JP2015224453A - ケラバ化粧部材及びその取り付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々なケラバ本体の形状に対応できるうえに、取付作業を効率化することが可能なケラバ化粧部材を提供する。【解決手段】建物1の屋根11の端部に形成されるケラバ本体2を覆うケラバ化粧部材3である。そして、ケラバ本体の上部を覆う上カバー部4と、ケラバ本体の下部を覆う下カバー部5と、上カバー部の下縁に形成されるケラバ本体側に向けて張り出される端部に重ね片部411を有する引込み部41と、下カバー部の上縁に形成される重ね片部よりもケラバ本体側に配置される壁状の接続壁部51と、重ね片部と接続壁部とを接合させる締結材31とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の屋根の端部に形成されるケラバ本体を覆うケラバ化粧部材及びその取り付け方法に関するものである。
切妻屋根や片流れ屋根の端部に形成されるケラバは、通常、構造部となるケラバ本体と、それを覆うケラバ化粧部材とによって構成される(特許文献1−4など参照)。
特許文献1には、ケラバ本体の上部を覆う破風板本体と下部を覆う調整部材との2つの部材を重ね合わせて構成される破風板が開示されている。この特許文献1では、上部の破風板本体のスリット状開口に下部の調整部材が挿し込める構成となっており、破風板の高さを任意に調整できるようになっている。
また、特許文献2にも、上部装飾体と下部装飾体とによって構成される屋根切妻側装飾体が開示されている。ここでは、上部装飾体の下縁と下部装飾体の上縁とを重ねてビスで接合した後に、屋根の妻側端部分に取り付けが行われる。
一方、特許文献3,4には、一体に成形された破風化粧板によって屋根端部を覆う構造が開示されている。また、特許文献3には、建物側に取り付けられる補助部材の上に化粧板本体の連結部を上から重ねる構成とすることで、外壁の厚みの違いに対応できるようにした破風化粧板の取付構造が開示されている。
特許第4109678号公報 特許第3854443号公報 特許第5319202号公報 特開2010−168883号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている破風板では、破風板本体及び調整部材のそれぞれを建物側に取り付けなければならず、取付作業に手間がかかる。特に、ケラバは高い屋根の端部にあるため、取り付けは危険を伴う高所作業になることから、可能な限り簡単に取り付けられる構成が望まれる。
一方、特許文献2−4に開示されている屋根切妻側装飾体等は、一度に屋根端部に取り付けられるが、屋根側端部の形状に合わせた部材をそれぞれ用意しなければならず、様々な屋根の形状があるリフォームなどに使用するためには、部品の種類が多くなりすぎて製作コストが高くなる。
そこで、本発明は、様々なケラバ本体の形状に対応できるうえに、取付作業を効率化することが可能なケラバ化粧部材、及びケラバ化粧部材の取り付け方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のケラバ化粧部材は、建物の屋根の端部に形成されるケラバ本体を覆うケラバ化粧部材であって、前記ケラバ本体の上部を覆う上カバー部と、前記ケラバ本体の下部を覆う下カバー部と、前記上カバー部の下縁に形成される前記ケラバ本体側に向けて張り出される端部に重ね片部を有する引込み部と、前記下カバー部の上縁に形成される前記重ね片部よりも前記ケラバ本体側に配置される壁状の接続壁部と、前記重ね片部と前記接続壁部とを接合させる締結材とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記接続壁部には、前記重ね片部を収容可能な幅に形成された溝部が設けられる構成とすることができる。また、前記下カバー部の下面側に接続されるとともに、前記建物の外壁に向けて張り出される下面カバー部を備えた構成とすることもできる。
さらに、前記下面カバー部の前記外壁に向けて張り出される上面には、前記建物の内外方向に間隔を置いて複数の返し突起部が設けられる構成とすることができる。
また、本発明のケラバ化粧部材の取り付け方法は、上記いずれかに記載のケラバ化粧部材の取り付け方法であって、前記引込み部の重ね片部と前記接続壁部とを前記締結材で接合することによって前記上カバー部と前記下カバー部とを接続する工程と、前記重ね片部より下方に露出する前記接続壁部を貫通させて前記ケラバ本体に定着される締結材を打ち込む工程とを備えたことを特徴とする。
また、前記返し突起部のいずれかの位置で前記下面カバー部を切断する工程と、前記引込み部の重ね片部と前記接続壁部とを前記締結材で接合することによって前記上カバー部と前記下カバー部とを接続するとともに、前記下カバー部に前記下面カバー部を接続する工程と、前記返し突起部を前記建物側の止水材に接触させた状態で、前記重ね片部より下方に露出する前記接続壁部を貫通させて前記ケラバ本体に定着される締結材を打ち込む工程とを備えた構成とすることもできる。
このように構成された本発明のケラバ化粧部材及びその取り付け方法は、上カバー部と下カバー部とを上下に接続させる際に、上カバー部の引込み部の重ね片部と下カバー部の接続壁部とを接合させる。
このため、重ね片部を接続壁部の範囲内で移動させることで、様々なケラバ本体の形状に対応させることができる。また、上カバー部と下カバー部とを接続した後にケラバ本体へ取り付けられるので、取付作業を効率化することができる。
さらに、接続壁部に重ね片部を収容可能な溝部を設けておくことで、重ね片部と接続壁部との接合作業が容易に行えるようになる。また、建物の外壁に向けて張り出される下面カバー部を備えていれば、下カバー部と外壁との間が広い場合にも外観をよくすることができる。
そして、下面カバー部の上面に複数の返し突起部が設けられていれば、建物側の止水材の位置が異なる場合にも対応させることができる。また、下面カバー部の不要となる部分を切断することで様々な間隔に対応できるので、部品の種類を最小限に抑えて製作コストの低減を図ることができる。
本実施の形態のケラバ化粧部材が取り付けられたケラバの構成を示した断面図である。 本実施の形態のケラバ化粧部材の取り付け方法を示した説明図である。 実施例1のケラバ化粧部材が取り付けられたケラバの構成を示した断面図である。 実施例2のケラバ化粧部材が取り付けられたケラバの構成を示した断面図である。 実施例3のケラバ化粧部材が取り付けられたケラバの構成を示した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のケラバ化粧部材3が取り付けられたケラバの構成を示した断面図である。
このようなケラバは、切妻屋根、寄棟屋根、片流れ屋根、陸屋根などの建物1の屋根11の端部に形成される。ここで、屋根11は、天井梁や屋根梁などの梁材13の上に載置される垂木14と、その垂木14の上に設置される野地板111と、野地板111の上に敷設されるルーフィング材112と、その上に並べられる瓦材113とによって主に構成される。
そして、この屋根11の端部に形成されるケラバは、ケラバ本体2と、それを覆うケラバ化粧部材3とによって主に構成される。
ケラバ本体2は、図2に示すように、野地板111の縁部と、その上に設置されて屋根11の表面から上方に突出する下地木桟21とによって主に構成される。この下地木桟21は、長尺状の角材によって形成されており、ドリルネジ23によって野地板111の縁部に固定される。
また、下地木桟21の上面には、上端水切り材22の載置部221が固定される。この上端水切り材22は、図1に示すように屋根11の内側に庇状に張り出しており、下地木桟21と瓦材113との隙間が覆われた状態になる。
一方、野地板111の下方には、垂木14及び梁材13に隣接して外壁12が配置される。そして、図2に示すように、外壁12の上端と垂木14の側面は、連続して止水シート121で覆われる。
また、外壁12の上部には、水切り材7が取り付けられる。この水切り材7の上部には垂木14の側面に沿わせるための上縁部71が形成され、下部には建物1の外側に向けて略水平に張り出される下縁部72が形成される。
さらに、下縁部72の下面には止水材としてのシーリング材73Aが貼り付けられ、外壁12の上端に設置される部分の下面にはシーリング材73Bが貼り付けられる。これらのシーリング材73A,73Bには、ブチルテープなどが使用できる。
この水切り材7は、上縁部71を垂木14の側面に沿わせてシーリング材73Bを外壁12の上端に載せた状態で、接合ビス74によって垂木14に固定される。
本実施の形態のケラバ化粧部材3は、ケラバ本体2の上部を覆う上カバー部4と、ケラバ本体2の下部を覆う下カバー部5と、下カバー部5の下面側に接続される下面カバー部6とによって主に構成される。
ここで、上カバー部4、下カバー部5及び下面カバー部6は、それぞれアルミ材などの金属板を折り曲げ加工するなどして製作することができる。
上カバー部4には、図1,2に示すように、下地木桟21の上方を覆う上面部42と、上面部42の外側縁から下方に向けて延びる側面部43と、側面部43の下縁に形成される引込み部41とによって主に構成される。
上面部42は、下地木桟21の上に載せられた上端水切り材22の載置部221の上に設置され、接合ビス32などの締結材によって下地木桟21に固定される。
一方、側面部43は、上面部42から曲面を経て垂下しており、下地木桟21の半分以上を覆っている。また、引込み部41との分岐位置を越えた下方にまで側面部43は延びている。
そして、引込み部41は、側面部43の下端より少し上方から下り勾配でケラバ本体2方向(内側)に向けて張り出される部分である。この引込み部41のケラバ本体2側の端部には、重ね片部411が設けられる。
この重ね片部411は、鉛直上向きに形成される。重ね片部411は、図2に示すように、後述する接続壁部51の密着させる面と略平行となるように形成される。
下カバー部5は、図1,2に示すように、下地木桟21の側面に固定させる接続壁部51と、接続壁部51の下縁から建物1の外側に向けて突出された側面を形成する側面部52と、下カバー部5の下面を形成する下面部55と、下面部55の内側の端縁から上方に向けて立ち上げられる立上部53と、立上部53の上縁から内側(外壁12側)に向けて張り出される庇状部54とによって主に構成される。
下カバー部5の上縁に形成される壁状の接続壁部51は、重ね片部411よりもケラバ本体2側に配置される。接続壁部51は、上部が上カバー部4の内側に収容されるとともに、下部は上カバー部4の下方に露出可能な高さに形成される。
また、接続壁部51の外側(ケラバ本体2側の反対側)の面には、溝部511が形成される。この溝部511は、接続壁部51の高さ方向の略中央に重ね片部411を収容可能な幅(高さ)に形成される。
そして、溝部511に収容されて密着させた重ね片部411は、ビス又はリベットなどの締結材31によって接続壁部51に接合される。これによって上カバー部4と下カバー部5とが接続されたことになる。
さらに、溝部511の上方には、溝部としての上溝部512が形成される。この上溝部512も、重ね片部411を収容可能な幅(高さ)に形成される。一方、溝部511の下方には、建物1の外側から見て露出した状態となる露出部513が形成される。
この露出部513は、下地木桟21の側面に略平行となるように成形される部分であり、図2に示すように、接合ビス32などの締結材によって下地木桟21に固定される。
また、側面部52は、野地板111の端面から外壁12の上端部までを覆う大きさに成形される。さらに、下面部55は、側面部52の下縁から内側(外壁12側)に向けて略水平に張り出される部分である。
そして、下面部55に対して略直角となるように立上部53が形成される。さらに、立上部53に対して略直角となるように、略水平な庇状部54が形成される。この庇状部54の内側の端部には、上方に向けて突出される鉤状の返し部541が設けられる。
下面カバー部6は、図1,2に示すように、下カバー部5に接合させる取付片部61と、取付片部61の下縁から建物1の外側に向けて突出された側面を形成する側面部66と、下面を形成する下面部67と、下面部67の内側の端縁から上方に向けて立ち上げられる立上部62と、立上部62の上縁から外壁12に向けて張り出される庇状部68と、庇状部68の上面に設けられる返し突起部としての外側返し部63とによって主に構成される。
この外側返し部63は、図1に示すように、庇状部68の上面から上方に向けて突出された鉤状に形成されており、先端を建物1側のシーリング材73Aに接触させる。
次に、本実施の形態のケラバ化粧部材3の取り付け方法について説明する。以下では、建物1の屋根11のリフォームを行う場合について、図2を参照しながら説明する。
このリフォームでは、瓦などの屋根材の交換、及びケラバの改修を行う。なお、屋根材を交換せずにケラバのみの改修とすることもできる。まず、既存の屋根材を取り除き、野地板111の上に敷設されたルーフィング材112上に、新しい瓦材113を並べていく。
また、野地板111の縁部上には下地木桟21をドリルネジ23で固定し、下地木桟21の上端面には上端水切り材22の載置部221を載せる。この上端水切り材22とルーフィング材112との離隔は、それらの間に端部を介在させる瓦材113の厚さによって調整することができる。
この瓦材113は厚みが大きいので、ルーフィング材112とその上に張り出された上端水切り材22との離隔が広くなるように設定される。一方、野地板111の下方では、外壁12の上端面と垂木14の側面との間を、ブチルゴムなどの止水シート121で塞ぐ。
そして、その止水シート121の上に水切り材7のシーリング材73Bを載せ、上縁部71を垂木14の側面に貼り付けられた止水シート121に密着させて、接合ビス74を上縁部71に打ち込む。このようにして、水切り材7を垂木14に固定することができる。
一方、長尺状の上カバー部4、下カバー部5及び下面カバー部6は、アルミ板によって予め工場で製作される。この上カバー部4や下カバー部5や下面カバー部6のように、断面がそれほど大きくならない部材であれば、長尺部材となっても比較的容易に精度よく製作することができる。
そして、上カバー部4の重ね片部411を下カバー部5の溝部511に収容して、重ね片部411の建物1側の面(内側面)を接続壁部51の建物1側とは反対側の面(外側面)に密着させる。
また、密着させた重ね片部411と接続壁部51とを、接続壁部51側から打ち込まれた締結材31によって接合させる。ここで、重ね片部411を突き抜けた締結材31の先端は、上カバー部4の内側に突出するだけなので、外部に露出することがなく、外観を損なうことがない。
さらに、上カバー部4で囲まれた雨水が浸入してこない箇所に突出するため、防水性を損ねることもない。このようにして上カバー部4と下カバー部5とが接続される。
また、下カバー部5の立上部53の内側面に、下面カバー部6の取付片部61の外側面を接触させる。そして、重ねられた立上部53と取付片部61とを、取付片部61側から打ち込まれた締結材31によって接合させる。
この立上部53を突き抜けた締結材31の先端は、下カバー部5の内側に突出するだけなので、外部に露出することがなく、外観を損なうことがない。さらに、下カバー部5で囲まれた雨水が浸入してこない箇所に突出するため、防水性を損ねることもない。このようにして下カバー部5と下面カバー部6とが接続される。
以上のようにして上カバー部4と下カバー部5と下面カバー部6とが接続されたケラバ化粧部材3が、組み上げられる。そして、ケラバ化粧部材3は、工場からリフォーム現場まで搬送される。
リフォーム現場では、ケラバ化粧部材3をクレーンで吊り上げてケラバ本体2上に設置する。詳細には、ケラバ化粧部材3の上面部42を下地木桟21上の載置部221の上に重ねて、接合ビス32をねじ込む。また、下地木桟21の側面に重ねた接続壁部51の露出部513にも、接合ビス32をねじ込む。
このようにして、ケラバ化粧部材3がケラバ本体2に固定される。また、この取付状態では、図1に示すように外側返し部63の先端は水切り材7のシーリング材73Aに密着されている。
次に、本実施の形態のケラバ化粧部材3、及びケラバ化粧部材3の取り付け方法の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のケラバ化粧部材3及びその取り付け方法は、上カバー部4と下カバー部5とを上下に接続させる際に、上カバー部4の引込み部41の重ね片部411と下カバー部5の接続壁部51とを接合させる。
このため、重ね片部411を接続壁部51の範囲内で移動させることで、様々なケラバ本体2の形状に対応させることができる。例えば、本実施の形態では、重ね片部411を接続壁部51の中央の溝部511に接合させたが、ケラバ本体の高さが高い場合は、上カバー部4を上方にスライドさせて、上溝部512に重ね片部411を収容して接合を行うことができる。
また、接続壁部51に重ね片部411を収容可能な溝部511を設けておけば、溝部511に収容させた重ね片部411を溝部511の壁によって仮支持させることができる。このため、重ね片部411と接続壁部51との接合作業が容易に行えるようになる。
さらに、上カバー部4と下カバー部5と下面カバー部6とを接続した後にケラバ本体2へ取り付けられるので、取付作業を効率化することができる。すなわち、上カバー部4や下カバー部5を別々に取り付ける場合に比べて、高所での取付作業を短くすることができる。
また、建物1の外壁12に向けて張り出される下面カバー部6を備えていれば、下カバー部5から水切り材7が突出してしまうような場合にも、それを覆い隠して外観をよくすることができる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図3を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例1で説明するケラバ化粧部材3Aは、前記実施の形態で説明した屋根11とは異なる構造の屋根11Aに取り付けられる。この屋根11Aは、外壁12からの張り出し量が大きい、換言すると庇が長い構造となっている。
また、屋根11Aには、前記実施の形態で説明した瓦材113よりも薄い瓦材114が並べられる。このため、ルーフィング材112と上端水切り材22Aとの離隔は、前記実施の形態で説明した離隔よりも小さくなる。
そして、この屋根11Aの端縁に設けられるケラバ本体8は、軒先側に鉛直に立ち上げられる側面部81と、ルーフィング材112上に設置される底面部82と、底面部82の端縁から鉛直に立ち上げられる本体部86と、本体部86の上縁から略水平に張り出される上面部83とによって形成される外殻状部材80を有している。
この外殻状部材80は、鋼板を折り曲げ加工することによって成形することができる。例えば底面部82の両側を直角に折り曲げて側面部81と本体部86とを形成し、本体部86の上部を直角に折り曲げて上面部83を形成する。
この外殻状部材80は、底面部82に貫通させたドリルネジ15によって野地板111に固定される。一方、野地板111の縁部の下面側には、ケラバ本体8として、角材などの軒先桟84がドリルネジ15によって固定される。
また、軒先桟84と外壁12との間には、ケラバ本体8として、角材などの垂下木桟85がドリルネジ15によって固定される。さらに、垂下木桟85の外壁12側の下面には、垂下片851がドリルネジ852によって取り付けられる。
そして、本実施例1のケラバ化粧部材3Aの上カバー部4Aは、外殻状部材80の上面部83の形状に合わせて上面部42Aの幅が狭くなるとともに、上面部42Aから側面部43Aに遷移する角部の傾斜面が広くなっている。
一方、下面カバー部6Aの庇状部68Aは、外壁12までの間隔が広がったのに対応して、長く張り出されることになる。また、庇状部68Aの上面には、建物1の内外方向に間隔を置いて複数の返し突起部が設けられる。ここで、複数の返し突起部を、軒先側から外側返し部63、中間返し部64、内側返し部65とする。
このように構成された上カバー部4Aと下カバー部5と下面カバー部6Aとが接続されたケラバ化粧部材3Aが、締結材としての接合ビス33,33によってケラバ本体8に固定される。
詳細には、ケラバ化粧部材3Aの上面部42Aを上面部83上の載置部221の上に重ねて、接合ビス33をねじ込む。また、外殻状部材80の側面部81に隣接させた接続壁部51の露出部513にも、接合ビス33をねじ込む。
この取付状態では、外側返し部63は使用されず、中間返し部64の上片が垂下片851の下片に引っ掛けられる。また、内側返し部65の先端が、水切り材7のシーリング材73Aに密着される。
このように下面カバー部6Aの庇状部68Aの上面に複数の返し突起部(63,64,65)が設けられていれば、建物1側のシーリング材73Aの位置が異なる場合にも対応させることができる。
また、庇状部68Aが長くなっても、中間返し部64を垂下片851に引っ掛けて支持させることで、下面カバー部6Aを安定させることができる。さらに、下カバー部5と外壁12との広い間隙も、幅広の下面カバー部6Aで覆うことで外観をよくすることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態及び実施例1とは別の形態の実施例2について、図4を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例2で説明するケラバ化粧部材3Bは、下面カバー部6Bの状態が前記実施例1で説明した下面カバー部6Aの状態と異なっている。実施例2の屋根11Bは、外壁12からの張り出し量が小さい、換言すると庇が短い構造となっている。
詳細には、この屋根11Bには、実施例1で説明した屋根11Aにあるような軒先桟84と外壁12との間の垂下木桟85が設けられていない。要するに、軒先桟84と外壁12との間隔が狭くなっている。
このため、実施例1で説明した下面カバー部6Aをそのまま使用することができない。そこで、下面カバー部6Aの庇状部68Aを外側返し部63の位置で切断してカット部60を取り除いた下面カバー部6Bを使用する。
このように下カバー部5と外壁12の間隙の広さに合わせて、下面カバー部6Aの不要となる部分を切断することで、様々な間隙に対応させることができる。
要するに、不要な部分を切断するだけで下面カバー部6Aを下面カバー部6Bにすることができるので、屋根の形態ごとに下面カバー部を製作する必要がなく、部品の種類を最小限に抑えて製作コストを低減することができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態及び実施例1,2とは別の形態の実施例3について、図5を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1,2で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例3で説明するケラバ化粧部材3Cは、上カバー部4Aと下カバー部5だけで構成されており、下面カバー部を備えていない。要するに実施例3の屋根11Cは、外壁12の上端に取り付けられる水切り材7Cが実施例2で説明した水切り材7よりも短く、下カバー部5内に収容することができる。
そこで、下カバー部5の返し部541の先端を、水切り材7Cのシーリング材73Aに密着させる。このように下カバー部5によって、建物1との間の止水性能が確保でき、下カバー部5と外壁12との間隙も覆うことができるのであれば、下面カバー部を省略してコストを削減することができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、工場においてケラバ化粧部材3を組み立てる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、リフォーム現場に上カバー部4、下カバー部5及び下面カバー部6をそれぞれ搬送して、これらを現場において接合することでケラバ化粧部材3に組み立てることもできる。
1 建物
11,11A−11C 屋根
12 外壁
2 ケラバ本体
3,3A−3C ケラバ化粧部材
31 締結材
32 接合ビス(締結材)
33 接合ビス(締結材)
4,4A 上カバー部
41 引込み部
411 重ね片部
5 下カバー部
51 接続壁部
511 溝部
512 上溝部(溝部)
513 露出部
55 下面部(下面)
6,6A,6B 下面カバー部
63 外側返し部(返し突起部)
64 中間返し部(返し突起部)
65 内側返し部(返し突起部)
68,68A 庇状部(上面)
73A シーリング材(止水材)
8 ケラバ本体

Claims (6)

  1. 建物の屋根の端部に形成されるケラバ本体を覆うケラバ化粧部材であって、
    前記ケラバ本体の上部を覆う上カバー部と、
    前記ケラバ本体の下部を覆う下カバー部と、
    前記上カバー部の下縁に形成される前記ケラバ本体側に向けて張り出される端部に重ね片部を有する引込み部と、
    前記下カバー部の上縁に形成される前記重ね片部よりも前記ケラバ本体側に配置される壁状の接続壁部と、
    前記重ね片部と前記接続壁部とを接合させる締結材とを備えたことを特徴とするケラバ化粧部材。
  2. 前記接続壁部には、前記重ね片部を収容可能な幅に形成された溝部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のケラバ化粧部材。
  3. 前記下カバー部の下面側に接続されるとともに、前記建物の外壁に向けて張り出される下面カバー部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のケラバ化粧部材。
  4. 前記下面カバー部の前記外壁に向けて張り出される上面には、前記建物の内外方向に間隔を置いて複数の返し突起部が設けられることを特徴とする請求項3に記載のケラバ化粧部材。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のケラバ化粧部材の取り付け方法であって、
    前記引込み部の重ね片部と前記接続壁部とを前記締結材で接合することによって前記上カバー部と前記下カバー部とを接続する工程と、
    前記重ね片部より下方に露出する前記接続壁部を貫通させて前記ケラバ本体に定着される締結材を打ち込む工程とを備えたことを特徴とするケラバ化粧部材の取り付け方法。
  6. 請求項4に記載のケラバ化粧部材の取り付け方法であって、
    前記返し突起部のいずれかの位置で前記下面カバー部を切断する工程と、
    前記引込み部の重ね片部と前記接続壁部とを前記締結材で接合することによって前記上カバー部と前記下カバー部とを接続するとともに、前記下カバー部に前記下面カバー部を接続する工程と、
    前記返し突起部を前記建物側の止水材に接触させた状態で、前記重ね片部より下方に露出する前記接続壁部を貫通させて前記ケラバ本体に定着される締結材を打ち込む工程とを備えたことを特徴とするケラバ化粧部材の取り付け方法。
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