JP2015224743A - 動力作業機 - Google Patents

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直人 一橋
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直人 一橋
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Abstract

【課題】遠心クラッチの発熱に起因して発生するガタや振動を抑制する。
【解決手段】クラッチドラム52の前面において、略矩形形状の板状の突起部52Aとこれに隣接し同様の形状を具備する孔部52Bとが、クラッチシャフト53を中心とした円周上に形成されている。ここで、この突起部52Aにおいては、回転に際しての移動方向と対向し、径方向との間の角度(傾斜角)θが設けられているために、気流を生成する羽根としての役割を果たす。このため、クラッチドラム52をこの気流を用いて冷却することができる。孔部52Bは突起部52Aの移動方向に対して背面側に設けられているために、前方から孔部52Bに向かって空気が流入しやすくなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、動力源(エンジン等)が用いられる動力作業機、例えば刈払機等の構造に関する。
刈払機、送風機、チェーンソー、パワーカッタ等、小型のエンジン等が動力源として使用される各種の動力作業機が知られている。
図9は、こうした刈払機の形態の一例を示す斜視図である。この刈払機300においては、前後方向に細長い操作棹301の前端(一端)側には、回転する刈刃302が設けられる。刈刃302は、操作棹301の後端(他端)側に設けられた動力部303中のエンジン(図示せず)によって駆動される。このため、操作棹301中には、エンジンの回転運動を前端側に伝達するための伝達軸(図示せず)が設けられている。操作棹301の前後方向における中央付近には、作業時に作業者が把持するためのハンドル304が設けられている。
図10は、この刈払機300における、操作棹301と動力部303の接続部分の構造を示す、操作棹303の中心軸に沿った断面図である。動力部303においては、エンジンのシリンダ10が上方に設けられ、シリンダ10の下側に設けられたクランク軸13が回転駆動される。クランク軸13の前方にはファン40が固定され、クランク軸13の回転に伴って冷却風が生成される。ファン40、シリンダ10は、操作棹301側から後方に向けて軽量の樹脂製のファンケース(筐体)90で覆われており、冷却風はこのファンケース90内をシリンダ10側に流れることによって、シリンダ10が冷却(空冷)される。
また、操作棹303内の伝達軸305とクランク軸13とは、ファン40に装着された遠心クラッチ350を介して接続される。遠心クラッチ350においては、クランク軸13側に装着されたクラッチシュー351と、クラッチシュー351を前方かつ外側から覆うように設けられ伝達軸305側に固定されたクラッチドラム352とが設けられる。クランク軸13の回転速度が高まると、クランク軸13に固定されたクラッチシュー351が遠心力によって外側に広がり、クラッチシュー351の外側に設けられたクラッチドラム352の内面とクラッチシュー351の外周とが接することによって、クラッチドラム352側に回転が伝達される。クラッチドラム352にはクラッチシャフト353が固定され、クラッチシャフト353は伝達軸305に固定される。遠心クラッチ350を用いることによって、クランク軸13の回転速度が低い場合には伝達軸305が駆動されず、クランク軸13の回転速度が高くされた場合には伝達軸305が駆動され、刈刃302を回転させることができる。クラッチシャフ353は、ファンケース90に固定されたベアリング91によって支持される。操作棹301もファンケース90と接続され、伝達軸305は操作棹301と同軸に設けられる。
ここで、遠心クラッチ350の動作においては、クラッチシュー351がクラッチドラム352の内面を摺動する際に、摩擦によって発熱が起こり、遠心クラッチ350周辺が高温となりやすい。特に、ベアリング91を支持するファンケース90が高温となった場合には、ファンケース90に変形が生じ、ベアリング91やこれに支持されるクラッチシャフト353にガタが生じ、振動が発生する場合がある。このため、特許文献1には、この発熱を抑制するために、ファン40によって生成されシリンダ10側に流される冷却風の一部を遠心クラッチ350周囲にも流す構成を具備する刈払機が記載されている。
特開2014−5772号公報
図10に示されるように、遠心クラッチ350はファン40よりも前方に設けられ、ベアリング91は更に遠心クラッチ350の前方に設けられる。一方、ファンケース90は、ファン40で生成された冷却風を後方のシリンダ10側に効率的に流すことができる形状とされ、図10に示されるように、後方に向かって広がり、前方で細くなった形状とされる。こうした形状のファンケース90において、ファン40で生成された冷却風を後方側から遠心クラッチ350、ベアリング91側に高効率で流すことは困難であり、特に、遠心クラッチ350よりも前方に設けられたベアリング91周辺を冷却することは困難であった。あるいは、遠心クラッチ350、ベアリング91側に流す冷却風の流量を高めて冷却効率を高めることも不可能ではないが、この場合には、シリンダ10の冷却効率が低下した。
このため、クラッチシャフトを支持するベアリング周囲の冷却を効率的に行うことは困難であり、遠心クラッチの発熱に起因して発生するガタや振動を抑制することは困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の動力作業機は、クラッチドラムが一方側からクラッチシューを覆うように設けられ、前記クラッチシューの回転運動の際の遠心力によって前記クラッチシューの外周と前記クラッチドラムの内面とが接することによって、前記クラッチシュー側と前記クラッチドラム側との間の動力伝達が行われる遠心クラッチが使用され、前記クラッチドラムの回転軸となり前後方向に延伸して前記クラッチドラムの前記一方側に固定されたクラッチシャフトが筐体中で支持される構成を具備する動力作業機であって、前記クラッチドラムの回転に伴って気流を生成する起風手段を具備し、前記クラッチドラムには、前記起風手段により生成された前記気流を通過させる孔部が形成されたことを特徴とする。
本発明の動力作業機において、前記起風手段は、前記クラッチドラムの前記一方側の面において、他方側に突出するように設けられた突起部であることを特徴とする。
本発明の動力作業機において、前記突起部は、前記孔部と隣接して設けられたことを特徴とする。
本発明の動力作業機において、前記孔部は、前記回転運動に際しての前記突起部の移動方向における背面側に設けられたことを特徴とする。
本発明の動力作業機において、前記起風手段は、前記クラッチシャフトにおいて、前記回転軸を中心とした径方向における外側に突出するように設けられた突起部であることを特徴とする。
本発明の動力作業機において、前記突起部は、周方向の長さよりも径方向の長さが大きく設定されたことを特徴とする。
本発明の動力作業機は、動力源としてエンジンが使用され、冷却風を生成するファンが前記エンジンのクランク軸の前記一方側に固定され、前記クラッチシューが前記ファンに装着されたことを特徴とする。
本発明の動力作業機において、前記筐体は、前記ファン及び前記遠心クラッチを前記一方側から覆うファンケースであり、前記筐体における前記起風手段より前記一方側の箇所に通風口が形成されたことを特徴とする。
本発明の動力作業機は、操作棹の一端側に刈刃を具備し、前記遠心クラッチを具備する動力部を前記操作棹の他端側に具備する刈払機であることを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、遠心クラッチの発熱に起因して発生するガタや振動を抑制することができる。
本発明の実施の形態となる刈払機における動力部の正面図である。 本発明の実施の形態となる刈払機における動力部のA−A方向の断面図である。 本発明の実施の形態となる刈払機において用いられる遠心クラッチの構造を示す図である。 本発明の実施の形態となる刈払機において用いられるファンケースとクラッチドラムの内面の形状及びその関係を示す組立斜視図である。 本発明の実施の形態となる刈払機において用いられるクラッチドラムの前面を後方側から見た平面図である。 本発明の実施の形態となる刈払機における動力部の第1の変形例の断面図である。 本発明の実施の形態となる刈払機における動力部の第2の変形例の断面図である。 本発明の実施の形態となる刈払機における動力部の第3の変形例において用いられるクラッチドラムの斜視図である。 一般的な刈払機の構成を示す図である。 刈払機における動力部の構成を示す断面図である。
本発明の実施の形態となる動力作業機(刈払機)の構成について説明する。ここでは、動力部における動力源として小型のエンジンが使用され、このエンジンによって刈刃が回転駆動される。エンジンのクランク軸と刈刃の回転軸との間における動力伝達には、遠心クラッチが用いられる。この遠心クラッチにおいては、クラッチシューとクラッチドラムとの間の摺動によって発熱が発生することは従来の構造と同様であるが、遠心クラッチにおける出力側の回転軸であるクラッチシャフト周辺が特に効率的に冷却される構成とされる。
図1は、この刈払機における動力部100を操作棹110側から見た正面図である。図2は、そのA−A方向に沿った断面図であり、操作棹110中の伝達軸111の軸線に沿った構造を示している。以下では、動力部100に対して操作棹110が装着された側を前方とし、図1は、動力部100を前方から見た図となっている。
図1に示されるように、動力部100の左側(図1における右側)には、エンジンに混合気を供給する気化器21、気化器21に空気を供給するエアクリーナ22が設けられている。気化器21に供給される燃料は、下側の燃料タンク23に溜められており、作業者は、タンクキャップ24を燃料タンク23から取り外して燃料を燃料タンク23内に供給することができる。動力部100の右側(図1における左側)には、エンジンからの排気ガスが通過するマフラ25が、マフラカバー26に覆われて設けられている。図10の構造と同様に、動力部100においては、エンジンのシリンダ(図示せず)はシリンダカバー31で、ファン(図示せず)はファンケース(筐体)32で覆われ、実際にはシリンダカバー31とファンケース32とは組み合わされて一体化され、シリンダカバー31とファンケース32で覆われた内部を冷却風が流れる構成とされる。
図2に示されるように、ここで用いられるエンジンにおいては、上側に設けられたシリンダ10中に設けられたピストン11の上下方向の往復運動が、下側に設けられたクランクケース12に設けられたクランク軸13にコンロッド14を介して伝達されることによって、クランク軸13が回転駆動される。シリンダ10内においては、ピストン11の上側に燃焼室15が形成され、燃焼室15内の混合気に点火をするための点火プラグ16がシリンダの上側に設けられる。点火プラグ16に供給される電流は、前方に設置された点火装置17で生成され、プラグキャップ18を介して点火プラグ16に流される。また、クランク軸13の後方(図2における右方)には、クランク軸13を強制的に回転させることによってエンジンを始動させるために用いられる始動装置19が設けられている。
クランク軸13には、前方側において、ファン40がナット41によって固定されており、クランク軸13の回転に伴って冷却風CAが生成される。冷却風CAは、図示されるようにファン40がある下側から上側のシリンダ10に向かって流れるように、ファンケース32、シリンダカバー31は構成される。なお、ファン40には、マグネトロータ(図示せず)も固定されており、この回転に伴って自動的に発電が行われ、その出力が点火装置17に供給され、点火プラグ16に供給される電流が生成される。
ファン40の前方には、クランク軸13側と伝達軸111側との間の動力の伝達を制御するための遠心クラッチ50が設けられている。遠心クラッチ50は、ファン40側に装着されたクラッチシュー51と、クランク軸13の軸線から見てクラッチシュー51を前方(一方)側から覆うような円筒形状の内面が設けられたクラッチドラム52とを具備する。クラッチドラム52には、クラッチシャフト53が固定され、図2に示されるように、クラッチシャフト53はクラッチドラム52の前方側において、ファンケース32に固定されたベアリング33によって支持された状態で伝達軸111に固定されている。また、クラッチドラム52は、ファンケース32の一部である円筒形状の筒状リブ32Aによってその外側を囲まれた状態で、ファンケース32内に収容されている。
図3(a)(b)は、クラッチドラム52が覆う内部の構造を前方(図2における左方)から見た図であり、図3(a)は、この遠心クラッチ50において動力が伝達されない状態、図3(b)は動力が伝達される状態を、それぞれ示している。ここで、クラッチドラム52の内面Sは、破線で示される通り、クランク軸13を中心とした円形状とされる。図3においては、2つ(左側、右側)のクラッチシュー51(51A、51B)が用いられ、左側のクラッチシュー51Aは上側のネジ材54(54A)によって、ファン40に対してネジ材54Aの回りで回動可能に装着され、右側のクラッチシュー51Bは、下側のネジ材54Bによって、ファン40に対してネジ材54(54B)の回りで回動可能に装着される。また、クラッチシュー51A、51Bは、クラッチスプリング55によって連結されており、クラッチシュー51A、51Bは共にクラッチスプリング55によって内側に引っ張られた状態とされる。
ファン40が停止している状態、あるいは低い回転速度で回転している状態では、図3(a)に示されるように、クラッチスプリング55の弾性力によってクラッチシュー51A、51Bは引っ張られ、クラッチシュー51A、51Bの外周面が構成する円は、クラッチドラム52の内面Sを構成する円よりも小さくなり、クラッチシュー51A、51Bの外周面はクラッチドラム52の内面Sと接触しない設定とされる。このため、ファン40(クランク軸13)側からクラッチドラム52側へ動力は伝達されない。
一方、ファン40(クランク軸13)の回転速度が高まった場合には、クラッチシュー51A、51Bに働く遠心力が大きくなり、これらはそれぞれネジ材54A、54Bの回りでクラッチスプリング55の弾性力に逆らって回動し、広がる。このため、図3(b)に示されるように、クラッチシュー51A、51Bの外周面は、クラッチドラム52の内面Sと接触することによって、ファン40(クランク軸13)側からクラッチドラム52側へ動力が伝達される。このため、気化器21を制御してクランク軸13の回転速度を調整することによって、クラッチドラム52(クラッチシャフト53、伝達軸111)側への動力の伝達のオン・オフを制御することができる。
図3に示された構造、動作は、通常知られる遠心クラッチと同様である。ここで、この動力の伝達のオンとオフとの間の過渡的な状態や、動力が伝達されている際に刈刃(伝達軸111)側に大きな負荷が加わった状態においては、クラッチシュー51A、51Bの外周面とクラッチドラム52の内面Sとの間には滑りが発生する。この場合には、これらの間で摩擦熱が発生し、これによってクラッチドラム52が発熱する。
これに対して、この冷却のために、この遠心クラッチ50においては、突起部(起風手段)52Aと、突起部52Aの近傍に孔部52Bとがクラッチドラム52に設けられている。突起部52Aは、少なくともクラッチドラム52の回転に際して突起部52Aが移動する方向(クラッチシャフト53の中心軸を中心とした円の円周方向)と対向する面を具備し、クラッチドラム52の回転に際して突起部52Aが移動する方向に沿って気流を生成するように形成される。孔部52Bは、クラッチドラム52の前方側から後方側にかけてこの気流を流すことができるように形成される。
図4は、ファンケース32とクラッチドラム52の内面の形状及びその関係を示す組立斜視図である。また、図5は、クラッチドラム52の前面を後方(他方)側から見た平面図である。ここでは、クラッチドラム52の前面において、略矩形形状の板状の突起部52Aとこれに隣接し同様の形状を具備する孔部52Bとが、クラッチシャフト53を中心とした円周上に10組形成されている。なお、クラッチドラム52(クランク軸13)の回転方向が図4、図5における矢印で示されている。クラッチドラム52の前面において板金加工を行い、この面を打ち抜き、かつ略垂直に折り曲げることで、こうした形状の突起部52A、孔部52Bを容易に形成することができる。なお、突起部52Aの高さ(図2における前後方向の長さ)は、突起部52Aとクラッチシュー51とが当接しないように設定される。
図5においては、前記の通り、摩擦熱が発生するのは周囲の内面Sであり、この熱は点線で示されるように、中央のクラッチシャフト53側に伝達される。ここで、この突起部52Aにおいては、回転に際しての移動方向と対向し、径方向との間の角度(傾斜角)θが設けられているために、気流を生成する羽根としての役割を果たす。この際、突起部52Aにおける周方向の長さをL1、径方向の長さをL2とすると、L2>L1としているために、径方向の広い範囲にわたり気流を生成することができる。このため、クラッチドラム52をこの気流を用いて冷却することができる。特に、摩擦熱が発生するのは図3に示されたようなクラッチドラム52の内面Sであるのに対して、内面Sで囲まれた内部で冷却風を生成し、クラッチドラム52で覆われた内部を冷却することができる。これに対して、特許文献1に記載の構造においては、遠心クラッチから離れた箇所で生成された冷却風によって遠心クラッチを冷却するために、遠心クラッチ周辺に充分な空間がないと、高い冷却効率を得ることは困難である。
また、回転の際の突起部52Aの移動に際して、移動方向におけるその背面側には負圧が発生する。孔部52Bは突起部52Aの移動方向に対して背面側に設けられているために、この負圧によって、前方(図2における左方)から孔部52Bに向かって空気が流入しやすくなる。すなわち、クラッチドラム52の回転に際しては、冷却風CAとは別に、図2に示される冷却風CBが生成され、この冷却風CBによってクラッチドラム52等が冷却される。この際、図1に示されるように、ファンケース32の前方側に通風口32Bを設けることによって、ファンケース32の外部から低温の空気を導入することが可能となり、冷却風CBによる冷却効率を特に高めることができる。
また、突起部52Aは内面Sからクラッチシャフト53側に向かう熱の流れの途中に設けられているために、突起部52Aがクラッチドラム52における冷却フィンとしての役割を果たすことも明らかである。この効果によっても、クラッチシャフト53側の温度上昇を抑制することができる。
ファンケース32は高温となるクラッチドラム52と直接接さないが、クラッチドラム52に固定されたクラッチシャフト53が、ファンケース32に固定されたベアリング33と接する。クラッチシャフト53の温度上昇が抑制されるために、ベアリング33の温度上昇も抑制される。すなわち、上記の動力部100においては、従来冷却が困難であった遠心クラッチ50よりも前方の冷却効率を高め、ファンケース32等の温度上昇を抑制することができる。この際、冷却風CAは従来の構造と変わらず生成されるため、シリンダ40の冷却効率も高く保つことができる。この際、従来の構成(図10)と比べて、クラッチドラムを上記の構成のクラッチドラム52とし、ファンケース32に通風口32Bを設けるだけで、高い冷却効率を得ることができる。ただし、冷却風CBによって充分な冷却効率が得られる限りにおいて、通風口32Bは不要である。
このため、ベアリング33周囲における樹脂製のファンケース32の温度上昇を抑制することがで、この部分が変形する、この変形によってガタが発生することを抑制することができる。あるいは、ファンケース32を構成する材料として、耐熱性が低く安価な材料を用いることができる。
クラッチドラムの冷却効率を高めることができる限りにおいて、突起部や孔部として、様々な構成のものを用いることができる。図6は、図2〜図5で示された遠心クラッチ50とは異なる構成の遠心クラッチ60が使用された場合(第1の変形例)の構成を示す、図2に対応した断面図である。遠心クラッチ60以外の構成、更に、クラッチシュー51、ネジ材54、クラッチスプリング55については、図2の構成と同様である。また、ここで用いられるクラッチドラム62がクラッチシュー51を前方側から覆う円筒形状であることも同様である。
ここでは、突起部62Aは、前記のクラッチ50と同様にクラッチドラム62の前面の後方側に設けられているが、孔部62Bは、突起部62Aとは隣接せず、クラッチドラム62の前面の端部に設けられている。こうした構成であっても、突起部62Aによってクラッチドラム62内で気流を生成することができ、クラッチドラム62で覆われた内部に孔部62Bから空気を取り入れることができることは明らかである。すなわち、この突起部62A、孔部62Bが形成されたクラッチドラム62を前記のクラッチドラム52の代わりに用いても、同様の効果を奏する。この構造のクラッチドラム62を製造するに際しては、前記のクラッチドラム52とは異なり、孔部62Bの形成と突起部62Aの形成は独立して行うことができ、溶接等によって突起部62Aをクラッチドラム62に接合して設けることができる。
また、クラッチドラムにおいて前記のクラッチドラム52と同様に突起部52A、孔部52Bを形成し、更に図6に示されたような孔部62Bを追加して形成することもできる。このように、クラッチドラムにおいて孔部を形成する箇所は任意であり、特に、クラッチドラム内に気流を導入しやすい箇所に孔部を形成することができる。この際、ファンケースの形状等に応じ、気流を円滑に導入しやすい箇所に孔部を形成することが可能である。
また、気流を生成するための突起部は、必ずしもクラッチドラムに形成されている必要はなく、クラッチドラムと一体化されて回転する部品に突起部(羽根)を形成すれば、同様に冷却風を生成することができる。特に、クラッチドラムからベアリングに至る領域の冷却を効率的に行うためには、クラッチドラムとベアリングの間に存在するクラッチシャフトにこの突起部を設けることが有効である。図7は、こうした構造の一例(第2の変形例)を示す断面図である。ここで用いられる遠心クラッチ70におけるクラッチドラム72には、孔部72Bのみが形成されており、突起部は形成されていない。その代わりに、クラッチドラム72に固定されたクラッチシャフト73において、羽根として機能する突起部73Aが形成されており、この突起部73Aによって冷却風が生成され、この冷却風が孔部72Bを通りクラッチドラム72で覆われた内部に導入される。前記の突起部52A、61Aはいずれも前後方向(図2、6における左右方向)に突出していたのに対し、この場合の突起部73Aは、クラッチシャフト73の中心軸を中心とした径方向に突出した形状とされ、例えばプロペラ状とすることができる。突起部73Aは、クラッチシャフト73の周方向における複数の箇所に圧入して固定することができる。この場合においても、充分な冷却効果を得るためには、突起部73Aにおいて、周方向の長さよりも径方向の長さが大きくなるようにすることが好ましい。
この場合においても、突起部73Aは、クラッチシャフト73の冷却フィンとして機能することは明らかである。このため、ベアリング33に伝達される熱量を特に低減させることができる。この構造においては、クラッチシャフト73において突起部73Aを形成するための領域が必要となるが、一方で、クラッチドラム72内には突起部を形成する必要がないために、クラッチドラム72の図7における前後方向の長さを短くすることができる。このため、動力部全体の全長は図2等の構造と同等とすることができる。
このように、クラッチドラムと共に回転する様々な箇所に突起部を形成することもできる。この場所も、ファンケースやエンジンの形状、操作棹等の形状に応じて適宜設定することができる。
また、上記の例においては、突起部は板状であり、羽根としての役割を果たすものとしたが、少なくともクラッチドラムの回転時において、この回転運動に伴って移動をする突起部であれば、気流を発生させる起風手段として機能する、あるいは冷却フィンとして機能する効果があることは明らかである。このため、例えば図8にその内面の形状が示されるクラッチドラム82を用いることもできる。図8は、このクラッチドラム82を図4におけるクラッチドラム52に対応させて示す図である。
このクラッチドラム82においては、その前面に円形の孔部82Bが複数形成され、孔部82Bを囲む円環(円筒)状に突出した突起部82Aが形成されている。このように、クラッチドラムやクラッチシャフトに対する冷却効果がある限りにおいて、突起部や孔部の形態は任意である。
上記のいずれの例も、従来の構造(図10)におけるクラッチシャフトが固定されたクラッチドラムを交換するだけ、あるいは更にファンケース(筐体)に通風口を設けるだけで、高い冷却効果を得ることができる。このため、低コストでこうした刈払機を製造することができる。また、使用されるクラッチドラムの構造は単純であり軽量であるため、これによって刈払機全体が重くなることもない。
なお、上記の例は、エンジンが動力源として使用される刈払機であったが、刈払機以外の作業機であっても、遠心クラッチが使用される限りにおいて、同様の構成が有効であることは明らかである。また、これは、動力源としてエンジン以外(例えばモータ)が使用される場合においても同様である。すなわち、上記の構成は、遠心クラッチが使用される動力作業機全般において有効であることは明らかである。特に、作業機全体を重くすることがないため、携帯式の動力作業機に有効である。
10 シリンダ
11 ピストン
12 クランクケース
13 クランク軸
14 コンロッド
15 燃焼室
16 点火プラグ
17 点火装置
18 プラグキャップ
19 始動装置
20 操作棹
21 気化器
22 エアクリーナ
23 燃料タンク
24 タンクキャップ
25 マフラ
26 マフラカバー
31 シリンダカバー
32、90 ファンケース(筐体)
32A 筒状リブ
32B 通風口
33、91 ベアリング
40 ファン
41 ナット
50、60、70、350 遠心クラッチ
51、51A、51B、351 クラッチシュー
52、62、72、82、352 クラッチドラム
52A、62A、73A、82A 突起部(起風手段)
52B、62B、72B、82B 孔部
53、73、353 クラッチシャフト
54、54A、54B ネジ材
55 クラッチスプリング
100、303 動力部
110、301 操作棹
111、305 伝達軸
300 刈払機(動力作業機)
302 刈刃
304 ハンドル
CA、CB 冷却風
S クラッチドラムの内面

Claims (9)

  1. クラッチドラムが一方側からクラッチシューを覆うように設けられ、前記クラッチシューの回転運動の際の遠心力によって前記クラッチシューの外周と前記クラッチドラムの内面とが接することによって、前記クラッチシュー側と前記クラッチドラム側との間の動力伝達が行われる遠心クラッチが使用され、前記クラッチドラムの回転軸となり前後方向に延伸して前記クラッチドラムの前記一方側に固定されたクラッチシャフトが筐体中で支持される構成を具備する動力作業機であって、
    前記クラッチドラムの回転に伴って気流を生成する起風手段を具備し、
    前記クラッチドラムには、前記起風手段により生成された前記気流を通過させる孔部が形成されたことを特徴とする動力作業機。
  2. 前記起風手段は、前記クラッチドラムの前記一方側の面において、他方側に突出するように設けられた突起部であることを特徴とする請求項1に記載の動力作業機。
  3. 前記突起部は、前記孔部と隣接して設けられたことを特徴とする請求項2に記載の動力作業機。
  4. 前記孔部は、前記回転運動に際しての前記突起部の移動方向における背面側に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の動力作業機。
  5. 前記起風手段は、前記クラッチシャフトにおいて、前記回転軸を中心とした径方向における外側に突出するように設けられた突起部であることを特徴とする請求項1に記載の動力作業機。
  6. 前記突起部は、周方向の長さよりも径方向の長さが大きく設定されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の動力作業機。
  7. 動力源としてエンジンが使用され、冷却風を生成するファンが前記エンジンのクランク軸の前記一方側に固定され、前記クラッチシューが前記ファンに装着されたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の動力作業機。
  8. 前記筐体は、前記ファン及び前記遠心クラッチを前記一方側から覆うファンケースであり、
    前記筐体における前記起風手段より前記一方側の箇所に通風口が形成されたことを特徴とする請求項7に記載の動力作業機。
  9. 操作棹の一端側に刈刃を具備し、
    前記遠心クラッチを具備する動力部を前記操作棹の他端側に具備する刈払機であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の動力作業機。
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