JP2015219941A - 電解質組成物溶液の製造方法、電解質組成物溶液、電解質膜、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

電解質組成物溶液の製造方法、電解質組成物溶液、電解質膜、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】透明で、経時安定性に優れる電解質組成物溶液を生産性よく得ることのできる電解質組成物溶液の製造方法、及び該製造方法により得られる電解質組成物溶液、並びに該電解質組成物溶液を用いた、電解質膜、及び固体高分子電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】酸性官能基を有する化合物(a)を含む溶液(A)及び塩基性官能基を有する化合物(b)を含む溶液(B)をそれぞれ連続的に混合ユニットに供給する供給工程と、
前記溶液(A)及び前記溶液(B)を前記混合ユニット内で混合して、電解質組成物溶液を得る混合工程と、を有し、
前記混合ユニット内の線速度が、0.020m/sec以上5.0m/sec以下である、電解質組成物溶液の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質組成物溶液の製造方法、及び該製造方法により得られる電解質組成物溶液、並びに該電解質組成物溶液を用いた、電解質膜、及び固体高分子電解質型燃料電池に関する。
近年、固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に「燃料電池」ともいう。)の電解質膜及び電極への需要が大きくなっている。スルホン酸型官能基(SO3H)を有するフッ素系高分子電解質としては、代表的なものとしてNafion(登録商標)Dispersion Solution(米国DuPont社製)、Aciplex(登録商標)−SS(旭化成ケミカルズ株式会社製)等が挙げられる。このような高分子電解質膜は、塩基性化合物と混合させることにより性能が向上することが知られている。しかしながら、酸性化合物である高分子電解質の溶液に塩基性化合物の溶液を混合させると、難溶性の大きなサイズの沈殿が形成され、均一で透明な溶液を得ることは難しく、従って均一な膜を得ることも困難である。特許文献1では、一方の液にもう一方の液を添加するバッチプロセスにて透明な溶液を得る方法が記載されている。
WO2006/028190
しかしながら、特許文献1では、局所的な濃度分布が生じないようにゆっくりとあるいは十分に撹拌しながら添加すること、及び、均一性を高めるために高分子電解質組成物溶液を少なくても2回に分けて、塩基性化合物溶液に添加することが好ましいと教示されており、連続的に混合して製造する生産性の高い方法は達成されていない。このように、従来の方法は、工業的な製造方法としては完済されたものとは言い難く、改善の余地がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、透明で、経時安定性に優れる電解質組成物溶液を生産性よく得ることのできる電解質組成物溶液の製造方法、及び該製造方法により得られる電解質組成物溶液、並びに該電解質組成物溶液を用いた、電解質膜、及び固体高分子電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討した結果、特定の条件下で混合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
酸性官能基を有する化合物(a)を含む溶液(A)及び塩基性官能基を有する化合物(b)を含む溶液(B)をそれぞれ連続的に混合ユニットに供給する供給工程と、
前記溶液(A)及び前記溶液(B)を前記混合ユニット内で混合して、電解質組成物溶液を得る混合工程と、を有し、
前記混合ユニット内の線速度が、0.020m/sec以上5.0m/sec以下である、電解質組成物溶液の製造方法。
〔2〕
前記供給工程において、
前記混合ユニット内に入る直前の線速度比(前記溶液(B)の線速度/前記溶液(A)の線速度)が、0.50以上500以下である、前項〔1〕に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔3〕
前記混合工程において、前記混合ユニットで瞬間的に混合する、前項〔1〕又は〔2〕のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔4〕
前記供給工程において、前記溶液(A)及び前記溶液(B)を送液ポンプで供給する、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔5〕
前記化合物(a)が、スルホン酸基を含む高分子電解質を含む、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔6〕
前記高分子電解質が、フッ素系高分子電解質を含む、前項〔5〕に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔7〕
前記化合物(b)が、ポリアゾール系化合物を含む、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔8〕
前記供給工程前に、ポリアゾール系化合物及びアルカリ金属水酸化物を、プロトン性溶媒に溶解して前記溶液(B)を調製する調整工程をさらに有する、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔9〕
前記ポリアゾール系化合物が、ポリイミダゾール系化合物、ポリベンゾイミダゾール系化合物、ポリベンゾビスイミダゾール系化合物、ポリベンゾオキサゾール系化合物、ポリオキサゾール系化合物、ポリチアゾール系化合物及びポリベンゾチアゾール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、前項〔8〕に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔10〕
前記ポリアゾール系化合物が、ポリベンゾイミダゾール系化合物を含む、前項〔9〕に記載の電解質組成物溶液の製造方法
〔11〕
前記混合工程後に、前記電解質組成物溶液をイオン交換処理するイオン交換工程をさらに含む、前項〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
〔12〕
前項〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法により得られる、電解質組成物溶液。
〔13〕
前項〔12〕に記載の電解質組成物溶液により得られる、電解質膜。
〔14〕
前項〔13〕に記載の電解質膜を有する、膜電極接合体。
〔15〕
前項〔14〕に記載の膜電極接合体を有する、固体高分子電解質型燃料電池。
本発明によれば、透明で、経時安定性に優れる電解質組成物溶液を生産性よく得ることのできる電解質組成物溶液の製造方法、及び該製造方法により得られる電解質組成物溶液、並びに該電解質組成物溶液を用いた、電解質膜、及び固体高分子電解質型燃料電池を提供することができる。
本実施形態の電解質組成物溶液の製造方法を実施するための装置の概略を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔電解質組成物溶液の製造方法〕
本実施形態の電解質組成物溶液の製造方法は、
酸性官能基を有する化合物(a)を含む溶液(A)及び塩基性官能基を有する化合物(b)を含む溶液(B)をそれぞれ連続的に混合ユニットに供給する供給工程と、
前記溶液(A)及び前記溶液(B)を前記混合ユニット内で混合して、電解質組成物溶液を得る混合工程と、を有し、
前記混合ユニット内の線速度が、0.020m/sec以上5.0m/sec以下である。
酸性官能基を有する化合物(a)と塩基性官能基を有する化合物(b)とを混合する際、混合性が悪いと、難溶性の大きなサイズの沈殿を作り、透明性の低い電解質組成物溶液となる。本発明者らが鋭意検討した結果、驚くべきことに混合ユニットである線速度範囲で連続的に混合することで、難溶性の大きなサイズの沈殿を作ることなく、透明で経時的に安定な電解質組成物溶液を得られることを見出した。これにより、本製造法は、生産性の高いプロセスとなりうる。
図1に、本実施形態の電解質組成物溶液の製造方法を実施するための装置の概略を示す。図1に示されるように、溶液(A)と、溶液(B)は、供給ユニットを介して、連続的に混合ユニットに供給され、供給された溶液(A)及び溶液(B)は混合ユニット内を所定の線速度で通過し、混合ユニットから電解質組成物溶液が排出される。このように、2液を混合することにより、透明な溶液を得ることができる。
〔調整工程〕
電解質組成物溶液の製造方法は、供給工程前に、化合物(b)であるポリアゾール系化合物及びアルカリ金属水酸化物を、プロトン性溶媒に溶解して溶液(B)を調製する調整工程を含んでいてもよい。このような調製工程を有することにより、化合物(b)の溶解性がより向上する傾向にある。
溶液(B)の調製方法としては、特に限定されないが、例えば、化合物(b)を溶媒に溶解する方法、化合物(b)及びその他の成分を溶媒に溶解する方法が挙げられる。
また、調製工程においては、化合物(a)を溶媒に溶解する方法、化合物(a)及びその他の成分を溶媒に溶解する方法により溶液(A)を調製してもよい。
〔供給工程〕
供給工程は、酸性官能基を有する化合物(a)を含む溶液(A)及び塩基性官能基を有する化合物(b)を含む溶液(B)をそれぞれ連続的に混合ユニットに供給する工程である。
「連続的に供給する」とは、供給開始から終了までの間、液を絶やすことなく供給し続けることをいう。その間、送液量は、一定でもよいし、変動させてもよい。
溶液(A)及び溶液(B)の供給方法としては、特に限定されないが、例えば、圧気やポンプなどを用いて送液する方法が挙げられる。このなかでも、生産性の観点から送液ポンプを用いて供給することが好ましい。送液ポンプとしては、特に限定されないが、例えば、ターボ型ポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、ギアポンプ、ベーンポンプ、ねじポンプなどが挙げられる。このなかでも、生産性の観点から、定量性が高く、大流量で、吐出圧の高いポンプ、例えばプランジャーポンプやダイヤフラムポンプが好ましい。また、脈動を抑えるため、多連式のポンプやアキュムレーターを用いるとなおよい。
混合ユニット内に入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は、好ましくは0.50以上500以下であり、より好ましくは1.0以上400以下であり、さらに好ましくは10以上300以下であり、よりさらに好ましくは50以上200以下である。線速度比が0.50以上であることにより、電解質組成物溶液の透明性がより向上する傾向にある。また、線速度比が500以下であることにより、混合ユニットの圧力損失がより減少する傾向にある。混合ユニット内に入る直前の線速度比は、各々の流量を、該ユニットに入る直前の各々の断面積で割りかえすことで線速度を算出し、溶液(B)の線速度を、溶液(A)の線速度で割ることで算出することができる。また、線速度比は、特に限定されないが、例えば、溶液(A)と溶液(B)の流量比の変更や、混合ユニット内に入る直前の導入部の径を溶液(A)の入口と溶液(B)の入口で変えることにより調整することができる。また、二重管構造を有する導入部を用いて調整してもよい。
混合ユニットとしては、特に限定されないが、例えば、インラインタービン式ミキサーやインラインプロペラ型ミキサー、インラインホモジナイザー、インラインローターステーター式ミキサー、コロイドミル、スタティックミキサーなどの各種インラインミキサーや単管、チューブ、またそれらに充填物をつめたものなどが挙げられる。なお、(A)溶液と(B)溶液の2液を、混合ユニットへ導入する方法は特に限定されない。ユニオンティを用いてもよいし、導入部に二重管構造を用いてもよい。
(溶液(A))
溶液(A)は、酸性官能基を有する化合物(a)を含み、必要に応じて、その他の成分及び/又は溶媒を含んでもよい。化合物(a)の有する酸性官能基としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、及びホスホン酸基が挙げられる。また、化合物(a)は、特に限定されないが、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、及びホスホン酸塩のような塩の状態であってもよい。このような化合物(a)としては、特に限定されないが、燃料電池の性能の観点から、スルホン酸基を含む高分子電解質が好ましい。
スルホン酸基を有する高分子電解質としては、特に限定されないが、例えば、高分子の主鎖に、又は主鎖と側鎖に芳香環を有しており、該芳香環にスルホン酸基が導入された構造を有する高分子化合物などが挙げられる。具体的には、スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリベンゾオキサゾール、スルホン化ポリベンゾチアゾール、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリフェニレンスルホン、スルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化ポリフェニレンスルホキシド、スルホン化ポリフェニレンサルファイド、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトンケトン、スルホン化ポリイミド等が挙げられる。また、スルホン酸塩といった、酸性官能基を有する化合物の塩を用いてもよい。
また、耐熱性の観点から、スルホン酸基を有する高分子電解質は、フッ素系高分子電解質であることが好ましい。このようなフッ素系高分子電解質としては、特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位と、を含む共重合体、及び/又は、下記式(1)で表される繰り返し単位と、分岐構造及び/又は環構造を有する繰り返し単位と、を含む共重合体が好ましい。このようなフッ素系高分子電解質を用いることにより、燃料電池の性能がより向上する傾向にある。
−(CFZ−CF2)− (1)
(式(1)中、Zは、H、Cl、F、又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。)
−(CF2−CF(−O−(CF2CF(CF3)O)n−(CF2m−SO3H))− (2)
(式(2)中、mは0〜12の整数であり、nは0〜2の整数である。ただし、m及びnは同時に0にならない。)
式(1)において、ZがFであることが好ましい。また、式(2)において、mが0〜4であり、nが0〜1であることが好ましい。式(2)において、nが0であり、mが2であることがより好ましい。このようなフッ素系高分子電解質は側鎖の構造が短くなる傾向にあるため、得られる高分子電解質の結晶性が向上する傾向にある。これにより、本実施形態で得られる電解質組成物溶液から作製した電解質膜等の耐熱性や機械的強度がより向上する傾向にある。
分岐構造及び/又は環構造を有する繰り返し単位としては、特に限定されないが、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。フッ素系高分子電解質がこのような繰り返し単位を含むことで、膜としての機械的強度がより向上し、又はバインダー中の酸素透過性がより向上する傾向にあり、その結果、燃料電池の発電性能がより向上する傾向にある。
−(CF2−CF(−(CF2n−O−(CF2P−CF(−Oq−(CF2K−W)(−(CF2L−O−(CF2m−W))−
(上記式中、nは0〜1の整数、pは0〜2の整数、qは0〜1の整数、mは1〜6の整数、Kは1〜6の整数であり、Lは0〜5の整数であり、KとLは同じでも異なっていてもよい。Wは加水分解によりSO3Hに転換し得る官能基を示す。)
尚、フッ素系高分子電解質のポリマー鎖末端は、特許公報4015168に記載されたフッ素化処理方法により処理されたものであってもよい。
化合物(a)の含有量は、溶液(A)の総量100質量%に対して、好ましくは3〜60質量%であり、より好ましくは5〜50質量%であり、さらに好ましくは7〜40質量%である。化合物(a)の含有量が3質量%以上であることにより、生産性がより向上する傾向にある。また、化合物(a)の含有量が60質量%以下であることにより、得られる電解質組成物溶液の透明性がより向上する傾向にある。
また、溶液(A)は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、−(R−S)n−(Sはイオウ原子、Rは炭化水素基、nは1以上の整数)で表されるチオエーテル基を有する化合物が挙げられる。このようなチオエーテル基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルチオエーテル、ジエチルチオエーテル、ジプロピルチオエーテル、メチルエチルチオエーテル、メチルブチルチオエーテルのようなジアルキルチオエーテル;テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロアピランのような環状チオエーテル;メチルフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジベンジルスルフィドのような芳香族チオエーテル等が挙げられる。チオエーテル基を有する化合物は、単量体で用いてもよいし、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)のような重合体で用いてもよい。
その他の成分の含有量は、溶媒を除いた化合物(a)とその他の成分の総量100質量%に対して、好ましくは0.010〜50質量%であり、より好ましくは1.0〜30質量%であり、さらに好ましくは2.0〜20質量%である。
化合物(a)の当量質量は、好ましくは300〜1500g/eqであり、より好ましくは400〜1200g/eqであり、さらに好ましくは450〜1000g/eqであり、よりさらに好ましくは500〜900g/eqである。当量質量が300g/eq以上であることにより、発電特性により優れる電解質膜等を得ることができる電解質組成物溶液が得られる傾向にある。また、当量質量が1500g/eq以下であることにより、吸水性がより低く機械的強度により優れる電解質膜等を得ることができる電解質組成物溶液が得られる傾向にある。なお、当量質量は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
溶液(A)に含まれうる溶媒としては、特に限定されないが、電解質組成物溶液の生産性の観点から、水を含む溶媒を含むことが好ましい。水を含む溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水のみでもよいし、水と有機溶媒の混合溶媒を用いてもよい。用い得る有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アルコール類等のプロトン性有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性溶媒等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記アルコール類としては、特に限定されないが、例えば、低沸点である炭素数1〜3のアルコールが好ましい。低沸点である炭素数1〜3のアルコールとしては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及びグリセリンからなる群より選ばれる1種類以上のアルコールが挙げられる。その中でも特にエタノールと1−プロパノールが好ましい。このようなアルコール類を用いることにより、電解質組成物溶液中のフッ素系高分子電解質の分散性がより高くなる傾向にあり、またフッ素系高分子電解質との親和性がより高くなる傾向にある。上記アルコールは1種類で用いても、2種類以上を併用してもよい。
(溶液(B))
溶液(B)は、塩基性官能基を有する化合物(b)を含み、必要に応じて、その他の成分及び/又は溶媒を含んでもよい。化合物(b)の有する塩基性官能基としては、特に限定されないが、例えば、アミノ基(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アミン(アンモニウム塩))、ピリジル基、アジリジン基、イミダゾイル基が挙げられる。このような化合物(b)としては、特に限定されないが、燃料電池の性能の観点から、ポリアゾール系化合物であることが好ましい。
ポリアゾール系化合物としては、環内に窒素原子1個以上を含む複素五員環化合物の重合体であれば特に限定されず、窒素以外に酸素及び/又はイオウを含むものであってもよい。具体的には、ポリイミダゾール系化合物、ポリベンズイミダゾール系化合物、ポリベンゾビスイミダゾール系化合物、ポリベンゾオキサゾール系化合物、ポリオキサゾール系化合物、ポリチアゾール系化合物及びポリベンゾチアゾール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。また、これらの内でポリアゾール系化合物の溶解性から、分子構造中に少なくとも「−NH−」基及び/又は「=N−」基を有するものが好ましく、少なくとも「−NH−」基を有するものが特に好ましい。また、塩基性官能基を有する化合物の塩を用いてもよい。
また、ポリアゾール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、環内に窒素原子1個以上を含む複素五員環化合物がp−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレンエーテル基、ジェニレンスルホン基、ビフェニレン基、ターフェニル基及び2,2−ビス(4−カルボキシフェニレン)ヘキサフルオロプロパン基などの2価の芳香族基と結合した化合物を繰り返し単位とする重合体であることが耐熱性を得る上で好ましく、具体的にはポリベンズイミダゾール系化合物からなるポリアゾール系化合物が好ましく、ポリ[2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]等がさらに好ましい。
また、ポリアゾール系化合物は下記の一般的な変性方法を用いて、イオン交換基が導入されていてもよい。イオン交換基としては、特に限定されないが、例えば、アミノ基、四級アンモニウム基、カルボキシル基、スルホン酸基及びホスホン酸基などが挙げられる。また、アニオン性のイオン交換基をポリアゾール樹脂に導入することにより、電解質膜全体のイオン交換容量を増加させることができ、結果的に燃料電池運転時の出力がより向上する傾向にある。
このポリアゾール系化合物へのイオン交換基の導入量は、イオン交換容量として、好ましくは0.10〜1.5meq/gであり、より好ましくは0.2〜1.4meq/gであり、さらに好ましくは0.3〜1.3meq/gである。尚、上述のポリアゾール系化合物及び変性ポリアゾール系化合物は、1種類で用いてもよく、任意の2種類以上を混合させて使用することもできる。
変性ポリアゾール系化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ポリアゾールに発煙硫酸、濃硫酸、無水硫酸又はそれらの錯体;プロパンサルトンなどのスルトン類;又はα−ブロモトルエンスルホン酸又はクロロアルキルホスホン酸などを用いて、ポリアゾール系化合物にイオン交換基を導入する方法、イオン交換基を有するポリアゾール系化合物のモノマーを重合する方法が挙げられる。
化合物(b)の含有量は、溶液(B)の総量100質量%に対して、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.2〜40質量%であり、さらに好ましくは0.3〜30質量%である。化合物(b)の含有量が0.1質量%以上であることにより、生産性がより向上する傾向にある。また、化合物(b)の含有量が50質量%以下であることにより、得られる電解質組成物溶液の透明性がより向上する傾向にある。
溶液(B)で用い得るその他の成分としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属水酸化物が挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては、特に限定されないが、例えば、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH及びFrOHなどの一価のアルカリ金属水酸化物が挙げられ、中でも、NaOH及びKOHがポリアゾール系化合物の溶解性の面から好ましい。
添加するアルカリ金属水酸化物の量は、ポリアゾール系化合物の複素環中に存在する窒素の全当量数に対して、好ましくは1倍当量以上100倍当量以下であり、より好ましくは2〜50倍当量である。添加するアルカリ金属水酸化物の量が1倍当量以上であることにより、ポリアゾール系化合物の溶解性が向上し、ポリアゾール系化合物の未溶解物が生じ難い傾向にある。また、添加するアルカリ金属水酸化物の量が100倍当量以下であることにより、アルカリ金属水酸化物の沈殿が生じ難い傾向にある。
溶液(B)で用い得る溶媒としては、特に限定されないが、例えば、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
プロトン性溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−へプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパンギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチル−シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、α−テルピネオール、アビエチノール及びフーゼル油のような脂肪族アルコール類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(へキシルオキシ)エタノール、2−フェノキシエタノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ジアセトンアルコール、2−クロロエタノール、1−クロロ−2−プロパノール、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジクロロ−2−プロパンノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、3−ヒドロキシプロピオノニトリル及び2,2’−チオジエタノールのような2つ以上の官能基を有するアルコール類;1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール及び1,2,6−ヘキサントリオールのようなジオール類;フェノール、クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール及びキシレノール類のようなフェノール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸及びオレイン酸のような脂肪酸;硫酸、硝酸及び塩酸のような無機酸等がある。また、これらに少量のアルキルアミンあるいはアンモニアを更に添加してもよい。
〔混合工程〕
混合工程は、溶液(A)及び溶液(B)を混合ユニット内で混合して、電解質組成物溶液を得る工程である。特に、混合ユニットで瞬間的に混合することが好ましい。「混合」とは、溶液(A)及び溶液(B)を均一に混ぜることをいう。「瞬間的に混合」とは、混合ユニット内の滞留時間が、好ましくは0.0010秒以上60秒以内であり、より好ましくは0.01秒以上50秒以内であり、好ましくは0.1秒以上40秒以内であることをいう。滞留時間は、供給排出方法を制御することにより調整することができる。
なお、線速度は、0.020m/sec以上5.0m/sec以下であり、好ましくは0.10m/sec以上4.0m/sec以下であり、より好ましくは0.20m/sec以上3.0m/sec以下であり、さらに好ましくは0.40m/sec以上2.0m/sec以下である。線速度が0.020m/sec以上であることにより、得られる電解質組成物溶液の透明性がより向上する傾向にある。また、線速度が5.0m/sec以下であることにより、均一で経時安定性に優れる電解質組成物溶液を得ることができる。線速度は、混合ユニットでの流速を混合ユニットの断面積で割ることで算出することができる。線速度は、供給排出方法を制御することにより調整することができる。
ここで、「透明」とは、固形分5.0%濃度における、800nmの光の透過率が、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であるものをいう。800nmの光の透過率が60%以上であることにより、燃料電池の性能がより向上する傾向にある。なお、800nmの光の透過率は、前記溶液(A)及び前記溶液(B)の混合の仕方により制御することができる。また、800nmの光の透過率は、実施例に記載の方法により測定することができる。また、経時安定性とは、25℃で1週間静置した際に、沈殿物や沈殿層が生じないことをいう。
〔イオン交換工程〕
本実施形態の電解質組成物溶液の製造方法は、混合工程後に、電解質組成物溶液をイオン交換処理するイオン交換工程を含むことが好ましい。電解質組成物溶液を、さらにイオン交換樹脂やイオン交換膜等でイオン交換処理することで、実質的にアルカリ金属やハロゲンなどを除去した電解質組成物溶液を得ることが可能である。このような電解質組成物溶液を成膜した電解質膜は、さらに後段で酸洗浄の工程を経なくとも高い電気特性を発揮する傾向にある。
ここで使用されるイオン交換樹脂は、イオン交換能を持つ樹脂であれば特に限定されるものではないが、上記で電解質組成物溶液を作製する際に使用する溶媒に実質的に溶解しないものであることが好ましい。また、アルカリ金属成分を除去する能力をより効果的に発揮するためには、強酸性陽イオン交換樹脂であることがより好ましい。このような強酸性陽イオン交換樹脂としては、スルホン酸基などを樹脂内に持つものが例示され、なかでもスルホン酸基を有する架橋された陽イオン交換樹脂が特に好ましい。
イオン交換樹脂の形態としては、特に限定されないが、例えば、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型及び担体担持型イオン交換樹脂などが例示される。処理後の電解質組成物溶液からの陽イオン交換樹脂の分離を容易にするためには、塊状あるいはビーズ状のイオン交換樹脂がより好ましい。
より具体的なイオン交換樹脂の市販品としては、ダイヤイオンSKシリーズ、PKシリーズ、HPK25など(三菱化学社)、アンバーライトIR120B、200CTなど(オルガノ社)、ダウエックス(ダウ・ケミカル社)などが挙げられる。さらには、上述の陽イオン交換樹脂の2成分以上のものを逐次あるいは同時に使用してもよい。
電解質組成物溶液をイオン交換樹脂で処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、電解質組成物溶液中に陽イオン交換樹脂を投入する方法が挙げられる。この場合、必要に応じて溶液を加熱してもよい。また、イオン交換処理中、攪拌を行うことが、アルカリ金属性分の除去効率を高めるためにより好ましい。イオン交換樹脂とアルカリ金属性分の結合が充分に強く、再度溶出することがなければ、この状態の混合溶液をそのまま成膜に用いてもよいが、一般にはこの処理の後、溶液とイオン交換樹脂を分離する工程を経ることがより好ましい。
分離の方法としては、固体と液体を分離する一般的な方法であれば特に限定されないが、例えば、デカンテーションにより上澄みの溶液を回収する方法、濾紙あるいは濾布あるいは多孔性のフィルターなどを用いて濾別する方法、遠心分離により分離する方法、陽イオン交換樹脂を充填したカラムを作製し、そのカラム中に溶液を通過させる方法、イオン交換膜を用いて透析を行う方法などが挙げられる。また、これらの陽イオン交換樹脂は再生されリサイクルされることが好ましい。カラム中に溶液を通過させる方法の場合、処理効率をあげるために、圧力をかけて溶液を送液することも可能である。
使用するイオン交換樹脂と処理する溶液の量比は、希望するアルカリ金属成分の除去度合いによって異なるが、本発明の効果をより明確にする観点から、実質的にアルカリ金属成分を溶液中から、極力除去することが好ましく、特に成膜した際に膜強度を低下させないレベルまで除去することが好ましい。その場合には、陽イオン交換樹脂の当量数(モル比)は、処理する溶液の総量中に含まれるアルカリ金属成分の当量数(モル比)に対し、好ましくは1.0以上であり、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上である。
また、陽イオン交換膜を用いて透析を行う方法において用いる膜としては、特に限定されないが、例えば、陽イオン交換膜が好ましい。このような陽イオン交換膜としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロスルホン酸膜、パーフルオロカルボン酸膜及びスチレンスルホン酸膜などが挙げられる。透析方法としては、特に限定されないが、例えば、濃度差を利用した透析法、必要に応じて陽イオン交換膜によって隔離された隔室間に電位をかけた電気透析法が挙げられる。
また、上記の陽イオン交換樹脂処理と陽イオン交換膜による透析処理を組み合わせて処理してもよい。また、場合により、他の公知の透析膜(セルロース又はパーチメント系など)で、電解質組成物溶液中のアゾール成分及び化合物(a)成分の合計当量以上のアルカリ金属成分を除去し、残りのアルカリ金属成分を該イオン交換樹脂及び、又は該イオン交換膜による透析法で除去してもよい。
このようにして得られた、アルカリ金属成分を低減したあるいは実質的に除去した電解質組成物溶液はそのまま製膜してもよいし、必要に応じてさらに濃縮あるいは希釈あるいはそれらの組み合わせを行なうなどして固形分濃度あるいは溶媒組成の調整を行ってもよい。
〔電解質組成物溶液〕
本実施形態の電解質組成物溶液は、上記電解質組成物溶液の製造方法により得られるものである。電解質組成物溶液中においては、化合物(a)の一部と化合物(b)の一部が反応している状態、より具体的には、フッ素系高分子電解質の一部とポリアゾール系化合物の一部が反応している状態(例えば、イオン結合して、酸塩基のイオンコンプレックスを形成している状態などの、化学結合している状態)がより好ましい。具体的には、電解質膜において説明する。
〔電解質膜〕
本実施形態の電解質膜は、上記電解質組成物溶液により得られるものである。電解質膜中においては、化合物(a)の一部と化合物(b)の一部が反応している状態、より具体的には、フッ素系高分子電解質の一部とポリアゾール系化合物の一部が反応している状態(例えば、イオン結合して、酸塩基のイオンコンプレックスを形成している状態などの、化学結合している状態)がより好ましい。上記の例としてはフッ素系高分子電解質のスルホン酸基が、ポリアゾール系化合物中のイミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基等の各反応基中の窒素にイオン結合している場合が挙げられる。
化合物(a)の一部と化合物(b)の一部とが反応しているか否かは、フーリエ変換赤外分光計(Fourier−Transform Infrared Spectrometer)(以下、「FT−IR」ともいう)を用いて確認することができる。つまり、電解質組成物溶液を用いて得られた電解質膜をFT−IRで測定したときに、化合物(a)及び化合物(b)、より具体的には、フッ素系高分子電解質及びポリアゾール系化合物の本来のピークからシフトしたピークを観察することにより、フッ素系高分子電解質の少なくとも一部が、ポリアゾール系化合物の一部と反応している状態があると判定することができる。例えば、ポリアゾール系化合物にポリ[2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール](以下、「PBI」ともいう。)を使用した場合には、フッ素系高分子電解質中のスルホン基とPBI中のイミダゾール基の化学結合に由来するシフトした吸収ピークが1458cm−1付近、1567cm−1付近又は1634cm−1付近に認められる。
また、これらの吸収ピークがあり、化学結合の生じた電解質膜を、動的粘弾性試験で測定すると、室温から200℃の昇温過程で得られた損失正接Tan δのピーク温度(Tg)は、ポリアゾール系化合物を添加せず、吸収ピークのない電解質膜に比較して、高くなる。このTgの上昇は、フッ素系高分子電解質のスルホン酸基が金属イオンや有機物イオンによって、化学結合が生じた場合に起こる。本実施形態においては、ポリアゾール系化合物に前述のPBIを使用した場合には、フッ素系高分子電解質のスルホン酸基にPBI中のイミダゾール基中の窒素が化学結合した結果、主鎖であるフッ素系高分子電解質の一部を拘束することで、Tgが高くなると考えられる。すなわち、この化学結合は、フッ素系高分子電解質の一部を拘束し、架橋点の効果を生み、耐水性及び耐熱性の向上や機械強度の向上に寄与する。その為、電池運転時の耐久性の向上に効果を示すと思われる。
電解質膜の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記電解質組成物溶液を基材に塗布する工程と、基材に塗布した電解質組成物溶液を乾燥させて電解質膜を得る工程と、電解質膜を基材から剥離する工程と、を含む製造方法が挙げられる。
上記の電解質膜の製造方法は、キャスト製膜と呼ばれる方法であり、例えば、シャーレ等の容器に電解質を展開し、必要に応じてオーブン等の中で加熱することにより溶媒を少なくとも部分的に留去した後、容器から剥がす等して膜状体を得る方法である。
また、キャスト製膜の他の方法としては、特に限定されないが、例えば、ガラス板又はフィルム等の基材に電解質組成物溶液を厚みが均一になるように、ブレード、エアナイフ又はリバースロールといった機構を有するブレードコーター、グラビアコーター又はコンマコーター等の装置によって膜厚を制御しながらキャスト成膜して枚葉の塗工膜を形成する方法、基材に電解質組成物溶液を連続的にキャストして連続成膜し、長尺のフィルム状の膜を形成する方法も挙げられる。
上記基材となるフィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンブタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル類を含むポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンテレフタレート(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン(ETFE)コポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリベンザゾール(PBZ)、ポリベンズオキサゾール(PBO)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベンズイミダゾール(PBI)及びポリパラフェニレンテレフタルイミド(PPTA)等からなる群より選択して用いることができる。
また、本実施形態の高分子電解質含有溶液を織布状、不織布状、多孔質状または繊維状の連続孔を有する補強材料に含浸して成膜することもできる。本発明で作製される膜はそれ自体で充分な強度を有するが、下記の補強材料を加えることにより、寸法安定性、劣化性、機械強度、高温および高圧での燃料電池運転時の耐久性等を向上させることができる。又、補強しない層と上記補強層した層を任意の方法で多層状に積層したものも好ましい。
上記の補強材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンブタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)および液晶ポリエステル類を含むポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルアミド(PEA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリテトラフルオロエチレン、(PTFE)、フッ素化エチレンープロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン(ETFE)コポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリベンザゾール(PBZ)、ポリベンズオキサゾール(PBO)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベンズイミダゾール(PBI)およびポリパラフェニレンテレフタルイミド(PPTA)等が挙げられる。
その他の補強材料としては、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルホキシド(PPSO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルフィドスルホン(PPS/SO2)、ポリパラフェニレン(PPP)、ポリフェニルキノキサリン(PPQ)、ポリアリールケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルスルホン(PEES)、ポリアリールスルホン、ポリアリールエーテルスルホン(PAS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)およびポリフェニレンスルホン(PPSO2)が挙げられる。ポリイミドとしては、ポリエーテルイミドならびにフッ素化ポリイミドが好ましい。ポリエーテルケトンとしては、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン−ケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトン−ケトン(PEEKK)およびポリエーテルケトンエーテルケトン−ケトン(PEKEKK)が好ましい。
また無機系の補強材料として、塩基性マグネシウム、マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、グラファイトまたは酸化アルミニウムおよびこれらの水和物、酸化ケイ素、酸化チタン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛および硫酸マグネシウムのうちのいずれか、およびそれらの複合材料が挙げられる。なお、本実施形態において、補強材料とはイオン交換容量が0.5meq/g以下のものをいう。
補強材料として多孔質状の材料を用い、本実施形態の溶液を含浸して、成膜することもできる。この場合には、気孔率は、好ましくは40〜99%であり、より好ましくは50〜98%である。気孔率が40%以上であることにより、膜のイオン伝導度がより向上する傾向にある。また、気孔率が99%以下であることにより、補強効果がより向上する傾向にある。なお、気孔率は、特に限定されないが、例えば、水銀圧入法による水銀ポロシメータや、10cm角のサンプルをとりその体積と質量から下式を用いて算出できる。
気孔率(%)=(体積(cm3)−質量(g)/ポリマー組成物の密度)/体積(cm3)×100
また、本実施形態の高分子電解質含有溶液に上述の補強材料の短繊維状のものを分散させて、成膜することもできる。この場合には、短繊維のアスペクト比(長さ/繊維径)は、好ましくは5以上である。アスペクト比が5以上であることにより、機械強度がより向上し、含水時の平面方向への寸法変化がより抑制され、さらに、電池運転時の寿命がより向上する傾向にある。
化合物(a)と化合物(b)の合計成分量は、高分子電解質含有溶液に含まれる化合物(a)、化合物(b)および補強材料成分の合計に対して、好ましくは45〜98vol%であり、より好ましくは55〜95vol%である。また、補強材料成分量は、高分子電解質含有溶液に含まれる化合物(a)、化合物(b)および補強材料成分の合計に対して、好ましくは2〜55vol%であり、より好ましくは5〜45vol%である。化合物(a)と化合物(b)の合計成分量、又は、補強材料成分量が上記下限値以上であることにより、補強効果がより向上する傾向にある。また、化合物(a)と化合物(b)の合計成分量、又は、補強材料成分量が上記上限値以下であることにより、イオン伝導度がより向上し、電池運転時の出力がより向上する傾向にある。
以上の製造方法により得られた電解質膜は、成膜後の任意の段階で、必要に応じて酸及び/又は水で洗浄する洗浄工程を行なうことができる。
酸による洗浄は電解質膜中のイオン交換基に結合した不要な金属イオン及び有機物イオン等を除去し、イオン交換基を再生する為に行なうものである。よって、例えばスルホン酸の中和度が低いものや前述したイオン交換樹脂等で処理して得られた溶液のようにアルカリ金属成分を低減あるいは実質的に除去した液などを用いた場合で、酸で洗浄しなくても充分なイオン交換能が得られる場合には、酸で洗浄する工程を省略することができる。
また、水による洗浄も必要に応じて行うことができる。特に、酸による洗浄を行った場合には膜中に残留する酸を除去する目的で水洗浄を行うことができ、酸による洗浄を行わない場合でも膜中の不純物の除去を目的に水洗浄を行うことができる。
〔膜電極接合体〕
本実施形態の膜電極接合体は、上記電解質膜を有する。より具体的には、膜電極接合体は、電解質膜と、該電解質膜の両面に配された電極と、を有しうる。以下、電解質膜を用いた膜電極接合体(以下、「MEA」ともいう)の製造方法について説明する。MEAは上記電解質膜の両面に電極を接合することにより作製される。
電極は、触媒金属の微粒子とこれを担持した導電材より構成され、必要に応じて撥水剤が含まれ得る。電極に使用される触媒としては、水素の酸化反応及び酸素による還元反応を促進する金属であれば特に限定されず、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、又はそれらの合金が挙げられる。この中では、主として白金が好ましい。
導電剤としては、電子電導性物質であれば特に限定されないが、例えば、各種金属や炭素材料を挙げることができる。炭素材料としては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、活性炭及び黒鉛などが挙げられ、これらを単独又は混合して使用される。
撥水剤としては、撥水性を有する含フッ素樹脂が好ましく、耐熱性及び耐酸化性に優れたものがより好ましい。このような撥水剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体及びテトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体を挙げることができる。
このような電極としては、バインダーとしてフッ素系高分子電解質をアルコールと水の混合溶液に溶解したものに、電極物質となる白金担持カーボンを分散させてペースト状にし、これをPTFEのシートに一定量塗布して乾燥させて製造したいわゆる電極触媒層を電極として用いることができる。尚、この際、バインダーとして用いるフッ素系高分子電解質として、本実施形態の電解質組成物溶液を用いることもできる。
上記の電極と本実施形態の電解質膜とを接合してMEAを作製するには、具体的には、以下の方法を用いることが可能である。
フッ素系高分子電解質をアルコールと水の混合溶液に溶解したものに、触媒として市販の白金担持カーボン(TEC10E40E、田中貴金属(株)製)を分散させたペーストをPTFEのシートに塗布する。このようにして得られた2つの電極の塗布面同士を向かい合わせにして、その間に本発明の電解質膜を挟み込み、例えば、熱プレスにより接合する。熱プレス温度は、好ましくは100〜200℃で、より好ましくは120℃以上、さらに好ましく140℃以上である。接合後、PTFEのシートを取り除き、MEAを得ることができる。上記のようなMEAの作製方法は、たとえば、JOURNAL OF APPLIED ELECTROCHEMISTRY、22(1992)p1〜7に記載されている。また、これに限定されることなく、任意の溶媒及び電解質組成物溶液等を塗布した後乾燥してもよい。
上記のような方法で製造したMEAは最外層の電極触媒層の外側にガス拡散層を配置し
て用いることもできる。
ガス拡散層としては、特に限定されないが、例えば、市販のカーボンクロスもしくはカーボンペーパーを用いることができる。ガス拡散層の例としては、カーボンクロスE−tek、B−1や、CARBEL(登録商標、ジャパンゴアテックス(株))、TGP−H(東レ(株)製)、カーボンペーパー2050(SPCTRACORP(株))等がある。
また、電極触媒層とガス拡散層が一体化した構造体はガス拡散電極と呼ばれ、ガス拡散電極を本発明の電解質膜に接合してもMEAが得られる。このようなガス拡散電極の例としては、ガス拡散電極ELAT(登録商標、DE NORA NORTH AMERICA社製)がある。
〔固定高分子電解質型燃料電池〕
本実施形態の固体高分子電解質型燃料電池は、上記膜電極接合体を有する。より具体的には、固体高分子電解質型燃料電池は、膜電極接合体、集電体、燃料電池フレーム及びガス供給装置を有し得る。
このうち、集電体(バイポーラプレート)は、表面などにガス流路を有するグラファイト製又は金属製のセパレーターのことであり、電子を外部負荷回路へ伝達する他に、水素や酸素をMEA表面に供給する流路としての機能を持っている。こうした集電体の間にMEAを挿入して複数積み重ねることにより、燃料電池を作製することができる。
固体高分子型燃料電池の作製方法としては、特に限定されないが、例えば、FUEL CELL HANDBOOK(VAN NOSTRAND REINHOLD、A.J.APPLEBY et.al、ISBN 0−442−31926−6)、化学One Point、燃料電池(第2版)、谷口雅夫、妹尾学編、共立出版(1992)等に記載されている方法が挙げられる。
固定高分子電解質型燃料電池の運転は、一方の電極に水素を、他方の電極に酸素又は空気を供給することによって行われる。燃料電池の作動温度は、高温であるほど触媒活性が上がるため好ましいが、通常は水分管理が容易な50℃〜100℃で運転させることが多い。酸素や水素の供給圧力は、高いほど燃料電池出力が高まるため好ましいが、膜の破損などによって両者が接触する確率も増加するため、適当な圧力範囲に調整することが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、本発明に用いられる評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
〔当量質量〕
酸型の高分子電解質膜0.02〜0.1gを、25℃、飽和NaCl水溶液30mLに浸漬し、攪拌しながら30分間放置した。次いで、飽和NaCl水溶液中のプロトンを、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定した。中和後に得られた、Na型高分子電解質膜を、純水ですすぎ、さらに真空乾燥して秤量した。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、Na型高分子電解質膜の質量をW(mg)とし、下記数式(1)より当量質量(g/eq)を求めた。
当量質量=(W/M)−22 数式(1)
〔固形分濃度〕
乾燥した室温の秤量カップの質量を精秤し、これをW0とした。測定した秤量瓶に電解質組成物溶液を1g入れ、精秤しW1とした。電解質組成物溶液を入れた秤量カップを、エスペック株式会社製LV−120型乾燥機を用いて温度200℃で1hr以上乾燥した後、シリカゲル入りのデシケーター中で冷却し、室温になった後に精秤しW2とした。上記方法を繰り返して3回測定し、下記式でその平均値をフッ素系高分子電解質の固形分濃度として求めた。
固形分濃度(質量%)=(W2−W0)/(W1−W0)×100
[透過率]
必要に応じて、濃縮又は純水で希釈することで、測定する溶液を固形分濃度5.0%に調整した後に、脱泡し、UV−VIS吸光度測定装置(日本分光(株)製、V−550)を用いて、光路長10mmの石英セルの純水での測定をベースラインとし、同じセルに測定溶液を入れた時の800nmの透過率を測定した。
[経時安定性]
測定する溶液20mLをガラス製バイアル管瓶に入れ、25℃で7日間静置した後に、バイアル管の下部に沈殿層や沈殿物が生じていないかを目視で観察した。目視結果に基づいて、下記評価基準により経時安定性を評価した。
×:25℃で7日間静置している間に沈殿層や沈殿物が生じていたもの
○:25℃で7日間静置した後にも沈殿層や沈殿物が生じていなかったもの
[実施例1]
下記式で表される単位を有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂前駆体(MFR=3)を、押し出し機を用いて溶融混練し、丸口金から270℃で押し出し、室温水で冷却した後、切断し、直径2〜3mm、長さ4〜5mmの円柱状のペレットとした。
−(CF2−CF−O−(CF22−SO2F)−
−(CF2−CF2)−
このパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂前駆体ペレットを、KOH濃度が15質量%、DMSO濃度が30質量%の水溶液中に95°Cで6時間浸漬し、−SO2FをSO3Kとした。
上記の処理ペレットを60℃の1N−HC1中に6時間浸漬した後、60℃のイオン交換水で水洗後乾燥して、前記のSO3KがSO3Hとなったプロトン交換基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(イオン交換容量=1.39meq/g)を得た。
次に上記処理後のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を固形分濃度が5質量%、エタノールが47.5質量%、水が47・5質量%としてオートクレーブ中に入れ、これを攪拌しながら、180℃で4hr処理し、均一なパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の溶液を得た。
この100gのパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液に純水100gを添加、攪拌した後、この液を80℃に加熱、攪拌しながら、固形分濃度が22質量%になるまで濃縮し、フッ素系高分子電解質組成物溶液A1(当量質量720g/eq)を得た。
また、ポリベンゾイミダゾール(シグマアルドリッチジャパン(株)社製、重量平均分子量27000)0.4kgを十分に粉砕し、8N NaOH水溶液0.7kgとエタノール6.0kgを添加した。室温で3時間撹拌し、ポリベンゾイミダゾールを十分に溶解させた後、エタノール92kgを加えて室温で撹拌し、固形分濃度0.4質量%の赤褐色のポリアゾール溶液(B1)を得た。
混合ユニットは、異径の導入部を有する口径5mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド)を用いた。各々プランジャーポンプで、A1を内径2mmの導入部より136mL/minの流量で、B1を内径5mmの導入部より456mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は0.5、混合ユニットでの線速度は0.5m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は61%であり、経時安定性は〇であった。
[実施例2〜3]
A1、B1を用いて、実施例1の条件から、表1に示すように条件を変更して、電解質組成物溶液を得た。得られた電解質組成物溶液の透過率と経時安定性を表1に示す。
[実施例4]
混合ユニットは、異径の導入部を有する口径28mmのT.K.パイプラインホモミクサー(プライミクス(株))を用いた。各々プランジャーポンプで、A1を内径28mmの導入部より423mL/minの流量で、B1を内径8mmの導入部より1343mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。ミキサーの回転数は12000rpm、混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は39、混合ユニットでの線速度は0.05m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は82%であり、経時安定性は〇であった。
[実施例5]
混合ユニットは、同径の導入部を有する内径0.25mm SUSチューブを用いた。各々プランジャーポンプで、A1を内径0.25mmの導入部より2.3mL/minの流量で、B1を内径0.25mmの導入部より9.7mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は4、混合ユニットでの線速度は4.1m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は85%、経時安定性は〇であった。
[実施例6]
A1,B1にかえて、固形分濃度30質量%のフッ素系高分子電解質組成物溶液A2(当量質量720g/eq)と、固形分濃度0.6質量%の赤褐色のポリアゾール溶液(B2)を用いて、混合ユニットは、異径の導入部を有する口径5mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド)を使用した。各々プランジャーポンプで、A2を内径5mmの導入部より336mL/minの流量で、B2を内径1mmの導入部より195mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は14、混合ユニットでの線速度は0.5m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は83%、経時安定性は〇であった。
[実施例7]
ポリベンゾイミダゾール(シグマアルドリッチジャパン(株)社製、重量平均分子量27000)40gを十分に粉砕し、ジメチルアセトアミド3.9kgを添加した。80℃で3時間撹拌し、固形分濃度1.0質量%のポリアゾール溶液(B3)を得た。
A1,B1にかえて、このB3と、固形分濃度10質量%のフッ素系高分子電解質組成物溶液A3(当量質量600g/eq)を用いて、混合ユニットは、異径の導入部を有する口径5mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド)を使用した。各々プランジャーポンプで、A3を内径5mmの導入部より1009mL/minの流量で、B3を内径1mmの導入部より98mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は2、混合ユニットでの線速度は0.9m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は82%、経時安定性は〇であった。
[実施例8]
ポリべンゾイミダゾール(シグマアルドリッチジャパン(株)社製、重量平均分子量27000)100gを充分に粉砕し、10Lの98質量%硫酸(和光純薬(株)製、特級試薬)中に入れ、100°Cで8時間攪拌した。これを過剰のイオン交換水に注いだところ、沈殿が生成した。この沈殿物を採取し、イオン交換水で数回、洗浄を繰り返した後、生成物を室温で乾燥し、スルホン化したポリベンゾイミダゾールを得た。このスルホン化したポリベンゾイミダゾールのイオン交換基量を測定したところ、1.06meq/gであった。
ポリベンゾイミダゾールの代わりに、上記のようにして得られたスルホン化ポリベンゾイミダゾールを用いて、固形分濃度0.4質量%のポリアゾール溶液B4を得た。これらA1、B4を用いて、混合ユニットは、異径の導入部を有する口径5mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド)を使用した。各々プランジャーポンプで、A1を内径5mmの導入部より141mL/minの流量で、B4を内径1mmの導入部より448mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は79、混合ユニットでの線速度は0.5m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は90%、経時安定性は〇であった。
[実施例9]
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(数平均分子量1000のもの)40gを充分に粉砕し、8質量%Na〇H水溶液400gとエタノール9.6kgの混合液に浸漬し、80℃で加熱しながら1時間攪拌し、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールの溶液を得た。
ポリベンゾイミダゾールの代わりに、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールを用いて、固形分濃度0.4質量%のポリアゾール溶液B5を得た。
これらA1、B5を用いて、混合ユニットは、異径の導入部を有する口径5mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド)を使用した。各々プランジャーポンプで、A1を内径5mmの導入部より141mL/minの流量で、B5を内径1mmの導入部より448mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は79、混合ユニットでの線速度は0.5m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は90%、経時安定性は〇であった。
[比較例1]
混合ユニットは、同径の導入部を有する内径1.0mm SUSチューブを用いた。各々プランジャーポンプで、A1を内径1.0mmの導入部より182mL/minの流量で、B1を内径1.0mmの導入部より81mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は0.4、混合ユニットでの線速度は5.6m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は58%、経時安定性は×であった。
[比較例2]
混合ユニットは、異径の導入部を有する口径11mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド)を用いた。各々プランジャーポンプで、A1を内径2mmの導入部より14mL/minの流量で、B1を内径11mmの導入部より45mL/minの流量で、混合部へ連続的に送液した。混合ユニットに入る直前の線速度比(溶液(B)の線速度/溶液(A)の線速度)は0.1、混合ユニットでの線速度は0.01m/secであった。これによって、得られた電解質組成物溶液の透過率は45%、経時安定性は×であった。
Figure 2015219941
本発明の電解質組成物溶液の製造方法は、電解質膜、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池の材料として用いうる電解質組成物溶液を製造する方法として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (15)

  1. 酸性官能基を有する化合物(a)を含む溶液(A)及び塩基性官能基を有する化合物(b)を含む溶液(B)をそれぞれ連続的に混合ユニットに供給する供給工程と、
    前記溶液(A)及び前記溶液(B)を前記混合ユニット内で混合して、電解質組成物溶液を得る混合工程と、を有し、
    前記混合ユニット内の線速度が、0.020m/sec以上5.0m/sec以下である、電解質組成物溶液の製造方法。
  2. 前記供給工程において、
    前記混合ユニット内に入る直前の線速度比(前記溶液(B)の線速度/前記溶液(A)の線速度)が、0.50以上500以下である、請求項1に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  3. 前記混合工程において、前記混合ユニットで瞬間的に混合する、請求項1又は2のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  4. 前記供給工程において、前記溶液(A)及び前記溶液(B)を送液ポンプで供給する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  5. 前記化合物(a)が、スルホン酸基を含む高分子電解質を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  6. 前記高分子電解質が、フッ素系高分子電解質を含む、請求項5に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  7. 前記化合物(b)が、ポリアゾール系化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  8. 前記供給工程前に、ポリアゾール系化合物及びアルカリ金属水酸化物を、プロトン性溶媒に溶解して前記溶液(B)を調製する調整工程をさらに有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  9. 前記ポリアゾール系化合物が、ポリイミダゾール系化合物、ポリベンゾイミダゾール系化合物、ポリベンゾビスイミダゾール系化合物、ポリベンゾオキサゾール系化合物、ポリオキサゾール系化合物、ポリチアゾール系化合物及びポリベンゾチアゾール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項8に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  10. 前記ポリアゾール系化合物が、ポリベンゾイミダゾール系化合物を含む、請求項9に記載の電解質組成物溶液の製造方法
  11. 前記混合工程後に、前記電解質組成物溶液をイオン交換処理するイオン交換工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電解質組成物溶液の製造方法により得られる、電解質組成物溶液。
  13. 請求項12に記載の電解質組成物溶液により得られる、電解質膜。
  14. 請求項13に記載の電解質膜を有する、膜電極接合体。
  15. 請求項14に記載の膜電極接合体を有する、固体高分子電解質型燃料電池。
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