JP2015216056A - 車両用前照灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の配光パターンを精度良く配光制御すること。
【解決手段】この発明は、半導体型光源2S、2Wと、リフレクタ3S、3Wと、レンズ4S、4Wと、を備える。半導体型光源2S、2Wは、発光面22を有する。リフレクタ3S、3Wは、自由曲面からなる反射面30S、30Wを有する。レンズ4S、4Wは、凸レンズ、凹レンズから構成されている。この結果、この発明は、所定の配光パターンを精度良く配光制御することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体型光源とリフレクタとレンズとを備える車両用前照灯に関するものである。
この種の車両用前照灯は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用前照灯について説明する。特許文献1の従来の車両用前照灯は、凹レンズと、複数個の発光素子と、楕円反射面を有するリフレクタと、を備え、所定の配光パターンを車両の前方に照射する。特許文献2の従来の車両用前照灯は、凸レンズおよび凹レンズと、複数個の発光素子と、楕円反射面および双曲線反射面を有するリフレクタと、を備え、所定の配光パターンを車両の前方に照射する。
特開2008−153123号公報 特開2008−153124号公報
かかる車両用前照灯においては、所定の配光パターンを精度良く配光制御することが重要である。
この発明が解決しようとする課題は、所定の配光パターンを精度良く配光制御することが重要である、という点にある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、半導体型光源と、リフレクタと、レンズと、を備え、半導体型光源が、発光面を有し、リフレクタが、発光面からの光をレンズ側に反射させる反射面を有し、反射面が、自由曲面から構成されていて、発光面が、反射面の光軸に対して、反射面に向くように傾斜していて、レンズが、凸レンズ、あるいは、凹レンズ、あるいは、凸レンズおよび凹レンズからなり、発光面からの光であって、反射面で反射した光を、所定の配光パターンとして、車両の前方に照射する、ことを特徴とする。
この発明(請求項2にかかる発明)は、半導体型光源が、少なくとも、スポット用半導体型光源と、拡散用半導体型光源と、を備え、反射面が、少なくとも、スポット用半導体型光源に対応するスポット用反射面と、拡散用半導体型光源に対応する拡散用反射面と、を備え、レンズが、少なくとも、スポット用半導体型光源およびスポット用反射面に対応するスポット用レンズと、拡散用半導体型光源および拡散用反射面に対応する拡散用レンズと、を備え、スポット用半導体型光源およびスポット用反射面およびスポット用レンズが、所定の配光パターンのうち、スポット用配光パターンを形成し、拡散用半導体型光源および拡散用反射面および拡散用レンズが、所定の配光パターンのうち、拡散用配光パターンを形成する、ことを特徴とする。
この発明(請求項3にかかる発明)は、スポット用半導体型光源およびスポット用反射面およびスポット用レンズが、車両の内側に配置されていて、拡散用半導体型光源および拡散用反射面および拡散用レンズが、車両の外側に配置されている、ことを特徴とする。
この発明(請求項4にかかる発明)は、拡散用反射面の光軸が、スポット用反射面の光軸に対して、車両の外側に向いている、ことを特徴とする。
この発明(請求項5にかかる発明)は、スポット用レンズが、凸レンズであり、拡散用レンズが、凹レンズである、ことを特徴とする。
この発明の車両用前照灯は、あらかじめ反射光がオープン方向に反射するように反射面を設計し、凸レンズによりオープン方向に反射する反射光を正規の光路に補正する。また、あらかじめ反射光がクロス方向に反射するように反射面を設計し、凹レンズによりオープン方向に反射する反射光を正規の光路に補正する。このように、所定の配光パターンを精度良く配光制御することができる。
図1は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態1を示し、概略斜視図である。 図2は、図1におけるII−II線概略断面図である。 図3は、図1におけるIII−III線概略断面図である。 図4は、所定の配光パターン示す説明図である。 図5は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態2を示し、概略斜視図である。 図6は、図5におけるVI−VI線概略断面図である。 図7は、図5におけるVII−VII線概略断面図である。 図8は、所定の配光パターン示す説明図である。 図9は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態3を示し、概略斜視図である。 図10は、図9におけるX−X線概略断面図である。 図11は、図9におけるXI−XI線概略断面図である。 図12は、所定の配光パターン示す説明図である。 図13は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態4を示し、概略平面図である。 図14は、図13におけるXIV概略矢視図(概略背面図)である。
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態(実施例)の4例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。この明細書および別紙の特許請求の範囲において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用前照灯を車両に搭載した際の前、後、上、下、左、右である。
図1、図5、図9において、半導体型光源の図示を省略してある。図2、図3、図6、図7、図10、図11においてレンズのハッチングを省略してある。図4、図8、図12おいて、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示し、符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。また、図4、図8、図12は、コンピュータシミュレーションにより作図されたスクリーン上の配光パターンを簡略化して示す等光度曲線の説明図であって、中央の等光度曲線は、高光度帯であって、その他の曲線は、外に行くにしたがって低くなる光度帯である。
(実施形態1の構成の説明)
図1〜図4は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態1を示す。以下、この実施形態1における車両用前照灯の構成について説明する。図1中、符号1は、この実施形態1における車両用前照灯(たとえば、ヘッドランプなど)である。前記車両用前照灯1は、左側通行用の車両の前部の左右両端部に搭載されている。以下、車両の左側に搭載される左側の車両用前照灯1について説明する。なお、車両の右側に搭載される右側の車両用前照灯は、左側の車両用前照灯1とほぼ同様の構成をなすので、説明を省略する。
(車両用前照灯1の説明)
前記車両用前照灯1は、図1〜図3に示すように、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、半導体型光源2S、2Wと、リフレクタ3S、3Wと、レンズ4S、4Wと、ヒートシンク部材(図示せず)と、取付部材(図示せず)と、を備えるものである。前記ヒートシンク部材と前記取付部材とは、一体構造として兼用しても良い。
前記半導体型光源2S、2Wおよび前記リフレクタ3S、3Wおよび前記レンズ4S、4Wおよび前記ヒートシンク部材および前記取付部材は、ランプユニットを構成する。前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズは、灯室(図示せず)を画成する。前記ランプユニット2S、2W、3S、3W、4S、4Wは、前記灯室内に配置されていて、かつ、上下方向用光軸調整機構(図示せず)および左右方向用光軸調整機構(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。
(半導体型光源2S、2Wの説明)
前記半導体型光源2S、2Wは、図2、図3に示すように、少なくとも、スポット用半導体型光源2Sと、拡散用半導体型光源2Wと、を備える。前記半導体型光源2S、2Wは、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記半導体型光源2S、2Wは、発光チップ(LEDチップ)20と、前記発光チップ20を封止樹脂部材で封止したパッケージ(LEDパッケージ)と、前記パッケージを実装した基板21と、から構成されている。前記基板21は、スクリューなど(図示せず)により、前記ヒートシンク部材に固定されている。この結果、前記半導体型光源2S、2Wは、前記ヒートシンク部材に固定されている。前記基板21に取り付けられているコネクタ(図示せず)を介して前記発光チップ20に電源(バッテリー)からの電流が供給される。
前記発光チップ20は、平面矩形形状(平面長方形状)をなす。すなわち、4個の正方形のチップをX軸方向(水平方向)に配列してなるものである。なお、2個もしくは3個もしくは5個以上の正方形のチップ、あるいは、1個の長方形のチップ、あるいは、1個の正方形のチップ、を使用しても良い。前記発光チップ20の長方形の上側の面(上面)は、発光面22をなす。この結果、前記半導体型光源2S、2Wは、前記発光面22を有する。前記発光面22は、上側に向いていて、かつ、前記リフレクタ3S、3Wの反射面30S、30Wの光軸(基準光軸、基準軸)ZS、ZWに対して、前記反射面30S、30Wに向くように、この例では、約20°傾斜している。前記発光チップ20の前記発光面22の中心OS、OWは、前記反射面30S、30Wの焦点(基準焦点)FS、FWもしくはその近傍に位置し、かつ、前記光軸ZS、ZW上もしくはその近傍に位置する。
図1において、XS、YS、ZSおよびXW、YW、ZWは、直交座標(X−Y−Z直交座標系)を構成する。前記XS軸および前記XW軸は、前記発光面22の前記中心OS、OWを通る左右方向の水平軸である。前記XS軸および前記XW軸は、車両の内側(すなわち、この実施形態1において)右側が+方向であり、車両の外側(すなわち、この実施形態1において)左側が−方向である。また、前記YS軸および前記YW軸は、前記発光面22の前記中心OS、OWを通る上下方向の鉛直軸(垂直軸、法線、垂線)である。前記YS軸および前記YW軸は、この実施形態1において、上側が+方向であり、下側が−方向である。さらに、前記ZS軸および前記ZW軸は、前記反射面30S、30Wの光軸であり、前記発光チップ20の前記発光面22の前記中心OS、OWを通り、かつ、前記XS軸および前記XW軸と前記YS軸および前記YW軸とそれぞれ直交する前後方向の軸である。前記ZS軸および前記ZW軸は、この実施形態1において、前側が+方向であり、後側が−方向である。
(リフレクタ3S、3Wの説明)
前記リフレクタ3S、3Wは、図1〜図3に示すように、少なくとも、前記スポット用半導体型光源2Sに対応するスポット用リフレクタ3Sと、前記拡散用半導体型光源2Wに対応する拡散用リフレクタ3Wと、を備える。前記リフレクタ3S、3Wは、スクリューなど(図示せず)により、前記ヒートシンク部材、前記取付部材のうち少なくともいずれか一方に固定されている。
前記リフレクタ3S、3Wは、前記半導体型光源2S、2Wの前記発光面22からの光を反射光L1S、L1Wとして前記レンズ4S、4W側に反射させる前記反射面30S、30Wを有する。前記反射面30S、30Wは、自由曲面、この例では、放物線を基本とする自由曲面から構成されている。すなわち、前記反射面30S、30Wは、パラボラ系の自由曲面からなる反射面である。この結果、前記反射面30S、30Wは、前記焦点FS、FWおよび前記光軸ZS、ZWを有する。前記反射面30S、30Wの焦点距離は、約20mm(最大で約20mm、約20mm以下)であり、短焦点距離である。
前記反射面30S、30Wは、少なくとも、前記スポット用半導体型光源2Sに対応するスポット用反射面30Sと、前記拡散用半導体型光源2Wに対応する拡散用反射面30Wと、を備える。前記スポット用反射面30Sは、図2に示すように、あらかじめ前記反射光L1Sがオープン方向に反射するように設計されている。前記拡散用反射面30Wは、図3に示すように、あらかじめ前記反射光L1Wがクロス方向に反射するように設計されている。
(レンズ4S、4Wの説明)
前記レンズ4S、4Wは、前記半導体型光源2S、2Wの前記発光面22からの光であって、前記反射面30S、30Wで反射した前記反射光L1S、L1Wを、所定の配光パターンとして、車両の前方に照射する。前記レンズ4S、4Wは、図1に示すように、1枚のレンズから構成されている。前記レンズ4S、4Wは、前記ヒートシンク部材、前記取付部材のうち少なくともいずれか一方に固定されている。
前記レンズ4S、4Wは、図1〜図3に示すように、少なくとも、前記スポット用半導体型光源2Sおよび前記スポット用反射面30Sに対応するスポット用レンズ4Sと、前記拡散用半導体型光源2Wおよび前記拡散用反射面30Wに対応する拡散用レンズ4Wと、を備える。前記スポット用レンズ4Sは、凸レンズから構成されている。前記拡散用レンズ4Wは、凹レンズから構成されている。前記スポット用レンズ4Sと前記拡散用レンズ4Wとの間には、凸レンズから凹レンズに、あるいは、凹レンズから凸レンズに変化する徐変部分4が設けられている。前記レンズ4S、4Wの厚みは、約6mm(最大で約6mm、約6mm以下)であり、肉薄である。
前記スポット用レンズ4Sは、図2に示すように、前記スポット用反射面30Sで反射した前記反射光L1Sを、正規の光路に補正された出射光L2Sとして、車両の前方に照射する。前記拡散用レンズ4Wは、図3に示すように、前記拡散用反射面30Wで反射した前記反射光L1Wを、正規の光路に補正された出射光L2Wとして、車両の前方に照射する。
(スポット用ランプユニット2S、3S、4Sの説明)
前記スポット用半導体型光源2Sおよび前記スポット用リフレクタ3Sの前記スポット用反射面30Sおよび前記スポット用レンズ4Sは、スポット用ランプユニットを構成する。前記スポット用ランプユニット2S、3S、4Sは、前記所定の配光パターン(この例では、図4(C)に示すロービーム用配光パターンLP1)の一部であるスポット用配光パターンSP1(図4(A)を参照)を形成するものである。前記ロービーム用配光パターンLP1および前記スポット用配光パターンSP1には、カットオフラインCLを有する。前記スポット用ランプユニット2S、3S、4Sは、車両の内側(この例では、右側)に配置されている。
(拡散用ランプユニット2W、3W、4Wの説明)
前記拡散用半導体型光源2Wおよび前記拡散用リフレクタ3Wの前記拡散用反射面30Wおよび前記拡散用レンズ4Wは、拡散用ランプユニットを構成する。前記拡散用ランプユニット2W、3W、4Wは、前記所定の配光パターン(この例では、図4(C)に示すロービーム用配光パターンLP1)の一部である拡散用配光パターンWP1(図4(B)を参照)を形成するものである。前記拡散用ランプユニット2W、3W、4Wは、車両の外側(この例では、左側)に配置されている。前記拡散用反射面30Wの前記光軸ZWは、前記スポット用反射面30Sの前記光軸ZSに対して、車両の外側に向いている。
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1における車両用前照灯1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
半導体型光源2S、2Wの発光チップ20を点灯する。すると、スポット用半導体型光源2Sの発光面22から放射される光は、スポット用反射面30Sで、反射光L1Sとして、あらかじめオープン方向にスポット用レンズ4S側に反射される。その反射光L1Sは、スポット用レンズ4Sを透過して、正規の光路に補正された出射光L2Sとして、車両の前方に照射する。その出射光L2Sは、所定の配光パターンであって、図4(C)に示すロービーム用配光パターンLP1の一部であるスポット用配光パターンSP1(図4(A)を参照)を形成する。
また、拡散用半導体型光源2Wの発光面22から放射される光は、拡散用反射面30Wで、反射光L1Wとして、あらかじめクロス方向に拡散用レンズ4W側に反射される。その反射光L1Wは、拡散用レンズ4Wを透過して、正規の光路に補正された出射光L2Wとして、車両の前方に照射する。その出射光L2Wは、所定の配光パターンであって、図4(C)に示すロービーム用配光パターンLP1の一部である拡散用配光パターンWP1(図4(B)を参照)を形成する。
そして、図4(A)に示すスポット用配光パターンSP1と、図4(B)に示す拡散用配光パターンWP1とが合成(重畳)されて、所定の配光パターンであって、図4(C)に示すロービーム用配光パターンLP1が形成される。
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1における車両用前照灯1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態1における車両用前照灯1は、あらかじめ反射光L1Sがオープン方向に反射するようにスポット用反射面30Sを設計し、スポット用レンズ4Sの凸レンズによりオープン方向に反射する反射光L1Sを正規の光路に補正する。また、あらかじめ反射光L1Wがクロス方向に反射するように拡散用反射面30Wを設計し、拡散用レンズ4Wの凹レンズによりオープン方向に反射する反射光L1Wを正規の光路に補正する。このように、所定の配光パターンあって、図4(C)に示すロービーム用配光パターンLP1を精度良く配光制御することができる。
この実施形態1における車両用前照灯1は、スポット用半導体型光源2Sおよびスポット用リフレクタ3Sのスポット用反射面30Sおよびスポット用レンズ4Sから構成されているスポット用ランプユニット2S、3S、4Sは、所定の配光パターンであって、図4(C)に示すロービーム用配光パターンLP1の一部であるスポット用配光パターンSP1(図4(A)を参照)を、前記の通り、精度良く配光制御することができる。
ここで、スポット用レンズ4Sは、凸レンズから構成されている。このために、凸レンズのスポット用レンズ4Sから出射する出射光L2Sは、集光される。この結果、凸レンズのスポット用レンズ4Sは、図4(A)に示すスポット用配光パターンSP1を形成するのに最適である。しかも、凸レンズのスポット用レンズ4Sから出射する出射光L2Sにより形成されるスポット用配光パターンSP1は、集光されて上下幅が薄くなる(小さくなる)。これにより、スポット用配光パターンSP1において、高光度帯がカットオフラインCLに沿って配置される。この結果、高光度帯がロービーム用配光パターンLP1のカットオフラインCLに沿って配置されることとなるので、遠方の視認性が向上される。
この実施形態1における車両用前照灯1は、拡散用半導体型光源2Wおよび拡散用リフレクタ3Wの拡散用反射面30Wおよび拡散用レンズ4Wから構成されている拡散用ランプユニット2W、3W、4Wは、所定の配光パターンであって、図4(C)に示すロービーム用配光パターンLP1の一部である拡散用配光パターンWP1(図4(B)を参照)を、前記の通り、精度良く配光制御することができる。
ここで、拡散用レンズ4Wは、凹レンズから構成されている。このために、凹レンズの拡散用レンズ4Wから出射する出射光L2Wは、拡散される。この結果、凹レンズの拡散用レンズ4Wは、図4(B)に示す拡散用配光パターンWP1を形成するのに最適である。しかも、凹レンズの拡散用レンズ4Wから出射する出射光L2Wにより形成される拡散用配光パターンWP1は、拡散されて上下幅が厚くなる(大きくなる)。これにより、拡散用配光パターンWP1において、低光度帯が下側すなわち車両の手前側まで広がる。この結果、低光度帯がロービーム用配光パターンLP1の下側まで広がることとなるので、車両の手前側の視認性が向上される。
この実施形態1における車両用前照灯1は、スポット用ランプユニット2S、3S、4Sが車両の内側に配置されていて、拡散用ランプユニット2W、3W、4Wが車両の外側に配置されているものである。このために、車両の内側に配置されているスポット用ランプユニット2S、3S、4Sにより、遠方の視認性がさらに向上される。また、車両の外側に配置されている拡散用ランプユニット2W、3W、4Wにより、車両の左右の外側すなわち左右の路肩の視認性が向上される。
この実施形態1における車両用前照灯1は、拡散用反射面30Wの光軸ZWがスポット用反射面30Sの光軸ZSに対して車両の外側に向いている。このために、車両の左右の外側すなわち左右の路肩の視認性がさらに向上される。しかも、車両の前部の左右両端部の形状が回り込み形状であって、ランプレンズの形状が回り込み形状の場合に最適である。
この実施形態1における車両用前照灯1は、反射面30S、30Wの焦点距離が約20mm以下であり短焦点距離である。このために、反射面30S、30Wすなわちリフレクタ3S、3Wを小型化することができる。ここで、リフレクタ3S、3Wすなわち反射面30S、30Wを小型化すると、反射面30S、30Wからの発光面22の反射投影像の面積が大きくなる。そこで、この実施形態1における車両用前照灯1は、発光面22を反射面30S、30Wの光軸ZS、ZWに対して、反射面30S、30Wに向くように傾斜させている。これにより、反射面30S、30Wを小型化しても、反射面30S、30Wからの発光面22の反射投影像の面積をある程度小さくすることができる。しかも、この実施形態1における車両用前照灯1は、反射面30S、30Wの反射方向側にレンズ4S、4Wを配置するので、反射面30S、30Wからの発光面22の反射投影像の面積をさらに小さくすることができる。これにより、所定の配光パターンSP1、WP1、LP1を形成することができる。
この実施形態1における車両用前照灯1は、レンズ4S、4Wの厚みが最大で約6mmであり肉薄である。すなわち、この実施形態1における車両用前照灯1は、反射面30S、30Wを小型化することにより、レンズ4S、4Wを肉薄型化することができる。これにより、1枚のレンズで凸レンズのスポット用レンズ4Sと凹レンズの拡散用レンズ4Wとを構成することができる。レンズ4S、4Wを1枚のレンズから構成することにより、部品点数や製造コストなどを軽減化することができる。
(実施形態2の構成の説明)
図5〜図8は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態2を示す。図中、図1〜図4と同符号は、同一のものを示す。
前記の実施形態1における車両用前照灯1の拡散用反射面30Wは、図3に示すように、あらかじめ反射光L1Wがクロス方向に反射するように設計されている。これに対して、この実施形態2における車両用前照灯12の拡散用反射面32Wは、図7に示すように、あらかじめ反射光L12Wがオープン方向に反射するように設計されている。
前記の実施形態1における車両用前照灯1の拡散用レンズ4Wは、図1、図3に示すように、凹レンズから構成されている。これに対して、この実施形態2における車両用前照灯12の拡散用レンズ42Wは、図5、図7に示すように、凸レンズから構成されている。この拡散用レンズ42Wは、図7に示すように、前記拡散用反射面32Wでオープン方向に反射した反射光L12Wを、正規の光路に補正された出射光L22Wとして、車両の前方に照射する。
(実施形態2の作用の説明)
この実施形態2における車両用前照灯12は、以上のごとき構成からなるので、スポット用ランプユニット2S、3S、4Sから、所定の配光パターンであって、図8(C)に示すロービーム用配光パターンLP2の一部であるスポット用配光パターンSP1(図8(A)を参照)が、車両の前方に照射される。このスポット用配光パターンSP1は、前記の実施形態1における車両用前照灯1のスポット用配光パターンSP1と同様もしくはほぼ同様である。
拡散用ランプユニット2W、3W(32W)、42Wから、所定の配光パターンであって、図8(C)に示すロービーム用配光パターンLP2の一部である拡散用配光パターンWP2(図8(B)を参照)が、車両の前方に照射される。
そして、図8(A)に示すスポット用配光パターンSP1と、図8(B)に示す拡散用配光パターンWP2とが合成(重畳)されて、所定の配光パターンであって、図8(C)に示すロービーム用配光パターンLP2が形成される。
(実施形態2の効果の説明)
この実施形態2における車両用前照灯12は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施形態1における車両用前照灯1の効果とほぼ同様の効果を達成することができる。
特に、この実施形態2における車両用前照灯12は、拡散用反射面32Wがあらかじめ反射光L12Wをオープン方向に反射させるように設計されていて、かつ、拡散用レンズ42Wが反射光L12Wを正規の光路に補正された出射光L22Wとして車両の前方に照射するように凸レンズから構成されている。このために、凸レンズの拡散用レンズ42Wから出射する出射光L22Wは、集光される。この結果、凸レンズの拡散用レンズ42Wから出射する出射光L22Wにより形成される拡散用配光パターンWP2は、集光されて上下幅が薄くなる(小さくなる)。これにより、拡散用配光パターンWP2において、高光度帯が上側に配置される。この結果、図8(A)に示すスポット用配光パターンSP1との合成により、高光度帯がロービーム用配光パターンLP2のカットオフラインCLに沿って左右に広く配置されることとなるので、遠方の視認性がさらに向上される。
(実施形態3の構成の説明)
図9〜図12は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態3を示す。図中、図1〜図8と同符号は、同一のものを示す。
前記の実施形態1における車両用前照灯1のスポット用反射面30Sは、図2に示すように、あらかじめ反射光L1Sがオープン方向に反射するように設計されている。これに対して、この実施形態3における車両用前照灯13のスポット用反射面33Sは、図10に示すように、あらかじめ反射光L13Sがクロス方向に反射するように設計されている。
前記の実施形態1における車両用前照灯1のスポット用レンズ4Sは、図1、図2に示すように、凸レンズから構成されている。これに対して、この実施形態3における車両用前照灯13のスポット用レンズ43Sは、図9、図10に示すように、凹レンズから構成されている。このスポット用レンズ43Sは、図10に示すように、前記スポット用反射面33Sでクロス方向に反射した反射光L13Sを、正規の光路に補正された出射光L23Sとして、車両の前方に照射する。
(実施形態3の作用の説明)
この実施形態3における車両用前照灯13は、以上のごとき構成からなるので、スポット用ランプユニット2S、3S(33S)、4Sから、所定の配光パターンであって、図12(C)に示すロービーム用配光パターンLP3の一部であるスポット用配光パターンSP3(図12(A)を参照)が、車両の前方に照射される。
拡散用ランプユニット2W、3W、4Wから、所定の配光パターンであって、図12(C)に示すロービーム用配光パターンLP3の一部である拡散用配光パターンWP1(図12(B)を参照)が、車両の前方に照射される。この拡散用配光パターンWP1は、前記の実施形態1における車両用前照灯1の拡散用配光パターンWP1と同様もしくはほぼ同様である。
そして、図12(A)に示すスポット用配光パターンSP3と、図12(B)に示す拡散用配光パターンWP1とが合成(重畳)されて、所定の配光パターンであって、図12(C)に示すロービーム用配光パターンLP3が形成される。
(実施形態3の効果の説明)
この実施形態3における車両用前照灯13は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施形態1における車両用前照灯1および前記の実施形態2における車両用前照灯12の効果とほぼ同様の効果を達成することができる。
特に、この実施形態3における車両用前照灯13は、スポット用反射面33Sがあらかじめ反射光L13Sをクロス方向に反射させるように設計されていて、かつ、スポット用レンズ43Sが反射光L13Sを正規の光路に補正された出射光L23Sとして車両の前方に照射するように凹レンズから構成されている。このために、凹レンズのスポット用レンズ43Sから出射する出射光L23Sは、拡散される。この結果、凹レンズのスポット用レンズ43Sから出射する出射光L23Sにより形成されるスポット用配光パターンSP3は、拡散されて上下幅が厚くなる(大きくなる)。これにより、スポット用配光パターンSP3において、低光度帯が下側すなわち車両の手前側まで広がる。この結果、図12(B)に示す拡散用配光パターンWP1との合成により、低光度帯がロービーム用配光パターンLP3の下側まで広がることとなるので、車両の手前側の視認性がさらに向上される。
(実施形態4の構成の説明)
図13、図14は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態4を示す。図中、図1〜図12と同符号は、同一のものを示す。
この実施形態4における車両用前照灯14は、前記の実施形態1における車両用前照灯1の変形例である。すなわち、この実施形態4における車両用前照灯14は、車両の前部の左右両端部のデザイン造形に沿った構造および形状をなす。以下、詳細に説明する。
レンズ4S、4、4Wの平面視形状は、図13に示すように、半径R(この例では、約300mm)の湾曲形状をなす。また、レンズ4S、4、4Wの平面視形状は、図13に示すように、車両の内側(図13において右側)から外側(図13において左側)にかけて、車両の前側(図13において上側)から後側(図13において下側)に、θ1(この例では、約20°)傾斜している。さらに、レンズ4S、4、4Wの背面視形状(正面視形状)は、図14に示すように、車両の内側(図14において右側)から外側(図14において左側)にかけて、車両の下側から上側に、θ2(この例では、約10°)傾斜している。
拡散用リフレクタ3Wの拡散用反射面30Wの光軸ZWは、図13に示すように、スポット用リフレクタ3Sのスポット用反射面30Sの光軸ZSに対して、車両外側にθ3(この例では、約15°)傾斜している。なお、半導体型光源の発光面は、上側に向いていて、かつ、リフレクタ3S、3Wの反射面30S、30Wの光軸ZS、ZWに対して、反射面30S、30Wに向くように、この例では、約20°傾斜している。
拡散用リフレクタ3Wの拡散用反射面30Wの焦点FW(拡散用半導体型光源の発光面の中心OW)と、スポット用リフレクタ3Sのスポット用反射面30Sの焦点FW(スポット用半導体型光源の発光面の中心OS)との左右は、図13、図14に示すように、所定の距離(この例では、約40mm)の間隔を有する。また、拡散用リフレクタ3Wの拡散用反射面30Wの焦点FW拡散用半導体型光源の発光面の中心OW)と、スポット用リフレクタ3Sのスポット用反射面30Sの焦点FW(スポット用半導体型光源の発光面の中心OS)との前後は、図13に示すように、所定の距離(この例では、約20mm)の間隔を有する。さらに、拡散用リフレクタ3Wの拡散用反射面30Wの焦点FW拡散用半導体型光源の発光面の中心OW)と、スポット用リフレクタ3Sのスポット用反射面30Sの焦点FW(スポット用半導体型光源の発光面の中心OS)との上下は、図14に示すように、所定の距離(この例では、約12mm)の間隔を有する。
(実施形態4の作用、効果の説明)
この実施形態4における車両用前照灯14は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1における車両用前照灯1の作用、効果とほぼ同等の作用、効果を達成することができる。
なお、前記の実施形態2における車両用前照灯2、および、前記の実施形態3における車両用前照灯3においても、前記の実施形態1における車両用前照灯1の変形例、すなわち、この実施形態4における車両用前照灯14と同様に、車両の前部の左右両端部のデザイン造形に沿った構造および形状としても良い。
(実施形態1〜4以外の例の説明)
この実施形態1〜3においては、車両が左側通行の場合の車両用前照灯1、12、13について説明するものである。ところが、この発明においては、車両が右側通行の場合の車両用前照灯にも適用することができる。
また、この実施形態1〜4においては、半導体型光源2S、2Wの発光チップ20の発光面22が上側に向いているものである。ところが、この発明においては、半導体型光源2S、2Wの発光チップ20の発光面22が下側に向いているものであっても良い。すなわち、図1〜図3、図5〜図7、図9〜図11において、半導体型光源2S、2Wおよびリフレクタ3S、3W(反射面30S、30W、32W、33S)およびレンズ4S、4W、42W、43Sを上下逆に配置しても良い。
さらに、この実施形態1〜4においては、発光面22を反射面30S、30W、32W、33Sの光軸ZS、ZWに対して、反射面30S、30W、32W、33Sに向くように傾斜させている。ところが、この発明においては、発光面22を傾斜させなくても良い。
さらにまた、この実施形態1〜4においては、レンズ4S、4W、42W、43Sにおいて、入射面が平面をなし、出射面が凸面、凹面をなすものである。ところが、この発明においては、入射面が凸面、凹面をなし、出射面が平面をなすものであっても良いし、入射面および出射面が凸面、凹面をなすものであっても良い。
さらにまた、この実施形態1〜4においては、拡散用反射面30Wの光軸ZWがスポット用反射面30Sの光軸ZSに対して車両の外側に向いているものである。ところが、この発明においては、拡散用反射面30Wの光軸ZWとスポット用反射面30Sの光軸ZSとが平行もしくはほぼ平行であっても良い。
さらにまた、この実施形態1〜4においては、反射面30S、33S、30W、32Wの焦点距離が約20mm以下であり、レンズ4S、43S、4W、42Wの厚みが約6mm以下である。ところが、この発明においては、反射面30S、33S、30W、32Wの焦点距離およびレンズ4S、43S、4W、42Wの厚みを特に限定しない。
1、12、13 車両用前照灯
2S スポット用半導体型光源
2W 拡散用半導体型光源
20 発光チップ
21 基板
22 発光面
3S スポット用リフレクタ
3W 拡散用リフレクタ
30S、33S スポット用反射面
30W、32W 拡散用反射面
4S、43S スポット用レンズ
4W、42W 拡散用レンズ
4 徐変部分
CL カットオフライン
FS、FW 焦点
HL−HR スクリーンの左右の水平線
L1S、L1W、L12W、L13S 反射光
L2S、L2W、L22W、L23S 出射光
LP1、LP2、LP3 ロービーム用配光パターン
OS、OW 中心
SP1、SP3 スポット用配光パターン
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
WP1、WP2 拡散用配光パターン
XS、XW X軸
YS、YW Y軸
ZS、ZW 光軸(Z軸)

Claims (5)

  1. 半導体型光源と、リフレクタと、レンズと、を備え、
    前記半導体型光源は、発光面を有し、
    前記リフレクタは、前記発光面からの光を前記レンズ側に反射させる反射面を有し、
    前記反射面は、自由曲面から構成されていて、
    前記発光面は、前記反射面の光軸に対して、前記反射面に向くように傾斜していて、
    前記レンズは、凸レンズ、あるいは、凹レンズ、あるいは、凸レンズおよび凹レンズからなり、前記発光面からの光であって、前記反射面で反射した光を、所定の配光パターンとして、車両の前方に照射する、
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 前記半導体型光源は、少なくとも、スポット用半導体型光源と、拡散用半導体型光源と、を備え、
    前記反射面は、少なくとも、前記スポット用半導体型光源に対応するスポット用反射面と、前記拡散用半導体型光源に対応する拡散用反射面と、を備え、
    前記レンズは、少なくとも、前記スポット用半導体型光源および前記スポット用反射面に対応するスポット用レンズと、前記拡散用半導体型光源および前記拡散用反射面に対応する拡散用レンズと、を備え、
    前記スポット用半導体型光源および前記スポット用反射面および前記スポット用レンズは、前記所定の配光パターンのうち、スポット用配光パターンを形成し、
    前記拡散用半導体型光源および前記拡散用反射面および前記拡散用レンズは、前記所定の配光パターンのうち、拡散用配光パターンを形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
  3. 前記スポット用半導体型光源および前記スポット用反射面および前記スポット用レンズは、車両の内側に配置されていて、
    前記拡散用半導体型光源および前記拡散用反射面および前記拡散用レンズは、車両の外側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用前照灯。
  4. 前記拡散用反射面の前記光軸は、前記スポット用反射面の前記光軸に対して、車両の外側に向いている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯。
  5. 前記スポット用レンズは、凸レンズであり、
    前記拡散用レンズは、凹レンズである、
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
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