JP2015211208A - 樹脂封止シート - Google Patents

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一行 藤原
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Abstract

【課題】樹脂封止シートの基本性能(柔軟性を有し、セル割れが起こらない)を維持しつつ、太陽電池に組み込んだ際には、PID現象を効果的に抑制可能な樹脂封止シートを提供する。【解決手段】表面層、及び内層を有し、2層以上から構成される樹脂封止シートであって、前記表面層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含み、前記表面層のエチレンモノマーの含有率が、前記表面層を構成する樹脂の80質量%以上であり、前記表面層と前記内層は、異なる樹脂により形成されている、樹脂封止シート。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂封止シートに関する。
近年、世界的な温暖化現象により、環境に対する意識が高まり、炭酸ガス等の温暖化を誘発するといわれているガス(以下、「温暖化ガス」ともいう。)を発生しない新しいエネルギーシステムが関心を集めている。
例えば、太陽電池発電や風力発電等の環境にやさしい再生可能なエネルギーは、温暖化ガスを排出しないため、クリーンなエネルギーとして研究開発が盛んに行われている。
特に、安全性や扱いやすさの観点から、太陽電池発電が家庭用エネルギー源だけでなく、産業用エネルギー源としても注目されている。
前記太陽電池には、様々な発電方式がある。
代表的な発電方法としては、発電部分として、単結晶又は多結晶のシリコンセル(結晶系シリコンセル)を用いたもの、アモルファスシリコンを用いたもの、さらには化合物半導体を用いたもの(薄膜系セル)等が挙げられる。
太陽電池は、いずれの発電方式のものであっても、かなりの長期間、屋外で風雨にさらされる。
そのため、上述した発電部分を長期間にわたって保護する目的で、当該発電部分をガラス板やバックシート等で貼り合わせてモジュール構造とする技術が知られている。
モジュール構造として発電部分を保護することによって、外部からの水分の侵入、及び漏電を防止することができ、発電部分の長期に亘る安定した保護が可能となる。
前記モジュール構造において、発電部分の発電面側は、発電に必要な光を透過させる必要があるため、通常、透明なガラスや透明樹脂が使用され、発電部分の非発電面側には、バックシートといわれるアルミ箔、フッ化ポリビニル樹脂(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、その他シリカ等のバリアコート加工の積層シートが使用される。
なお、前記モジュール構造は、例えば、発電部分を樹脂封止シートで挟んだ後、ガラスやバックシートでさらに外部を被覆して、さらに樹脂封止シートを高温にすることで樹脂封止シートを溶融させ、一体化封止(モジュール化)することにより得られる。
前記モジュール化に用いる樹脂封止シートには、下記(1)〜(3)が特性として要求される。
すなわち、(1)ガラス、発電素子、バックシートとの良好な接着性、(2)高温状態での樹脂封止シートの溶融に起因する発電素子の流動防止性(耐クリープ性)、(3)太陽光の入射を阻害しない透明性、等である。
このような観点から、樹脂封止シートとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」ともいう。)に、紫外線劣化対策として耐光剤や紫外線吸収剤、ガラスとの接着性向上のためカップリング剤、架橋のため有機過酸化物等の添加剤を配合し、カレンダー成型やTダイキャストにより製膜したものが挙げられる。
さらに長期に亘って太陽光にさらされることに鑑み、樹脂の劣化による光学特性の低下の防止を図るため、耐光剤等の各種添加剤が配合されている。これにより、長期に亘り太陽光の入射を阻害しない透明性を維持できる。
単結晶や多結晶シリコンセルを用いた太陽電池モジュールにおいては、「ガラス/樹脂封止シート/結晶系シリコンセル等の発電部分/樹脂封止シート/バックシート」の順で重ね合わせ、ガラス面を下にした状態で、専用の太陽電池真空ラミネーターを用い、使用する樹脂封止シートの樹脂の溶融温度以上(例えばEVAの場合、温度条件は150℃)で余熱工程とプレス工程を実施し、樹脂封止シートを溶融させて貼り合わせる。
この際、最初の余熱工程で樹脂封止シートの樹脂が溶解し、プレス工程で溶融した樹脂に接着する部材が接触して真空ラミネートされる。当該ラミネート工程では、(i)樹脂封止シートに含有している有機過酸化物がその温度によって分解してEVAの架橋を促進させ、(ii)樹脂封止シートに含有しているカップリング剤が接触している部材と共有結合して部材との接着性を向上させることで、高温状態での樹脂封止シートの溶融に起因する発電部分の流動を防止(耐クリープ性)し、ガラス、発電部分、バックシートとの接着性を向上させている。
また、樹脂封止シートは長期に亘り太陽光に暴露されるため、樹脂の劣化による光学特性の低下を防止する観点から、耐候剤、耐光剤等の添加剤を配合することが必要である。これによって長期に亘り太陽光を阻害しないレベルの透過性を維持できる。
従来より、各種の太陽電池モジュールが開示されている。
例えば、特許文献1には、光起電力素子の少なくとも光入射側表面において、一層以上の透明な有機高分子樹脂層からなる有機高分子樹脂封止シートが、アモルファスシリコン太陽電池に積層した構造の太陽電池モジュールが開示されている。
この有機高分子樹脂封止シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−メチルアクリレート(EMA)等の樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、シランカップリング剤を含む樹脂組成物をスリットから押出成型にてシーティングしたものである。
また、特許文献2には、エチレン共重合体からなる太陽電池素子封止材料が開示されている。
この特許文献2においては、エチレン共重合体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体からなる群より選ばれる樹脂を用い、かつ架橋ゲル化率65%以上の高い架橋度とすることで、封止材料が流動したり、変形したりすることを防止した耐クリープ性を有する太陽電池素子封止材料が開示されている。
特開平6−334207号公報 特開2001−119047号公報
しかしながら、特許文献1、2において開示されている有機高分子樹脂封止シート又は太陽電池素子封止材料(以下、これらをまとめて樹脂封止シートと記載する。)は、水分透過性が高いため、太陽電池モジュールを製造した後にモジュール内あるいは外部から侵入する水分によって樹脂封止シートの分解が起こり、その分解によって発生する酢酸が太陽電池セルやタブ線を酸化劣化させてダメージを与え、そのダメージ等によって太陽電池の出力が大幅に低下するPID現象(PID:Potential Induced Degradation)が起こるという問題を有している。
かかる問題に鑑み、樹脂封止シートの表面層として、樹脂中のエチレンモノマー濃度が高いエチレン−酢酸ビニル共重合体を含むシートを使用した多層構造の樹脂封止シートを用いることにより水分透過性を抑制することができるが、未だ前記PID現象を確実に防止することができないという問題を有している。
また、樹脂封止シートとして水分透過性の低いポリオレフィン樹脂のみにより形成されているものを用いると、樹脂封止シートに必要な条件の1つである柔軟性が乏しくなり、セル割れが起こるという問題が発生する。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、樹脂封止シートの基本性能(柔軟性を有し、セル割れが起こらない。)を維持しつつ、PID現象を抑制可能な樹脂封止シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に解決を図るべく、鋭意検討した結果、表面層に使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体中のエチレン濃度を調整することにより上記課題の解決が図られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
〔1〕
表面層、及び内層を有し、2層以上から構成される樹脂封止シートであって、
前記表面層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含み、
前記表面層のエチレンモノマーの含有率が、前記表面層を構成する樹脂の80質量%以上であり、
前記表面層と前記内層は、異なる樹脂により形成されている、
樹脂封止シート。
〔2〕
前記表面層に隣接する内層が、ポリオレフィン系樹脂を含有する、前記〔1〕に記載の樹脂封止シート。
〔3〕
前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を含む、前記〔2〕に記載の樹脂封止シート。
〔4〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の樹脂封止シートを具備する太陽電池モジュール。
本発明によれば、樹脂封止シートの基本性能(柔軟性を有し、セル割れが起こらない)を維持しつつ、太陽電池に組み込んだ際には、PID現象を効果的に抑制可能な樹脂封止シートを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔樹脂封止シート〕
本実施形態の樹脂封止シートは、
表面層及び内層を有し、2層以上から構成される樹脂封止シートであって、
前記表面層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含み、
前記表面層のエチレンモノマーの含有率が、前記表面層を構成する樹脂の80質量%以上であり、
前記表面層と前記内層は、異なる樹脂により形成されている。
(層構造)
本実施形態の樹脂封止シートは、表面層と当該表面層に隣接する内層を含む、2層以上の多層構造を有する。
ここで、本実施形態の樹脂封止シートが3層以上の場合は、表面層と裏面層を形成する2層を「表面層」といい、それ以外の層を「内層」という。
例えば、3層構造の樹脂封止シートの場合、表面層/内層/表面層の構造となる。すなわち、表面層と隣接する層は内層となる。
表面層の厚さは、樹脂封止シートの全厚に対し40%以下であることが好ましく、10%以上35%以下であることがより好ましく、15%以上30%以下であることがさらに好ましい。
表面層の厚さが樹脂封止シートの全厚に対し40%以下であることにより、樹脂封止シートへの水蒸気透過度を小さく抑制できる傾向にある。
表面層の厚さが樹脂封止シートの全厚に対し10%以上であることにより、セル割れが起こりにくくなるという効果が得られる。
本実施形態の樹脂封止シートにおいて、表面層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含み、当該表面層に含まれる樹脂中のエチレンモノマーの含有率は80質量%以上であり、82質量%以上がより好ましく、84質量%以上がさらに好ましい。
エチレンモノマーの含有率は、JIS K−7192により測定することができる。
エチレンモノマーの含有率が上記範囲内であることにより、水分透過性が低くなるとともに水分による樹脂封止シートの分解が抑えられ、結果として太陽電池モジュールが長期的に安定に出力供給できるという効果が得られる。
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)
エチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレンモノマーと、酢酸ビニルとの共重合により得られる樹脂を示す。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレンモノマーの含有率は、80質量%以上であることが好ましく、82質量%以上であることがより好ましい。
エチレンモノマーの含有率が上記範囲内であることにより、水分透過性が低くなるとともに水分による樹脂封止シートの分解が抑えられ、結果として太陽電池モジュールが長期的に安定に出力供給できるという効果が得られる。
(エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体)
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体とは、エチレンモノマーと、脂肪族不飽和カルボン酸との共重合により得られる樹脂を示す。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体のエチレンモノマーの含有率は、80質量%以上であることが好ましく、82質量%以上であることがより好ましく、84質量%以上であることがさらに好ましい。
エチレンモノマーの含有率が上記範囲内であることにより、水分透過性が低くなるとともに水分による樹脂封止シートの分解が抑えられ、結果として太陽電池モジュールが長期的に安定に出力供給できるという効果が得られる。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
これらはさらにその他の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。
(エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体)
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体とは、エチレンモノマーと、脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合により得られる樹脂を示す。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体のエチレンモノマーの含有率は、80質量%以上であることが好ましく、82質量%以上であることがより好ましく、84質量%以上であることがさらに好ましい。
エチレンモノマーの含有率が上記範囲内であることにより、水分透過性が低くなるとともに水分による樹脂封止シートの分解が抑えられ、結果として太陽電池モジュールが長期的に安定に出力供給できるという効果が得られる。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン−アクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールの成分からなる群より選ばれる)共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールの成分からなる群より選ばれる。)共重合体が挙げられる。これらはさらにその他の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸及び同エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体は、高圧法、溶融法等の公知の方法により重合することができ、さらにマルチサイト触媒やシングルサイト触媒を用いて重合することもできる。
また、前記各種共重合体中のモノマーの接合形状は、ランダム結合、ブロック結合等であってもよい。このなかでも、本実施形態の樹脂封止シートの光学特性の観点より、高圧法を用いてランダム結合により重合したエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体が好ましい。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体のMFR(190℃、2.16kg:以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体については同条件)は、0.3〜30g/10minが好ましく、より好ましくは0.5〜30g/10minであり、さらに好ましくは0.8〜30g/10minである。MFRが上記範囲内であることにより、本実施形態の樹脂封止シートは、優れた加工性が得られる傾向にある。
(ポリオレフィン樹脂)
本実施形態の樹脂封止シートは、表面層に隣接する内層にポリオレフィン系樹脂を含有していることが好ましい。
当該ポリオレフィン樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、エチレン単独重合体(ポリエチレン)又はエチレンと他の単量体との共重合体等のポリエチレン系樹脂;プロピレン単独重合体(ポリプロピレン)又はプロピレンと他の単量体との共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ブチレン単独重合体(ポリブチレン)又はブチレンと他の単量体との共重合体等のポリブチレン系樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂は、コストの観点から、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を含むことが好ましい。
このようなポリオレフィン樹脂を表面層に隣接する内層において含有することにより、仮に表面層において水分による分解が発生し、それによって酢酸が発生したとしても、前記ポリオレフィン樹脂はバリア性が極めて高いため、セルの劣化を防ぐことができ、太陽電池モジュールの機能を長期的に安定に保つことができる。
<ポリエチレン系樹脂>
前記ポリエチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、従来から市販されている長鎖分岐を有するポリエチレンを用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(VLDPE、ULDPE)が挙げられる。
また、前記エチレンと他の単量体との共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンと、炭素数が3〜12のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種との共重合体が挙げられる。
前記α−オレフィンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられる。
前記α−オレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、軟質の共重合体であることが好ましく、そのX線法による結晶化度が一般に30%以下のものであることが好ましい。
エチレン−α−オレフィン系共重合体は、以下に限定されるものではないが、例えば、シングルサイト系触媒、又はマルチサイト系触媒と呼ばれる触媒を用いて重合することができる。このなかでも、シングルサイト系触媒により重合することが好ましい。より好ましくはエチレンコモノマー、ブチレンコモノマー、ヘキセンコモノマー、及びオクテンコモノマーからなる群より選ばれるいずれか一つのコモノマーとの共重合体が、一般に樹脂メーカーも多く入手し易いのでより好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.860〜0.930g/cm3が好ましく、より好ましくは0.863〜0.915g/cm3であり、さらに好ましくは0.863〜0.910g/cm3である。ポリエチレン系樹脂の密度が0.930g/cm3以下であることにより、クッション性がより向上し、透明性により優れる傾向にある。高密度のポリエチレン系樹脂を用いる場合には、低密度のポリエチレン系樹脂を、例えば、30質量%程度の割合で添加することにより透明性を改善することができる傾向にある。
前記ポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K−7112に準拠して測定することができる。
また、JIS K−7210に準じて測定される、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレートの値(以下、MFRと表す。190℃、2.16kg:以下、ポリエチレン系樹脂については同条件)は、0.5〜30g/10minのものが好ましく、より好ましくは0.8〜30g/10min、さらに好ましくは1.0〜25g/10minである。ポリエチレン系樹脂のMFRが上記範囲であることにより、本実施形態の樹脂封止シートは優れた加工性が得られる傾向にある。
MFRは、JIS−K−7210に準拠して測定することができる。
<ポリプロピレン系樹脂>
前記ポリプロピレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、ブチレン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの共重合体;プロピレンとエチレンとブチレン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの3元共重合体等が挙げられる。
上記共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等のいずれでもよい。このなかでも、好ましくはプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンとブテンとのランダム3元共重合体である。
ポリプロピレン系樹脂を用いることにより、本実施形態の樹脂封止シートの硬度やコシ、耐熱性がより向上する傾向にある。
前記プロピレンと組み合わせるα−オレフィンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、Ziegler−Natta触媒のような従来公知の触媒を用いて重合されたものだけでなく、メタロセン系触媒等で重合されたシンジオタクチックポリプロピレンやアイソタクチックポリプロピレンも含まれる。
さらに、ポリプロピレン系樹脂としては、50質量%程度までの高濃度のゴム成分を均一微分散したものを用いてもよい。
また、ポリプロピレン系樹脂中のプロピレンの含有量は60〜90質量%が好ましい。このなかでも、プロピレン含有量60〜80質量%、エチレン含有量10〜30質量%、ブテン含有量5〜20質量%のポリプロピレン系樹脂3元共重合体がより好ましい。このようなポリプロピレン系樹脂を用いることにより、熱収縮性がより向上する傾向にある。
ポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃、2.16kg:以下、ポリプロピレン系樹脂については同条件)は、0.3〜15g/10minが好ましく、より好ましくは0.5〜12g/10minであり、さらに好ましくは0.8〜10g/10minである。
<ポリブチレン系樹脂>
ポリブチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリブチレン、ブチレン−α−オレフィン共重合体、ブチレンとエチレン又はポリプロピレンとα−オレフィンとの3元共重合体等が挙げられる。
ここでα−オレフィンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられる。これらα−オレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、ポリブチレン系樹脂は、本実施形態の樹脂封止シートの硬度やコシの調整に用いることができる。
さらに、ポリブチレン系樹脂は、前記ポリプロピレン系樹脂との相溶性が特に優れているため、ポリプロピレン系樹脂と併用することも好ましい形態として挙げられる。
ポリブチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、結晶性であり、ブチレンと、エチレン、プロピレン及び炭素数5〜8のオレフィン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とからなる共重合体であり、かつ、ポリブチレン系樹脂を構成する全モノマー中のブチレンの含有量が70モル%以上である高分子量のポリブチレン系樹脂が好適に使用できる。
このようなポリブチレン系樹脂は、液状及びワックス状の分子量のものとは異なり、MFR(190℃、2.16kg:以下、ポリブチレン系樹脂については同条件)が、通常0.1〜10g/10minのものである。
また、ポリブチレン系樹脂のビカット軟化点は、40〜100℃であることが好ましい。ここで、ビカット軟化点はJIS K7206−1982に従って測定することができる。
(その他の添加剤)
本実施形態に係る樹脂封止シートには、必要に応じて、所定の添加剤を添加してもよい。
当該添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、カップリング剤、防曇剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、変色防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、アンチブロッキング剤、無機フィラー、架橋調整剤等が挙げられる。
添加剤の添加の方法は、液体を溶融樹脂に添加する方法、直接対象樹脂層に練り込む方法、製膜後に塗布する方法等が挙げられ、添加剤の効果が発揮できればよく、公知の方法をいずれも適用できる。
<カップリング剤>
前記カップリング剤は、本実施形態の樹脂封止シートにおいて、安定した接着性を確保する目的で添加することが好ましい。
カップリング剤の添加量は、所望の接着性の度合いや被接着物の種類によって適宜調整することができるが、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.03〜4質量%であり、さらに好ましくは0.05〜3質量%である。
カップリング剤は、樹脂中において太陽電池セルやガラス等に良好な接着性を付与する物質が好ましい。このようなカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機シラン化合物、有機シラン過酸化物、有機チタネート化合物が挙げられる。
また、これらのカップリング剤の添加方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出機内にて樹脂に混合する方法、押出機ホッパー内に混合する方法、事前にマスターバッチ化して混合する方法等、公知の添加方法をいずれも適用できる。なお、上述したカップリング剤の添加方法は押出機を経由するため、押出機内の熱や圧力等により、本来の機能を阻害されるおそれがあるため、カップリング剤の種類に応じて添加量を適宜調整することが好ましい。
また、カップリング剤の種類は、樹脂の透明性や分散具合や押出機への腐食や押出安定性の観点から適宜選択すればよい。
前記カップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラングリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の不飽和基やエポキシ基を有するものが挙げられる。
<紫外線吸収剤>
前記紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
<酸化防止剤>
前記酸化防止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェノール系化合物、イオウ系化合物、リン系化合物、アミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ヒドラジン系化合物等が挙げられる。
<変色防止剤>
前記変色防止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードアミン系光安定化剤光安定剤が挙げられる。
前記紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び変色防止剤等は、本実施形態の樹脂封止シートの表面層、内層のいずれの層にも添加してよい。
含有量としては、各樹脂層を構成する樹脂に対して0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%である。
特に長期の透明性や接着性維持が必要な場合であって、エチレン系樹脂に添加する場合、シラノール基を有する樹脂をマスターバッチ化して混合することが有効である。
〔樹脂封止シートの製造方法〕
本実施形態の樹脂封止シートの製造方法としては、多層構造のシートを製造できる方法であれば、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適用できる。
例えば、樹脂封止シートをなす樹脂を押出機で溶融してダイより共押出し急冷固化して、原反を得る方法が挙げられる。この際、押出は多層Tダイ法、多層サーキュラーダイ(環状ダイ)法、公知のラミネート方法等を用いることができる。この中では多層Tダイ法が好ましい。
このようにして得た原反はエンボス処理を施してもよい。両面をエンボス処理する場合は、樹脂封止シートを2本の加熱エンボスロール間に通過させる。また、片面をエンボス処理する場合は、樹脂封止シートの片方のみ加熱されたエンボスロールを押圧する。
その他の後処理としては、以下に限定されるものではないが、例えば、寸法安定化のためのヒートセット、コロナ処理、プラズマ処理、他種樹脂封止シート等とのラミネーション等を行ってもよい。さらに、本実施形態に係る樹脂封止シートは、表面層及び内層のうちの少なくとも一つの層が架橋されていてもよく、架橋処理は電離放射線の照射が用いられ、パーオキサイド等の架橋剤を併用してもよい。なお、架橋処理はエンボス加工の前後のいずれで行ってもよい。
〔封止方法〕
本実施形態の樹脂封止シートは各種封止材として適用できる。
本実施形態の樹脂封止シートを用いた封止方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、樹脂封止シートを構成する樹脂を軟化させ、被封止材料に密着させ、その後、樹脂を固化する方法が挙げられる。
長期耐久性が必要な場合は、安定した固定状態を得るため、樹脂封止シートと被封止材料との間に隙間なく密着させた形態とすることが好ましい。このような場合は、通常、真空ラミネート方法等の空気を排除した方法が用いられるが、これに限られるものではない。
ここで、前記「樹脂封止シートを構成する樹脂を軟化させる」とは、樹脂封止シートに熱等の所定のエネルギーを与え、樹脂封止シートを構成する樹脂を軟化状態にすることを意味する。前記エネルギーとしては、以下に限定されるものではないが、加熱が簡便であるため好ましい。さらに、樹脂への熱の与え方は、直接電熱線等で加熱してもよく、輻射熱等の間接的な方法であっても、樹脂の分子鎖を振動させて樹脂自身を分子運動させて発熱させる方法であってもよい。
〔用途〕
本実施形態の樹脂封止シートは、太陽電池モジュール用の樹脂封止シートとして利用することができる。
太陽電池モジュールは、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス板/樹脂封止シート/太陽電池用セル/樹脂封止シート/バックシートの積層構造を有するものが挙げられる。
当該太陽電池モジュールは、例えば、上記の積層体に加熱処理を施し、樹脂封止シートを構成する樹脂を軟化させ、全体をラミネートすることにより製造することができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の評価方法を以下に示す。
〔評価方法〕
以上のようにして得られた電子線照射処理後の樹脂封止シートについて、セル割れとPID現象を以下のようにして評価した。
(セル割れ(EL試験))
セル割れの評価に用いるモジュールを以下のようにして製造した。
片面をエンボス加工された白板強化ガラス(旭硝子製、20cm×20cm)洗浄品のエンボス面に、後述する実施例及び比較例の樹脂封止シート/単結晶シリコンセル/後述する実施例及び比較例の樹脂封止シート/バックシートの順に重ね、真空ラミネート装置(NPC製、LM−60×70−S)を用いて150℃、10分の条件で真空ラミネートした。
セル割れについては外観を観察するとともに、太陽電池EL検査装置(株式会社アイテス製、PVX−300)で発光させて幅1mm、長さ1cm以上のクラックが入っているかどうかを観察した。
EL試験の結果、クラックがなければ良好:○、クラックが1つでもあれば不良:×として評価した。
(PID試験)
PID試験の用いるモジュールを、上記セル割れ(EL試験)評価用のモジュールと同様の方法で製造した。
PID試験については、モジュールを温度60℃、湿度85%の状況下で1000Vの印加電圧を96時間かけたときに、出力低下が5%未満であれば良好:○、出力低下が5%以上であれば不良:×として評価した。
なお、EL試験の結果が「不良」であった場合、その後のPID試験は行わず「−」と表記した。
〔実施例1〜3〕
樹脂としてEVA樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、製品名EM6415(エチレンモノマー含有率86質量%))、PO樹脂(ダウ・ケミカル株式会社製、製品名EG8411)、VLDPE樹脂(ダウ・ケミカル株式会社製、KC−8852G)を用いた。
前記樹脂と、カップリング剤(信越シリコーン株式会社製、製品名KBM−503)、紫外線吸収剤(株式会社ADEKA製、製品名アデカスタブ1413)0.2質量%、酸化防止剤(株式会社ADEKA製、製品名アデカスタブAO−50)0.1質量%、光安定剤(BASF製、製品名チヌビン622)0.1質量%(以下、添加剤の3種類をまとめて「添加剤」と記載する。)を用い、これらを適宜組み合わせて混合し、表面層及び内層を構成するための樹脂組成物を製造した。
前記樹脂組成物を2台の押出機を用いて溶融し、Tダイからシート状に溶融押出して、下記表1に示す層構成の樹脂シートを製造した。
なお、表1中の層比率は、表面層/内層/表面層の厚みの比率を示す。
上記のようにして得られた樹脂シートに対して電子線照射処理を行った。
電子線照射装置としてはEPS−800kV機(日新ハイボルテージ社製)を用いた。
〔比較例1〜4〕
樹脂としてEVA樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、製品名EM7830(エチレンモノマー含有率72質量%)、EM6415(エチレンモノマー含有率86質量%))、PO樹脂(ダウ・ケミカル株式会社製、製品名EG8411)を用いた。
前記樹脂と、カップリング剤(信越シリコーン株式会社製、製品名KBM−503)、前記添加剤(実施例1〜3の分量と同様とする。)を用い、これらを適宜組み合わせて混合し、表面層及び内層を構成するための樹脂組成物を製造した。
前記樹脂組成物を2台の押出機を用いて溶融し、Tダイからシート状に溶融押出して、下記表1に示す層構成の樹脂シートを製造した。
上記のようにして得られた樹脂シートに対して電子線照射処理を行った。
電子線照射装置としてはEPS−800kV機(日新ハイボルテージ社製)を用いた。
〔比較例5〕
樹脂としてEVA樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、製品名EM6415(エチレンモノマー含有率86質量%)を用いた。
前記樹脂と、カップリング剤(信越シリコーン株式会社製、製品名KBM−503)とを表1に示す組成で混合し、樹脂組成物を製造した。
前記樹脂組成物を押出機を用いて溶融し、Tダイからシート状に溶融押出して単層の樹脂シートを製造した。
その後、得られた樹脂シートに対して電子線照射処理を行った。
電子線照射装置としてはEPS−800kV機(日新ハイボルテージ社製)を用いた。
Figure 2015211208
表1中の文言の意味を以下に示す。
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体
VLDPE:超低密度ポリエチレン
PO:ポリオレフィン系樹脂
EM6415(Et=86wt%):EVA樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、製品名EM6415(エチレンモノマー含有率86質量%)
KBM−503 1.0%:カップリング剤(信越シリコーン株式会社製、製品名KBM−503)
EM7830(Et=72wt%):EVA樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、製品名EM7830(エチレンモノマー含有率72質量%)
EG8411:PO樹脂(ダウ・ケミカル株式会社製、製品名EG8411(密度0.880g/cm3、MFR18g/10min))
KC−8852G:VLDPE樹脂(ダウ・ケミカル株式会社製、製品名KC−8852G(密度0.875/cm3、MFR10g/10min))
表1に示すように、実施例1〜3においては、樹脂封止シートとして実用上十分な基本性能(柔軟性、セル割れが起こらない)を有し、かつPID現象を効果的に抑制可能な樹脂封止シートが得られた。
本発明の太陽電池用樹脂封止シートは、太陽電池モジュール用の樹脂封止シートとして産業上の利用可能性を有している。

Claims (4)

  1. 表面層、及び内層を有し、2層以上から構成される樹脂封止シートであって、
    前記表面層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含み、
    前記表面層のエチレンモノマーの含有率が、前記表面層を構成する樹脂の80質量%以上であり、
    前記表面層と前記内層は、異なる樹脂により形成されている、
    樹脂封止シート。
  2. 前記表面層に隣接する内層が、ポリオレフィン系樹脂を含有する、請求項1に記載の樹脂封止シート。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を含む、請求項2に記載の樹脂封止シート。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂封止シートを具備する太陽電池モジュール。
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