JP2013068141A - エンジン及びエンジン作業機 - Google Patents

エンジン及びエンジン作業機 Download PDF

Info

Publication number
JP2013068141A
JP2013068141A JP2011206678A JP2011206678A JP2013068141A JP 2013068141 A JP2013068141 A JP 2013068141A JP 2011206678 A JP2011206678 A JP 2011206678A JP 2011206678 A JP2011206678 A JP 2011206678A JP 2013068141 A JP2013068141 A JP 2013068141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
heat
ignition coil
cylinder
heat insulating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011206678A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadakatsu Ejiri
忠勝 江尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP2011206678A priority Critical patent/JP2013068141A/ja
Publication of JP2013068141A publication Critical patent/JP2013068141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】
イグニッションコイルに対し、エンジン運転中に冷却風にて効果的に冷却すると共に、エンジン停止後の温度上昇を抑制することができるエンジンを実現する。
【解決手段】
イグニッションコイル31とフライホイール28を有し、イグニッションコイル31がシリンダ23に取り付けられるエンジン10において、イグニッションコイル31のシリンダ23に面する側に放熱部材42を設け、シリンダ23のイグニッションコイル31に面する側に断熱部材41を設け、放熱部材42と断熱部材41が所定の間隔を隔てるように配置した。フライホイール28には、シリンダ23の冷却用の空気流(51、52)を発生させる冷却ファン29が形成され、その空気流の一部(51)を放熱部材42と断熱部材41の間に流すようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、刈払機等のエンジン作業機のエンジンのイグニッションコイルの取り付け構造の改良に関するもので、特に、シリンダに固定されるイグニッションコイルを効果的に冷却でき、エンジンの熱から保護することができるエンジン及びエンジン作業機に関する。
刈払機やチェンソー等の小型のエンジン作業機には、動力源として小型のエンジンが広く用いられている。エンジン作業機で用いられるような2サイクルエンジンや4サイクルエンジンは、小型軽量で大きな出力を得ることができ、燃料を供給することにより長時間の作業が可能となる。エンジンにおいては、気化器によって燃料と空気の混合気を生成し、シリンダに吸引された混合気を点火プラグで点火することによって燃焼させる。この際、点火プラグによる点火時期の制御が重要となるが、小型のエンジンにおいては点火時期の制御のためにフライホイールマグネトーを用いることが多い。フライホイールマグネトーは、イグニッションコイルとフライホイールから主に構成され、フライホイールの外周面の一箇所に設けたマグネットの近接によりイグニッションコイルに高電圧を誘起させ、その高電圧を点火プラグに供給することにより、点火プラグで火花を飛ばす点火装置である。
火花を飛ばしてシリンダの内部で燃焼が行われると高い熱が発生する。そこで、高速回転するフライホイールと一体で設けられた冷却ファンによって生じる冷却風をシリンダに設けられた複数の放熱フィンに導くことによりエンジンの冷却をしている。イグニッションコイルは、フライホイールの近傍であって、径方向の外側に隣接して配置する必要があるため、ねじやボルト等によってエンジンのシリンダ又はクランクケースに取り付けられる場合が多い。そのため、シリンダから直接的に又は放熱フィンを介して間接的に熱が伝わり、高熱に曝される恐れがある。
イグニッションコイルをシリンダに固定する場合には、エンジンの熱によりイグニッションコイルが過熱しないように考慮する必要がある。この熱の影響防止は、エンジンの運転中だけでなく、運転終了後に停止したエンジンから伝わる熱の防止も考慮することが重要である。このイグニッションコイルの温度上昇を低減させる方法としてイグニッションコイルに断熱板を設けたり、冷却風を分流させて冷却風をイグニッションコイルにあてることで冷却する方法が知られている。例えば特許文献1においては、イグニッションコイルとシリンダの取り付けボスとの間に断熱部材と熱遮蔽板を介在させ、エンジンの発熱が取付けボスを通してイグニッションコイルの鉄心に直接伝導するのを抑制し、シリンダから放射される熱輻射によりイグニッションコイルが過熱されるのを防止している。
特開2002−106453号公報
エンジンが停止するとフライホイールと一体で設けられた冷却ファンも停止する。つまり、エンジン停止後は冷却ファンによる冷却風が流れないため、イグニッションコイルはシリンダが発する熱によって温度上昇が大きくなってしまい、イグニッションコイルの性能劣化が生じる恐れがでてくる。また、特許文献1に記載された断熱部材には放熱効果がないためイグニッションの放熱が十分でなく、イグニッションコイルの更なる長寿命化の阻害要因となる。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、エンジン運転中のイグニッションコイルを効果的に冷却することができるエンジン及びエンジン作業機を提供することにある。
本発明の他の目的は、エンジン運転停止後のイグニッションコイルの温度上昇を抑制することができるエンジン及びエンジン作業機を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、エンジン冷却用の冷却風によるイグニッションコイルの冷却効果の向上を図ったエンジン及びエンジン作業機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、イグニッションコイルとフライホイールを含んで構成されるフライホイールマグネトーを用いた点火装置を有し、イグニッションコイルがシリンダに取り付けられるエンジンにおいて、イグニッションコイルのシリンダに面する側に放熱部材を設け、放熱部材と所定の間隔を隔てて断熱部材を配置した。放熱部材は、イグニッションコイルに接して設けるのが好ましく、断熱部材はシリンダのイグニッションコイルに面する側に設けられると良い。フライホイールには、シリンダの冷却用の空気流を発生させる冷却ファンが形成され、冷却ファンによって生成された空気流の一部を放熱部材と断熱部材の間の空間に流すように構成した。
本発明の他の特徴によれば、放熱部材及び断熱部材は金属製の板状部材であり、お互いがほぼ平行になるように配置される。イグニッションコイル、放熱部材、断熱部材は、共通のボルト又はねじによってシリンダに固定される。放熱部材及び断熱部材はフライホイールの近傍においてフライホイールの回転軸方向とほぼ直角になるように配置され、放熱部材及び断熱部材によって形成される開口部がフライホイールによって生成された空気流の流路内に位置するように配置される。
本発明のさらに他の特徴によれば、放熱部材及び断熱部材を一定の間隔で保持するための連結部を設けた。連結部は側面視が略コの字状の別部材であると好ましいが、放熱部材又は/及び断熱部材の形状を変更して連結部の機能を持たせるように構成しても良い。連結部は放熱部材及び断熱部材に接するように設けられ、連結部の一部には空気を通過させる通風穴が設けられ、空気を所定の方向に案内する案内部が形成される。
請求項1の発明によれば、イグニッションコイルのシリンダに面する側に放熱部材を設け、放熱部材と所定の間隔を隔てて断熱部材を配置したので、エンジンからの熱がイグニッションコイルに伝わることを効果的に抑制できる。
請求項2の発明によれば、放熱部材はイグニッションコイルのシリンダに面する側に接するように設けられるのでイグニッションコイルを効果的に冷却することができる。また、断熱部材はシリンダのイグニッションコイルに面する側に設けられ、放熱部材と断熱部材が所定の間隔を保つので、エンジンからの熱がイグニッションコイルに伝わることを大幅に抑制できる。
請求項3の発明によれば、冷却ファンによって生成された空気流の一部を放熱部材と断熱部材の間に流すので、エンジン運転中には強力にイグニッションコイルを冷却することができる。
請求項4の発明によれば、放熱部材及び断熱部材は金属製の板状部材であり、お互いがほぼ平行になるように配置されるので、熱の遮断を効果的に行うことができる。
請求項5の発明によれば、イグニッションコイル、放熱部材、断熱部材は、共通のボルト又はねじによってシリンダに固定され、エンジンの組み立て工数を増やすことがないので、製造コストアップを最小に抑えることができる。
請求項6の発明によれば、放熱部材及び断熱部材によって形成される開口部がフライホイールによって生成された空気流の流路内に位置するように配置したので、冷却風を確実に放熱部材及び断熱部材の間の空間に導くことができ、イグニッションコイルが過熱すること無く長寿命化を図ることができる。
請求項7の発明によれば、放熱部材及び断熱部材を一定の間隔で保持するための連結部を設けたので、安定してイグニッションコイルをエンジンに固定することができる。
請求項8の発明によれば、連結部の一部には空気を通過させる通風穴、及び/又は、空気を所定の方向に案内する案内部が形成されるので、イグニッションコイルを冷却した空気をシリンダの冷却に再利用することができ、エンジン全体を効果的に冷却することができる。
請求項9の発明によれば、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジンを備えたエンジン作業機としたので、イグニッションコイルがエンジンの熱から影響を受けにくく、長寿命化が達成できるエンジン作業機を実現できる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係るエンジン作業機(刈払機)1の外観を示す斜視図である。 エンジン作業機1のエンジン部分の拡大図であり、その一部を断面で示す図である。 図2の放熱部材42と断熱部材41の形状を示す斜視図である。 図2の放熱部材42と断熱部材41近傍への冷却風の流れを示すエンジン部分の部分側面図である。 本発明の第2の実施例に係る放熱部材62と断熱部材61の形状を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
図1は、本実施例に係るエンジン作業機1の外観を示す斜視図である。本実施例においては、エンジン作業機1の例として刈払機に適用した場合を示している。図1において、パイプ状のメインパイプ2(伝達軸)に図示しない駆動軸を通し、駆動軸をメインパイプ2の後端側に設けたエンジンにて回転させることで、メインパイプ2の先端側に設けた刈刃3等の先端工具を回転させる。刈刃3の近傍には、刈り払った草の飛散防止のための飛散防御カバー8が設けられる。エンジン作業機1は図示しない肩掛け用吊りベルト等で作業者により携帯されるもので、メインパイプ2の長手中央部付近に作業者が操作するための正面視略U字状を呈するハンドル4が取り付けられる。エンジン作業機1の回転数は、ハンドル4に取り付けられたスロットルレバー5により作業者により制御される。スロットルレバー5の操作は、図示しないワイヤーにてエンジンの気化器(図示せず)に伝達される。
エンジン作業機1は、例えば2サイクル又は4サイクルのエンジンによって駆動されるものであって、エンジン部分はハウジング16によって保持され、その上部はエンジンカバー17によって覆われる。ハウジング16は、メインパイプ2を貫通させる前方側の細径部から中央付近にかけて径が大きくなり、エンジン21を支えるフレームの機能を果たす。ハウジング16の側方には燃料タンク11が配置され、この燃料タンク11の上側には図示しない気化器とエアクリーナーを覆うエアクリーナーカバー13が設けられる。ハウジング16とエンジンカバー17は、例えばプラスチック等の高分子樹脂の成型にて製造される。燃料タンク11は半透明の高分子樹脂製であり、開口部には燃料キャップ12が取り付けられる。
図2はエンジン作業機1のエンジン部分の拡大図であり、その一部を断面で示す図である。エンジン10はクランクケース22の上方にシリンダ23が鉛直方向に延びる単気筒エンジンである。エンジン作業機1で用いられるエンジンは、小型軽量であり所定の出力が得られる2サイクル又は4サイクルのエンジンが用いられる。本実施例のエンジンでは、吸気用と排気用の2つのバルブ26(図2は1つだけを図示)を有し、図示しないプッシュロッドにて往復動されるロッカーアーム27を介して所定のタイミングにてバルブ26が開閉される。シリンダ23の上部はヘッドカバー24が設けられ、ロッカーアーム27付近を覆う。
クランクケース22は、例えば、図示しないクランクシャフトの軸方向前後に、前側クランクケースと後側クランクケースに分割できるタイプである。クランクシャフトには図示しないコンロッドを介してピストン25が連結され、ピストン25がシリンダ23の内部で上下動する。エンジン10の吸入−圧縮−爆発−排気の行程は、公知の4サイクルエンジンと同じであるので、ここでの詳細な説明は省略する。本実施例では、シリンダ23の構成要素のうち、シリンダ本体円筒部、ヘッド部分、放熱フィンが、例えばアルミニウム合金の一体鋳造で形成され、シリンダ23の上部には図示しない点火プラグが取り付けられる。
エンジン10は、いわゆる強制空冷方式が採用され、シリンダ23は冷却ファン29によって起こされる冷却風によって冷却される。冷却ファン29は、フライホイール28と一体に形成されるものであって、フライホイール28の後部側に複数のフィンを設けることによって形成される。フライホイール28の円周部分にはマグネット33が設けられ、そのマグネット33の回転軌跡の外径側には、イグニッションコイル31がフライホイール28と隣接するように設置される。本実施例においては、フライホイールマグネトーを用いた点火装置を用いており、イグニッションコイル31がちょうどクランク軸の軸線の上側、直角方向に配置される。
フライホイール28は、図示しないクランク機構を内蔵したクランクケース22から延びる図示しないクランク軸(出力軸)に取り付けられるもので、間欠的に発生する混合気の爆発による回転ムラを小さくするために設けられる回転慣性質量である。フライホイール28の前側には、図示しない遠心クラッチ機構が設けられ、遠心クラッチ機構を介してエンジン10の回転力が図示しない伝達軸を介して刈刃3に伝達される。遠心クラッチは、その詳細構造の図示は省略しているが、図示しないクランクシャフトの回転数が一定以上になると遠心力によってクラッチが接続される構造であり、遠心式の揺動子と、揺動子を収納するとともに駆動軸側に連結したカップ状のクラッチドラムを用いて構成される公知の遠心クラッチを用いることができる。
イグニッションコイル31は、マグネットの近接により発生して一次コイルに流れた電流を二次コイルから昇圧して取り出して点火プラグに供給することにより点火プラグで火花を飛ばすものである。図2では図示していないがイグニッションコイル31からは高圧コードが延びて、高圧コードは図示しない点火プラグに接続される。シリンダ23には、雌ねじが形成された円柱状の取付ボス37、38が一体に形成されており、取付ボス37、38の先端部(前方端部)は、それぞれが放熱部材42に接する位置まで延びる。イグニッションコイル31は、鉄心32に形成されたボルト穴に取付ボルト34を通してシリンダ23の取付ボスに断熱素材たるガラスワッシャ(ガラス繊維からできた厚さ2mm程度のワッシャ、図示せず)を介して固定される。図2では取付ボルト34は1本しか見えないが、実際には2本の取付ボルト34が用いられる。図2から明らかになるように、イグニッションコイル31の取り付け位置は、フライホイール28の上側であって、シリンダ23の前側の側方に設けられる。
イグニッションコイル31とシリンダ23の間には、本実施例からなるイグニッションコイル31のための冷却装置が設けられる。冷却装置は、断熱部材41、放熱部材42及び連結部材43によって構成される。冷却装置の配置は、放熱部材42と断熱部材41が、その面が冷却ファンの回転軸とほぼ垂直に延びるように配置される。また、放熱部材42と断熱部材41は連結部材43によって所定の距離を保つように固定され、下側の開口部が冷却ファン29の送風通路に曝されるように配置される。
次に図3を用いて放熱部材42と断熱部材41の形状について説明する。本実施例においてイグニッションコイル31を冷却するための冷却装置40は、断熱部材41、放熱部材42、および、それらを連結する連結部材43から構成される。断熱部材41はシリンダ23側に取り付けられる部材であり、例えば鉄板入り黒鉛シートで構成される。断熱部材41は放熱部材42とほぼ同じ面積を有し、その面積はイグニッションコイル31の側面面積よりもやや大きくなるように設定される。断熱部材41の上下左右に所定距離隔てた2箇所には、シリンダ23から延びる取付ボス37、38(図2参照)を貫通させるための貫通穴41a、41bが形成される。
放熱部材42は、イグニッションコイル31に接するように配置される金属板であって、イグニッションコイル31の外郭形状に沿って、二箇所の折り曲げ部を有するように形成される。放熱部材42は例えばアルミ合金の板を曲げることによって構成されるものであり、イグニッションコイル31の一面(エンジン側の面)に密接させることによってイグニッションコイル31の発熱を大気中に放出するための放熱板としての作用を奏する。尚、図3では見えないが、貫通穴41a、41bと同軸上の延長上の放熱部材42の部分には、取付ボス37、38(図2参照)の先端付近に形成されたねじ穴に取付ボルト34を螺合させるために、取付ボルト34だけを貫通させる径を有する貫通穴が設けられる。
放熱部材42と断熱部材41の間には、側面視で略コの字形状の骨格部分を有し、骨格部分の一つの折り曲げ部から凸部45が分岐するように突出する連結部材43が配置される。連結部材43及び凸部45は、アルミ合金や合成樹脂等の鋳造にて一体で構成すると良い。連結部材43の材料としてアルミ合金を用いれば、放熱部材42と断熱部材41を所定間隔にて固定するガイド部材、凸部45による導風部材を一体で構成できると共に、断熱部材41から放熱部材42に伝導される熱の放熱部材としての役割を果たすことができる。
連結部材43には、放熱部材42に接合される前側面43a、複数の通風穴44が形成される上側面43b、断熱部材41に接合される後側面43cを含んで構成される。連結部材43の前側面43aと放熱部材42、及び、連結部材43の後側面43cと断熱部材41は、接着、溶接等の任意の接合方法によって接合されると好ましい。連結部材43の上側面43bには左右方向に並ぶ5つの通風穴44が設けられる。また、連結部材43の前側面43aと上側面43bから斜め上方向には、通風穴44から上側に排出された冷却風をシリンダ23の上部に導くための凸部45が形成される。凸部45は通風穴44の直上部分を覆う程度の大きさに形成されると良い。
図3に示した冷却装置40において、放熱部材42、断熱部材41及び連結部材43により画定される閉空間の左右方向は開放されており、冷却ファン29からの冷却風は、冷却装置40の通風穴44を通過して上方へと向かう風と、開放された左右方向から漏れてシリンダ23側へと向かう風に分岐される。尚、冷却装置40の左右方向はエンジンカバー17によって隙間を空けて覆われるため、左右方向から漏れた冷却風がエンジンカバー17の外部にそのまま排出されることなく、シリンダ23側にガイドされ、放熱フィン23aの周囲を流れた後にエンジンカバー17に形成された図示しないスリットから外部に放出される。尚、放熱部材42、断熱部材41の間隔を一定に保つために、これらの間に断熱効果のあるスペーサーを設けても良い。例えば、貫通穴41a、41bと放熱部材42に形成される貫通穴を連結する円筒形の部材を介在させ、この円筒形の部材を貫通するようにシリンダ23の取付ボス(取付座)を設けるように構成しても良い。さらに、その他の何らかの方法を用いて放熱部材42、断熱部材41が一定の距離を隔てて安定して位置づけられるように保持しても良い。
上記構成において、本実施例による冷却風の流れを図4に示す。図4は放熱部材42と断熱部材41近傍への冷却風の流れを示すエンジン10の部分側面図である。エンジン10のシリンダ23の上部には、バルブ26からつながり図示しない気化器が取り付けられる吸気口35が設けられる。また、シリンダ23の吸気口35が設けられる側面と反対側の側面には、図示しないマフラーに接続される排気口36が形成される。さらに、シリンダ23の頂点付近には、図示しない点火プラグを装着するためのプラグ装着穴39が形成される。
冷却装置40は、断熱部材41がシリンダ23側、放熱部材42がイグニッションコイル31側となるように設置され、放熱部材42はシリンダ23に形成された取付ボス37、38に断熱材を介して固定される。従って、イグニッションコイル31は、放熱部材42にてエンジン側の側部が保護されると共に、さらに断熱部材41との間に存在する空気層を介してエンジン10に接するので、エンジンの運転中においてシリンダ23から生じる熱は効果的に遮断され、イグニッションコイル31に伝わり難くなる。この際、イグニッションコイル31の上下方向の大きさHよりも、断熱部材41、放熱部材42の少なくとも一方の上下方向の大きさH1は、H1≧Hと成るように設定すると好ましい。また、イグニッションコイル31の左右方向の大きさよりも、断熱部材41、放熱部材42の少なくとも一方の左右方向の大きさが大きくなるように設定すると好ましい。このように構成することにより、イグニッションコイル31に誘起される高圧電流によって発生する熱は、イグニッションコイル31から放熱部材42に伝わり、放熱部材42と接する空気によって効果的に外部へ放出される。
本実施例では、冷却ファン29に占める軸方向長さがWであるのに対して、冷却装置40の下側の開口部46の軸方向(前後方向)の長さがW1となり、長さW1は長さWの範囲内に完全に収まるように配置される。従って、冷却ファン29によって生成される空気流の多くが効果的に開口部46から断熱部材41と放熱部材42の間の空間に流れ込む。つまり、エンジン運転中のフライホイール28から生じる冷却風の一部は、放熱部材42と断熱部材41の間を通じて矢印51のように流れる。矢印51の空気流の一部は矢印53のように通風穴44を通ってシリンダ23のヘッド部分に流れ、残りは冷却装置40の左右方向からエンジンカバー17の内壁に沿って案内されてシリンダ23の方向に流れる。
一方、冷却ファン29によって生成される冷却風の大部分は、矢印52のようにシリンダ23に直接導かれ、さらに冷却装置40から左右方向に漏れた風も加わって、矢印54〜56に示すようにシリンダ23の円筒部分の外周面に形成された複数の放熱フィン23aの間を流れ、シリンダ23からの熱を奪うことによりエンジン10を冷却する。
以上のように、本実施例ではエンジン10の稼働中においては、矢印51のように冷却風が流れることにより、イグニッションコイル31で発する熱を放熱部材42を介して奪うことにより良好に冷却することが可能となる。また、シリンダ23側の熱は断熱部材41によって良好に遮断されるので、シリンダ23の熱がイグニッションコイル31に伝導されることはほとんど無い。さらにエンジン10を運転した後に停止させた場合は、イグニッションコイル31の熱は、放熱部材42による自然空冷により効果的に冷却することができる。また、シリンダ23側において発生する熱は複数の放熱フィン23aにより自然空冷されるが、断熱部材41を設けたことによりシリンダ23側の熱がイグニッションコイル31に伝わることを大きく抑制することができる。
次に図5を用いて本発明の第2の実施例を説明する。前述した第1の実施例においては、放熱部材42と断熱部材41を連結するための別の構成部材、即ち連結部材43を用いた。しかしながら、第2の実施例においては連結部の機能の一部を、放熱部材62と断熱部材61に持たせて実現ことにより、実質的に2つの部材で冷却装置60を実現した。断熱部材61は鉄板入り黒鉛シートを折り曲げて形成されたものであり、後壁面61aと上壁面61bと前壁面61cにより構成される。上壁面には複数の通風穴64が形成される。通風穴64の形状や位置等は、図3で示した通風穴44と同一で良いが、それ以外にも別の形状としても良い。
放熱部材62は、アルミ合金の板を曲げることによって形成する。第2の実施例では、図3に示す放熱部材42に比べて曲げる箇所を増やして、図3の凸部45に相当する部分を斜壁部62dとして形成した。その他の部分の形状、即ち放熱部材42の第1の垂直壁62a、水平壁62b及び第2の垂直壁62cの形状は図3で示した放熱部材42と同一である。放熱部材42と断熱部材41の下端付近には、冷却ファン29からの空気を導入するための開口部となっている。また、図5の断面図からは見えないが、断熱部材61の後壁面61aにはシリンダ23から延びる取付ボス37及び38を貫通させるための貫通穴が2箇所形成される。同様に放熱部材62には、取付ボス37及び38は貫通させないが取付ボルト34だけを貫通させる貫通穴が2箇所形成される。
本実施例では、第2の垂直壁62cの後面と前壁面61cの前面は、接着や溶接等の公知の接合方法により固定される。このように構成することにより、少ない部品点数で、単純な折り曲げ加工だけで冷却装置60を実現することができるので、製造コストの上昇を抑えることができる。
尚、第2の実施例の構成は種々変形することができる。例えば、断熱部材61の後壁面61aと、放熱部材42の第1の垂直壁62aは平行になるように配置したが、必ずしも平行である必要はなく、ここに冷却風を効果的に流すことができる形状であれば、開口部66から上に行くに従って間隔が狭まる又は広がるような形状としても良いし、更には導風ダクトのような積極的に空気流を所定の方向に導く任意の形状としても良い。また、断熱部材61の後壁面61aと、放熱部材42の第1の垂直壁62aの左右方向は開放されており、冷却ファン29からの冷却風の一部が開放された左右方向から漏れてシリンダ23側へと流れるようにしたが、左右方向の全体又は一部を閉鎖させるように構成しても良いし、開放された左右部分の一部又は全部をエンジンカバー17と接するように構成しても良い。
以上説明したように第2の実施例では、冷却ファン29によって生成される風は、放熱部材62と断熱部材61の間、および、断熱部材61とシリンダ23の間をそれぞれ通るため、放熱部材62による冷却効率が高くなる。さらに、放熱部材62と断熱部材61の間を通る冷却風は通風穴64を通り、斜壁部62dによってシリンダ23へ効果的に導かれるため、放熱部材62と断熱部材61の間に冷却風を導くことによりシリンダ23の冷却効率が低くなることを抑制できる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、断熱部材61と放熱部材62は、2枚の板状部材を距離を隔てて平行に設けたが、イグニッションコイルとシリンダの間に設けた空間に冷却ファンで生成される空気を導くように構成すれば。その他の形状、材質で実現するようにしても良い。さらに、エンジン作業機1は、刈払機だけに限られずに、チェンソー、カッター等の任意のエンジン作業機であっても良い。
1 エンジン作業機 2 メインパイプ 3 刈刃
4 ハンドル 5 スロットルレバー 8 飛散防御カバー
10 エンジン 11 燃料タンク 12 燃料キャップ
13 エアクリーナーカバー 16 ハウジング
17 エンジンカバー 21 エンジン 22 クランクケース
23 シリンダ 23a 放熱フィン 24 ヘッドカバー
25 ピストン 26 バルブ 27 ロッカーアーム
28 フライホイール 29 冷却ファン
31 イグニッションコイル 32 鉄心
33 マグネット 34 取付ボルト 35 吸気口
36 排気口 37、38 取付ボス 39 プラグ装着穴
40 冷却装置 41 断熱部材
41a、41b 貫通穴 42 放熱部材
43 連結部材 43a 前側面 43b 上側面
43c 後側面 44 通風穴 45 凸部
46 開口部 60 冷却装置 61 断熱部材
61a 後壁面 61b 上壁面 61c 前壁面
62 放熱部材 62a 第1の垂直壁 62b 水平壁
62c 第2の垂直壁 62d 斜壁部 64 通風穴
66 開口部

Claims (9)

  1. イグニッションコイルとフライホイールを含んで構成される点火装置を有し、前記イグニッションコイルがシリンダに取り付けられるエンジンにおいて、
    前記イグニッションコイルの前記シリンダに面する側に放熱部材を設け、
    前記放熱部材と所定の間隔を隔てて断熱部材を配置したことを特徴とするエンジン。
  2. 前記放熱部材は前記イグニッションコイルに接するように設けられ、
    前記断熱部材は前記シリンダの前記イグニッションコイルに面する側に設けられ、
    前記放熱部材と前記断熱部材が所定の間隔を保つように前記イグニッションコイルが前記シリンダに固定されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記フライホイールには、前記シリンダの冷却用の空気流を発生させる冷却ファンが形成され、前記冷却ファンによって生成された空気流の一部を前記放熱部材と前記断熱部材の間に流すことを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
  4. 前記放熱部材及び前記断熱部材は金属製の板状部材であり、お互いがほぼ平行になるように配置されることを特徴とする請求項3に記載のエンジン。
  5. 前記イグニッションコイル、前記放熱部材、前記断熱部材は、共通のボルト又はねじによって前記シリンダに固定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジン。
  6. 前記放熱部材及び前記断熱部材は前記フライホイールの近傍において前記フライホイールの回転軸方向とほぼ直角になるように配置され、
    前記放熱部材及び前記断熱部材によって形成される開口部が前記フライホイールによって生成された空気流の流路内に位置するように配置されることを特徴とする請求項5に記載のエンジン。
  7. 前記放熱部材及び前記断熱部材を一定の間隔で保持するための連結部を設けたことを特徴とする請求項6に記載のエンジン。
  8. 前記連結部は側面視が略コの字状の形状であって、前記放熱部材及び前記断熱部材に接するように設けられ、
    前記連結部の一部には空気を通過させる通風穴、及び/又は、空気を所定の方向に案内する案内部が形成されることを特徴とする請求項7に記載のエンジン。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のエンジンを備えたことを特徴とするエンジン作業機。
JP2011206678A 2011-09-22 2011-09-22 エンジン及びエンジン作業機 Pending JP2013068141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011206678A JP2013068141A (ja) 2011-09-22 2011-09-22 エンジン及びエンジン作業機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011206678A JP2013068141A (ja) 2011-09-22 2011-09-22 エンジン及びエンジン作業機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013068141A true JP2013068141A (ja) 2013-04-18

Family

ID=48474099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011206678A Pending JP2013068141A (ja) 2011-09-22 2011-09-22 エンジン及びエンジン作業機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013068141A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025548A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 Dowaサーモテック株式会社 反射断熱材および熱処理炉
JP2015086719A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社マキタ エンジン装置および携帯作業機

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5627318U (ja) * 1979-08-07 1981-03-13
JPS59142419U (ja) * 1983-03-16 1984-09-22 富士重工業株式会社 強制空冷エンジンの冷却装置
JPH0533753A (ja) * 1991-07-30 1993-02-09 Yamaha Motor Co Ltd 自動二輪車における点火装置の取付構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5627318U (ja) * 1979-08-07 1981-03-13
JPS59142419U (ja) * 1983-03-16 1984-09-22 富士重工業株式会社 強制空冷エンジンの冷却装置
JPH0533753A (ja) * 1991-07-30 1993-02-09 Yamaha Motor Co Ltd 自動二輪車における点火装置の取付構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025548A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 Dowaサーモテック株式会社 反射断熱材および熱処理炉
JP2015086719A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社マキタ エンジン装置および携帯作業機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6232984B2 (ja) 空冷エンジンおよびエンジン作業機
US8800505B2 (en) Engine power tool
JP6260738B2 (ja) エンジン及びエンジン作業機
US9249715B2 (en) Air cooled engine and engine-powered work tool
US9010284B2 (en) Engine and engine power tool
JP6603700B2 (ja) エンジン及びエンジン作業機
JP5818229B2 (ja) 携帯型エンジン作業機
JP2013068141A (ja) エンジン及びエンジン作業機
JP5622536B2 (ja) 空冷エンジンの冷却構造
JP6631194B2 (ja) エンジン作業機
CN111148891B (zh) 通用发动机
JP6572678B2 (ja) エンジン及びエンジン作業機
JP2015086719A (ja) エンジン装置および携帯作業機
JP2013021979A (ja) 刈払機
JP2013189949A (ja) エンジンおよびエンジン作業機
CN110557959B (zh) 通用发动机
CN110573709B (zh) 通用发动机
WO2016031717A1 (ja) エンジン作業機
JP2014047741A (ja) エンジン及びエンジン作業機
JP2015098815A (ja) エンジン及びエンジン作業機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150707