JP2015212252A - ペルフルオロアルケニルオキシ基含有ビニル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
該化合物について、特公平6−51653号の実施例に、p−イソプロペニルフェノールとヘキサフルオロプロペン2量体又は3量体とをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中でトリエチルアミン触媒の存在下にて反応させてp−(ペルフルオロアルケニルオキシ)イソプロペニルベンゼンが得られることが記載されている。
例えば、特開昭50−37736号によれば、ビスフェノールA、p−イソプロペニルフェノールの重合物等を熱分解することにより発生するp−イソプロペニルフェノールを蒸気状でもしくは凝縮直後に、極性溶剤と120℃付近で接触せしめて捕集し、高純度のp−イソプロペニルフェノール捕集液が得られることが開示され、実施例1には、n−オクチルアルコールを用いて32重量%濃度のp−イソプロペニルフェノール捕集液を得た記載がある。しかしながら、該捕集液の常温における安定性に関しては全く開示されていない。本発明者の知見によれば、実施例1に記載の捕集液は、常温におけるp−イソプロペニルフェノールの溶解度を著しく超えた濃度のものであり、該捕集液は常温において固形分が析出してp−イソプロペニルフェノールの重合も進みp−イソプロペニルフェノールの純度が著しく低下して常温における安定性は不良である。該捕集液は、p−イソプロペニルフェノール捕集時点において、分留して得られる固形状物に比し幾分の純度の向上は見られるが、工業的利用における安定性は未だ十分でなく工業的原材料として用いることは難しい。
(イ)p−イソプロペニルフェノールのオリゴマーを塩基性触媒の存在下又は不存在下に加熱することにより発生するp−イソプロペニルフェノールを、蒸気状で又は凝縮直後に、留出するp−イソプロペニルフェノール1重量部に対して2.5〜9.0重量部のN,N−ジメチルホルムアミドを用いて接触せしめてp−イソプロペニルフェノールを捕集し、その液に1.0〜1.5当量(対p−イソプロペニルフェノール当量)の第三級アミンを加えてp−イソプロペニルフェノール溶液を得る工程と、
(ロ)上記(イ)工程で得られたp−イソプロペニルフェノール溶液に一般式(C3F6)m(式中、mは2又は3の整数を示す。)で表されるヘキサフルオロプロペンのオリゴマーを加えて反応温度10℃〜70℃にて反応を行い
一般式(1)
(式中、nは2又は3の整数を示す。)
で表されるペルフルオロアルケニルオキシ基含有ビニル化合物を得る工程と、
を含むことを特徴とするペルフルオロアルケニルオキシ基含有ビニル化合物の製造方法である。
本発明の製造方法において、p−イソプロペニルフェノールのオリゴマーからp−イソプロペニルフェノールを発生させるためには、該オリゴマーを150〜260℃、50〜100mmHgの条件下において加熱し、発生するp−イソプロペニルフェノールを反応系外に留出させることにより行われる。この際、塩基性触媒の存在下に加熱してもよい。かかる塩基性触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらの水酸化物、アルコラート等を用いることができる。これらの触媒の使用量は、p−イソプロペニルフェノールのオリゴマーに対し0.01〜2%である。
不活性ガスとして、具体的には窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン等が挙げられるが、特に、経済性の面から窒素が好ましい。
該p−イソプロペニルフェノール溶液は、引き続いてペルフルオロアルケニルオキシ基含有ビニル化合物の合成原料、反応液としてそのまま用いることができため、合成反応工程が極めて簡略であり、高純度のp−イソプロペニルフェノールを原料として用いることができ、工業的に優れたものである。
p−イソプロペニルフェノールのオリゴマー(p−イソプロペニルフェノールダイマー97%、同トリマー3%)を240℃、55mmHgの条件下に加熱してp−イソプロペニルフェノールを蒸気にて180g/hrの速度で留出させ、充填塔式の吸収塔の塔頂の直ぐ下部に蒸気状で導入した。一方、N,N−ジメチルホルムアミドを900g/hrで吸収塔の塔頂に送入して流下させ、p−イソプロペニルフェノールと55℃で接触させて捕集した。その結果、p−イソプロペニルフェノールを含む固形分16.6重量%の捕集液を得た。該捕集液をガスクロマトグラフィーにて検定した結果、溶媒を除くp−イソプロペニルフェノールの純度は99.8重量%であり、極めて高純度であった。
続いて、該捕集液に、捕集液1000gに対してトリエチルアミン137.4g(1.1当量対p−イソプロペニルフェノール1当量)の量比でトリエチルアミンを加えて目的のp−イソプロペニルフェノール溶液を得た。
引き続いて、撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを装着した500ml反応器に、上記の(イ)工程で得られたp−イソプロペニルフェノール溶液250.0gを送入した。その液温を40℃に保持し撹拌しながら、滴下ロートよりフッ素イオン存在下でメチルスルホランを溶剤として異性化せしめたヘキサフルオロプロペン3量体128.3g(1.05モル対p−イソプロペニルフェノール1モル)を添加した。滴下終了後、2時間反応を行い完了した。該反応生成物をガスクロマトグラフィーにて検定した結果、原料p−イソプロペニルフェノールのピークは消滅していた。
次いで、この反応生成物を水にあけ、下層を分取し希塩酸および水で洗浄して粗生成物を得た。更に、この粗生成物を減圧蒸留により沸点83.5〜84.0℃/1.5mmHg留分のp−(ペルフルオロノネニルオキシ)イソプロペニルベンゼン151.8g(収率99.1%)を得た。
実施例1(イ)工程で得られた第三級アミンを含むp−イソプロペニルフェノール溶液を容器に入れ、室温にて2週間放置した。その結果、該容器内に固形分の析出は見られなかった。この放置試験した溶液をガスクロマトグラフィーにて検定した結果、溶媒及び第三級アミンを除くp−イソプロペニルフェノールの純度は99.2重量%であった。
本発明に係るp−イソプロペニルフェノール溶液は、安定性に優れ、高純度を保持したものであった。
実施例1(イ)に記載したp−イソプロペニルフェノール捕集液の製造において、N,N−ジメチルホルムアミドの代わりに、2−エチルヘキサノールを用いる以外は、実施例1と同様にしてp−イソプロペニルフェノールの捕集液を製造して、p−イソプロペニルフェノールを含む固形分16.6重量%の捕集液を得た。
この捕集液を容器に入れ、室温にて2週間放置した。その結果、該容器の底部に固形分の析出が見られ、更に、放置試験した該捕集液を再溶解してガスクロマトグラフィーにて検定した結果、溶媒を除くp−イソプロペニルフェノールの純度は86.1重量%であった。該捕集液は、安定性が不良であり、工業的に利用することができないものであった。
Claims (1)
- (イ)p−イソプロペニルフェノールのオリゴマーを塩基性触媒の存在下又は不存在下に加熱することにより発生するp−イソプロペニルフェノールを、蒸気状で又は凝縮直後に、留出するp−イソプロペニルフェノール1重量部に対して2.5〜9.0重量部のN,N−ジメチルホルムアミドを用いて接触せしめてp−イソプロペニルフェノールを捕集し、その液に1.0〜1.5当量(対p−イソプロペニルフェノール当量)の第三級アミンを加えてp−イソプロペニルフェノール溶液を得る工程と、
(ロ)上記(イ)工程で得られたp−イソプロペニルフェノール溶液に一般式(C3F6)m(式中、mは2又は3の整数を示す。)で表されるヘキサフルオロプロペンのオリゴマーを加えて反応温度10℃〜70℃にて反応を行い
一般式(1)
(式中、nは2又は3の整数を示す。)
で表されるペルフルオロアルケニルオキシ基含有ビニル化合物を得る工程と、
を含むことを特徴とするペルフルオロアルケニルオキシ基含有ビニル化合物の製造方法。
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