JP2015214465A - リチウム複合金属酸化物及びその製造方法 - Google Patents

リチウム複合金属酸化物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高電圧で駆動される二次電池に使用した場合であっても、良好な容量維持率を示すリチウム複合金属酸化物の提供。【解決手段】一般式:LiaNibCocMndDeOf(0.2≰a≰1.5、b+c+d+e=1、0≰e<1、DはFe、Cr、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rf、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから少なくとも1種、1.7≰f≰2.1)で表されるリチウム複合金属酸化物において、少なくともNi、Co及びMnを含み、その組成比がNi:Co:Mn=g:h:i(g+h+i=1、0<g<1、0<h<c、d<i<1)で表される表層部を有し、かつ前記表面にM含有膜(MはSn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから少なくとも1種)を有するリチウム複合金属酸化物。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム複合金属酸化物及びその製造方法に関するものである。
非水系電解質二次電池の活物質には種々の材料が用いられることが知られており、そのうち、層状岩塩構造の一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦1.5、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはFe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rfから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1) で表されるリチウム複合金属酸化物は、リチウムイオン二次電池用活物質として汎用されている。
しかし、上記一般式で表されるリチウム複合金属酸化物を、例えば車載用二次電池に要求される高電圧で駆動される高容量二次電池の活物質として用いた場合には、当該材料の高電圧に対する耐性が不足したため、二次電池の容量維持率を満足する水準に保つことができなかった。
そのため、近年、活物質として用いられる種々の材料の高電圧に対する耐性を向上させる検討がさかんに行われている。この検討にあたり、一般的に以下の3つの手法が提言されている。
1)活物質に異種元素をドーピングする
2)活物質表面に保護膜を形成する
3)活物質表層の組成を変える
上記1)の手法及び効果について具体的に説明すると、AlやZrなどの活物質に存在しなかった元素を活物質にドーピングすることで、充放電、すなわちLiの吸放出に伴う活物質の劣化を抑制することができる。
上記2)の手法及び効果について具体的に説明すると、下記特許文献1で開示されるように、活物質表面にリン酸塩で保護膜を作り、電解液と活物質が直接に接することを防ぐことで、主に電解液との接触による活物質の劣化を抑制することができる。
上記3)の手法について具体的に説明すると、下記特許文献2には、活物質表面をAl化合物で被覆し、これを熱処理することで得られる、表層のAl組成を増加させた活物質が開示されている。
上記1)〜3)の3つの手法には、それぞれ以下に挙げる欠点があり、必ずしも満足できる活物質を得るには至っていなかった。
上記1)の手法の欠点は、電気化学的に駆動しない異種元素をドーピングすることにより、事実上、活物質における吸放出可能なLiが減少するため、活物質におけるLi貯蔵容量が減少し、リチウムイオン二次電池自体の容量が低下することである。
上記2)の手法の欠点は、活物質表面に形成した保護膜が電気抵抗となり電流が流れにくくなることである。この欠点を克服するためには保護膜を極薄膜とすれば良いが、そのような技術を確立することは工業化レベルでは非常に困難である。
上記3)の手法は、1)の欠点である容量低下を招きにくく、2)の欠点である電気抵抗性保護膜を形成することもないため理論的には望ましい。しかし、特許文献2の開示によると、実質的にAlを活物質表層にドープする技術であり、1)と同様の欠点が観察されるのみならず、同文献に記載の処理方法で活物質表層のAl組成を増加させた活物質と当該処理を行わない活物質を比較しても、特段の有利な効果が観察されていない。
すなわち、これらの活物質を改質する技術においては、必ずしも十分な水準の活物質を得られるとはいえなかった。
そこで、本発明者は、特許文献3にて、新たな表面改質方法によって得られる新規なリチウム複合金属酸化物を報告している。
特開2006−127932号公報 特開2001−196063号公報 PCT/JP2014/000361
上記のとおり、活物質として採用し得る新たなリチウム複合金属酸化物が次々と提供されている。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、高電圧で駆動される二次電池に使用した場合であっても良好なLi貯蔵容量を保つ、すなわち良好な容量維持率を示す活物質として用いられる新たなリチウム複合金属酸化物を提供することを目的とする。
さて、上記特許文献3に開示の新規なリチウム複合金属酸化物は、Ni、Co及びMnを含むリチウム複合金属酸化物を金属塩水溶液に浸漬させた後に分離すると、リチウム複合金属酸化物の表層部分におけるNi、Co及びMnの金属組成が変化したことを本発明者が発見したことを基に完成された。特許文献3で実際に使用された金属塩水溶液の金属種は、Mg、Ba、Sr、Alであった。なお、上記特許文献3に開示の新規なリチウム複合金属酸化物の表層を分析しても、金属塩水溶液に含有していたMg、Ba、Sr、Alの存在は確認できなかった。
しかしながら、本発明者が鋭意検討した結果、特許文献3に開示の技術において、金属塩水溶液の金属種をBiとしたところ、リチウム複合金属酸化物の最表面にBi含有薄膜が生成したことを本発明者は発見した。さらに、本発明者が得られたリチウム複合金属酸化物を活物質として用いて新たなリチウムイオン二次電池を作製したところ、驚くべきことに、該リチウムイオン二次電池が従来の活物質を具備するリチウムイオン二次電池及び上記特許文献3に開示のリチウム複合金属酸化物を具備するリチウムイオン二次電池よりも優れた容量維持率を示すことを見出し、そして、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のリチウム複合金属酸化物は、一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦1.5、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはFe、Cr、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rf、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)で表されるリチウム複合金属酸化物において、少なくともNi、Co及びMnを含む金属酸化物であってNi、Co及びMnの組成比がNi:Co:Mn=g:h:i(g+h+i=1、0<g<1、0<h<c、d<i<1)で表される高マンガン部を表層に有し、かつ、前記高マンガン部の表面にM含有膜(MはSn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選択される少なくとも1種)を有することを特徴とする。
本発明のリチウム複合金属酸化物は、高電圧で駆動される二次電池に活物質として使用した場合であっても良好なLi貯蔵容量を保つ、すなわち良好な容量維持率を示す。
本発明のリチウム複合金属酸化物の断面のSTEM像である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明のリチウム複合金属酸化物は、一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦1.5、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはFe、Cr、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rf、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)で表されるリチウム複合金属酸化物において、少なくともNi、Co及びMnを含む金属酸化物であってNi、Co及びMnの組成比がNi:Co:Mn=g:h:i(g+h+i=1、0<g<1、0<h<c、d<i<1)で表される高マンガン部を表層に有し、かつ、前記高マンガン部の表面にM含有膜(MはSn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選択される少なくとも1種)を有することを特徴とする。
本発明のリチウム複合金属酸化物は、層状岩塩構造の一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦1.5、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはFe、Cr、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rf、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)で表される。好ましいb、c及びdとしては、0<b<1、0<c<1、0<d<1を挙げることができ、より好ましくは0<b<80/100、0<c<70/100、10/100<d<1の範囲内であり、10/100<b<70/100、12/100<c<60/100、20/100<d<70/100の範囲であることがさらに好ましく、25/100<b<60/100、15/100<c<50/100、25/100<d<60/100の範囲であることが特に好ましい。
a、e、fについては一般式で規定する範囲内の数値であればよく、好ましくは0.5≦a≦1.3、0≦e<0.2、1.8≦f≦2.1、より好ましくは0.8≦a≦1.2、0≦e<0.1、1.9≦f≦2.05を例示することができる。
次に、高マンガン部について説明する。高マンガン部は、本発明のリチウム複合金属酸化物の表層に存在し、少なくともNi、Co及びMnを含む金属酸化物であって、Ni、Co及びMnの組成比がNi:Co:Mn=g:h:i(g+h+i=1、0<g<1、0<h<c、d<i<1)で表される箇所である。高マンガン部は、内部と比較してマンガン組成比が高い。
ここで、一般に、Ni、Co及びMnを含有する層状岩塩構造のリチウム複合金属酸化物においては、該リチウム複合金属酸化物を二次電池用活物質として用いた場合、Ni、Co及びMnには以下の役割があると考えられる。
Ni:Li充放電反応時に最も活性である。活物質内にNi含有量が多いほど容量は増加するが、反面、活物質内にNi含有量が多いほど活物質は劣化し易い。
Mn:Li充放電反応時に最も不活性である。活物質内にMn含有量が多いほど容量は低下するが、反面、活物質内にMn含有量が多いほど活物質の結晶構造は安定性に優れる。
Co:Li充放電反応時の活性はNiとMnの中間である。活物質内の含有量に対する容量及び安定性の程度も、NiとMnの中間である。
そうすると、マンガン組成比が高い高マンガン部は、内部よりも相対的に安定性が高いといえる。そして、マンガン組成比の高い高マンガン部が本発明のリチウム複合金属酸化物の表層に存在することにより、電解質と内部との直接の接触を抑制できるため、活物質としての作用を発揮する内部の安定性が向上する。
なお、「高マンガン部が本発明のリチウム複合金属酸化物の表層に存在する」とは、高マンガン部が量の多少に関わらず表層に存在することを意味する。高マンガン部が表層に存在しさえすれば、少なくとも高マンガン部の存在箇所よりも内部のリチウム複合金属酸化物の安定性は保たれ、結果として、容量を維持する効果が発揮される。高マンガン部はリチウム複合金属酸化物の表層全体に存在するのが容量の維持の面から好ましい。
表層とは、本発明のリチウム複合金属酸化物の表面を含む層を意味する。表層の厚みは、本発明のリチウム複合金属酸化物及び内部の安定性の面からみると厚いほうが好ましいといえるが、電解液と内部との接触を妨げるのに足りる厚みがあれば実用上の問題はない。Li充放電反応の進行のし易さを考慮すると、表層の厚みは薄いほうが好ましい。表層の厚みt(nm)は、例えば0<t<20であり、0.01<t<10が好ましく、0.1<t<5がより好ましい。
高マンガン部は表層において、点在してもよいし、層として存在しても良い。高マンガン部の層の厚みtMn(nm)は、例えば0<tMn<20であり、0.01<tMn<10が好ましく、0.1<tMn<5がより好ましい。
また、高マンガン部は、リチウム複合金属酸化物の表面から中心方向に向かい、少なくとも10nmの範囲内に存在するのが好ましい。
内部の安定性向上の点からみると、高マンガン部は層状に内部を被覆する状態が好ましく、高マンガン部は内部全体を被覆する状態がより好ましい。
高マンガン部の上記g、h及びiの値は上記条件を満足するものであれば制限はない。
gは0<g<80/100の範囲が好ましく、20/100<g<70/100の範囲がより好ましく、25/100<g<50/100の範囲がさらに好ましい。また、gは0.5×b<g<2×bの範囲が好ましく、0.8×b<g<1.4×bの範囲がより好ましく、0.85×b<g<1.1×bの範囲がさらに好ましく、0.88×b<g≦0.96×bの範囲が特に好ましい。
hは5/100<h<cの範囲がより好ましく、10/100<h<25/100の範囲がさらに好ましい。また、hは0.2×c<h<0.9×cの範囲が好ましく、0.5×c<h<0.88×cの範囲がより好ましく、0.63×c≦h≦0.85×cの範囲がさらに好ましい。
iは35/100<i<85/100の範囲がより好ましく、36/100<i<65/100の範囲がさらに好ましい。また、iはd<i<85/100の範囲が好ましく、d<i<75/100の範囲がより好ましく、d<i<65/100の範囲がさらに好ましい。さらに、iはd<i<2×dの範囲が好ましく、1.1d<i<1.5×dの範囲がより好ましく、1.2×d<i≦1.41×dの範囲がさらに好ましい。
M含有膜について説明する。M含有膜は前記高マンガン部の表面に存在する膜である。MはSn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選択される1種又は複数種であり、MとしてはSb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Irが好ましい。M含有膜は高マンガン部の保護膜として作用すると推定される。
なお、「高マンガン部の表面にM含有膜を有する」とは、M含有膜が量の多少に関わらず高マンガン部の表面に存在することを意味する。M含有膜が高マンガン部の表面に存在しさえすれば、少なくともM含有膜の存在箇所よりも内部の高マンガン部の安定性は保たれる。高マンガン部の安定性向上の点からみると、M含有膜は高マンガン部の表面全体を被覆する状態であるのが好ましい。また、M含有膜が高マンガン部の表面全体を被覆する状態であれば、本発明のリチウム複合金属酸化物の表面における電気伝導性が均一化されると推定され、そうすると、局所的な電流の集中による本発明のリチウム複合金属酸化物の劣化が抑制されると思われる。
M含有膜の厚みは安定性の面からみると厚いほうが好ましいといえるが、Li充放電反応の進行のし易さを考慮すると、その厚みは薄いほうが好ましい。M含有膜の層の厚みt(nm)は、例えば0<t≦10であり、0.01<t<5が好ましく、0.05<t<3がより好ましく、0.1<t<1がさらに好ましく、0.4<t<0.8が最も好ましい。
本発明のリチウム複合金属酸化物は形状が特に制限されるものではないが、平均粒子径でいうと、100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下がより好ましく、1μm以上30μm以下がさらに好ましい。1μm未満のリチウム複合金属酸化物では、電極を製造する際に集電体との密着性が損なわれやすいなどの不具合を生じることがある。100μmを超えるリチウム複合金属酸化物では、電極の大きさに影響を与えたり、二次電池を構成するセパレータを損傷するなどの不具合を生じることがある。なお、本明細書における平均粒子径とは、特に限定が無い限り、一般的なレーザー回折式粒度分布計で計測した場合のD50を意味する。
本発明のリチウム複合金属酸化物全体の体積と比較して、高マンガン部及びM含有膜の占める体積はごくわずかである。そのため、高マンガン部及びM含有膜が存在していても、本発明のリチウム複合金属酸化物を表す組成式は、原料として用いた以下の金属酸化物材料の組成式と実質的には変化がない。
次に、本発明のリチウム複合金属酸化物の製造方法について説明する。
本発明のリチウム複合金属酸化物は、層状岩塩構造の一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦1.5、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはFe、Cr、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rf、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1) で表される材料(「金属酸化物材料」ということがある。)に対し、下記処理1〜5のいずれかの処理(以下、金属酸化物材料に対し下記処理1〜5のいずれかの処理を行うことを、「表面改質」ということがある。また、下記処理1〜5のいずれかの処理で用いられる水溶液を「表面改質用水溶液」ということがある。)を行うことで製造される。
(処理1)
1−1)酸性のM含有金属塩水溶液を準備する工程、
1−2)該M含有金属塩水溶液と上記材料を混合する工程、
1−3)前記1−2)工程で得られた液とリン酸アンモニウム塩水溶液を混合する工程、
1−4)前記1−3)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
(処理2)
2−1)リン酸アンモニウム塩水溶液を準備する工程、
2−2)該リン酸アンモニウム塩水溶液と上記材料を混合する工程、
2−3)前記2−2)工程で得られた液と酸性のM含有金属塩水溶液を混合する工程、
2−4)前記2−3)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
(処理3)
3−1)M含有金属塩及びリン酸アンモニウム塩の水溶液を準備する工程
3−2)該水溶液と上記材料を混合する工程、
3−3)前記3−2)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
(処理4)
4−1)酸性のM含有金属塩水溶液とリン酸アンモニウム塩水溶液をそれぞれ準備する工程、
4−2)水と上記材料を混合する工程、
4−3)前記4−2)工程で得られた液、前記M含有金属塩水溶液及び前記リン酸アンモニウム塩水溶液を混合する工程、
4−4)前記4−3)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
(処理5)
5−1)M含有金属リン酸塩水溶液又はM含有金属ポリリン酸塩水溶液を準備する工程、
5−2)該水溶液と上記材料を混合する工程
5−3)前記5−2)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
処理1〜5について、以下、より具体的に記述する。
処理1:酸性のM含有金属塩水溶液を準備し、金属酸化物材料を加え撹拌し混合分散溶液とする。次いで、上記の混合分散溶液を攪拌した状態でさらにリン酸アンモニウム塩水溶液を添加し撹拌する。攪拌は15分〜1時間程度継続する。本発明のリチウム複合金属酸化物を濾過して単離する。
処理2:リン酸アンモニウム塩水溶液を準備し、金属酸化物材料を加え撹拌し混合分散溶液とする。次いで、上記の混合分散溶液を攪拌した状態でさらに、酸性のM含有金属塩水溶液を添加し撹拌する。攪拌は15分〜1時間程度継続する。本発明のリチウム複合金属酸化物を濾過して単離する。
処理3:M含有金属塩及びリン酸アンモニウム塩の水溶液を準備し、金属酸化物材料を一度に加え撹拌する。攪拌は15分〜1時間程度継続する。本発明のリチウム複合金属酸化物を濾過して単離する。
処理4:酸性のM含有金属塩水溶液とリン酸アンモニウム塩水溶液をそれぞれ準備する。金属酸化物材料をイオン交換水中で攪拌し混合分散溶液とする。上記混合分散溶液に対し、上記2種類の水溶液をそれぞれ又は同時に添加し攪拌する。本発明のリチウム複合金属酸化物を濾過して単離する。
処理5:M含有金属リン酸塩水溶液又はM含有金属ポリリン酸塩水溶液を準備する。該水溶液と上記材料を混合及び撹拌し、混合分散溶液とする。攪拌は15分〜1時間程度継続する。本発明のリチウム複合金属酸化物を濾過して単離する。
処理1乃至処理5にて用いられるM含有金属塩としては、活物質に残留したとしても電池に対する影響が少ないM含有金属硝酸塩が好ましい。金属硝酸塩としては、硝酸アンチモン、硝酸ビスマス、硝酸銅、硝酸水銀、硝酸パラジウム、硝酸イリジウムを例示することができる。
処理1乃至処理4にて用いられるリン酸アンモニウム塩としては、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸アンモニウムを例示することができ、特に、リン酸水素二アンモニウムが好ましい。また、リン酸アンモニウム塩水溶液を調製する方法としては、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム又はリン酸アンモニウムを水に溶解して調製する方法、リン酸及びアンモニアを混合する方法などを挙げることができる。処理1乃至処理4にて用いられるリン酸アンモニウム塩水溶液としては、弱アルカリ性のものが好ましい。
処理1乃至処理4で用いられるM含有金属塩水溶液、リン酸アンモニウム塩水溶液、並びにM含有金属塩及びリン酸アンモニウム塩を含有する水溶液は、その濃度が特に限定されるものではない。M含有金属塩水溶液は金属塩濃度が0.05〜1質量%の範囲内のものが好ましく、0.1〜0.5質量%の範囲内のものがより好ましい。また、リン酸アンモニウム塩水溶液はリン酸アンモニウム塩が0.1〜50質量%の範囲内のものが好ましい。M含有金属塩及びリン酸アンモニウム塩を含有する水溶液は、M含有金属塩及びリン酸アンモニウム塩それぞれが上記の濃度範囲内のものが好ましい。
処理5にて用いられるM含有金属リン酸塩又はM含有金属ポリリン酸塩を構成するリン酸アニオンとしては、HPO 、HPO 2−、PO 3−を挙げることができる。ポリリン酸はHO−(HPO)n−H(nは2以上の整数)で表される。好ましいM含有金属ポリリン酸塩として、ピロリン酸Biを挙げることができる。
処理5のM含有金属リン酸塩水溶液又はM含有金属ポリリン酸塩水溶液は、M含有金属リン酸塩又はM含有金属ポリリン酸塩を0.01〜1質量%の濃度で含むものが好ましく、0.1〜0.5質量%の濃度がより好ましい。
処理1乃至処理5における撹拌時間は適宜適切に設定すればよい。
処理1乃至処理5の後に、本発明のリチウム複合金属酸化物を乾燥及び/又は焼成しても良い。乾燥は本発明のリチウム複合金属酸化物に付着した水分を除去するための工程であり、80〜150℃の範囲内で1〜24時間若しくは1〜10時間程度行えば良く、減圧条件下で行うのも効果的である。焼成は本発明のリチウム複合金属酸化物の結晶性を整えるための工程であり、400〜1200℃、500〜1000℃又は600〜900℃の範囲内で1〜10時間若しくは1〜5時間程度行えば良い。焼成工程後に粉砕処理を行い、所望の粒径にしても良い。なお、乾燥工程及び焼成工程は本発明のリチウム複合金属酸化物における組成比に特段の影響を与えない。
表面改質による高マンガン部及びM含有膜の生成並びにこれらの層及び膜の厚みは、本発明のリチウム複合金属酸化物を切断した切断面を、例えば、透過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分光分析装置を組み合わせたTEM−EDXで測定し組成分析することで確認及び測定できる。本発明のリチウム複合金属酸化物の切断面を観察すると、表層側から、M含有膜、高マンガン部の順に存在することがわかる。
上記処理1〜5を行うことで、高マンガン部のMn組成比は内部のMn組成比よりも高くなるが、反面、Co組成比は低くなる。Ni組成比は高くなる場合もあれば、低くなる場合もある。そして、処理1〜5にてMnを添加していないことを鑑みると、上記処理1〜5により、金属酸化物材料の表層付近のCoが水溶液に溶出し(場合によってはNiも水溶液に溶出し)、その結果として、表層組成比の変化が生じたと推定できる。水溶液に対する溶出のし易さはCo、Ni、Mnの順と思われる。
そうであるとすれば、高マンガン部は、一般式:Lia3Nib3Coc3Mnd3e3f3(0.2≦a3≦1.5、b3+c3+d3+e3<1、0<b3≦b、0<c3<c、0<d3≦d、0<e3<1、DはFe、Cr、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rf、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f3≦2.1)で表すこともできる。
ここで、M含有膜の形成メカニズムについて考察する。
上記特許文献3でのMg、Ba、Sr又はAl含有金属塩水溶液を用いた表面改質技術ではリチウム複合金属酸化物の表面にMg、Ba、Sr又はAlに由来した膜は観察されなかった。しかしながら、下記実施例で詳細に報告するように、Bi含有金属塩水溶液を用いた本発明の表面改質技術では、リチウム複合金属酸化物の表面にBi含有膜が観察された。これらの実験事実から考察すると、リチウム複合金属酸化物の表面改質のメカニズムは、リチウム複合金属酸化物を構成する主要金属と表面改質用水溶液に含有する金属とのイオン化傾向が鍵となっていると推察される。
リチウム複合金属酸化物を構成する主要金属のNi、Co及びMn、特許文献3で用いた表面改質用水溶液に含まれるMg、Ba、Sr及びAl、本発明で用いた表面改質用水溶液に含まれる金属Mのイオン化傾向を表1に示す。表1は、各金属を水溶液中でのイオン化傾向が高い順に上から記載したものである。なお、参考として、水溶液中における金属の水和イオンと金属単体との間の標準酸化還元電位Eも載せる。
表1から明らかなように、本発明で用いる表面改質用水溶液に含まれる金属Mのイオン化傾向は、リチウム複合金属酸化物を構成する主要金属のNi、Co及びMnのいずれよりも低い。そうすると、本発明の表面改質においては、金属酸化物材料を構成するNi、Co又はMnが表面改質用水溶液中へイオンとして溶出すると同時に、表面改質用水溶液中のM金属イオンが金属酸化物材料表面に付着して非イオン状態(非溶解状態)となるとのメカニズムで、M含有膜が形成されていると考察できる。さらに、標準酸化還元電位が正の値を示す金属は、上記メカニズムの傾向を特に強く示すと予測できる。
他方、上記特許文献3で用いたMg、Ba、Sr及びAlのイオン化傾向は、リチウム複合金属酸化物を構成する主要金属のNi、Co及びMnのいずれよりも高いので、Mg、Ba、Sr及びAlイオンが水溶液中で金属酸化物材料表面に付着して非イオン状態となる可能性は極めて低いと考えられる。また、例えば、特許文献3で用いたMg、Ba、Sr又はAl含有水溶液を1〜5%程度に高濃度とすれば、金属酸化物材料表面にこれらの金属を物理的に付着させて膜を形成させることは可能であるかもしれない。しかし、そのような膜は膜厚が厚いため、該膜が形成された金属酸化物材料を活物質として用いたリチウムイオン二次電池においては、該膜に因りLiイオンの移動が阻害され、電池性能が悪化すると考えられる。
本発明の表面改質においては、上記メカニズムでM含有膜が形成されていると考察できるため、本発明のM含有膜は金属メッキのような極薄い膜として形成される。他方、例えば、M含有化合物が金属酸化物材料に単に物理的に付着する方法であれば、本発明のM含有膜のような極薄い膜を形成させることは著しく困難である。
本発明のリチウム複合金属酸化物は、原料の金属酸化物材料の表層を新たに高マンガン部なるものに変化させ、かつ、その表面をM含有膜で被覆したものと把握できる。金属酸化物材料は、金属酸化物、金属水酸化物若しくは金属炭酸塩などの金属塩を用いて従来の公知の製造方法に従い製造しても良いし、市販されているものを用いても良い。
本発明のリチウム複合金属酸化物を用いて、リチウムイオン二次電池を製造できる。以下、本発明のリチウム複合金属酸化物を具備するリチウムイオン二次電池を、「本発明のリチウムイオン二次電池」ということがある。本発明のリチウムイオン二次電池は、電池構成要素として、本発明のリチウム複合金属酸化物を有する電極(例えば正極)に加えて、負極、セパレータ及び電解液を含む。
正極は、集電体と、本発明のリチウム複合金属酸化物を活物質として含む活物質層で構成される。なお、活物質層には、本発明のリチウム複合金属酸化物以外の活物質を含んでいても良い。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状などの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが10μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
集電体の表面に活物質層を形成することで正極とすることができる。
活物質層は導電助剤を含んでもよい。導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤としては、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(登録商標)(KB)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)が例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。また、導電助剤で活物質を被覆してもよい。導電助剤の使用量については特に制限はないが、例えば、活物質100質量部に対して1〜50質量部又は1〜30質量部とすることができる。
活物質層は結着剤を含んでもよい。結着剤は活物質及び導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂を例示することができる。結着剤の使用量については特に制限はないが、例えば、活物質100質量部に対して5〜50質量部とすることができる。
集電体の表面に活物質層を形成させる方法としては、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、並びに必要に応じて結着剤及び導電助剤を含む活物質層形成用組成物を調製し、この組成物に適当な溶剤を加えてペースト状にしてから、集電体の表面に塗布後、乾燥する。必要に応じて電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)を例示できる。
負極は、集電体と、集電体の表面に結着させた負極活物質層を有する。
負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を含む。
集電体、結着剤及び導電助剤は正極で説明したものと同様である。
負極活物質としては、リチウムを吸蔵及び放出可能な炭素系材料、リチウムと合金化可能な元素、リチウムと合金化可能な元素を有する化合物、あるいは高分子材料などを例示することができる。
炭素系材料としては、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭あるいはカーボンブラック類が例示できる。ここで、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール類やフラン類などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。
リチウムと合金化可能な元素としては、具体的にNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Biが例示でき、特に、Si又はSnが好ましい。
リチウムと合金化可能な元素を有する化合物としては、具体的にZnLiAl、AlSb、SiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、 CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SiO(0<v≦2)、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSiO あるいはLiSnOを例示でき、特に、SiO(0.3≦x≦1.6、又は0.5≦x≦1.5)が好ましい。
中でも、負極活物質は、Siを有するSi系材料を含むものがよい。Si系材料は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な珪素又は/及び珪素化合物からなるとよく、例えば、SiOx(0.5≦x≦1.5)がよい。珪素は理論充放電容量が大きいものの、珪素は充放電時の体積変化が大きい。そこで、負極活物質を珪素を含むSiOxとすることで珪素の体積変化を緩和することができる。
また、Si系材料は、Si相と、SiO相とをもつことが好ましい。Si相は、珪素単体からなり、Liイオンを吸蔵・放出し得る相であり、Liイオンの吸蔵及び放出に伴って膨張及び収縮する。SiO相は、SiOからなり、Si相の膨張及び収縮を吸収する緩衝相となる。Si相がSiO相により被覆されるSi系材料が好ましい。さらには、微細化された複数のSi相がSiO相により被覆されて一体となって粒子を形成しているものがよい。この場合には、Si系材料全体の体積変化を効果的に抑えることができる。
Si系材料でのSi相に対するSiO相の質量比は、1〜3であることが好ましい。前記質量比が1未満の場合には、Si系材料の膨張及び収縮が大きくなり、Si系材料を含む負極活物質層にクラックが生じるおそれがある。一方、前記質量比が3を超える場合には、負極活物質のLiイオンの吸蔵及び放出量が少なくなり、電池の負極単位質量あたりの電気容量が低くなる。
また、リチウムと合金化反応可能な元素を有する化合物として、スズ合金(Cu−Sn合金、Co−Sn合金等)などの錫化合物を例示できる。
高分子材料としては、具体的にポリアセチレン、ポリピロールを例示できる。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどの合成樹脂を1種又は複数用いた多孔質膜、またはセラミックス製の多孔質膜を例示できる。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、活物質として作用する内部の表面に安定な高マンガン部を有し、さらに、高マンガン部を保護するM含有膜を有するので劣化しにくく、好適な容量維持率を示す。その結果として、本発明のリチウムイオン二次電池は、高電位駆動条件下でも良好な容量維持率を示すことができる。そのため、本発明のリチウムイオン二次電池は、大きな充放電容量を維持し、かつ優れたサイクル性能を有するものである。ここで、高電位駆動条件とは、リチウム金属に対するリチウムイオンの作動電位が4.3V以上、さらには4.4V〜4.6V又は4.5V〜5.5Vのことをいう。本発明のリチウムイオン二次電池は、正極の充電電位をリチウム基準で4.3V以上、さらには4.4V〜4.6V又は4.5V〜5.5Vとすることができる。なお、一般的なリチウムイオン二次電池の駆動条件においては、リチウム金属に対するリチウムイオンの作動電位は4.3V未満である。
本発明のリチウムイオン二次電池の型は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の型を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は車両に搭載することができる。本発明のリチウムイオン二次電池は、大きな充放電容量を維持し、かつ優れたサイクル性能を有するため、これを搭載した車両は、高性能の車両となる。
車両としては、電池による電気エネルギーを動力源の全部または一部に使用する車両であればよく、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、電動フォークリフト、電気車椅子、電動アシスト自転車、電動二輪車が挙げられる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。以下において、特に断らない限り、「部」とは質量部を意味し、「%」とは質量%を意味する。
(実施例1)
共沈法で作成されたLiNi5/10Co2/10Mn3/10で表されるリチウム複合金属酸化物を準備した。Bi(NOを0.2質量%含むBi含有水溶液を調製した。Bi含有水溶液に上記リチウム複合金属酸化物を加え、撹拌し、懸濁液を得た。該懸濁液に(NHHPOを0.4質量%含む水溶液を添加し、撹拌した。合計の撹拌時間は1時間であった。濾過を行い、次いで、表面改質されたリチウム複合金属酸化物を、130℃で6時間乾燥した。その後、得られたリチウム複合金属酸化物を、700℃、大気雰囲気下で、5時間加熱した。冷却後に粉砕し、得られた生成物を実施例1の活物質とした。
この活物質を用い、以下の方法でラミネート型リチウムイオン二次電池を作製した。
正極は以下のように作成した。
正極用集電体として厚み20μmのアルミニウム箔を準備した。活物質として実施例1の活物質を94質量部、導電助剤として3質量部のアセチレンブラック、および結着剤として3質量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混合した。この混合物を適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて、スラリーを作製した。上記アルミニウム箔の表面に上記スラリーをのせ、ドクターブレードを用いてスラリーが膜状になるように塗布した。スラリーを塗布したアルミニウム箔を80℃で20分間乾燥することで、NMPを揮発により除去し、アルミニウム箔表面に活物質層を形成させた。表面に活物質層を形成させたアルミニウム箔を、ロ−ルプレス機を用いて圧縮し、アルミニウム箔と活物質層とを強固に密着接合させた。接合物を120℃で6時間、真空乾燥機で加熱し、所定の形状(25mm×30mmの矩形状)に切り取り、厚さ60μm程度の正極を得た。
負極は以下のように作製した。
カーボンコートしたSiO(0.3≦x≦1.6)32質量部、グラファイト50質量部、導電助剤としてアセチレンブラック8質量部と、結着剤としてポリアミドイミド10質量部とを混合し、この混合物を適量のイオン交換水に分散させてスラリーを作製した。このスラリーを負極用集電体である厚み20μmの銅箔にドクターブレードを用いて膜状になるように塗布し、スラリーを塗布した集電体を乾燥後プレスし、接合物を120℃で6時間、真空乾燥機で加熱し、所定の形状(25mm×30mmの矩形状)に切り取り、厚さ85μm程度の負極とした。
正極および負極の間に、セパレータとしてポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造の樹脂膜からなる矩形状シート(27×32mm、厚さ25μm)を挟装して極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに電解液を注入した。電解液としては、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネート及びジメチルカーボネートを体積比3:3:4で混合した溶媒にLiPF6を1モル/Lとなるよう溶解した溶液を用いた。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉されたラミネート型リチウムイオン二次電池を得た。なお、正極および負極は外部と電気的に接続可能なタブを備え、このタブの一部はラミネート型リチウムイオン二次電池の外側に延出している。
以上の工程で、実施例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2)
Bi含有水溶液をBi(NOが0.4質量%含まれるものとした以外は、実施例1と同様に、実施例2の活物質及びリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例1)
表面改質をしていないLiNi5/10Co2/10Mn3/10を比較例1の活物質とした。そして、正極活物質として表面改質をしていないLiNi5/10Co2/10Mn3/10を用いた以外は、実施例1と同様に、比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2)
Bi含有水溶液に替えて、Al(NOを0.2質量%含むAl含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に、比較例2の活物質及びリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3)
Bi含有水溶液に替えて、Al(NOを0.4質量%含むAl含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に、比較例3の活物質及びリチウムイオン二次電池を作製した。
<評価例1>
実施例1の活物質につき、イオンスライサー(EM−09100IS、日本電子株式会社製)を用いたArイオンミリング法にて断面を形成させた。上記断面を、走査透過型電子顕微鏡と分散型X線分析装置を組み合わせたSTEM−EDXを用い、Biを測定対象として分析を行った。その結果、リチウム複合金属酸化物の表面から約2nmの範囲にM含有膜の一態様であるBi含有膜が存在するのが確認でき、また、リチウム複合金属酸化物の他の表面から約10nmの範囲にBi含有膜が存在するのが確認できた。
実施例1の活物質の断面のうち、リチウム複合金属酸化物の表面から約2nmの範囲にBi含有膜が存在するのが確認された付近につき、表面から約5nmの第1地点と、それよりも内部の表面から約20nmの第2地点を、Ni、Co、Mnを対象としてSTEM−EDX分析を行った。その結果、第1地点のNi:Co:Mnは46.9:19.2:33.9であり、第2地点のNi:Co:Mnは50.4:20.0:29.6であった。STEM像を図1に示す。図1において、矢印に挟まれた箇所がBi含有膜であり2.3nmはその厚みである。また、Aが上記第1地点、Bが上記第2地点である。
<評価例2>
実施例1〜2、比較例1〜3の活物質の表面をX線光電子分光法で測定することにより、活物質表層のNi、Co及びMn組成比を算出した。結果を表2に示す。
表2の結果から、実施例1〜2、比較例2〜3の活物質の表層のMn組成が、表面改質をしていない比較例1の活物質の表層の組成と比較して、高いことがわかる。実施例1〜2、比較例2〜3の活物質の表層に高マンガン部が存在することが確認できた。
<評価例3>
実施例1〜2、比較例1〜3のリチウムイオン二次電池の初期容量を測定した。測定する電池に対し、25℃、0.33Cレート、電圧4.5VでCCCV充電(定電流定電圧充電)し、そして、電圧3.0V、0.33CレートでCC放電(定電流放電)を行ったときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。
さらに、測定する電池に対し、60℃、1Cレートで電圧4.32Vから3.0Vの範囲の充放電サイクルを200サイクル行い、その後、室温に5時間以上放置後、初期容量測定と同じ条件で放電容量を測定した。これをサイクル後容量とした。
容量維持率(%)は以下の式で求めた。
容量維持率(%)=サイクル後容量/初期容量×100
活物質の表層のNi、Co及びMn組成比、初期容量、200サイクル後の容量、並びに容量維持率の結果を表2に示す。
実施例1、2のリチウムイオン二次電池の容量維持率は、比較例1〜3のリチウムイオン二次電池の容量維持率のいずれよりも、優れていた。
本発明のリチウムイオン二次電池の容量維持率が優れていることが裏付けられた。

Claims (5)

  1. 一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦1.5、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはFe、Cr、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rf、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)で表されるリチウム複合金属酸化物において、
    少なくともNi、Co及びMnを含む金属酸化物であってNi、Co及びMnの組成比がNi:Co:Mn=g:h:i(g+h+i=1、0<g<1、0<h<c、d<i<1)で表される高マンガン部を表層に有し、かつ、前記高マンガン部の表面にM含有膜(MはSn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選択される少なくとも1種)を有することを特徴とするリチウム複合金属酸化物。
  2. 前記M含有膜の膜厚t(nm)が0<t≦10の範囲内である請求項1に記載のリチウム複合金属酸化物。
  3. 前記MがSb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Irから選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のリチウム複合金属酸化物。
  4. 一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦1.5、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはFe、Cr、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Al、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、La、Hf、Rf、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Hg、Ag、Pd、Ir、Pt、Auから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)で表される材料に対し、下記処理1〜5のいずれかの処理を行うことを特徴とする請求項1〜3に記載のリチウム複合金属酸化物の製造方法。
    (処理1)
    1−1)酸性のM含有金属塩水溶液を準備する工程、
    1−2)該M含有金属塩水溶液と上記材料を混合する工程、
    1−3)前記1−2)工程で得られた液とリン酸アンモニウム塩水溶液を混合する工程、
    1−4)前記1−3)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
    (処理2)
    2−1)リン酸アンモニウム塩水溶液を準備する工程、
    2−2)該リン酸アンモニウム塩水溶液と上記材料を混合する工程、
    2−3)前記2−2)工程で得られた液と酸性のM含有金属塩水溶液を混合する工程、
    2−4)前記2−3)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
    (処理3)
    3−1)M含有金属塩及びリン酸アンモニウム塩の水溶液を準備する工程
    3−2)該水溶液と上記材料を混合する工程、
    3−3)前記3−2)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
    (処理4)
    4−1)酸性のM含有金属塩水溶液とリン酸アンモニウム塩水溶液をそれぞれ準備する工程、
    4−2)水と上記材料を混合する工程、
    4−3)前記4−2)工程で得られた液、前記M含有金属塩水溶液及び前記リン酸アンモニウム塩水溶液を混合する工程、
    4−4)前記4−3)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
    (処理5)
    5−1)M含有金属リン酸塩水溶液又はM含有金属ポリリン酸塩水溶液を準備する工程、
    5−2)該水溶液と上記材料を混合する工程
    5−3)前記5−2)工程で得られた液からリチウム複合金属酸化物を単離する工程を含む処理。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム複合金属酸化物又は請求項4に記載の製造方法で得られるリチウム複合金属酸化物を具備するリチウムイオン二次電池。
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