JP2015213940A - 圧延機の板厚制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】BISRA−AGCや絶対値AGCのようなAGC制御を行うに際し、圧延ロールの偏心による圧延荷重の変動を考慮した指令値を用いてロールギャップを操作することで、ロールギャップ変動とは別の板厚変動を低減すると同時に、AGC制御がロール偏心による板厚変動を助長することを防止する圧延機の板厚制御方法を提供する。【解決手段】本発明の圧延機1の板厚制御方法は、圧延機1に備えられた1又は複数の延スタンド2で圧延される圧延材Wの板厚を制御する板厚制御方法であって、圧延スタンド2に備えられた荷重検出器5で検出された圧延荷重に基づき、当該圧延スタンド2のロールギャップを操作するAGC制御を行うに際し、AGC制御においては、荷重検出器5で検出された圧延荷重からロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、ロールギャップを操作する。【選択図】図1
Description
本発明は、圧延機で圧延材を圧延する際に用いられる板厚制御方法に関する。
従来から、薄鋼板等の圧延材は、複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延機により熱間圧延で製造されている。これら圧延材の最終製品の評価基準のひとつとして板厚があり、圧延スタンドの出側板厚を目標板厚に追従させるために、様々な制御技術(自動板厚制御技術、AGC)が開発されている。
例えば、自動板厚制御でよく用いられる式であって、出側板厚、ロールギャップ、荷重の間で成り立つ式として一般に知られているゲージメータ式を式(1)に示す。
例えば、自動板厚制御でよく用いられる式であって、出側板厚、ロールギャップ、荷重の間で成り立つ式として一般に知られているゲージメータ式を式(1)に示す。
また従来から、自動板厚制御の1つとして、圧延スタンドに備えられた荷重検出器で検出された圧延荷重に基づき、ロールギャップを操作することで、圧延荷重の変動による出側板厚の変動を低減するBISRA−AGCがある。
BISRA−AGCの基本的な考え方は、ロールギャップ変動とは別の板厚変動要因、例えば圧延スタンド入側の板厚変動や、圧延スタンド入側および出側の張力変動などにより、圧延荷重が変動することによる出側板厚の変動を低減するように、ロールギャップを操作することである。
BISRA−AGCの基本的な考え方は、ロールギャップ変動とは別の板厚変動要因、例えば圧延スタンド入側の板厚変動や、圧延スタンド入側および出側の張力変動などにより、圧延荷重が変動することによる出側板厚の変動を低減するように、ロールギャップを操作することである。
したがって、式(1)にΔh=0を代入すると共に、BISRA−AGCによるロールギャップの操作によって板厚変動が生じることを防止するためのチューニング率αを導入し、そのときのΔSBをBISRA−AGCによるロールギャップの指令量とする(式(2))。
ところで、圧延スタンドには、ロール偏心と呼ばれる板厚変動要因が存在する。
ロール偏心とは、径方向断面視で、圧延ロールの回転軸の軸心と、当該圧延ロールの外径の中心とが径方向にずれてしまうことである。このロール偏心の原因としては、例えば、圧延ロール表面を精度よく研磨していても、ごくまれに軸心と外径の中心とが偏心してしまっていることなどが挙げられる。
ロール偏心とは、径方向断面視で、圧延ロールの回転軸の軸心と、当該圧延ロールの外径の中心とが径方向にずれてしまうことである。このロール偏心の原因としては、例えば、圧延ロール表面を精度よく研磨していても、ごくまれに軸心と外径の中心とが偏心してしまっていることなどが挙げられる。
このようなロール偏心をした圧延ロールを使用して圧延を行うと、ロールギャップが圧延ロールの回転周期に同期して変動し、圧下された圧延材の板厚が変動してしまうことがある。
上記したロール偏心による圧延材の板厚変動は、ロールギャップ変動以外の板厚変動要因とは異なり、BISRA−AGCにより圧延材の板厚変動を低減することができず、むしろ板厚変動を助長してしまう虞がある。
上記したロール偏心による圧延材の板厚変動は、ロールギャップ変動以外の板厚変動要因とは異なり、BISRA−AGCにより圧延材の板厚変動を低減することができず、むしろ板厚変動を助長してしまう虞がある。
その理由は、以下に示す通りである。
圧延スタンドの板厚制御を行う際に、ロールギャップ変動とは別の板厚変動要因(例えば、圧延ロールにかかる圧延荷重が増加したときなど)である場合、圧延スタンドの出側板厚が厚くなる。そのとき、BISRA−AGCは、式(2)から導出された指令値により、ロールギャップを閉めて(狭めて)圧延スタンドの出側板厚が厚くなることを抑制する。
圧延スタンドの板厚制御を行う際に、ロールギャップ変動とは別の板厚変動要因(例えば、圧延ロールにかかる圧延荷重が増加したときなど)である場合、圧延スタンドの出側板厚が厚くなる。そのとき、BISRA−AGCは、式(2)から導出された指令値により、ロールギャップを閉めて(狭めて)圧延スタンドの出側板厚が厚くなることを抑制する。
しかしながら、圧延スタンドの板厚制御を行う際に、ロール偏心の影響によりロールギャップ自体が変動した場合(例えば、ロールギャップが閉まるなどしたとき)は、圧延ロールにかかる圧延荷重が増加すると同時に、圧延スタンドの出側板厚が薄くなる。そのとき、BISRA−AGCは、式(2)から導出された指令値によりロールギャップを閉める制御を行うが、この場合には圧延スタンドの出側板厚がさらに薄くなってしまう虞がある。
上記の問題を解決するため、例えば、特許文献1に開示された圧延機の板厚制御方法がある。
特許文献1では、圧延機の板厚制御を行うに際し、圧延材の板厚変動におけるロール偏心成分が小さいときには、チューニング率を増加させて求めたロールギャップの指令値を用い、圧延材の板厚変動におけるロール偏心成分が大きいときには、チューニング率を減少させて求めたロールギャップの指令値を用いることにより、BISRA−AGCが圧延材の板厚変動を助長することを防止している。
特許文献1では、圧延機の板厚制御を行うに際し、圧延材の板厚変動におけるロール偏心成分が小さいときには、チューニング率を増加させて求めたロールギャップの指令値を用い、圧延材の板厚変動におけるロール偏心成分が大きいときには、チューニング率を減少させて求めたロールギャップの指令値を用いることにより、BISRA−AGCが圧延材の板厚変動を助長することを防止している。
また、圧延機の板厚制御を行うに際し、圧延材の板厚変動におけるロール偏心成分が大きい状態が継続した際には、最終的にチューニング率が負となるように求めたロールギャップの指令値を用いることにより、BISRA−AGCが板厚変動を助長することを防止している。
しかしながら、圧延機(圧延スタンド)では、ロールギャップ変動とは別の板厚変動と、ロール偏心による板厚変動とが同時に発生して、影響の大きい板厚変動要因となることが多い。
このような場合、上記した特許文献1の技術を採用したとしても、圧延機の板厚制御を行うには困難が生じている。
このような場合、上記した特許文献1の技術を採用したとしても、圧延機の板厚制御を行うには困難が生じている。
具体的には、特許文献1の技術では、チューニング率が正の値のときに求めたロールギャップの指令値を用いると、ロール偏心による板厚変動を助長させてしまう虞があり、またチューニング率が負のときに求めたロールギャップの指令値を用いると、ロールギャップ変動とは別の板厚変動を助長させてしまう虞がある。
つまり、特許文献1の技術を採用したとしても、ロール偏心による影響を完全に除去することができない。
つまり、特許文献1の技術を採用したとしても、ロール偏心による影響を完全に除去することができない。
また、通常のAGC制御と特許文献1の技術を同時に用いて、板厚制御を行うと、過制御となる虞がある。
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、BISRA−AGCや絶対値AGCのようなAGC制御を行うに際し、圧延ロールの偏心による圧延荷重の変動を考慮した指令値を用いてロールギャップを操作することで、ロールギャップ変動とは別の板厚変動を低減すると同時に、AGC制御がロール偏心による板厚変動を助長することを防止する圧延機の板厚制御方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、BISRA−AGCや絶対値AGCのようなAGC制御を行うに際し、圧延ロールの偏心による圧延荷重の変動を考慮した指令値を用いてロールギャップを操作することで、ロールギャップ変動とは別の板厚変動を低減すると同時に、AGC制御がロール偏心による板厚変動を助長することを防止する圧延機の板厚制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る圧延機の板厚制御方法は、圧延機に備えられた1又は複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の板厚を制御する板厚制御方法であって、前記圧延スタンドに備えられた荷重検出器で検出された圧延荷重に基づき、当該圧延スタンドのロールギャップを操作するAGC制御を行うに際し、前記AGC制御においては、前記荷重検出器で検出された圧延荷重からロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、ロールギャップを操作することを特徴とする。
本発明に係る圧延機の板厚制御方法は、圧延機に備えられた1又は複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の板厚を制御する板厚制御方法であって、前記圧延スタンドに備えられた荷重検出器で検出された圧延荷重に基づき、当該圧延スタンドのロールギャップを操作するAGC制御を行うに際し、前記AGC制御においては、前記荷重検出器で検出された圧延荷重からロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、ロールギャップを操作することを特徴とする。
本発明に係る圧延機の板厚制御方法によれば、BISRA−AGCや絶対値AGCのようなAGC制御を行うに際し、圧延ロールの偏心による圧延荷重の変動を考慮した指令値を用いてロールギャップを操作することで、ロールギャップ変動とは別の板厚変動を低減すると同時に、AGC制御がロール偏心による板厚変動を助長することを防止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を、薄鋼板等を圧延するタンデム型の圧延機(連続圧延機)を例示しつつ、図を基に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示された内容だけに限定されるものではない。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示された内容だけに限定されるものではない。
また、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
このタンデム型の圧延機1は、複数の圧延スタンド2を連続的に備えるものであって、この圧延機1に本発明の板厚制御方法は適用されるものとなっている。
図1は、上記したタンデム型の圧延機1を構成する1つの圧延スタンド2を模式的に示したものである。なお、圧延スタンド2は、1基であってもよい。
このタンデム型の圧延機1は、複数の圧延スタンド2を連続的に備えるものであって、この圧延機1に本発明の板厚制御方法は適用されるものとなっている。
図1は、上記したタンデム型の圧延機1を構成する1つの圧延スタンド2を模式的に示したものである。なお、圧延スタンド2は、1基であってもよい。
圧延スタンド2は、上下一対の圧延ロール3(ワークロール)と、それぞれの圧延ロール3をバックアップするバックアップロール4を備える。圧延スタンド2の圧延ロール3は、ロールギャップ制御装置9によりその圧下位置が変更可能となっていて、ロールギャップ量が可変とされている。また、圧延スタンド2には、圧延荷重を計測する荷重検出器5が設置されている。
圧延スタンド2の出側には、圧延材Wの板厚を検出する板厚計(図示せず)が設けられている。また、圧延スタンド2の出側には、圧延材Wの張力(前方張力)を測定する前方張力計(図示せず)が設けられている。圧延スタンド2の入側には、圧延材Wの張力(後方張力)を測定する後方張力計(図示せず)が設けられている。
この圧延機1においては、圧延材Wは複数の圧延スタンド2を通ることで所望の板厚、板幅、板クラウンの製品板へと圧延され、圧延スタンド2の下流に配備されているコイル巻き取り機(図示せず)で巻き取られ次の工程へと搬送される。
この圧延機1においては、圧延材Wは複数の圧延スタンド2を通ることで所望の板厚、板幅、板クラウンの製品板へと圧延され、圧延スタンド2の下流に配備されているコイル巻き取り機(図示せず)で巻き取られ次の工程へと搬送される。
圧延スタンド2の出側板厚を目標値とするため、本実施形態では、荷重検出器5で検出された圧延荷重から、ロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、圧延スタンド2のロールギャップを操作する板厚制御方法を採用している。
具体的には、本実施形態の板厚制御方法は、圧延スタンド2に備えられた荷重検出器5で圧延荷重を検出し、圧延スタンド2に備えられたロール偏心成分解析装置6にて、圧延ロール3、およびバックアップロール4の偏心による荷重変動成分を算出し、ロール偏芯成分除去装置7にて、ロール偏心成分解析装置6で算出したロール偏心による荷重変動成分と、荷重検出器5で検出された圧延荷重との差分を算出し、その差分に基づいてAGC部8がロールギャップ制御装置9に指令を出し圧延スタンド2のロールギャップを操作する。
具体的には、本実施形態の板厚制御方法は、圧延スタンド2に備えられた荷重検出器5で圧延荷重を検出し、圧延スタンド2に備えられたロール偏心成分解析装置6にて、圧延ロール3、およびバックアップロール4の偏心による荷重変動成分を算出し、ロール偏芯成分除去装置7にて、ロール偏心成分解析装置6で算出したロール偏心による荷重変動成分と、荷重検出器5で検出された圧延荷重との差分を算出し、その差分に基づいてAGC部8がロールギャップ制御装置9に指令を出し圧延スタンド2のロールギャップを操作する。
以下、本発明での板厚制御方法の詳細を、図1に示すブロック図、及び図2に示すフローチャートを基に説明する。
まず、図2のSTEP1では、まず、荷重検出器5にて、圧延荷重を所定のサンプリング周期でサンプリングして検出する。検出された圧延荷重は、ロール偏芯成分解析装置6に入力される。入力された圧延荷重は、ロール偏芯成分解析装置6において、高速フーリエ変換などを用いて周波数成分に分解される。得られたフーリエ変換後のデータから、ロール偏心に起因する荷重変動成分を抽出する。
まず、図2のSTEP1では、まず、荷重検出器5にて、圧延荷重を所定のサンプリング周期でサンプリングして検出する。検出された圧延荷重は、ロール偏芯成分解析装置6に入力される。入力された圧延荷重は、ロール偏芯成分解析装置6において、高速フーリエ変換などを用いて周波数成分に分解される。得られたフーリエ変換後のデータから、ロール偏心に起因する荷重変動成分を抽出する。
その後、抽出されたロール偏心に起因する荷重変動成分(周波数空間における位相と振幅)を逆フーリエ変換することで、実空間における荷重変動成分の値を求める。
次に、STEP2では、ロール偏心成分除去装置7にて、荷重検出器5で検出した圧延荷重から、ロール偏芯成分解析装置6で得られたロール偏心に起因する荷重変動成分(実空間における荷重変動成分の値)を差し引く。そのロール偏心に起因する荷重変動成分を差し引いた圧延荷重を、AGC部8に入力する。
次に、STEP2では、ロール偏心成分除去装置7にて、荷重検出器5で検出した圧延荷重から、ロール偏芯成分解析装置6で得られたロール偏心に起因する荷重変動成分(実空間における荷重変動成分の値)を差し引く。そのロール偏心に起因する荷重変動成分を差し引いた圧延荷重を、AGC部8に入力する。
STEP3では、AGC部8にて、ロール偏心成分除去装置7から入力された、ロール偏心に起因する荷重変動成分が差し引かれた圧延荷重に基づき、BISRA−AGCによるロールギャップ指令値ΔSBを算出する。
ロールギャップ指令値ΔSBを算出するにあたっては、例えば式(2)に、ロール偏心に起因する荷重変動成分が差し引かれた圧延荷重を、荷重変動量ΔPに代入して算出する。その算出したロールギャップ指令値ΔSBを、ロールギャップ制御装置9に入力する。
ロールギャップ指令値ΔSBを算出するにあたっては、例えば式(2)に、ロール偏心に起因する荷重変動成分が差し引かれた圧延荷重を、荷重変動量ΔPに代入して算出する。その算出したロールギャップ指令値ΔSBを、ロールギャップ制御装置9に入力する。
さらに、STEP4では、ロールギャップ制御装置9にて、AGC部8から入力されたロールギャップ指令値ΔSBに従い、圧延スタンド2のロールギャップを制御する。
以上述べた本発明に係る圧延機の板厚制御方法を適用したシミュレーション結果を、以下に示す。
本シミュレーションにおいては、ロール偏心に起因する1秒周期のロールギャップ変動と、ランダムに発生する荷重変動を与えたときの、出側板厚偏差を評価した。
図3A〜図3Dにシミュレーション結果を示している。図3A〜図3Dにおける横軸は時間(sec)であり、縦軸は出側板厚偏差(μm)である。
本シミュレーションにおいては、ロール偏心に起因する1秒周期のロールギャップ変動と、ランダムに発生する荷重変動を与えたときの、出側板厚偏差を評価した。
図3A〜図3Dにシミュレーション結果を示している。図3A〜図3Dにおける横軸は時間(sec)であり、縦軸は出側板厚偏差(μm)である。
図3Aは、AGCを適用せずに、圧延スタンド2の出側の板厚を制御した結果を示している。
図3Bは、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を正とした際の圧延スタンド2の出側の板厚を制御した結果を示している。
図3Cは、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を負とした際の圧延スタンド2の出側の板厚を制御した結果を示している。
図3Bは、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を正とした際の圧延スタンド2の出側の板厚を制御した結果を示している。
図3Cは、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を負とした際の圧延スタンド2の出側の板厚を制御した結果を示している。
図3Dは、荷重検出器5で検出された圧延荷重から、ロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を正とした際の圧延スタンド2の出側の板厚を制御した結果、つまり本発明に係る板厚制御方法を用いて板厚制御を行った結果を示している。
図3Aに示すように、AGCを適用せずに、圧延スタンド2の出側の板厚を制御した際の出側板厚偏差は、およそ±10(μm)の範囲であるが、始めの0(sec)〜10(sec)間のときの出側板厚偏差は±5(μm)の範囲でマイナス側に振れることが多くなっている(右肩下がり)。また、10(sec)〜20(sec)間のときの出側板厚偏差は、±5(μm)の範囲でプラス側に振れることが多くなっている(右肩上がり)。
図3Aに示すように、AGCを適用せずに、圧延スタンド2の出側の板厚を制御した際の出側板厚偏差は、およそ±10(μm)の範囲であるが、始めの0(sec)〜10(sec)間のときの出側板厚偏差は±5(μm)の範囲でマイナス側に振れることが多くなっている(右肩下がり)。また、10(sec)〜20(sec)間のときの出側板厚偏差は、±5(μm)の範囲でプラス側に振れることが多くなっている(右肩上がり)。
そして、20(sec)〜30(sec)間のときの出側板厚偏差は、±10(μm)の範囲で大きく上下に振れるようになっている。
まとめると、図3Aにおいての出側板厚偏差は、上下方向に大きく振れ、且つグラフの推移も一定ではない、つまり、ロール偏心に起因する1秒周期の変動と、ランダムな変動の両方の影響が大きく現れた結果となっている。
まとめると、図3Aにおいての出側板厚偏差は、上下方向に大きく振れ、且つグラフの推移も一定ではない、つまり、ロール偏心に起因する1秒周期の変動と、ランダムな変動の両方の影響が大きく現れた結果となっている。
それ故、AGCを適用せずに、圧延スタンド2の出側の板厚を制御すると、出側板厚を精確に制御することができないことが分かる。
図3Bに示すように、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を正とした際の出側板厚偏差は、一定の範囲ではあるが、0(sec)〜30(sec)間、常におよそ±10(μm)の範囲で推移している。
図3Bに示すように、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を正とした際の出側板厚偏差は、一定の範囲ではあるが、0(sec)〜30(sec)間、常におよそ±10(μm)の範囲で推移している。
まとめると、図3Bにおいての出側板厚偏差は、図3Aよりランダムな変動は低減しているものの、ロール偏心に起因する1秒周期の変動の影響はAGCを適用しなかった際よりも強く現れている。
つまり、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を正として圧延スタンド2の出側の板厚を制御すると、ランダムな変動は収まるものの、出側板厚偏差の変動幅が増加してしまい、出側板厚を精確に制御することができないことが分かる。
つまり、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を正として圧延スタンド2の出側の板厚を制御すると、ランダムな変動は収まるものの、出側板厚偏差の変動幅が増加してしまい、出側板厚を精確に制御することができないことが分かる。
図3Cに示すように、BISRA−AGCを適用し、チューニング率を負とした際の出側板厚偏差は、およそ±10(μm)の範囲であるが、始めの0(sec)〜10(sec)間のときの出側板厚偏差は、およそ±5(μm)より狭い範囲で振れていることが多く、その振れの推移は下方向(マイナス側)に向くようになっている(右肩下がり)。
また、10(sec)〜20(sec)間のときの出側板厚偏差は、およそ±5(μm)より狭い範囲で振れていることが多く、その振れの推移は上方向(プラス側)に向かったり、下方向(マイナス側)に向かったりするようになっている。
また、10(sec)〜20(sec)間のときの出側板厚偏差は、およそ±5(μm)より狭い範囲で振れていることが多く、その振れの推移は上方向(プラス側)に向かったり、下方向(マイナス側)に向かったりするようになっている。
そして、20(sec)〜30(sec)間のときの出側板厚偏差は、およそ±5(μm)より狭い範囲で振れていることが多く、その振れの推移は10(sec)〜20(sec)間のときの出側板厚偏差の推移よりも上下方向に大きく、且つ下方向(マイナス側)に向くようになっている(右肩下がり)。
まとめると、図3Cにおいての出側板厚偏差は、ロール偏心に起因する1秒周期の変動は低減しているものの、ランダムな変動の影響はAGCを適用しなかった際よりも強く現れている。
まとめると、図3Cにおいての出側板厚偏差は、ロール偏心に起因する1秒周期の変動は低減しているものの、ランダムな変動の影響はAGCを適用しなかった際よりも強く現れている。
つまり、BISRA−AGCを適用し、且つチューニング率を負として圧延スタンド2の出側の板厚を制御すると、出側板厚偏差の変動幅が図3Bよりも増加してしまい、且つその変動のランダムさが図3Aよりも大きくなり、出側板厚を精確に制御することができないことが分かる。
一方で、図3Dに示すように、荷重検出器5で検出された圧延荷重から、ロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、BISRA−AGCを適用し、チューニング率を正とした際、つまり本発明に係る板厚制御方法を適用した際の出側板厚偏差は、0(sec)〜30(sec)間、常におよそ±5(μm)の範囲で一定に推移しており、図3Bと比較して、ロール偏心に起因する1秒周期の変動の影響が小さいことが分かる。
一方で、図3Dに示すように、荷重検出器5で検出された圧延荷重から、ロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、BISRA−AGCを適用し、チューニング率を正とした際、つまり本発明に係る板厚制御方法を適用した際の出側板厚偏差は、0(sec)〜30(sec)間、常におよそ±5(μm)の範囲で一定に推移しており、図3Bと比較して、ロール偏心に起因する1秒周期の変動の影響が小さいことが分かる。
まとめると、図3Dにおいての出側板厚偏差は、図3A〜図3Cに示す出側板厚偏差と比較して、ランダムな変動を低減することができると同時に、ロール偏心に起因する1秒周期の変動を抑制することもできることが分かる。
つまり、本発明に係る板厚制御方法を適用して圧延スタンド2の出側の板厚を制御すると、出側板厚を精確に制御することができる。
つまり、本発明に係る板厚制御方法を適用して圧延スタンド2の出側の板厚を制御すると、出側板厚を精確に制御することができる。
以上述べたように、BISRA−AGCや絶対値AGCのようなAGC制御を行うに際し、圧延ロール3の偏心による圧延荷重の変動を考慮した指令値を用いてロールギャップを操作することで、ロールギャップ変動とは別の板厚変動を低減すると同時に、AGC制御がロール偏心による板厚変動を助長することを防止することが可能となる。
加えて、荷重検出器5で検出された圧延荷重から、ロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、ロールギャップを操作する板厚制御方法と通常の圧延荷重によるAGCとを同時に使用した際に、過制御の状態となるのを防止することができるようになる。
加えて、荷重検出器5で検出された圧延荷重から、ロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、ロールギャップを操作する板厚制御方法と通常の圧延荷重によるAGCとを同時に使用した際に、過制御の状態となるのを防止することができるようになる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、本実施形態では、タンデム型の圧延機(連続圧延機)を例示して説明したが、リバース式の圧延機などであってもよい。
また、圧延材Wとしては鋼材に限定されず、アルミ材や銅材などであってもよい。
例えば、本実施形態では、タンデム型の圧延機(連続圧延機)を例示して説明したが、リバース式の圧延機などであってもよい。
また、圧延材Wとしては鋼材に限定されず、アルミ材や銅材などであってもよい。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操作手順、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 圧延機
2 圧延スタンド
3 圧延ロール(ワークロール)
4 バックアップロール
5 荷重検出器
6 ロール偏心成分解析装置
7 ロール偏芯成分除去装置
8 AGC部
9 ロールギャップ制御装置
W 圧延材
2 圧延スタンド
3 圧延ロール(ワークロール)
4 バックアップロール
5 荷重検出器
6 ロール偏心成分解析装置
7 ロール偏芯成分除去装置
8 AGC部
9 ロールギャップ制御装置
W 圧延材
Claims (1)
- 圧延機に備えられた1又は複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の板厚を制御する板厚制御方法であって、
前記圧延スタンドに備えられた荷重検出器で検出された圧延荷重に基づき、当該圧延スタンドのロールギャップを操作するAGC制御を行うに際し、
前記AGC制御においては、前記荷重検出器で検出された圧延荷重からロール偏心による荷重変動成分を差引いた値に基づき、ロールギャップを操作する
ことを特徴とする圧延機の板厚制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014097700A JP2015213940A (ja) | 2014-05-09 | 2014-05-09 | 圧延機の板厚制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014097700A JP2015213940A (ja) | 2014-05-09 | 2014-05-09 | 圧延機の板厚制御方法 |
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JP2017124428A (ja) * | 2016-01-14 | 2017-07-20 | 株式会社日立製作所 | 圧延機制御装置、圧延機制御方法およびプログラム |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62254914A (ja) * | 1986-04-28 | 1987-11-06 | Kawasaki Steel Corp | 油圧圧下式圧延機のバツクアツプロ−ル偏心除去方法 |
JPH0455012A (ja) * | 1990-06-26 | 1992-02-21 | Kawasaki Steel Corp | 圧延機の板厚制御方法 |
JP2006142350A (ja) * | 2004-11-22 | 2006-06-08 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 圧延機のロール偏心制御装置 |
-
2014
- 2014-05-09 JP JP2014097700A patent/JP2015213940A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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