JP2015221782A - モンテルカストナトリウム含有製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明はモンテルカストナトリウムを含有する錠剤で、無包装状態でも湿度及び光に対して安定な錠剤を提供すること。【解決手段】本発明の好適な一形態として、モンテルカストナトリウムと、乳糖ではない希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤を含んでなる素錠に、水溶性高分子及び酸化チタンを含むコーティング剤を、素錠重量に対して7重量%以上コーティングしたフィルムコーティング錠とする。希釈剤としてはD−マンニトールが、結合剤としてはヒドロキシプロピルセルロースが、崩壊剤としてはクロスカルメロースナトリウムと微結晶セルロースの混合物が、滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウムでが、水溶性高分子としてはヒプロメロースがそれぞれ好ましい。コーティング剤は、素錠重量に対して4〜8重量%の水溶性高分子及び1〜3重量%の酸化チタンを含有するのが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明はモンテルカストナトリウム(医薬品一般名)を含んでなる安定なフィルムコーティング錠に関するものである。
モンテルカストナトリウムは、[R−(E)]−1−[[[1−[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル]フェニル]−3−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル]プロピル]チオ]メチル]シクロプロパン酢酸のモノナトリウム塩であり、システイニルロイコトリエンCysLT1受容体を選択的に阻害するロイコトリエン受容体拮抗薬として、気管支喘息の治療及びアレルギー性鼻炎の治療に用いられている。
モンテルカストナトリウムを錠剤として患者に投与する場合は、1錠中にモンテルカストとして5mg又は10mg含有する錠剤が用いられる。しかし、モンテルカストナトリウムは湿度と光に対して不安定であり分解物が生成するという問題を有している。湿度によるモンテルカストナトリウムの分解は防湿容器を使用することにより防止することが可能であり、光による分解は遮光容器を用いることにより防止することが可能である。しかし多くの経口投与製剤は、薬局で包装容器が開封され、簡易的に包装されて患者に手渡される。患者は服用するまでの期間、製剤を簡易包装の状態で保管する。薬剤は患者が服用するまで安定であることが求められるが、簡易包装の状態では湿度や光を完全に遮断することはできない。モンテルカストナトリウムのように湿度や光によって分解する性質を有している薬剤の場合は、無包装の状態でも湿度と光に対して安定である製剤が必要とされる。
特許文献1にはモンテルカストナトリウムの安定な医薬品製剤として、モンテルカスト又はその塩と、希釈剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、湿潤剤、又は流動促進剤のうちの少なくとも1種から選択される、医薬的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物であって、微結晶セルロースを含有しない医薬品組成物の記載がある。しかし、この文献では光に対する安定性については触れられておらず、微結晶セルロースを配合しないことによるモンテルカストナトリウムの安定化も十分とは言えない。
モンテルカストナトリウムを錠剤として患者に投与する場合は、1錠中にモンテルカストとして5mg又は10mg含有する錠剤が用いられる。しかし、モンテルカストナトリウムは湿度と光に対して不安定であり分解物が生成するという問題を有している。湿度によるモンテルカストナトリウムの分解は防湿容器を使用することにより防止することが可能であり、光による分解は遮光容器を用いることにより防止することが可能である。しかし多くの経口投与製剤は、薬局で包装容器が開封され、簡易的に包装されて患者に手渡される。患者は服用するまでの期間、製剤を簡易包装の状態で保管する。薬剤は患者が服用するまで安定であることが求められるが、簡易包装の状態では湿度や光を完全に遮断することはできない。モンテルカストナトリウムのように湿度や光によって分解する性質を有している薬剤の場合は、無包装の状態でも湿度と光に対して安定である製剤が必要とされる。
特許文献1にはモンテルカストナトリウムの安定な医薬品製剤として、モンテルカスト又はその塩と、希釈剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、湿潤剤、又は流動促進剤のうちの少なくとも1種から選択される、医薬的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物であって、微結晶セルロースを含有しない医薬品組成物の記載がある。しかし、この文献では光に対する安定性については触れられておらず、微結晶セルロースを配合しないことによるモンテルカストナトリウムの安定化も十分とは言えない。
本発明はモンテルカストナトリウムを含有するフィルムコーティング錠で、無包装状態でも湿度及び光に対して安定な製剤を提供するものである。
本発明者は鋭意検討した結果、湿度による錠剤中のモンテルカストナトリウムの分解は、意外にも希釈剤として最も一般的に用いられる乳糖によって促進され、乳糖を除外することにより分解が防止されることを見出した。さらに、光による錠剤中のモンテルカストナトリウムの分解は、水溶性高分子及び酸化チタンを含むコーティング剤を、素錠重量に対して6重量%以上素錠の表面にコーティングすることによって防止されることを見出した。こうして本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
(1)素錠中に素錠重量に対して2〜10重量%のモンテルカストナトリウムと70〜90重量%の乳糖ではない希釈剤を含む、錠剤。
(2)モンテルカストナトリウムと乳糖ではない希釈剤、結合剤からなる顆粒を含む、前記(1)に記載の錠剤。
(3)乳糖ではない希釈剤がD−マンニトール、キシリトール、ソルビトール、白糖、デキストリン、デンプンから選ばれる1つ以上である、前記(2)に記載の錠剤、
(4)乳糖ではない希釈剤がD−マンニトールである、前記(2)に記載の錠剤、
(5)結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポビドンから選ばれる1つ以上である、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の錠剤、
(6)結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであり、さらに崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムと微結晶セルロースの混合物を含み、さらに滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを含む、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の錠剤、
(7)水溶性高分子及び酸化チタンを含むコーティング剤を、素錠重量に対して6重量%以上フィルムコーティングした、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の錠剤、
(8)素錠重量に対して1〜3重量%の酸化チタンをコーティング剤中に含む、前記(7)に記載のフィルムコーティング錠、
を提供するものである。
(1)素錠中に素錠重量に対して2〜10重量%のモンテルカストナトリウムと70〜90重量%の乳糖ではない希釈剤を含む、錠剤。
(2)モンテルカストナトリウムと乳糖ではない希釈剤、結合剤からなる顆粒を含む、前記(1)に記載の錠剤。
(3)乳糖ではない希釈剤がD−マンニトール、キシリトール、ソルビトール、白糖、デキストリン、デンプンから選ばれる1つ以上である、前記(2)に記載の錠剤、
(4)乳糖ではない希釈剤がD−マンニトールである、前記(2)に記載の錠剤、
(5)結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポビドンから選ばれる1つ以上である、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の錠剤、
(6)結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであり、さらに崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムと微結晶セルロースの混合物を含み、さらに滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを含む、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の錠剤、
(7)水溶性高分子及び酸化チタンを含むコーティング剤を、素錠重量に対して6重量%以上フィルムコーティングした、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の錠剤、
(8)素錠重量に対して1〜3重量%の酸化チタンをコーティング剤中に含む、前記(7)に記載のフィルムコーティング錠、
を提供するものである。
本発明の錠剤は無包装状態でも湿度及び光に対して安定である。本発明の錠剤は、例えば温度50℃、相対湿度75%の環境下に無包装の状態で3週間保存された場合でも分解物が有意に増加することはない。また本発明の錠剤は、例えば無包装状態で120万lux・hrの光を曝光した場合でも分解物が有意に増加することはない。
本発明に係わる素錠中に含有される乳糖ではない希釈剤は、例えばD−マンニトール、キシリトール、ソルビトール、白糖、デキストリン、デンプン等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはD−マンニトールである。乳糖ではない希釈剤の量は、素錠重量に対して60〜95重量%、好ましくは70〜90重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中の水溶性高分子は、例えばヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはヒプロメロースである。コーティング剤中の水溶性高分子の量は、素錠重量に対して好ましくは4〜8重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中には酸化チタンのほかにタルクを含有することが好ましい。コーティング剤中のタルクの量は、素錠重量に対して好ましくは0.5〜1.5重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中には、三二酸化鉄又は黄色三二酸化鉄等の着色剤、マクロゴール又はトリアセチン等の可塑剤等を含有することができる。
本発明に係わる素錠中に含有される結合剤は、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポビドン等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはヒドロキシプロピルセルロースである。結合剤の量は、素錠重量に対して0.5〜6.0重量%、好ましくは1.0〜4.0重量%である。
本発明に係わる素錠中に含有される崩壊剤は、例えばクロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、カルメロースカルシウム、カルメロース、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはクロスカロメロースナトリウムと微結晶セルロースの混合物である。崩壊剤の量は、素錠重量に対して好ましくは1.0〜10.0重量%である。
本発明に係わる滑沢剤は、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤の量は、素錠重量に対して好ましくは0.1〜2.0重量%である。
本発明に係わる素錠には、さらに流動化剤、着色剤、その他の添加剤を含むことができる。
本発明に係わるコーティング剤中の水溶性高分子は、例えばヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはヒプロメロースである。コーティング剤中の水溶性高分子の量は、素錠重量に対して好ましくは4〜8重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中には酸化チタンのほかにタルクを含有することが好ましい。コーティング剤中のタルクの量は、素錠重量に対して好ましくは0.5〜1.5重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中には、三二酸化鉄又は黄色三二酸化鉄等の着色剤、マクロゴール又はトリアセチン等の可塑剤等を含有することができる。
本発明に係わる素錠中に含有される結合剤は、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポビドン等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはヒドロキシプロピルセルロースである。結合剤の量は、素錠重量に対して0.5〜6.0重量%、好ましくは1.0〜4.0重量%である。
本発明に係わる素錠中に含有される崩壊剤は、例えばクロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、カルメロースカルシウム、カルメロース、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはクロスカロメロースナトリウムと微結晶セルロースの混合物である。崩壊剤の量は、素錠重量に対して好ましくは1.0〜10.0重量%である。
本発明に係わる滑沢剤は、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム等の1種又は2種以上の混合物であり、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤の量は、素錠重量に対して好ましくは0.1〜2.0重量%である。
本発明に係わる素錠には、さらに流動化剤、着色剤、その他の添加剤を含むことができる。
本発明に係わる素錠に含有することのできるモンテルカストナトリウムの量は、好ましくは素錠重量に対して2〜10重量%である。
本発明に係わるコーティング剤の量は、素錠重量に対して6重量%以上、好ましくは7〜12重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中に含有することのできるコーティング剤成分の量は、好ましくは素錠重量に対して、水溶性高分子は4〜8重量%であり、酸化チタンは1〜3重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中に含有することのできるタルクの量は、好ましくは素錠重量に対して0.5〜1.5重量%である。
本発明に係わるコーティング剤の量は、素錠重量に対して6重量%以上、好ましくは7〜12重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中に含有することのできるコーティング剤成分の量は、好ましくは素錠重量に対して、水溶性高分子は4〜8重量%であり、酸化チタンは1〜3重量%である。
本発明に係わるコーティング剤中に含有することのできるタルクの量は、好ましくは素錠重量に対して0.5〜1.5重量%である。
本発明の錠剤の製造法は例えば次の通りである。すなわち、流動層造粒機中にモンテルカストナトリウムと希釈剤を仕込み、精製水に溶解した結合剤をスプレーして造粒した後に乾燥して顆粒となし、これに崩壊剤と滑沢剤を混合して混合末を得、これをロータリー打錠機で圧縮成形して素錠とする。得られた素錠をフィルムコーティング機に仕込み、これに、精製水にコーティング剤を溶解又は懸濁した液をコーティングしてフィルムコーティング錠を得る。
以下に実施例等により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
モンテルカストナトリウムを10.4mg含有し、乳糖を含有しない素錠で、ヒプロメロース、酸化チタン、タルクを含有するコーティング剤を素錠重量に対して7.6重量%コーティングしたフィルム錠について説明する。本発明の錠剤の組成を表1に示す。
製造法は次の通りである。モンテルカストナトリウム20.8gとD−マンニトール329.2gを流動層造粒機(MP−01、パウレック社製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース10gを精製水190gに溶解した液をスプレーして造粒し、乾燥して顆粒を得た。得られた顆粒360gに、クロスカルメロースナトリウム20g、微結晶セルロース8g、ステアリン酸マグネシウム4gを加えて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー打錠機(クリーンプレスコレクト、菊水製作所社製)で重量199mgの錠剤に圧縮成形して素錠を得た。得られた素錠398gをフィルムコーティング機に仕込み、これに、精製水400gにヒプロメロース21.6gを溶解し、酸化チタン6g、タルク2.4g、三二酸化鉄0.021g、黄色三二酸化鉄0.18gを懸濁した液をスプレーして、フィルムコーティング錠を得た。
[実施例1]
モンテルカストナトリウムを10.4mg含有し、乳糖を含有しない素錠で、ヒプロメロース、酸化チタン、タルクを含有するコーティング剤を素錠重量に対して7.6重量%コーティングしたフィルム錠について説明する。本発明の錠剤の組成を表1に示す。
製造法は次の通りである。モンテルカストナトリウム20.8gとD−マンニトール329.2gを流動層造粒機(MP−01、パウレック社製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース10gを精製水190gに溶解した液をスプレーして造粒し、乾燥して顆粒を得た。得られた顆粒360gに、クロスカルメロースナトリウム20g、微結晶セルロース8g、ステアリン酸マグネシウム4gを加えて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー打錠機(クリーンプレスコレクト、菊水製作所社製)で重量199mgの錠剤に圧縮成形して素錠を得た。得られた素錠398gをフィルムコーティング機に仕込み、これに、精製水400gにヒプロメロース21.6gを溶解し、酸化チタン6g、タルク2.4g、三二酸化鉄0.021g、黄色三二酸化鉄0.18gを懸濁した液をスプレーして、フィルムコーティング錠を得た。
[実施例2]
モンテルカストナトリウムを10.4mg含有し、乳糖を含有しない素錠で、ヒプロメロース、酸化チタン、タルクを含有するコーティング剤を素錠重量に対して10.1重量%コーティングしたフィルム錠について説明する。本発明の錠剤の組成を表2に示す。
製造法は次の通りである。モンテルカストナトリウム20.8gとD−マンニトール329.2gを流動層造粒機(MP−01、パウレック社製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース10gを精製水190gに溶解した液をスプレーして造粒し、乾燥して顆粒を得た。得られた顆粒360gに、クロスカルメロースナトリウム20g、微結晶セルロース8g、ステアリン酸マグネシウム4gを加えて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー打錠機(クリーンプレスコレクト、菊水製作所社製)で重量199mgの錠剤に圧縮成形して素錠を得た。得られた素錠398gをフィルムコーティング機に仕込み、これに、精製水533gにヒプロメロース28.8gを溶解し、酸化チタン8g、タルク3.2g、三二酸化鉄0.028g、黄色三二酸化鉄0.24gを懸濁した液をスプレーして、フィルムコーティング錠を得た。
モンテルカストナトリウムを10.4mg含有し、乳糖を含有しない素錠で、ヒプロメロース、酸化チタン、タルクを含有するコーティング剤を素錠重量に対して10.1重量%コーティングしたフィルム錠について説明する。本発明の錠剤の組成を表2に示す。
製造法は次の通りである。モンテルカストナトリウム20.8gとD−マンニトール329.2gを流動層造粒機(MP−01、パウレック社製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース10gを精製水190gに溶解した液をスプレーして造粒し、乾燥して顆粒を得た。得られた顆粒360gに、クロスカルメロースナトリウム20g、微結晶セルロース8g、ステアリン酸マグネシウム4gを加えて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー打錠機(クリーンプレスコレクト、菊水製作所社製)で重量199mgの錠剤に圧縮成形して素錠を得た。得られた素錠398gをフィルムコーティング機に仕込み、これに、精製水533gにヒプロメロース28.8gを溶解し、酸化チタン8g、タルク3.2g、三二酸化鉄0.028g、黄色三二酸化鉄0.24gを懸濁した液をスプレーして、フィルムコーティング錠を得た。
[比較例1]
モンテルカストナトリウムを10.4mg含有し、乳糖を含有する素錠について説明する。本発明の錠剤の組成を表3に示す。
製造法は次の通りである。モンテルカストナトリウム20.8gと乳糖水和物339.6gを流動層造粒機(MP−01、パウレック社製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース9.6gを精製水190gに溶解した液をスプレーして造粒し、乾燥して顆粒を得た。得られた顆粒372gに、ステアリン酸マグネシウム2gを加えて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー打錠機(クリーンプレスコレクト、菊水製作所社製)で重量186mgの錠剤に圧縮成形して素錠を得た。
モンテルカストナトリウムを10.4mg含有し、乳糖を含有する素錠について説明する。本発明の錠剤の組成を表3に示す。
製造法は次の通りである。モンテルカストナトリウム20.8gと乳糖水和物339.6gを流動層造粒機(MP−01、パウレック社製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース9.6gを精製水190gに溶解した液をスプレーして造粒し、乾燥して顆粒を得た。得られた顆粒372gに、ステアリン酸マグネシウム2gを加えて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー打錠機(クリーンプレスコレクト、菊水製作所社製)で重量186mgの錠剤に圧縮成形して素錠を得た。
[比較例2]
モンテルカストナトリウムを10.4mg含有し、乳糖を含有しない素錠で、ヒプロメロース、酸化チタン、タルクを含有するコーティング剤を素錠重量に対して5.1重量%コーティングしたフィルム錠について説明する。本発明の錠剤の組成を表4に示す。
製造法は次の通りである。モンテルカストナトリウム20.8gとD−マンニトール329.2gを流動層造粒機(MP−01、パウレック社製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース10gを精製水190gに溶解した液をスプレーして造粒し、乾燥して顆粒を得た。得られた顆粒360gに、クロスカルメロースナトリウム20g、微結晶セルロース8g、ステアリン酸マグネシウム4gを加えて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー打錠機(クリーンプレスコレクト、菊水製作所社製)で重量199mgの錠剤に圧縮成形して素錠を得た。得られた素錠398gをフィルムコーティング機に仕込み、これに、精製水266gにヒプロメロース14.4gを溶解し、酸化チタン4g、タルク1.6g、三二酸化鉄0.014g、黄色三二酸化鉄0.12gを懸濁した液をスプレーして、フィルムコーティング錠を得た。
モンテルカストナトリウムを10.4mg含有し、乳糖を含有しない素錠で、ヒプロメロース、酸化チタン、タルクを含有するコーティング剤を素錠重量に対して5.1重量%コーティングしたフィルム錠について説明する。本発明の錠剤の組成を表4に示す。
製造法は次の通りである。モンテルカストナトリウム20.8gとD−マンニトール329.2gを流動層造粒機(MP−01、パウレック社製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース10gを精製水190gに溶解した液をスプレーして造粒し、乾燥して顆粒を得た。得られた顆粒360gに、クロスカルメロースナトリウム20g、微結晶セルロース8g、ステアリン酸マグネシウム4gを加えて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー打錠機(クリーンプレスコレクト、菊水製作所社製)で重量199mgの錠剤に圧縮成形して素錠を得た。得られた素錠398gをフィルムコーティング機に仕込み、これに、精製水266gにヒプロメロース14.4gを溶解し、酸化チタン4g、タルク1.6g、三二酸化鉄0.014g、黄色三二酸化鉄0.12gを懸濁した液をスプレーして、フィルムコーティング錠を得た。
[試験例1]
実施例1及び2で製造した錠剤及び比較例1で製造した錠剤について、無包装状態における湿度による安定性を測定した。錠剤を温度50℃、相対湿度75%の環境下に無包装状態で3週間保存し、分解物の生成量を測定した。分解物量はHPLC法で測定し、分解物の総量を面積百分率法で求めた。結果を表5に示した。
素錠中に乳糖を含有しない実施例1及び2の錠剤は、素錠中に乳糖を含有する比較例1の錠剤に比較して分解物の増加量が有意に少なく、本発明の錠剤が湿度に対して安定であることが明らかとなった。
実施例1及び2で製造した錠剤及び比較例1で製造した錠剤について、無包装状態における湿度による安定性を測定した。錠剤を温度50℃、相対湿度75%の環境下に無包装状態で3週間保存し、分解物の生成量を測定した。分解物量はHPLC法で測定し、分解物の総量を面積百分率法で求めた。結果を表5に示した。
素錠中に乳糖を含有しない実施例1及び2の錠剤は、素錠中に乳糖を含有する比較例1の錠剤に比較して分解物の増加量が有意に少なく、本発明の錠剤が湿度に対して安定であることが明らかとなった。
[試験例2]
実施例1及び2で製造した錠剤及び比較例2で製造した錠剤について、無包装状態における光による安定性を測定した。錠剤に無包装状態で120万lux・hrの光を曝光させ、分解物の生成量を測定した。分解物量はHPLC法で測定し、分解物の総量を相対面積法で求めた。結果を表6に示した。
コーティング剤量が素錠重量に対して6重量%以上である実施例1及び2の錠剤は、コーティング剤量が素錠重量に対して6重量%未満である比較例2の錠剤に比較して、分解物の増加量が有意に少なく、本発明の錠剤が光に対して安定であることが明らかとなった。
実施例1及び2で製造した錠剤及び比較例2で製造した錠剤について、無包装状態における光による安定性を測定した。錠剤に無包装状態で120万lux・hrの光を曝光させ、分解物の生成量を測定した。分解物量はHPLC法で測定し、分解物の総量を相対面積法で求めた。結果を表6に示した。
コーティング剤量が素錠重量に対して6重量%以上である実施例1及び2の錠剤は、コーティング剤量が素錠重量に対して6重量%未満である比較例2の錠剤に比較して、分解物の増加量が有意に少なく、本発明の錠剤が光に対して安定であることが明らかとなった。
本発明によれば、気管支喘息の治療及びアレルギー性鼻炎の治療に有用なモンテルカストナトリウムを含有する優れた品質の製剤を、医療現場に提供することができる。
Claims (8)
- 素錠中に素錠重量に対して2〜10重量%のモンテルカストナトリウムと70〜90重量%の乳糖ではない希釈剤を含む、錠剤。
- モンテルカストナトリウムと乳糖ではない希釈剤、結合剤からなる顆粒を含む、請求項1に記載の錠剤。
- 乳糖ではない希釈剤がD−マンニトール、キシリトール、ソルビトール、白糖、デキストリン、デンプンから選ばれる1つ以上である、請求項2に記載の錠剤、
- 乳糖ではない希釈剤がD−マンニトールである、請求項2に記載の錠剤、
- 結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポビドンから選ばれる1つ以上である、請求項2〜4のいずれかに記載の錠剤、
- 結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであり、さらに崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムと微結晶セルロースの混合物を含み、さらに滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを含む、請求項2〜4のいずれかに記載の錠剤、
- 水溶性高分子及び酸化チタンを含むコーティング剤を、素錠重量に対して6重量%以上フィルムコーティングした、請求項1〜5のいずれかに記載の錠剤、
- 素錠重量に対して1〜3重量%の酸化チタンをコーティング剤中に含む、請求項7に記載のフィルムコーティング錠、
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015090741A JP2015221782A (ja) | 2014-04-28 | 2015-04-27 | モンテルカストナトリウム含有製剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014092504 | 2014-04-28 | ||
JP2014092504 | 2014-04-28 | ||
JP2015090741A JP2015221782A (ja) | 2014-04-28 | 2015-04-27 | モンテルカストナトリウム含有製剤 |
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