JP2015210966A - コネクタ - Google Patents
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Description
コネクタハウジングの後面から引き出された各電線は、リブに回曲されて屈曲されるまでの間は、真っ直ぐに近い緩やかな傾斜姿勢に維持される。そのため、電線に外嵌されたゴム栓をキャビティの入口に嵌着してシールする構造が採られていた場合に、ゴム栓が変形することが抑えられてシール性が確保される。
(1)前記カバーの前記ガイド部が、その導出端側が、前記両半割カバーの分割方向における前記リブを立ち上げた前記半割カバー側に次第に変位するような斜め姿勢に形成されたものであって、前記両リブの根元部の間に亘って、前記ガイド部に導かれる前の前記電線を受けて持ち上げる補助リブが形成されている。
コネクタハウジングの後面から引き出された各電線が、併せてカバーの分割方向の一側に向けて斜めに屈曲される場合において、各電線の屈曲部分が補助リブで受けられて持ち上げられた状態となる。そのため、コネクタハウジングの後面から引き出された直後において、電線がカバーの分割方向の一側に曲げられる角度が緩やかにされる。
リブがカバー内の全高に亘って設けられた形態となり、リブの上端と他方の半割カバーの間に電線が噛み込まれることが防止される。また、電線が導出方向に引っ張られた際にはリブに対して曲げ方向の力が作用するが、それに抗した曲げ強度が高められる。
コネクタハウジングの後面から引き出された各電線を、相反する2方向に対して選択的に屈曲して導出することができる。
実施形態を図1ないし図16に基づいて説明する。本実施形態のコネクタCは、図1に示すように、雌側のコネクタハウジング10(以下、ハウジング10)と、同ハウジング10の後面側に装着されるカバー30とを備えており、カバー30はさらに、上下一対の半割カバー30U,30Dに分割されている。コネクタCの組立時の形状は、図11及び図16に示すようになり、機器の側壁等に設けられた相手コネクタに嵌合されるようになっている。以下、コネクタCにおける相手コネクタと嵌合される端部側(図16における左端部側)を前方として説明する。
ロックアーム15の左右両側には、ロックアーム15を保護する一対の保護壁19が、アーチ部14と繋がった形態で、ロックアーム15よりも高い位置まで立ち上がり形成されている(図1参照)。
カバー30の全体構造は、図11ないし図15に示すように、ハウジング10の外周を囲って装着される筒形のハウジング収容部31と、ハウジング収容部31の後方に連なった形態においてハウジング10の後面側に配され、電線wを屈曲させることに機能する電線屈曲部32と、電線屈曲部32の左右の側部に連なって側方に突出した左右一対の電線ガイド部33を備えている。両電線ガイド部33は詳細には、図14に示すように、真横よりも手前側に振られ、かつ図13に示すように、斜め下方に向けられた傾斜姿勢に形成されている。電線ガイド部33の突出端には、電線wを外部に導出する導出部34が形成され、導出部34は水平姿勢に向きを変えている。導出部34は、コルゲートチューブ(図示せず)の端部を嵌めて取り付けるコルゲート取付部を兼ねている。
言い換えると、上カバー30Uは、ハウジング収容部31の上半分(上収容部31U)と、電線屈曲部32における天面壁32Uと、電線ガイド部33及び導出部34の上半分(上ガイド部33U及び上導出部34U)とを備えて構成されている。
一方、下カバー30Dは、ハウジング収容部31の下半分(下収容部31D)と、電線屈曲部32における底面壁40と後面壁41とを備えた屈曲部本体32Dと、電線ガイド部33及び導出部34の下半分(下ガイド部33D及び下導出部34D)とを備えて構成されている。
ロック機構部37は、ハウジング収容部31における左右両面、電線屈曲部32における後面の左右両端部、及び左右の導出部34の前後両面の都合8箇所に設定されている。各ロック機構部37は、上カバー30Uの分断端縁35Uの外面から、弾性変位可能なロック枠38が下向きに突出して設けられる一方、下カバー30Dの分断端縁35Dの外面に、ロック枠38内に嵌って係止するロック突部39が形成されることで構成されている。
ハウジング10を下カバー30Dに載置する際の位置決め用として、下カバー30Dの下収容部31Dの底面における後端寄りの位置には、図5及び図16に示すように、左右方向を向いた位置決め溝44が形成され、同位置決め溝44内に、ハウジング10の下面の後端寄りの位置において左右方向に延びて形成された位置決めリブ21が嵌るようになっている。また、下収容部31Dの底面の後端縁が一段底上げされ、同底上げ部45の左右両端には、ハウジング10における端子収容部11の後端部の左右両面を挟む挟持部46が形成されている。なお、下収容部31Dの底面の後端縁における底上げ部45は、屈曲部本体32Dの底面壁40と面一に形成されている。
また、上収容部31Uの上面の前端部、詳細には、ロックアーム15におけるロック孔17が形成された前端部の上方に対応する領域には、幅狭の確認用開口49が切り欠き形成されている。この確認用開口49は、ロックアーム15のロック孔17と、相手ハウジングの被ロック部(図示せず)との嵌合状態を目視により確認することに適用される。
一方、上カバー30Uにおける天面壁32Uの内面には、図7に示すように、各縦リブ55の嵌合部56が嵌る左右一対の嵌合凹部58が形成されている。各嵌合凹部58における嵌合部56の高位面が嵌る部分は、上面に開口して形成されている(図7及び図8の開口部58Aと嵌合部56を参照)。
なお、下カバー30Dの屈曲部本体32Dにおける底面壁40の左右両側縁は、図1に示すように、左右の下ガイド部33Dにおける傾斜した底面の上縁と、同一高さ位置で段差なく繋がっている。
一方、図3及び図9に示すように、下カバー30Dの屈曲部本体32Dの外底面には、左右方向を向いた補強リブ64が形成されている。この補強リブ64は、後記するように、ロックアーム15のロック解除操作を行う場合の指掛け部として利用することが可能である。
コネクタCの組み立ては、以下のようにして行われる。まず、ハウジング10の左右のキャビティ13に対し、2本の電線wの端末に装着された雌端子がそれぞれ後方から挿入されて抜け止めされて収容され、併せてゴム栓がキャビティ13の後端部に密嵌されてシールされる。
係る状態から上カバー30Uが、下カバー30Dに対して分断端縁35U,35D同士を突き合わせるようにして上方から被せられる。上カバー30Uは、都合8箇所に設けられたロック機構部37において、ロック枠38をロック突部39に弾性変位して乗り上げさせつつ押し込まれ、分断端縁35U,35D同士が突き合わされたところで、ロック枠38が復元変位しつつ同ロック枠38内にロック突部39が嵌って係止され、すなわち上下のカバー30U,30Dが結合状態にロックされる。
併せて、コルゲートチューブの端部が導出部34に嵌められて取り付けられる。
そのため、キャビティ13の後端に嵌着されたゴム栓が変形することが抑えられ、シール性が確保される。
本明細書で開示される技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も含まれる。
(1)上記実施形態では、2本の縦リブがハウジングの後面を当てる仕切壁と一体に形成されている場合を例示したが、別体に形成されていてもよい。
(2)上記実施形態では、左右の電線ガイド部が、前方に振られかつ斜め下方を向いた傾斜姿勢で形成されている場合を例示したが、左右の電線ガイド部が、前方に振られることなく斜め下方を向いた傾斜姿勢に形成されたもの、さらには、斜め下方に傾斜することなくほぼ真横を向いて形成されたものについても、同様に適用することができる。
(4)上記実施形態では、ハウジングの後面から左右2本の電線が引き出されたものを例示したが、これに限らず、3本以上の電線が並べて引き出されたもの、さらには複数段に亘って引き出された形式のものにも適用可能である。
(5)上記実施形態では、カバーが上カバーと下カバーの2ピースから構成された場合を例示したが、上下いずれか一方の導出部がさらに後付け可能に別体に形成された4ピース構造としてもよい。
10…コネクタハウジング
13…キャビティ
30…カバー
30U…上カバー(半割カバー)
30D…下カバー(半割カバー)
31…ハウジング収容部
32…電線屈曲部
32U…天面壁
32D…屈曲部本体
33…電線ガイド部(ガイド部)
34…導出部
35U,35D…分割端縁
37…ロック機構部
40…(屈曲部本体32Dの)底面壁
55…縦リブ(リブ)
56…嵌合部
58…嵌合凹部
60…補助リブ
Claims (4)
- 端末に端子金具が接続された複数の電線と、
前記各電線が並列された形態においてそれぞれの前記端子金具がキャビティ内に後方から挿入されて収容されたコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングの後面側に装着され、この後面から引き出された前記各電線をその引き出し方向とは異なる方向に屈曲して導出するように挿通案内するガイド部を有するカバーとが、備えられ、
前記カバーが、前記電線の並び方向と直交する方向に分割された一対の半割カバーから構成され、前記両半割カバーの分割端縁の間には前記両半割カバーを結合状態にロックするロック機構部が設けられ、
前記カバー内には、前記コネクタハウジングの後面から後方に所定寸法離間した位置で、かつ複数の前記電線が並んだ幅領域の中央部において、2本のリブが前記電線の並び方向に沿って所定の間隔を開け、かつ一方の前記半割カバーの内面から立ち上がった形態で設けられており、
複数の前記電線は前記両リブの間に寄せて通されたのち一方の前記リブを回曲して前記ガイド部に挿通されているコネクタ。 - 前記カバーの前記ガイド部が、その導出端側が、前記両半割カバーの分割方向における前記リブを立ち上げた前記半割カバー側に次第に変位するような斜め姿勢に形成されたものであって、
前記両リブの根元部の間に亘って、前記ガイド部に導かれる前の前記電線を受けて持ち上げる補助リブが形成されている請求項1に記載のコネクタ。 - 前記両リブの上端が延出されて嵌合部が形成されるとともに、他方の前記半割カバーには、前記両リブの前記嵌合部が嵌合する嵌合凹部が形成されている請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
- 前記カバーには、2本の前記ガイド部が相反する方向に向けて延出するように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
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