JP2015218746A - 転動軸 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピニオンシャフト等の転動軸の強度を、作業効率良く、より向上させる。
【解決手段】高炭素クロム軸受鋼からなり、その表面に、レーザー焼入れ、焼戻してなるレーザー焼入れ硬化層が形成されており、かつ、レーザー焼入れ硬化層の有効硬化層深さ(Y0)が、該転動軸の外径(a)及び中心穴外径(t)に対して「0.03≦Y0/〔(a−t)/2〕≦0.6」であり、最表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下で、心部の残留オーステナイト量が0体積%である転動軸。
【選択図】図1

Description

本発明は、遊星歯車装置に使用されるピニオンシャフトのような、転がり軸受の内輪として機能する転動軸に関する。
自動車等の遊星歯車装置において、プラネタリシャフトはニードルころを介してピニオンギアを支持している。ピニオンシャフトは転がり軸受の内輪に、ピニオンギアの内面は外輪に相当し、ピニオンシャフトの軸端部は、キャリアに固定されている。
また、遊星歯車装置は、軸受内部に異物が混入するような厳しい環境下で使用される場合があるため、異物混入環境下において長寿命なピニオンシャフトの開発が望まれている。異物混入環境下で使用されるピニオンシャフトを長寿命化する方法として、異物によって形成された圧痕縁への応力集中を緩和する効果のある残留オーステナイトを確保することが有効である。
例えば、特許文献1では、浸炭処理または浸炭窒化処理を施すことにより鋼材中の残留オーステナイト量を増加させている。しかしながら、浸炭処理または浸炭窒化処理にはコストと処理時間がかかって非効率である。
これに対し、特許文献2では、浸炭処理または浸炭窒化処理の代わりに高周波焼入れして残留オーステナイト量の増加を図っている。しかしながら、高周波焼入れでは、硬化層が深くまで入りすぎる場合があり、細径のピニオンシャフトの作製が困難になることがある。特に、軸の中心に穴が開いている場合には、硬化層が中心部にまで貫通してしまいシャフト強度が悪くなる場合がある。その結果、遊星歯車装置にピニオンシャフトを組み付ける際、または使用中に、ピニオンシャフトが割れて破損することがある。
特許第4811072号公報 特開2012−57714号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ピニオンシャフト等の転動軸の強度を、作業効率良く、より向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、下記の転動軸を提供する。
(1)転がり軸受の内輪として機能し、その少なくとも転動体摺動部が焼入れ硬化された軌道軸であって、
高炭素クロム軸受鋼からなり、その表面に、レーザー焼入れ、焼戻してなるレーザー焼入れ硬化層が形成されており、かつ、
レーザー焼入れ硬化層の有効硬化層深さ(Y0)が、該転動軸の外径(a)及び中心穴外径(t)に対して「0.03≦Y0/〔(a−t)/2〕≦0.6」であり、
最表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下で、心部の残留オーステナイト量が0体積%であることを特徴とする転動軸。
(2)表面硬さがHv750〜830で、心部硬さがHv240以下であることを特徴とする上記(1)記載の転動軸。
本発明の転動軸は、レーザー焼入れにより、特定深さの表層部にのみ、効率的に硬化層が形成されている。しかも、表層部に残留オーステナイトが所定量確保されており、十分な硬度が付与されている。そのため、本発明の転動軸は、異物混入環境下でも十分な耐久性を有する。
ピニオンシャフトの一例を示す断面図である。 「Y0/〔(a−t)/2〕」値と曲がり量との関係を示すグラフである。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
ここでは、転動軸としてピニオンシャフトを例示して説明する。図1はピニオンシャフト1の一例を示す断面図であり、一方の端部の中心が開口して中心穴11が形成されており、この中心穴11から分岐して油孔12,12が外周面まで開口している。本発明では、ピニオンシャフト1全体が高炭素クロム軸受鋼からなり、転動体摺動部となる外周面に、レーザー焼入れ硬化層15が形成されている。
レーザー焼入れは、目的とする深さで硬化層を形成することができ、しかも浸炭処理や浸炭窒化処理のように処理ガス中で長時間加熱処理する必要がなく、極めて効率的に硬化層を形成することができる。本発明では、レーザー焼入れ硬化層15の有効硬化層深さ(Y0)を、転動軸外径をa、中心穴外径をtとするとき、下記(1)式を満足するように形成する。
(1)式:0.03≦Y0/〔(a−t)/2〕≦0.6
即ち、本発明では、レーザー焼入れ硬化層15の有効硬化層深さを、転動軸外径及び中心穴外径に応じて最適な範囲にすることに特徴があるが、「Y0/〔(a−t)/2〕」値が0.03よりも小さい場合、十分な硬化層硬さ、表面硬さ、残留オーステナイト量を確保することができない。一方で、「Y0/〔(a−t)/2〕」値が0.6よりも大きい場合、硬化層深さが深くなりすぎて貫通するおそれがある。この場合、使用中に残留オーステナイトの分解による塑性変形が大きくなり、ピニオンシャフト1が曲がり易くなり、破損に至る可能性がある。好ましい「Y0/〔(a−t)/2〕」値は、0.05〜0.5である。
また、最表面層の残留オーステナイト量が15〜40体積%である。尚、最表面層とは、表面から50μmの深さの領域である。この最表面層の残留オーステナイト量が15体積%未満では、異物混入環境下で十分な転がり疲労特性が得られない。一方、最表面層の残留オーステナイト量が40体積%を超えると、十分な硬さが得られず転がり転動疲労特性が低下する。好ましい最表面層の残留オーステナイト量は、20〜30体積%である。
更に、心部の残留オーステナイト量が0体積%である。尚、心部とはレーザー焼入れ硬化層15よりも深い位置の領域であり、本発明ではレーザー焼入れ処理を行っていないため、この領域での残留オーステナイト量は0体積%となる。
上記ピニオンシャフト1では、表面硬さがHv750〜830で、心部硬さがHv240以下であることが好ましい。表面硬さがHv750未満であると硬さが不十分であり、転がり疲労特性が低下する。一方、表面硬さがHv830を超えると焼入れ時の焼入れ温度を高くする必要があり、結晶粒の粗大化により靭性が低下するおそれがある。より好ましい表面硬さはHv760〜820である。
一方、心部硬さがHv240を超えると、加締め加工を行うことが困難になる。遊星歯車装置において、ピニオンシャフト1はキャリアに固定されるが、固定方式として係止ピンを掛け渡す「ピン止めタイプ」と、軸端部を塑性変形させる「加締めタイプ」の2種類がある。「加締めタイプ」は、係止ピンが不要であることから部品点数を削減できるとともに、軸長さを抑えることができるという利点を有する。しかし、心部硬さがHv240を超えると、塑性変形させるための加締め加工が困難になる。より好ましい心部硬さはHv230以下である。
また、異物混入環境下において、応力集中緩和の効果と、シャフトの曲がり量の低下を両立するために、有効硬化層深さに対する最表面層の残留オーステナイト量(γR)の比「γR/{Y0/{(a−t)/2〕}」を45〜500にすることが好ましく、67〜152にすることがより好ましい。
ピニオンシャフト1を製造するには、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなる棒状素材を用いて中心穴11や油孔12を形成した後、外周面にレーザー焼入れを施してレーザー焼入れ硬化層15を形成し、焼戻しを行う。その際、(1)式を満たすように、転動軸外径(a)及び中心穴外径(t)に応じて(1)式を満足し、最表面層の残留オーステナイト量、更には表面硬さ及び心部硬さが上記所定の範囲となるようにレーザー焼入れ条件(出力や照射距離、照射時間等)、焼入れ条件(温度や時間等)を調整する。尚、製造効率の点から、焼戻しをレーザー加熱により行ってもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜5)
ピニオンシャフト用素材として高炭素クロム鋼であるSUJ2の棒状素材を用い、外径(a)を10mmで一定とし、中心穴の外径(t)を種々変えて加工し、更に実施例では外周面にレーザー焼入れ、比較例では高周波焼入れを、それぞれの処理条件を変えて行った後、180℃にて焼戻してピニオンシャフト試験片を作製した。尚、レーザー焼入れでは、900〜3000Wの出力で移動焼入れを行った。
得られたピニオンシャフト試験片の表面及び心部の残留オーステナイト量、表面硬さ、心部硬さ、「Y0/〔(a−t)/2〕」値、曲がり量、転動疲労寿命比を表1に示す。尚、転動疲労寿命比は、比較例1に対する相対値である。また、転動疲労寿命は、プラネタリーニードル試験機を用い、下記条件にてピニオンシャフト試験片を自転させる回転試験を行い、ニードルころ、ピニオンシャフト、ピニオンギアのうち少なくとも1つが破損した時点で寿命に至ったと判断して回転試験を中止し、それまでの回転時間を転動疲労寿命とした。尚、この回転試験では、ニードルころ、ピニオンシャフト、ピニオンギアのうち、どの部位が最弱であるかは予備実験を行い、ピニオンシャフトがそれに該当することを確認した後に本試験を行った。
<試験条件>
・基本動定格荷重:7600N
・基本静定格荷重:6350N
・ラジアル荷重:3000N
・ピニオンギアの自転速度:5000min−1
・計算寿命L10:74時間
・潤滑油の修理:オートマチックトランスミッションフルード
・潤滑油の温度:100℃
また、曲がり量については、上記の回転試験後にプラネタリーニードル試験機からピニオンシャフト試験片を取り外し、試験前からの曲がり量を測定した。実施例1〜6(プロット●)及び比較例2、4(プロット▲)について、この曲がり量と「Y0/〔(a−t)/2〕」値との関係を図2に示す。
Figure 2015218746
表1に示すように、実施例は何れもレーザー焼入れ硬化層を有し、更に表面及び心部の残留オーステナイト量、表面硬さ、心部硬さ、「Y0/〔(a−t)/2〕」値が本発明の範囲を満足するものであり、曲がり量が小さく、転動寿命比も比較例1の1.4倍から3.1倍に延びている。
これに対し比較例は何れも高周波焼入れ処理したものであり、表面及び心部の残留オーステナイト量、表面硬さ、心部硬さ、「Y0/〔(a−t)/2〕」値の何れかが本発明の範囲外である。比較例2,4は、図2に示すように、硬化層深さが深く入りすぎたために曲がり量が大きく、転動疲労寿命も短くなっている。また、比較例5は硬化層が貫通したために回転試験途中に破損した。また、比較例3は、高周波焼入れ時の加熱温度を抑えた例であるが、表面硬さ、表面残留オーステナイト量が本発明の範囲を満たしておらず、転動比等寿命も短い。
また、表2に、表1の表面残留オーステナイト量、「Y0/〔(a−t)/2〕」値、曲がり量、転動疲労寿命比を基に、「γR(表面残留オーステナイト量)/{Y0/〔(a−t)/2〕}」比、「転動疲労寿命比/曲がり量」比を算出して示すが、「γR/{(Y0/(a−t)/2)}」比を45〜500にすることにより、曲がり量に対する転動疲労寿命比を1.1〜2.1にすることができ、異物混入環境下におけて応力集中緩和効果と曲がり量の低下を両立することができる。
Figure 2015218746
1 ピニオンシャフト
11 中心穴
12 油孔
15 レーザー焼入れ硬化層

Claims (2)

  1. 転がり軸受の内輪として機能し、その少なくとも転動体摺動部が焼入れ硬化された軌道軸であって、
    高炭素クロム軸受鋼からなり、その表面に、レーザー焼入れ、焼戻してなるレーザー焼入れ硬化層が形成されており、かつ、
    レーザー焼入れ硬化層の有効硬化層深さ(Y0)が、該転動軸の外径(a)及び中心穴外径(t)に対して「0.03≦Y0/〔(a−t)/2〕≦0.6」であり、
    最表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下で、心部の残留オーステナイト量が0体積%であることを特徴とする転動軸。
  2. 表面硬さがHv750〜830で、心部硬さがHv240以下であることを特徴とする請求項1記載の転動軸。
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