JP2010007035A - 樹脂封止シート - Google Patents

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Abstract

【課題】接着性や隙間埋込み性に優れ、製造工程や使用中における水分の侵入や、樹脂や系内に含まれる低分子量物や分解物成分による性能低下の防止を図る樹脂封止シートを提供する。
【解決手段】少なくとも樹脂層を具備し、捕捉剤が担持されている樹脂封止シートを提供する。捕捉剤が、アルカリ土類金属酸化物又は硫酸塩が好適なものとして利用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂封止シートに関するものである。
近年、化石燃料の枯渇や二酸化炭素の増加による地球温暖化が深刻な問題となる中、省エネルギー関連技術や再生可能エネルギー関連技術の開発が急務となっている。
省エネルギー関連技術の分野においては、例えば、有機EL等のバックライトユニットを用いない発光素子を光源とする技術が挙げられる。
また、再生可能エネルギー関連技術の分野においては、例えば、風力、地熱、太陽光発電等が挙げられる。
特に、近年においては、発電効率及びコストの観点から優れている太陽光発電(太陽電池)が注目されている。
上記有機ELや太陽電池には、所定の発光素子や発電素子が用いられているが、これらの素子は、一般的に外気や水分に対する耐久性が低いものであるため、素子を耐久性のある材料にて封止して保護する必要がある。
特に太陽電池は、屋外使用環境下で、かつ例えば20年程度の長期間に亘って実用上十分な耐久性を要求されるため、素子等の部材を保護するための封止技術の開発は極めて重要である。
従来から太陽電池としては、単結晶シリコンや多結晶シリコンを用いたものが知られているが、コスト低減化の観点や材料資源の確保の観点から、薄層シリコン系、銅−インジウム−セレン系等の化合物半導体系、色素増感系、有機化合物系等の様々なタイプの太陽電池の開発が進められている。しかしながら、これらの太陽電池は、前述の結晶系材料よりなる太陽電池と比較して、外気や水分に対する耐久性に劣るため、特に素子部を保護するための封止技術の向上が要求されてきていた。
従来において、外気や水分から素子を保護するために封止する方法としては、例えば、素子を、ガラス、アクリル、ポリカーボネート等の透明基盤と、バックシートと称されるシートとの間に、樹脂封止シートを介して挟み込み、これらを一体化(モジュール化)する方法が知られている。
具体的には、透明基盤/樹脂封止シート/素子/樹脂封止シート/バックシートの順に積層し、真空ラミネーター等を用いて樹脂封止シートの融点以上での温度で熱圧着して封止する。
前記樹脂封止シートとしては、例えば、カップリング剤と架橋剤を用いたエチレン−酢酸ビニル(EVA)系の樹脂封止シートが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この樹脂封止シートは、太陽電池とのモジュール化の際に、良好な接着性、隙間埋込み性を発揮し、かつ架橋処理がなされているため、高温度環境下での使用した場合にも十分な機械強度を発揮できる点で優れている。
また、その他の樹脂封止シートとしては、平均粒径が5μm以下の受酸剤を、0.2質量%以下の少量で含有するエチレン−酢酸ビニル(EVA)フィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この樹脂封止シートは、透明性に優れておりモジュール製造工程にて加水分解により発生する酢酸ガスを捕捉できるという点で優れている。
特開昭58−60579号公報 特開2005−29588号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、エチレン−酢酸ビニル(EVA)の水蒸気透過率が大きく、EVAと透明基盤やバックシートとの間に水分が侵入した場合、容易に素子まで浸透し、性能低下を引き起こすという問題があった。
また、EVAの構成成分には酢酸ビニルが含まれているため、太陽電池モジュールの製造過程における加熱や、長期使用中の加水分解で酢酸ガスが発生した際に、素子の性能低下を引き起こすという問題もあった。
また、特許文献2に開示された技術においては、樹脂封止シートの透明性を優先しているために受酸剤の量が0.2質量%以下と少なく、太陽電池モジュールの製造過程における加熱で発生する酢酸ガスの捕捉は好適に行われるが、長期使用中の加水分解で発生する酢酸等のガスの捕捉や水分の捕捉機能としては、実用上十分ではないという問題があった。
そこで本発明においては、接着性と隙間埋め性とに優れ、しかも素子を長期に亘り保護し得る樹脂封止シートを提供する。
上記事情に鑑み、本発明者らは、樹脂封止シートの組成に関して鋭意検討を行った結果、樹脂層に、水及び/又はガスの捕捉剤を担持させることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1の発明においては、樹脂層を有し、水及び/又はガスの捕捉剤が担持されている樹脂封止シートを提供する。
請求項2の発明においては、前記捕捉剤が、アルカリ土類金属酸化物又は金属硫酸塩である請求項1に記載の樹脂封止シートを提供する。
請求項3の発明においては、前記樹脂層が、エチレンモノマーと、酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、又は脂肪族不飽和カルボン酸エステルのいずれかより選択される少なくとも一種類のモノマーとの共重合体、ポリエチレン系ポリマー、ポリプロピレンポリマーから選択される少なくとも一種類を含む樹脂よりなる請求項1又は2に記載の樹脂封止シートを提供する。
請求項4の発明においては、少なくとも2層以上の多層構造よりなり、少なくとも一主面に前記樹脂層を有している請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂封止シートを提供する。
請求項5の発明においては、前記捕捉剤が樹脂中に分散されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂封止シートを提供する。
請求項6の発明においては、少なくとも一主面に前記捕捉剤が塗布されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
請求項7の発明においては、太陽電池を構成する部材保護用の封止材である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の樹脂封止シートを提供する。
本発明によれば、接着性と隙間埋め性とに優れ、しかも素子を長期に亘り保護し得る樹脂封止シートが提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施の形態における樹脂封止シートは、主に太陽電池に用いられる半導体素子や、フラットパネルディスプレイ等に用いられる有機EL等の発光素子等を、外気や水分から保護する封止樹脂シートに関するものであり、接着性や隙間埋込み性に優れ、製造工程や使用中における水分の浸入や、樹脂や系内に含まれる低分子量物や分解物成分による性能低下の防止を図った樹脂シートである。
本実施の形態における樹脂封止シートは、樹脂層を有し、水及び/又はガスの捕捉剤が担持されている。以下、構成を詳細に説明する。
〔樹脂層〕
樹脂層を構成する樹脂は、良好な接着性や隙間埋め性を得る観点から、エチレンモノマーと、酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステルのいずれかより選択される少なくとも1種類以上のモノマーとの共重合体であるポリマー(以下、単に共重合体と略記することがある。)、ポリエチレン系ポリマー、又はポリプロピレン系ポリマーのいずれかを、少なくとも1種類以上を含む樹脂、又はそれらの混合物である。
共重合体の重合は、高圧法、溶融法等のいずれの方法も適用でき、さらに、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒を用いてもよい。
また、各モノマーの重合時の接合形状は、ランダム結合、ブロック結合等のいずれであってもよいが、高圧法を用いてランダム結合により重合したエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す)、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体が好ましい。
エチレンモノマーと酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステルの共重合比について説明する。
樹脂層を構成する樹脂がEVAの場合、良好な接着性と柔軟性を得る観点から、共重合体全体に対する酢酸ビニルの割合は、10〜40質量%が好ましく、13〜35質量%がより好ましく、15〜30質量%がさらに好ましい。
前記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の具体例を下記に挙げる。
例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、EAAと記す。)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、EMAAと記す。)、エチレン−アクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールの成分より選ばれる)共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールの成分より選ばれる)共重合体等が挙げられ、これらは更にその他の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸および同エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。これらのカルボン酸又はカルボン酸エステル基の含有量は、通常3〜35質量%のものが用いられる。
更に、最終的に目的とする樹脂封止シートに良好な加工性を確保する観点から、MFR:メルトフロートレート、(190℃、2.16kg)が0.3〜30g/10minのものが好ましく、0.5〜30g/10minがより好ましく、0.8〜25g/10minがさらに好ましい。
ポリエチレン系ポリマーについて説明する。ポリエチレン系ポリマーとは、公知の長鎖分岐を有するエチレンの単独重合体の他、小量のα−オレフィンで変成した共重合体を含むものとする。
具体的には、ポリエチレン系ポリマーとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と呼ばれているもの)、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、α−オレフィン共重合体よりなる軟質重合体(例えば、エチレン及び/又はプロピレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンから選ばれる1種、又はそれ以上のα−オレフィン又は自由な組み合わせからなる軟質の共重合体が挙げられ、そのX線法による結晶化度が一般に30%以下のもの)等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体は、一般的に、シングルサイト系触媒、又はマルチサイト系触媒と呼ばれる触媒を用いて重合できるが、特にシングルサイト系触媒により重合されたものが好ましい。また更には、エチレンコモノマー、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー、及びオクテンコモノマーから選ばれるいずれか一つのコモノマーとの共重合体が、一般に樹脂メーカーも多く入手しやすく好適である。
ポリエチレン系ポリマーの密度は、良好なクッション性を得る観点からは、0.860〜0.930g/cm3の範囲が好ましく、0.870〜0.923g/cm3の範囲がより好ましく、0.870〜0.915g/cm3の範囲がさらに好ましい。
一方、密度が0.930g/cm3を超えると、目的とする樹脂封止シートにおいて透明性が劣化する傾向がある。
良好な透明性を確保したまま高密度の樹脂を使用する場合には、30質量%程度の低密度ポリエチレンを加えることが手段として挙げられる。
ポリプロピレン(以下、PPと略記することもある。)系ポリマーについて説明する。ポリプロピレン系ポリマーとは、公知のプロピレンの単独重合体の他、ポリプロピレン共重合体も含むものとする。
ポリプロピレン共重合体としては、プロピレンとエチレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレンとブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの3元共重合体等が挙げられる。
これらの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等のいずれでもよく、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンとブテンとのランダム3元共重合体が好ましい。
上記ポリプロピレン共重合体は、樹脂封止シートの硬さや腰を高めたり、耐熱性を上げたりする等の機能を発揮する。ポリプロピレン共重合体には、ホモのポリプロピレン、プロピレン含量が70質量%以上のプロピレンと他のα−オレフィン(エチレンの他、炭素数4〜8のもの)の1種または2種以上との共重合体であって、チーグラー・ナッタ触媒のような従来の触媒で重合されたものだけでなく、前述のメタロセン系触媒等で重合されたシンジオタクチックPPやアイソタクチックPPも含まれる。
更に、ポリプロピレン共重合体は50質量%程度までの高濃度のゴム成分を均一微分散したものであってもよい。
更に、ポリプロピレン系共重合体が3元共重合体であり、プロピレン含有量が60〜80質量%、エチレン含有量が10〜30質量%、ブテン含有量が5〜20質量%のものは熱収縮性が良くなるのでより好ましい。
さらに、ポリブテン系ポリマーは、樹脂封止シートの硬さや腰の調整の他、ポリプロピレン系ポリマーとの相溶性が特に優れるため、好ましくはポリプロピレン系ポリマーと併用することもできる。上記ポリブテン系ポリマーとしては、ブテン−1含量70モル%以上の結晶性で他の単量体(エチレン、プロピレンの他、炭素数5〜8のオレフィン系)の1種または2種以上との共重合体をも含む高分子量のものが用いられる。これは、液状およびワックス状の分子量のものとは異なり、MFR(190℃、2.16kg)が、通常0.1〜10g/10minのものである。好ましいポリブテン系樹脂としては、ビカット軟化点が40〜100℃の共重合体である。ここで、ビカット軟化点はJIS K7206−1982に従って測定される値である。
ポリプロピレン系ポリマーのJIS−K−7210に準じて測定されるメルトフローレートの値(230℃、2.16kgf)は、0.3〜15.0g/10minが好ましく、より好ましくは0.5〜12g/10min、さらに好ましくは0.8〜10g/10minである。
〔水及び/又はガスの捕捉剤〕
水及び/又はガスの捕捉剤(以下、単に捕捉剤と称する。)について説明する。
捕捉剤とは、水分やガスを物理的又は化学的に捕捉し、固定化する機能を有する物質である。
ガスとは、樹脂に含まれていたり、あるいは軟化工程中で発生したりする低分子量物や分解物であり、常温定圧下で揮発性を有する物質のことである。
捕捉剤は、水分やガスの捕捉機能を有していれば、特に材料を限定するものではない。
例えば、ゼオライト、アルミナ、モレキュラーシーブ、酸化ケイ素等の多孔質無機材料や金属合金、金属酸化物や金属酸化物塩(金属と酸化物の塩)等が挙げられる。特に、金属合金、金属酸化物、金属酸化物塩等は、水分及びガスを化学的に捕捉でき、一旦捕捉した成分を系外に再び放出しないため好適である。
金属合金としては、例えば、ジルコニウムやストロンチウムと、アルミニウムやチタン等との合金系が好適に用いられる。これらの金属合金系は、一般的に外部からの加熱や、通電による加熱により、捕捉機能を発揮する。
金属酸化物や金属酸化物塩としては、例えば、アルカリ土類金属酸化物、金属硫酸塩等が好適に用いられる。
アルカリ土類金属酸化物としては、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化マグネシウム(MgO)等が挙げられる。
金属硫酸塩としては、例えば、硫酸リチウム(Li2SO4)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、硫酸コバルト(CoSO4)、硫酸ガリウム(Ga2(SO43)、硫酸チタン(Ti(SO42)、硫酸ニッケル(NiSO4)等が挙げられる。
次に、捕捉剤を担持させる方法について説明する。
例えば、捕捉剤の層を具備する成形体を樹脂層を構成する所定のシートに貼付する方法、捕捉剤を樹脂封止シートを構成する樹脂層あるいはその他の所定の層中に含有させる方法、捕捉剤を所定のシートの少なくとも一主面に塗布する方法等が挙げられる。なお「一主面」とは、樹脂封止シートの表面あるいは裏面を意味する。また、捕捉剤をシート(樹脂層)に貼付したり、塗布したりした後、更に押出しラミネート等により樹脂層を形成し、捕捉剤層を内層とした構成としてもよい。
捕捉剤を具備する成形体を貼付する方法について説明する。
例えば、所定のステンレスシート上に捕捉剤を塗布し、400〜1000℃程度の温度で1〜5時間程度焼成し、厚さ50〜500μm程度の捕捉剤層を形成する。続いて、捕捉剤層に粘着剤を付して、樹脂層を構成する所定のシートに捕捉剤を転写する方法が挙げられる。
また、得られた捕捉剤層を熱ラミネートにより直接樹脂封止シートに転写する方法等が挙げられる。
捕捉剤を、樹脂封止シートを構成する樹脂層中に含有させる方法について説明する。
樹脂と捕捉剤を押出し機中で混合して製膜する方法、予め捕捉剤を樹脂中に高濃度含有させたマスターバッチを作成しておき、製膜時に混合する方法等が挙げられる。
上記のように捕捉剤を樹脂封止シートの樹脂層中に含有させる場合、捕捉剤の粒径は50μm以下であることが好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。
捕捉剤の粒径が50μm以下であると、製膜時破断の発生や異物として表面に析出してしまったりすることを防止できるため好ましい。
捕捉剤の含有量は、捕捉剤の種類や樹脂封止シートの厚さに応じて設定する。具体的には、捕捉剤と樹脂成分の合計量を100質量%としたとき、捕捉剤/樹脂成分が1/99〜70/30であるものとし、2/95〜40/60が好ましく、3/97〜50/50がさらに好ましい。
捕捉剤の含有量が1質量%以上であると捕捉能力が十分発揮できるため好ましい。
また、含有量が70質量%以下であると、製膜時の安定性が高く好ましい。
捕捉剤を塗布する方法については、従来公知の方法が適用できる。例えば、スプレー塗布法、バーコート法、グラビア印刷法等が好適であるが、これらに限定されることはない。
捕捉剤を塗布する場合、捕捉剤の粒径は、50μm以下であることが好ましく、30μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。捕捉剤の粒径が50μm以下であると、塗布時に目詰まり等の発生を回避でき好ましい。
塗布用の溶媒は、特に制限されることはないが、含水量の少ない非プロトン系の溶媒が好ましい。また、溶液中にバインダー成分として、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のバインダー成分を配合してもよい。また更に、分散助剤等を添加してもよい。
本実施の形態における樹脂封止シートは、2層以上の多層構成とすることができる。
樹脂封止シートを多層構造とした場合、上述した樹脂層を少なくとも一主面に形成されていれば、種々の形態とすることができる。例えば上述した樹脂層を表層とし、内層や下層として、クッション性やバリア性等を有する所定の樹脂層を設けたり、上述した水及び/又はガスの捕捉剤を含有する所定の樹脂層を設けたりすることにより、良好な接着性や段差埋め込み性を確保しつつ上記各機能も発揮できる。
また、樹脂封止シートのリサイクル材を中間層材料として使用することにより、コスト低減化が図られる。
上記クッション性を向上させるためには、内層や下層として熱可塑性エラストマーを含有する層を設けることが好ましい。
熱可塑性エラストマーとは、常温でゴム弾性を示し、かつ熱可塑性を有するものであり、共重合体ゴムと所定の重合体が任意の質量比で配合されたものをいう。
共重合体ゴムは、熱可塑性エラストマー中において未架橋、部分架橋、全体架橋等の状態で存在することができる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系、スチレン系、塩ビ系、ポリエステル系、ウレタン系、塩素系エチレンポリマー系、ポリアミド系等のものを適用でき、生分解性を有するものや、植物由来原料系等の材料であってもよい。特に、結晶性ポリプロピレン系樹脂との相溶性が良好で、透明性が良好な水素添加ブロック共重合体エラストマー、プロピレン系共重合エラストマー、エチレン系共重合体エラストマーが好ましく、水素添加ブロック共重合体エラストマー、プロピレン系共重合エラストマーがより好ましい。
水素添加ブロック共重合体エラストマーとしては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体が好ましい。ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
次に、樹脂封止シート加工性の観点について検討する。
良好な加工性を確保する観点から、樹脂封止シートの樹脂層やその他の層を構成する樹脂のMFR(190℃、2.16kg)は、0.5〜30g/10minのものが好ましく、0.8〜30g/10minのものがより好ましく、1.0〜25g/10minのものがさらに好ましい。
二層以上の多層構造の場合、表面層がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体より選ばれる少なくとも1種類の樹脂よりなる場合には、隣接する内層や下層を構成する樹脂のMFRは、樹脂封止シート加工の観点より表面層のMFRより低いことが好ましい。
本実施の形態における樹脂封止シートには、特性を損なわない範囲で、各種添加剤、例えば、カップリング剤、防曇剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、アンチブロッキング剤、無機フィラー、架橋調整剤等を添加してもよい。添加方法は、液体の状態で溶融樹脂に添加してもよく、直接対象樹脂層に練り込み添加してもよく、シーティング後に塗布してもよく、特に限定されるものではない。
本実施の形態における樹脂封止シートが、太陽電池の樹脂封止シートとして使用される場合は、高温下における耐熱性が要求されるため、少なくとも樹脂層が架橋されていることが好ましい。
架橋の方法は、樹脂に有機過酸化物等の架橋剤を配合する方法、電離性放射線を用いて架橋する方法等が挙げられるが、電離性放射線を用いて架橋すると、有機過酸化物に起因する低分子量分解物によるガスの発生が無いためより好ましい。
架橋剤を使用する場合、従来公知の架橋剤を使用できるが、分解温度(半減期が1時間程度)が100〜200℃程度の有機酸化物が好適である。
例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ジクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエート、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの有機過酸化物の添加量は、EVA100質量部に対する配合量は0.5〜5質量部程度が好ましい。
電離性放射線を用いて樹脂を架橋する方法について説明する。
本実施の形態における樹脂封止シートに、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を照射し、シートを構成するポリマーを架橋させる方法が適用できる。
電子線等の電離性放射線照射線量は、3〜500kGyが好ましいが、所望の架橋率を達成するため、照射密度や照射強度を調整してもよい。
電離性放射線の照射線量は、照射する樹脂により異なるが、一般的に3kGy未満の場合、均一な架橋樹脂封止シートを得られなくなる。また、電離性放射線の照射量が500kGyを超えると樹脂封止シートの流動性が低下し、段差の埋め込み性が低下するため好ましくない。
本実施の形態における樹脂封止シートの樹脂層には安定した接着性を確保する目的でカップリング剤等の添加剤を添加してもよい。
添加剤の種類や添加量は、所望の接着性の度合いや被接着物の種類に応じて選定する。
添加量は、樹脂層を構成する樹脂に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.03〜4質量%がより好ましく、0.05〜3質量%がさらに好ましい。
カップリング剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体より選ばれる少なくとも1種類の樹脂であるエチレン系共重合体中において、太陽電池セルやガラス等に良好な接着性を付与するものを選択する。例えば、有機シラン化合物、有機シラン過酸化物、有機チタネート化合物が挙げられる。
上記カップリング剤の添加方法は、公知の方法を適用できる。例えば、押出機内で樹脂に注入混合したり、押出機ホッパー内に混合して導入したり、事前にマスターバッチ化して混合して添加したりする等の方法が挙げられる。
しかしながら、押出機を経由する際、押出機内の熱や圧力等により機能を阻害される場合があるため、カップリング剤の種類によっては、適宜添加量を調整する必要がある。
また、樹脂と混合した場合、透明性や分散具合や押出機への腐食や押出安定性の観点から適宜選択することが望ましい。
カップリング剤の具体例としては、例えば、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラングリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の不飽和基やエポキシ基を有するものが挙げられる。
その他の添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等を添加できるが、樹脂封止シートの長期間使用に亘る透明性や接着性を維持するためには、これらの添加量は、樹脂層を構成する樹脂に対して0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系、アミン系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系等が挙げられる。
紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等は、樹脂層のみではなく、その他の中間層や下層等を構成する樹脂中に添加してもよい。この場合の含有量は、樹脂に対して0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
〔樹脂封止シートの作製方法〕
次に、樹脂封止シートの作製方法について説明する。
樹脂封止シートは、例えば、Tダイ押出し法、カレンダー法、インフレーション法等の公知の方法により作製できるが、特にインフレーション法が好適である。
インフレーション法とは、環状のダイより樹脂を溶融押出し、冷却固化した後、1対のニップロールにて円筒形の樹脂チューブを封止し、その円筒形の樹脂チューブに空気を入れて製膜する方法である。この方法はチューブ状にほぼ一定の厚さのシートが作製できる。
また、上記方法において、押出機の能力が十分に高い場合に、十分な量の溶融樹脂を環状ダイより押出し、樹脂チューブの径を環状ダイの径と略同じ大きさ又は環状ダイの径よりも大きくすると、冷却固化されるまでの間に、厚い部分が優先的に引き伸ばされるため、樹脂封止シートの膜厚精度が格段に向上し、均一な厚さの樹脂封止シートが得られる。
上記のような環状ダイを使用した場合には、設備的にはTダイを使用した製膜方法やカレンダー製膜方法に比べ、格段に設備コストが抑制でき、安価な設備で高速に均一の樹脂封止シートを作製でき、高いコストメリットが得られる。
また、上記のような環状ダイを使用した製膜方法は、他の方式の製膜方法と比較して多層構成のシートを作製する場合に有利である。例えば耐光剤、紫外線吸収剤等の添加剤等の機能材料を含有させた層、水及び/又はガスの捕捉剤を含有させた捕捉剤層、ガスバリア層等の各種機能層を容易に設けることができる。
またさらに、本実施の形態における樹脂封止シートは、所定のエンボス加工や印刷加工等の公知の方法を用いて、他の機能を付与することもできる。また、ヒートセット、コロナ処理、プラズマ処理、電離性放射線による樹脂の架橋、その他ラミネーション等を行うことができる。
本実施の形態における樹脂封止シートは、厚さが50〜1500μmであることが好ましく、100〜1000μmがより好ましく、150〜800μmがさらに好ましい。
厚さが50μm未満であると、構造的にクッション性が乏しい場合や作業性の観点で、耐久性や強度に問題が生ずる。一方、厚さが1500μmを超えると、生産性の低下や密着性の低下を招来するという問題が生じる。
本実施の形態における樹脂封止シートは、太陽電池を構成する素子等の部剤を保護するための封止材として有効である。具体的には、所定のエネルギーを与えて樹脂層を発熱させて軟化させ、この軟化状態を利用して所定の他の部材に密着させて封止する機能を有するものである。
エネルギーを与える方法としては、例えば、直接熱を与える方法の他、輻射熱等の間接熱や超音波等の振動発熱等を利用する方法が挙げられる。
具体的に、太陽電池セルを封止する場合を挙げて説明する。
例えば、本実施の形態における樹脂封止シートをガラス/樹脂封止シート/シリコン系のセル等の発電部分(素子)/樹脂封止シート/バックシートの順に積層し、真空ラミネーターを用いて、内部の気泡等を排除し、加熱して樹脂を軟化させ、貼り合わせる。これにより封止状態が形成できる。
これにより、良好な接着性及び段差埋め込み性を確保しつつ、モジュールの製造時や長期使用中における水分やガスの侵入に起因する性能低下を効果的に防止した樹脂封止シートが得られる。特に屋外で使用されることが多く、かつ長期間に亘る耐久性が要求される太陽電池や、水分に対する耐久性の低い有機EL等に対し、顕著な効果が発揮される。
ガラスは、水蒸気バリア性が高く、長期の使用に際して水分の侵入を遮断できるが、反対側のバックシートとしては、通常、ガラス基盤と比較して水蒸気バリア性が低い樹脂系のシートが使用されるため、高い水蒸気捕捉機能が要求され、バックシートに隣接して本実施の形態における樹脂封止シートを設けることは有効である。
また、バックシート側は透明性が要求されないため、捕捉剤の含有量を高くすることができるという利点を有している。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて樹脂封止シートについて説明する。
先ず、後述する樹脂封止シートの特性の評価方法を下記に示す。
<ゲル分率>
沸騰p−キシレン中で、サンプルを12時間抽出し、不溶解部分の割合を、下記式により求めた。樹脂封止シートの架橋度の尺度として評価した。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料質量/抽出前の試料質量)×100
<密度>
JIS―K−7112に準拠して測定した。
<MFR>
JIS―K−7210に準拠して測定した。
<融点>
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、樹脂約5mgを0℃から200℃まで20℃/分の速度で昇温させ、200℃で5分間溶融保持した後に−50℃以下まで急冷し、次いで0℃から200℃まで20℃/分で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークの温度を融点とした。
<粒径>
捕捉剤の粒径を、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−3100)を用いて、測定波長690nmにおける平均粒径を測定した。
<ガラスとの密着性>
太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cm×10cm角:厚さ3mm)と、後述する実施例、比較例で作製した評価対象の樹脂封止シートとを重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて、150℃、20分間、真空下で加熱し、ラミネートサンプルを10個作成した。
ラミネート後、樹脂封止シートと太陽電池用ガラス板を手ではがして評価を行った。
○:10個中、全てが強固に接着して剥離しない。(良好)
△:10個中、8個以上が強固に接着して剥離しない。(良好)
×:10個中、3個以上が剥離する。(不良)
<隙間埋め評価>
太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス10cm×10cm角:厚さ3mm)/比較例1の樹脂封止シート/鉄板(ティンフリースチール JFE製 5cm×5cm、厚さ300μm)/評価対象の樹脂封止シート/2軸延伸PETフィルム(帝人デュポン製 厚さ250μm)の順に積層し、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて150℃、20分間真空下にて加熱してラミネートし、サンプルを得た。
鉄板と樹脂封止シートとの接触状況をガラス板側から目視にて確認し評価した。
〇:鉄板と樹脂封止シートとの接触部分に全く隙間が生じない。(良好)
△:鉄板と樹脂封止シートとの接触部分に長さが1mm以下の隙間が生じる。(良好)
×:鉄板と樹脂封止シートとの接触部分に長さが1mm以上の隙間が生じる。(不良)
<水及びガスの捕捉性>
上記の隙間埋め評価において作製したサンプルを、85℃、85%RHの環境下で、1000時間放置し、鉄板の錆びの発生状況を評価した。
○:鉄板に錆びが全く発生していない。
△:鉄板の一部のみに錆が発生している。
×:鉄板に全面に錆が発生している。
〔実施例1〕
下記表1に示す材料を用いて積層体を得、この積層体の一主面に捕捉剤層を貼り付けた構成の樹脂封止シートを作製した。
表面層を構成する樹脂層材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量VA=28%、MFR=5.7g/10min、融点72℃)に、架橋剤(アルケマ吉冨社製ルペロックス101)1質量%添加したものを用いた。
内層材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MFR=5.7g/10min、融点72℃)に、架橋剤(アルケマ吉冨社製ルペロックス101)1質量%添加したものを用いた。
2台の押出機(表面層押出機、内層押出機)を使用して樹脂を溶融し、その押出機に接続された環状ダイから樹脂をチューブ状に溶融押出し、形成されたチューブを水冷リングにて急冷し、樹脂シートを得た。
続いて、予め900℃でステンレス基材(厚さ0.5mm)上にて焼成処理をしたCaOのペースト(粒径15μm、厚さ100μm、大きさ2cm×2cm、1m2当り100個)を樹脂シートに70℃で熱ラミネートによりシート表面へ転写し、樹脂封止シートを得た。
〔実施例2〜5〕
下記表1に示すように、樹脂材料、捕捉剤の材料、架橋剤の材料を変更し、その他の条件は実施例1と同様として樹脂封止シートを得た。
樹脂封止シートに対して、EPS−800の電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製)を用いて、加速電圧及び照射密度を適宜設定して電子線処理を施し架橋処理を行った。
〔実施例6〕
下記表2に示すように、表面層を構成する樹脂層材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MFR=5.7g/10min、融点72℃)に、架橋剤(アルケマ吉冨社製ルペロックス101)1質量%添加したものを用いた。
また、内層材料として、予め900℃にて1時間加熱して十分脱水したCaO(平均粒径15μm):捕捉剤と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MFR=5.7g/10min、融点72℃)と、架橋剤(アルケマ吉冨社製ルペロックス101)とを、質量比で、30:69:1となるように、乾式混合したものを用いた。
これらの材料を2台の押出機を使用して溶融し、その押出機に接続された環状ダイからチューブ状に溶融押し、形成されたチューブを水冷リングにて急冷し、樹脂封止シートを得た。
〔実施例7〜10〕
下記表2に示すように、樹脂材料、捕捉剤の材料、架橋剤の材料を変更し、その他の条件は実施例6と同様として樹脂封止シートを得た。
樹脂封止シートに対して、EPS−800の電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製)を用いて、加速電圧及び照射密度を適宜設定して電子線処理を施し、架橋処理を行った。
〔実施例11〕
下記表3に示すように、表面層を構成する樹脂層材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MFR=5.7g/10min、mp=72℃)に、架橋剤(アルケマ吉冨社製ルペロックス101)1質量%添加したものを用いた。
内層材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MFR=5.7g/10min、mp=72℃)に、架橋剤(アルケマ吉冨社製ルペロックス101)1質量%添加したものを用いた。
2台の押出機(表面層押出機、内層押出機)を使用して樹脂を溶融し、その押出機に接続された環状ダイから樹脂をチューブ状に溶融押出し、形成されたチューブを水冷リングにて急冷し、樹脂シートを得た。
続いて、予め900℃で1時間加熱して十分脱水したCaO(粒径15μm)をジメチルホルムアミド溶液に2質量%の濃度で分散させた溶液を調製し、これを、上記樹脂シート上にスプレー塗布し(厚さ20μm)、70℃で乾燥処理を施し、樹脂封止シートを得た。
〔実施例12〜15〕
下記表3に示すように、樹脂材料、捕捉剤の材料、架橋剤の材料を変更し、その他の条件は実施例11と同様として樹脂封止シートを得た。
樹脂封止シートに対して、EPS−800の電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製)を用いて、加速電圧及び照射密度を適宜設定して電子線処理を施し、架橋処理を行った。
〔比較例1〜5〕
下記表4に示すように、捕捉剤を担持させず、その他の条件は各々実施例1〜5と同様の方法として樹脂封止シートを得た。
Figure 2010007035
Figure 2010007035
Figure 2010007035
Figure 2010007035
なお、表1〜表4において、矢印[←]は、それが指す欄と共通していることを意味する。表1〜表3に示すように、実施例1〜15の樹脂封止シートは、ガラスとの密着性、隙間埋め評価、及び水及びガス捕捉性の評価において、実用上良好な特性が得られた。
特に実施例2、7、12においては、それぞれ実施例1、6、11と比較すると、水及びガス捕捉性の評価がより優れていることがわかった。これは、架橋方法において実施例1、6、11が有機過酸化物を使用しているのに対し、実施例2、7、12は電子線照射を用いているためである。すなわち、電子線照射による架橋を行うと、有機過酸化物に起因する樹脂中の低分子量分解物によるガス発生が無いためである。
表4に示すように、比較例1〜5の樹脂封止シートは、ガラスとの密着性及び隙間埋め評価については実用上良好な特性が得られたが、捕捉剤を具備していないため水分等が浸透し、十分な水及びガスの捕捉機能が得られなかった。
本発明樹脂封止シートは、太陽電池の半導体素子や、フラットパネルディスプレイ等の有機EL等の発光素子等を、外気や水分から保護する封止材として産業上の利用可能性がある。

Claims (7)

  1. 樹脂層を有し、水及び/又はガスの捕捉剤が担持されている樹脂封止シート。
  2. 前記捕捉剤が、アルカリ土類金属酸化物又は金属硫酸塩である請求項1に記載の樹脂封止シート。
  3. 前記樹脂層が、エチレンモノマーと、酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、又は脂肪族不飽和カルボン酸エステルのいずれかより選択される少なくとも一種類のモノマーとの共重合体、ポリエチレン系ポリマー、ポリプロピレンポリマーから選択される少なくとも一種類を含む樹脂よりなる請求項1又は2に記載の樹脂封止シート。
  4. 少なくとも2層以上の多層構造よりなり、少なくとも一主面に前記樹脂層を有している請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
  5. 前記捕捉剤が樹脂中に分散されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
  6. 少なくとも一主面に前記捕捉剤が塗布されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
  7. 太陽電池を構成する部材保護用の封止材である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
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