JP2015212601A - ヒートポンプシステムにおける流体撹拌装置 - Google Patents

ヒートポンプシステムにおける流体撹拌装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートポンプサイクルの流体を効率的に撹拌することにより、冷媒と冷凍機油の混合及び冷媒の液化を促進し、熱交換効率を向上させ電力消費量を低減できる流体撹拌装置を提供する。
【解決手段】上下方向の中心軸をもつ円筒形状の胴体部11aの上端側を半球形状の上部鏡板11b1により閉塞されかつ下端側を半球形状の下部鏡板11b2により閉塞された筐体11と、流体の流入又は流出のために、一端が配管の1つに接続可能でありかつ中心軸から離れた位置にて上部鏡板を上下方向に貫通して胴体部の上端近傍にて他端が開口する上部管体12と、一端が配管の別の1つに接続可能でありかつ中心軸上にて下部鏡板を上下方向に貫通して胴体部の上端近傍まで延在し他端が上方に開口する下部管体13と、中心軸を軸として胴体部の内面上に設置されかつ各巻線が上下動可能であるコイルスプリング14と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ヒートポンプシステムにおいて流体を撹拌するために配管の経路上に設置される流体撹拌装置に関する。
業務用の冷凍サイクルシステムや空調システム等のヒートポンプサイクルを利用したヒートポンプシステムは、配管長が長く、設置条件も多様である。ヒートポンプサイクルは、圧縮機、凝縮器、膨張器及び蒸発器を主要機器として備え、冷媒は、これらの機器を接続する配管を通して循環する。冷媒には、圧縮機のための潤滑油として冷凍機油が混合されており、圧縮機には冷凍機油溜まりが設けられている。冷凍機油は、冷媒に溶解した状態で圧縮機から吐出され、ヒートポンプサイクルを冷媒とともに循環して圧縮機に戻る。
かつての塩素を含む特定フロンによる冷媒は、冷凍機油との相溶性に優れていた。しかしながら、オゾン層破壊問題により切り替えられた代替フロンによる冷媒には、冷凍機油との相溶性が特定フロンよりもよくないという問題がある。この結果、圧縮機から冷媒と共に吐出された冷凍機油が冷媒から分離し、ヒートポンプサイクルの凝縮器等の機器や配管内に滞留して圧縮機の潤滑油不足を生じやすくなった。潤滑油不足は圧縮機の焼き付きに繋がる。
また、冷凍機油との相溶性のよくない冷媒は、それ自体の流動性も低下する上に、凝縮器等の機器や配管内に滞留した冷凍機油が、冷媒の円滑な流れ並びに凝縮器及び蒸発器における熱交換を阻害する。この結果、ヒートポンプシステムの熱交換効率を低下させる。冷媒と冷凍機油との相溶性を確保するために、冷媒に対して様々な化学合成油が添加されているが十分ではなく、冷媒に冷凍機油を溶解させるための種々の撹拌手段が提示されている。例えば、特許文献1では、吐出される冷媒と冷凍機油の分離を防止するために、圧縮機内に冷媒と冷凍機油を撹拌するための撹拌装置を設けている。
ヒートポンプサイクルにおける冷媒のもう1つの問題は、冷媒が凝縮器で液化した際に気体状態の冷媒が残存することである。残存した気体冷媒はさらに膨張器を経た後もなお残存し、蒸発器の入口側における冷媒は気液二相状態となる。残存する気体冷媒は蒸発器における熱交換に寄与しないため、熱交換率を低下させる原因となる。特許文献2、3等では、膨張器の後に設置する気液分離器を提示している。この気液分離器は、気液二相状態の冷媒を気液分離し、液体冷媒のみを蒸発器に送るとともに、気体冷媒を圧縮機に戻している。
さらに別の技術として、特許文献4では、冷媒が凝縮器において液化する際にラジカル状態で残存する気泡を除去して冷媒を完全に液化しようとする気泡除去装置が開示されている。この装置は、円筒容器を備えており、冷房時における凝縮器(室外機)の出口側に設置される。円筒容器内に螺旋状の旋回流を形成することで冷媒を撹拌し、気泡除去を行っている。
特開2008−163782号公報 特開平6−109345号公報 特開2008−75894号公報 国際公開2013/099972号
上記の第1の問題点、すなわち冷媒と冷凍機油の相溶不良の問題については、特許文献1のように圧縮機内に設けた撹拌手段のみでは、ヒートポンプサイクルにおける長い配管や各構成要素における冷凍機油の滞留を解消することはできない。特に、凝縮器で温度が低下すると、冷凍機油の油滴同士が融合して油相が大きくなり、液体冷媒が冷凍機油中に閉じこめられた状態となりやすい。このような冷凍機油中に捕捉された液体冷媒も、熱交換に寄与することができない。外気温の低下時にこの傾向が強くなる。
上記の第2の問題点、すなわち凝縮器で液化した冷媒に気体状態の冷媒が残存する問題については、特許文献2、3のような気液分離器は、冷房時にはある程度の効果を奏するが、暖房時にはほとんど効果が得られない。また、公知の気液分離器は、システム内に組み込まれており、既設システムに後付けできるような汎用性がない。既設のヒートポンプシステムの熱交換効率を高めて省エネルギーを図るためには、既設のヒートポンプシステムに容易に取り付け可能な撹拌手段が必要である。ヒートポンプシステムの具体的形態である冷凍機や空調機等には、多種多様な機種が存在する。このような既設のヒートポンプシステムのいずれにも取り付け可能な汎用性を備えた流体撹拌装置に対する要望がある。
また、特許文献4のような螺旋状の旋回流を利用する撹拌装置は、撹拌機能が不十分である。そもそも、特許文献4の除去対象とする気泡は、ラジカル状態で残存する特殊な気泡である。一方、凝縮器で液化した冷媒の中に残存する気泡の大部分は、冷媒の一部が、凝縮器を素通りしてしまい凝縮温度以下に低下せずに気体状態を維持していることによるものである。本発明の発明者らの実験によれば、特許文献4の装置において生じるほぼ水平な面内の旋回流による撹拌では、凝縮温度以上の気体冷媒の温度を低下させて液体冷媒とすることはできないことが判明している。
また、ヒートポンプシステムでは、できるだけ消費エネルギーを節約すべきであるので、駆動エネルギーを必要としない撹拌手段が好ましいことはいうまでもない。
上記の現状に鑑み、本発明は、ヒートポンプシステムにおける流体を効率的に撹拌することにより、冷媒に対する冷凍機油の溶解、及び、気体冷媒の液化を促進し、それによりヒートポンプシステムの熱交換効率を向上させて電力消費量を低減できる流体撹拌装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、既設のヒートポンプシステムに容易に取り付け可能な汎用性を備えた流体撹拌装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、駆動エネルギーを必要としない流体撹拌装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の構成を提供する。
本発明の態様は、ヒートポンプシステムにおいて冷媒と冷凍機油とを含む流体を撹拌するために配管の経路上に設置される流体撹拌装置であって、上下方向の中心軸をもつ円筒形状の胴体部の上端側を半球形状の上部鏡板により閉塞されかつ下端側を半球形状の下部鏡板により閉塞された筐体と、前記流体の流入又は流出のために、一端が前記配管の1つに接続可能でありかつ前記中心軸から離れた位置にて前記上部鏡板(11b1)を上下方向に貫通して前記胴体部(11a)の上端近傍まで延在して他端が下方に開口する上部管体(12)と、前記流体の流出又は流入のために、一端が前記配管の別の1つに接続可能でありかつ前記中心軸上にて前記下部鏡板(11b2)を上下方向に貫通して前記胴体部(11a)の上端近傍まで延在して他端が上方に開口する下部管体(13)と、前記中心軸を軸として前記胴体部の内面上に設置されかつ各巻線が上下動可能であるコイルスプリングと、を備えたことを特徴とする。
上記態様において、前記コイルスプリングが不等ピッチコイルスプリングとしてもよい。さらに、不等ピッチコイルスプリングは、その一端から他端に向かってピッチが漸次長くなるようにしてもよい。
上記態様において、前記上部管体の他端の開口の縁は、前記中心軸側が低く周縁側が高くなるように傾斜していてもよい。
上記態様において、前記下部管体の外面に複数の凹凸が交互に形成されていてもよい。
上記態様において、室内冷房時には、前記上部管体(12)から流体が流入するとともに、前記下部管体(13)から流体が流出するように設置され、前記上部管体(12)は、室外機である前記ヒートポンプサイクルの凝縮部の流体出口側に接続される。
上記態様において、室内暖房時には、前記下部管体(12)から流体が流入するとともに、前記上部管体(12)から流体が流出するように設置され、前記上部管体(12)は、室外機である前記ヒートポンプサイクルの蒸発部の流体入口側に接続される。
本発明によるヒートポンプシステムにおける流体撹拌装置は、以下の効果を奏する。
流体撹拌装置の筐体は、円筒形状の胴体部の上端側と下端側をそれぞれ半球形状の上部鏡板と下部鏡板で閉鎖されている。
筐体の中心軸から離れて設けられた上部管体を通して上方から流体が流入した場合は、以下の効果を生じる。下降する流体は、半球形状の下部鏡板により上方へ方向転換(Uターン)させられる。さらに、上昇する流体は半球形状の上部鏡板により下方へ方向転換(Uターン)させられる。これにより、縦方向の強いタンブル流が形成される。この結果、流体は広範囲に亘って大きく撹拌される。
さらに、縦方向のタンブル流は、筐体下部において方向転換する際に中心軸上に位置する下部管体に衝突することにより、2つに分岐していわゆるカルマン渦を生じる。複数のカルマン渦が下部管体の周囲に次々に形成される。この結果、流体に対して複雑な運動が付与され、撹拌効果が向上する。
さらに、胴体部の内面上に設けたコイルスプリングとタンブル流との摩擦、及び、コイルスプリングとカルマン渦との衝突により、各巻線が上下動可能に設置されたコイルスプリングが、摩擦や衝突を受けた箇所にて共振し、局所的に上下振動を生じる。流体は、コイルスプリングとともに局所的に上下振動する。この局所的な上下振動に加えて、コイルスプリングの多数の凹凸形状も流体に対して剪断力を及ぼす。この結果、流体が微細化され均一化される。
これらのタンブル流、カルマン渦及び上下振動の相乗効果により、極めて効果的な流体の撹拌が実現される。流体は、十分撹拌された後、下部管体を通して下方に流出して行く。
筐体の中心軸上に設けられた下部管体を通して下方から流体が流入した場合は、以下の効果を生じる。下部管体の上端開口から出た流体は半球形状の上部鏡板により下方へ方向転換(Uターン)させられる。さらに、下降する流体は半球形状の下部鏡板により上方へ方向転換(Uターン)させられる。これにより、縦方向の強いタンブル流が形成される。この結果、流体は広範囲に亘って大きく撹拌される。
さらに、縦方向のタンブル流は、筐体上部において方向転換する際に、中心軸から離れた位置にある上部管体及び中心軸上に位置する下部管体に衝突することにより、2つに分岐してそれぞれカルマン渦を生じる。複数のカルマン渦が上部管体及び下部管体の周囲に次々に形成される。
さらに、胴体部の内面上に設けたコイルスプリングとタンブル流との摩擦、及び、コイルスプリングとカルマン渦との衝突により、上下動可能な巻線をもつコイルスプリングが摩擦や衝突を受けた局所にて共振し、上下振動を生じる。流体は、コイルスプリングとともに局所的に上下振動する。上下振動に加えて、コイルスプリングの多数の凹凸形状も流体に対して剪断力を及ぼす。この結果、流体が微細化され均一化される。
これらのタンブル流、カルマン渦及び上下振動の相乗効果により、極めて効果的な流体の撹拌が実現される。流体は、十分撹拌された後、上部管体を通して上方に流出して行く。
さらに、筐体内に設けるコイルスプリングを、不等ピッチコイルスプリングとすることにより、高い共振周波数をもつ巻線間隔(ピッチ)の長い箇所では高速流体と共振し、低い共振周波数をもつ巻線間隔の短い箇所では低速流体と共振しやすくなる。従って、不等ピッチコイルスプリングを用いることにより、局所的に異なる流速をもつ流体を効率的に撹拌することができる。上方から下方に向かってピッチを漸次長くすると、流体が上方から流入して下方に流れる場合に特に有効である。
筐体の中心軸から離れて位置する上部管体の開口の縁が、中心軸側が低くかつ周縁側が高くなるように傾斜していることにより、縦方向のタンブル流を円滑に生じさせることができる。
中心軸上に位置する下部管体の外面に、複数の凹凸が交互に形成されていることにより、流体中の気泡が付着しやすくなる。これにより、本装置によっても液化しない残存気体を流体から分離し、流体とともに流出させないようにする。
本発明の流体撹拌装置の撹拌作用により、液体冷媒中に冷凍機油が十分に溶解することができ、冷凍機油の分離及び滞留、並びに、冷凍機油による冷媒の捕捉を防止できる。この結果、圧縮機の焼き付きを防止できるとともに、熱交換効率を向上させることができる。
また、本発明の流体撹拌装置の撹拌作用により、液体冷媒中に残存した凝縮温度以上の気体冷媒は、周囲の液体冷媒の温度まで温度低下することにより液化する。この結果、液体冷媒中に残存する気体冷媒を解消できるので、熱交換効率を向上させることができる。
試験結果によると、本発明の流体撹拌装置を取り付けたヒートポンプシステムは、取り付けない場合に比べて電力消費量を低減することができた。公知の気液分離器を備えたヒートポンプシステムに対してさらに本発明による流体撹拌装置を取り付けた場合、電力消費量をさらに低減することができた。この試験結果すなわち電力消費量の低減は、熱交換効率の向上を意味している。よって、本発明の流体撹拌装置による冷媒と冷凍機油の溶解促進、並びに、気体冷媒の液化促進の効果が裏付けられたことになる。
さらに、本発明による流体撹拌装置は、既設のヒートポンプシステムの機種に関わらず配管経路上に容易に取り付けることができるので、汎用性がある。
さらに、本発明による流体撹拌装置は、流体の運動エネルギーのみで機能するので、装置自体は動力を必要とせず、その点でも省エネルギーに寄与するものである。
図1は、一例としてヒートポンプシステムが空調機である場合の、本発明を適用した冷房時のヒートポンプサイクルを模式的に示した図である。 図2は、一例としてヒートポンプシステムが空調機である場合の、本発明を適用した暖房時のヒートポンプサイクルを模式的に示した図である。 図1及び図2に示した流体撹拌装置の構成の一例を示す図であり、(a)は概略縦断面、(b)は(a)のA−A視図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C視図である。 図4は、図3に示した流体撹拌装置の左側面図である。 図5(a)は、図3に示したコイルスプリングの拡大平面図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。 図6(a)は、図3に示した下部管体の外観斜視図であり、(b)は下部管体の別の例を示す外観斜視図である。 図7は、図1に示した冷房時の流体撹拌装置の内部に生じる流体の主要な流れすなわち流体の運動を模式的に示した図であり、(a)は概略縦断面図、(b)は(a)のE−E断面図である。 図8は、図2に示した暖房時の流体撹拌装置の内部に生じる流体の主要な流れすなわち流体の運動を模式的に示した図であり、(a)は概略縦断面図、(b)は(a)のF−F断面図である。
以下、本発明の構成の一例を示した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明は、ヒートポンプサイクルを利用したヒートポンプシステムを流れる流体を撹拌するための流体撹拌装置を提供する。ヒートポンプシステムには、空調機、冷凍機、冷蔵機、給湯機、冷凍倉庫、チラー等、多様な形態が含まれる。本発明の流体撹拌装置は、いずれのヒートポンプシステムにも適用可能である。また、本発明の流体撹拌装置は、新規システムに限らず、既設システムにも同様に適用可能である。
本明細書における「ヒートポンプシステム」とは、「水・空気などの低温の物体から熱を吸収し、その熱を高温の水・空気などの物体に与える装置」を意味する。よって、低温の物体をさらに冷やす目的及び高温の物体をさらに温める目的のいずれかに用いる場合、並びに、切替により双方の目的に用いる場合を含むものとする。例えば、空調機の場合、冷房のみを行う装置も、切り替えにより冷房と暖房の双方を行う装置も、本発明のヒートポンプシステムに含まれるものとする。また、本明細書において、「流体」は、ヒートポンプサイクルにおいて循環する流体を意味し、少なくとも冷媒と冷凍機油を含むものである。また、「流体」は、ヒートポンプサイクル内のどの工程に存在するかによって、気体状態、液体状態、又は、気体と液体の混合状態のいずれの状態もとりうる。
図1及び図2は、一例としてヒートポンプシステムが空調機である場合の、本発明を適用したヒートポンプサイクルを模式的に示した図である。空調機では、屋外に設置された室外機と、屋内に設置された室内機との間を冷媒を含む流体が循環する。図1は、室内の冷房時のサイクルであり、図2は、室内の暖房時のサイクルである。
ヒートポンプサイクルは、基本的に圧縮部2、凝縮部3、膨張部4及び蒸発部5の4つの構成要素を備えている。これらの構成要素同士を接続する密閉された配管内を流体が循環する。図1及び図2中の配管経路上の矢印は流体の流れの方向を矢印で示している。白抜き矢印は、熱交換器である凝縮部3及び蒸発部5における熱の移動を示している。点線の矢印は、室内及び室外における空気の流れを示している。
図1及び図2中の英大文字は、次の意味で用いている。但し、気体と液体の混合状態である場合は、気体か液体のいずれか支配的な方に基づいて「気体状態」及び「液体状態」と称することとする。また、流体について「高温」、「低温」、「高圧」及び「低圧」における「高」及び「低」の意味は、絶対的ではなく、英大文字で示された箇所の前工程又は後工程における流体の温度又は圧力との相対的な違いを大まかに表しているにすぎない。例えば「GS(HT,HP)」は「高温、高圧の気体状態」を意味し「LQ(LT,LP)」は「低温、低圧の液体状態」を意味する。
GS:気体状態の冷媒
LQ:液体状態の冷媒
HT:高温
LT:低温
HP:高圧
LP:低圧
図1の室内冷房時のサイクルにおいて、圧縮部2は、低圧の気体冷媒を圧縮するためのコンプレッサを密閉容器内に備えている。コンプレッサを収容した密閉容器内には、通常、冷凍機油を貯留するための油溜まり11aが設けられている。気体冷媒は、圧縮されて高圧かつさらに高温の気体となる。この気体冷媒は冷凍機油と混合された後、圧縮部2から凝縮部3(室外機)へ吐出される。凝縮部3はコンデンサを備える。冷房時は、室外機が凝縮部3として熱交換を行う。凝縮部3に流入した高温高圧の気体流体は、熱を外部に放出することにより凝縮して低温の液体流体となる。この液体流体は、理想的には、冷凍機油を溶解した液体冷媒である。
しかしながら、凝縮部3において冷媒が気体から液体となるとき、冷凍機油の一部が冷媒に溶解せずに分離する場合がある。また、融合した冷凍機油の油相が液体冷媒を閉じこめる場合がある。さらに、凝縮部3をほぼ素通りした冷媒が、高温気体のまま残存する場合がある。このような現象により、凝縮部3から流出する液体流体は、分離した冷凍機油、冷凍機油の油相に捕捉された液体冷媒及び/又は気体冷媒を含む可能性がある。
室内冷房時には、本発明の流体撹拌装置1は凝縮部3と膨張部4の間に挿入されている。流体撹拌装置1の流入口は、室外機である凝縮部3の出口側に接続され、流体撹拌装置1の流出口は膨張部4の入口側に接続されている。凝縮部3から流出した流体は、流体撹拌装置1内で十分に撹拌される。これにより、分離した冷凍機油は液体冷媒に溶解した状態となり、冷凍機油の油相に捕捉された液体溶媒は解放され、残存する気体冷媒は温度降下して液体冷媒となる。その後、流体撹拌装置1から流出した流体は、膨張部4に送られる。
膨張部4はエキスパンションバルブ又はキャピラリーチューブ等を備える。低温高圧の液体流体は、細い孔や管に通されることにより、低圧かつさらに低温の液体となる。その後、この流体は、蒸発部5(室内機)へ送られる。蒸発部5はエバポレータを備える。室内冷房時は、室内機が蒸発部3として熱交換を行う。蒸発部5に流入した低温低圧の液体流体は、熱を外部から吸収することにより蒸発して高温の気体流体となる。これにより、室内の空気が冷やされる。その後、気体流体は圧縮部2へ戻される。
図2の室内暖房時のサイクルにおいては、図1の冷房時とは流体の循環方向が逆となる。ヒートポンプシステムにおいて流体の循環方向の切り替えを行うためのバルブは周知であるので、図示及び説明を省略する。暖房時は、圧縮部2から吐出された高温高圧の気体流体は、凝縮部3として熱交換を行う室内機に送られる。凝縮部3(室内機)に流入した高温高圧の気体流体は、熱を外部に放出することにより凝縮して低温の液体流体となる。これにより、室内の空気が暖められる。
ここで、凝縮部3において冷媒が気体から液体となるとき、図1の冷房時のサイクルと同様に、凝縮部3から流出する液体流体は、分離した冷凍機油、冷凍機油の油相に捕捉された液体冷媒及び/又は気体冷媒を含む可能性がある。暖房時には、凝縮部3から流出する液体流体は、さらに膨張部4に送られ、低圧かつさらに低温の液体となる。膨張部4の通過後にも、分離した冷凍機油、捕捉された液体冷媒及び/又は気体冷媒が残存している可能性がある。
室内暖房時には、本発明の流体撹拌装置1は膨張部4と蒸発部5(室外機)の間に挿入されている。流体撹拌装置1の流入口は、膨張部4の出口側に接続され、流体撹拌装置1の流出口は、室外機である蒸発部5の入口側に接続されている。膨張部4から流出した流体は、流体撹拌装置1内で十分に撹拌される。分離した冷凍機油は液体冷媒に溶解した状態となり、冷凍機油の油相に捕捉された液体溶媒は解放され、残存する気体冷媒は温度降下して液体冷媒となる。その後、流体撹拌装置1から流出した流体は、蒸発部5に送られる。
室内暖房時は、室外機が蒸発部3として熱交換を行う。蒸発部5に流入した低温低圧の液体流体は、熱を外部から吸収することにより蒸発して高温の気体流体となる。その後、気体流体は圧縮部2へ戻される。
図1及び図2に示した通り、本発明の流体撹拌装置は、ヒートポンプシステムを構成する配管の経路上に挿入されるものである。実際の配管は、複数の管部材を接続して形成されているから、例えば1つの管部材を取り外して本発明の流体撹拌装置と交換し接続することにより、流体撹拌装置を容易に取り付けることができる。図1及び図2に示した通り、例えば、室外機近傍の屋外配管に設置することができる。
上述した図1及び図2では、ヒートポンプシステムの基本形態に対して本発明の流体撹拌装置を適用した例を示した。実際のヒートポンプシステムには、多くの応用形態が存在する。本発明の流体撹拌装置は、基本形態に種々の構成要素が付加されたヒートポンプシステムに対しても適用可能である。例えば、特許文献2、3に開示された気液二相状態の冷媒を分離する気液分離器を備えたシステムにおいても、本発明の流体撹拌装置を併用することができる。また、例えば、膨張部に替えてエジェクターと気液分離器を設けたシステムにおいても、本発明の流体撹拌装置を併用することができる。
図3は、図1及び図2に示した流体撹拌装置1の具体的構成の一例を示す図であり、(a)は概略縦断面、(b)は(a)のA−A視図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C視図である。図4は、図3に示した流体撹拌装置1の左側面図である。
流体撹拌装置1は、筐体11を有する。筐体11は、上下方向の中心軸をもつ円筒形状の胴体部11aと、胴体部の上端側を閉鎖する半球形状の上部鏡板11b1と、胴体部の下端側を閉塞する半球形状の下部鏡板11b2を具備する。ここで「鏡板」とは、一般的に円筒状圧力容器の上下端を閉鎖する蓋部材を意味する。本発明における流体も、圧縮機から所定の圧力で吐出された圧力流体であるので、筐体11も圧力容器の一種とみなすことができる。図3(a)に示される上部鏡板11b1及び下部鏡板11b2の断面は、中心角180度の半円であり、その半径は円筒形状の胴体部11aの半径と等しい。
筐体11に対する流体の流入又は流出のために、2つの管体12、13が設けられている(図3(a)では、これらの管体の断面ではなく側面を示している)。流体撹拌装置1をヒートポンプシステムの配管経路上に挿入する場合、挿入箇所において一方の管体を一方の配管端部に接続し、他方の管体を他方の配管端部に接続する。上述した図1及び図2で示した通り、冷房時と暖房時とでは流体の循環方向は逆となる。従って、流体撹拌装置1の冷房時の流入口は、暖房時には流出口となり、冷房時の流出口は、暖房時には流入口となる。後述する実施例で示すが、循環方向が逆となる暖房時にも流体撹拌装置の効果は実証されている。従って、空調機の冷房と暖房を切り替えても、本発明の流体撹拌装置の取り付け状態を変更する必要はない。
上部管体12は、冷房時には流入口となり、暖房時には流出口となる。図3では上部管体12の上方部分の図示を省略しているが、ヒートポンプシステムの適切な配管に接続可能である。なお、冷房時と暖房時で流体撹拌装置1の取付状態を変更することはないが、流体の循環方向が逆となるので、上部管体12は、図1に示した冷房時には凝縮部(室外機)の出口側に接続され、図2に示した暖房時には蒸発部(室外機)の入口側に接続されることになる。
上部管体12は、中心軸から離れた位置において上部鏡板11b1を上下方向に貫通している。上部管体12は、筐体11内で胴体部11aの上端近傍まで下方に延在し、その下端12aは下方に開口している。図3(a)に示すように、上部管体12の下端12aの開口の縁は、中心軸側が低く周縁側が高くなるように傾斜していることが好適である。この傾斜は、後述する流体の良好な流れを形成し易くするためのものである。
下部管体13は、冷房時には流出口となり、暖房時には流入口となる。図3では、下部管体13の下方部分の図示を省略しているが、ヒートポンプシステムの適切な配管に接続可能である。
下部管体13は、中心軸上において下部鏡板11b2を上下方向に貫通している。下部管体13は、筐体11内で中心軸に沿って胴体部11aの上端近傍まで上方に延在し、その上端13aは上方に開口している。
さらに、胴体部11aの内面上にはコイルスプリング14が設置されている。コイルスプリング14の軸は、胴体部11aの中心軸と一致している。コイルスプリング14の各巻線は、胴体部11aの内面に固定されておらず、上下動可能である。また、図5で詳細に説明するが、コイルスプリング14は、不等ピッチコイルスプリングとすることが好適である。
本発明の流体撹拌装置の各構成要素の材料は、ヒートポンプシステムの配管に使用可能材料であればよく、特に限定されない。例えば、鋼製とする。
図5(a)は、図3に示したコイルスプリング14の拡大平面図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。
コイルスプリング14は、好適には不等ピッチコイルスプリングであり、一方の端部から他方の端部へ向かってピッチが漸次長くなっている。「ピッチが漸次長くなる」とは、図5(b)に2本の異なる点線で模式的に示すように、2つの意味を含む。1つは、複数の領域(例えば3つの領域p1、p2、p3)の各々におけるピッチは一定であって各領域のピッチがp1<p2<p3の関係となっている場合である。もう1つは、コイルスプリングの長さ全体に亘って連続的にピッチpxが長くなっていく場合である。さらに、これら2つの場合を組み合わせた場合も含む。
さらに、流体の縦方向の流れの速い領域ではピッチが長く、流れの遅い領域ではピッチが短くなるように配置する。ピッチの長い領域(共振周波数が高い)は速い流体と共振しやすく、ピッチの短い領域(共振周波数が低い)は遅い流体と共振しやすいためである。コイルスプリングが局所的に流体と共振することにより、流体に剪断力が作用する。また、コイルスプリングの凹凸自体によっても流体に剪断力が作用する。この結果、流体が微細化、均一化される効果を奏する。
図1に示した冷房時の流体撹拌を主目的とする場合、不等ピッチコイルスプリングは上方から下方に向かってピッチが漸次長くなるようにすることが好ましい。
図6(a)は、図3に示した下部管体13の外観斜視図であり、(b)は下部管体の別の例を示す外観斜視図である。
下部管体13の外面上に複数の凹凸を交互に形成することが好適である。例えば、図6(a)に示すように、下部管体13を平行ネジ鋼管で形成することにより、外面上に螺旋状のネジ山とネジ溝による凹凸が軸方向に交互に繰り返される形状が得られる。螺旋状ではなく円周状の山と溝を交互に繰り返し形成してもよい。また、外面上にローレット加工を施してもよい。下部管体13の外面上のこれらの細かい凹凸は、流体中の気泡を捕捉する作用がある。流体撹拌装置による撹拌を行っても最終的に溶解しない(液化されない)気体冷媒を捕捉することにより、液体冷媒すなわち液体流体と分離することができる。さらに、下部管体13の外面上の細かい凹凸は、これらの凹凸に衝突する流体をある程度微細化する作用もあり、撹拌にも寄与する。なお、図6(b)に示すように、下部管体13の外面上に凹凸がなくともよい。図6(b)の下部管体13を用いても、後述する電力消費量低減の効果に大きく影響しないことが確認されている。
図7は、図1に示した冷房時の流体撹拌装置1の内部に生じる流体の主要な流れすなわち流体の運動を模式的に示した図であり、(a)は概略縦断面図、(b)は(a)のE−E断面図である。
図7(a)に示すように、筐体11の中心軸から離れた位置に開口する上部管体12を通して上方から流体が流入した場合は、以下のような流体の流れを生じる。流入した流体は下方に向かって直進した後、下部鏡板11b2により上方へ方向転換(Uターン)させられる。これは、下部鏡板11b2の形状が、半球形状であることによって実現される。方向転換した流体は、上方に直進した後、上部鏡板11b1により下方へ方向転換(Uターン)させられる。これは、上部鏡板11b1の形状が、半球形状であることによって実現される。このようにして、縦方向の強いタンブル流Tが形成される。この結果、流体は筐体11の内部空間全体に亘って大きく撹拌される。
さらに、図7(b)に示すように、縦方向のタンブル流Tは、筐体11の下部において方向転換する際に中心軸上に位置する下部管体13に衝突することにより、2つに分岐していわゆるカルマン渦Cを生じる。複数のカルマン渦Cが下部管体13の周囲に次々に形成される。この結果、流体に対して複雑な運動が付与され、撹拌効果が向上する。
さらに、胴体部11の内面上に設けたコイルスプリング14とタンブル流Tとの摩擦、及び、コイルスプリング14とカルマン渦Cとの衝突により、上下動可能な巻線をもつコイルスプリング14がこれらの摩擦や衝突を受けた局所において共振し、上下振動を生じる。このコイルスプリング14と共振して、流体もまた局所的に上下振動Vを生じる。この上下振動Vにより流体に剪断力が作用する。上下振動に加え、コイルスプリング14の多数の凹凸形状も流体に対して剪断力を及ぼす。この結果、流体が微細化され均一化される。
また、筐体11の中心軸から離れて位置する上部管体12の開口の縁が、中心軸側が低くかつ周縁側が高くなるように傾斜していることにより、下方に直進する流れを形成し易くなる。この結果、縦方向のタンブル流Tを円滑に生じさせることができる。
これらのタンブル流T、カルマン渦C及び上下振動Vの相乗効果により、極めて効果的な流体の撹拌が実現される。流体は、十分撹拌された後、下部管体13を通して下方に流出して行く。
図8は、図2に示した暖房時の流体撹拌装置1の内部に生じる流体の主要な流れすなわち流体の運動を模式的に示した図であり、(a)は概略縦断面図、(b)は(a)のF−F断面図である。
図8(a)に示すように、筐体11の中心軸上に位置する下部管体13を通して下方から流体が流入した場合は、以下のような流体の流れを生じる。下部管体13の上端開口から出た流体は、上方に直進した後、上部鏡板11b1により下方へ方向転換(Uターン)させられる。これは、上部鏡板11b1の形状が、半球形状であることによって実現される。さらに、下方に直進した流体は、下部鏡板11b2により上方へ方向転換(Uターン)させられる。これは、下部鏡板11b2の形状が、半球形状であることによって実現される。これにより、縦方向の強いタンブル流Tが形成される。この結果、流体は筐体11の内部空間全体に亘って大きく撹拌される。
さらに、図8(b)に示すように、縦方向のタンブル流Tは、筐体11の上部において方向転換する際に中心軸から離れた位置にある上部管体12及び中心軸上に位置する下部管体13に衝突することにより、2つに分岐してそれぞれカルマン渦Cを生じる。複数のカルマン渦Cが上部管体12及び下部管体13の周囲に次々に形成される。
さらに、胴体部11aの内面上に設けたコイルスプリング14とタンブル流Tとの摩擦、及び、コイルスプリング14とカルマン渦Cとの衝突により、上下動可能な巻線をもつコイルスプリング14が摩擦や衝突を受けた局所において共振し、上下振動を生じる。流体もまた、コイルスプリング14と共振して局所的に上下振動Vを生じる。上下振動に加えて、コイルスプリング14の多数の凹凸形状によっても流体に対して剪断力を及ぼす。この結果、流体が微細化され均一化される。
これらのタンブル流T、カルマン渦C及び上下振動Vの相乗効果により、極めて効果的な流体の撹拌が実現される。流体は、十分撹拌された後、上部管体12を通して上方に流出して行く。
なお、上述した図7及び図8において、各流れを示す矢印は、モデル的なものであるが、これらの流れは、試験により実際に確認されている。試験では、外部から観察可能な透明筐体を有する装置を作製し、流れの様子を視認可能であるようにインクを添加した流体を0.2MPa〜5MPaの圧力で流して観察した結果、縦方向の大きなタンブル流T、カルマン渦C及び上下振動Vを明確に確認することができた。
本発明の流体撹拌装置は、ヒートポンプサイクルに使用されている冷媒及び冷凍機油の種類に関わらず効果を奏することができる。特に、特定フロンに比べて冷凍機油との相溶性に劣る代替フロンに適用することにより、代替フロンの熱交換効率を大幅に改善することができる。
図3〜図6に例示した流体撹拌装置を、既設の空調機に取り付け、電力消費量を計測する試験を行った。
<試験方法>
・比較例は、既設の空調機に本発明の流体撹拌装置を取り付ける前のデータであり、実施例は、取り付け後のデータである。冷房又は暖房の連続運転を行い、一定時間毎に室内機吹出温度(℃)、電流(R相(Ampare)、T相(Ampare))、消費電力(Wh)の計測を行った。計測後、運転期間全体の電力消費量(積算電力量(W))をそれぞれ計測し、削減率を算出した。算出方法は次の通りである。
電力削減率(%)=((B−A)/B)×100
B:取付前の電力消費量
A:取付後の電力消費量
・試験可能な状況にある既設の空調機(表3参照)に対して試験を行ったので、機種は様々となった。例えば、インバータ制御装置を有する機種、公知の気液分離器を有する機種も含まれていた。
・各試験の計測期間は、30分〜数日であるが、互いに比較する取付前と取付後の計測については、計測期間を同じ長さとした。
・1つの空調機について取付前と取付後の計測を行ったので、取付前と取付後の計測時期には多少のずれがある。気温の条件を揃えるためにできるだけ近い時期に行った。しかしながら、取付前と取付後の計測を全く同じ条件で行うことは困難であるため、気温以外にも湿度その他の条件の違いが計測値のばらつきとして含まれる。
・同じ空調機において、取付前の計測を1回だけ行い、取付後の計測を複数回行った場合がある。逆に、同じ空調機において、取付前の計測を複数回行い、取付後の計測を1回行った場合もある。
<試験結果1>
表1〜表3は、2013年5月〜2014年4月の期間に随時行った試験1〜23の結果をまとめた表である。
表1は、冷房時の試験結果である。
表2は、暖房時の試験結果である。
(表1及び表2中、「平均外気温度」の欄の一部データは、平均ではなく温度幅を記載している。)
表3は、表1及び表2中の空調機種類を示す数字の対応表である。
<試験結果2>
表4〜表6は、表1〜表3の試験とは別個に行った試験の結果を示すグラフである。"B"は取付前のデータを、"A"は取付後のデータを示している。
表4は、1回の試験(冷房運転時間30分)における消費電力(Wh)を比較したグラフである。
表5は、1回の試験(冷房運転時間30分)における電流(R相、T相)(Ampare)を比較したグラフである。
表6は、1回の試験(冷房運転時間30分)における室内機の吸込温度(℃)及び吹出温度(℃)を比較したグラフである。
表4〜表6の試験における取付前の計測日と取付後の計測日のその他のデータは、次の通りである。
取付前:平均外気温度31.2℃、平均電力消費量3370Wh
取付後:平均外気温度22.1℃、平均電力消費量2730Wh
Figure 2015212601
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1 撹拌装置
11 筐体
11a 胴体部
11b1 第1の鏡板部
11b2 第2の鏡板部
12 上部管体
13 下部管体
14 コイルスプリング
2 圧縮部
3 凝縮部(冷房時:室外機、暖房時:室内機)
4 膨張部
5 蒸発部(冷房時:室内機、暖房時:室外機)

Claims (7)

  1. ヒートポンプサイクルにおいて冷媒と冷凍機油とを含む流体を撹拌するために配管の経路上に設置される流体撹拌装置であって、
    上下方向の中心軸をもつ円筒形状の胴体部(11a)の上端側を半球形状の上部鏡板(11b1)により閉塞されかつ下端側を半球形状の下部鏡板(11b2)により閉塞された筐体(11)と、
    前記流体の流入又は流出のために、一端が前記配管の1つに接続可能でありかつ前記中心軸から離れた位置にて前記上部鏡板(11b1)を上下方向に貫通して前記胴体部(11a)の上端近傍まで延在して他端が下方に開口する上部管体(12)と、
    前記流体の流出又は流入のために、一端が前記配管の別の1つに接続可能でありかつ前記中心軸上にて前記下部鏡板(11b2)を上下方向に貫通して前記胴体部(11a)の上端近傍まで延在して他端が上方に開口する下部管体(13)と、
    前記中心軸を軸として前記胴体部(11a)の内面上に設置されかつ各巻線が上下動可能であるコイルスプリング(14)と、を備えたことを特徴とする
    流体撹拌装置。
  2. 前記コイルスプリング(14)が不等ピッチコイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の流体撹拌装置。
  3. 前記不等ピッチコイルスプリングは、その一端から他端に向かってピッチが漸次長くなることを特徴とする請求項3に記載の流体撹拌装置。
  4. 前記上部管体(12)の他端の開口の縁(12a)は、前記中心軸側が低く周縁側が高くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流体撹拌装置。
  5. 前記下部管体(13)の外面に複数の凹凸が交互に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流体撹拌装置。
  6. 室内冷房時には、前記上部管体(12)から流体が流入するとともに、前記下部管体(13)から流体が流出するように設置され、前記上部管体(12)は、前記ヒートポンプサイクルにおける室外機である凝縮部の流体出口側に接続されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流体撹拌装置。
  7. 室内暖房時には、前記下部管体(12)から流体が流入するとともに、前記上部管体(12)から流体が流出するように設置され、前記上部管体(12)は、前記ヒートポンプサイクルにおける室外機である蒸発部の流体入口側に接続されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流体撹拌装置。
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