JP2015219198A - 分析装置及び校正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光X線を用いて成分分析を行う分析装置において、ピーク位置を簡易的な方法により校正する。
【解決手段】分析装置100は、照射部51と、検出部53と、ピーク位置校正部と、を備える。照射部51は、励起X線X1を照射する。検出部53は、励起X線X1を照射することにより発生するX線X2を検出する。ピーク位置校正部は、励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、検出部53において検出されるX線のピーク位置を校正する。
【選択図】図1
【解決手段】分析装置100は、照射部51と、検出部53と、ピーク位置校正部と、を備える。照射部51は、励起X線X1を照射する。検出部53は、励起X線X1を照射することにより発生するX線X2を検出する。ピーク位置校正部は、励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、検出部53において検出されるX線のピーク位置を校正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、粒子状物質の分析行う分析装置、及び、当該分析装置の装置校正を行う校正方法に関する。
近年、大気中の粒径が2.5μm以下の浮遊粒子状物質であるPM2.5が大きな環境問題になっている。そして、PM2.5の状況を把握することを目的として、PM2.5の大気中の濃度やPM2.5に含まれる元素を分析する装置が開発されている。PM2.5に含まれる元素を分析すれば、当該PM2.5の発生源を推定できると考えられている。
例えば、特許文献1には、大気中の浮遊粒子状物質を構成する元素種類を連続的、かつ、自動的に分析する測定装置が開示されている。この測定装置は、最初に、分級器によって粒径2.5μmを超える粗大粒子の全量を含む空気とPM2.5以下の微小粒子を含む空気とに分級する。次に、測定装置は、分級された空気中の浮遊粒子状物質をフィルタに捕集する。その後、測定装置は、X線分析器を用いて粗大粒子と微小粒子とを個別に蛍光元素分析する。
測定対象元素から発生する蛍光X線(ピーク)が出現するエネルギー値は、基本的には、元素毎に決まっている不変(他の元素との相互作用によってはずれることがある)の値である。その一方、上記の特許文献1に開示されている測定装置などにおいて測定対象元素から発生する蛍光X線を測定したときに、測定結果における蛍光X線ピークが、本来蛍光X線ピークが出現する位置からずれることがある。
このようなピーク位置のずれは、測定装置において、スパン校正の実行により校正できる。しかしながら、スパン校正は、含まれる元素と元素量が予め決められた標準試料の蛍光X線を実際に測定することにより実行されるため、時間と手間がかかる。また、スパン校正の実行中は測定装置による成分分析を停止する必要があるため、測定装置を用いた成分分析を連続的に実行する場合においては、スパン校正は高い頻度にて実行できない。
本発明の課題は、蛍光X線を用いて成分分析を行う分析装置において、簡易的な方法によりピーク位置を校正することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る分析装置は、粒子状物質から発生する蛍光X線に基づいて粒子状物質の成分分析を行う分析装置である。分析装置は、照射部と、検出部と、ピーク位置校正部と、を備える。
照射部は、励起X線を照射する。励起X線は、粒子状物質を励起して蛍光X線を発生させるX線である。検出部は、励起X線を照射することにより発生するX線を検出する。ピーク位置校正部は、励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、検出部において検出されるX線のピーク位置を校正する。励起X線成分は、検出部において検出されるX線のX線成分である。
本発明の一見地に係る分析装置は、粒子状物質から発生する蛍光X線に基づいて粒子状物質の成分分析を行う分析装置である。分析装置は、照射部と、検出部と、ピーク位置校正部と、を備える。
照射部は、励起X線を照射する。励起X線は、粒子状物質を励起して蛍光X線を発生させるX線である。検出部は、励起X線を照射することにより発生するX線を検出する。ピーク位置校正部は、励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、検出部において検出されるX線のピーク位置を校正する。励起X線成分は、検出部において検出されるX線のX線成分である。
上記の分析装置においては、ピーク位置校正部が、検出されたX線中の励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、検出されるX線のピーク位置を校正している。これにより、励起X線成分のX線ピークを用いて簡単にピーク位置を校正できる。
分析装置は、粒子状物質を捕集するための捕集フィルタをさらに備えていてもよい。この場合、検出部において検出されるX線は、散乱X線である。散乱X線は、励起X線が捕集フィルタにおいて散乱されることにより発生するX線である。これにより、分析装置における各構成要素の配置を変更することなく、検出部において励起X線成分を含むX線を検出できる。
ピーク位置を校正するために用いるX線ピークは、励起X線に含まれる特性X線ピークであってもよい。これにより、励起X線のみを用いて、より簡単に精度よくピーク位置を校正できる。
特性X線ピークは、K線、L線、M線のうちの2つから選択されてもよい。これにより、より広い範囲のX線エネルギー値に対して、ピーク位置の校正を精度よく行える。
本発明の他の見地に係る校正方法は、分析装置の校正方法である。分析装置は、粒子状物質に励起X線を照射することにより発生する蛍光X線に基づいて粒子状物質の成分分析を行う装置である。校正方法は、以下のステップを含む。
◎励起X線を照射するステップ。
◎励起X線を照射することにより発生するX線を検出するステップ。
◎検出されるX線の励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、検出されるX線のピーク位置を校正するステップ。
上記の校正方法により、励起X線成分のX線ピークを用いて簡単にピーク位置を校正できる。
◎励起X線を照射するステップ。
◎励起X線を照射することにより発生するX線を検出するステップ。
◎検出されるX線の励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、検出されるX線のピーク位置を校正するステップ。
上記の校正方法により、励起X線成分のX線ピークを用いて簡単にピーク位置を校正できる。
蛍光X線を用いて成分分析を行う分析装置において、ピーク位置を簡易的な方法により校正できる。
(1)第1実施形態
第1実施形態に係る分析装置100の構成を、図1を用いて説明する。図1は、分析装置の構成を示す図である。分析装置100は、粒子状物質P(後述)に励起X線X1(後述)を照射することにより、粒子状物質Pから発生する蛍光X線に基づいて粒子状物質Pの成分分析を行う分析装置である。分析装置100は、捕集フィルタ1と、サンプリング部3と、分析部5と、フィルタ移動部7と、制御部9と、を備える。
第1実施形態に係る分析装置100の構成を、図1を用いて説明する。図1は、分析装置の構成を示す図である。分析装置100は、粒子状物質P(後述)に励起X線X1(後述)を照射することにより、粒子状物質Pから発生する蛍光X線に基づいて粒子状物質Pの成分分析を行う分析装置である。分析装置100は、捕集フィルタ1と、サンプリング部3と、分析部5と、フィルタ移動部7と、制御部9と、を備える。
捕集フィルタ1は、サンプリング部3(後述)においてサンプリングされた大気に含まれる粒子状物質Pを捕集する。そのため、捕集フィルタ1は、粒子状物質Pをトラップできる孔を有する捕集層11を有している。捕集層11の材料としては、例えば、フッ素系樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE))などを用いることができる。
後述するように、分析部5においては、捕集層11にトラップされた粒子状物質Pに励起X線(後述)を照射して、粒子状物質Pから蛍光X線を発生させる。そのため、捕集層11の厚さは、励起X線及び蛍光X線などのX線の捕集層11における吸収が所定量以下となるよう調整されている。本実施形態において、捕集層11の厚さは、例えば、3〜35μm程度である。
また、後述するように、サンプリング部3の排出部35(後述)から排出された大気(空気)を捕集フィルタ1の主面の一方から排出し、捕集フィルタ1の他方の主面を吸引部31(後述)により吸引することにより、捕集層11(捕集フィルタ1)に粒子状物質Pを捕集する。
図1に示すように、捕集フィルタ1は、捕集層11の主面上にさらに、捕集層11を補強する補強層13を有している。すなわち、捕集フィルタ1は、捕集層11と補強層13とを有する二層構造となっている。これにより、X線の吸収を所定量以下とするために捕集層11(つまり、捕集フィルタ1)の厚さを薄くしても、捕集フィルタ1の強度を上記の吸引力に耐えうる程度に大きくできる。
補強層13としては、ガス流通が可能であり、測定対象元素となる元素をほとんど含まず、かつ、十分な強度を有する材料が選択される。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエステル、ポリアミドなどの不織布を用いることができる。特に、ポリプロピレンとポリエステルからなる不織布は、蛍光X線分析においてノイズとなる不純物を含まず、かつ、十分な強度を有するため、より精度の高い測定を可能とする。
捕集層11と補強層13とを有する捕集フィルタ1の全体の厚さは、捕集フィルタ1による励起X線X1及び蛍光X線の吸収を所定量以下とするため、平均値として100〜200μm程度に調整されている。なお、本実施形態においては、捕集フィルタ1の厚みは140μm(平均値)である。これにより、捕集フィルタ1のX線吸収によるX線への影響を減少できる。
サンプリング部3は、分析装置100が設置された周囲の大気をサンプリングし、サンプリングした大気を捕集フィルタ1に吹き付ける。これにより、サンプリングした大気に含まれている粒子状物質Pを、捕集フィルタ1に捕集できる。
具体的には、吸引部31に設けられた第1開口部31aを吸引ポンプ33により負圧とした状態にて捕集フィルタ1の一方の主面に近接させる。また、排出部35に設けられ、サンプリングポート37とガス流通可能に接続された第2開口部35aを捕集フィルタ1の他方の主面に近接させる。この結果、サンプリングポート37から大気が第2開口部35aへと吸引される。吸引された大気は、第2開口部35aから捕集フィルタ1の他方の主面に吹き付けられる。その結果、捕集フィルタ1の捕集層11に設けられた孔に、大気に含まれていた粒子状物質Pが捕集される。また、大気は捕集フィルタ1を通過して、吸引部31に吸引される。
なお、上記の第1開口部31aには、捕集フィルタ1をサポートする網目状のサポート部材が設けられていてもよい。これにより、捕集フィルタ1を吸引することによるフィルタの変形や破壊などを防止できる。
サンプリング部3は、さらに、β線照射部38とβ線検出部39とを有する。β線照射部38は、第2開口部35a中に設けられ、捕集フィルタ1に向けてβ線を照射する。β線検出部39は、第1開口部31a中に設けられ、捕集フィルタ1(と粒子状物質P)を通過したβ線を検出する。
分析部5は、粒子状物質Pから発生する蛍光X線を用いて、粒子状物質Pに含まれる元素の成分分析を行う。本実施形態において、分析部5は、粒子状物質Pに含まれる金属元素の成分分析を主に行う。大気中の粒子状物質Pに含まれている金属元素としては、ナトリウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、バナジウム、マンガン、亜鉛、鉛、バリウム、アンチモン、ランタン、サマリウム、などがある。また、金属元素以外の硫黄、臭素、塩素などの元素の成分分析も行われる。
粒子状物質Pにどの元素が含まれているかを成分分析することにより、捕集フィルタ1に捕集された粒子状物質Pの由来を知ることができる。なお、分析部5の構成については、後ほど詳しく説明する。
フィルタ移動部7は、捕集フィルタ1に捕集された粒子状物質Pを移動させる。具体的には、フィルタ移動部7は、回転可能に軸支された送り出しリール7aから捕集フィルタ1を送り出す。そして、回転可能に軸支された巻き取りリール7bは、捕集フィルタ1を巻き取る。その結果、捕集フィルタ1に捕集された粒子状物質Pが、サンプリング部3から分析部5へ移動させられる。
制御部9は、分析装置100における各種処理を行う。なお、制御部9の構成及び制御部9における各構成要素の機能については、後ほど詳しく説明する。
(2)分析部の構成
次に、分析部5の構成について説明する。分析部5は、捕集フィルタ1に捕集された粒子状物質Pから蛍光X線を発生させ検出する。そのため、分析部5は、照射部51と検出部53とを有する。照射部51は、測定領域Aに励起X線X1を照射する。測定領域Aは、分析装置100において成分分析を行う際に、サンプリング部3において捕集された粒子状物質Pがフィルタ移動部7により送られてくる領域である。これにより、測定領域Aにおいて、成分分析の実行時には、粒子状物質Pに励起X線X1が照射される。励起X線X1を照射された粒子状物質Pは、粒子状物質Pに含まれる元素に特有の波長を有する蛍光X線を発生する。
次に、分析部5の構成について説明する。分析部5は、捕集フィルタ1に捕集された粒子状物質Pから蛍光X線を発生させ検出する。そのため、分析部5は、照射部51と検出部53とを有する。照射部51は、測定領域Aに励起X線X1を照射する。測定領域Aは、分析装置100において成分分析を行う際に、サンプリング部3において捕集された粒子状物質Pがフィルタ移動部7により送られてくる領域である。これにより、測定領域Aにおいて、成分分析の実行時には、粒子状物質Pに励起X線X1が照射される。励起X線X1を照射された粒子状物質Pは、粒子状物質Pに含まれる元素に特有の波長を有する蛍光X線を発生する。
本実施形態において、照射部51はX線発生装置である。X線発生装置は、ターゲット(パラジウム、ロジウム、銀、タングステン、タンタル、銅、チタン、クロムなどの金属)に電子線を照射することによりX線を発生させる装置である。従って、照射部51から照射される励起X線X1には、制動放射によるX線と、ターゲットに特有の特性X線とが含まれている。
また、照射部51の励起X線が発生する出口には一次フィルタ(図示せず)が設けられ、測定対象元素から発生する蛍光X線の波長に対応する波長領域の励起X線の強度を減少している。これは、励起X線には、測定対象元素からの蛍光X線よりもエネルギーが高いX線成分が含まれていれば十分だからである。これにより、検出部53(後述)において検出されるX線のバックグランド成分を減少できる。
検出部53は、上記の励起X線X1が照射されることにより、測定領域Aにおいて発生するX線X2を検出可能となっている。従って、検出部53としては、例えば、シリコン半導体検出器又はシリコンドリフト検出器(SDD)などの半導体検出器を用いることができる。特に、シリコンドリフト検出器SDDを用いることにより、冷却に液体窒素などを用いる必要がなくなるため、分析装置100をコンパクトにできる。
(3)制御部の構成
次に、制御部9の構成について、図2A及び図2Bを用いて説明する。図2Aは、検出部に対してピーク位置の校正を行う制御部の構成を示す図である。図2Bは、X線計数部に対してピーク位置の校正を行う制御部の校正を示す図である。制御部9は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM、ROM、ハードディスク、SSD(Soild State Disk)などの記憶装置と、表示部と、各種インターフェースと、などを有するコンピュータシステムである。以下に説明する制御部9の各構成要素の一部又は全部の機能は、上記のコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラムにより実現されていてもよい。また、制御部9の各構成要素の機能の一部又は全部の機能は、カスタムICなどの半導体装置により実現されていてもよい。
次に、制御部9の構成について、図2A及び図2Bを用いて説明する。図2Aは、検出部に対してピーク位置の校正を行う制御部の構成を示す図である。図2Bは、X線計数部に対してピーク位置の校正を行う制御部の校正を示す図である。制御部9は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM、ROM、ハードディスク、SSD(Soild State Disk)などの記憶装置と、表示部と、各種インターフェースと、などを有するコンピュータシステムである。以下に説明する制御部9の各構成要素の一部又は全部の機能は、上記のコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラムにより実現されていてもよい。また、制御部9の各構成要素の機能の一部又は全部の機能は、カスタムICなどの半導体装置により実現されていてもよい。
制御部9は、フィルタ制御部91と、サンプリング制御部92と、照射制御部93と、X線計数部94と、成分分析部95と、ピーク位置校正部96と、粒子質量濃度算出部97と、を有する。
フィルタ制御部91は、フィルタ移動部7を制御する。具体的には、フィルタ制御部91は、例えば、巻き取りリール7bの回転を制御するモータなど(図示せず)の回転を制御する巻き取りリール制御信号を、フィルタ移動部7に出力する。
フィルタ制御部91は、フィルタ移動部7を制御する。具体的には、フィルタ制御部91は、例えば、巻き取りリール7bの回転を制御するモータなど(図示せず)の回転を制御する巻き取りリール制御信号を、フィルタ移動部7に出力する。
サンプリング制御部92は、サンプリング部3を制御する。具体的には、サンプリング制御部92は、例えば、吸引部31と吸引ポンプ33とをガス流通可能に接続する配管の途中に設けられたニードルバルブなどのバルブの開度を調整する流量制御信号を当該バルブに出力する。これにより、吸引部31の吸引力及びサンプリング部3における大気の流量を制御できる。
照射制御部93は、照射部51を制御する。具体的には、照射部51のX線発生装置において、電子線を発生させる電子線源に印加する電圧及び/又は電流を制御する。これにより、照射部51からの励起X線X1の強度を調整できる。
X線計数部94は、検出部53から出力されるパルス信号の個数を計数する。具体的には、X線計数部94は、所定の信号値範囲内のパルス信号の個数を計数し、得られた結果を計数結果として出力する。
成分分析部95は、分析部5の校正と粒子状物質Pの成分分析とを行う。なお、成分分析部95における分析部5の校正方法及び粒子状物質Pの成分分析方法については、後ほど詳しく説明する。
ピーク位置校正部96は、後述する簡易的なピーク位置の校正時において、検出されるX線X2の計数結果をX線計数部94から入力し、計数結果におけるX線X2のエネルギー値と実際のX線のエネルギー値とのずれを校正する。
本実施形態においては、ピーク位置校正部96は、図2Aに示すように、検出部53に対して、検出部53のゲイン及び/又はゼロ点を調整するための信号(ゲイン/ゼロ点調整信号)を出力して、検出部53に対してピーク位置の校正を行う。
また、変形例として、ピーク位置校正部96は、図2Bに示すように、X線計数部94にずれ調整信号を出力して、X線計数部94においてピーク位置を校正するようにしてもよい。この場合、例えば、X線計数部94によって用いられる、検出部53からのパルス信号の最大信号値とX線エネルギー値との関係を示した数値テーブル又は関数を、ピーク位置が0となるように更新することにより、ピーク位置を校正できる。さらに、ピーク位置校正部96は、上記の検出部53におけるピーク位置の校正と、X線計数部94におけるピーク位置の校正とを両方行ってもよい。
粒子質量濃度算出部97は、β線検出部39からβ線検出信号を受信し、粒子状物質Pを透過したβ線の強度に基づいて、捕集フィルタ1に捕集された粒子状物質Pの粒子質量濃度を測定する。
(4)分析装置の動作
I.基本動作
次に、分析装置100の動作について説明する。分析装置100の動作を開始すると、成分分析部95は、例えば、前回の校正の実行時から所定の時間以上(例えば、1ヶ月以上)経過している場合に、スパン校正用基材SS(後述)及び/又はバックグランド校正用基材を用いて校正を行う。所定の時間が経過していない場合には、成分分析部95は、粒子状物質Pの成分分析を開始する。
以下、分析装置100における校正方法及び粒子状物質Pの成分分析方法について詳しく説明する。
I.基本動作
次に、分析装置100の動作について説明する。分析装置100の動作を開始すると、成分分析部95は、例えば、前回の校正の実行時から所定の時間以上(例えば、1ヶ月以上)経過している場合に、スパン校正用基材SS(後述)及び/又はバックグランド校正用基材を用いて校正を行う。所定の時間が経過していない場合には、成分分析部95は、粒子状物質Pの成分分析を開始する。
以下、分析装置100における校正方法及び粒子状物質Pの成分分析方法について詳しく説明する。
II.校正
ステップS2における分析部5の校正は、主に、校正用試料CSが基材MS上に積層されたスパン校正用基材SS(図3)を用いて行われる。また、必要に応じて、バックグランド校正用基材BSを用いた校正が行われる。
ステップS2における分析部5の校正は、主に、校正用試料CSが基材MS上に積層されたスパン校正用基材SS(図3)を用いて行われる。また、必要に応じて、バックグランド校正用基材BSを用いた校正が行われる。
スパン校正用基材SSは、スパン校正を行うための校正用基材である。そのため、標準物質である校正用試料CSは、測定対象元素を少なくとも含んだ粒子状の物質である。このような校正用試料CSとしては、例えば、NIST(National Institute of Standards & Technology)にて規定された標準物質を用いることができる。
スパン校正用基材SSの基材MSは、X線に対してほとんど透明(すなわち、X線をほとんど透過する)である材料(例えば、ポリカーボネート)により構成された(板状の)基材である。
スパン校正用基材SSの基材MSは、X線に対してほとんど透明(すなわち、X線をほとんど透過する)である材料(例えば、ポリカーボネート)により構成された(板状の)基材である。
なお、ステップS2における分析部5の校正においては、図3に示すように、スパン校正用基材SSを捕集フィルタ1と共に配置し、スパン校正用基材SS(の校正用試料CS)と捕集フィルタ1とに励起X線X1を照射したときに検出部53において検出されるX線X2を用いて、スパン校正用データを生成することが好ましい。図3は、スパン校正の実行時におけるスパン校正用基材と捕集フィルタの配置と、励起X線の照射状態と検出されるX線の様子を示す図である。これにより、捕集フィルタ1のX線吸収を考慮したスパン校正データを取得できる。
一方、バックグランド校正用基材BSは、例えば、スパン校正用基材SSの基材MSと同じ材料(ポリカーボネートなど)により構成されたX線に対してほぼ透明な(板状の)基材である。バックグランド校正は、バックグランド校正用データが記憶されていない場合や、バックグランドやゼロ点が前回の校正時よりも大きくずれた場合などに行われる。
バックグランド校正の実行時もスパン校正の実行時と同様に、バックグランド校正用基材BSを捕集フィルタ1と共に配置した状態にて励起X線X1を照射したときに検出部53において検出されるX線X2を用いて、バックグランド校正用データを生成することが好ましい。
バックグランド校正用データ及びスパン校正用データを生成し記憶装置などに記憶した後、成分分析部95は、バックグランド校正用データとスパン校正用データとを用いて、測定対象元素毎に検量線を生成する。
具体的には、例えば、バックグランド校正用データにおいて、ある測定対象元素からの蛍光X線のエネルギー値Eaを有するX線の強度がBaと記憶されており(測定対象元素の元素量は0)、スパン校正用データにおいて、校正用試料CS中に当該測定対象元素が元素量aだけ含まれており、このときのエネルギー値Eaを有するX線の強度がIaと記憶されていたとする。この場合、上記のある測定対象元素の元素量Xに対する蛍光X線強度Yの関係を示す検量線は、Y=((Ia−Ba)/a)*X+Baという式として生成される。
具体的には、例えば、バックグランド校正用データにおいて、ある測定対象元素からの蛍光X線のエネルギー値Eaを有するX線の強度がBaと記憶されており(測定対象元素の元素量は0)、スパン校正用データにおいて、校正用試料CS中に当該測定対象元素が元素量aだけ含まれており、このときのエネルギー値Eaを有するX線の強度がIaと記憶されていたとする。この場合、上記のある測定対象元素の元素量Xに対する蛍光X線強度Yの関係を示す検量線は、Y=((Ia−Ba)/a)*X+Baという式として生成される。
III.粒子状物質の成分分析
次に、ステップS3における粒子状物質Pの成分分析について、図4を用いて説明する。図4は、粒子状物質の成分分析方法を示すフローチャートである。
分析装置100において成分分析が開始されると、まず、成分分析部95が、ピーク位置の校正が必要であるかどうかを判断する(ステップS301)。例えば、前回のピーク位置の校正からの経過時間が所定時間以上(例えば、1日以上)となった場合に、ピーク位置の校正が必要と判断される。その他、ステップS2における校正をすることなく前回の成分分析が実行された場合(例えば、連続的に成分分析が実行される場合に成分分析毎)に、ピーク位置の校正を行うと判断してもよい。
次に、ステップS3における粒子状物質Pの成分分析について、図4を用いて説明する。図4は、粒子状物質の成分分析方法を示すフローチャートである。
分析装置100において成分分析が開始されると、まず、成分分析部95が、ピーク位置の校正が必要であるかどうかを判断する(ステップS301)。例えば、前回のピーク位置の校正からの経過時間が所定時間以上(例えば、1日以上)となった場合に、ピーク位置の校正が必要と判断される。その他、ステップS2における校正をすることなく前回の成分分析が実行された場合(例えば、連続的に成分分析が実行される場合に成分分析毎)に、ピーク位置の校正を行うと判断してもよい。
ピーク位置の校正が必要とされた場合(ステップS301において「Yes」の場合)、ピーク位置の校正が開始される(ステップS302)。本実施形態においては、検出部53において検出されるX線X2の計数結果におけるピーク位置(エネルギー値のずれ)を校正する。具体的な校正方法については、後ほど詳しく説明する。
一方、ピーク位置の校正が不要とされた場合(ステップS302において「No」の場合)、ステップS303に進み、成分分析が実行される
一方、ピーク位置の校正が不要とされた場合(ステップS302において「No」の場合)、ステップS303に進み、成分分析が実行される
ピーク位置の校正の実行後又はピーク位置の校正が不要と判断された場合、成分分析が開始され、まず、サンプリング制御部92が、サンプリング部3に対して、大気に含まれる粒子状物質Pを捕集フィルタ1に捕集する(ステップS303)するよう指令する。その後、フィルタ制御部91が、フィルタ移動部7に対して、捕集フィルタ1の捕集領域を測定領域Aまで移動するよう指令する。
その後、照射制御部93が照射部51に対して照射部制御信号を送信し、励起X線X1が捕集フィルタ1に捕集された粒子状物質Pに照射される(ステップS304)。
捕集領域中の粒子状物質Pに励起X線X1を照射した状態にて、検出部53は、捕集領域からのX線X2を検出する(ステップS305)。その結果、例えば、図5に示すような計数結果がX線計数部94にて生成される。図5は、粒子状物質からの蛍光X線を含む計数結果のプロファイルの一例を示す図である。図5に示すX線プロファイルには、鉄、亜鉛、鉛、チタンの蛍光X線が特に顕著に見られている。
計数結果を取得後、成分分析部95は、計数結果を用いて粒子状物質Pの成分分析を行う(ステップS306)。具体的には、成分分析部95は、まず、計数結果から成分分析を行うためのX線強度を抽出する。例えば、図5に示す計数結果から、鉄(Fe)を測定対象元素として成分分析を行う場合を考える。今、鉄の蛍光X線が出現するエネルギー値をEa(既知)であるとする。このとき、図5に示す計数結果において、エネルギー値Eaを有するX線の強度はIa’である。
次に、成分分析部95は、鉄ための検量線を記憶装置などから読み出す。その後、成分分析部95は、鉄のための検量線を表す式(例えば、Y=((Ia−Ba)/a)*X+Ba)に上記のX線強度Ia’を代入(上記の式においてはYに代入)し、元素量(上記の式においてはX)についての方程式を解くことにより、鉄の元素量を定量する。
粒子状物質Pの各測定対象元素についての成分分析を実行後、成分分析部95は、他の成分分析を実行するかどうかを判断する(ステップS307)。例えば、成分分析部95は、制御部9の入力部(図示せず)などからの所定の指令を受信したときに、成分分析を終了する。
成分分析が終了したと判断された場合(ステップS307において「No」の場合)、分析装置100における成分分析を終了する。
一方、成分分析部95が上記の指令を受信せず他の成分分析を実行すると判断した場合(ステップS307において「Yes」の場合)、フィルタ移動部7が、捕集フィルタ1を移動させることで、成分分析済みの粒子状物質Pを測定領域Aから送出する(ステップS308)。その後、プロセスはステップS301に戻る。これにより、粒子状物質Pが再び捕集フィルタ1の他の領域に捕集されて、それらの他の成分分析を実行できる。これにより、分析装置100においては、所定の時間毎に複数の成分分析を連続的に実行できる。
一方、成分分析部95が上記の指令を受信せず他の成分分析を実行すると判断した場合(ステップS307において「Yes」の場合)、フィルタ移動部7が、捕集フィルタ1を移動させることで、成分分析済みの粒子状物質Pを測定領域Aから送出する(ステップS308)。その後、プロセスはステップS301に戻る。これにより、粒子状物質Pが再び捕集フィルタ1の他の領域に捕集されて、それらの他の成分分析を実行できる。これにより、分析装置100においては、所定の時間毎に複数の成分分析を連続的に実行できる。
IV.ピーク位置の校正方法
次に、上記のステップS302において実行されるエネルギー値のピーク位置の校正方法について、図6を用いて説明する。図6は、ピーク位置の校正方法を示すフローチャートである。ピーク位置の校正を開始すると、まず、ピーク位置校正用データが取得される。
次に、上記のステップS302において実行されるエネルギー値のピーク位置の校正方法について、図6を用いて説明する。図6は、ピーク位置の校正方法を示すフローチャートである。ピーク位置の校正を開始すると、まず、ピーク位置校正用データが取得される。
具体的には、照射制御部93が照射部51に対して照射部制御信号を送信し、励起X線X1を測定領域Aに存在する捕集フィルタ1に照射する(ステップS3021)。励起X線X1が照射されている間、検出部53は入射したX線X2を検出する(ステップS3022)。
上記のステップS3022において検出されたX線の計数結果は、図7に示すようなX線プロファイルを有する。図7は、励起X線を捕集フィルタに照射して得られる散乱X線の一例を示す図である。図7に示すように、得られた計数結果は、励起X線X1が有するX線プロファイルと同じプロファイルを示していることが分かる。このことから、分析装置100の各構成要素の配置を変更することなく、捕集フィルタ1において励起X線X1が散乱することにより発生する励起X線成分を含むX線X2(散乱X線)を、検出部53において検出できることが分かる。
また、図7に示す計数結果のX線プロファイルにおいて、矢印にて示しているのは、パラジウムの特性X線Lα1線のピークと、特性X線Kα1線のピークである。このように、励起X線X1に複数の特性X線ピークが含まれることにより、励起X線X1(成分)のみを用いて、より簡単にピーク位置を校正できる。
また、典型的に、これら2つの特性ピークが出現するエネルギー値は、既知の不変値である(パラジウムのLα1線:2.84keV、パラジウムのKα1線:21.12keV)。従って、これらピークを含む上記の計数結果をピーク位置校正用データとして用いることができる。
特性X線ピークを用いてピーク位置の校正を行う場合、励起X線X1などに含まれる特性X線(及び/又は蛍光X線)のK線(Kα1線、Kα2線、Kβ1線など)、L線(Lα1線、Lα2線、Lβ1線、Lβ2線、Lγ1線など)、又はM線(Mα1線など)から任意の特性X線ピークを選択できる。
特に、複数の特性X線ピークを用いる場合、例えば、K線から1つの上記ピークを選択した場合には、他のピークはL線中のピーク又はM線中のピークから選択することにより、ピーク間のエネルギー差が大きくなるので、精度よくピーク位置を校正できる。
特に、複数の特性X線ピークを用いる場合、例えば、K線から1つの上記ピークを選択した場合には、他のピークはL線中のピーク又はM線中のピークから選択することにより、ピーク間のエネルギー差が大きくなるので、精度よくピーク位置を校正できる。
次に、ピーク位置校正部96は、上記のようにして得られた計数結果をピーク位置校正用データとして、ピーク位置を校正する(ステップS3023)。以下においては、2つの特性X線ピークを用いてピーク位置を校正する例について示す。
具体的には、例えば、図8Aに示すように、ピーク位置校正部96は、検出部53及び/又はX線計数部94に対してゼロ点調整信号を送信して、計数結果のプロファイルをエネルギー値においてシフト(図8Aにおいては、紙面の左右方向にシフト)させ、計数結果のプロファイルのピークのエネルギー値が、上記の特性X線などのピークが本来出現するエネルギー値に一致するように、検出部53及び/又はX線計数部94のゼロ点を調整する。図8Aは、ピークのゼロ点調整を模式的に示す図である。
具体的には、例えば、図8Aに示すように、ピーク位置校正部96は、検出部53及び/又はX線計数部94に対してゼロ点調整信号を送信して、計数結果のプロファイルをエネルギー値においてシフト(図8Aにおいては、紙面の左右方向にシフト)させ、計数結果のプロファイルのピークのエネルギー値が、上記の特性X線などのピークが本来出現するエネルギー値に一致するように、検出部53及び/又はX線計数部94のゼロ点を調整する。図8Aは、ピークのゼロ点調整を模式的に示す図である。
一方、図8Bに示すように、検出部53及び/又はX線計数部94のゼロ点を調整しても、計数結果の2つのピークのエネルギー値のいずれかが特性X線などのピークが本来出現するエネルギー値に一致しない場合には、ピーク位置校正部96は、検出部53及び/又はX線計数部94に対してゲイン調整信号を送信して、計数結果のプロファイルをエネルギー値において伸縮させ(図8Bにおいては、横方向に伸縮)、計数結果の2つのピークのエネルギー値の両方が特性X線などのピークが本来出現するエネルギー値に一致するように、エネルギー値スパンを校正する。図8Bは、ピークのエネルギー値スパンの調整を模式的に示す図である。
また、1つの特性X線ピークを用いたピーク位置の校正は、図8Cに示すように、計数結果においてゼロ点を定義した上でエネルギー値スパンを校正する。図8Cは、1つの特性X線ピークを用いてピーク位置を校正する方法を模式的に示す図である。
(5)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)ピーク位置の校正の他の実施形態
上記の第1実施形態においては、励起X線X1が捕集フィルタ1において散乱することにより発生する散乱X線に含まれる励起X線X1の特性X線ピークを用いて、ピーク位置の校正が実行されていた。しかし、これに限られず、他の特性X線や蛍光X線など、既知で不変のエネルギー値にピークが出現すると分かっているX線を検出部53に検出させて、ピーク位置を校正してもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)ピーク位置の校正の他の実施形態
上記の第1実施形態においては、励起X線X1が捕集フィルタ1において散乱することにより発生する散乱X線に含まれる励起X線X1の特性X線ピークを用いて、ピーク位置の校正が実行されていた。しかし、これに限られず、他の特性X線や蛍光X線など、既知で不変のエネルギー値にピークが出現すると分かっているX線を検出部53に検出させて、ピーク位置を校正してもよい。
例えば、捕集フィルタ1やプラスチック板中の不純物からの蛍光X線や、元素組成が既知の金属板からの蛍光X線などを用いることができる。または、捕集フィルタ1以外のプラスチック板などに励起X線X1を照射することにより上記の散乱X線を発生させてもよい。
(B)環境パラメータ及び経時変化に対するX線強度の補正
上記の第1実施形態に係る分析装置100においては、環境パラメータ及び経時変化に対するX線強度の補正を行ってもよい。例えば、捕集フィルタ1に励起X線X1を照射したときに励起X線X1が散乱することにより生じる散乱X線の強度を用いて、上記のX線強度の補正を行える。
具体的には、測定対象元素の蛍光X線が出現するエネルギー値毎に、ある基準の環境パラメータ下において実際に測定した散乱X線の強度(X線実測値)に対して、当該基準の環境パラメータにおいて測定され予め記憶されていたX線強度(基準X線強度)と他の環境パラメータにおいて測定され記憶されていたX線強度(他条件のX線強度)とを用いて、他の環境パラメータ下において上記の散乱X線を測定した場合のX線強度(予測強度)を予測できる(環境パラメータの変化に対するX線強度の校正)。
上記の第1実施形態に係る分析装置100においては、環境パラメータ及び経時変化に対するX線強度の補正を行ってもよい。例えば、捕集フィルタ1に励起X線X1を照射したときに励起X線X1が散乱することにより生じる散乱X線の強度を用いて、上記のX線強度の補正を行える。
具体的には、測定対象元素の蛍光X線が出現するエネルギー値毎に、ある基準の環境パラメータ下において実際に測定した散乱X線の強度(X線実測値)に対して、当該基準の環境パラメータにおいて測定され予め記憶されていたX線強度(基準X線強度)と他の環境パラメータにおいて測定され記憶されていたX線強度(他条件のX線強度)とを用いて、他の環境パラメータ下において上記の散乱X線を測定した場合のX線強度(予測強度)を予測できる(環境パラメータの変化に対するX線強度の校正)。
また、上記の他の環境パラメータにおいて実際に測定されたX線の強度(他のX線実測値)と、上記の予測強度とを比較することにより、同一の環境パラメータ下において測定されたX線の強度を比較できる。従って、他のX線実測値と予測強度とを比較することにより、照射部51及び/検出部53における経時変化による影響を予測できる。
また、この時、粒子状物質Pの状態変化による影響を考慮した補正を行ってもよい。
また、この時、粒子状物質Pの状態変化による影響を考慮した補正を行ってもよい。
本発明は、粒子状物質の分析行う分析装置に広く適用できる。
100 分析装置
1 捕集フィルタ
11 捕集層
13 補強層
3 サンプリング部
31 吸引部
31a 第1開口部
33 吸引ポンプ
35 排出部
35a 第2開口部
37 サンプリングポート
38 β線照射部
39 β線検出部
5 分析部
51 照射部
53 検出部
7 フィルタ移動部
7a 送り出しリール
7b 巻き取りリール
9 制御部
91 フィルタ制御部
92 サンプリング制御部
93 照射制御部
94 X線計数部
95 成分分析部
96 ピーク位置校正部
97 粒子質量濃度算出部
A 測定領域
BS バックグランド校正用基材
CS 校正用試料
MS 基材
P 粒子状物質
SS スパン校正用基材
X1 励起X線
X2 X線
1 捕集フィルタ
11 捕集層
13 補強層
3 サンプリング部
31 吸引部
31a 第1開口部
33 吸引ポンプ
35 排出部
35a 第2開口部
37 サンプリングポート
38 β線照射部
39 β線検出部
5 分析部
51 照射部
53 検出部
7 フィルタ移動部
7a 送り出しリール
7b 巻き取りリール
9 制御部
91 フィルタ制御部
92 サンプリング制御部
93 照射制御部
94 X線計数部
95 成分分析部
96 ピーク位置校正部
97 粒子質量濃度算出部
A 測定領域
BS バックグランド校正用基材
CS 校正用試料
MS 基材
P 粒子状物質
SS スパン校正用基材
X1 励起X線
X2 X線
Claims (5)
- 粒子状物質から発生する蛍光X線に基づいて前記粒子状物質の成分分析を行う分析装置であって、
前記粒子状物質を励起して蛍光X線を発生させる励起X線を照射する照射部と、
前記励起X線を照射することにより発生するX線を検出する検出部と、
前記検出部において検出されるX線の励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、前記検出部にて検出されるX線のピーク位置を校正するピーク位置校正部と、
を備える分析装置。 - 前記粒子状物質を捕集するための捕集フィルタをさらに備え、
前記検出部において検出されるX線は、前記励起X線が前記捕集フィルタにおいて散乱されることにより発生する散乱X線である、請求項1に記載の分析装置。 - 前記ピーク位置を校正するために用いる前記X線ピークは、前記励起X線に含まれる特性X線ピークである、請求項1又は2に記載の分析装置。
- 前記特性X線ピークは、K線、L線、M線のうちの2つから選択される、請求項3に記載の分析装置。
- 粒子状物質に励起X線を照射することにより発生する蛍光X線に基づいて前記粒子状物質の成分分析を行う分析装置の校正方法であって、
前記励起X線を照射するステップと、
前記励起X線を照射することにより発生するX線を検出するステップと、
検出されるX線の励起X線成分に含まれるX線ピークを用いて、検出されるX線のピーク位置を校正するステップと、
を含む校正方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014104788A JP2015219198A (ja) | 2014-05-20 | 2014-05-20 | 分析装置及び校正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014104788A JP2015219198A (ja) | 2014-05-20 | 2014-05-20 | 分析装置及び校正方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015219198A true JP2015219198A (ja) | 2015-12-07 |
Family
ID=54778670
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014104788A Pending JP2015219198A (ja) | 2014-05-20 | 2014-05-20 | 分析装置及び校正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015219198A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017106873A (ja) * | 2015-12-11 | 2017-06-15 | 株式会社堀場製作所 | 分析装置、分析方法、及びプログラム |
JP2018162984A (ja) * | 2017-03-24 | 2018-10-18 | 株式会社日立ハイテクサイエンス | 放射線分析装置 |
JPWO2019064868A1 (ja) * | 2017-09-27 | 2020-10-01 | 株式会社島津製作所 | X線分光分析装置、及び該x線分光分析装置を用いた化学状態分析方法 |
WO2022065026A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | 株式会社堀場製作所 | 分析装置、分析システム、分析方法、校正方法、及びプログラム |
-
2014
- 2014-05-20 JP JP2014104788A patent/JP2015219198A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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