JP2015216824A - トラクションモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、信頼性及び効率を向上可能なトラクションモータ駆動装置を提供することをその目的としている。
【解決手段】
2つの電池の接続を切り換える直並列切換回路は、2つの並列リレー及び1つの直列リレーをもつ。2つの電池からインバータへ供給される電源電流は、直並列切換回路のすべてのリレーがオフされる期間に遮断される。この電池が並列接続される並列モードにおいて、2つの電池は、互いに異なる1つの安全リレー及び互いに異なる1つの並列リレーを順次通じてインバータに給電する。電池は、逆流防止ダイオードを有する昇圧チョッパを通じてインバータに電源電流を給電する。この逆流防止ダイオードは、電源電流の通過を許容する。
【選択図】図4

Description

本発明は、トラクションモータ駆動装置に関する。
本発明は特に、2つの電池の接続を切換える電池接続切換式のトラクションモータ駆動装置に関する。
モータのバックEMF(逆起電力)がモータ回転数とともに上昇するので、モータ印加電圧が一定である時、モータのトルクは高速回転領域で減少する。したがって、電池は、トラクションモータが高速領域でトルクを発生するために高電圧をインバータに印加する必要がある。
トラクションモータは、低速領域で大きなトルクを発生する必要がある。しかし、高電圧が低速領域のモータを駆動するインバータに印加される時、モータ駆動装置の回路損失は増加する。このため、特許文献1は、高速領域においてバッテリ電圧を昇圧する昇圧チョッパをもつモータ駆動装置を提案している。しかしながら、昇圧チョッパは、モータ駆動装置の損失と製造コストを増加する。その結果、昇圧チョッパを冷却するために、モータ駆動装置は、大型の冷却装置を必要とする。
図1は、昇圧チョッパを有するトラクションモータ駆動装置を示す。バッテリ1から給電される昇圧チョッパ8は、トラクションモータMGを駆動するインバータ7にDCリンク電圧を印加する。バイパスリレー80、リアクトル81、クランプスイッチ82及び出力スイッチ83からなる昇圧チョッパ8は、昇圧されたDCリンク電圧をインバータ7に印加する。平滑キャパシタ6A及び6Bはリップル電圧を低減する。
昇圧チョッパ8の昇圧動作は、低速領域において停止される。バッテリ1は、バイパスリレー80を通じてインバータ7に給電するので、昇圧チョッパ8の損失は、低速領域において低減される。しかし、バイパスリレー80かオンされる時、インバータ7のリップル電圧がバイパスリレー80を通じてバッテリ1に印加されるため、バッテリ1の損失が増加してしまう。さらに、バイパスリレー80は頻繁に開閉されるため、バイパスリレー80の故障が懸念される。
昇圧チョッパ8の損失が昇圧比の増加とともに増加するので、バッテリ1の電圧はできるだけ高くされる。2つの安全リレー21-22は、負荷回路の短絡事故が発生した時にバッテリ1を負荷回路から安全に分離する。直列接続された2つの安全リレー21-22がオフされるため、安全リレー21-22の1つがオン故障を発生しても、バッテリ1を確実に分離することができる。
直列接続された補助リレー20及び電流制限抵抗90は、平滑キャパシタ6Aがプリチャージされる時に発生する突入電流を制限する。これにより、安全リレー21-22の接点がこの突入電流により溶着する問題が回避される。
特許文献2は、電池接続切換方式のトラクションモータ駆動装置を提案している。図2は、このモータ駆動装置を示す。直並列切換回路を構成するリレーユニット10は、直列リレー3及び2つの並列リレー4-5からなる。この電池接続切換方式によれば、図1に示される昇圧チョッパ8の電力損失を避けることができる。
しかし、平滑キャパシタ6Aに印加されるDCリンク電圧は、バッテリ1-2の直並列切換動作により急変する。これは、直並列切換動作により平滑キャパシタ6Bを流れる突入電流が大幅に増加する。この突入電流は、リレー3-5の電気的寿命を大幅に低下させる。さらに、バッテリ1-2は3つのリレーを経由してインバータ7に電流を供給するので、リレーの合計損失が増加する。
平滑キャパシタ6Bの静電容量を減らすことにより、この突入電流を低減することができる。しかし、平滑キャパシタ6Bの静電容量を減らすことにより、バッテリ1-2のリップル電流損失が増加し、高周波ノイズが増加する。このバッテリのリップル電流損失について更に説明する。インバータなどのスイッチング回路は、一般に所定のキャリヤ周波数でPWMスイッチングされる。キャリヤ周波数(基本波)及びその奇数高調波により主に構成される高周波リップル電流は、直流電源にリップル電流損失を発生する。たとえば、デユーティ比が50%の矩形波電流は、電力が等しい直流電流と比べて2倍の損失を発生する。
このリップル電流損失を低減するために、平滑キャパシタが、スイッチング回路と並列に接続される。この平滑キャパシタは、高周波リップル電流をバイパスことにより、直流電源のリップル電流損失を低減する。このバイパス効果を向上するために、平滑キャパシタの静電容量を増加する必要がある。しかし、たとえば電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)を駆動するトラクションモータ駆動装置に採用される高耐圧の平滑キャパシタは大きなサイズをもち、高価となる。所定の静電容量をもつ平滑キャパシタの体積及び重量は、その耐圧の二乗に略比例する。さらに、長い平均配線長をもつ大型の平滑キャパシタは、平滑効果を抑制する。
特開2005-160284号公報 特開2010−57288号公報
本発明の1つの目的は、効率及び信頼性を向上可能なトラクションモータ駆動装置を提供することである。本発明のもう1つの目的は、モータトルクの望ましくない変動を抑止可能なトラクションモータ駆動装置を提供することである。
本発明の第1の様相によれば、2つの直流電流源は、直並列切換回路を通じてインバータに電源電流を供給する。直並列切換回路の直列リレー及び2つの並列リレーの切換により、2つの直流電流源の直列接続状態と並列接続状態とが切り換えられる。インバータは、このリレー切換が実行される電池接続切換期間にモータ電流を低減する。好適には、モータ電流は最小とされる。リレーのアーク電流が低減されるので、リレーの寿命が改善され、リレーの接点溶着などの事故が減る。
好適な態様によれば、トラクションモータを駆動するインバータは、エンジン駆動の発電機を制御するための第2インバータと並列に接続される。発電機から第2インバータを通じてインバータに供給される発電電流は、電池接続切換期間に増加される。好適には、発電電流の平均値は電池接続切換期間にインバータのモータ電流の平均値とほぼ等しくされる。これにより、電池接続の切換に随伴するトラクションモータのトルク変動も抑止される。
好適な態様において、トラクションモータを駆動するインバータが発電電流を出力する回生制動中に電池接続の切換動作を実行する時、第2インバータは、発電機をモータとして駆動する。これにより、インバータが出力する発電電流は第2インバータを通じて発電機に吸収される。好適には、インバータの発電電流の平均値は、ほぼ第2インバータのモータ電流の平均値に等しい。これにより、電池接続切換期間にインバータから直流電流源に流れる電流を低減することができる。したがって、リレーの寿命が改善され、リレーの接点溶着などの事故が減る。トラクションモータのトルク変動も抑止される。
好適な態様によれば、直列リレー及び2つの並列リレーの全てがオフされるフルオープン期間が、電池接続切換期間内に設定される。このフルオープン期間にインバータの発電電流を制御することにより、インバータに印加されるDCリンク電圧をリレー切換後の電圧値に接近させる。これにより、電池接続の切換により平滑キャパシタに流れる突入電流が低減される。この切換前後に発生するトラクションモータのトルク変動を抑制することができる。
好適な態様において、トラクションモータの高速領域において、直列リレー及び2つの並列リレーのすべてがオフされる独立モードが実行される。これにより、第2インバータの発電電流だけがインバータを通じてトラクションモータに供給される。これにより、トラクションモータの回転数に応じて第2インバータの発電電圧を増加することにより、トラクションモータのバックEMFが2つの直流電流源の合計電圧よりも高くなる高速領域において、トラクションモータを駆動することができる。
好適態様において、直並列切換回路は、電源電流をインダクタを通じてインバータに供給する。これにより、直並列切換回路のオンにより、平滑キャパシタに流れる突入電流を低減することができる。さらに、インバータが発生する高周波リップル電流が直流電流源に追加損失を発生するのを抑制することができる。しかし、インダクタは、並列リレー又は直列リレーが遮断される時、サージ電圧を発生する。このサージ電圧は、イダクタと並列接続された還流ダイオードにより防止される。
好適な態様において、所定個数の直列共振回路が平滑キャパシタと並列接続される。各直列共振回路は、インバータのPWMキャリヤ及び/又はその低次高調波と本質的に等しい直列共振周波数をもつ。これにより、平滑キャパシタを小型化することができ、平滑キャパシタの損失を低減することができる。
本発明の第2の様相によれば、直列リレーを通じて直列接続された2つの電池の合計電圧は、2つの安全リレーを通じて出力される。第1の電池及び第2の電池が並列接続される並列モードにおいて、2つの並列リレーは、互いに異なる安全リレーを経由してインバータにそれぞれ電源電流を供給する。これにより、直並列切換回路の信頼性を向上し、リレー損失を低減することができる。なお、この第2の様相は、上記第1の様相と独立に実施することができる。
好適な態様において、2つの並列リレーは、共通の電磁コンタクタにより構成され、2つの安全リレーは、共通の電磁コンタクタにより構成される。これにより、信頼性の低下を回避しつつコンパクトな直並列切換回路を実現することができる。
本発明の第3の様相によれば、直流電流源は、逆流防止ダイオードを有する昇圧チョッパを通じて前記インバータに接続される。この逆流防止ダイオードは、昇圧チョッパの昇圧動作が停止される時、直流電流源からインバータへの給電を許容する。これにより、昇圧チョッパの昇圧動作が停止される期間における回路損失を低減することができる。さらに、昇圧チョッパの昇圧動作が停止される期間にインバータから直流電流源に流れる高周波リップル電流を低減できるため、直流電流源の損失を低減することができる。
図1は、従来のトラクションモータ駆動装置を示す配線図である。
図2は、従来のトラクションモータ駆動装置を示す配線図である。
図3は、第1実施形態のトラクションモータ駆動装置を示すブロック図である。
図4は、図3に示されるモータ駆動装置の詳しい配線図である。
図5は、並列モードから直列モードへの電池接続切換動作を示すタイミングチャートである。
図6は、直列モードから並列モードへの電池接続切換動作を示すタイミングチャートである。
図7は、図5及び図6に示される電池接続切換制御を示すフローチャートである。
図8は、バッテリと燃料電池とを有するモータ駆動装置を示す配線図である。
図9は、第2実施形態の2モータタイプのトラクションモータ駆動装置を示す配線図である。
図10は、図9に示されるモータ駆動装置の電池接続切換制御を示すタイミングチャートである。
図11は、図9に示されるトラクションモータのトルク-速度特性を示す図である。
図12は、DCリンク電圧と速度との関係を示す図である。
図13は、第3実施形態のトラクションモータ駆動装置を示す配線図である。
図14は、第4実施形態のトラクションモータ駆動装置を示す配線図である。
第1実施形態
第1実施形態が図3-図7を参照して説明される。図3は、図略の3相トラクションモータを駆動するモータ駆動装置を示す配線図である。このモータ駆動装置は、リレーユニット10、コントロールユニット11及びスイッチングユニット12を有している。リレーユニット10は、2つのバッテリ(電池)1-2の間の空間に配置されている。これにより、バッテリ1-2とリレーユニット10との間の配線損失を低減することができる。リレーユニット10の出力端子ペアは、高電位ケーブル13及び低電位ケーブル14を通じてスイッチングユニット12の入力端子ペアに接続されている。
リレーユニット10は、直列リレー3、並列リレー4-5及び安全リレー21-22を有している。直列リレー3及び並列リレー4-5は、バッテリ1-2の接続を切り換えるための直並列切換回路を構成している。並列リレー4-5は、1つの共通のプランジャに固定された2つの可動接点により構成されている。言い換えれば、並列リレー4-5は、実質的に2つの可動接点をもつ1つの電磁コンタクタにより構成されている。安全リレー21-22も、1つの共通のプランジャに固定された2つの可動接点により構成されている。言い換えれば、安全リレー21-22は、実質的に2つの可動接点をもつ1つの電磁コンタクタにより構成されている。結局、リレーユニット10は、3つの電磁コンタクタにより構成されている。
スイッチングユニット12は、平滑回路9及びインバータ7を有している。平滑回路9は、インバータ7が発生する高周波リップル電流をバイパスすることにより、バッテリ1-2のリップル電流損失を低減する。バッテリ1-2の電圧は、リレーユニット10及び平滑回路9を通じてインバータ7に印加される。スイッチング回路としてのインバータ7は、図略のトラクションモータに3相交流電圧を印加する。コントロールユニット11は、インバータ7及びリレーユニット10の各リレー3-5及び21-22を制御する。
図4は、図3に示されるモータ駆動装置の詳しい配線図である。最初に、リレーユニット10が説明される。直列リレー3は、バッテリ1の負極とバッテリ2の正極とを接続している。バッテリ1の正極は、安全リレー21を通じて高電位ケーブル13に接続されている。バッテリ2の負極は、安全リレー22を通じて低電位ケーブル14に接続されている。並列リレー4は、バッテリ1の負極と低電位ケーブル14とを接続している。並列リレー5は、バッテリ2の正極と高電位ケーブル13とを接続している。
バッテリ1-2を直列接続する直列モードによれば、直列リレー3がオンされ、並列リレー4-5はオフされる。バッテリ1-2を並列接続する並列モードによれば、直列リレー3がオフされ、並列リレー4-5をオンされる。コントロールユニット11は、並列モード、直列モード及び切換モードをもつ。切換モードによれば、並列モード及び直列モードが切り換えられる。
このリレーユニット10の利点が以下に説明される。第1に、並列リレー4-5が実質的に共通の電磁コンタクタにより構成されているにもかかわらず、リレーユニット10は、優れた信頼性をもつことができる。たとえば、安全リレー21の接点が溶着する時、安全リレー22はオフできない。しかし、直列リレー3及び並列リレー4-5をオフすることにより、バッテリ1-2からインバータ7への電流は安全に遮断することができる。
第2に、バッテリ1は、3つのリレー3、5及び21が同時にオンされない限り短絡されない。同様に、バッテリ2は、3つのリレー3、4及び22が同時にオンされない限り短絡されない。したがって、バッテリ1-2がリレーの接点溶着により短絡される危険は大幅に低減される。
第3に、一般に大電流が流れる並列モードにおいて、バッテリ1はリレー4及び21を通じて放電し、バッテリ2もリレー5及び22を通じて放電する。言い換えれば、並列モードによれば、バッテリ1-2はそれぞれ2つのリレーを通じてインバータ7に接続される。このため、並列モードにおけるリレーユニット10の損失は、図2に示される従来のリレーユニット10と比べて低減される。図2によれば、バッテリ1-2は、並列モードにおいてそれぞれ3つのリレーを通じて放電するので、リレー損失が増加する。結局、リレーユニット10は、簡素な構造と高い信頼性とより少ないリレー損失とをもつ。
次に、スイッチング回路を構成するインバータ7が説明される。3相インバータ7は、U相レグ、V相レグ及びW相レグからなる。U相レグは、直列接続された上アームスイッチ71及び下アームスイッチ74からなる。V相レグは、直列接続された上アームスイッチ72及び下アームスイッチ75からなる。W相レグは、直列接続された上アームスイッチ73と下アームスイッチ76からなる。バッテリ1及び2は、高電位DCリンク線7H及び低電位DCリンク線7Lを通じてインバータ7に直流電流を供給する。
次に、平滑回路9が説明される。平滑回路9は、インダクタ91、還流ダイオード92、平滑キャパシタ6、共振インダクタ93-95及び共振キャパシタ96-98を有している。高電位ケーブル13は、並列接続されたインダクタ91及び還流ダイオード92を通じて高電位DCリンク線7Hに接続されている。還流ダイオード92のカソードは、高電位ケーブル13に接続され、還流ダイオード92のアノードは高電位DCリンク線7Hに接続されている。低電位ケーブル14は、低電位DCリンク線7Lに接続されている。
平滑キャパシタ6は、高電位DCリンク線7H及び低電位DCリンク線7Lを接続している。共振インダクタ93及び共振キャパシタ96は、直列共振回路9Aを構成している。共振インダクタ94及び共振キャパシタ97は、直列共振回路9Bを構成している。共振インダクタ95及び共振キャパシタ98は、直列共振回路9Cを構成している。実際には、直列共振回路9A-9Cはそれぞれ、配線インダクタンスや浮遊容量を含む。3つの直列共振回路9A-9Cは、平滑キャパシタ6及びインバータ7と並列に接続されている。
インダクタ91及び平滑キャパシタ6は、インバータ7からバッテリ1-2へ流れる高周波リップル電流を低減するフィルタを構成している。ただし、還流ダイオード92がインダクタ91と並列接続されているので、インバータ7からバッテリ1-2に流れる高周波リップル電流の正の半波成分は、還流ダイオード92を通じて流れる。
さらに、インダクタ91は、バッテリ1-2から平滑キャパシタ6へ流れる突入電流を抑制する。この突入電流は、安全リレー21-22がオンされる時、及び、直列リレー3がオンされる時、発生する。平滑キャパシタ6がこの突入電流により充電される時間は短いため、インダクタ91のインダクタンスは比較的小さくてよい。
還流ダイオード92は、バッテリ1-2からインバータ7へ流れる電流が急減する時、インダクタ91のサージ電圧を抑制する。一般に、この電流急減は、リレーユニット10のリレー21-22又は3-5のオフにより発生する。たとえば、安全リレー21-22がオフされる時、還流ダイオード92は、インダクタ91の電流を循環する。これにより、大きなサージ電圧が安全リレー21-22に印加されない。同様に、直列リレー3又は並列リレー4ー5がオフされる時も、大きなサージ電圧が直列リレー3又は並列リレー4ー5に印加されない。このため、リレー3-5及び21-22の接点寿命及び信頼性を大幅に延長することができる。
PWMスイッチングされるインバータ7は高周波リップル電流を発生する。この高周波リップル電流は、PWMキャリヤ周波数をもつ基本波電流成分及びその奇数高調波成分を含む。高周波リップル電流の基本波成分と等しい直列共振周波数をもつ直列共振回路9Aは、殆どの基本波成分をバイパスする。第3高調波成分と等しい直列共振周波数をもつ直列共振回路9Bは、殆どの第3高調波成分をバイパスする。第5高調波成分と等しい直列共振周波数をもつ直列共振回路9Cは、殆どの第5高調波成分をバイパスする。
直列共振回路9A-9Cが基本波成分及び低次高調波成分をバイパスし、平滑キャパシタ6がさらに高次の高調波成分をバイパスするので、バッテリ1-2のリップル電流流損失が大幅に低減される。さらに、平滑キャパシタ6を流れる高周波リップル電流も大幅に減少するため、平滑キャパシタ6の損失を低減することができる。
キャリヤ周波数が高い時、共振インダクタ93-95のインダクタンス値及び共振キャパシタ96-97の静電容量値が非常に小さくなる。したがって、直列共振回路9A-9Cは、平滑キャパシタ6に比べて大幅にコンパクトになる。たとえば、インダクタ93-95のインダクタンスはそれぞれ10マイクロH以下とされ、キャパシタ96ー98の静電容量はそれぞれ10マイクロF以下とされる。直列共振回路を追加することにより、平滑キャパシタ6を流れる高次の高調波成分を減らすことも可能である。
平滑キャパシタ6の交流インピーダンスは、高次の高調波成分に対して非常に小さくなる。したがって、平滑キャパシタ6の静電容量を大幅に低減することができる。その結果、平滑キャパシタ6はコンパクトとなり、その損失も低減される。さらに、平滑キャパシタ6の静電容量が低減されるので、安全リレー21-22又はリレー3-5のオンにより平滑キャパシタ6に流れる突入電流を低減することができる。これは、リレー3-5及び安全リレー21-22の電気的寿命を延長する。
コントロールユニット11により実行される切換モードが図5-図7を参照して説明される。まず並列モードから直列モードへの切換動作が図5を参照して説明される。インバータ7を制御することにより、バッテリ1-2からインバータ7へ供給されるインバータ電流Iiが時点t1にて最小値にされる。たとえばインバータ7のすべての上アームスイッチ71-73をオフし、すべての下アームスイッチ74-76をオンすることにより、インバータ供給電流Iiはゼロとなる。これにより、下アームスイッチ74-76は、トラクションモータ8にフリーホィーリング電流を流す。その他、同期モータの位相角をゼロに調整したり、誘導モータの滑り率をゼロに調整することにより、モータトルクをゼロに制御してもよい。モータトルクがゼロとなる時、インバータ電流Iiは最小となる。
次の時点t2において、並列リレー4-5がオフされる。インバータ電流Iiがほぼゼロであり、かつ、インダクタ91の電流が還流ダイオード92を通じて循環するため、並列リレー4-5のスパークは大幅に低減される。
次の時点t3において、直列リレー3がオンされる。これにより、突入電流が、直列接続されたバッテリ1-2から平滑キャパシタ6へ流れる。しかし、平滑キャパシタ6の静電容量が小さいので、突入電流は大幅に低減される。さらに、インダクタ91がこの突入電流を抑制する。これにより、直列リレー3の電気的寿命が改善される。
次の時点t4において、インバータ7は正常な動作を再開する。インバータ7に印加されるDCリンク電圧が高いため、インバータ7のデユーティ比が減少される。その結果、インバータ電流Iiは減少する。結局、リレー3-5の開閉動作が時点t1から時点t4までのインバータ休止期間Ti内に実施されるので、リレー3-5の電気的寿命が延長される。
次に、直列モードから並列モードへの切り換え動作が図6を参照して説明される。インバータ7を制御することにより、インバータ7に供給されるインバータ電流Iiが時点t1にて最小値にされる。次の時点t2において直列リレー3がオフされる。インバータ電流Iiがほぼゼロとなるため、直列リレー3のスパークは大幅に低減される。還流ダイオード92がインダクタ91の電流を還流するので、インダクタ91は直列リレー3のスパークを促進しない。
次の時点t3において、並列リレー4-5がオンされる。平滑キャパシタ6からバッテリ1-2へ突入電流が流れる。しかし、直列共振回路9A-9Cが平滑キャパシタ6の静電容量を低減するので、この突入電流は低減される。なお、直列リレー3がオフされた後、平滑キャパシタ6からインバータ7へ電流を供給することにより、平滑キャパシタ6の電圧を低下させてもよい。並列リレー4-5は、平滑キャパシタ6の電圧がほぼバッテリ1の電圧に等しくなった時点でオフされる。
次の時点t4において、インバータ7は正常な動作を再開する。結局、リレー3-5の開閉動作が時点t1から時点t4までのインバータ休止期間Ti内に実施されるので、リレー3-5の電気的寿命が延長される。
図7は、この切換モードを示すフローチャートである。最初に、運転モードの切換が指令されたか否かが判定される(ステップS100)。この実施形態によれば、運転者が低速モード、制動モードを手動で選択する。しかし、コントロールユニット11がトルク指令値及び速度指令値に基づいて、モードの1つを自動的に選択することも可能である。コントロールユニット11は、運転モードの切換が指令される時、この切換モードを実行する。
並列モードは、低速大トルク領域で選択されることが有利である。直列モードは、高速領域で選択されることが有利である。ステップS100にてモードの切換が指令されたと判定されたら、インバータ7のすべての上アームスイッチ71ー73がオフされ、すべての下アームスイッチ74ー76がオンされる(ステップS102)。これにより、バッテリ1-2からインバータ7への電流供給が遮断される。
次に、新しく選択されたモードが直列モードか否かが判定される(ステップS104)。Yesであれば、並列リレー4-5がオフされる(ステップS106)。その後、直列リレー3がオンされる(ステップS108)。ステップS104にてNoであれば、直列リレー3がオフされる(ステップS110)。その後、並列リレー4-5がオンされる(ステップS112)。その後、インバータ7の運転が再開される(ステップS114)。
この直並列切換方式の利点が以下に説明される。第1に、リレー3-5がインバータ休止期間Ti内において開閉されるので、直列リレー3及び並列リレー4-5の寿命が大幅に延長され、かつ故障確率が減少する。第2に、インダクタ91が平滑キャパシタ6の突入電流を抑制するので、リレー3-5の寿命はさらに延長され、リレー3-5の信頼性はさらに向上する。第3に、インバータ7が発生する高周波リップル電圧がインダクタ91により遮断されるため、バッテリ1-2のリップル損失が低減される。第4に、平滑キャパシタ6の静電容量は、インダクタ91の追加により低減される。
第5に、インダクタ91のサージ電圧が還流ダイオード92により抑制されるので、たとえリレー3-5又は21-22が遮断されても、インダクタ91はサージ電圧を発生しない。その結果、リレー3-5又は21-22の電気的寿命及び信頼性が改善される。第6に、直列共振回路9A-9CがPWMキャリヤ周波数成分及び低次高調波成分をバイパスするため、平滑キャパシタ6がコンパクトとなる。第7に、並列リレー4-5は、安全リレー21-22を迂回してインバータ7にバッテリ電流を供給するので、リレーユニット10の抵抗損失が低減される。第8に、バッテリ1-2は、互いに独立動作する3つのリレーが同時にオン故障しない限り、短絡されないので、バッテリ1-2の安全性が向上する。第9に、並列リレー4-5が共通のプランジャに固定され、安全リレー21-22が共通のプランジャに固定されるので、リレーユニット10がコンパクトとなる。
変形態様が図8を参照して説明される。図8によれば、図4に示されるバッテリ2の代わりに燃料電池2Bが採用される。逆流防止ダイオード2Aが燃料電池2Bと直列に接続されている。2つの並列リレー4-5はそれぞれ独立の電磁コンタクタにより構成されることができる。並列リレー4がオンされ、並列リレー5がオフされる時、燃料電池2Bだけがインバータ7に接続される。並列リレー4がオフされ、並列リレー5がオンされる時、バッテリ1だけがインバータ7に接続される。並列リレー4-5の両方がオンされる時、バッテリ1及び燃料電池2Bは並列接続される。この変形態様によれば、トラクションモータのバックEMFが燃料電池2Bの電圧を超える高速運転領域において、直列モードが採用される。バッテリ1の容量及び燃料電池2Bの発電量が不足する時、並列モードが採用される。
第2実施形態
第2実施形態のトラクションモータ駆動装置が図9-図12を参照して説明される。このトラクションモータ駆動装置は、2モータ型のハイブリッド車に適用される。第2インバータ72が図4に示されるモータ駆動装置に追加される。インバータ7と並列に接続されたこの第2インバータ72は、エンジンにより駆動される発電機MG2に接続されている。インバータ7はトラクションモータMG1に接続されている。回生制動が指令される時、トラクションモータMG1は発電機となる。エンジン始動やトルクアシストが指令される時、発電機MG2はモータとなる。
図9に示されるモータ駆動装置は、図4に示されるモータ駆動装置と本質的に同じ動作を行う。ただし、図9に示されるモータ駆動装置によれば、バッテリ1-2の接続を切り換える切換モードにおいて、インバータ休止期間Ti(図5及び図6参照)は省略される。その代わりに、リレー3-5が切り換えられる切換モードにおいて、第2インバータ72が必要な電流をインバータ7に供給する。これにより、切換モードにおいて、リレー3-5がインバータ7及び72に供給する電流を減らすことができる。
図9に示されるモータ駆動装置の切換モードが図10を参照して詳しく説明される。バッテリ1-2がインバータ7及び第2インバータ72に供給するバッテリ電流Ibは、インバータ7の消費電流Imと第2インバータ72の発電電流Igの差となる。平滑回路9の電流は無視される。各電流Ib、Im及びIgに含まれる高周波リップル電流は無視される。
コントロールユニット11は、トラクションモータMG1のトルク指令値及び回転数に基づいて自動的にモードを選択する。まず、並列モードから直列モードへ切り換える切換制御が説明される。並列リレー4-5は、時点t1以前においてオンされている。この並列モードによれば、並列接続されたバッテリ1-2はバッテリ電流Ibをインバータ7に供給し、第2インバータ72は発電電流Igをインバータ7に供給している。したがって、インバータ7を流れるモータ電流Imは電流和(Ib+Ig)に等しい。
発電電流Igが時点t1にて急増される。この発電電流Igの急増は、たとえば発電機MG2に供給するd軸電流Idの増加により実施される。これにより、平滑キャパシタ6の電圧であるDCリンク電圧Vdcが上昇するので、バッテリ電流Ibがほぼゼロとなる。モータ電流Imが発電電流Igにほぼ等しくなる時点t2にて、並列リレー4-5がオフされる。これにより、並列リレー4-5はスパークを発生しない。
次に、発電電流Igを増加することにより、DCリンク電圧Vdcは並列リレー4-5がオフされる時点t2から徐々に上昇される。インバータ7は、このDCリンク電圧Vdcの上昇に応じてPWMデユーティ比を減らしてモータトルクの変化を補償する。インバータ7によるこのPWMデユーティ比の低減により、モータ電流Imは減少する。
DCリンク電圧Vdcがほぼバッテリ1-2の合計電圧と等しくなる時点t3にて、直列リレー3がオンされる。発電電流Igがモータ電流Imのすべてを賄っているため、直列リレー3を流れるバッテリ電流Ibはほぼゼロとなる。さらに、DCリンク電圧Vdcがほぼバッテリ1-2の合計電圧に等しいので、平滑キャパシタ6Bへの突入電流はほぼゼロである。したがって、直列リレー3のスパークは防止される。
直列リレー3のオンが完了した後、インバータ72の発電電流Igが時点t4にて低減される。これにより、直列接続されたバッテリ1-2は、バッテリ電流Ibを流す。結局、リレー3-5のスパークは、この切換制御により防止される。時点t1から時点t4までの期間はバッテリ休止期間と呼ばれる。リレー3-5の全てがオフされるフルオープン期間(t2-t3)は、このバッテリ休止期間(t1-t4)内に配置される。
次に、直列モードから並列モードへ切り換えるための切換制御が説明される。直列リレー3は時点t5までオンされている。この直列モードにおいて、直列接続されているバッテリ1-2はバッテリ電流Ibをインバータ7に供給し、インバータ72は発電電流Igをインバータ7に供給している。したがって、インバータ7を流れるモータ電流Imは、電流和(Ib+Ig)に等しい。
発電電流Igが時点t5にて急増される。その結果、DCリンク電圧Vdcが上昇し、バッテリ電流Ibがほぼゼロとなる。モータ電流Imは発電電流Igにほぼ等しくなる時点t6にて、直列リレー3がオフされる。バッテリ電流Ibはほぼゼロてあるため、直列リレー3はスパークを発生しない。
次に、発電電流Igの制御により、DCリンク電圧Vdcは時点t6から徐々に低下させられる。インバータ7は、このDCリンク電圧Vdcの低下に応じてPWMデユーティ比を徐々に増やしてモータトルクの変化を補償する。インバータ7のこのPWMデユーティ比の増加により、モータ電流Imは増加する。モータ電流Imの増加を可能とするため、発電電流Igは増加される。
DCリンク電圧Vdcがほぼバッテリ1又は2のどちらかの電圧とほぼ等しくなる時点t7にて、並列リレー4-5がオンされる。発電電流Igがモータ電流Imにほぼ等しいため、並列リレー4-5を流れるバッテリ電流Ibはほぼゼロとなる。さらに、DCリンク電圧Vdcが1つのバッテリの電圧にほぼ等しいので、平滑キャパシタ6への突入電流はほぼゼロとなる。したがって、並列リレー4-5のスパークは防止される。
結局、期間(t1-t4及びt5-t8)に発電機MG2の発電電流Igを制御することにより、時点t2、t3、t6及びt7におけるバッテリ電流Ibはほぼゼロに制御される。その結果、リレー3-5のスパークはほぼゼロとなる。時点t5から時点t8までの期間はバッテリ休止期間と呼ばれる。リレー3-5の全てがオフされるフルオープン期間(t6-t7)は、このバッテリ休止期間(t5-t8)内に配置される。
インバータ7が発電電流を出力する回生制動時中にも電池接続切換動作を実行することもできる。バッテリ休止期間(t1-t4、t5-t8)において、インバータ7は、第2インバータ72に発電電流を供給する。第2インバータ72は、受け取った発電電流により、発電機MG2をモータとして駆動し、発電機MG2に結合されたエンジンを駆動する。これにより、インバータ7がバッテリ休止期間(t1-t4、t5-t8)にバッテリ1、2へ発電電流を供給するのを防止することができる。
このモータ駆動装置は、既に説明した第1実施形態の利点をもつ。さらに、このモータ駆動装置は、リレーの切換前の電圧から切換後の電圧までDCリンク電圧Vdcを徐々に変更するので、平滑キャパシタ6への突入電流をほぼゼロとすることができる。さらに、DCリンク電圧Vdcの変化速度を緩和できるので、インバータ7のPWMデユーティ比の調整によるモータトルクの補償が容易となる。
図11は、図9に示されるトラクションモータMG1のトラクションモータの運転領域を示す。回転数NとトルクTとにより規定されるこの運転領域は、低速領域1001、中速領域1002、高速領域1003、第1切換領域1004及び第2切換領域1005に分割されている。低速領域1001において並列モードが採用され、中速領域1002において直列モードが採用される。後述する独立モードが高速領域1003において採用される。第1切換領域1004において、並列モードと直列モードとのどちらかが採用される。第2切換領域1005において、直列モードと独立モードのどちらかが採用される。切換領域1004及び1005は一種のヒステリシス領域を構成する。低速領域1001において並列モードを採用するので、低速領域1001におけるバッテリ1-2の損失を低減することができる。
高速領域1003において採用される独立モードが以下に説明される。この独立モードによれば、直列リレー3及び並列リレー4-5のすべてがオフされる。これにより、バッテリ1-2はインバータ7及び第2インバータ72から切り離され、整流器として動作する第2インバータ72がインバータ7に電流を供給する。インバータ7の消費電流Imは、インバータ72の発電電流Igと等しくなる。トラクションモータMG1に供給されるd軸電流Id1、及び、発電機MG2に供給されるd軸電流Id2を制御することにより、トラクションモータMG1の回転数と発電機MG2の回転数は一致する必要が無い。
この独立モードによれば、DCリンク電圧Vdcは、バッテリ1-2の合計電圧よりも高くすることができる。その結果、トラクションモータMG1は、高速領域1003でトルクを発生することができる。
図12は、図11に示されるモータトルクTが所定値Tthである時のDCリンク電圧Vdcとモータ回転数Nとの関係を示す。DCリンク電圧Vdcは、インバータ7に印加される直流電圧を意味する。回転数Nが第1回転数値Nth1より低い低速領域1001において、DCリンク電圧Vdcは1つのバッテリの電圧Vbにほぼ等しい。回転数Nが第2回転数値Nth2より高い中速領域1002において、DCリンク電圧Vdcはバッテリ電圧Vbの2倍にほぼ等しい。回転数Nが第3回転数値Nth3より高い高速領域1003において、DCリンク電圧Vdcは、バッテリ電圧Vbの2倍よりも高く、かつ、モータ回転数Nの増加に応じて上昇する。
第3実施形態
第3実施形態のトラクションモータ駆動装置が図13を参照して説明される。このモータ駆動装置は、リレーユニット10とインバータ7との間に昇圧チョッパ15を有する点が、図4に示されるモータ駆動装置と異なっている。互いに並列接続された平滑キャパシタ6X及び直列共振回路9AXからなる第2の平滑回路9Xが、インバータ7と並列接続されている。直列接続されたインダクタ93及びキャパシタ96からなる直列共振回路9Aは、昇圧チョッパ15のPWMキャリヤ周波数に等しい直列共振周波数をもつ。
直列接続されたインダクタ93X及びキャパシタ96Xからなる直列共振回路9AXは、インバータ7のPWMキャリヤ周波数に等しい直列共振周波数をもつ。この実施形態によれば、昇圧チョッパ15のPWMキャリヤ周波数は、インバータ7のPWMキャリヤ周波数又はその奇数高調波に等しい。好適には、インバータ7及び/又は昇圧チョッパ15のPWMキャリヤ周波数及び/又は位相は、インバータ7及び/又は昇圧チョッパ15に印加される直流電圧に含まれる高周波リップル電圧が最小となるように制御される。
昇圧チョッパ15は、リアクトル151、クランプスイッチ152、出力スイッチ153からなる周知の回路構成をもつ。出力スイッチ153及びクランプスイッチ152は、パワートランジスタ及び逆並列ダイオードにより構成される。さらに、この昇圧チョッパ15は、バイパスダイオード154をもつ。クランプスイッチ152は、リアクトル151の出力端と低電位DCリンク線7Lとを接続する。出力スイッチ153は、リアクトル151の出力端と高電位DCリンク線7Hとを接続する。バイパスダイオード154のアノードはリアクトル151の入力端に接続され、バイパスダイオード154のカソードは高電位DCリンク線7Hに接続されている。クランプスイッチ152及び出力スイッチ153の相補スイッチング動作により、昇圧チョッパ15は、周知の昇圧動作及び逆方向降圧動作を実行する。
リレーユニット10の高電位出力端は、高電位ケーブル13及びインダクタ91を通じてリアクトル151の入力端に接続されている。還流ダイオード92は、インダクタ91と並列に接続されている。並列接続された直列共振回路9A及び平滑キャパシタ6は、リアクトル151の入力端と低電位DCリンク線7Lとを接続している。直列共振回路9Aは、直列接続されたリアクトル93及びキャパシタ96からなる。
昇圧チョッパ15及びインバータ7が発生する高周波リップル電流の主要成分が直列共振回路(9A及び9AX)をバイパスするため、平滑キャパシタ6及び6Xの静電容量を大幅に低減することができる。平滑キャパシタ6Xの小型化は、昇圧チョッパ15及びインバータ7を一相スイッチング法で運転するのに有効である。一相スイッチング法については、本発明者により出願されている。
第4実施形態
第4実施形態のトラクションモータ駆動装置が図14を参照して説明される。このモータ駆動装置は、図4に示されるモータ駆動装置と同じである。すなわち、このモータ駆動装置によれば、還流ダイオード92が直列接続された還流ライン7Bが、平滑回路9の入力端子をインバータ7の正の直流端子70に接続している。このトラクションモータ駆動装置の他の構成は、図4に示されるトラクションモータ駆動装置と同じである。還流ライン7Bは、シールド被覆されている。
高電位DCリンク線7Hは、配線インダクタンス99Lをもつ。インダクタ91及び配線インダクタンス99Lに印加される電圧がリレーユニット10(図4参照)のリレーの開閉及びインバータ7のスイッチングにより急減する時、インダクタ91及び配線インダクタンス99Lに蓄積された磁気エネルギーは、還流ダイオード92を通じて流れる還流電流を形成する。その結果、インダクタ91及び配線インダクタンス99Lが発生するサージ電圧は大幅に抑制される。さらに、インバータ7の上アームスイッチがオフされる時、インバータ7の正の直流端子70に印加されるサージ電圧は大幅に減少される。

Claims (13)

  1. トラクションモータを駆動するためのインバータと、前記インバータと並列接続される平滑キャパシタと、前記インバータ及び前記平滑キャパシタへ供給される電源電流を制御するコントロールユニットとを備えるトラクションモータ駆動装置において、
    前記電源電流は、2つの直流電流源を直列接続するための直列リレーと、前記2つの直流電流源を並列接続するための並列リレーとを有する直並列切換回路を通じて前記インバータ及び前記平滑キャパシタへ供給され、
    前記コントロールユニットは、前記直列リレー及び前記並列リレーの状態が切換えられる電池接続切換期間に前記インバータを制御することにより、前記電源電流を低減することを特徴とするトラクションモータ駆動装置。
  2. 前記コントロールユニットは、前記インバータを制御することにより、前記電池接続切換期間に前記電源電流を遮断する請求項1記載のトラクションモータ駆動装置。
  3. 前記インバータは、エンジン駆動の発電機を制御するための第2インバータと並列に接続され、
    前記コントロールユニットは、前記第2インバータから前記インバータへ供給される発電電流を前記電池接続切換期間に増加する請求項1記載のトラクションモータ駆動装置。
  4. 前記コントロールユニットは、前記発電機を制御することにより、前記インバータから前記トラクションモータへ流れるモータ電流に本質的に等しい前記発電電流を前記電池接続切換期間に前記第2インバータから前記インバータへ供給する請求項3記載のトラクションモータ駆動装置。
  5. 前記電池接続切換期間は、前記直列リレー及び前記並列リレーの全てがオフされるフルオープン期間を含み、
    前記コントロールユニットは、前記フルオープン期間に前記発電電流を制御することにより、前記インバータに印加されるDCリンク電圧を前記直並列切換回路の切換後の電圧値に接近させる請求項3記載のトラクションモータ駆動装置。
  6. 前記コントロールユニットは、前記トラクションモータ(MG1)の高速領域において前記直列リレー及び前記並列リレーの全てをオフすることにより、前記インバータ及び前記第2インバータを前記2つの直流電流源から分離する独立モードを実行する請求項3記載のパワースイッチング装置。
  7. 前記直並列切換回路は、2つの安全リレーを含み、
    前記2つの直流電流源は、互いに異なる前記並列リレー及び互いに異なる前記安全リレーを順次通じて前記電源電流を前記インバータに供給する請求項1記載のトラクションモータ駆動装置。
  8. 前記直並列切換回路は、前記電源電流をインダクタを通じて前記インバータに供給し、
    前記インダクタは、還流ダイオードと並列接続され、
    前記還流ダイオードのアノードは、前記インバータ側に接続され、
    前記還流ダイオードのカソードは、前記直並列切換回路側に接続される請求項1記載のトラクションモータ駆動装置。
  9. 前記インバータの一対の入力端子は、前記平滑キャパシタ及び少なくとも1つの直列共振回路と並列に接続され、
    前記直列共振回路は、前記インバータのPWMキャリヤ及び/又はその低次高調波と本質的に等しい直列共振周波数をもつ請求項1記載のトラクションモータ駆動装置。
  10. 前記電源電流は、逆流防止ダイオードを有する昇圧チョッパを通じて前記インバータに供給され、
    前記逆流防止ダイオードは、前記昇圧チョッパの昇圧動作が停止される時、前記直流電流源から前記インバータへの給電を許容する請求項1記載のトラクションモータ駆動装置。
  11. トラクションモータを駆動するためのインバータと、前記インバータと並列接続される平滑キャパシタと、前記インバータ及び前記平滑キャパシタへ供給される電源電流を制御するコントロールユニットとを備えるトラクションモータ駆動装置において、
    前記直並列切換回路は、2つの安全リレーを含み、
    前記2つの直流電流源は、互いに異なる前記並列リレー及び互いに異なる前記安全リレーを順次通じて前記電源電流を前記インバータに供給することを特徴とするトラクションモータ駆動装置。
  12. 前記2つの並列リレーは、共通の電磁コンタクタにより構成され、
    前記2つの安全リレーは、共通の電磁コンタクタにより構成される請求項11記載のトラクションモータ駆動装置。
  13. トラクションモータを駆動するためのインバータと、前記インバータと並列接続される平滑キャパシタと、前記インバータ及び前記平滑キャパシタへ供給される電源電流を制御するコントロールユニットとを備えるトラクションモータ駆動装置において、
    前記電源電流は、逆流防止ダイオードを有する昇圧チョッパを通じて前記インバータに供給され、
    前記逆流防止ダイオードは、前記昇圧チョッパの昇圧動作が停止される時、前記直流電流源から前記インバータへの給電を許容することを特徴とするトラクションモータ駆動装置。
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