JP2015216163A - 蓋体開閉装置およびマルチチャンバー処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、蓋体の対角位置に第1支持部と第2支持部が形成され、チャンバー本体設置位置の両側に、互いに平行な直線状の第1ガイド部材と第2ガイド部材が設けられ、第1ガイド部材が第1支持部の下方近傍位置を基点としチャンバー本体の側部側に延在され、第2ガイド部材が第2支持部の下方近傍位置を基点としチャンバー本体から離れる方向に延在され、第1支持部と第2支持部を結ぶ仮想線がガイド部材の延在方向に傾斜され、第1ガイド部材と第2ガイド部材に沿って移動自在に第1横行機と第2横行機が設けられ、第1横行機と第2横行機に立設された昇降機によって第1支持部と第2支持部が支持され、蓋体がガイド部材の延在方向に移動自在に支持された構成を具備する。
【選択図】図1
Description
この真空処理システムは、基板を搬送するロボットアームを有する基板搬送機構を設けた搬送室と、その周囲にゲートバルブを介し接続された複数の真空処理装置及びロードロックチャンバーとから構成されている。
搬送室に設けられているロボットアームによって基板を各真空処理装置にゲートバルブを介し搬入するとともに、各真空処理装置において処理した基板をゲートバルブを介し搬送室に戻し、この基板を再度別の真空処理装置に搬送して基板表面に対し必要な種々の処理を行うことができる。
また、G5世代以降と称される大型の真空処理装置のチャンバーでは、図7に例示するようにチャンバー本体106の側部に大型のヒンジ107を介し蓋体108を回動自在に接続し、ヒンジ107の支持軸109を大型のモーター装置110を用いて回動する構成が採用されている。この構成によれば、蓋体108を180゜開いてメンテナンスできる利点があり、メンテナンススペース的には問題がない特徴を有する。
ところが、図7に示す構成では大型のモーター装置110に加えて減速機が必要になり、装置全体の重量が大きくなる問題があり、支持軸109の駆動部付近に偏荷重が発生する。このため、工場の床の強度を高めることが必要となり、装置自身の構造フレームにも高い強度が要求される。これらのことから、図7に示す装置は製造コスト、設備コストが高くなる問題を有していた。
本発明の蓋体開閉装置は、チャンバー本体上に着脱可能に設けられた平面視矩形状の蓋体の開閉装置であって、前記チャンバー本体の上に設置された前記蓋体の両側部に、平面視した前記蓋体の対角位置に第1支持部と第2支持部が形成され、前記チャンバー本体の設置位置の両側に、互いに平行な直線状の第1ガイド部材と第2ガイド部材が設けられ、前記第1ガイド部材が前記第1支持部の近傍位置下方を基点として前記チャンバー本体の側部に沿って前記チャンバー本体の横に延在するように、前記第2ガイド部材が前記第2支持部の近傍位置下方を基点として前記チャンバー本体から離れる方向に延在するように、かつ、前記第1支持部と前記第2支持部を結ぶ仮想線が前記第1ガイド部材及び前記第2ガイド部材の延在方向と傾斜するように配置され、前記第1ガイド部材に沿って移動自在に第1横行機が、前記第2ガイド部材に沿って移動自在に第2横行機がそれぞれ設けられ、前記第1横行機に立設された第1昇降機によって前記第1支持部が支持され、前記第2横行機に立設された第2昇降機によって前記第2支持部が支持され、前記第1横行機と前記第2横行機により前記蓋体が前記第1ガイド部材と第2ガイド部材の延在方向に移動自在に支持され、前記第1昇降機と前記第2昇降機により前記蓋体が上下に移動自在に支持され、前記第1昇降機と第2昇降機に前記仮想線を回転中心軸として前記蓋体を回転させる回転機構が設けられたことを特徴とする。
本発明の蓋体開閉装置において、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材がこれらの延在方向に沿う前記チャンバー本体の長さよりも長く形成され、前記第1横行機と前記第2横行機の移動により前記蓋体が前記チャンバー本体の側方側に前記チャンバー本体上方から離脱する位置まで移動自在とされたことが好ましい。
本発明のマルチチャンバー処理システムにおいて、前記搬送室の周囲において隣接するチャンバー本体の内の一方に形成された前記第2ガイド部材の先端部が隣接する前記他方のチャンバー本体の第1ガイド部材の基端側に配置され、前記第1横行機と第2横行機により前記1つのチャンバー本体から前記蓋体を離脱させる位置が隣接する他のチャンバー本体の側方位置であることが好ましい。
チャンバー本体の側方に蓋体を移動させた後、第1昇降機と第2昇降機により蓋体を下降できるので、蓋体のメンテナンスを行う場合、作業員にとって好適な高さに蓋体を移動させてメンテナンス作業できるので、メンテナンスの作業性向上に寄与する。
また、チャンバー本体のゲートバルブ設置側と反対側に第1ガイド部材を設け、ゲートバルブ設置部の側方に第2ガイド部材を設ける構成とするならば、蓋体をチャンバー本体およびゲートバルブの側方側に移動させて回転させメンテナンスができる。このため、チャンバー本体のゲートバルブ設置側と反対側であって、処理システムの外側に蓋体を移動させる構造と対比し、蓋体を移動させるスペースを外側に拡げなくとも、チャンバー本体の横の空きスペースを有効利用できるので、マルチチャンバー処理システムとしての占有面積を外側に拡げなくても蓋体開閉装置の設置が可能となる。
以下に、本発明の第一実施形態に係る蓋体の開閉装置について、図面を適宜参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る蓋体の開閉装置を備えたチャンバー装置を搬送室の周囲に3基備えたクラスター型のマルチチャンバー処理システムの一例を示す平面図である。
この処理システムAは、中央部に設置された平面視略8角形状の搬送室1を有し、この搬送室1の側面のうち、3つの側面にゲートバルブ2を介し平面視矩形状のチャンバー本体3、4、5が平面視90゜間隔で接続されている。また、チャンバー本体3、4、5が接続されていない面の1つにゲートバルブ2を介しロードロックチャンバー6が接続されている。搬送室1に対しチャンバー本体3、4、5とロードロックチャンバー6は平面視搬送室1の周囲を囲むように90゜間隔で配置され、全体が建屋のクリーンルームなどに設置されている。
チャンバー本体3において第2側面3bに隣接する床面上にチャンバー本体3の第2側面3bの横幅よりも若干長いレール状の第1ガイド部材10が設置されている。この第1ガイド部材10は、チャンバー本体3においてゲートバルブ2の接続側と反対側の側面である第2側面3bに隣接する位置に第2側面3bと平行に設けられている。また、チャンバー本体3において、第1側面3aの延長面位置近傍、即ち、ゲートバルブ2を設置した位置の側方側の床面上に第1ガイド部材10より若干長いレール状の第2ガイド部材11が設置されている。この第2ガイド部材11は第1ガイド部材10と平行に、かつ、ロードロックチャンバー6の第1側面3aと平行に設置されている。
第1横行機15において、台車13の上にはジャッキ型の第1昇降機16が立設され、この第1昇降機16の上端部にブロック状の第1支持部17が取り付けられ、この第1支持部17が蓋体3Aの一方の角部に水平に延出形成された支持ロッド18を支持している。第1昇降機16はジャッキ機構あるいは油圧シリンダー機構などからなる上下に伸縮自在の構造とされ、第1昇降機16のシリンダー部材16Aに対し昇降ロッド16Bが上下移動することで第1支持部17を所定距離、上下昇降移動させることができる。また、第1昇降機16の上端部に取り付けられた架台19の側部に前記第1支持部17に接続されて前記支持ロッド18をその軸周りに回転させる反転機(回転機構)20が設置されている。
第2横行機25において、台車23の上には柱状の第2昇降機26が立設され、この第2昇降機26の上端部にブロック状の第2支持部27取り付けられ、この第2支持部27が蓋体3Aの他方の角部に水平に延出形成された支持ロッド28を支持している。
本実施形態の蓋体3Aは平面視正方形に近い長方形状とされ、その対角位置に支持ロッド18と支持ロッド28が形成されているので、第1支持部17と第2支持部27は、平面視矩形状の蓋体3Aの略対角位置に配置されている。また、蓋体3Aの対角線Lにほぼ沿うように支持ロッド18、28が蓋体3Aに取り付けられているので、第1支持部17と第2支持部27を結ぶ仮想線は蓋体3Aの対角線Lとほぼ共通にされている。
第1横行機15の台車13と第2横行機25の台車23は平面視L字型のフレーム部材30により接続されていて、第1ガイド部材10に沿って第1横行機15が移動すると、第2ガイド部材11に沿って第2横行機25が追従して同期移動できる。
チャンバー本体4の側面4a、4b、4c、4dのうち、ゲートバルブ2が設けられた側の側面4aに対し反対側の側面4bに沿って床面上に第1ガイド部材10が設けられ、ゲートバルブ2が設けられた側の側面4aの延長面に沿って床面上に第2ガイド部材11が設置されている。チャンバー本体4に対し設けられている第2ガイド部材11は、先のチャンバー本体3の側面3dに隣接配置され、第2ガイド部材11の先端部はチャンバー本体3に対し設けられている第1のガイド部材10の端部近傍に配置されている。
チャンバー本体4に対し設けられた第1ガイド部材10と第2ガイド部材11の上にも先に説明したチャンバー本体3用に設けられた開閉機構と同等の構造が適用されている。
即ち、第1ガイド部材10の上に車輪12と台車13を備えた第1横行機15と第1昇降機16と第1支持部17と架台19と反転機20が設けられている。第2ガイド部材11の上に車輪22と台車23を備えた第2横行機25と第1昇降機26と第2支持部27と架台29が設けられている。
即ち、第1ガイド部材10の上に車輪12と台車13を備えた第1横行機15と第1昇降機16と第1支持部17と架台19と反転機20が設けられている。第2ガイド部材11の上に車輪22と台車23を備えた第1横行機25と第1昇降機26と第1支持部27と架台29が設けられている。
これらチャンバー本体4、5に設けられている開閉機構はチャンバー本体3に設けられている開閉機構と同等であるので、以下、蓋体の開閉動作について、チャンバー本体3の蓋体3Aの開閉動作の場合を代表例として以下に説明する。
蓋体3Aの開放を開始する初期状態において蓋体3Aはチャンバー本体3の上面開口部を閉じるようにチャンバー本体3の開口部に載置されている。図1に示すように第1横行機15は第1ガイド部材10の始端部(図1の左端部)に位置し、第2横行機25は第2ガイド部材11の始端部(図1の左端部)に位置している。
図1に実線で示す第1横行機15と第2横行機25の位置で第1昇降機16と第2昇降機26ジャッキ機構を伸張し、蓋体3Aを図2の矢印で示すように上昇させ、チャンバー本体3の開口部から蓋体3Aを分離する。
第1ガイド部材10と第2ガイド部材11の終端側まで第1横行機15と第2横行機25を移動させることで、蓋体3Aは図1の2点鎖線に示すようにチャンバー本体3の側方側であって、ロードロックチャンバー6の側方側の空きスペースまで移動する。
蓋体3Aの内面側には、チャンバー本体3の内部空間にガスを供給するための配管やシャワーヘッド等の各種機器が装着されている場合があるので、これらの機器を含めた蓋体3Aのメンテナンス作業を行うことができる。
メンテナンス作業が終了したならば、図5に示す状態のように蓋体3Aを上昇させ、引き続き図4に示すように蓋体3Aを反転させ、図3に示す状態から第1横行機15と第2横行機25を図2に示す状態に走行させ、チャンバー本体3の直上に蓋体3Aを戻し、この状態から蓋体3Aを下降させることでチャンバー本体3の開口部を蓋体3Aで閉じることができる。以上の操作により蓋体3Aの開閉動作とメンテナンス作業を終了できる。
以上説明のように本実施形態の処理システムAにおいて、複数のチャンバー本体3、4、5を設けた場合、いずれのチャンバー本体3、4、5の蓋体3A、4A、5Aに対しても開閉動作とメンテナンス作業が円滑にできる。
また、処理システムAを平面視した場合、各チャンバー本体3、4、5の外側ではなく各チャンバー本体3、4、5の横側に蓋体3A、4A、5Aを移動させる構成であるので、各チャンバー3、4、5の外側に蓋体3A、4A、5Aを移動させる構成と対比し、小さい面積に処理システムAを設置可能となり、設置スペースを有効利用できる特徴を有する。
図8〜図13は本発明の第二実施形態に係る蓋体の開閉装置を備えたクラスター型のマルチチャンバー処理システムBを示すもので、この形態の処理システムBにおいて、搬送室1の周囲にチャンバー本体3、4、5とロードロックチャンバー6が設けられ、チャンバー本体3、4、5の上にそれぞれ蓋体3A、4A、5Aが設けられている点は第一実施形態の構造と同等である。
また、図8に示すように搬送室1に対しチャンバー本体4とロードロックチャンバー6を接続した位置が図1に示す処理システムAの位置と左右逆にされている点を除くと、第一実施形態の処理システムAと第二実施形態の処理システムBは基板等の被処理物をエッチングするか成膜するという処理システムとして同等構造である。
その他の構造は位置関係が異なるのみで第1実施形態の構造と第二実施形態の構造は同等であるので、同一符号を付して共通部分の説明は省略する。また、第二実施形態において蓋体3A、4A、5Aを開閉するためのそれぞれの開閉装置はいずれも同等構造であるので、以下チャンバー本体3の蓋体3Aを開閉する装置を代表として以下に説明する。
チャンバー本体3の蓋体3Aを開閉するために設けられているガイド部材10、11について第一実施形態の構造と第二実施形態の構造は同等である。
第1昇降機46の昇降ロッド46Bはモーター装置50の回転力により上下に昇降し、架台19とその上の第1支持部17および第1支持部17が支持している支持ロッド18を上下に昇降させる。
また、台車43に設けられているモーター装置50には2本目の接続シャフト58がフレーム部材57に沿って台車53側に延在されている。台車53の先端側には、第2昇降機66が設けられ、この第2昇降機66の底部側に設けられているボックス型のギア機構62に第2の接続シャフト58が接続されている。第2昇降機66も先の第1昇降機46と同様に中空のシリンダー部材66Aと中空の昇降ロッド66Bとギア機構52を備え、モーター装置50の駆動力に従い昇降ロッド66Bが上下に昇降される。
以上の構成により、モーター装置50の駆動力を受けて回転する接続シャフト51と接続シャフト58が同期回転されるので、第1昇降機46の昇降ロッド46Bと第2昇降機66の昇降ロッド66Bは同期して上下移動する。
モーター装置44の出力軸に第3のスプロケットホイールが設けられ、この第3のスプロケットホイールに第3のチェーン部材59の一端側が巻き掛けられ、このチェーン部材59の他端側が第1昇降機46に隣接されているギア機構60のクラッチ装置61に接続されている。ギア機構60はマイタギアを内蔵した構成であり、その上には反転駆動シャフト63が立設され、この反転駆動シャフト63は架台19の上に設けられているギア機構65に接続され、ギア機構65の出力軸は反転機20に接続されていて、反転機20が操作する支持ロッド18の回転角度を調節できるように構成されている。
すなわち、モーター装置44の回転駆動力をクラッチ装置61を介し反転機20に伝達することで台車43と台車53がガイド部材10、11に沿って移動する動作と同期させて反転機20を動作させ、支持している蓋体3Aの回転角度を調整することができる。
例えば、台車43、55を移動させて蓋体3Aをチャンバー本体3の上方から若干移動させると同期させて蓋体3Aの回転を開始させ、蓋体3Aがチャンバー本体3の上方位置から外れる際には蓋体3Aの回転をほぼ完了するように作動させることができる。
一例として、図14(A)、(D)に示すように蓋体3Aをチャンバー本体3の上方に上昇させた状態から、図14(B)、(E)に示すように蓋体3Aの幅の1/4程度(数分の一程度)蓋体3Aを水平方向に移動させた後、蓋体3Aの回転を開始する。
次いで、図15(A)、(D)〜図15(B)、(E)に示すように蓋体3Aの水平移動とともに蓋体3Aの回転を進行させ、図15(C)、(F)に示すように蓋体3Aをチャンバー本体3の側方にチャンバー本体3の上方から外れる位置まで移動させた場合に蓋体3Aの回転も終了させるように動作させることができる。
その他、第二実施形態の処理システムBにおいても第一実施形態の処理システムAと同様の作用効果を得ることができる。例えば、ゲートバルブ2のメンテナンスエリアと干渉することなく開閉機構を設置できる利点を有する。また、蓋体3Aの対角位置を支持することと、横行機45、55の移動により蓋体3Aを移動できるので、蓋体3を回転させる際の高さ制限を少なくでき、メンテナンス作業時に蓋体3Aを好適な高さに調節できる。
更に、クラスター型のマルチチャンバー処理システムBであっても、装置の外側ではなく横側に蓋体3A、4A、5Aを移動させてメンテナンス作業ができるので、設置エリアを拡げることなく適用できる利点を有する。
また、処理システムBが大型化した場合であっても、第1ガイド部材10と第2ガイド部材11をゲートバルブ2のメンテナンスエリアと干渉することのない床上に設置できるのでガイド部材10、11の大型化を支障なく実現できる。
勿論、蓋体3Aのメンテナンス作業の必要性が無く、蓋体3Aを開ける動作のみを行っても良いのは勿論である。
図16〜図18は本発明の第三実施形態に係る蓋体の開閉装置を備えたクラスター型のマルチチャンバー処理システムCを示すもので、この形態の処理システムCにおいて、搬送室1の周囲にチャンバー本体3、4、5とロードロックチャンバー6が設けられ、チャンバー本体3、4、5の上にそれぞれ蓋体3A、4A、5Aが設けられている点は第二実施形態の構造と同等である。なお、図16ではチャンバー本体4、5と蓋体4A、5Aは記載を略し、チャンバー本体3と蓋体3Aとロードロックチャンバー6のみを記載している。
第三実施形態の処理システムCと第二実施形態の処理システムBは基板等の被処理物をエッチングするか成膜するという処理システムとして同等構造である。
第三実施形態の構造において第二実施形態の構造と同等部分の構造は、同一符号を付してそれら同等部分の構造説明は省略する。また、第三実施形態において蓋体3A、4A、5Aを開閉するためのそれぞれの開閉装置はいずれも同等構造であるので、以下チャンバー本体3の蓋体3Aを開閉する装置を代表として以下に説明する。
チャンバー本体3の蓋体3Aを開閉するために設けられているガイド部材10、11について第三実施形態の構造と第二実施形態の構造は同等である。
このモーター装置74の一方の出力軸74aが一対のかさば歯車を組み合わせたマイタギア75と接続シャフト76を介し台車73Bの後端部に設けられたギア機構77に接続されている。このギア機構77の上部には垂直に配置されたギア軸78が立設され、このギア軸78が第1支持部17に接続された反転機(回転機構)20に接続され、接続シャフト76の回転を受けて反転機20を駆動して支持ロッド18を介し蓋体3Aを第二実施形態の構造と同様に回転できるように構成されている。
このため、第三実施形態の構造では、モーター装置74の駆動力を利用し、出力軸74bの回転力をスクリューギア80、歯車85、伝達軸82を介しピニオン83に回転力として伝達し、ピニオン83とラック81の噛み合いを利用して台車73A、73Bの推進力とすることができる。この実施形態では、モーター装置74、出力軸74b、スクリューギア80、歯車85、伝達軸82、ピニオン83、ラック81が台車73A、73Bの移動推進機構を構成する。
第三実施形態の構造では、台車73がガイド部10、11に沿って移動すると同時にモーター装置74の出力軸74aの回転がマイタギア75を介し接続シャフト76に伝達され、この回転力を反転機20に伝達できるので、蓋体3Aを回転駆動できる。
図18(A)は、蓋体3Aをチャンバー本体3の上に設置した初期状態を示すが、この初期状態から第1昇降機46と第2昇降機66を伸張させて蓋体3Aをチャンバー本体3の上方に図18(B)に示すように持ち上げる。
この状態から台車73をガイド部材10、11に沿って図18(C)に示すように徐々に移動させると蓋体3Aの移動距離に応じた回転角で蓋体3Aを徐々に回転させることができる。
図18(C)に示すように蓋体3Aの位置がチャンバー本体3の側方に移動した場合、蓋体3Aを180゜回転させて蓋体3Aを上下逆にすることができる。この状態から図18(D)に示すように必要な高さ位置に移動させることで、蓋体3Aのメンテナンスができる。メンテナンス作業は作業台92を利用して適宜行うことができる。また、チャンバー本体3のメンテナンス作業を作業台91を利用して行うことができる。
なお、第三実施形態の構造では蓋体3Aをチャンバー本体3の側方に移動させた状態で蓋体3Aの回転による裏返しを完了できる。即ち、蓋体3Aの移動と回転を同時に少しずつなし得るので、蓋体3Aの移動と回転を個別に行うよりも短時間で回転と裏返しができる。特に、第5世代以降の装置のチャンバー本体は大型化されているので、蓋体3Aも例えば数t〜10tもの大重量物となっている。このため、蓋体3Aの回転速度はある程度以上速くできない。このため、蓋体3Aの移動後に回転動作を行うよりも、移動と同時に徐々に回転動作を行う方が、蓋体3Aを効率良く回転できる。即ち、蓋体3Aの移動とともに蓋体3Aを回転できるので、同時動作による蓋体3Aの回転時間短縮ができる。
第三実施形態の構造では、駆動源をできるだけ少なくして制御系の誤動作を削減し、蓋体3Aの移動並びに回転動作を円滑かつ安全に実施できる。特に、制御系部品を削減することで誤動作を無くすることができ、誤動作による蓋体3Aとチャンバー本体3の接触事故を防止できる。また、制御系部品と駆動源の数を削減することで装置コストの削減に寄与する。
B…処理システム、42…車輪、43、53…台車、44…モーター装置、45…第1横行機、46…第1昇降機、46A…シリンダー部材、46B…昇降ロッド、50…モーター装置、51…接続シャフト、52…ギアボックス、55…第2横行機、57…フレーム部材、59…チェーン装置、61…クラッチ装置、66…第2昇降機、66A…シリンダー部材、66B…昇降ロッド、73A、73B…台車、74…モーター装置、80…スクリューギア、81…ラック、82…伝達軸、83…ピニオン。
Claims (6)
- チャンバー本体上に着脱可能に設けられた平面視矩形状の蓋体の開閉装置であって、
前記チャンバー本体上の前記蓋体の両側部であって、平面視した前記蓋体の対角位置に第1支持部と第2支持部が形成され、
前記チャンバー本体の設置位置の両側に、互いに平行な直線状の第1ガイド部材と第2ガイド部材が設けられ、前記第1ガイド部材が前記第1支持部の近傍位置下方を基点として前記チャンバー本体の側部に沿って前記チャンバー本体の横に延在するように、前記第2ガイド部材が前記第2支持部の近傍位置下方を基点として前記チャンバー本体から離れる方向に延在するように、かつ、前記第1支持部と前記第2支持部を結ぶ仮想線が前記第1ガイド部材及び前記第2ガイド部材の延在方向と傾斜するように配置され、
前記第1ガイド部材に沿って移動自在に第1横行機が、前記第2ガイド部材に沿って移動自在に第2横行機がそれぞれ設けられ、前記第1横行機に立設された第1昇降機によって前記第1支持部が支持され、前記第2横行機に立設された第2昇降機によって前記第2支持部が支持され、前記第1横行機と前記第2横行機により前記蓋体が前記第1ガイド部材と第2ガイド部材の延在方向に移動自在に支持され、前記第1昇降機と前記第2昇降機により前記蓋体が上下に移動自在に支持され、前記第1昇降機と第2昇降機に前記仮想線を回転中心軸として前記蓋体を回転させる回転機構が設けられたことを特徴とする蓋体開閉装置。 - 前記第1ガイド部材が前記チャンバー本体の一方の側面近傍に設置され、前記第2ガイド部材が前記チャンバー本体の他方の側面の延長面近傍に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の蓋体開閉装置。
- 前記横行機に該横行機を走行させるモーター装置が設けられ、前記横行機に前記モーター装置からの回転動力を伝達して前記回転機構を前記横行機の移動と連動させて動作させ、前記蓋体を前記横行機の移動中に回転させる動力伝達機構が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓋体開閉装置。
- 被処理物を搬送可能な機能を備えた中空構造の搬送室に対し、該搬送室の周囲を囲むように複数のチャンバー本体が前記搬送室の側部に形成されたゲートバルブを介し接続され、前記チャンバー本体にそれぞれ蓋体が設けられたマルチチャンバー処理システムであって、
前記複数のチャンバー本体の少なくとも1つに請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓋体開閉装置が適用されたことを特徴とするマルチチャンバー処理システム。 - 前記チャンバー本体の前記ゲートバルブ設置側と反対側に前記第1ガイド部材が設けられ、前記チャンバー本体において前記ゲートバルブ設置部の側方に前記第2ガイド部材が設けられたことを特徴とする請求項4に記載のマルチチャンバー処理システム。
- 前記搬送室の周囲において隣接するチャンバー本体の内の一方に形成された前記第2ガイド部材の先端部が隣接する前記他方のチャンバー本体の第1ガイド部材の基端側に配置され、前記第1横行機と第2横行機により前記1つのチャンバー本体から前記蓋体を離脱させる位置が隣接する他のチャンバー本体の側方位置であることを特徴とする請求項5に記載のマルチチャンバー処理システム。
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