JP2015223764A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録した直後にインクジェット式プリンターの姿勢が変わると、記録ヘッドから打ち捨てられてまだインク受け部に残っていたインクが、インク受け部の外側に流出し、支持部の周囲に設けられた回路基板などに付着して回路基板の誤動作を招く原因となったり、筐体の外側に流出して設置面を汚したりする虞があるという問題がある。
【解決手段】記録ヘッド13と支持部20とが対向する方向において、給送面42aの記録ヘッド13と反対側には、電子部品が搭載された回路基板が備えられ、支持部20と給送面42aの間には、隙間Cが形成され、凹部29の上流側には、インクを捕獲する捕獲部としての土手部21,22,23、凹部25が備えられた記録装置を提供する。
【選択図】図9
【解決手段】記録ヘッド13と支持部20とが対向する方向において、給送面42aの記録ヘッド13と反対側には、電子部品が搭載された回路基板が備えられ、支持部20と給送面42aの間には、隙間Cが形成され、凹部29の上流側には、インクを捕獲する捕獲部としての土手部21,22,23、凹部25が備えられた記録装置を提供する。
【選択図】図9
Description
本発明は、記録装置に関する。
記録装置の一例として、インクを噴射する記録ヘッドを備えて用紙などの被記録媒体に対して余白無く記録を行う、所謂縁無し記録を実行可能なインクジェット式プリンターがある。このようなインクジェット式プリンターには、搬送される被記録媒体を支持する支持部の記録ヘッド側に凹状のインク受け部が形成されている。記録ヘッドから用紙の端部の外側に吐出されたインクは、このインク受け部に打ち捨てられるようになっている。支持部から離れた位置には、インクを吸収するインク吸収体が備えられ、インク受け部に打ち捨てられたインクは、流路を介してインク吸収体に吸収される(例えば、特許文献1)。
ところで、インクジェット式プリンターが保管される際には、記録時の姿勢とは異なる姿勢で収容されることがある。例えば、筐体の外観が略箱型矩形形状のインクジェット式プリンターが本棚などに保管される場合には、記録時における姿勢では設置面と対向していた底面が、収容時における姿勢では、本棚の設置面に対して垂直方向となることがある。
記録した直後にインクジェット式プリンターの姿勢が変わると、記録ヘッドから打ち捨てられてインク受け部に残っていたインクが、インク受け部の外側に流出し、支持部の周囲に設けられた基板に実装された電子部品や、基板上の配線パターンなどに付着して電子部品の故障や、パターンのショートなどによる基板の誤動作を招く原因となったり、筐体の外側に流出して設置面を汚したりする虞があるという問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]液体を噴射する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと対向する位置で被記録媒体を支持する支持部と、前記支持部に設けられ、前記被記録媒体の端部から外れた領域に噴射される前記液体を受ける液体受け部と、前記被記録媒体の搬送方向における前記支持部の上流側の給送面と、が備えられた記録装置であって、前記記録ヘッドと前記支持部とが対向する方向において、前記給送面の前記記録ヘッドと反対側には、電子部品が搭載された基板が備えられ、前記支持部と前記給送面の間には、隙間が形成され、前記被記録媒体の搬送方向における前記液体受け部の上流側または下流側の少なくともいずれか一方には、前記液体を捕獲する捕獲部が備えられたことを特徴とする記録装置。
本適用例によれば、被記録媒体の搬送方向における液体受け部の上流側または下流側の少なくともいずれか一方には、液体を捕獲する捕獲部が備えられる。これにより、記録装置の姿勢が変わり、記録ヘッドから打ち捨てられた液体が液体受け部の外側に流出しても、捕獲部によって捕獲される。そのため、支持部の周囲に設けられた基板に実装された電子部品や基板上の配線パターンなどに付着して電子部品が故障したり、パターンのショートなどによる基板の誤動作を招く原因となったり、筐体の外側に流出して設置面を汚したりすることを防止できる。
[適用例2]液体を噴射する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと対向する位置で被記録媒体を支持する支持部と、前記支持部に設けられ、前記液体を吸収する液体吸収体を有し、前記被記録媒体の端部から外れた領域に噴射される前記液体を受ける液体受け部と、前記被記録媒体の搬送方向における前記支持部の上流側の給送面と、が備えられた記録装置であって、前記記録ヘッドと前記支持部とが対向する方向において、前記給送面の前記記録ヘッドと反対側には、電子部品が搭載された基板が備えられ、前記支持部と前記給送面の間には、隙間が形成され、前記被記録媒体の搬送方向における前記液体受け部の上流側または下流側の少なくともいずれか一方には、前記液体を捕獲する捕獲部が備えられたことを特徴とする記録装置。
本適用例によれば、被記録媒体の搬送方向における液体受け部の上流側または下流側の少なくともいずれか一方には、液体を捕獲する捕獲部が備えられる。これにより、記録装置の姿勢が変わり、記録ヘッドから打ち捨てられた液体が液体受け部の外側に流出しても、捕獲部によって捕獲される。そのため、支持部の周囲に設けられた基板に実装された電子部品や基板上の配線パターンなどに付着して電子部品が故障したり、パターンのショートなどによる基板の誤動作を招く原因となったり、筐体の外側に流出して設置面を汚したりすることを防止できる。
[適用例3]前記捕獲部は、前記搬送方向における前記液体受け部の上流側に形成されていることを特徴とする上記記録装置。
本適用例によれば、記録装置の搬送方向上流側が鉛直方向の下側となる姿勢で記録装置を収容したとき、液体受け部から搬送方向上流側に流出した液体を、捕獲部によって捕獲できる。
[適用例4]前記捕獲部は、前記支持部に形成され、前記記録ヘッドの移動方向に沿って延在し、前記記録ヘッド側に突出する突出部であることを特徴とする上記記録装置。
本適用例によれば、液体受け部の外側に流出しようとする液体の流れを記録ヘッドの移動方向に亘って止める可能性がある。
[適用例5]前記捕獲部は、凹部であることを特徴とする上記記録装置。
本適用例によれば、液体受け部の外側に流出した液体を凹部に貯留することができる。
[適用例6]前記捕獲部は、前記支持部に形成され、前記記録ヘッドの移動方向に沿って延在し、前記記録ヘッド側に突出する突出部と、凹部とを含んで構成され、前記突出部と前記凹部とは隣接して配置されることを特徴とする上記記録装置。
本適用例によれば、液体受け部の外側に流出しようとする液体を、突出部によって止めるとともに凹部に貯留することができる。
[適用例7]前記捕獲部は、前記搬送方向において、前記記録ヘッド側に突出し前記被記録媒体を支持する第1リブと、前記被記録媒体の端部を検出する位置で前記記録ヘッド側に突出して前記被記録媒体を支持する第2リブとが形成された領域にあることを特徴とする上記記録装置。
本適用例によれば、捕獲部を設けるため、搬送方向における専用領域を設けなくてもよいので、記録装置が大型化することを抑制できる。
[適用例8]前記凹部には、前記液体を吸収する液体吸収体が設けられていることを特徴とする上記記録装置。
本適用例によれば、凹部に貯留可能な液体の容量が増加する。
[適用例9]前記捕獲部は、フラッシング領域に設けられていることを特徴とする上記記録装置。
本適用例によれば、捕獲部を設けるための専用領域を設けなくてもよいので、記録装置が大型化することを抑制できる。
[適用例10]前記記録装置は、小型で、携帯性に優れる携帯型小型プリンターであることを特徴とする上記記録装置。
本適用例によれば、携帯時に携帯型小型プリンターの姿勢が変化しても、液体受け部の外側に流出しようとする液体を捕獲できる。
以下、記録装置の実施形態について、図面に従って説明する。各図において、X方向は記録ヘッドが往復移動する主走査方向を示し、Y方向は用紙などの被記録媒体の搬送方向である副走査方向を示し、Z方向は鉛直方向を示す。上流側、下流側は、副走査方向Yにおける方向をいう。上方、上側、上部、下方、下側、下部は、鉛直方向Zにおける方向や部位をいう。また、前側は、副走査方向Yにおける下流側であり、背面側は、副走査方向Yにおける上流側である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る記録装置としてのインクジェット式プリンター(以降は、プリンターという)1においてカバー3が閉じた状態の外観斜視図である。プリンター1は、装置本体10(図3参照)と、装置本体10の周囲を覆って、プリンター1の外観を構成するハウジング2と、ハウジング2に対して開閉可能なカバー3と、を備える。カバー3は、装置本体10の背面側に支点が設けられて回動可能に取り付けられる。カバー3は、閉じた状態においてプリンター1の上側の面及び前側の面の一部を構成する。
図1は、実施形態1に係る記録装置としてのインクジェット式プリンター(以降は、プリンターという)1においてカバー3が閉じた状態の外観斜視図である。プリンター1は、装置本体10(図3参照)と、装置本体10の周囲を覆って、プリンター1の外観を構成するハウジング2と、ハウジング2に対して開閉可能なカバー3と、を備える。カバー3は、装置本体10の背面側に支点が設けられて回動可能に取り付けられる。カバー3は、閉じた状態においてプリンター1の上側の面及び前側の面の一部を構成する。
図2は、カバー3が開いた状態のプリンター1の外観斜視図である。カバー3が開いた姿勢にあるとき、ハウジング2の上部には操作部6と、用紙供給口5とが露出し、ハウジング2の前面には排出口7が露出する。操作部6は、プリンター1を操作するための電源ボタンや印刷設定ボタン、表示パネル等を備えて構成されている。
カバー3が開いた状態にあるとき、カバー3の内側の面は、用紙Pの載置面3aとして機能する。載置面3aに載置された用紙Pは、用紙供給口5から装置本体10内部に給送され記録される。装置本体10内部で記録された用紙Pは、排出ローラー対8によって排出口7から下流側に排出される。
用紙供給口5には、一対の用紙ガイド4a,4bが備えられる。用紙ガイド4bは、主走査方向Xの位置が固定され、用紙ガイド4aは、主走査方向Xにおいてスライド移動可能に備えられる。用紙ガイド4a,4bは、載置面3aに載置された用紙Pの主走査方向Xにおける端部の位置を規制する。
プリンター1は、記録時においては設置面と対向していた底面2aが、保管時においてはカバー3を閉じた状態で本棚などの設置面に対して垂直方向となる姿勢に変えて保管することができる。すなわち、記録時の姿勢から、カバー3を閉じた状態で背面側の側面2bが本棚などの設置面と対向する面となる姿勢に変えて保管することが可能である。
図3は、カバー3とハウジング2を取り外した状態での装置本体10の斜視図である。図4は、プリンター1の概略構成を説明するための側断面図である。装置本体10の背面側には、鉛直方向Zに対して傾斜した姿勢で備えられ、用紙Pの少なくとも一部を支持するホッパー19が備えられる。用紙Pは、ホッパー19と図2の載置面3aとによって傾斜した姿勢で支持される。
図4の破線Lは、用紙Pの搬送経路を示している。搬送経路上流側には、ホッパー19と載置面3aに載置された用紙Pを下流側に給送する給送ローラー15が備えられている。ホッパー19は、上部に回動支点が設けられて揺動可能に構成される。
ホッパー19の下端部が給送ローラー15に接近する方向に回動した際、給送ローラー15は、ホッパー19に載置された最上位の用紙Pと接し、該最上位の用紙Pを搬送経路下流側に給送する。上流側壁部41および中間壁部42の上側には、搬送路となる給送面41a,42aが形成される。用紙Pは、給送ローラー15によって給送面41a,42aに沿って搬送される。
給送ローラー15の下流側には、図示しない駆動源により回転駆動する搬送駆動ローラー16aと、搬送駆動ローラー16aに対して従動する従動ローラー16bとから構成される搬送ローラー対16が備えられている。搬送ローラー対16は、給送ローラー15によって給送された用紙Pをニップして下流側に搬送する。
搬送ローラー対16の下流側には記録部12が設けられている。記録部12は、キャリッジ11と、キャリッジ11の底部に設けられた記録ヘッド13と、記録ヘッド13に対向し、用紙Pを支持する支持部20とを含んで構成される。支持部20には、上流側リブ26、中間リブ27、下流側リブ28が設けられる。用紙Pは、上流側リブ26、中間リブ27、下流側リブ28の上面に沿って下流側に搬送される。
キャリッジ11は、装置本体10の内部に設けられた制御部(図示せず)により制御されるキャリッジ駆動モーター17(図3参照)によって主走査方向Xに往復移動する。支持部20に設けられた上流側リブ26、中間リブ27、下流側リブ28は、用紙Pを下方から支持することにより、用紙Pの記録面と記録ヘッド13のヘッド面との間の距離(ギャップ)を規定する。
記録部12では、支持部20に支持されて搬送される用紙Pに対して、記録ヘッド13の複数のノズル穴(図示せず)から「液体」としてのインクが用紙Pに向けて吐出され、当該インクが用紙Pの記録面(記録ヘッド13に対向する面)に着弾することにより記録が実行される。
記録部12の下流側には、搬送駆動ローラー16aと共通の駆動源により回転駆動する排出駆動ローラー8aと、排出駆動ローラー8aに対して従動する従動ローラー8bとから構成される排出ローラー対8が設けられている。記録部12で記録が実行された用紙Pは、排出ローラー対8にニップされて装置前面に形成された排出口7から装置前方に向けて排出される。
支持部20の下面の上流側下端部には、補強部材43が取り付けられている。本実施形態の補強部材43は剛性の高い材質、一例として金属材料等で形成されている。補強部材43は支持部20の主走査方向Xにおける撓みを抑制し、キャリッジ11の移動領域における記録ヘッド13と支持部20との距離(ギャップ)を一定の距離に保持することができる。
上流側壁部41の下方には、回路基板44が備えられる。回路基板44には、記録ヘッド13の噴射制御を行うための、図示しない電子部品を含む制御回路が形成されている。回路基板44にはシールド板45が取り付けられている。シールド板45は導電材料で形成されており、回路基板44の制御回路に対するノイズの影響を低減する。
支持部20と中間壁部42との間には、隙間Cが設けられ、搬送駆動ローラー16aは、隙間Cに配置される。回路基板44、シールド板45は、上流側壁部41の給送面41aおよび中間壁部42の給送面42aの下側に配置される。
図5は、支持部20が露出する状態での装置本体10の斜視図である。図5には、キャリッジ11を図示していない。支持部20の図面右側には、キャップ手段48が備えられる。キャップ手段48は、キャリッジ11がホームポジションに位置する際、記録ヘッド13と対向し、記録ヘッド13のノズル形成面(図示せず)に押し付けられ、当該ノズル形成面を封止してインクの乾燥を防止できるようになっている。
キャップ手段48は、記録ヘッド13に押しつけられた封止状態と、記録ヘッド13から離間した離間状態とをとり得るように構成されている。キャップ手段48が記録ヘッド13に対して封止状態にある場合に、ポンプ18を駆動させると、廃インクチューブ46を介してキャップ手段48に負圧を生じさせる。この負圧により、記録ヘッド13のノズルからインクの吸引が行われ、ノズルの目詰まりや気泡混入を解消できるようになっている。
また、プリンター1における記録動作実行中に一定のタイミングでフラッシング動作が行われる。このフラッシング動作は、キャリッジ11をホームポジションに一時的に移動させ、キャップ手段48に向けてインクを噴射して打ち捨てる動作である。
図6は、支持部20と、支持部20の上流側に配置された回路基板44の斜視図である。支持部20には中間リブ27,33が配置される。中間リブ27,33は、副走査方向Yにおいて記録ヘッド13と対向する位置に配置される。
中間リブ27,33の、上流側には上流側リブ26が配置され、下流側には下流側リブ28が配置される。上流側リブ26、中間リブ27,33、下流側リブ28は、記録ヘッド13側に突出し、主走査方向Xにおいて間隔をおいてそれぞれ複数配置される。上流側リブ26、中間リブ33、下流側リブ28は、副走査方向Yに延設される。
図5の矢印Aは、主走査方向Xにおいて、インク吸収体30が凹部29に配置される範囲を示す。副走査方向Yにおいて、インク吸収体30は、記録ヘッド13と対向する位置に配置される。中間リブ27は、インク吸収体30を貫通し、中間リブ27の上面はインク吸収体30の上面より高い。
用紙Pは、普通紙だけでなく、L判写真用紙や葉書等も含まれる。プリンター1は、L判写真用紙や葉書等のサイズの小さい用紙(以下「小サイズ用紙」と言う)の記録面全面に記録を実行する所謂縁無し記録が実行可能に構成されている。
凹部29及びインク吸収体30の主走査方向Xにおける長さは、プリンター1において小サイズ用紙に縁無し記録を実行可能な長さに設定されている。すなわち、小サイズ用紙の端部から外れた領域に凹部29及びインク吸収体30が位置するように構成されている。
これにより、インク吸収体30は、縁無し記録実行時に小サイズ用紙の端部から外れた領域に打ち捨てられたインクを吸収して、一時的に保持することができる。凹部29は、用紙Pの端部から外れた領域に噴射されるインクを受ける液体受け部を構成する。
図7は、支持部20のインク吸収体30が備えられた断面位置において下流側から見た側断面図である。インク吸収体30の下方には、インク吸収体32が備えられる。インク吸収体30とインク吸収体32との間には、インクの伝達流路となる接続部31が備えられる。インク吸収体30に吸収されたインクは、接続部31を伝達流路として流れてインク吸収体32に吸収される。インク吸収体30,32、接続部31は、スポンジ材で構成される。
カートリッジ取付部51には、廃インクカートリッジ50が着脱可能に備えられる。キャップ手段48で生じた廃インクは、ポンプ18により廃インクチューブ46を介して吸引され、ポンプ18から延びる廃インクチューブ47、廃インクチューブ47に接続された取付部51を介して廃インクカートリッジ50に収容される。
図8(a)は、インク吸収体30,32と接続部31の配置を示す斜視図である。図8(b)は、副走査方向Yから見た図で、インク吸収体30,32と接続部31の配置を示す側断面図である。接続部31は、副走査方向Yに長い矩形状の板状部31aと、板状部31aから主走査方向Xに延びる板状部31bとから構成される。板状部31aの上面は、インク吸収体30の下面と接した状態で配置される。
図8(b)の板状部31bは、板状部31aに対して下側に傾斜した姿勢で備えられ、板状部31bの先端部は、支持部20の凹部29に設けられた穴29aを通り、インク吸収体32に挿入した状態で備えられる。
本実施形態のインク吸収体30,32、接続部31は、それぞれ個別の部材である。これにより、接続部31を、インク吸収体30における中央部に配置することができる。そのため、記録ヘッド13から吐出されたインクが用紙Pの端部の外側に打ち捨てられて、インク吸収体30において着弾する位置または着弾する位置に近い位置に、接続部31を配置することができる。従って、記録ヘッド13から吐出されてインク吸収体30に吸収されたインクを早く接続部31を伝達経路としてインク吸収体32に流出させることができる。
図12(a)は、比較例におけるインク吸収体および接続部を一体に構成した部材の一部を示す斜視図である。接続部91は、インク吸収体となる本体部90の外側に設けられ、本体部90の面方向に対して下方に略直角に曲げられた状態でインク吸収体92に挿入される。
接続部91が本体部90の外側に設けられているので、接続部91の位置は、記録ヘッド13からインクが吐出されて、インク吸収体となる本体部90において着弾する位置から離れた位置に配置される。従って、記録ヘッド13から吐出されて本体部90に吸収されたインクが本体部90に滞留する時間が長くなる。
図9は、支持部20の一部を拡大した斜視図である。凹部29の上流側には、記録ヘッド13側に突出し、上流側リブ26の下流側端部と接続し、主走査方向Xに延びる土手部21が設けられる。土手部21は、凹部29の上流側の壁面の一部を形成し、インク吸収体30は、土手部21に隣接して備えられる。土手部21の上面は、インク吸収体30より高く、上流側リブ26より低い。
主走査方向Xに並ぶ複数の上流側リブ26の間には、反射部24がそれぞれ形成される。反射部24は、副走査方向Yに延設された、山部24aと谷部24bとが主走査方向Xにおいて交互に並んで形成された部分である。
支持部20および中間壁部42の下側は、補強部材43によって補強される。中間壁部42と補強部材43との間には、中間壁部42の下側の隙間B1、中間壁部42の上流側の隙間B2、中間壁部42の上部の隙間B3がある。
図4のキャリッジ11の下部には、不図示の発光部および受光部を有する検出部14が、副走査方向Yにおいて反射部24と対向する位置に設けられる。検出部14は、反射部24に照射した反射光の反射率から、上流側リブ26の位置を搬送する用紙Pの主走査方向Xおよび副走査方向Yの端部を検出する。
反射部24の上流側には、記録ヘッド13側に突出して主走査方向Xに延びる2本の土手部22,23が並列に並んで形成される。土手部22,23は、上流側リブ26と接続され、土手部22の上面は、谷部24bの底面より高く、上流側リブ26の上面より低い。
土手部22,23の間には、凹部25が主走査方向Xに延びて形成される。凹部25は、土手部22の上流側側面22a、土手部23の下流側側面23a、上流側リブ26の側面26aを含んで形成される。
図12(b)は、比較例におけるプリンターの支持部の一部を拡大した斜視図である。比較例における支持部80には、反射部24の上流側に土手部や凹部は設けられていない。そのため、記録した直後に、プリンターの姿勢が変わり上流側が下側となると、記録ヘッド13から噴射されて用紙Pの端部の外側で凹部29の範囲に吐出されたインクが、凹部29の外側の上流側に流出し、反射部24に沿って流れ、支持部80と中間壁部42の給送面42aとの隙間C、中間壁部42と補強部材43との隙間B1,B2,B3を通り、中間壁部42の上流側に配置された回路基板44に付着してしまう。
以上、本実施形態で説明した図4のプリンター1は、インクを噴射する記録ヘッド13と、記録ヘッド13と対向する位置で用紙Pを支持する支持部20と、図9の支持部20に設けられ、インク吸収体30を有し、用紙Pの端部から外れた領域に噴射されるインクを受ける液体受け部としての凹部29と、支持部20の上流側の給送面42aと、が備えられる。そして、記録ヘッド13と支持部20とが対向する方向において、給送面42aの記録ヘッド13と反対側には、電子部品が搭載された回路基板44が備えられ、支持部20と給送面42aの間には、隙間Cが形成され、凹部29の上流側には、インクを捕獲する捕獲部としての土手部21,22,23、凹部25が備えられる。
この構成によれば、プリンター1の上流側が下側となる状態に姿勢が変わり、記録ヘッド13から凹部29に打ち捨てられたインクが凹部29の上流側に流出しようとしても土手部21によって抑制できる。また、土手部21を越えて上流側にインクが流れても、土手部22,23、凹部25によって流れが止められる。
これにより、記録ヘッド13から噴射されて用紙Pの端部の外側で凹部29の範囲に吐出されたインクが、支持部20と給送面42aとの隙間C、支持部20の上流側に位置する中間壁部42と補強部材43との隙間B1,B2,B3に流出しない。
従って、支持部20の周囲に設けられた回路基板44に実装された電子部品や回路基板44上の配線パターンなどに付着して電子部品が故障したり、パターンのショートなどによる回路基板44の誤動作を招く原因となったり、ハウジング2(筐体)の外側に流出して設置面を汚したりすることを防止できる。
また、土手部21,22,23、凹部25は、凹部29の上流側に形成されている。この構成によれば、プリンター1の上流側が下側となる姿勢で収容されたとき、凹部29から上流側に流出するインクを、土手部21,22,23、凹部25によって捕獲できる。
また、土手部21,22,23は、支持部20に形成され、記録ヘッド13の移動方向(主走査方向X)に沿って延在し、記録ヘッド13側に突出する突出部である。これにより、凹部29の外側に流出しようとするインクを主走査方向Xに亘って土手部21,22,23によって止める可能性がある。
また、インクを捕獲する捕獲部を構成する凹部25には、凹部29の外側に流出するインクが貯留される。
また、凹部25は、土手部22,23と隣接して配置される。これにより、凹部29の外側に流出したインクを、土手部22,23によって止めるとともに凹部25に貯留することができる。
また、プリンター1は、小型で、携帯性に優れる携帯型小型プリンターである。携帯時にプリンター1の姿勢が変化しても、凹部29の外側に流出しようとするインクを捕獲できる。
(実施形態2)
実施形態2では、凹部29の下流側に土手部と凹部を設けたプリンターについて説明する。図10は、実施形態2における支持部20aの一部を拡大した斜視図である。
実施形態2では、凹部29の下流側に土手部と凹部を設けたプリンターについて説明する。図10は、実施形態2における支持部20aの一部を拡大した斜視図である。
凹部29の上流側には、実施形態1で説明した反射部24、土手部21,22,23、凹部25が設けられる。凹部29の下流側には、記録ヘッド13側に突出し、主走査方向Xに延びる土手部61が設けられる。
土手部61は、下流側リブ28と接続され、土手部61の上面は、インク吸収体30より高く、下流側リブ28の上面より低い。土手部61の下流側には、土手部61の下流側側面61aと下流側リブ28の側面28aを含んで形成された凹部60が主走査方向Xに延びて形成される。
支持部20aには、凹部29の下流側に、主走査方向Xに延びる土手部61、凹部60が設けられる。このような構成により、記録ヘッド13からインクが吐出された直後に、排出口7側が下側となる姿勢となったとき、支持部20aの凹部29からインクが流出することを土手部61で抑制できる。また、土手部61を越えて流出したインクを凹部60によって保持できるので、支持部20aの外側にインクが流出することを抑制できる。
捕獲部を構成する土手部61、凹部60は、副走査方向Yにおいて、支持部20aから突出し用紙Pを支持する下流側リブ28(第1リブ)が形成された領域にある。また、捕獲部を構成する土手部21,22,23、凹部25は、用紙Pの端部を検出する位置で上流側リブ26(第2リブ)が形成された領域にある。
この構成によれば、捕獲部を設けるため、副走査方向Yにおいて専用領域を設けなくてもよいので、プリンターが大型化することを抑制できる。実施形態2におけるプリンターのその他の構成は、実施形態1で説明したプリンター1の構成と同じである。
(実施形態3)
実施形態1、実施形態2では、液体受け部としての凹部29にインク吸収体30を備えたが、実施形態3では、液体受け部にインク吸収体を備えない記録装置について説明する。図11(a)は、実施形態3におけるキャリッジ100と支持部102を主走査方向Xから見た側断面図である。図11(b)は、支持部102の一部を拡大した斜視図である。
実施形態1、実施形態2では、液体受け部としての凹部29にインク吸収体30を備えたが、実施形態3では、液体受け部にインク吸収体を備えない記録装置について説明する。図11(a)は、実施形態3におけるキャリッジ100と支持部102を主走査方向Xから見た側断面図である。図11(b)は、支持部102の一部を拡大した斜視図である。
副走査方向Yに延びるリブ104が設けられる。リブ104の下流側には、下流側壁部111が設けられる。キャリッジ100に備えられた記録ヘッド101と対向する位置を搬送する用紙(不図示)は、リブ104の上面104a、下流側壁部111の搬送面111aに沿って搬送される。
支持部102には、キャリッジ100に備えられた記録ヘッド101と対向する位置に、液体受け部107が設けられる。液体受け部107の下流側で下流側壁部111の下方には、凹部109が設けられ、凹部109には、インク吸収体110が備えられる。
図11(b)の液体受け部107には、副走査方向Yに延びる複数の溝部107aが形成されている。図11(a)の液体受け部107と凹部109との段差部108には、溝部107aが延長された溝部(不図示)が形成される。
記録ヘッド101から噴射されて用紙の端部の外側に打ち捨てられたインクは、液体受け部107に着弾し、溝部107aと段差部108の溝部を流路として流れて凹部109に流出する。凹部109に流出したインクは、インク吸収体110に吸収される。
液体受け部107の上流側には、記録ヘッド101側に突出し、リブ104と接続され、主走査方向Xに延びる2本の土手部103,105が設けられる。土手部103,105の上面103a,105aは、溝部107aより高い。土手部103,105の間には、凹部106が形成される。
記録ヘッド101から液体受け部107に打ち捨てられた直後に、上流側が下側となる姿勢に変わり、液体受け部107から上流側に流出しようとするインクは、土手部103によって流れが止められる。また、土手部103を越えて上流側に流出したインクは、凹部106によって保持されるので、支持部102の外側にインクが流出することを抑制できる。
このように、実施形態3におけるプリンターは、捕獲部としての、土手部103,105、凹部106が設けられる。これにより、プリンターの姿勢が変わり、液体受け部107から上流側に流出したインクが、支持部102と、支持部102の上流側に配置された給送面(不図示)との隙間を通り、回路基板(不図示)に付着してしまうことを抑制できる。実施形態3におけるプリンターのその他の構成は、実施形態1で説明したプリンター1の構成と同じである。
実施形態1の凹部25、実施形態2の凹部60、実施形態3の凹部106に、インクを吸収するインク吸収体(液体吸収体)を設けてもよい。これにより、凹部25,60,106に貯留可能なインクの容量を増加させることができる。
また、キャップ手段48を備えてフラッシング動作が行われるフラッシング領域に、捕獲部を設けてもよい。これにより、捕獲部を設けるための専用領域を設けなくてもよいので、プリンターが大型化することを抑制できる。
実施形態1〜実施形態3では、キャリッジ11,100に設けられて往復移動する記録ヘッド13,101を備えた記録装置について説明したが、本発明は、主走査方向Xに並ぶノズルが配置され、本体装置に対して固定された記録ヘッドを備えた記録装置にも適用する。
1…インクジェット式プリンター、13,101…記録ヘッド、20,20a,102…支持部、21,22,23,61,103,105…土手部、24…反射部、25,29,60,106…凹部、26…上流側リブ、28…下流側リブ、30…インク吸収体、41a,42a…給送面、44…回路基板、107…液体受け部、C…隙間、X…主走査方向、Y…副走査方向、Z…鉛直方向。
Claims (10)
- 液体を噴射する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと対向する位置で被記録媒体を支持する支持部と、
前記支持部に設けられ、前記被記録媒体の端部から外れた領域に噴射される前記液体を受ける液体受け部と、
前記被記録媒体の搬送方向における前記支持部の上流側の給送面と、
が備えられた記録装置であって、
前記記録ヘッドと前記支持部とが対向する方向において、前記給送面の前記記録ヘッドと反対側には、電子部品が搭載された基板が備えられ、
前記支持部と前記給送面の間には、隙間が形成され、
前記被記録媒体の搬送方向における前記液体受け部の上流側または下流側の少なくともいずれか一方には、前記液体を捕獲する捕獲部が備えられたことを特徴とする記録装置。 - 液体を噴射する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと対向する位置で被記録媒体を支持する支持部と、
前記支持部に設けられ、前記液体を吸収する液体吸収体を有し、前記被記録媒体の端部から外れた領域に噴射される前記液体を受ける液体受け部と、
前記被記録媒体の搬送方向における前記支持部の上流側の給送面と、
が備えられた記録装置であって、
前記記録ヘッドと前記支持部とが対向する方向において、前記給送面の前記記録ヘッドと反対側には、電子部品が搭載された基板が備えられ、
前記支持部と前記給送面の間には、隙間が形成され、
前記被記録媒体の搬送方向における前記液体受け部の上流側または下流側の少なくともいずれか一方には、前記液体を捕獲する捕獲部が備えられたことを特徴とする記録装置。 - 前記捕獲部は、前記搬送方向における前記液体受け部の上流側に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
- 前記捕獲部は、前記支持部に形成され、前記記録ヘッドの移動方向に沿って延在し、前記記録ヘッド側に突出する突出部であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
- 前記捕獲部は、凹部であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
- 前記捕獲部は、前記支持部に形成され、前記記録ヘッドの移動方向に沿って延在し、前記記録ヘッド側に突出する突出部と、凹部とを含んで構成され、前記突出部と前記凹部とは隣接して配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
- 前記捕獲部は、前記搬送方向において、前記記録ヘッド側に突出し前記被記録媒体を支持する第1リブと、前記被記録媒体の端部を検出する位置で前記記録ヘッド側に突出して前記被記録媒体を支持する第2リブとが形成された領域にあることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の記録装置。
- 前記凹部には、前記液体を吸収する液体吸収体が設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の記録装置。
- 前記捕獲部は、フラッシング領域に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
- 前記記録装置は、小型で、携帯性に優れる携帯型小型プリンターであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014109856A JP2015223764A (ja) | 2014-05-28 | 2014-05-28 | 記録装置 |
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JP2014109856A Pending JP2015223764A (ja) | 2014-05-28 | 2014-05-28 | 記録装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018187784A (ja) * | 2017-04-28 | 2018-11-29 | セイコーエプソン株式会社 | 記録装置 |
CN109649007A (zh) * | 2017-10-10 | 2019-04-19 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射装置 |
US11192374B2 (en) | 2019-04-03 | 2021-12-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet recording apparatus capable of suppressing overflow of ink from an absorber even if the apparatus is arranged at an angle |
-
2014
- 2014-05-28 JP JP2014109856A patent/JP2015223764A/ja active Pending
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CN109649007B (zh) * | 2017-10-10 | 2021-10-01 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射装置 |
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