIP2の構成は、半導体チップCHIP1の構成と同一または同様である。また、送受信部TRX1−TRXnの構成は、互いに同一または同様であるため、図11では、半導体チップCHIP1の送受信部TRX1の構成が説明される。送信部TXは、図1に示す送信部TXと同一または同様である。
受信部RXは、イコライズロジック回路EQLaが出力するコードTCD1およびスイッチ制御信号SWC1を制御部CNTLに出力する。以下、各受信部RXが出力するコードTCD1、TCD2、...、TCDnは、コードTCDとも称され、各受信部RXが出力するスイッチ制御信号SWC1、SWC2、...、SWCnは、スイッチ制御信号SWCとも称される。コードTCDは、コードHFEQC、LFEQC、DFECを含む。また、送受信部TRX1は、制御部CNTLからコードTCDxおよびスイッチ制御信号SWCt、SWCrと、制御信号CNT1とを受ける。以下、送受信部TRX1、TRX2、...、TRXnが受ける制御信号CNT1、CNT2、...、CNTnは、制御信号CNTとも称される。
イコライズロジック回路EQLaは、オア回路ORを介して検出回路DET1aが検出した相手の半導体チップCHIPからのコード(CDIN)または制御部CNTLからのコードTCDxを受ける。受信部RXのその他の構成は、図1に示す受信部RXと同様である。
制御部CNTLは、送受信部TRXのいずれかから受けたコードTCDおよびスイッチ制御信号SWCを、共通のコードTCDxおよびスイッチ制御信号SWCt(またはSWCr)として各送受信部TRXに出力する。スイッチ制御信号SWCtは、各送受信部TRXの送信部TXに出力され、スイッチ制御信号SWCrは、各送受信部TRXの受信部RXに出力される。例えば、送受信部TRXのいずれかのイコライズロジック回路EQLaがコードHFEQC、LFEQC、DFECの最適値への収束を検出した場合、最適値は、他の送受信部TRXに転送されるとともに、相手の半導体チップCHIPに転送される。換言すれば、制御部CNTLは、半導体チップCHIP1、CHIP2の全ての送受信部TRXからコードHFEQC、LFEQC、DFECの最適値への収束に関する情報を収集し、最も早く収束した送受信部TRXのコードを他の送受信部TRXに反映させる。受信部RXの動作の例は、図12に示され、制御部CNTLの動作の例は、図13に示される。
例えば、図1から図7に示す実施形態と同様に、コードHFEQCの初期値は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なり、コードLFEQCの初期値は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なる。また、コードDFECの初期値は、半導体チップCHIP1、CHIP2で互いに異なる。なお、コードHFEQCの初期値の少なくとも2つは、半導体チップCHIP1の送受信部TRX間で互いに異なってもよく、コードLFEQCの初期値の少なくとも2つは、半導体チップCHIP1の送受信部TRX間で互いに異なってもよい。また、コードDFECの初期値の少なくとも2つは、半導体チップCHIP1の送受信部TRX間で互いに異なってもよい。
図12は、図11に示す受信部RXの動作の例を示す。図6と同一または同様の動作については、詳細な説明は省略する。動作OP102、OP104、OP106、OP120、OP124、OP126は、図6と同一または同様である。また、図12では、図6に示す動作OP122の代わりに動作OP122cが実行される。
動作OP102、OP104、OP106の全てが肯定判定(Yes)の場合、受信部RXは動作OP130を実行する。動作OP130では、受信部RXの検出回路DET2a(図3)は、制御部CNTLにスイッチ制御信号SWCを出力する。次に、受信部RXは、動作OP132において、制御部CNTLからコードTCDの送信要求を待つ。例えば、制御部CNTLは、コードTCDの送信要求を、図11に示す制御信号CNT(CNT1、CNT2、...、CNTn)として、スイッチ制御信号SWCを出力した受信部RXに出力する。コードTCDの送信要求を受けた受信部RXは、動作OP134において、イコライズコアELCOREa(図3)に、最適値に収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを制御部CNTLに出力させる。なお、イコライズコアELCOREaは、開始コードをコードHFEQC、LFEQC、DFECとともに制御部CNTLに出力してもよい。
次に、受信部RXは、動作OP136において、制御部CNTLからスイッチ制御信号SWCrとコードTCDxとが送信されるのを待つ。コードTCDxは、最適値に収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを含む。受信部RXは、第2のレベルのスイッチ制御信号SWCrとコードTCDxとを制御部CNTLから受信した場合、動作OP122cを実行する。
一方、動作OP120において、検出回路DET1aは、相手の半導体チップCHIPから、開始コードを受信したか否かを判定する。動作OP120が肯定判定の場合、受信部RXは動作OP140を実行し、動作OP120が否定判定の場合、受信部RXは動作OP142を実行する。検出部DET1aは、開始コードを検出することで、相手の半導体チップCHIPからコードHFEQC、LFEQC、DFECが送信されたことを認識することができる。
動作OP140において、受信部RXのイコライズコアELCOREa(図3)は、相手の半導体チップCHIPから送信され、検出回路DET1aが検出したコードHFEQC、LFEQC、DFECを制御部CNTLに出力し、動作OP122cを実行する。なお、イコライズコアELCOREaは、開始コードをコードHFEQC、LFEQC、DFECとともに制御部CNTLに出力してもよい。
動作OP142において、受信部RXは、制御部CNTLから第2のレベルのスイッチ制御信号SWCrとコードTCDxとを受信した場合、動作OP122cを実行する。動作OP142において、受信部RXは、制御部CNTLから第2のレベルのスイッチ制御信号SWCrとコードTCDxとを受信しない場合、動作OP102、OP104、OP106を再び実行する。
動作OP122cにおいて、受信部RXのイコライズコアELCOREaは、受信したコードHFEQC、LFEQC、DFECをレジスタELREGaに格納する。ここで、受信したコードHFEQC、LFEQC、DFECは、動作OP136、OP142で制御部CNTLから受信したコードHFEQC、LFEQC、DFECである。あるいは、受信したコードHFEQC、LFEQC、DFECは、動作OP140で相手の半導体チップCHIPから受信したコードHFEQC、LFEQC、DFECである。この後、受信部RXは、動作OP124、OP126を実行し、収束動作は完了する。
なお、図12では、図7と同様に、受信部RXは、動作OP102、OP106の実行を省略してもよい。この場合、動作OP134、OP136、OP140、OP142では、最適値に収束したコードLFEQCが送信または受信される。また、動作OP122cでは、コードLFEQCがレジスタELREGaに格納され、動作OP126では、コードLFEQCが等化回路LFEQに設定される。
図13は、図11に示す制御部CNTLの動作の例を示す。図13に示す動作は、半導体チップCHIP1、CHIP2のパワーオン時に実行される。半導体チップCHIP1、CHIP2に搭載される制御部CNTLの動作は、互いに同じため、以下では、半導体チップCHIP1に搭載される制御部CNTLの動作を説明する。
まず、動作OP202において、制御部CNTLは、半導体チップCHIP1の受信部RXのいずれかから出力されるスイッチ制御信号SWC(第1のレベルから第2のレベルへの変化)を待つ。制御部CNTLは、第2のレベルのスイッチ制御信号SWCを受信した場合、動作OP204において、スイッチ制御信号SWCを出力した受信部RXにコードHFEQC、LFEQC、DFECの送信要求を出力する。
次に、動作OP206において、制御部CNTLは、スイッチ制御信号SWCを出力した受信部RXから出力されるコードHFEQC、LFEQC、DFECを待つ。制御部CNTLは、受信部RXからコードHFEQC、LFEQC、DFECを受信した場合、動作OP208を実行する。動作OP208において、自チップ(すなわち、半導体チップCHIP1)においてコードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束した場合、動作OP210を実行する。一方、動作OP208において、他のチップ(すなわち、半導体チップCHIP2)においてコードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束した場合、動作OP216を実行する。コードHFEQC、LFEQC、DFECが自チップで収束したか、他チップで収束したかを示す情報は、例えば、図12に示す動作OP134およびOP140において、イコライズコアELCOREaが制御部CNTLに送信する。
動作OP210において、制御部CNTLは、半導体チップCHIP2に開始コードおよびコードHFEQC、LFEQC、DFECを出力するために、半導体チップCHIP1内の全ての送受信部TRXにスイッチ制御信号SWCt、SWCrを出力する。換言すれば、制御部CNTLは、スイッチ制御信号SWCt、SWCrを第1のレベルから第2のレベルに変化させる。送受信部TRXの送信部TXは、第2のレベルのスイッチ制御信号SWCtに基づいてスイッチSWを切り替える。送受信部TRXの受信部RXは、スイッチ制御信号SWCrの第1のレベルから第2のレベルへの変化に基づいて検出回路DET1aの動作を停止する。
次に、動作OP212において、制御部CNTLは、半導体チップCHIP1内の全ての送受信部TRXに、開始コードと、最適値に収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを送信する。この際、制御部CNTLは、図5と同様に、コードHFEQC、LFEQC、DFECを伝送路TPに送信する通信速度を、データTDTを伝送路TPに送信する通信速度に比べて遅く設定する。これにより、相手の半導体チップCHIPにおいてコードHFEQC、LFEQC、DFECが最適値に収束していない場合にも、等化回路DFEおよび判定回路DCaは、コードHFEQC、LFEQC、DFECを正しく受信することができる。
各送受信部TRXの送信部TXは、制御部CNTLから受けた開始コードとコードHFEQC、LFEQC、DFECとを半導体チップCHIP2に出力する。また、各送受信部TRXの受信部RXのイコライズコアELCOREaは、制御部CNTLから受けたコードHFEQC、LFEQC、DFECのそれぞれを、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEに設定するとともに、レジスタELREGaに格納する。
次に、動作OP214において、制御部CNTLは、所定時間後に、スイッチ制御信号SWCtを第2のレベルから第1のレベルに変化させる。スイッチSWは、スイッチ制御信号SWCtに基づいて、送信部TXの送信経路をCPU側に切り替える。この後、動作OP220が実行される。
一方、動作OP216において、制御部CNTLは、半導体チップCHIP1内の全ての送受信部TRXにスイッチ制御信号SWCr(第1のレベルから第2のレベルへの変化)を出力する。送受信部TRXの受信部RXは、第2のレベルのスイッチ制御信号SWCrに基づいて検出回路DET1aの動作を停止する。なお、動作OP216では、制御部CNTLは、スイッチ制御信号SWCtを第1のレベルに維持するため、送信部TXのスイッチSWは、CPU側に切り替わった状態に維持される。このため、各送受信部TRXの送信部TXは、受信したコードTCDx(すなわち、収束したコードHFEQC、LFEQC、DFEC)を半導体チップCHIP2へ送信しない。他のチップ(すなわち、半導体チップCHIP2)でコードHFEQC、LFEQC、DFECが収束した場合、半導体チップCHIP2の制御部CNTLが、各受信部RXにコードHFEQC、LFEQC、DFECを設定する。これにより、半導体チップCHIP1が半導体チップCHIP2にコードHFEQC、LFEQC、DFECを送信する場合に比べて、コードHFEQC、LFEQC、DFECの収束動作時間を短縮することができる。
次に、動作OP218において、制御部CNTLは、半導体チップCHIP2の受信部RXのいずれかで最適値に収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを、半導体チップCHIP1内の全ての送受信部TRXに出力する。動作OP218では、送信部TXのスイッチSWは、CPU側に切り替わっているため、コードHFEQC、LFEQC、DFECが半導体チップCHIP2に送信されることはない。このため、送受信部TRXに出力されたコードHFEQC、LFEQC、DFECは、半導体チップCHIP2に送信されないため、コードHFEQC、LFEQC、DFECの送受信部TRXへの送信速度は、低下されなくてもよい。動作OP218の後、制御部CNTLは、動作OP220を実行する。
動作OP220において、制御部CNTLは、動作を停止し、受信部RXの収束動作の制御を完了する。
以上、図11から図13に示す実施形態においても、図1から図10に示す実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、コードHFEQC、LFEQC、DFECが収束した場合に、検出回路DET1aによる他の半導体チップCHIPからのコードHFEQC、LFEQC、DFECの検出動作は停止する。これにより、他の半導体チップCHIPで収束したコードHFEQC、LFEQC、DFECを使用することを抑止することができる。コードHFEQC、LFEQC、DFECの通信速度をデータTDTの通信速度に比べて遅く設定することで、相手の半導体チップCHIPの等化回路DFEおよび判定回路DCaは、コードHFEQC、LFEQC、DFECを正しく受信することができる。また、検出部DET1aは、開始コードを検出することで、相手の半導体チップCHIPからコードHFEQC、LFEQC、DFECが送信されたことを認識することができる。
さらに、図11から図13に示す実施形態では、各半導体チップCHIP1、CHIP2が複数の送受信部TRXを有し、例えば、コードHFEQC、LFEQC、DFECのそれぞれの初期値は、送受信部TRX毎に相違する。コードHFEQC、LFEQC、DFECのそれぞれの初期値が、図4に示す2種類より多く設定されることで、等化回路HFEQ、LFEQ、DFEQの等化強度を最適値に収束するまでの時間を図1から図10に示す実施形態に比べて短縮することができる。
以上の実施形態において説明した発明を整理して、付記として開示する。
(付記1)
第1の伝送路を介して信号を受信する受信部と、第2の伝送路に信号を送信する送信部とを有する通信装置であって、
前記受信部は、
前記第1の伝送路を介して受信した信号を等化し、強度情報に応じて信号の等化強度が変更される等化回路と、
前記等化回路で等化した信号の論理を判定する判定回路と、
前記判定回路での判定結果に基づき前記強度情報を生成し、初期値に設定された前記強度情報を伝送路の特性に合わせて収束させる収束動作において、前記強度情報の収束を判定した場合、収束した強度情報を、前記送信部を介して前記第2の伝送路に接続された他の通信装置に送信し、前記強度情報が収束する前に前記第1の伝送路を介して前記他の通信装置で収束した前記強度情報を受信した場合、受信した前記強度情報を前記等化回路に設定する制御回路と
を備え、
前記等化回路に設定される前記強度情報の前記初期値は、前記収束動作において前記他の通信装置の受信部に設けられる等化回路に設定される前記強度情報の初期値と相違すること
を特徴とする通信装置。
(付記2)
前記受信部は、信号を順次に等化する複数の前記等化回路を有し、
前記制御回路は、前記判定回路での判定結果に基づき、前記等化回路毎に前記強度情報を生成し、前記収束動作において全ての前記強度情報の収束を判定した場合、収束した強度情報を、前記第2の伝送路に接続された前記他の通信装置に送信し、全ての前記強度情報が収束する前に前記第1の伝送路を介して前記他の通信装置で収束した前記強度情報を受信した場合、受信した前記強度情報を前記等化回路のそれぞれに設定すること
を特徴とする付記1記載の通信装置。
(付記3)
前記受信部は、信号を順次に等化する複数の前記等化回路を有し、
前記制御回路は、前記判定回路での判定結果に基づき、前記等化回路毎に前記強度情報を生成し、前記収束動作において、前記強度情報が収束するまでの収束時間が他の強度情報に比べて長い前記強度情報の1つの収束を判定した場合、前記強度情報の前記1つを、前記送信部を介して前記第2の伝送路に接続された前記他の通信装置に送信し、前記強度情報の前記1つが収束する前に前記第1の伝送路を介して前記他の通信装置で収束した前記強度情報の前記1つを受信した場合、受信した前記強度情報の前記1つを前記等化回路の1つに設定すること
を特徴とする付記1記載の通信装置。
(付記4)
前記受信部は、前記第1の伝送路を介して前記他の通信装置から送信される前記強度情報を検出する検出回路を備え、
前記制御回路は、前記収束動作において前記強度情報の収束を判定した場合、前記検出回路に前記強度情報の検出動作を停止させること
を特徴とする付記1ないし付記3のいずれか1項記載の通信装置。
(付記5)
前記制御回路は、前記収束動作において前記強度情報の収束を判定した場合、前記強度情報を前記第2の伝送路に送信する通信速度を、前記他の通信装置で処理する情報を含む信号を前記第2の伝送路に送信する通信速度に比べて遅く設定すること
を特徴とする付記1ないし付記4のいずれか1項記載の通信装置。
(付記6)
前記制御回路は、前記収束動作において前記強度情報の収束を判定した場合、前記強度情報を識別するための識別情報と前記強度情報とを、前記送信部を介して前記第2の伝送路に接続された前記他の通信装置に送信すること
を特徴とする付記1ないし付記5のいずれか1項記載の通信装置。
(付記7)
前記制御回路は、収束した前記強度情報を前記送信部に送信する期間、切り替え信号を第1の状態から第2の状態に設定し、
前記送信部は、前記切り替え信号が前記第1の状態の場合、前記他の通信装置で処理する情報を含む信号を選択し、前記切り替え信号が前記第2の状態の場合、前記制御回路から送信される前記強度情報を選択するスイッチを備えること
を特徴とする付記1ないし付記4のいずれか1項記載の通信装置。
(付記8)
第1の伝送路を介して信号を受信する受信部と第2の伝送路に信号を送信する送信部とを含む複数の送受信部と、前記送受信部を制御する制御部とを有する通信装置であって、
前記各受信部は、
前記第1の伝送路を介して受信した信号を等化し、強度情報に応じて等化強度が変更される等化回路と、
前記等化回路で等化した信号の論理を判定する判定回路と、
前記判定回路での判定結果に基づき前記強度情報を生成し、初期値に設定された前記強度情報を伝送路の特性に合わせて収束させる収束動作において、前記強度情報の収束を判定した場合、収束した強度情報を前記制御部に送信し、前記強度情報が収束する前に前記第1の伝送路を介して他の通信装置で収束した前記強度情報を受信した場合、受信した前記強度情報を前記制御部に送信し、前記制御部から前記強度情報を受信した場合、受信した前記強度情報を前記等化回路に設定する制御回路と
を備え、
前記制御部は、前記制御回路の1つから前記強度情報を受信した場合、収束した強度情報を前記各送受信部の前記制御回路に送信し、
前記受信部の前記等化回路に設定される前記強度情報の前記初期値は、前記収束動作において前記他の通信装置の各受信部に設けられる等化回路に設定される前記強度情報の初期値と相違すること
を特徴とする通信装置。
(付記9)
前記受信部のそれぞれの前記等化回路に設定される前記強度情報の前記初期値の少なくとも2つは、互いに異なること
を特徴とする付記8記載の通信装置。
(付記10)
前記制御部は、前記制御回路のいずれかで収束された前記強度情報を受信した場合、受信した前記強度情報を前記各送受信部の前記制御回路に送信するとともに、前記各送受信部の前記送信部に、受信した前記強度情報を前記第2の伝送路に接続された他の通信装置に送信させること
を特徴とする付記8または付記9記載の通信装置。
(付記11)
前記各送受信部の前記受信部は、信号を順次に等化する複数の前記等化回路を有し、
前記制御回路は、前記判定回路での判定結果に基づき、前記等化回路毎に前記強度情報を生成し、前記収束動作において全ての前記強度情報の収束を判定した場合、収束した強度情報を前記制御部に送信し、全ての前記強度情報が収束する前に前記第1の伝送路を介して前記他の通信装置で収束した前記強度情報を受信した場合、受信した前記強度情報を前記制御部に送信すること
を特徴とする付記8ないし付記10のいずれか1項記載の通信装置。
(付記12)
前記各送受信部の前記受信部は、信号を順次に等化する複数の前記等化回路を有し、
前記制御回路は、前記判定回路での判定結果に基づき、前記等化回路毎に前記強度情報を生成し、前記収束動作において、前記強度情報が収束するまでの収束時間が他の強度情報に比べて長い前記強度情報の1つの収束を判定した場合、前記強度情報の前記1つを前記制御部に送信し、前記強度情報の前記1つが収束する前に前記第1の伝送路を介して前記他の通信装置で収束した前記強度情報の前記1つを受信した場合、受信した前記強度情報を前記制御部に送信すること
を特徴とする付記8ないし付記10のいずれか1項記載の通信装置。
(付記13)
前記各送受信部の前記受信部は、前記第1の伝送路を介して受信する信号から前記強度情報を検出する検出回路を備え、
前記制御部は、前記強度情報を受信した場合、前記各送受信部の前記検出回路に前記強度情報の検出動作を停止させること
を特徴とする付記8ないし付記12のいずれか1項記載の通信装置。
(付記14)
前記制御部は、前記強度情報を受信した場合、前記強度情報を前記第2の伝送路に送信する通信速度を、前記他の通信装置で処理する情報を含む信号を前記第2の伝送路に送信する通信速度に比べて遅く設定すること
を特徴とする付記10ないし付記13のいずれか1項記載の通信装置。
(付記15)
前記制御部は、前記強度情報を受信した場合、前記強度情報を識別するための識別情報と前記強度情報とを、前記各送受信部の前記送信部を介して前記第2の伝送路に接続された前記他の通信装置に送信すること
を特徴とする付記10ないし付記14のいずれか1項記載の通信装置。
(付記16)
前記制御部は、収束した前記強度情報を前記各送受信部の前記送信部に送信する期間、切り替え信号を第1の状態から第2の状態に設定し、
前記各送受信部の前記送信部は、前記切り替え信号が前記第1の状態の場合、前記他の通信装置で処理する情報を含む信号を選択し、前記切り替え信号が前記第2の状態の場合、前記制御部から送信される前記強度情報を選択するスイッチを備えること
を特徴とする付記10ないし付記15のいずれか1項記載の通信装置。
(付記17)
第1の伝送路を介して信号を受信する受信部と、第2の伝送路に信号を送信する送信部とを有し、前記受信部が、前記第1の伝送路を介して受信した信号を等化し、強度情報に応じて信号の等化強度が変更される等化回路と、前記等化回路で等化した信号の論理を判定する判定回路と、前記判定回路での判定結果に基づき前記強度情報を生成する制御回路とを有する通信装置の制御方法であって、
初期値に設定された前記強度情報を伝送路の特性に合わせて収束させる収束動作において、前記強度情報の収束を判定した場合、収束した強度情報を、前記送信部を介して前記第2の伝送路に接続された他の通信装置に送信し、前記強度情報が収束する前に前記第1の伝送路を介して前記他の通信装置で収束した前記強度情報を受信した場合、受信した前記強度情報を前記等化回路に設定し、
前記等化回路に設定される前記強度情報の前記初期値は、前記収束動作において前記他の通信装置の受信部に設けられる等化回路に設定される前記強度情報の初期値と相違することを特徴とする通信装置の制御方法。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。