JP2015222296A - ポジティブcプレート用高分子化合物及び組成物並びにポジティブcプレート - Google Patents
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Abstract
【課題】延伸工程不要であり、高価な液晶性モノマーを使用せず、低コストで基材密着性に優れたポジティブCプレートを製造できる材料を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される構成単位(a1)を有するポジティブCプレート用高分子化合物(A)。
[式中、R1〜R5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜20のトリアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基及びナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基を表す。]
【選択図】なし
【解決手段】一般式(1)で表される構成単位(a1)を有するポジティブCプレート用高分子化合物(A)。
[式中、R1〜R5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜20のトリアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基及びナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基を表す。]
【選択図】なし
Description
本発明は、ポジティブCプレート用高分子化合物及び組成物並びにこれらを用いてなるポジティブCプレートに関する。
近年の液晶ディスプレイの画質に対する市場要求の高まりを受けて、液晶ディスプレイの光学補償を担う位相差フィルムに対する高機能化が求められている。例えば、「インセル方式」のLCD 光学補償フィルムについては、二軸性プレート用としてポジティブAプレートとポジティブCプレートの組み合わせが一般的に用いられる(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、特許文献1記載のポジティブCプレートは延伸工程が必須であり、特許文献2に記載のポジディブCプレートは高価な液晶性UVモノマーを使用しており、いずれも高コストであるという問題がある。また、特許文献3に記載のポジディブCプレートは基材密着性十分でないという問題がある。
しかし、特許文献1記載のポジティブCプレートは延伸工程が必須であり、特許文献2に記載のポジディブCプレートは高価な液晶性UVモノマーを使用しており、いずれも高コストであるという問題がある。また、特許文献3に記載のポジディブCプレートは基材密着性十分でないという問題がある。
本発明の目的は、延伸工程不要であり、高価な液晶性モノマーを使用せず、低コストで基材密着性に優れたポジティブCプレートを製造できる材料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、一般式(1)で表される構成単位(a1)を有するポジティブCプレート用高分子化合物(A);前記高分子化合物(A)と有機溶剤を含有してなるポジティブCプレート用組成物(B);前記高分子化合物(A)又は前記組成物(B)から形成されるポジティブCプレート(C);前記ポジティブCプレート(C)を用いた偏光板又は位相差板;前記偏光板又は位相差板を用いた画像表示ディスプレイである。
[式中、R1〜R5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜20のトリアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基及びナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基を表し、R6は、炭素数1〜24の炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された基を表す。]
本発明のポジティブCプレート用高分子化合物(A)及び組成物(B)から形成されるポジティブCプレートは、延伸工程不要であり、高価な液晶性モノマーを使用しないので低コストで製造でき、かつ基材密着性に優れる。
本発明において、ポジティブCプレートとは、プレート平面上にxy直交座標、プレート平面に対して垂直方向にz軸を設定した際、各成分の屈折率nx、ny、nzが、nx=ny<nzとなるプレートを意味する。
本発明のポジティブCプレート用高分子化合物(A)は、一般式(1)で表される構成単位(a1)を有する
一般式(1)におけるR1〜R5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜20のトリアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基及びナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、sec−又はtert−ブチル基、n−、iso−又はneo−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基及びドデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−又はiso−プロポキシ基、n−、sec−又はtert−ブトキシ基、n−、iso−又はneo−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基及びドデシルオキシ基等の直鎖又は分岐のアルコキシ基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−又はiso−プロピルチオ基、n−、sec−又はtert−ブチルチオ基、n−、iso−又はneo−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基及びドデシルチオ基等の直鎖又は分岐のアルキルチオ基が挙げられる。
炭素数3〜20のトリアルキルシリル基としては、例えばトリメチルシリル基及びトリイソプロピルシリル基等のアルキル基が直鎖又は分岐のトリアルキルシリル基等が挙げられる。
R1〜R5として、基材密着性及び光学特性の観点から好ましいのは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基である。
一般式(1)におけるR6は、炭素数1〜24の炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された基を表す。光学特性の観点から、R6は一般式(2)で表される基であることが好ましい。
一般式(2)におけるR7〜R11はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された基を表し、R7〜R11の内の少なくとも1つはフッ素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された基であり、*はそれが付された結合により置換基が一般式(1)における環状イミド骨格の窒素原子と結合することを表す。
基材密着性及び光学特性の観点からは、R7〜R11の内の少なくとも1個がフッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが好ましい。
高分子化合物(A)中における、構成単位(a1)の含有量は、高分子化合物(A)の重量を基準として、基材密着性及び光学特性の観点から、0.1〜100重量%が好ましく、更に好ましくは5〜98重量%である。
本発明における高分子化合物(A)は、構成単位(a1)以外に、必要に応じてスチレン、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、α−オレフィン、1,3−ブタジエン、イソブチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル基を有する化合物、ビニルエステル基を有する化合物及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を重合して得られる構成単位(a2)を含有していても良い。その場合、構成単位(a−1)と構成単位(a−2)の結合形式は、ランダム結合でもブロック結合でもこれらの併用でもよい。
スチレンの誘導体としては、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−ビニルビフェニル、4−アミノスチレン及び4−ニトロスチレン等が挙げられ、(メタ)アクリル酸の誘導体としては、(メタ)アクリル酸メチル、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及び1H,1H−ペンタデカフルオロ−n−オクチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、フマル酸の誘導体としては、フマル酸ジエチル等が挙げられ、マレイン酸の誘導体としては、無水マレイン酸及びマレイン酸ジメチル等が挙げられ、α−オレフィンの誘導体としては、1−デセン及び1H,1H,2H−ヘプタデカフルオロ−1−デセン等が挙げられ、ビニルエーテル基を有する化合物としては、1H,1H−ペンタフルオロブチルビニルエーテル等が挙げられ、ビニルエステル基を有する化合物としては、酢酸ビニル及びトリフルオロ酢酸ビニル等が挙げられる。
高分子化合物(A)が構成単位(a2)を有する場合、構成単位(a2)としては基材密着性及び光学特性の観点から、スチレン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、α−オレフィン、ビニルエステル基を有する化合物又はこれらの誘導体を重合して得られる構成単位であることが好ましい。
高分子化合物(A)中における、構成単位(a2)の含有量は、高分子化合物(A)の重量を基準として、基材密着性及び光学特性の観点から、0〜99.9重量%が好ましく、更に好ましくは2〜95重量%である。
高分子化合物(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記)は、(A)の溶剤溶解性、ポジティブCプレートの耐熱性及び基材密着性の観点から、好ましくは3000〜500万、更に好ましくは3500〜300万、特に好ましくは4000〜100万である。
本発明におけるMnは、例えば下記条件にて測定される。
・装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
・溶媒 :N,N’−ジメチルホルムアミド
・基準物質 :ポリスチレン
・サンプル濃度:3mg/ml
・カラム固定相:PLgel MIXED−B
・カラム温度 :40℃
・装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
・溶媒 :N,N’−ジメチルホルムアミド
・基準物質 :ポリスチレン
・サンプル濃度:3mg/ml
・カラム固定相:PLgel MIXED−B
・カラム温度 :40℃
本発明における高分子化合物(A)の製造方法としては特に限定されないが、例えば以下の方法で製造することができる。
例えばキシレン等の有機溶剤中で、構成単位(a1)を形成するモノマーであるスチレン及びその誘導体、マレイン酸及びその誘導体、必要に応じて構成単位(a2)を形成するモノマー、並びに熱ラジカル重合開始剤[例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等]を、例えば常圧下、100℃で15時間反応させる。必要により、キシレン等の有機溶剤を減圧留去した後、一般式(1)におけるR6として例示した基にアミノ基が結合したアミン化合物[セミ又はパーフルオロアルキルアミン、フッ素原子を含有するアニリン誘導体等]を加え、例えば減圧下、200℃で10時間、脱水イミド化させることで、高分子化合物(A)を得ることができる。
例えばキシレン等の有機溶剤中で、構成単位(a1)を形成するモノマーであるスチレン及びその誘導体、マレイン酸及びその誘導体、必要に応じて構成単位(a2)を形成するモノマー、並びに熱ラジカル重合開始剤[例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等]を、例えば常圧下、100℃で15時間反応させる。必要により、キシレン等の有機溶剤を減圧留去した後、一般式(1)におけるR6として例示した基にアミノ基が結合したアミン化合物[セミ又はパーフルオロアルキルアミン、フッ素原子を含有するアニリン誘導体等]を加え、例えば減圧下、200℃で10時間、脱水イミド化させることで、高分子化合物(A)を得ることができる。
本発明のポジティブCプレート用組成物(B)は、高分子化合物(A)及び有機溶剤を含有する。
有機溶剤としては、グリコールエーテル(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、乳酸メチル及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)、アミド(N、N−ジメチルアセトアミド及びN、N−ジメチルホルムアミド等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド)、エーテル(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び1,8−シネオール等)及び塩素系(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等)等が挙げられる。
有機溶剤としては、グリコールエーテル(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、乳酸メチル及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)、アミド(N、N−ジメチルアセトアミド及びN、N−ジメチルホルムアミド等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド)、エーテル(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び1,8−シネオール等)及び塩素系(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等)等が挙げられる。
組成物(B)に用いられる高分子化合物(A)及び有機溶剤は、それぞれ1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
ポジティブCプレート用組成物(B)における高分子化合物(A)の含有量は、塗工膜厚制御の観点から組成物(B)の重量を基準として、好ましくは5〜95重量%、更に好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。
また、ポジティブCプレート用組成物(B)における有機溶剤の含有量は、塗工性の観点から組成物(B)の重量を基準として、好ましくは5〜95重量%、更に好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。
また、ポジティブCプレート用組成物(B)における有機溶剤の含有量は、塗工性の観点から組成物(B)の重量を基準として、好ましくは5〜95重量%、更に好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。
本発明のポジティブCプレート用組成物(B)は更にレベリング剤を含有することができる。
レベリング剤としては、フッ素系のレベリング剤(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等)、シリコーン系のレベリング剤(アミノポリエーテル変性シリコーン、メトキシ変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーン等)が挙げられる。レベリング剤の添加量は、組成物(B)の重量に対して、添加効果及び透明性の観点から好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
レベリング剤としては、フッ素系のレベリング剤(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等)、シリコーン系のレベリング剤(アミノポリエーテル変性シリコーン、メトキシ変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーン等)が挙げられる。レベリング剤の添加量は、組成物(B)の重量に対して、添加効果及び透明性の観点から好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
本発明のポジティブCプレート用組成物(B)は、更に、使用目的に合わせて、無機微粒子、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等、公知の添加剤を添加することができる。具体的には、公知文献(特開2012−088408等)等に記載のものが挙げられる。
本発明のポジティブCプレート用組成物(B)は、高分子化合物(A)、有機溶剤及び必要によりその他の成分等を、ディスパーサー等で混合撹拌することで得られる。混合撹拌温度は通常10℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃である。
本発明のポジティブCプレート(C)は、本発明の高分子化合物(A)又は組成物(B)の皮膜を基材上に形成させることにより得られる。
基材としては、ガラス板、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、PETフィルム、PPフィルム、PEフィルム、ポリカーボネートフィルム及びポリイミドフィルム等が挙げられる。
ポジティブCプレート用組成物(B)を用いてポジティブCプレート(C)を製造する方法としては、基材に組成物(B)を塗布後、乾燥する方法等が挙げられる。
基材への組成物(B)の塗布方法としては、スピンコート、ロールコート及びスプレーコート等の公知のコーティング法並びに平版印刷、カルトン印刷、金属印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びグラビア印刷といった公知の印刷法を適用できる。また、微細液滴を連続して吐出するインクジェット方式の塗布も適用できる。
乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性及び外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限
は30℃である。
は30℃である。
塗工膜厚は、乾燥性、耐摩耗性、耐溶剤性及び耐汚染性の観点から、乾燥後の膜厚として0.5〜300μmが好ましく、更に好ましくは1〜250μmである。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1〜26
[高分子化合物(A−1)〜(A−26)の製造]
温度計、撹拌機、分水器、還流冷却器を備えた反応容器に、表1に記載の構成単位(a1)を形成するモノマーである(a11)及び(a12)、熱ラジカル重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、並びに記載があるものは構成単位(a2)を形成するモノマー(a21)を表1に記載の部数で加え、更にキシレン200部を加えて、常圧下、100℃で15時間反応させた。キシレンを減圧留去した後、フッ素原子を有するアミン化合物(a13)を、表1に記載の部数で加え、減圧下で200℃、10時間、脱水イミド化させることで、高分子化合物(A−1)〜(A−26)を得た。
[高分子化合物(A−1)〜(A−26)の製造]
温度計、撹拌機、分水器、還流冷却器を備えた反応容器に、表1に記載の構成単位(a1)を形成するモノマーである(a11)及び(a12)、熱ラジカル重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、並びに記載があるものは構成単位(a2)を形成するモノマー(a21)を表1に記載の部数で加え、更にキシレン200部を加えて、常圧下、100℃で15時間反応させた。キシレンを減圧留去した後、フッ素原子を有するアミン化合物(a13)を、表1に記載の部数で加え、減圧下で200℃、10時間、脱水イミド化させることで、高分子化合物(A−1)〜(A−26)を得た。
比較例1〜6
[比較用の高分子化合物(A’−1)〜(A’−6)の製造]
(a11)を(a’11)に、(a12)を(a’12)に、(a21)を(a’21)に、(a13)を(a’13)に変更し、表2に記載の部数で加える以外は、実施例1と同様にして、比較用の高分子化合物(A’−1)〜(A’−6)を得た。
[比較用の高分子化合物(A’−1)〜(A’−6)の製造]
(a11)を(a’11)に、(a12)を(a’12)に、(a21)を(a’21)に、(a13)を(a’13)に変更し、表2に記載の部数で加える以外は、実施例1と同様にして、比較用の高分子化合物(A’−1)〜(A’−6)を得た。
尚、表1及び表2の各化合物は、全て東京化成(株)製のものを用いた。
比較例7
温度計、撹拌機、分水器、還流冷却器を備えた反応容器に、1,2,2−トリフルオロエテニルベンゼン100部、熱ラジカル重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部及びキシレン200部を加え、常圧下、100℃で15時間反応させた。キシレンを減圧留去させることで、Mnが20万の比較用の高分子化合物(A’−7)97部を得た。
温度計、撹拌機、分水器、還流冷却器を備えた反応容器に、1,2,2−トリフルオロエテニルベンゼン100部、熱ラジカル重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部及びキシレン200部を加え、常圧下、100℃で15時間反応させた。キシレンを減圧留去させることで、Mnが20万の比較用の高分子化合物(A’−7)97部を得た。
表1、表2及び比較例7に記載のMnは、下記条件にて測定した。
・装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
・溶媒 :N,N’−ジメチルホルムアミド
・基準物質 :ポリスチレン
・サンプル濃度:3mg/ml
・カラム固定相:PLgel MIXED−B
・カラム温度 :40℃
・装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
・溶媒 :N,N’−ジメチルホルムアミド
・基準物質 :ポリスチレン
・サンプル濃度:3mg/ml
・カラム固定相:PLgel MIXED−B
・カラム温度 :40℃
実施例27〜52及び比較例8〜14
実施例1〜26で製造した(A−1)〜(A−26)及び比較例1〜8で製造した(A’−1)〜(A’−7)それぞれ100部と溶剤としてのテトラヒドロフラン400部を一括で配合し、ディスパーサーで均一に混合撹拌し、ポジティブCプレート用組成物(B−1)〜(B−26)及び比較用のポジティブCプレート用組成物(B’−1)〜(B’−7)を作製した。次にこれらのポジティブCプレート用組成物を、厚さ1mmのガラス基板に、アプリケーターを用いて乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布して、30℃で2時間乾燥し、ガラス基板上に本発明のポジティブCプレート(C−1)〜(C−26)及び比較用のポジティブCプレート(C’−1)〜(C’−7)を得た。
実施例1〜26で製造した(A−1)〜(A−26)及び比較例1〜8で製造した(A’−1)〜(A’−7)それぞれ100部と溶剤としてのテトラヒドロフラン400部を一括で配合し、ディスパーサーで均一に混合撹拌し、ポジティブCプレート用組成物(B−1)〜(B−26)及び比較用のポジティブCプレート用組成物(B’−1)〜(B’−7)を作製した。次にこれらのポジティブCプレート用組成物を、厚さ1mmのガラス基板に、アプリケーターを用いて乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布して、30℃で2時間乾燥し、ガラス基板上に本発明のポジティブCプレート(C−1)〜(C−26)及び比較用のポジティブCプレート(C’−1)〜(C’−7)を得た。
実施例53
高分子化合物(A−1)100部を、(A−5)50部及び(A−14)50部に変更する以外は、実施例27と同様にして、本発明のポジティブCプレート(C−27)を得た。
高分子化合物(A−1)100部を、(A−5)50部及び(A−14)50部に変更する以外は、実施例27と同様にして、本発明のポジティブCプレート(C−27)を得た。
[ポジティブCプレートの性能評価方法]
(1)透過率及びヘイズ(透明性)
JIS K7136に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」;BYK gardner(株)製]を用いて透過率及びヘイズを測定した。透過率は、基材であるガラス基板の透過率を減じた値であり、いずれも単位は%である。
(1)透過率及びヘイズ(透明性)
JIS K7136に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」;BYK gardner(株)製]を用いて透過率及びヘイズを測定した。透過率は、基材であるガラス基板の透過率を減じた値であり、いずれも単位は%である。
(2)光学特性
自動複屈折計(RETS−100、大塚電子製)を用いて、波長550nmの光に対する各軸方向の屈折率nx、ny、nz、面内位相差リタデーション(Re)、z軸方向の位相差リタデーション(Rth)及びNZ係数の値を求めた。
自動複屈折計(RETS−100、大塚電子製)を用いて、波長550nmの光に対する各軸方向の屈折率nx、ny、nz、面内位相差リタデーション(Re)、z軸方向の位相差リタデーション(Rth)及びNZ係数の値を求めた。
(3)基材密着性
JIS K5600−5−6に準拠して、碁盤目セロハンテープ剥離試験によってガラス基板に対する密着性を評価した。
JIS K5600−5−6に準拠して、碁盤目セロハンテープ剥離試験によってガラス基板に対する密着性を評価した。
本発明のポジティブCプレート用高分子化合物(A)及び組成物(B)は、これらから形成される皮膜の透明性、光学特性及び基材密着性に優れているため、特にポジティブCプレート製造用の材料として有用であり、前記(A)又は(B)から形成される皮膜であるポジティブCプレートを用いた偏光板及び位相差板は画像表示ディスプレイ用の材料として好適である。
Claims (7)
- スチレン、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、α−オレフィン、1,3−ブタジエン、イソブチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル基を有する化合物、ビニルエステル基を有する化合物及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を重合して得られる構成単位(a2)を更に有する請求項1又は2記載の高分子化合物。
- 請求項1〜3のいずれか記載の高分子化合物と有機溶剤を含有してなるポジティブCプレート用組成物(B)。
- 請求項1〜3のいずれか記載の高分子化合物又は請求項4記載の組成物(B)から形成されるポジティブCプレート(C)。
- 請求項5記載のポジティブCプレート(C)を用いた偏光板又は位相差板。
- 請求項6記載の偏光板又は位相差板を用いた画像表示ディスプレイ。
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