JP2015213180A - 負極集電体用金属箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウムイオンキャパシタの集電体として用いる金属箔であって、箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、当該貫通孔の密度が1000個/cm2以上である領域を有し、貫通孔がエッチングにより形成されており、開口率が25〜40%であり、材質ががアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、ステンレス鋼箔又はニッケル箔である。
【選択図】図1
Description
1. 箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、当該貫通孔の密度が1000個/cm2以上である領域を有する負極集電体用金属箔。
2. 貫通孔の平均内径が100μm以下である、前記項1に記載の負極集電体用金属箔。
3. 開口率が30%以下である、前記項1又は2に記載の負極集電体用金属箔。
4. 2.0>[箔厚み(μm)/開口率(%)]>0.25である、前記項1〜3のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
5. 貫通孔の密度が1000個/cm2未満である領域をさらに含む、前記項1〜4のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
6. 貫通孔の密度が1000個/cm2以上である領域の面積が100mm2以上である、前記項1〜5のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
本発明の負極集電体用金属箔(本発明金属箔)は、箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、当該貫通孔の密度が1000個/cm2以上である領域(貫通孔領域)を有することを特徴とする。すなわち、本発明金属箔は、任意の箇所の1cm2の領域において、箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、当該貫通孔の密度が1000個/cm2以上であることを特徴とするものである。
2.0 > [箔厚み(μm)/開口率(%)]>0.25
の関係にあることが望ましい。特に、1.8≧[箔厚み(μm)/開口率(%)]≧0.27であることがより望ましい。上記値が0.25以下になると、強度が著しく低下するおそれがある。また、2.0以上ではプレドープ時間が長くなる等の問題が生じることがある。
本発明金属箔は、貫通孔の密度等を所定範囲に制御することのほかは、公知の方法に従って製造することができる。例えば、所定の厚みを有する金属箔をエッチング処理することにより本発明金属箔を得ることができる。
まず、図1の「1、材料」に示されているように、貫通孔を形成するための金属箔を用意する。金属箔としては、酸又はアルカリでエッチング可能であり、かつ、二次電池用集電材として使用可能なものであれば特に限定されない。このような金属箔としては、一般にアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、ステンレス鋼箔、ニッケル箔等の金属箔を用いることができる。金属箔の厚みは限定的ではないが、一般に3〜100μm、好ましくは8〜50μmとすれば良い。金属箔の厚みが3μm未満では、金属箔の強度が極めて弱くなり、集電体の製造工程中において破断しやすい。また、金属箔の厚みが100μmを超えると、最終製品としての二次電池の重量が増加する。
次に、図1の「2、レジストコーティング」に示すフォトレジスト膜形成工程において、金属箔の表面上にフォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜の形成は、公知の方法に従って実施すれば良く、例えば1)合成樹脂の溶液又は分散液を金属箔に印刷又は塗布する方法、2)合成樹脂の溶液又は分散液に金属箔に浸漬する方法、3)予め形成された合成樹脂フィルムを金属箔に積層する方法等を採用することができる。印刷方法を採用する場合は、例えばグラビア印刷、転写印刷、スクリーン印刷等の各種の方法を採用することができる。また、前記のように、合成樹脂の溶液又は分散液を用いる場合は、通常は30〜150℃で10秒〜10分程度の乾燥を行えば良い。
図1の「3、露光」に示す露光工程において、フォトマスクを介してUV光をフォトレジスト膜に露光させる。UV光の露光時間(照射時間)及び強度は、公知の方法にならって設定すれば良い。フォトマスクは、片面又は両面のいずれでも適用できるが、貫通孔のピッチが安定すること、設備の簡略化等の観点より、フォトマスクは片面とすることが好ましい。すなわち、金属箔の一方の面上のフォトレジスト膜にフォトマスクを介してUV光をフォトレジスト膜に露光させ、金属箔の他方の面上のフォトレジスト膜全面UV光を露光させることが好ましい。これにより、裏面は、フォトマスクなしで裏面全面にUV光を照射することにより裏面のフォトレジスト膜全面を硬化させることができる。
図1の「4、現像」で示される現像工程において、現像によりフォトレジスト膜の所定のパターン部分を除去する。現像方法は公知の方法と同様にすれば良い。フォトレジスト膜の除去も公知の現像方法に従えば良い。例えば、Na2CO3(炭酸ソーダ)の1%水溶液(液温30℃)に1分程度浸漬することにより、フォトレジスト膜の除去を行うことができる。
図1の「5、エッチング」で示すエッチング工程において、エッチングにより金属箔に貫通孔を形成する。すなわち、エッチング液に浸漬することにより、現像工程で露出した部分の金属成分を溶出させることにより貫通孔を形成する。エッチング液としては、例えば硫酸、燐酸、クロム酸、硝酸、フッ酸、酢酸、苛性ソーダ、塩化第二鉄、塩化第二銅、過塩素酸等の単独の溶液(又は水溶液)、あるいはこれらの混合溶液を使用することができる。本発明では、水等の溶媒を用いて適当に上記の溶液を希釈してエッチング液として使用しても良い。
剥離工程において、残ったフォトレジスト膜を除去する。フォトレジスト膜の除去は、例えば弱アルカリ性水溶液等を使用して行うことができる。弱アルカリ性水溶液としては、例えば水酸化ナトリウムの水溶液を用いることができる。また、本発明では、フォトレジスト膜を除去した後、必要に応じて金属箔を乾燥等の処理を実施しても良い。
(1)貫通孔の密度
表面をそのままマイクロスコープ(キーエンス製)で観察し、計測した。
(2)開口率
上記マイクロスコープにより取り込んだ画像(貫通孔を視野中に10個以上含むこと、含まない場合は10個以上含むように倍率を変更して撮影)を付属の画像処理ソフトにより2値化した後、貫通孔部分の面積率を測定し開口率とした。
(3)貫通孔の平均内径
前記(2)と同様の方法にて無作為に10視野の写真を撮影し、画像解析して貫通孔数及び総貫通孔面積を計測し、各貫通孔を同一円形と仮定して貫通孔の内径を算出する。画像解析装置としては、多目的高速画像解析装置「PCA11」(システムサイエンス株式会社製)を用いた。
金属箔として、厚み10μm、巾300mm、長さ250mのコイル状の巻き取り品である電解銅箔をネガ型のアクリル樹脂製フォトレジスト溶液にてディップコートを行い、両面に各5μmの塗工を行った後、80℃で乾燥を行った。フォトプロッターにより図4に示すパターンを描画したフォトマスクを通して、片面にUV光を100mj/cm2照射し、もう一方の面にはフォトマスクをせず、全面に上記UV光の照射を行った。現像工程として、フォトマスク部分のフォトレジストを溶解させるため、炭酸ソーダ溶液に浸漬しフォトレジストを除去した。得られた材料を液温50℃の塩化第二銅に浸漬して金属箔のエッチングを行った。このときの浸漬時間は30秒とした。エッチングを実施した後、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液に浸漬してフォトレジスト層を剥離した。防錆処理と洗浄と乾燥を行った。このようにして、負極集電体用金属箔を得た。
図4(b)のパターンで、貫通孔の密度及び貫通孔の平均内径を表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例1及び比較例1で得られた負極集電体用金属箔について、貫通孔の密度等について調べた。その結果を表1に示す。
実施例1及び比較例1で得られた負極集電体用金属箔を用い、得られた集電体用金属箔について、エッチング開始後約5mの部分と約900mの部分を長さ方向に約50cm切り出し、カーボン粒子からなる活物質を含むスラリーを塗布し、10cm×20cmの大きさに切断して負極を作製した。その際、上記スラリーを塗布する工程での塗工特性を確認した。次いで、国際公開WO2008/078777の記載に従って、図5に示すような電池を構成し、容量(mAh)及び内部抵抗(mΩ)について調べた。その結果を表2に示す。なお、図5の電池において、電解液:有機系LIC用電解液、電極構造:積層セル ラミネートタイプとした。
(1)容量(mAh)
上記セルを充放電試験し、放電時間により容量値を算出した。電流53mA/cm2で放電し、電圧が3.8Vから2.2Vになるまでの放電時間に電流値をかけて容量を算出した。
(2)内部抵抗(mΩ)
上記試験において、充放電切り替え時に起こる電圧降下(IRドロップ)の値と放電電流の値からオームの法則を用いて算出した。
(3)塗工特性
負極活物質を含む電極塗工液を貫通孔を有するCu集電体に、ダイコーターにて両面塗工(片側20μm)した。塗工後の検査にて目抜けチェック(10m)及び表面模様(塗工厚みの差により発生)の発生チェックを行った。目視にて目抜け及び表面模様が認められた場合は「×」、それらが認められなかった場合は「○」と評価した。
Claims (9)
- リチウムイオンキャパシタの集電体として用いる金属箔であって、(1)箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、
(2)当該貫通孔の密度が1000個/cm2以上である領域を有し、
(3)前記貫通孔がエッチングにより形成されており、
(4)開口率が25〜40%である、
負極集電体用金属箔。 - 貫通孔の平均内径が100μm以下である、請求項1に記載の負極集電体用金属箔。
- 金属箔がアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、ステンレス鋼箔又はニッケル箔である、請求項1〜6のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
- 2.0>[箔厚み(μm)/開口率(%)]>0.25である、請求項1〜3のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
- 貫通孔の密度が1000個/cm2未満である領域をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
- 貫通孔の密度が1000個/cm2以上である領域の面積が100mm2以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
- エッチングにおけるエッチング液が、硫酸、燐酸、クロム酸、硝酸、フッ酸、酢酸、苛性ソーダ、塩化第二鉄、塩化第二銅又は過塩素酸の単独の溶液あるいはこれらの混合溶液である、請求項1〜6のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
- リチウムイオンキャパシタが、1)リチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極、2)リチウムイオンを可逆的に担持可能な物質からなる負極及び3)リチウムイオンを含む電解質溶液を含み、かつ、リチウムイオンが正極及び/又は負極にドーピングされるものである、請求項1〜7のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
- 負極活物質を含む電極塗工液を塗布するために用いられる、請求項1〜8のいずれかに記載の負極集電体用金属箔。
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