JP2015210194A - 除染廃液の処理システム及びその処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子炉設備の除染廃液を処理する際に発生する高線量の二次廃棄物の発生量を低減することができる、除染廃液の処理システム及びその処理方法を提供する。
【解決手段】除染廃液の処理システム10Aは、原子炉設備の除染対象物11に薬剤12を循環させる除染廃液循環ラインL11と、除染廃液循環ラインL11に薬剤12を供給する薬剤供給部13と、除染廃液循環ラインL11から除染対象物11で用いた薬剤12から生じた除染廃液14を抜き出し、除染廃液循環ラインL11に再度戻す除染廃液処理ラインL21と、除染廃液処理ラインL21に設けられ、除染廃液14を電析処理する複数の副電極21を有する電解槽22と、除染廃液処理ラインL21の電解槽22の後流側に設けられ、除染廃液14に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂23aを有するアニオン樹脂槽23と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、除染廃液の処理システム及びその処理方法に関するものである。
原子力発電所や使用済燃料の再処理工場などの放射線取扱い施設において、放射性物質を含む放射性廃液と接触する配管などの構造部品は、放射線取扱い施設において原子力発電所や再処理工場などの運転に伴ってその内表面に放射性物質を含む酸化物や塩などの皮膜などが付着または生成する。施設の運転期間が長くなると、配管や機器などの周囲は放射線量が高まり、定期検査や保守工事あるいは廃棄物解体工事などにおいて作業員の被ばく線量が増大するおそれがある。作業員の被ばくを低減するため、配管や機器などに付着した放射性物質を除去(除染)する必要がある。
この除染の対象となる代表的なものとして、原子炉一次冷却系(一次冷却系)がある。この一次冷却系には放射性物質を含有するクラッド(crud)と呼ばれるスケールが付着する。このクラッドは一次冷却系の配管や機器周辺において、作業者が放射線被ばくを受ける放射線源となっている。放射線被ばくの低減を図り、作業環境向上のため、クラッドの除去を行い、配管や機器などの除染を行う必要がある。配管や機器などの除染には、例えば薬剤を用いて化学的に処理する化学的汚染除去方法が用いられている。
また、こうした放射線取扱い施設において設備の除染で発生する除染廃液は、例えば、カチオン樹脂やアニオン樹脂などのイオン交換樹脂を用いて除染溶液中に含まれる金属イオンなどの放射性物質などを化学的に吸着処理する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−45371号公報 特許第2509654号公報
除染廃液の廃液処理方法では、除染廃液中の金属イオンの処理に用いるカチオン樹脂及び混床樹脂(カチオン樹脂とアニオン樹脂とが混合されたもの)などのイオン交換樹脂が二次廃棄物として発生するが、使用済のイオン交換樹脂は高線量となっているため、焼却処分は困難である。また、カチオン樹脂は有機物であり、混床樹脂は有機物であることに加え、キレート化合物(金属キレート)を含むことから、イオン交換樹脂を固化して固形物とし、処分場に埋設処分することは困難である。
高線量の有機物は、放射性分解により水素ガスを生成する原因となる。また、キレート化合物は核種移行を促進させ、処分場のバリア性能を低下させる原因となる。このような理由により、除染廃液の処理に用いたイオン交換樹脂及びキレート化合物を埋設処分することを認めていない。そのため、二次廃棄物として発生するイオン交換樹脂の処分ができず、原子力発電所内で保管しておかなければならない。
特に、除染の薬剤として、有機酸と過マンガン酸を使用し、有機酸による還元除染と過マンガン酸による酸化処理を交互に繰り返すことで、廃棄物表面の複数の金属酸化物を溶解し、表面の汚染を除去する場合には、除染処理後の除染廃液中にマンガン(Mn)や鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、コバルト(Co)などの金属イオンの含有量が多くなるので、金属イオンを吸着するカチオン樹脂の使用量の比率がアニオン樹脂よりも多くなり、二次廃棄物である樹脂の保管量が増大するという問題がある。
そのため、埋設処分が困難な高線量の使用済のイオン交換樹脂の発生量の低減を図るため、更なる改善を図る必要がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、除染廃液を処理する際に発生する高線量の二次廃棄物の発生量を低減することができる除染廃液の処理システム及びその処理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、原子炉設備の除染対象物に薬剤を循環させる除染廃液循環ラインと、前記除染廃液循環ラインに、前記薬剤を供給する薬剤供給部と、前記除染廃液循環ラインから前記除染対象物で用いた薬剤から生じた除染廃液を抜き出し、前記除染廃液循環ラインに再度戻す除染廃液処理ラインと、前記除染廃液処理ラインに設けられ、前記除染廃液を電析処理する複数の副電極を有する電解槽と、前記除染廃液処理ラインの前記電解槽の後流側に設けられ、前記除染廃液に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂を有するアニオン樹脂槽と、を備えることを特徴とする除染廃液の処理システムにある。
第2の発明は、第1の発明において、前記除染廃液処理ラインの前記電解槽の後流側に設けられ、前記除染廃液に存在する金属イオンを吸着する金属イオン吸着体を有する金属イオン除去槽を備えることを特徴とする除染廃液の処理システムにある。
第3の発明は、第2の発明において、前記除染廃液処理ラインの前記電解槽をバイパスし、前記除染廃液を金属イオン除去槽に直接供給する第1バイパスラインを備えることを特徴とする除染廃液の処理システムにある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記除染廃液処理ラインの前記アニオン樹脂槽の後流側に、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂を有する混床樹脂槽を備えることを特徴とする除染廃液の処理システムにある。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記除染廃液処理ラインの前記アニオン樹脂槽の後流側から系外に処理液を排出する排出ラインに、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂を有する混床樹脂槽を備えることを特徴とする除染廃液の処理システムにある。
第6の発明は、原子炉設備の除染対象物に薬剤を循環させる薬剤循環工程と、前記薬剤循環工程において、前記除染対象物で用いた薬剤から生じた除染廃液を抜き出し、前記薬剤循環工程に再度戻す除染廃液処理工程と、前記除染廃液処理工程において、前記除染廃液を電析処理する複数の副電極を有する電解槽により電析処理する電析工程と、前記電析工程の後流側において、前記除染廃液に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂吸着工程と、を有することを特徴とする除染廃液の処理方法にある。
第7の発明は、第6の発明において、前記電析工程の後流側において、前記除染廃液に存在する金属イオンを吸着する金属イオン吸着体による金属イオン除去工程を有することを特徴とする除染廃液の処理方法にある。
第8の発明は、第7の発明において、前記電析工程を行うことなく、前記除染廃液を金属イオン吸着工程で処理することを特徴とする除染廃液の処理方法にある。
第9の発明は、第6乃至8のいずれか一つの発明において、前記アニオン樹脂吸着工程の後流側に、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂による吸着工程を有することを特徴とする除染廃液の処理方法にある。
第10の発明は、6乃至9のいずれか一つの発明において、前記除染廃液処理工程の前記アニオン樹脂槽の後流側から系外に処理液を排出する排出工程において、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂による吸着工程を有することを特徴とする除染廃液の処理方法にある。
第11の発明は、原子炉設備の除染対象物に薬剤を循環させる除染廃液循環ラインと、前記除染廃液循環ラインに、前記薬剤を供給する薬剤供給部と、前記除染廃液循環ラインから前記除染対象物で用いた薬剤から生じた除染廃液を抜き出し、前記除染廃液循環ラインに再度戻す除染廃液処理ラインと、前記除染廃液処理ラインに設けられ、前記除染廃液に存在する金属イオンを除去する金属イオン吸着体を有する金属イオン除去槽と、前記金属イオン除去槽の後流側に設けられ、前記除染廃液に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂を有するアニオン樹脂槽と、前記除染廃液処理ラインの前記アニオン樹脂槽の後流側から系外に処理液を排出する排出ラインに設けられ、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂を有する混床樹脂槽と、を備えることを特徴とする除染廃液の処理システムにある。
第12の発明は、原子炉設備の除染対象物に薬剤を循環させる薬剤循環工程と、前記薬剤循環工程において、前記除染対象物で用いた薬剤から生じた除染廃液を抜き出し、前記薬剤循環工程に再度戻す除染廃液処理工程と、前記除染廃液処理工程において、前記除染廃液に存在する金属イオンを除去する金属イオン除去工程と、前記金属イオン除去工程の後流側に設けられ、前記除染廃液に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂吸着工程と、前記アニオン樹脂吸着工程の後流側から系外に処理液を排出する際、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂により金属イオンおよび有機酸を除去する混床樹脂による吸着工程を、有することを特徴とする除染廃液の処理方法にある。
本発明によれば、除染廃液中の金属イオンを処理するアニオン樹脂の使用量の低減を図ることができる。
図1は、本発明の実施例1に係る廃液処理システムを示す概略図である。 図2は、副電極を有する電解槽の構成図である。 図3は、本発明の実施例に係る除染廃液の処理方法の手順を示すフローチャートである。 図4−1は、酸化剤を添加している酸化剤供給工程における状態を示す説明図である。 図4−2は、酸化剤を含む除染廃液の浄化工程における状態を示す説明図である。 図4−3は、還元工程における状態を示す説明図である。 図4−4は、浄化工程における状態を示す説明図である。 図5−1は、本発明の実施例2に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。 図5−2は、本発明の実施例2に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。 図6は、本発明の実施例3に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。 図7は、本発明の実施例4に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。 図8−1は、本発明の実施例5に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。 図8−2は、本発明の実施例5に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。 図8−3は、本発明の実施例5に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。 図9は、電解槽での電析時間(横軸)と、除染廃液中のカチオン濃度(左縦軸)およびカチオン除去率(右縦軸)との関係を示す図である。 図10は、樹脂使用量の従来技術と本実施例との比率を示す図である。 図11は、本発明の実施例に係る廃液処理システムが適用される原子力発電プラントの一例を模式的に表した概略構成図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
<原子力発電プラント>
本発明による実施例に係る廃液処理システムを、原子力発電プラントに適用した場合について、図面を参照して説明する。原子力発電プラントの原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って二次冷却材と熱交換させることにより蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。なお、本実施例は、PWRに限らず、これを改良した改良型加圧水型原子炉(APWR:Advanced Pressurized Water Reactor)または沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Rector)に適用することができる。また、放射線取扱い施設にも適用可能である。
図11は、本発明の実施例に係る廃液処理システムが適用される原子力発電プラントの一例を模式的に表した概略構成図である。図11に示すように、原子力発電プラント100は、原子炉111を含む原子炉冷却系(以下、一次系ともいう)112と、原子炉冷却系112と熱交換するタービン系(以下、二次系ともいう)113とを有する。原子炉冷却系112には、原子炉冷却材(一次冷却水)が流通し、タービン系113には、二次冷却材(二次冷却水)が流通している。
原子炉冷却系(一次系)112は、原子炉111と、コールドレグ115a及びホットレグ115bを介して原子炉111に接続された蒸気発生器116とを有している。また、ホットレグ115bには、加圧器117が介設され、コールドレグ115aには、原子炉冷却材ポンプ118が介設されている。そして、原子炉111、コールドレグ115a、ホットレグ115b、蒸気発生器116、加圧器117及び原子炉冷却材ポンプ118は、原子炉格納容器119に収容されている。
原子炉111は、上記したように加圧水型原子炉であり、その内部は原子炉冷却材(一次冷却水)で満たされている。そして、原子炉111内は、多数の燃料集合体121を収容すると共に、燃料集合体121の燃料棒内の核燃料の核分裂を制御する多数の制御棒122が、各燃料集合体121に対し挿入可能に設けられている。
制御棒122により核分裂反応を制御しながら燃料集合体121の燃料棒内の核燃料を核分裂させると、この核分裂により熱エネルギーが発生する。発生した熱エネルギーは原子炉冷却材を加熱し、加熱された原子炉冷却材は、ホットレグ115bを介して蒸気発生器116へ送られる。一方、コールドレグ115aを介して各蒸気発生器116から送られてきた原子炉冷却材は、原子炉111内に流入して、原子炉111内を冷却する。
ホットレグ115bに介設された加圧器117は、高温となった原子炉冷却材を加圧することにより、原子炉冷却材の沸騰を抑制している。また、蒸気発生器116は、高温高圧となった原子炉冷却材(一次冷却水)を二次冷却材(二次冷却水)と熱交換させることにより、二次冷却材を蒸発させて蒸気を発生させ、かつ、高温高圧となった原子炉冷却材を冷却している。原子炉冷却材ポンプ118は、原子炉冷却系112において原子炉冷却材を循環させており、原子炉冷却材を蒸気発生器116からコールドレグ115aを介して原子炉111へ送り込むと共に、原子炉冷却材を原子炉111からホットレグ115bを介して蒸気発生器116へ送り込んでいる。
原子炉冷却材は、原子炉111と蒸気発生器116との間を循環している。なお、原子炉冷却材は、冷却材及び中性子減速材として用いられる軽水である。
タービン系(二次系)113は、蒸気管124を介して各蒸気発生器116に接続されたタービン125と、タービン125に接続された復水器126と、復水器126と各蒸気発生器116とを接続する給水管127に介設された給水ポンプ128と、を有している。そして、上記のタービン125には、発電機129が接続されている。
この原子力発電プラント100のタービン系113における一連の動作について説明する。蒸気管124を介して蒸気発生器116から蒸気がタービン125に流入すると、タービン125は回転する。タービン125が回転すると、タービン125に接続された発電機129は、発電を行う。この後、タービン125から排出した蒸気は復水器126に流入する。復水器126は、その内部に冷却管130が配設されており、冷却管130の一方には冷却水(例えば、海水)を供給するための取水管131が接続され、冷却管130の他方には冷却水を排水するための排水管132が接続されている。そして、復水器126は、タービン125から流入した蒸気を冷却管130により冷却することで、蒸気を液体に戻している。液体となった二次冷却材は、給水ポンプ128により給水管127を介して蒸気発生器116に送られる。蒸気発生器116に送られた二次冷却材は、蒸気発生器116において原子炉冷却材と熱交換を行うことにより再び蒸気となる。
このような原子力発電プラント100においては、原子炉機器や各種配管など原子炉設備を構成する部材は一般にステンレス鋼や炭素鋼などの鉄鋼材料で製作されている。これら原子炉設備を構成する部材は使用した際に原子炉機器や各種配管など原子炉設備を構成する部材内の表面は高温水(一次冷却水)との接触によって腐食作用を受け、酸化物の皮膜が形成される。皮膜は、放射性同位体(RI)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)などの少なくとも1種類の金属又は酸化物などである。
高温水(一次冷却水)に晒される原子炉機器や配管内表面の接液部位に形成される皮膜に炉水中の放射能が取り込まれ、被ばく線源となっている。このような原子炉機器や各種配管など原子炉設備の除染対象物は、本発明の実施例に係る廃液処理システムを用いて除染される。なお、除染とは、原子炉設備の除染対象系統の配管や機器などの除染対象物に付着した放射性物質を除去することをいう。
なお、以下の実施例でも同様の除染対象物であるので、これらの説明は省略する。
<第1の除染システム>
図1は、本発明の実施例1に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。図2に示すように、第1の除染廃液の処理システム10Aは、原子炉設備の除染対象物11を除染するためのものである。本実施例に係る除染廃液の処理システム10Aは、原子炉設備の除染対象物11に薬剤12を循環させる除染廃液循環ラインL11と、除染廃液循環ラインL11に、薬剤12(12A、12B)を供給する薬剤供給部(第1薬剤(酸化剤)供給部13A、第2薬剤(除染剤)供給部13B)13と、除染廃液循環ラインL11から除染対象物11で用いた薬剤12から生じた除染廃液14を抜き出し、除染廃液循環ラインL11に再度戻す除染廃液処理ラインL21と、除染廃液処理ラインL21に設けられ、除染廃液14を電析処理する複数の副電極21を有する電解槽22と、除染廃液処理ラインL21の電解槽22の後流側に設けられ、除染廃液14に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂23aを有するアニオン樹脂槽23と、を備えるものである。
ここで、除染とは、原子炉設備の除染対象系統の配管や機器などの除染対象物11に付着した放射性物質を除去することをいう。
除染廃液循環ラインL11は、原子炉設備の除染対象物11から排出される除染廃液14が原子炉設備の除染対象物11の内部と外部とを循環するラインである。
薬剤供給部13は、少なくとも第1薬剤供給部13Aと、第2薬剤供給部13Bとを有する。第1薬剤供給部13Aは、第1薬剤供給ラインL12Aで除染廃液循環ラインL11と接続されている。第1薬剤供給ラインL12Aは、酸化剤を含む第1薬剤12Aを第1薬剤供給部13Aから除染廃液循環ラインL11に送るためのラインである。第1薬剤供給部13Aは、第1薬剤12Aを第1薬剤供給ラインL12Aを通して除染廃液循環ラインL11に供給する。なお、第1薬剤供給ラインL12Aの途中に調節弁V11Aが設けられており、第1薬剤12Aの供給量は調節弁V11Aにより調整される。
第1薬剤12Aとしては、例えば、過マンガン酸(HMnO4)、過マンガン酸塩、過鉄酸塩、過酸化水素(H22)、硝酸とフッ酸との硝フッ酸混合液などの何れか1つ以上含んでいるものが用いられる。過マンガン酸塩としては、具体的には、過マンガン酸カリウム(KMnO4)が挙げられる。第1薬剤12Aは、第1薬剤供給部13Aから第1薬剤供給ラインL12Aを通過して除染廃液循環ラインL11に供給される。
第1薬剤12Aは、原子炉設備の除染対象物11を構成する原子炉機器や各種配管などの部材に付着している酸化物中のCr(III)をCr(VI)に酸化して、第1薬剤12A中に溶解させ、原子炉設備の除染対象物11を構成する部材から除去する。第1薬剤12Aの濃度としては、0.005質量%以上0.5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下である。
本実施例では、第1薬剤12Aは、液体の状態で薬液として用いられる。本明細書では、薬剤とは、液体、気体、固体のいずれの状態をも含む概念で用いられる。そのため、第1薬剤12Aは、液体の状態のものに限定されるものではなく、固体、気体のいずれかの状態で用いてもよい。なお、後述する第2薬剤12B、第3薬剤、第4薬剤の他の薬剤においても同様である。
第1薬剤12Aを除染廃液循環ラインL11に供給することで、原子炉設備の除染対象物11に付着していた付着物に含まれるCr酸化物などは、少なくともCr(VI)に酸化して除染廃液循環ラインL11中に溶解させ、原子炉設備の除染対象物11から除去される。
第2薬剤供給部13Bは、第2薬剤供給ラインL12Bで除染廃液循環ラインL11と接続されている。第2薬剤供給ラインL12Bは、還元剤を含む第2薬剤12Bを第2薬剤供給部13Bから除染廃液循環ラインL11に送るためのラインである。第2薬剤供給部13Bは、第2薬剤供給ラインL12Bを通して除染廃液循環ラインL11に第2薬剤12Bを供給する。なお、第2薬剤供給ラインL12Bの途中には、調節弁V11Bが設けられており、第2薬剤12Bの供給量は調節弁V11Bにより調整される。
第2薬剤12Bとしては、還元作用があり、金属イオンとキレート結合する有機酸などが用いられる。第2薬剤12Bとしては、例えば、シュウ酸(H224)、クエン酸(C6874)、硝フッ酸混合液、シュウ酸とクエン酸、または、シュウ酸とピコリン酸などの何れか1つ以上含んでいるものが用いられる。
第2薬剤12Bは第2薬剤供給部13Bから第2薬剤供給ラインL12Bを通過して除染廃液循環ラインL11に供給される。第2薬剤12Bは、原子炉設備の除染対象物11を構成する原子炉機器や各種配管などの部材に付着している鉄(Fe)系酸化物、ニッケル(Ni)系酸化物などを第2薬剤12B中に溶解させる。また、Cr酸化物と未反応の第1薬剤12Aの過マンガン酸を還元する。第2薬剤12Bの濃度としては、0.005質量%以上0.5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上0.2質量%以下である。
第2薬剤12Bを除染廃液循環ラインL11に供給することで、原子炉設備の除染対象物11に付着した付着物に含まれるFe酸化物、Ni酸化物などは除染廃液循環ラインL11中に溶解し、原子炉設備の除染対象物11から除去され、原子炉設備の除染対象物11は除染される。また、Cr酸化物と未反応の第1薬剤12Aの過マンガン酸が還元される。
第1薬剤12Aおよび第2薬剤12Bは、原子炉設備の除染対象物11を構成する原子炉機器や各種配管などの部材に付着している皮膜の種類に応じて付着物を溶解する薬剤を適宜組み合わせて用いることができる。
これらの薬剤12A、12Bを除染廃液循環ラインL11に循環させる回数は、1回でもよいし、複数回でもよい。
また、第1薬剤12A、第2薬剤12Bの液量は減少するため、原子炉設備の除染対象物11内に薬液が十分供給できるように、除染廃液循環ラインL11に薬剤供給部13(13A、13B)から第1薬剤12A、第2薬剤12Bを適宜供給するようにしてもよい。
除染廃液循環ラインL11に供給された第1薬剤12Aは、原子炉設備の除染対象物11を通過した後、除染廃液として、除染廃液循環ラインL11を循環する。そして、除染廃液の全部又は一部は、除染廃液14Aとして、除染廃液循環ラインL11から抜き出され、除染廃液処理ラインL21に供給し、その後、除染廃液循環ラインL11に戻して原子炉設備の除染対象物11に再度供給される。
同様に、除染廃液循環ラインL11に供給された第2薬剤12Bは、原子炉設備の除染対象物11を通過した後、除染廃液として、除染廃液循環ラインL11を循環する。そして、除染廃液の全部又は一部は、除染廃液14Bとして、除染廃液循環ラインL11から抜き出され、除染廃液処理ラインL21に供給し、その後、除染廃液循環ラインL11に戻して原子炉設備の除染対象物11に再度供給される。
なお、本実施例では、除染廃液14Aおよび除染廃液14Bをまとめて除染廃液14という場合がある。
(廃液処理システム)
廃液処理システムは、除染廃液処理ラインL21と、この除染廃液処理ラインL21に配置されるフィルタ(分離部)31と、副電極21を有する電解槽22と、アニオン樹脂23aを有するアニオン樹脂槽23と、電解槽22とアニオン樹脂槽23との間で除染廃液14を抜出し、アニオン樹脂槽23をバイパスするバイパスラインL22と、を備える。
なお、除染廃液処理ラインL21のフィルタ31の前流側にはバルブV21が設けられ、アニオン樹脂槽23の前後にはバルブV22、V23が設けられ、バイパスラインL22にはバルブV24が設けられている。
フィルタ31は、除染廃液14中の析出物を除去する。フィルタ31としては、例えば、複数層からなる金属網の捕集構造体、例えば「ポアメット(商品名):株式会社ニチダイ製」などが用いられる。これにより、除染廃液14が析出物を含んでいた場合でも、析出物が電解槽22に供給されるのを抑制することができる。特に、還元剤を分解した場合には、除染液中に存在するFeイオン、Niイオン、Crイオンなどの金属イオンが水酸化物として析出するため、電解槽22の上流側においてフィルタ31で除染液中に発生した析出物を回収することで、電解槽22の劣化等を低減することができる。
電解槽22は、活性炭等の複極効果がある副電極21を電解槽本体22a内に複数充填している。
図2は、副電極を有する電解槽の構成図である。
図2に示すように、電解槽22は、一対のアノード22Aおよびカソード22Bを有する主電極と、電解槽本体22a内に充填された複数の活性炭の副電極21とからなり、主電極22A、22B間に電位をかけると、複数の活性炭の副電極21の粒ごとに分極し、正負の帯電が生じる。
そして、副電極21の陰極部分にプラスの金属イオンが析出する。この結果、電解槽本体22aに導入された除染廃液14中の金属イオンが金属析出物32として回収される。また、個々の副電極21の粒子が多数集合されたものであるので、金属析出の表面積が大きいものとなり、回収率が向上する。
副電極21は、その直径が数mm程度で、その形状は球体、直方体、立方体、円柱体などである。
ここで、副電極21の材料としては、例えば活性炭、多孔質カーボン、炭素繊維、カーボンナノチューブなどを挙げることができる。
主電極陽極(アノード)22Aの材料としては、例えば白金、炭素、グラファイト、炭素複合材、白金めっきチタンなどを挙げることができる。また、主電極陰極(カソード)22Bの材料としては、例えば白金、炭素、グラファイト、ステンレス、ニッケル、ハステロイ(登録商標)などを挙げることができる。
電解槽22に設けられる主電極22A、22Bのみの場合、主電極間の距離がある程度存在すると、これが溶液抵抗となって、希薄溶液を電析する場合には、その析出効果が低下する。これに対し、電解槽本体22a内に複数の副電極21を充填する場合には、小さい粒子各々にプラスとマイナスが存在することとなるので、電極間の距離が短くなる。この結果、希薄溶液を電析する場合においても、析出効果が低下することが解消される。
すなわち、電解槽22に充填された副電極21の個々におけるカソード側で金属イオンを還元・電析すると共に、アノード側で有機酸を酸化・分解処理する。
これにより、従来はアニオン樹脂およびカチオン樹脂で全て処理していた除染廃液14中の金属イオンと有機酸の含有量が低下するので、後流側に設置する樹脂の使用量の低下を図ることができる。
さらに、電解槽22内に充填する副電極21として例えば活性炭を用いる場合には、活性炭が無機物質であるので、金属が析出して処理済の破過した活性炭は、焼却処理することができる。この結果、従来の金属イオン有機酸を吸着していた樹脂などの有機の廃棄物とは異なり、保管処置が不要となる。よって、電解槽22を用いた除染廃液の処理を行うことで、樹脂の使用量の低下と保管量の低下を図ることができる。
すなわち、除染廃液14の処理をアニオン樹脂やカチオン樹脂などの樹脂で処理する場合には、現状で処分不可能な有機の樹脂廃棄物量の増大の一途となるが、電解槽22を用いた除染廃液の処理を行うことで、樹脂の使用量を減少させることができるので、保管すべき廃棄物量の少ない除染技術を提供することとなる。
電解槽22で処理する対象となる除染廃液14は、有機酸(例えばシュウ酸、クエン酸、ピコリン酸、アコニット酸やギ酸などの分解生成物)と、無機酸(過マンガン酸、硝酸など)、金属イオン(Fe、Ni、Co、Cr、Mnなど)を含む希薄溶液(濃度約0.1〜100000ppm)である。
(除染方法)
図3は、本実施例に係る除染廃液の処理方法を適用した除染方法の手順の一例を示すフローチャートであり、図4−1は、酸化剤を添加している酸化剤供給工程における状態を示す説明図であり、図4−2は、酸化剤を含む除染廃液の浄化工程における状態を示す説明図であり、図4−3は、還元工程における状態を示す説明図であり、図4−4は、浄化工程における状態を示す説明図である。なお、図4−1〜図4−4中の太線は、各工程における除染廃液14(14A、14B)の流れの状態を示す。
図3に示す除染廃液の処理方法を適用した除染方法の手順は、第1薬剤12Aを用い、除染廃液循環ラインL11において、原子炉設備の除染対象物11に酸化剤を供給する酸化剤供給工程(ステップS11)と、この酸化剤供給工程(ステップS11)が終了した後、除染廃液14Aを除染廃液循環ラインL11から抜出し、除染廃液処理ラインL21に配置された電解槽22で電析処理する第1電析工程(ステップS12)と、第2薬剤12Bを用い、除染廃液循環ラインL11において、原子炉設備の除染対象物11に除染剤を供給する除染剤供給工程(ステップS21)と、この除染剤供給工程(ステップS21)が終了した後、除染廃液14Bを除染廃液循環ラインL11から抜出し、除染廃液処理ラインL21に配置された電解槽22で電析処理する第2電析工程(ステップS22)と、この第2電析工程(ステップS22)が終了した後に、アニオン樹脂で有機酸を吸着させる第2吸着工程(ステップS23)とを含むものである。
図4−1に示すように、除染廃液循環ラインL11に第1薬剤12Aを供給して原子炉設備の除染対象物11に酸化剤を供給する(酸化剤供給工程:ステップS11)。これにより、原子炉設備の除染対象物11に付着した付着物に含まれるCr酸化物は除去され、除染廃液14Aは除染廃液循環ラインL11に循環させる。
次に、図4−2に示すように、除染廃液14Aを除染廃液循環ラインL11で1回以上循環させた後、バルブV21を解放し、除染廃液14Aの全部又は一部は、除染廃液循環ラインL11から除染廃液処理ラインL21に送られる。
除染廃液14Aは、フィルタ31で異物が除去され、電解槽22に送られ、ここで第1電析処理がなされる(第1電解工程:ステップS12)。第1電析処理により除染廃液14A中の金属イオンが電析処理される。これにより、酸化剤の金属イオンが除染廃液14Aから除去される。その後、電解槽22を通過した除染廃液14Aは、バイパスラインL22でアニオン樹脂槽23をバイパスし、除染廃液処理ラインL21を通って除染廃液循環ラインL11に再度戻される。
除染廃液14Aを除染廃液処理ラインL21、バイパスラインL22、除染廃液処理ラインL21に通して除染廃液循環ラインL11に大ループとして循環させるサイクルは、少なくとも1回以上行われる。よって、1回以上の処理においては、この第1薬剤12Aを用いて除染処理する酸化剤供給工程(ステップS11)と、電解槽22で電析処理する第1電析工程(ステップS12)とを複数回繰り返すこととなる。
次に、図4−3に示すように、除染廃液循環ラインL11に第2薬剤12Bを添加し、除染廃液14Bとする。除染廃液14Bを除染廃液循環ラインL11で1回以上循環させる。
図4−3に示すように、除染廃液循環ラインL11に第2薬剤12Bを供給して原子炉設備の除染対象物11に除染剤を供給する(除染剤供給工程:ステップS21)。これにより、原子炉設備の除染対象物11に付着した付着物に含まれる鉄(Fe)系酸化物、ニッケル(Ni)系酸化物などは第2薬剤12B中に溶解・除去され、除染廃液14Bは除染廃液循環ラインL11に循環させる。また、この際Cr酸化物と未反応の第1薬剤12Aの過マンガン酸を還元する。
次に、図4−4に示すように、除染廃液14Bを除染廃液循環ラインL11で1回以上循環させた後、バルブV21を解放し、除染廃液14Bの全部又は一部は、除染廃液循環ラインL11から除染廃液処理ラインL21に送られる。
除染廃液14Bは、フィルタ31で異物が除去され、電解槽22に送られ、ここで第2電析処理がなされる(第2電解工程:ステップS22)。第2電析処理により除染廃液14B中の金属イオンおよび有機酸が電析・分解処理される。これにより、酸化剤の金属イオンおよび有機酸の一部が除染廃液14Bから除去される。その後、電解槽22を通過した除染廃液14Bは、バルブV22、V23を解放し、アニオン樹脂槽23に送られ、除染廃液14B中に含まれる有機酸を吸着する(第2吸着工程:ステップS23)。この際、バルブV24は閉じており、バイパスラインL22への除染廃液14Bの通過を停止している。
アニオン樹脂槽23を通過後の除染廃液14Bは、除染廃液処理ラインL21を通って除染廃液循環ラインL11に戻される。
除染廃液14Bを除染廃液処理ラインL21に通して除染廃液循環ラインL11に大ループとして循環させるサイクルは、少なくとも1回以上行われる。よって、1回以上の処理においては、この第2薬剤12Bを用いて除染処理する除染剤供給工程(ステップS21)と、電解槽22で電析処理する第2電析工程(ステップS22)および第2吸着工程(ステップS23)とを複数回繰り返すこととなる。
なお、最終除染後処理後の廃液は、図示しない排出ラインを介して除染廃液処理ラインL21の一部より、外部へ排出される。
このように、本実施例に係る除染廃液の処理方法は、第1の薬剤12Aを用いて小ループの除染廃液循環ラインL11で除染処理した後の除染廃液14Aの処理を、従来のようなカチオン樹脂を用いて吸着処理する代わりに、電解槽22を用いて電析処理することにより、除染廃液14A中の金属イオンを電析により析出させ、除去することができる。この結果、金属イオンを除去するカチオン樹脂槽を用いることなく除染廃液14Aの処理をすることができる。
また、電解槽22では有機酸も分解処理するので、除染廃液14B中の有機酸の濃度も低下することとなり、アニオン樹脂槽23でのアニオン樹脂23aの使用量の低減を図ることができる。この結果、従来における樹脂処理の場合と較べて、保管する汚染樹脂量を大幅に低減させることができる。
図9は、電解槽での電析時間(横軸)と、除染廃液中のカチオン濃度(左縦軸)およびカチオン除去率(右縦軸)との関係を示す図である。
図9に示すように、電解槽22での電析時間(Hr)の経過により、第1薬剤12Aの酸化剤由来の金属イオン(Mn)の濃度が低下すると共に、クラッド由来の金属イオン(Fe、Ni、Cr)の濃度が低下しており、これに伴いカチオン除去率が時間と共に上昇している。ここで、電析時間とは、除染廃液処理ラインL21に設けた電解槽22を循環して通過する時間である。
<第2の除染システム>
図5−1、図5−2は、本発明の実施例2に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。図5−1、図5−2に示すように、第2の除染廃液の処理システム10Bは、実施例1と同様に原子炉設備の除染対象物11を除染するためのものであり、実施例1において、さらに電解槽22の後流側にカチオン樹脂槽24を配置している。
実施例1の除染廃液の処理システム10Aでは、第1の薬剤を用いた除染廃液14Aの処理は、電解槽22で電析処理しただけであるが、除染廃液14A中に極微量の金属イオンが含まれる場合がある。このような場合には、図5−1に示すように、電析処理をする電解槽22の後流側に、さらにカチオン樹脂24aを有するカチオン樹脂槽24を設置し、カチオン樹脂により金属イオンを吸着処理するようにしている。
すなわち、図5−1に示すように、除染廃液処理ラインL21の電解槽22とアニオン樹脂槽23との間において、バルブV26を設置し、このバルブV26と電解槽22との間から分岐し、第1バイパスラインL22に除染廃液14Aをバイパスする第2バイパスラインL23を設けている。なお、カチオン樹脂槽24の前後にはバルブV25、V27が設けられている。
そして、バルブV26を閉じ、電解槽22で電析処理した後の除染廃液14Aを第2バイパスラインL23に送り、この第2バイパスラインL23に設置したカチオン樹脂24aを有するカチオン樹脂槽24を通過させることで、残存する金属イオンをさらに吸着処理するようにしている。
また、図5−2に示すように、電解槽22の前流側において、バルブV28を設置し、電解槽22をバイパスし、除染廃液処理ラインL21から第2バイパスラインL23に接続する第3バイパスラインL24を設けるようにしてもよい。
これは、除染廃液14中に金属イオンが極微量存在する場合には、電解槽22での電析処理効率が悪い場合がある。このような場合、例えば除染廃液14中の電気伝導度を計測し、この電気伝導度の値が所定の閾値以下の場合には、極微量の金属イオンとなっていると判断して、電解槽22での電析を停止する。
その代わり、電解槽22の前流側のバルブV28を閉じ、除染廃液14Aを第3バイパスラインL24に送り、この第3バイパスラインL24と連通する第2バイパスラインL23に設けたカチオン樹脂槽24を通過させ、残存する極微量の金属イオンを吸着処理するようにしている。
この結果、無駄に電解槽22に通電することが無くなるので、電気代が省略でき、除染廃液の処理コストの低廉化を図ることができる。
このように、除染廃液14A中の金属イオンの含有量に応じて、実施例1のような電解槽22のみの処理方法と、実施例2の電解槽22で処理した後、さらにカチオン樹脂槽24で処理する方法と、実施例2の変形例のように電解槽22をバイパスして直接カチオン樹脂槽24で処理する方法とを組み合わせることで、効率的な除染廃液の処理が可能となる。
よって、一例として、酸化剤を含む第1薬剤12Aを有する除染廃液14Aの処理において、除染廃液処理ラインL21を複数回循環処理する場合、例えば最初の数回の除染廃液14Aの処理では、実施例1のような電解槽22のみの処理を行い、次の数回は実施例2の電解槽22とカチオン樹脂槽24との併用処理を行い、最後の数回は実施例2の変形例のカチオン樹脂槽24のみの処理を行うことで、金属イオンの濃度に応じた廃液処理を行うことができる。
なお、第2薬剤12Bを有する除染廃液14Bの処理は、実施例1と同様であるのでその重複する説明は省略する。
このように、第1薬剤12Aの除染廃液14Aを処理する場合、電解槽22で金属イオンを電析処理した後、カチオン樹脂槽24で金属イオンを吸着処理するので、カチオン樹脂の使用量の低減を図ることができる。
そして第2薬剤12Bの除染廃液14Bを処理する場合、残存する金属イオンの電析処理と共に有機酸も分解処理することとなるので、除染廃液14B中の有機酸の濃度も低下することとなり、アニオン樹脂槽23でのアニオン樹脂23aの使用量の低減を図ることができる。
この結果、従来における全て樹脂を用いた処理の場合と較べて、保管する汚染樹脂量を大幅に低減させることができる。
図10は樹脂使用量の従来技術と本実施例との比率を示す図である。図10に示すように、従来技術のように、全て樹脂を用いて処理した際の樹脂の使用量を100%とした場合(従来法)、電析を適用した実施例2の場合は約82%に低下し、樹脂廃棄物量の低減を図ることができた。この結果、保管する樹脂量の低減を図ることとなることが確認された。
本実施例では、電析処理をする電解槽22の後流側に、さらにカチオン樹脂24aを有するカチオン樹脂槽24を設置し、カチオン樹脂により金属イオンを吸着処理するようにしているが、本発明はカチオン樹脂に限定されるものではなく、金属イオンを吸着できる金属イオン吸着体であればいずれでもよい。例えばカチオン樹脂以外としては、無機イオン交換体を例示することができる。
ここで、無機イオン交換体としては、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、粘土鉱物や、非ゼオライト系無機イオン交換体などが挙げられる。無機イオン交換体は、除去すべき金属イオンの種類に応じて適宜選定される。これらの中でも、無機イオン交換体としては、ゼオライトを用いることが好ましい。ゼオライトは無機物であるため、有機物のように放射性分解による水素ガスが生成することはない。そのため、ゼオライトが放射性物質を吸着して高線量となっても、ゼオライトは固化して固形物とすることにより、処分場で埋設処分することができる。
<第3の除染システム>
図6は、本発明の実施例3に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。図6に示すように、第3の除染廃液の処理システム10Cは、実施例2と同様に原子炉設備の除染対象物11を除染するためのものであり、実施例2において、さらにアニオン樹脂槽23の後流側に、カチオン樹脂とアニオン樹脂とを混床した混床樹脂槽25を配置している。図6中、符号V29はバルブを図示する。
ここで、混床樹脂槽25を構成するカチオン樹脂とアニオン樹脂との混合比率は除染廃液の性状に応じて適宜設定される。
この混床樹脂槽25の設置により、アニオン樹脂槽23で吸着処理された後の除染廃液14B中に残存する金属イオンおよび有機酸などをさらに吸着処理することができる。
<第4の除染システム>
図7は、本発明の実施例4に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。図7に示すように、第4の除染廃液の処理システム10Dは、実施例3においてアニオン樹脂槽23の後流側に設置した混床樹脂槽25を、除染廃液14Bを外部へ排出するための排出ラインL31に配置するようにしている。なお、混床樹脂槽25の前後にはバルブV31、V32が設けられている。図6中、符号V33はバルブを図示する。
実施例3の第3の除染システムでは、アニオン樹脂槽23の後流側に混床樹脂槽25を設置しているので、常に除染廃液14Bが、除染廃液処理ラインL21を循環する毎に、混床樹脂槽25を通過することとなる。このため、除染廃液14B中の金属イオンと有機酸との割合がアンバランスの場合、例えば第1薬剤として過マンガン酸を用いて金属イオン(Mn)の割合が多い場合には、カチオン樹脂のみが最初に破過することとなる。この一方のカチオン樹脂が破過した結果、まだ混床樹脂槽25中のアニオン樹脂側では吸着能力を有するにもかかわらず、混床樹脂25aを全部交換する必要がある。この結果、交換した廃棄樹脂は保管処理する必要があるので、処理能力を有する混床樹脂の廃棄樹脂の保管量が増大することとなる。
よって、本実施例のように、カチオン樹脂とアニオン樹脂とを混床した混床樹脂槽25の配置を、除染廃液14Bを系外に排出する排出ラインL31に配置し、除染廃液14Bを系外へ最終的に排出する際にのみ、混床樹脂槽25の前後に設けたバルブV31、V32を開き、一度通過させるようにしている。
これにより、最終処理後の除染廃液14B中に残存する金属イオンおよび有機酸などを吸着処理することができる。
このように、電解槽22とカチオン樹脂槽24、アニオン樹脂槽23を用いて除染廃液処理を所定時間行った後、系外への排出の際の最終処理時のみ、混床樹脂槽25へ通水し、除染廃液を更に浄化することにより、除染廃液処理ラインL21を循環する毎に、混床樹脂槽25で処理した場合と較べて、廃樹脂量を大幅に低減することができる。
本実施例では、カチオン樹脂とアニオン樹脂とを混床した混床樹脂槽25を用いたが、カチオン樹脂以外に、前述したイオン交換体を用いて、イオン交換体とアニオン樹脂との混床樹脂槽としてもよい。
<第5の除染システム>
図8−1〜図8−3は、本発明の実施例5に係る除染廃液の処理システムを示す概略図である。第5の除染廃液の処理システム10Eは、実施例1乃至4のような電解槽22を備えるものではなく、除染廃液を樹脂により処理している。
図8−1に示すように、第5の除染廃液の処理システム10Eは、原子炉設備の除染対象物11に薬剤12(12A、12B)を循環させる除染廃液循環ラインL11と、除染廃液循環ラインL11に、薬剤12(12A、12B)を供給する薬剤供給部(第1薬剤(酸化剤)供給部13A、第2薬剤(除染剤)供給部13B)13と、除染廃液循環ラインL11から除染対象物11で用いた薬剤12(12A、12B)から生じた除染廃液14(14A、14B)を抜き出し、除染廃液循環ラインL11に再度戻す除染廃液処理ラインL21と、除染廃液処理ラインL21に設けられ、除染廃液14に存在する金属イオンを吸着するカチオン樹脂24aを有するカチオン樹脂槽24と、カチオン樹脂槽24の後流側に設けられ、除染廃液14に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂23aを有するアニオン樹脂槽23と、除染廃液処理ラインL21のアニオン樹脂槽23の後流側から系外に処理液を排出する排出ラインL31に設けられ、カチオン樹脂24aとアニオン樹脂24aとを混合した混床樹脂25aを有する混床樹脂槽25と、を備える。なお、混床樹脂槽25の前後にはバルブV31、V32が設けられている。
図8−1に示すように、除染廃液循環ラインL11に第1薬剤12Aを供給して原子炉設備の除染対象物11に酸化剤を供給する(酸化剤供給工程)。これにより、原子炉設備の除染対象物11に付着した付着物に含まれるCr酸化物は除去され、除染廃液14Aは除染廃液循環ラインL11に循環させる。
次に、除染廃液14Aを除染廃液循環ラインL11で1回以上循環させた後、バルブV21を解放し、除染廃液14Aの全部又は一部は、除染廃液循環ラインL11から除染廃液処理ラインL21に送られる。
除染廃液14Aは、フィルタ31で異物が除去され、カチオン樹脂槽24に送られ、ここで第1吸着処理がなされる(第1吸着工程)。第1吸着処理により除染廃液14A中の金属イオンが吸着処理される。これにより、酸化剤の金属イオンが除染廃液14Aから除去される。その後、カチオン樹脂槽24を通過した除染廃液14Aは、バイパスラインL22でアニオン樹脂槽23をバイパスし、除染廃液処理ラインL21を通って除染廃液循環ラインL11に再度戻される。
除染廃液14Aを除染廃液処理ラインL21、バイパスラインL22、除染廃液処理ラインL21に通して除染廃液循環ラインL11に大ループとして循環させるサイクルは、少なくとも1回以上行われる。よって、1回以上の処理においては、この第1薬剤12Aを用いて除染処理する酸化剤供給工程と、カチオン樹脂槽24で吸着処理する第1吸着工程とを複数回繰り返すこととなる。
次に、図8−2に示すように、除染廃液循環ラインL11に第2薬剤12Bを添加し、除染廃液14Bとする。除染廃液14Bを除染廃液循環ラインL11で1回以上循環させる。
そして、除染廃液循環ラインL11に第2薬剤12Bを供給して原子炉設備の除染対象物11に除染剤を供給する(除染剤供給工程)。これにより、原子炉設備の除染対象物11に付着した付着物に含まれる鉄(Fe)系酸化物、ニッケル(Ni)系酸化物などは第2薬剤12B中に溶解・除去され、除染廃液14Bは除染廃液循環ラインL11に循環させる。また、この際Cr酸化物と未反応の第1薬剤12Aの過マンガン酸を還元する。
そして、除染廃液14Bを除染廃液循環ラインL11で1回以上循環させた後、バルブV21を解放し、除染廃液14Bの全部又は一部は、除染廃液循環ラインL11から除染廃液処理ラインL21に送られる。
除染廃液14Bは、フィルタ31で異物が除去され、カチオン樹脂槽24に送られ、ここで第1吸着処理がなされる(第1吸着工程)。第1吸着処理により除染廃液14B中の金属イオンが吸着処理される。これにより、酸化剤の金属イオンの一部が除染廃液14Bから除去される。その後、カチオン樹脂槽24を通過した除染廃液14Bは、バルブV22、V23を解放し、アニオン樹脂槽23に送られ、除染廃液14B中に含まれる有機酸を吸着する(第2吸着工程)。この際、バルブV24は閉じており、バイパスラインL22への除染廃液14Bの通過を停止している。
アニオン樹脂槽23を通過後の除染廃液14Bは、除染廃液処理ラインL21を通って除染廃液循環ラインL11に戻される。
除染廃液14Bを除染廃液処理ラインL21に通して除染廃液循環ラインL11に大ループとして循環させるサイクルは、少なくとも1回以上行われる。よって、1回以上の処理においては、この第2薬剤12Bを用いて除染処理する除染剤供給工程(ステップS21)と、電解槽22で電析処理する第2電析工程(ステップS22)および第2吸着工程(ステップS23)とを複数回繰り返すこととなる。
図8−3に示すように、本実施例では、カチオン樹脂とアニオン樹脂とを混床した混床樹脂槽25の配置を、除染廃液14を系外に排出する排出ラインL31に配置し、除染廃液14Bを系外へ最終的に排出する際にのみ、混床樹脂槽25の前後に設けたバルブV31、V32を開き、一度通過させるようにしている。
これにより、最終処理後の除染廃液14B中に残存する金属イオンおよび有機酸などを吸着処理することができる。
このように、電解槽22とカチオン樹脂槽24、アニオン樹脂槽23を用いて除染廃液処理を所定時間行った後、系外への排出の際の最終処理時のみ、混床樹脂槽25へ通水し、除染廃液を更に浄化することにより、除染廃液処理ラインL21を循環する毎に、混床樹脂槽25で処理した場合と較べて、廃樹脂量を大幅に低減することができる。
すなわち、従来のように除染廃液処理ラインL21において、アニオン樹脂槽23の後流側に混床樹脂槽25を設置する場合には、常に除染廃液14Bが、除染廃液処理ラインL21を循環する毎に、混床樹脂槽25を通過することとなる。このため、除染廃液14B中の金属イオンと有機酸との割合がアンバランスの場合、例えば第1薬剤として過マンガン酸を用いて金属イオン(Mn)の割合が多い場合には、カチオン樹脂のみが最初に破過することとなる。この一方のカチオン樹脂が破過した結果、まだ混床樹脂槽25中のアニオン樹脂側では吸着能力を有するにもかかわらず、混床樹脂25aを全部交換する必要がある。この結果、交換した廃棄樹脂は保管処理する必要があるので、処理能力を有する混床樹脂の廃棄樹脂の保管量が増大することとなる。
よって、本実施例のように、カチオン樹脂とアニオン樹脂とを混床した混床樹脂槽25の配置を、除染廃液14Bを系外に排出する排出ラインL31に配置し、除染廃液14Bを系外へ最終的に排出する際にのみ、一度通過させることで、最終処理後の除染廃液14B中に残存する金属イオンおよび有機酸などを吸着処理することができると共に、除染廃液処理ラインL21を循環する毎に、混床樹脂槽25で処理した場合と較べて、廃樹脂量を大幅に低減することができる。
本実施例では、カチオン樹脂とアニオン樹脂とを混床した混床樹脂槽25を用いたが、カチオン樹脂以外に、前述したイオン交換体を用いて、イオン交換体とアニオン樹脂との混床樹脂槽としてもよい。
10A〜10E 第1〜第5の除染廃液の処理システム
11 原子炉設備の除染対象物
12 薬剤
12A 第1薬剤
12B 第2薬剤
13 薬剤供給部
13A 第1薬剤供給部
13B 第2薬剤供給部
14(14A、14B) 除染廃液
21 副電極
22 電解槽
22a 電解槽本体
22A 主電極(アノード)
22B 主電極(カソード)
23 アニオン樹脂槽
23a アニオン樹脂
24 カチオン樹脂槽
24a カチオン樹脂
25 混床樹脂槽
25a 混床樹脂
31 フィルタ
32 金属析出物
11 除染廃液循環ライン
21 除染廃液処理ライン
22 第1バイパスライン
23 第2バイパスライン
24 第3バイパスライン
31 排出ライン

Claims (12)

  1. 原子炉設備の除染対象物に薬剤を循環させる除染廃液循環ラインと、
    前記除染廃液循環ラインに、前記薬剤を供給する薬剤供給部と、
    前記除染廃液循環ラインから前記除染対象物で用いた薬剤から生じた除染廃液を抜き出し、前記除染廃液循環ラインに再度戻す除染廃液処理ラインと、
    前記除染廃液処理ラインに設けられ、前記除染廃液を電析処理する複数の副電極を有する電解槽と、
    前記除染廃液処理ラインの前記電解槽の後流側に設けられ、前記除染廃液に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂を有するアニオン樹脂槽と、を備えることを特徴とする除染廃液の処理システム。
  2. 請求項1において、
    前記除染廃液処理ラインの前記電解槽の後流側に設けられ、前記除染廃液に存在する金属イオンを吸着する金属イオン吸着体を有する金属イオン除去槽を備えることを特徴とする除染廃液の処理システム。
  3. 請求項2において、
    前記除染廃液処理ラインの前記電解槽をバイパスし、前記除染廃液を金属イオン除去槽に直接供給する第1バイパスラインを備えることを特徴とする除染廃液の処理システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記除染廃液処理ラインの前記アニオン樹脂槽の後流側に、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂を有する混床樹脂槽を備えることを特徴とする除染廃液の処理システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    前記除染廃液処理ラインの前記アニオン樹脂槽の後流側から系外に処理液を排出する排出ラインに、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂を有する混床樹脂槽を備えることを特徴とする除染廃液の処理システム。
  6. 原子炉設備の除染対象物に薬剤を循環させる薬剤循環工程と、
    前記薬剤循環工程において、前記除染対象物で用いた薬剤から生じた除染廃液を抜き出し、前記薬剤循環工程に再度戻す除染廃液処理工程と、
    前記除染廃液処理工程において、前記除染廃液を電析処理する複数の副電極を有する電解槽により電析処理する電析工程と、
    前記電析工程の後流側において、前記除染廃液に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂吸着工程と、を有することを特徴とする除染廃液の処理方法。
  7. 請求項6において、
    前記電析工程の後流側において、前記除染廃液に存在する金属イオンを吸着する金属イオン吸着体による金属イオン除去工程を有することを特徴とする除染廃液の処理方法。
  8. 請求項7において、
    前記電析工程を行うことなく、前記除染廃液を金属イオン吸着工程で処理することを特徴とする除染廃液の処理方法。
  9. 請求項6乃至8のいずれか一つにおいて、
    前記アニオン樹脂吸着工程の後流側に、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂による吸着工程を有することを特徴とする除染廃液の処理方法。
  10. 請求項6乃至9のいずれか一つにおいて、
    前記除染廃液処理工程の前記アニオン樹脂槽の後流側から系外に処理液を排出する排出工程において、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂による吸着工程を有することを特徴とする除染廃液の処理方法。
  11. 原子炉設備の除染対象物に薬剤を循環させる除染廃液循環ラインと、
    前記除染廃液循環ラインに、前記薬剤を供給する薬剤供給部と、
    前記除染廃液循環ラインから前記除染対象物で用いた薬剤から生じた除染廃液を抜き出し、前記除染廃液循環ラインに再度戻す除染廃液処理ラインと、
    前記除染廃液処理ラインに設けられ、前記除染廃液に存在する金属イオンを除去する金属イオン吸着体を有する金属イオン除去槽と、
    前記金属イオン除去槽の後流側に設けられ、前記除染廃液に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂を有するアニオン樹脂槽と、
    前記除染廃液処理ラインの前記アニオン樹脂槽の後流側から系外に処理液を排出する排出ラインに設けられ、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂を有する混床樹脂槽と、を備えることを特徴とする除染廃液の処理システム。
  12. 原子炉設備の除染対象物に薬剤を循環させる薬剤循環工程と、
    前記薬剤循環工程において、前記除染対象物で用いた薬剤から生じた除染廃液を抜き出し、前記薬剤循環工程に再度戻す除染廃液処理工程と、
    前記除染廃液処理工程において、前記除染廃液に存在する金属イオンを除去する金属イオン除去工程と、
    前記金属イオン除去工程の後流側に設けられ、前記除染廃液に含まれる有機酸を少なくとも吸着するアニオン樹脂吸着工程と、
    前記アニオン樹脂吸着工程の後流側から系外に処理液を排出する際、金属イオン吸着体とアニオン樹脂とを混合した混床樹脂により金属イオンおよび有機酸を除去する混床樹脂による吸着工程を、有することを特徴とする除染廃液の処理方法。
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