JP2015225851A - 電力制御回路 - Google Patents

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Masahiro Ueda
昌弘 植田
酒井 康行
Yasuyuki Sakai
康行 酒井
武志 村▲崎▼
Takeshi Murasaki
武志 村▲崎▼
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Abstract

【課題】 共振周波数は維持したままで、電圧と電流の位相差を正確に調整でき、なおかつ出力負荷の電力制御もQファクタに依存せず調整を可能とし、出力駆動回路と出力負荷で発振している電流信号と制御している電圧信号の位相差比較からゲート信号発生信号までをデジタル回路で構成することで、ノイズに強く安定した動作が可能な新しい電力制御回路を提供すること。
【解決手段】 本発明の電力制御回路は、入力整流回路1と、出力駆動回路2と、ゲート信号発生回路6と、出力制御回路7と、出力負荷5と、電流検出手段3、4と、を有し、少なくともゲート信号発生回路の一部の電圧信号VRE0と電流検出手段の電流信号の2つの入力信号FBを出力制御回路7へ入力し位相制御を行う高周波誘導加熱装置において、電圧信号VRE0を、遅延調整手段23を介して出力制御回路7に入力する構成としたので、回路全体で持っている固有の位相差を無くし精度良く制御することができることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波誘導加熱装置の電力制御回路に関するものである。
高周波誘導加熱装置は、交流電源に接続されたコイルの中に材料を入れ、材料である被加熱物に電磁誘導で電流を流して非接触で直接加熱する装置であり、高速加熱で熱損失が小さく加熱効率が高いという特徴を持っており、ロウ付けや、溶解、焼入れ、焼鈍などで利用されている。
高周波誘導加熱装置では、装置の出力部に誘導加熱のためのコイルを含むLC共振回路で出力負荷回路を形成し、発振周波数を制御して負荷(被加熱物)に対する電力制御を行っている。
図16及び図17に従来の高周波誘導加熱装置の制御回路の例を示す。
図16は、非特許文献1に開示されている構成から引用し、一部加筆した図面である。
図17は図16と類似の機能を有しており、出力制御回路7の構成が特許文献1に開示されている。図17は特許文献1を説明のために名称などを変更している。
以下、図16の構成について説明する。
図16において、入力整流回路101は三相の交流入力電圧R,S,Tを直流電圧P0,N0間の電圧に変換する回路であり、整流ダイオード及び直流リアクトルと平滑コンデンサを用いて三相交流の全波整流を行う回路を形成するのが一般的である。
出力駆動回路102は直流電圧P0,N0間の電圧を誘導加熱のための交流出力を作る回路であり、通常は駆動素子として例えばIGBTやMOSトランジスタなどの電力用半導体を用いて少なくとも4個の素子でフルブリッジ回路を形成する。
出力負荷105は高周波の誘導加熱を行う出力負荷で共振回路を形成する。
ゲート信号発生回路106は出力制御回路107の出力信号O1を受け出力駆動回路102を構成するIGBTのゲート入力を駆動するためのゲート信号を発生する回路である。
電流変換器103は、出力負荷105のスイッチング電流を計測する為の電流変換器(以下CTと表記)であり、CTの出力端子I1、I0にはスイッチング電流に応じた交流の電流波形が出力される。
変換器104は、CT103で変換された電流出力を電圧出力に変換し、出力負荷105と次段のゼロクロス回路109、検波器110との相互の影響を最小限にするためにインピーダンス変換して交流の電圧信号FBを出力する。
検波器110は交流の電圧信号FBを検波して、位相制御回路のゼロ電位を基準とする波形を作るためにゼロクロスで交流電圧波形を波形整形してパルス電圧信号FB0を生成している。
出力調整器108は出力負荷105への供給電力を設定・調整する為の回路であり、外部の指示値ISETを入力値として、出力電圧S0を出力し、コンパレータ111で前記信号FB0と調整器8の出力S0の電圧を比較し、出力パルス信号S1を生成する。
位相制御回路112は、前記コンパレータ111のパルス信号S1とゼロクロス回路109の出力パルスFB1を元にゲート信号発生回路106に入力する信号パルスの周波数を演算し信号O1として出力している。
図16における出力制御回路107の制御動作を以下に簡単に説明する。
出力負荷105は、図18に示す整合トランスTRを介して整合コンデンサCと負荷コイルL、負荷コイルLの寄生抵抗Rによる直列共振回路が形成されている。以下、整合トランスの一次側と二次側の比率は、1:1とした場合で説明する。
出力負荷105の入力電圧U0‐V0間のスイッチング電圧をE0、整合トランスの二次側の電圧をEとする場合、
トランスの比率が1:1のため、E0=Eとなる。
出力負荷側の各電圧は、以下の式(1)で表される。
E = E0 =V(R)+V(L)+V(C) ・・・・・・・・・ (1)
V(R)は抵抗の電圧、V(L)は負荷コイルの電圧、V(C)は整合コンデンサの電圧を示す。
電流は式(1)に対して、以下の式(2)となり周波数Fに対して、図19の145で示す特性となる。
I=E/[ R+jωL−j1/ωC ] ・・・・・・・ (2)
ここで、 ω=2πFとして一般的には角周波数として表現される。
図19において、frは共振した時の周波数である。
周波数Fがfrの場合は、負荷コイルのインダクタンスL成分のリアクタンスjωLと整合コンデンサのリアクタンス−j1/ωCが等しくなるため、電流は寄生抵抗Rのみで決まる大きさとなり、最大電流となる。
周波数Fがfrより低い場合は、整合コンデンサCの容量性リアクタンス分−j1/ωCが大きくなり電流が減少し、電流の位相は電圧に対して遅れた状態になる。
また、周波数Fがfrより高い場合は、負荷コイルLの誘導性リアクタンス分jωLが大きくなり電流が減少し、電流の位相は電圧に対して進んだ状態になる。
電力調整は、この周波数特性を利用して制御回路で周波数を制御することで電流値の制御が実現されている。
図20には、制御回路における電圧波形と電流波形の概念図の例を示す。
図20において、V0(U0‐V0)、V1(U0‐V0)は出力駆動回路2の出力端子U0とV0間の交流電圧、FB(0)、FB(1)は変換器104で電流を電圧に変換した交流電圧波形を示している。一点鎖線はゼロクロスの場所を示しており、AとCは電圧、BとDは電流に対する各々の立ち上がりの場所である。
共振周波数frでは、電圧V0(U0‐V0)と電流FB(0)の位相が一致するのでゼロクロス点AとBは2つの信号経路に遅延要因が無い条件では一致し最大電流が得られる。
他方、周波数の低い容量性の周波数領域では、電圧と電流の関係が式(2)で計算される電流の周波数差(frからの差分)に相当する位相だけ遅れた波形となりゼロクロス点DがCに対して時間td1だけ遅れ、電流も減少する。周波数が高い場合、D点は電流位相が進むためゼロクロス点Cに対して逆方向に時間td1だけ進むと共に電流も減少する。
図16では、位相制御回路112が出力調整器108と、交流電流を変換した電圧信号FBの差分を、パルス幅として検出しそのパルス幅に応じて周波数を変更し制御することは容易に類推できるが、電流と電圧のゼロクロス点での位相を一致させるための構成については開示されていない。電流と電圧のゼロクロス点を一致させるための構成は、図17で位相制御のための電圧をゲート信号発生回路106からフィードバックされていることが開示されており、また位相差から周波数を変換するための構成も開示されている。
図17において、入力整流回路201、出力駆動回路202、電流変換器203、変換器204、出力負荷205、ゲート信号発生回路206、及び出力調整器208は、図16のそれぞれ入力整流回路101、出力駆動回路102、電流変換器103、変換器104、出力負荷105、ゲート信号発生回路106、出力調整器108と同じ構成である。
以下に図17の出力制御回路207の構成を説明する。
位相比較器213はゲート信号発生回路206の電圧信号VREと電流変換器204の電流信号FBとの位相差を検出する回路、パルス幅変換214は位相比較器213の出力信号P0の位相差パルス幅を電圧に変換する回路、周波数−電圧変換215はパルス幅変換器214の出力信号P1を周波数に変換する回路、出力調整回路217は周波数−電圧変換215の出力信号V1とコンパレータ216の出力信号V2からゲート信号発生回路206への入力信号O1を生成する回路である。
図17では、電流と電圧の位相差パルスを一度アナログ電圧に変換した後、周波数に変換するという、電圧−周波数変換(以下V‐F変換と表記)を行っている。
この回路構成では、予め共振周波数frを把握して共振周波数を基準に出力負荷の発振周波数を誘導性側で制御する必要があるが、実際のコンデンサやコイルの仕上がり、配線の寄生抵抗や浮遊容量などで計算とは異なる値となることが発生する。
そのため、加熱対象物の種類を変更する場合などでは、共振周波数がずれるため、変動を考慮した現物合わせ的な作業が必要となっている。
また、周波数を変えて出力制御を行うと共振回路の性能指数を表すQファクタも下記の式(3)に従い変化するので、周波数が変わると連動して変化するために制御が難しくなるという欠点があった。
Q = ωL/R ・・・・ (3)
その他、図17の構成では電圧信号VREと電流信号FBの間には出力駆動回路202と電流変換器203及び変換器204の経路分だけ差があり、常に信号FBが遅延するため、位相差検出のパルスにオフセットが発生する構成となり、電流と電圧の位相を一致させて最適な状態で動作させることは難しい。
さらに、出力駆動部分で例えば大電流の1000A以上を流すと、使用する素子であるIGBT等がスイッチングする時に自己ノイズを発生する。
このノイズの影響を受けて、出力制御回路207内部のV‐F変換回路215や出力調整回路217の内部で処理されるアナログ電圧値が変動し、適正な周波数に変換することが難しいという問題がある。
特開2005−166621
村松 護他著 「焼入れ用高周波高速インバータ」島田理化技報No.17,pp.42‐47,2006年
本発明の電力制御回路は、上述したような問題点を解決するためのものであり、共振周波数は維持したままで、電圧と電流の位相差を正確に調整でき、なおかつ出力負荷の電力制御もQファクタに依存せず調整を可能とした電力制御装置を提供する。
また、出力制御回路を構成する位相比較部分からゲート信号発生回路までをアナログ回路で構成せずデジタル回路で構成することで、ノイズに強く安定した動作が可能な新しい電力制御回路を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明の電力制御回路は、単相又は三相の交流電圧を整流して直流電圧を発生する入力整流回路と、入力整流回路の直流電圧出力を入力としてスイッチングさせた交流出力を持つ出力駆動回路と、出力駆動回路の出力スイッチングを制御するゲート信号発生回路と、前記ゲート信号発生回路を制御する出力制御回路と、前記出力駆動回路の出力に接続される出力負荷と、出力駆動回路と出力負荷の入力端子の間に接続された電流検出手段と、を有し、少なくともゲート信号発生回路の一部の電圧信号と電流検出手段の電流信号の2つの入力信号を出力制御回路へ入力し位相制御を行う高周波誘導加熱装置において、前記ゲート信号発生回路の一部の電圧信号を、遅延調整手段を介して出力制御回路に入力することを特徴とする。
また、出力制御回路には2つの入力信号に対する位相差パルス出力と、前記2つの入力信号の相対的な進みと遅れの状態を示す2つの出力を出力する位相比較器を設け、出力制御回路は位相比較器と、位相比較器の3つの出力を入力として位相差情報を生成する位相差処理手段と、当該位相差処理手段の出力から周波数を発生する周波数発生回路と、から構成することを特徴とする。
また、周波数発生回路には下限周波数と上限周波数を設定出来る手段を有した周波数範囲設定手段を有し、起動時には下限または上限周波数から動作を開始する事を特徴とする。
本発明の電力制御回路は、図17におけるゲート信号発生回路206を基点として、出力制御回路207の位相比較器213の入力である信号VREの経路と、出力駆動回路202の出力(V0)から電流変換器203、変換器204、で構成される経路の時間差を、遅延調整手段を設けこれを介して出力制御回路207の位相比較器213へ入力することで、信号VREとの経路遅延の差を調整可能にする事が出来、電流の最大値が得られる共振周波数を容易に調整でき、なおかつ、最大電流からの電流調整を共振特性の性能指数であるQファクタに依存せずに調整することが可能になる。
また、図17における出力制御回路207の位相比較器213に対して、位相差パルスの出力に加えて2つの入力信号に対して進みと遅れの状態を識別できる2つの出力を持たせることで、位相比較器で生成された位相差パルスからゲート信号発生回路206のための入力信号O1を作る回路でV‐F変換などのアナログ回路を使わずデジタル処理することが可能になりノイズに強くなるという効果がある。
デジタル処理では、位相差パルスと進みと遅れの識別信号で位相差処理しバイナリデータで出力することで現在周波数に対し高いか低いかという情報を得ることが出来、周波数発生回路をアップダウンカウンタなどのデジタル回路で簡単に構成できる効果がある。
また、位相比較器に進みと遅れの状態を識別できる2つの出力を持たせることで、出力負荷205の共振周波数に対して1/2や2倍以上の周波数からでも共振周波数に制御することができ広い範囲の位相比較が可能となり、共振周波数に速く到達できる制御が可能となる。
更に、周波数範囲を設定する手段を設けることで上記共振周波数への到達が更に速く制御でき、誘導加熱における電力制御動作を速くするという効果がある。
実施例1にかかる高周波誘導加熱装置の構成図 実施例1にかかる遅延調整回路例を示す回路図 実施例1にかかる遅延調整回路例の別構成を示す回路図 実施例1にかかる周波数範囲制御手段の構成図 実施例1にかかる位相比較器の構成を示すブロック図 実施例1にかかる位相差処理手段の構成を示すブロック図 実施例1にかかる周波数発生回路の構成を示すブロック図 実施例1にかかるゲート信号発生回路の構成を示すブロック図 実施例1にかかる制御動作を示すフロー図 実施例1にかかる位相と出力電流の動作を示す図 実施例1にかかる位相比較器の遅れ位相の出力波形 実施例1にかかる位相比較器の進み位相の出力波形 実施例1にかかる位相比較器の動作表 電流波形を検波した動作波形 実施例2にかかる高周波誘導加熱装置の構成図 従来の高周波誘導加熱装置の構成図 従来の高周波誘導加熱装置の別の構成図 出力負荷の構成を示す回路図 直列共振回路の周波数と電流の特性を示す特性図 電流が遅れた場合の電圧と電流の動作の概念波形
図1に本発明で構成した電力制御回路の構成図を示す。
本発明の電力制御回路は、入力整流回路1、出力駆動回路2、電流変換器3、変換器4、出力負荷5、ゲート信号発生回路6、出力制御回路7、遅延調整手段22、遅延調整手段23から構成される。
本発明に関わる電力制御回路は、電圧と電流の波形検出経路差を補正する遅延調整手段23と、電圧と電流を検波した後のパルス波形の立ち上がり若しくは立ち下がりエッジの位相差で位相比較を行う位相比較器に位相差パルスを出力する信号に加えて進みと遅れの2つの方向指令を通知する出力を有する位相比較器19と、その位相比較器の3つの出力を処理する位相差処理手段20、前記位相差処理手段の出力でゲート信号発生回路のための基準周波数を決める周波数発生手段21と、前記周波数発生手段に上限と下限を設定する周波数範囲設定手段22から構成される。
遅延調整手段23は、ゲート信号発生回路6からの電圧信号VRE0を遅延させる手段であり、外部からの入力信号DSETに応じて、出力R1の信号VREの遅延量が決められる。
位相比較器19は、電流変換器3の交流電流波形を電圧波形に変換した変換器4からの交流電圧信号FBを検波手段18でパルス波形に整形した信号FB1とゲート信号発生回路6から内部で分岐させた電圧信号VRE0を前記遅延調整手段23で遅延させた信号VREの2つの信号を入力とする本発明になる位相比較器である。
位相比較器19は、従来の位相比較器の位相差出力P0に加えて、遅れ指令を示すSD0と進み指令を示すSU0の2つの出力を具備している。
位相差処理手段20は、前記位相比較器の3つの出力P0,SD0,SU0の信号を入力として、現在周波数に対して周波数を高くするか低くするかの出力を生成する手段である。
周波数発生手段21は、前記の位相差処理手段20の出力を受けてゲート信号発生回路6の周波数を決定する手段である。また周波数発生手段21は、周波数範囲設定手段22の出力を受けて、発生する周波数の上限値F1と下限値F0が設定出来るようにする手段も具備するが、この手段は必ずしも必須では無く、目標とする最適な周波数に早く到達するように制御動作全体の速度を早めるための手段である。
周波数範囲設定手段22を設けない場合は、周波数発生手段21で生成可能な下限と上限または、位相差処理手段の出力であるPV0のデジタル値の下限と上限のどちらか範囲の狭い側の周波数となる。
図2は遅延調整手段23の具体的な構成例を示す図であり、バッファ回路27とボリューム抵抗28とコンデンサ29で構成したアナログ遅延回路である。
アナログ回路で遅延回路を構成する場合は、オペアンプやタイマーICを用いた回路でも同様の機能が実現できる。
図3は遅延調整手段をデジタル遅延回路31で構成する例を示しており、入力バッファ27の後段でインバータ素子30を用いて複数の段数が違う遅延回路を構成しセレクタ32で切り替える方法である。セレクタ32はデジタル回路で構成しても良いし、物理的なスイッチで切り替えても良い。また遅延回路31はデジタル回路であれば、例えば機能素子であるマイクロコンピュータやFPGAなどプログラム素子でカウンタなどを使って実現しても良い。
図4は周波数範囲設定手段の具体例であり、Dフリップフロップで4ビット分(16種類)を設定した例であるが、制御ビット数は任意で設定して良い。さらに周波数範囲設定手段も遅延調整手段4と同様にプログラム素子を使用して構成することも可能である。
図5は、新規に本発明で提案している位相比較器のブロック図を示す。
図5における位相比較処理回路35は、最も古典的なデジタルの位相比較回路である、米国特許USP−3610954を元に構成できる。
位相比較処理回路35の後段の位相判定回路37は、位相比較処理回路35の2つの出力信号PUとPDを元にVRE信号に対してFB1信号が遅れている場合に進み指令を出すSU0と、進んでいる場合に遅れ指令を出すSD0の出力を生成する回路であり、位相差信号生成回路36は位相判定回路37で得られた判定信号に基づいて、位相比較処理回路35の2つの出力PUとPDを条件によって切り替えて位相差信号P0として出力する回路である。
図13に位相比較器の2つ入力(VRE,FB1)に対する3つの出力(P0、SD0、SU0)の動作表を示す。
図11と図12に位相比較器19の動作を示す波形例を示す。
図11は、電圧信号VREに対して電流を検波した電圧信号FB1がtd1の時間だけ遅れた場合の出力信号P0、SU0、SD0の波形である。
図12は、電圧信号FB1が電圧信号VREに対してtd2の時間だけ進んだ場合の波形である。位相差パルスP0は、電圧信号VREに対して遅れた場合は、遅れた分だけのパルス幅を出力し、尚且つ進み指令の出力SU0に”H”を出力し、遅延指令の出力SD0に”L”を出力する。また、逆方向に進んだ場合は、進んだ分だけのパルス幅をP0に、進み指令出力SU0に”L”、遅延指令出力SD0に”H”を出力する。
図6は、前記図5からなる位相比較器の3つの出力信号(P0、SU0、SD0)から、進んでいるか遅れているかの判定を行い現在の周波数に対して周波数をどれだけの量だけ上昇させるか、または下降させるかの処理を行う位相差処理手段の構成例である。
UP/DOWN判定処理部38では、SD0とSU0の状態により、現在の周波数に対して低い周波数にするか高い周波数にするかをSU0とSD0及びP0の状態を見て、周波数減少、周波数上昇、周波数維持の判定を行う。
周波数変更指示処理39は、UP/DOWN判定処理部38の出力から周波数の変更量をPV0としてデジタル値(4ビット以上のバイナリデータ)で出力する。
例えば位相差パルスP0を共振周波数frに対して数10倍以上高い高速な基準クロックでカウントして変更するデジタル値の量を計算する方法がある。
図7は周波数発生手段21の具体的な構成例である。周波数決定演算処理40は、位相差処理手段20の信号PV0と周波数範囲設定手段22の信号F0、F1から周波数の最終的な値を決定し、波形生成処理41で周波数決定演算処理40の結果を基に最終的なゲート信号発生回路6のための基準クロック波形O1を作る。
図5、図6及び図7は、デジタルデータの演算処理なので、個別のTTLなど一般的なデジタル素子で構成しても、マイクロコンピュータやFPGA等のプログラム可能な素子で構成しても良く、同様の機能が実現出来る。
図8はゲート信号発生回路6の構成例であり、周波数発生手段21の出力を受ける入力部42と出力駆動回路2のフルブリッジ回路を構成する各入力のためのゲート信号を生成する信号生成部43と、出力制御回路7へ電圧信号VREを出力するためのバッファ回路44で構成される。
次に図1の動作について説明する。
図9は、図1の制御回路の動作を示すフロー図である。
動作の前提として、位相比較器へ入力されるVREとFB1の信号経路の差が無いように事前に調整されているとする。
具体的な事前の調整は、図1の全体動作を行わずとも、最低限、ゲート信号発生回路6と出力駆動回路2と電流変換器3と変換器4と検波手段18の回路だけを部分的に活性化して、例えばオシロスコープなどで波形を観測しながら遅延調整手段23で遅延調整することで、位相比較器19の入力端子の時間差をゼロにしておくことができる。
まず起動の最初の時点(ステップS0)で、入力整流回路で三相の交流入力電圧を直流電圧出力P0‐N0に発生させ、出力駆動回路2のスイッチングのための電圧を印加する。ゲート信号発生回路6及び、変換器4、出力制御回路7、遅延手段23、周波数範囲設定手段22には、図面には記述されないが、回路を動作させるために必要最低限の直流電圧が別途印加される。
上記制御回路へ直流電圧が印可された直後の初期状態では、周波数発生手段21で周波数範囲設定手段22の出力F0で設定された下限周波数が生成されるように設定しておく。これにより、出力駆動回路2は出力負荷5を駆動して発振を始める。(ステップS1)
位相比較器19は、前記発振動作により得られる電流信号を検波手段18で波形整形して電圧信号FB1を一方の入力とし、遅延調整手段23を通した電圧信号VREを他方の入力として、それぞれのパルスの立ち上がり若しくは立ち下がりのパルスエッジの位相を比較する。(ステップS3)
位相差が有る場合は、位相比較器の出力信号(P0、SD0、SU0)は位相差処理手段20と周波数発生手段21で演算し周波数を上げて行く(ステップS6、S7)。
最終的に位相差が一致した段階で周波数は維持される。(ステップS4)
もしも、周波数の上限若しくは下限の設定になる場合は、ステップS6で判定して上限若しくは下限の周波数で周波数の変更を止める。
電圧と電流の位相が合う状態になれば周波数は維持される。(ステップS4)
本発明における出力の電流調整は、上記フローで周波数が維持された状態から、遅延調整手段23の設定値DSETを変更することにより行う事が出来る。(ステップS5)
位相比較器19は、常に2つの入力VREとFB1の位相差を出力するので、制御回路全体の動作としては位相が一致した状態を保つ。
しかし、遅延調整手段23で電圧信号VRE0は遅延されているので、DSETで設定される遅延値分だけ電圧と電流の位相がずれた状態で全体の動作が安定することになる。
電流値は、電圧に対して以下の式で決まる。
I=I(fr) x cosθ ・・・・・ (3)
ここでI(fr)は、共振周波数frで合わせた時の電流であり、共振周波数での電流は式(2)の虚数項がゼロとなり抵抗分Rのみとなる値である。
遅延調整手段23は、上記のθを変更することと等価であり、出力負荷のQファクタの値に影響されること無く、共振周波数を保ったまま電流調整が出来る。遅延量を位相で表現すると、図10に示すような特性になる。図10において、波形46は本発明の電流特性、波形45は従来の図17で周波数を変えた場合の特性例であり、性能指数として表現されるQファクタが15の場合の例を示している。従来回路では、このQファクタの値により特性は大きく変わる。
また、本発明になる位相比較器19は、進み指令信号と遅延指令信号の出力を持っているため、遅延調整手段23をπ/2(位相差90度)以上変化させた場合でも制御動作が2倍の周波数や1/2の周波数などで周波数がロックされることも無く、広い範囲の周波数に対して有効に動作できる。
上記動作フローでは、下限周波数から制御が開始されることを説明したが、逆に上限周波数から制御を開始することも可能である。
図14に遅延調整手段23で遅延をtdだけ変えた場合の動作波形を示す。
図14において、V(U0−V0)はU0とV0の間の交流電圧を示し、ゲート信号発生回路6の信号VRE0から出力駆動回路2の遅延分(t0とt1の時間差)だけ遅れて出力される。一点鎖線は電圧ゼロ点のラインを示し、FBは変換器4から出力される交流電圧波形で一点鎖線は電圧ゼロ点のラインを示す。FB1はFBを検波した後のパルス波形で、検波手段18の遅延分(t1とt2の時間差)だけ遅れて位相比較器19に入力される。
信号VREはゲート信号発生回路6からの信号VRE0に遅延調整手段23を通して、信号FB1の位相と合わせるだけの遅延(この場合はt0とt2の時間差)だけ調整する。
これにより位相比較器19は位相差が無くなり、信号FBの波形は破線のようになる。位相比較された結果は次の周期まで反映されないが、出力が発振している状態では繰り返し波形なので、遅延で調整した結果は直ぐに反映されるため全体の動作には問題が出ない。
電流の調整は、上記初期の電圧と電流の位相調整を行った遅延時間(t2)を基準に、遅延調整手段23で遅延量をtd(t2とt3の時間差)だけ変更することで実現出来る。この時のFBの波形は実線のようになる。
本発明では、周波数は変わること無く遅延量で電流を調整するため、従来のように周波数を変えることも無く常に共振周波数でロックした状態で電流が変えられる。
図15は本発明に関わる他の実施例を示す。
図15では出力の電流調整を遅延調整手段23で行うのでは無く、図1における入力整流回路1がダイオード素子で構成することに対し、サイリスタ素子で構成した入力整流回路24と、電圧電流検出手段25と、サイリスタ制御回路26で構成している。
電圧電流検出手段25は、サイリスタで構成する入力整流回路1の電圧と電流を検出する手段であり、電流に関しては電流変換器3及び変換器4と同じ構成の回路が含まれ、電圧については、P0‐N0間に複数の抵抗を直列に挿入し分圧して、サイリスタ制御回路26の入力Rv、Riへ出力する。
サイリスタ制御回路26は、前記の入力信号と外部から設定される出力電流値ISETに基づいて、入力整流回路24のサイリスタ素子を制御する。
入力整流回路24、電圧電流検出手段25、サイリスタ制御回路26は、従来から良く用いられているサイリスタによる直流電圧生成回路であり、本発明での新規性は無い。
しかし、図15の構成とすることで、出力駆動回路2と電流変換器3、変換器4、ゲート信号発生回路6、出力調整回路7、周波数範囲設定手段22、遅延調整手段23、の部分は出力負荷5の共振周波数を制御することに最適化した固定の値としておき、入力整流回路24、電圧電流検出手段25、サイリスタ制御回路26では電力制御のための電流と電圧を調整するというように、制御する機能を分けて行うことが出来るのでより安定した動作ができる。
本発明の高周波誘導加熱用の制御回路は、出力駆動回路の電圧と電流の位相制御を行う部分に遅延回路を設け、尚且つ、位相差から出力駆動回路のゲート制御信号を生成する回路を全てデジタルで処理する周波数発生手段を設けたため、誘導加熱装置全体の構成部品相違に伴う電圧の信号フィードバックと電流信号のフィードバックの遅延時間が違うような状況でも正確な位相比較動作が出来、出力駆動回路のスイッチングによるノイズにも強い構成が可能となる。
1 入力整流回路
2 出力駆動回路
3 電流変換器
4 変換器
5 出力負荷
6 ゲート信号発生回路
7 出力制御回路
18 検波手段
19 位相比較器
20 位相差処理手段
21 周波数発生手段
22 周波数範囲設定手段
23 遅延調整手段
FB 変換器4の出力信号
FB1 位相比較器の電流パルス入力信号
VRE0 ゲート信号発生回路の電圧信号
VRE 遅延調整手段の出力信号
SD0 位相比較器の遅相状態を表す信号
SU0 位相比較器の進相状態表す信号
F0 周波数発生手段21へ対する下限周波数の設定値
F1 周波数発生手段21へ対する上限周波数の設定値

Claims (6)

  1. 単相又は三相の交流電圧を整流して直流電圧を発生する入力整流回路と、入力整流回路の直流電圧出力を入力としてスイッチングさせた交流出力を持つ出力駆動回路と、出力駆動回路の出力スイッチングを制御するゲート信号発生回路と、前記ゲート信号発生回路を制御する出力制御回路と、前記出力駆動回路の出力に接続される出力負荷と、出力駆動回路と出力負荷の入力端子の間に接続された電流検出手段と、を有し、少なくともゲート信号発生回路の一部の電圧信号と電流検出手段の電流信号の2つの入力信号を出力制御回路へ入力し位相制御を行う高周波誘導加熱装置の電力制御回路において、
    前記ゲート信号発生回路の一部の電圧信号を、遅延調整手段を介して出力制御回路に入力することを特徴とする電力制御回路。
  2. 入力整流回路の直流電圧出力は、サイリスタ制御回路及び電流電圧検出手段を介して出力駆動回路に出力することを特徴とする請求項1に記載の電力制御回路。
  3. 出力制御回路には2つの入力信号に対する位相差パルス出力と、前記2つの入力信号の相対的な進みと遅れの状態を示す2つの出力を出力する位相比較器を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力制御回路。
  4. 出力制御回路は位相比較器と、位相比較器の3つの出力を入力として位相差情報を生成する位相差処理手段と、当該位相差処理手段の出力から周波数を発生する周波数発生回路と、から構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力制御回路。
  5. 周波数発生回路には下限周波数と上限周波数を設定出来る手段を有した周波数範囲設定手段を有し、起動時には下限または上限周波数から動作を開始する事を特徴とする請求項4に記載の電力制御回路。
  6. 位相差処理手段の出力はバイナリデータで出力することを特徴とする請求項4に記載の電力制御回路。
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