JP2015209879A - 車両のパワートレイン制御装置 - Google Patents

車両のパワートレイン制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の急減速時に、パワートレインの急減速対応制御を速やかに実行し、燃費悪化を防止することができる車両のパワートレイン制御装置を提供すること。【解決手段】アクセル開放動作からブレーキ踏込動作に移行するときの、アクセルペダル上のドライバーの足の動きを検出し、この検出結果に基づいてドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を推定する急ブレーキ推定部と、急ブレーキ推定部により急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、車両のパワートレインの急減速対応制御を行うパワートレイン制御部と、を備える構成とした。【選択図】図5

Description

本発明は、急減速時に車両のパワートレインの急減速対応制御を行う車両のパワートレイン制御装置に関するものである。
従来、トルクコンバータの出力回転から、エンジンストールを懸念させる急減速又は低回転を検出したら、トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの締結を解除するパワートレイン制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3284959号公報
ところで、従来のパワートレイン制御装置では、車両の急減速をトルクコンバータの出力回転から検出するので、車両がある程度減速しなければ検出することができなかった。つまり、車速が所定の解放閾値車速に達したら、ロックアップクラッチが解放されていた。
そのため、ロックアップクラッチの制御応答性よりも、減速スピードが上回っている場合では、ロックアップクラッチが解放する前にエンジン回転数が落ち込んでしまい、エンジンストールが生じる可能性があった。そして、エンジンストール後にエンジン再始動を行えば、燃費が悪化するという問題があった。
また、トルクコンバータの出力回転が所定の閾値を一度超えただけで車両の急減速発生と判断した場合、つまり、車速が一瞬であっても解放閾値車速以下になったことで急減速が発生したと判断した場合では、判断回数が少ないことから誤判断が多くなり、ロックアップクラッチの締結・解除が繰り返されて燃費が悪化するおそれがあった。さらに、誤判断を防止するため、急減速発生の発生有無の判断時間を長く確保してしまうと、適切なタイミングでロックアップクラッチの締結解除を行うことができず、やはりエンジンストールが生じて燃費が悪化することが考えられる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、車両の急減速時に、パワートレインの急減速対応制御を速やかに実行し、燃費悪化を防止することができる車両のパワートレイン制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両のパワートレイン制御装置は、車両の急減速時に、前記車両のパワートレインの急減速対応制御を行うパワートレイン制御手段と、アクセル開放動作からブレーキ踏込動作に移行するときの、アクセルペダル上のドライバーの足の動きを検出し、この検出結果に基づいて前記ドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を推定する急ブレーキ推定手段と、を備えている。そして、前記急ブレーキ推定手段により急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレイン制御手段は、前記急減速対応制御を行う。
よって、本発明の車両のパワートレイン制御装置では、アクセル開放動作からブレーキ踏込動作に移行するときのアクセルペダル上のドライバーの足の動きから、ドライバーの急ブレーキ操作意図の有無が推定される。そして、この急ブレーキ操作意図があると推定されたときに急減速対応制御が行われる。
そのため、踏込操作中のアクセルペダルから足を離し、ペダルを踏み替えてブレーキペダルを踏み込み、車両に制動力が作用して車速が大きく低下するといった現象が生じるよりも前に、速やかにパワートレインの急減速対応制御を行うことができる。
そして、急減速対応制御を速やかに行うことで、急減速の推定時間を長く確保して誤判断を防止することができ、不要なときに急減速対応制御を行うことが防止できて、燃費の悪化を抑制することができる。
また、急減速の推定時間を長く確保しても、急減速対応制御を適切なタイミングで行うことができ、燃費悪化を防止することができる。
この結果、パワートレインの急減速対応制御を速やかに実行し、燃費悪化を防止することができる。
実施例1の車両のパワートレイン制御装置が適用された車両のパワートレインとその制御系を示す概略全体図である。 実施例1のトルクコンバータのロックアップクラッチを示す説明図である。 実施例1の触覚センサの配置位置を示す説明図である。 実施例1における急ブレーキ判定領域の一例を示すマップである。 実施例1の急ブレーキ推定部にて実行される急ブレーキ推定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のロックアップクラッチ制御部にて実行されるロックアップクラッチ解放処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の油圧制御部にて実行される変速機制御系油圧コントロール処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の変速機制御部にて実行される変速制限処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの車速・アクセル開度・ブレーキスイッチ・アクセル戻し速度の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときのアクセルペダル横力・急ブレーキ判定カウンタ・急ブレーキ判定フラグの各特性を示すタイムチャートである。 実施例1のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの車速・アクセル開度・ブレーキスイッチ・急ブレーキ判定フラグの各特性を示すタイムチャートである。 実施例1のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときのロックアップクラッチ・トルクコンバータタービン回転数・エンジン回転数の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの目標変速比・制御系油圧の各特性を示すタイムチャートである。 実施例2のコントローラの構成を示すブロック図である。 実施例2のエンジン制御部にて実行される目標エンジン回転数制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの車速・アクセル開度・ブレーキスイッチ・急ブレーキ判定フラグの各特性を示すタイムチャートである。 実施例2のパワートレイン制御装置を適用した車両において、ロックアップクラッチ・トルクコンバータタービン回転数・エンジン回転数・目標エンジン回転数の各特性を示すタイムチャートである。 実施例3のパワートレイン制御装置における熱画像センサの設置位置の一例と検出対象を示す説明図である。 実施例3における急ブレーキ判定領域の一例を示すマップである。 実施例3のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの車速・アクセル開度・ブレーキスイッチ・アクセル戻し速度の各特性を示すタイムチャートである。 実施例3のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの右膝位置・右膝移動量・急ブレーキ判定カウンタ・急ブレーキ判定フラグの各特性を示すタイムチャートである。 実施例4のパワートレイン制御装置における面圧センサの設置位置を示す説明図である。 実施例4における急ブレーキ判定領域の一例を示すマップである。
以下、本発明の車両のパワートレイン制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1から実施例4に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、実施例1の車両のパワートレイン制御装置の構成を、「パワートレイン制御装置の全体システム構成」、「パワートレイン制御装置の制御系の詳細構成」、「急ブレーキ推定処理構成」、「ロックアップクラッチ解放処理構成」、「変速機制御系油圧コントロール処理構成」、「変速制限処理構成」に分けて説明する。
[パワートレイン制御装置の全体システム構成]
図1は、実施例1の車両のパワートレイン制御装置が適用された車両のパワートレインとその制御系を示す概略全体図である。以下、図1に基づいて、実施例1のパワートレイン制御装置の全体システム構成を説明する。
実施例1のパワートレイン制御装置が適用された車両CのパワートレインPTには、エンジン1と、無段変速機12と、を備え、コントローラ21(パワートレイン制御装置)からの指令により各種の制御を行っている。
前記エンジン1は、吸気通路2に、モータ5などでスロットル弁4を開閉駆動する電子制御スロットル装置3が介装されている。そして、スロットル開度センサ6によって検出される実際のスロットル弁開度が、目標駆動力に合わせてコントローラ21から出力された目標開度指令と一致するようにスロットル弁4が駆動される。このとき定まるスロットル弁4の開度によってエンジン1に吸入される空気量が調整され、エンジン1の出力トルクが制御される。
このエンジン出力トルクは、動力断接手段としてのトルクコンバータ11を介して無段変速機12に伝達される。そして、この無段変速機12の出力トルクは、さらにファイナルドライブギア18、ディファレンシャルギア19を順に介して図示しない駆動輪へと伝達される。
前記無段変速機12は、制御系オイルの油圧を制御することによって動作制御がなされる油圧式自動変速機であり、プライマリプーリ13と、これに整列配置されるセカンダリプーリ14と、これら両プーリ13,14間に掛け回されるVベルト15と、を備えている。この無段変速機12では、変速のため、プライマリプーリ13及びセカンダリプーリ14のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジが他方の固定フランジに対して相対的に接近してV溝幅を狭めたり、離反してV溝幅を広め得るようになっている。そして、両可動フランジを、目標変速比指令に応動する油圧アクチュエータ16からのプライマリプーリ圧Ppri及びセカンダリプーリ圧Psecに応じた位置に変位させることで、無段変速機12の実変速比が目標変速比と一致するように変速される。
前記トルクコンバータ11は、図2に示すように、トルクコンバータ出力要素(タービン)と共に回転するロックアップクラッチ11aを内蔵している。このロックアップクラッチ11aは、エンジン1に連結したトルクコンバータ入力要素(インペラ)に締結されるとき、トルクコンバータ11を入出力要素間が直結されたロックアップ状態にする。
すなわち、前記ロックアップクラッチ11aは、その両側(前後)におけるトルクコンバータアプライ圧Paとトルクコンバータレリーズ圧Prとの差圧Pa−Prに応動し、レリーズ圧Prがアプライ圧Paよりも高いとロックアップクラッチ11aは解放されてトルクコンバータ入出力要素間を直結しない。また、レリーズ圧Prがアプライ圧Paよりも低くなるとき、ロックアップクラッチ11aは締結されてトルクコンバータ入出力要素間を直結する。
そして、ロックアップクラッチ11aの締結力、つまりロックアップ容量は、上記の差圧Pa−Prにより決定し、この差圧Pa−Prが大きい程ロックアップクラッチ11aの締結力が増大してロックアップ容量を増大する。
前記差圧Pa−Prは、周知のロックアップ制御弁11bにより制御し、このロックアップ制御弁11bには、アプライ圧Paおよびレリーズ圧Prを相互に対向するように作用させる。さらに、アプライ圧Paと同方向にばね11cの付勢力を作用させ、レリーズ圧Prと同方向にばね力と信号圧Psを作用させる。そして、ロックアップ制御弁11bは、これら油圧とばね付勢力が釣り合うよう差圧Pa−Prを決定する。
ここで、ロックアップ制御弁11bにかかる信号圧Psは、ポンプ圧Ppを元圧として、ロックアップソレノイド17がロックアップデューティDに応じて作り出すものである。
前記コントローラ21には、図1に示すように、スロットル開度センサ6からのスロットル開度情報、アクセル開度センサ31からのアクセル開度情報(アクセルペダル7の踏み込み量)、車速センサ32からの車速情報、触覚センサ33からのアクセル操作時発生摩擦力情報、クランク角センサ34からのエンジン1の回転数情報、CVT入力軸回転数センサ35からの無段変速機12の入力軸回転数情報(プライマリプーリ13の回転数)、CVT出力軸回転数センサ36からの無段変速機12の出力軸回転数情報(セカンダリプーリ14の回転数)、電源電圧センサ37からの電源電圧情報、ATF油温センサ38からの油温情報(無段変速機12の制御系オイル温度)、等の各情報が入力される。
そして、このコントローラ21では、これら入力情報をもとに走行時の目標駆動力を設定する。そして、この目標駆動力を達成するように、スロットル弁4の目標開度や無段変速機12の目標変速比を演算し、この演算値(指令)に従って、エンジン1のスロットル弁開度(出力トルク)制御や、無段変速機12の変速制御を行うことで、車両走行時の駆動力を制御する。また、このコントローラ21では、ロックアップソレノイド17を介して差圧Pa−Prを制御し、ロックアップクラッチ11aの締結や解放あるいはスリップなどの制御を行う。なお、ロックアップクラッチ11aは、車速が予め設定した締結閾値車速以上になったら締結され、この締結閾値車速に対してヒステリシスを持って設定された解放閾値車速以下になったら解放される。
さらに、このコントローラ21は、急ブレーキ推定部22(急ブレーキ推定手段)と、パワートレイン制御部23(パワートレイン制御手段)と、を有している。
前記急ブレーキ推定部22は、アクセル開放動作からブレーキ踏込動作に移行するときの、アクセルペダル7上のドライバーの足Fの動きを検出し、この検出結果に基づいてドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を推定する。
前記パワートレイン制御部23は、急ブレーキ推定部22によりドライバーの急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、パワートレインPTの急減速対応制御を行う。なお、「急減速対応制御」の具体例については後述する。
[パワートレイン制御装置の制御系の詳細構成]
次に、図1に基づき、実施例1のパワートレイン制御装置の制御系の詳細構成を説明する。
前記急ブレーキ推定部22は、図1に示すように、アクセル戻し動作検出部24と、ドライバー動作検出部25と、急ブレーキ判定部26と、を有している。
前記アクセル戻し動作検出部24は、アクセルペダル7が閉方向(アクセル足離し方向)に移動する動きを検出する演算回路である。ここでは、アクセル開度センサ31によって検出されたアクセル開度の変化方向と変化速度に基づいて演算されるアクセル戻し速度から、このアクセルペダル7の動きを検出する。
前記ドライバー動作検出部25は、ドライバーの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダル(不図示)に向かう動きを検出する演算回路である。ここでは、触覚センサ33によって検出されたアクセルペダル7とドライバーの足裏Faとの間に生じる車幅方向のせん断力により、このドライバーの足Fの動きを検出する。
なお、前記触覚センサ33は、図3に示すように、ドライバーの足Fによって踏込操作されるアクセルペダル7のペダルプレート7aの表面中央部に設けられ、ドライバーの足Fが十分接触可能になるように配置されている。そして、ここで、アクセルペダル7を踏み込んでいる状態から、急いでブレーキペダルに踏み替えようとする際に、足Fを左斜め上方向に移動させることにより、ペダルプレート7aに車幅方向のせん断力(以下、「アクセルペダル横力」という)が作用する。触覚センサ33は、このアクセルペダル横力を検出する。
前記急ブレーキ判定部26は、アクセル戻し動作検出部24によって検出されたアクセルペダル7が閉方向に向かう動きと、ドライバー動作検出部25によって検出されたドライバーの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダルに向かう動きに基づいて、ドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を判定する演算回路である。
ここで、この急ブレーキ判定部26は、アクセル戻し速度が予め設定した第1判定閾値以上であって、アクセルペダル横力が予め設定した第2判定閾値以上のとき、つまり、アクセル戻し速度とアクセルペダル横力によって決まる動作点が、図4において斜線で示す急ブレーキ判定領域にあるとき、急ブレーキ操作意図があると判定する。
ここで、「第1判定閾値」は、ドライバーが急ブレーキ操作を行う際に発生するアクセル戻し速度の基準値であり、例えば実験によって求める。
また、「第2判定閾値」は、ドライバーが急ブレーキ操作を行う際に発生するアクセルペダル横力の基準値であり、例えば実験によって求める。
さらに、この急ブレーキ判定部26は、アクセル開度センサ31によって検出されたアクセル開度が、予め設定した判定許可開度以下であって、車速センサ32によって検出された車速が、予め設定した判定許可速度以上のとき、急ブレーキ操作意図の有無を判定する。
ここで、「判定許可開度」は、急ブレーキ操作が可能であると判断できるアクセル開度であり、任意に設定する。一般的にアクセルペダル7が大きく踏み込まれているときには、ドライバーの加速要求が強く、ブレーキ操作を行う可能性は低い。その場合には、急ブレーキ推定処理の実行は不要となるため、その基準となるアクセル開度を「判定許可開度」として設定する。
また、「判定許可速度」は、急ブレーキ操作が可能であると判断できる車速であり、任意に設定する。一般的に車速が低いときには、ドライバーがブレーキ操作を行っても急ブレーキ操作にならず、パワートレインPTの減速時対応制御は不要である。その場合には、急ブレーキ推定処理の実行は不要となるため、その基準となる車速を「判定許可速度」として設定する。
前記パワートレイン制御部23は、図1に示すように、ロックアップクラッチ制御部27と、油圧制御部28と、変速機制御部29と、を有している。
前記ロックアップクラッチ制御部27は、ロックアップクラッチ11aの締結中に、急ブレーキ推定部22により急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、パワートレインPTの急減速対応制御として車速に拘らずロックアップクラッチ11aの締結を解除させるクラッチ解放指令を出力する。なお、ロックアップクラッチ制御部27からのクラッチ解放指令は、ロックアップソレノイド17に入力され、ロックアップデューティDが制御されてロックアップクラッチ11aが解放される。
前記油圧制御部28は、走行中に急ブレーキ推定部22により急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、パワートレインPTの急減速対応制御として無段変速機12を制御する制御系オイルの油圧(制御系油圧;プライマリプーリ圧Ppri、セカンダリプーリ圧Psec)を通常時よりも上昇させる油圧上昇指令を出力する。ここで、無段変速機12を制御する制御系オイルは、エンジン1によって駆動するオイルポンプ(不図示)が吐出したポンプ圧Ppを、制御対象に応じて必要とする油圧になるように調圧される。すなわち、制御系オイルは、通常、ポンプ圧Ppを油圧アクチュエータ16内のプレッシャーレギュレータバルブによってライン圧PLに調圧し、さらに油圧アクチュエータ16内の変速制御弁と減圧弁で調圧し、Vベルト15が滑らず、且つ、目標の変速比になるようにプライマリプーリ13とセカンダリプーリ14を制御可能な油圧(通常設定油圧)に設定される。
しかし、油圧制御部28は、急ブレーキ操作意図があると推定されたときは、この通常設定油圧に拘らず、油圧を上昇させる。つまり、通常設定油圧に対して所定のマージン分高い油圧とする。なお、油圧制御部28からの油圧上昇指令は油圧アクチュエータ16に入力され、減圧弁等が制御されて無段変速機12の制御系オイルの油圧が上昇する。
前記変速機制御部29は、走行中に急ブレーキ推定部22により急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、パワートレインPTの急減速対応制御として無段変速機12のハイ変速比側への変速を禁止する変速禁止指令を出力する。ここで、通常、無段変速機12の変速比は、車速とアクセル開度と図示しない変速マップに基づいて設定される。しかし、変速機制御部29は、急ブレーキ操作意図があると推定されたときは、この通常設定変速比に拘らず、ハイ変速比側への変速を禁止する。なお、変速機制御部29からの変速禁止指令は、油圧アクチュエータ16に入力され、変速制御弁等が制御されて無段変速機12のハイ変速比側への変速が禁止される。
[急ブレーキ推定処理構成]
図5は、実施例1の急ブレーキ推定部にて実行される急ブレーキ推定処理の流れを示すフローチャートである。以下、図5に基づき、実施例1の急ブレーキ推定処理の各ステップを説明する。なお、この急ブレーキ推定処理は、車両走行中一定の間隔(例えば10ミリ秒)ごとに実行され、車両が停車したらリセットされる。また、b回前の急ブレーキ推定処理の実行時に検出したアクセル開度(以下「アクセル開度(b回前)」と示す)の初期値は全閉とし、急ブレーキ判定カウンタの初期値はゼロとし、急ブレーキ判定フラグは「0」に初期設定される。
ステップS1では、現在のアクセル開度(以下「アクセル開度(New)」と示す)、車速、アクセルペダル横力、アクセル開度(b回前)、急ブレーキ判定カウンタの各情報を入力し、ステップS2へ進む。
ここで、アクセル開度(New)は、アクセル開度センサ31により検出する。車速は、車速センサ32によって検出する。アクセルペダル横力は、触覚センサ33によって検出する。アクセル開度(b回前)及び急ブレーキ判定カウンタは、図示しないメモリから読み出す。
ステップS2では、ステップS1での必要情報の入力に続き、このステップS1にて入力したアクセル開度(New)とアクセル開度(b回前)に基づき、アクセル戻し速度が演算可能であるか否かを判断する。YES(演算可能)の場合、つまりアクセルペダル7が閉方向(アクセル足離し方向)に移動しているときには、ステップS3へ進む。NO(演算不可能)の場合、つまりアクセルペダル7が開方向(アクセル踏込方向)に移動しているとき、或いはアクセル開度が維持されているときには、急ブレーキ操作意図はないとしてエンドへ進む。
ステップS3では、ステップS2でのアクセル戻し速度が演算可能との判断に続き、ステップS1にて入力したアクセル開度(New)とアクセル開度(b回前)に基づいてアクセル戻し速度を演算し、ステップS4へ進む。
ここで、アクセル戻し速度は、アクセル開度(New)とアクセル開度(b回前)の差を、アクセル開度(b回前)を検出したタイミングからアクセル開度(New)を検出したタイミングまでの時間で割った値の絶対値である。
ステップS4では、ステップS3でのアクセル戻し速度の演算に続き、ステップS1にて入力した急ブレーキ判定カウンタがゼロ以下であるか否かを判断する。YES(急ブレーキ判定カウンタ≦0)の場合には、ステップS5へ進む。NO(急ブレーキ判定カウンタ>0)の場合には、ステップS7へ進む。
ここで、「急ブレーキ判定カウンタ」とは、アクセル戻し速度とアクセルペダル横力によって決まる動作点が急ブレーキ判定領域(図4において斜線で示す領域)にあると判断するごとに所定の定数(a)が加算される演算カウンタである。
ステップS5では、ステップS4での急ブレーキ判定カウンタ≦0との判断に続き、ステップS1にて入力したアクセル開度(New)が、予め設定した判定許可開度以下であるか否かを判断する。YES(アクセル開度(New)≦判定許可開度)の場合には、ステップS5へ進む。NO(アクセル開度(New)>判定許可開度)の場合には、急ブレーキ操作意図はないとしてエンドへ進む。
ステップS6では、ステップS5でのアクセル開度(New)≦判定許可開度との判断に続き、ステップS1にて入力した車速が、予め設定した判定許可速度以下であるか否かを判断する。YES(車速≧判定許可速度)の場合には、ステップS7へ進む。NO(車速<判定許可速度)の場合には、急ブレーキ操作意図はないとしてエンドへ進む。
ステップS7では、ステップS6での車速≧判定許可速度との判断に続き、ステップS3にて演算したアクセル戻し速度が、予め設定した第1判定閾値以上であるか否かを判断する。YES(アクセル戻し速度≧第1判定閾値)の場合には、ステップS8へ進む。NO(アクセル戻し速度<第1判定閾値)の場合には、急ブレーキ操作は行われないとしてステップS12へ進む。
ステップS8では、ステップS7でのアクセル戻し速度≧第1判定閾値との判断に続き、ステップS1にて入力したアクセルペダル横力が、予め設定した第2判定閾値以上であるか否かを判断する。YES(アクセルペダル横力≧第2判定閾値)の場合には、ステップS9へ進む。NO(アクセルペダル横力<第2判定閾値)の場合には、急ブレーキ操作は行われないとしてステップS12へ進む。
ステップS9では、ステップS8でのアクセルペダル横力≧第2判定閾値との判断に続き、ステップS1にて入力した急ブレーキ判定カウンタ(前回値)に、所定の定数「a」を加算すると共に、演算結果を新たな急ブレーキ判定カウンタとし、ステップS10へ進む。
ここで、「a」は、任意に設定可能な値であるが、後述する急ブレーキ閾値よりは十分に小さい値とする。
ステップS10では、ステップS9での急ブレーキ判定カウンタの演算及び記憶に続き、このステップS9にて演算した新たな急ブレーキ判定カウンタが、予め設定した急ブレーキ閾値以上であるか否かを判断する。YES(急ブレーキ判定カウンタ≧急ブレーキ閾値)の場合にはステップS11へ進む。NO(急ブレーキ判定カウンタ<急ブレーキ閾値)の場合には、急ブレーキ操作があるとの判定を行わないとしてエンドへ進む。
ここで、「急ブレーキ閾値」は、任意に設定可能な値であるが、アクセル戻し速度とアクセルペダル横力に基づいて、急ブレーキ操作意図の有無判定を複数回実行することを保証できる値とする。つまり、急ブレーキ操作意図の有無を1回だけ判定したのでは、判定精度が低く、例えば振動等の急ブレーキ以外の要因であっても急ブレーキ操作意図があると判断してしまうことがある。そのため、少ない判定回数では、ドライバーの急ブレーキ操作意図を誤判定するおそれがある。しかし、「急ブレーキ閾値」と比較する「急ブレーキ判定カウンタ」は、前回値に対し所定の定数「a」を加算した値である。このため、「急ブレーキ閾値」を、この「a」を複数回加算しなければ達しない値にすることで、急ブレーキ操作意図の有無を複数回実行した結果、初めて急ブレーキ操作があるとの判定を行うことができる。
ステップS11では、ステップS10での急ブレーキ判定カウンタ≧急ブレーキ閾値との判断に続き、メモリに記憶された急ブレーキ判定フラグを「1」に切り替え設定し、ステップS12へ進む。
ここで、急ブレーキ判定フラグは、ドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を示すフラグであり、「1」は急ブレーキ操作意図があることを示し、「0」は急ブレーキ操作意図がないことを示す。
なお、この急ブレーキ判定フラグは、「1」に設定された後、車速がゼロになって停車したら「0」に再設定される。
ステップS12では、ステップS11での急ブレーキ判定フラグの設定に続き、急ブレーキ判定カウンタの値を「ゼロ(0)」に書き換え、エンドへ進む。
[ロックアップクラッチ解放処理構成]
図6は、実施例1のロックアップクラッチ制御部にて実行されるロックアップクラッチ解放処理の流れを示すフローチャートである。以下、図6に基づき、実施例1のロックアップ解放処理の各ステップを説明する。なお、このロックアップクラッチ解放処理は、走行中常時実行される。
ステップS21では、ロックアップクラッチ11aが締結しているか否かを判断する。YES(ロックアップクラッチ締結中)の場合には、ステップS22に進む。NO(ロックアップクラッチ解放中)の場合には、ロックアップクラッチ11aを解放制御する必要がないのでエンドへ進む。
ステップS22では、ステップS21でのロックアップクラッチ締結中との判断に続き、メモリに記憶された急ブレーキ判定フラグが「1」であるか否かを判断する。YES(急ブレーキ判定フラグ=1)の場合には、ドライバーの急ブレーキ操作意図があるとしてステップS24に進む。NO(急ブレーキ判定フラグ=0)の場合には、ドライバーの急ブレーキ操作意図はないとしてステップS23へ進む。
ステップS23では、ステップS22での急ブレーキ判定フラグ=0との判断に続き、車速が予め設定した解放閾値車速以下であるか否かを判断する。YES(車速≦解放閾値車速)の場合には、ステップS24に進む。NO(車速>解放閾値車速)の場合には、ロックアップクラッチ11aを解放する必要はないとしてエンドへ進む。
ステップS24では、ステップS22での急ブレーキ判定フラグ=1との判断、又はステップS23での車速≦解放閾値車速との判断に続き、ロックアップクラッチ11aの締結を解除させるクラッチ解放指令を出力し、ロックアップクラッチ11aを解放して、エンドへ進む。
[変速機制御系油圧コントロール処理構成]
図7は、実施例1の油圧制御部にて実行される変速機制御系油圧コントロール処理の流れを示すフローチャートである。以下、図7に基づき、実施例1の変速機制御系油圧コントロール処理の各ステップを説明する。なお、この変速機制御系油圧コントロール処理は、走行中常時実行される。
ステップS31では、メモリに記憶された急ブレーキ判定フラグが「1」であるか否かを判断する。YES(急ブレーキ判定フラグ=1)の場合には、ドライバーの急ブレーキ操作意図があるとしてステップS32に進む。NO(急ブレーキ判定フラグ=0)の場合には、ドライバーの急ブレーキ操作意図はないとしてステップS33へ進む。
ステップS32では、ステップS31での急ブレーキ判定フラグ=1との判断に続き、無段変速機12の制御系オイルの油圧(制御系油圧;プライマリプーリ圧Ppri、セカンダリプーリ圧Psec)を通常設定油圧よりも上昇させる油圧上昇指令を出力し、無段変速機12の制御系油圧を上昇させて、エンドへ進む。
ステップS33では、ステップS31での急ブレーキ判定フラグ=0との判断に続き、無段変速機12の制御系オイルの油圧(制御系油圧)を、Vベルト15が滑らず、且つ、目標の変速比になるようにプライマリプーリ13とセカンダリプーリ14を制御可能な通常の油圧(通常設定油圧)に設定し、エンドへ進む。
[変速制限処理構成]
図8は、実施例1の変速機制御部にて実行される変速制限処理の流れを示すフローチャートである。以下、図8に基づき、実施例1の変速制限処理の各ステップを説明する。なお、この変速制限処理は、走行中常時実行される。
ステップS41では、メモリに記憶された急ブレーキ判定フラグが「1」であるか否かを判断する。YES(急ブレーキ判定フラグ=1)の場合には、ドライバーの急ブレーキ操作意図があるとしてステップS42に進む。NO(急ブレーキ判定フラグ=0)の場合には、ドライバーの急ブレーキ操作意図はないとしてステップS43へ進む。
ステップS42では、ステップS41での急ブレーキ判定フラグ=1との判断に続き、無段変速機12のハイ変速比側への変速を禁止する変速禁止指令を出力し、無段変速機12の変速を制限して、エンドへ進む。
ステップS43では、ステップS41での急ブレーキ判定フラグ=0との判断に続き、無段変速機12の目標変速比を、車速とアクセル開度と図示しない変速マップに基づいて設定する通常設定変速比に設定し、エンドへ進む。
次に、実施例1の車両のパワートレイン制御装置における作用を、「急ブレーキ推定作用」と、「パワートレインの急減速時対応制御作用」に分けて説明する。
[急ブレーキ推定作用]
図9A及び図9Bは、実施例1のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの各種の特性を示すタイムチャートであり、図9Aは、車速・アクセル開度・ブレーキスイッチ・アクセル戻し速度の特性を示し、図9Bはアクセルペダル横力・急ブレーキ判定カウンタ・急ブレーキ判定フラグの特性を示す。以下、図9A及び図9Bに基づき、実施例1の急ブレーキ推定作用について説明する。
図9Aに示す時刻t時点では、アクセル開度が閉方向へと変化していないので、アクセル戻し速度を演算することができない。そのため、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→エンドへと進み、急ブレーキ推定は行われない。
時刻t時点において、急ブレーキ操作を行うために、ドライバーがアクセルペダル7から足Fを離してペダル急戻しを行いつつ、ブレーキペダル方向(車両左側)に向けて足Fを移動させる、といった動作を開始する。そのため、アクセル開度が閉方向への変化を開始し、アクセル戻し速度の演算が可能になる。なお、このときのアクセル戻し速度は、第1判定閾値を超える値の一定値とする。また、アクセルペダル7上でドライバーの足Fが滑り、アクセルペダル横力が発生する(図9B参照)。
これにより、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む。このとき、急ブレーキ判定カウンタは「0」であるので、ステップS5へ進み、アクセル開度が判定許可開度以上であるか否かが判断される。時刻t時点では、アクセル開度が判定許可開度を上回っているので、ステップS5→エンドへ進み、急ブレーキ推定は行われない。
時刻t時点において、アクセル開度が判定許可開度に達すると、ステップS5→ステップS6へと進み、車速が判定許可速度以上であるか否かが判断される。時刻t時点では、車速が判定許可速度を上回っているので、ステップS7へと進み、アクセル戻し速度が第1判定閾値以上であるか否かが判断される。そして、この時刻t時点では、アクセル開度は閉方向へと変化しており、アクセル戻し速度は第1判定閾値を上回っているので、ステップS8へと進み、アクセルペダル横力が第2判定閾値以上であるか否かが判断される。
時刻t時点では、アクセルペダル横力は、第2判定閾値を下回っているため、ステップS8→ステップS12→エンドへと進み、急ブレーキ推定は行われない。
時刻t時点にて、アクセルペダル横力が第2判定閾値に達すると、ステップS8→ステップS9へと進み、急ブレーキカウンタ(=0)に所定の定数「a」が加算され、急ブレーキカウンタの値が「a」となる。そして、ステップS10へ進んで、所定の定数「a」が加算された新たな急ブレーキカウンタが急ブレーキ閾値以上であるか否かが判断される。
ここで、所定の定数「a」は、「急ブレーキ閾値」よりも十分に小さい値であるため、時刻t時点では、急ブレーキカウンタは急ブレーキ閾値を下回ったままである。そのため、ステップS10→エンドへ進み、急ブレーキ推定は行われない。
その後、図5に示す急ブレーキ推定処理を一定の間隔で繰り返し実行することで、急ブレーキ判定カウンタは増加していく。
なお、アクセルペダル7を急戻しする時間は、一般的に約0.1秒程度であるが、実施例1の急ブレーキ推定処理は10ミリ秒ごとに実行されるので、アクセルペダル7が全閉状態になる前に、アクセル戻し速度とアクセルペダル横力の大きさを複数回判断することができる。これにより、ノイズ等による誤判断を防止することができる。
そして、時刻t時点にて、急ブレーキ判定カウンタが急ブレーキ閾値に達したら、ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進み、まず、急ブレーキ判定フラグが「1」に設定される。そして、急ブレーキ判定カウンタがゼロに書き換えられる。
これにより、ドライバーの急ブレーキ操作意図があると判定されたことになり、ロックアップクラッチ解放処理等の急減速時対応制御が行われる。
その後、時刻t時点にてアクセルペダル7からドライバーの足Fが完全に外れ、時刻t時点にてブレーキペダルが踏み込み操作されてブレーキスイッチがOFFからONへと切り替わる。これにより、車速が急減速を開始する。そして、時刻t時点にて車速がゼロになって停車すると、急ブレーキ判定フラグが「0」に設定される。
このように、実施例1では、時刻t時点において、ドライバーの急ブレーキ操作意図があると判定されると、実際の減速が開始される時点(時刻t時点)よりも前にロックアップクラッチ解放処理等の急減速時対応制御が行われる。つまり、ドライバーの足Fがアクセルペダル7上に存在し、ブレーキペダルへの踏み替えが行われる前(ブレーキペダルが踏み込まれて車速が低下するよりも前)にパワートレインの急減速対応制御を行うことができる。
これにより、パワートレインの急減速対応制御を速やかに行うことができ、急減速対応制御の実行タイミングが遅れることで燃費が悪化してしまうことを防止できる。
また、急ブレーキ操作意図があると推定された時点(時刻t時点)でパワートレインの急減速対応制御を行うため、急減速対応制御を行う時間を十分に確保することができる。そのため、例えばロックアップクラッチ11aの油圧応答性よりも減速スピードが速くても急ブレーキ操作意図の有無を複数回判定し、誤判断を防止することができる。これにより、不要なとき(急減速が発生しないとき)に急減速対応制御を行ってしまうことを防止して、燃費の悪化を抑制することができる。
さらに、判定精度を向上するために、急ブレーキ操作意図の有無を複数回判定しても、実際に減速する前に急減速対応制御を行うことで、車速が大きく低下する前等の適切なタイミングで急減速対応制御を行うことができ、やはり燃費の悪化を防止することができる。
また、この実施例1では、アクセルペダル7が閉方向に向かう動きを、アクセル戻し速度が演算できることで検出する。また、ドライバーの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダルに向かう動きを、アクセルペダル横力に基づき検出する。
そして、急ブレーキ操作意図の有無を、アクセルペダル7が閉方向に向かう動きと、ドライバーの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダルに向かう動きと、に基づいて判定する。
そのため、ドライバーの急ブレーキ操作意図の推定精度を向上し、パワートレインの減速時対応制御を適切なタイミングで実行することができる。
特に、この実施例1では、アクセルペダル7が閉方向に向かう動きを示すアクセル戻し速度が、第1判定閾値以上のときであって、ドライバーの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダルへ向かう動きを示すアクセルペダル横力が、第2判定閾値以上のときに、急ブレーキ操作意図があると判定している。
そのため、簡易な構成でブレーキ操作意図の有無を判定することができる。
さらに、実施例1では、アクセル戻し速度とアクセルペダル横力を組み合わせて、双方が閾値(第1判定閾値、第2判定閾値)以上になったときに急ブレーキ操作意図の有無を判定する。これにより、急ブレーキ操作に伴う足の動きと、急減速とは関係のない足の微振動とを区別することができる。そして、急ブレーキ推定精度をさらに向上することができる。
また、この実施例1では、アクセル開度が判定許可開度以下になったら、急ブレーキ操作意図の有無が判定される。そのため、アクセルペダル7が大きく踏み込まれていて、急ブレーキ操作を行う可能性が低い場合には、急ブレーキ推定処理を実行することはない。そのため、無駄な演算処理の実行を排除することができる。
さらに、この実施例1では、車速が判定車速以上のときに、急ブレーキ操作の有無が判定される。そのため、車速が低くて急ブレーキ操作にならず、パワートレインの減速時対応制御が不要なときには、急ブレーキ推定処理を実行することはない。そのため、無駄な演算処理の実行を排除することができる。
[パワートレインの急減速時対応制御作用]
図10A〜図10Cは、実施例1のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの各種の特性を示すタイムチャートであり、図10Aは、車速・アクセル開度・ブレーキスイッチ・急ブレーキ判定フラグの特性を示し、図10Bは、ロックアップクラッチ・トルクコンバータタービン回転数・エンジン回転数の特性を示し、図10Cは、目標変速比・制御系油圧の特性を示す。以下、図10A〜図10Cに基づき、実施例1のパワートレインの急減速時対応制御作用を、「ロックアップクラッチ解放処理」、「変速機制御系油圧コントロール処理」、「変速制限処理」に分けて説明する。
(ロックアップクラッチ解放処理)
一般的に、トルクコンバータのロックアップクラッチは、車速が締結閾値車速に達すると締結して、トルクコンバータの入出力要素間が直結される。また、車速が解放閾値車速に達するとロックアップクラッチが解放し、トルクコンバータの入出力要素間が離間される。
ここで、急減速が発生し、ロックアップクラッチの油圧応答性に対して車両の減速スピードが速すぎる場合では、ロックアップクラッチが解放する前に車速が低下しすぎてしまい、エンジンストールが発生することがある。
そのため、ロックアップクラッチの油圧応答性よりも減速スピードが速いような急減速が生じた場合であっても、エンジンストールの発生を防止するため、エンジンストールする車速に対して十分な安全マージンを持った解放閾値車速にする必要があった。
これに対し、実施例1のパワートレイン制御装置(コントローラ21)では、車速が締結閾値車速に達すると、ロックアップクラッチ11aが締結されてトルクコンバータ11の入出力要素間が直結される。また、ロックアップクラッチ11aの締結中、急ブレーキ操作意図が生じていない状態で車速が解放閾値車速に達すると、ロックアップクラッチ11aが解放され、トルクコンバータ11の入出力要素間が離間される。すなわち、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24へと進む。
さらに、このパワートレイン制御装置(コントローラ21)のロックアップクラッチ制御部27では、ロックアップクラッチ11aの締結中に、ドライバーの急ブレーキ操作意図があると推定されると、つまり、急ブレーキ判定カウンタが急ブレーキ閾値に達し、急ブレーキ判定フラグが「1」に設定されると、車速が解放閾値車速以上であっても、ロックアップクラッチ11aが解放される。
すなわち、図10Aに示す時刻t11時点において、ドライバーがアクセルペダル7から足Fを離してペダル急戻しを行いつつ、ブレーキペダル方向(車両左側)に向けて足Fを移動させる、といった動作を開始する。そして、時刻t12時点において、急ブレーキ操作意図があるとして急ブレーキ判定フラグが「0」から「1」へと変更されると、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS24へと進み、ロックアップクラッチ11aが締結から解放へと変化する(図10B参照)。
これにより、図10Bに示すように、エンジン1に連結したトルクコンバータ11の入力要素(インペラ)と、車輪(不図示)に連結した出力要素(タービン)との間が切り離される。そして、車輪に連結したトルクコンバータ出力要素(タービン)の回転数は、車速に応じて低下し続ける。
一方、エンジン1は、車輪に対して切り離されるので、タービン回転数に引きずられることなく緩やかに低下していく。
時刻t13時点にてアクセルペダル7からドライバーの足Fが完全に外れ、時刻t14時点にてブレーキペダルが踏み込み操作されてブレーキスイッチがOFFからONへと切り替わる。これにより、車速が急減速を開始し、トルクコンバータ11のタービン回転数も急減する。
しかしながら、エンジン1はすでに時刻t12時点でトルクコンバータ出力要素(タービン)から切り離されているため、タービン回転数が急減速してもエンジン回転数が落ち込みすぎることない。そして、時刻t15時点にて車速がゼロになって停車するタイミングでは、確実にアイドル回転数を維持することができる。
このように、実際に車速が低下する前に、急ブレーキ操作意図があると推定されたタイミングでロックアップクラッチ11aを解放することで、急減速が発生してもエンジンストールが生じることを防止することができる。そのため、通常時(急ブレーキ操作意図があると推定されないとき)に、ロックアップクラッチ11aを解放させる解放閾値車速を、エンジンストールする車速に近づけることができる。この結果、通常時にロックアップクラッチ11aが解放してしまうことを抑制でき、燃費の向上を図ることができる。
(変速機制御系油圧コントロール処理)
急ブレーキ操作を行うと、車輪(不図示)が急停止させられる。このため、急ブレーキ発生時には、大きな制動力が車輪側から無段変速機12のセカンダリプーリ14に入力する。このとき、Vベルト15が滑らないようにプライマリプーリ13及びセカンダリプーリ14のそれぞれの押しつけ圧(プライマリプーリ圧Ppri、セカンダリプーリ圧Psec)を高くしなければならなかった。また、車速が低下するに従い、ロー変速比側に変速させるためには、さらにセカンダリプーリ圧Psecを高め、セカンダリプーリ14のプーリ径を大きくする必要もあった。
しかしながら、車速が減速することで急ブレーキを検出し、その後、変速機制御系油圧を高める場合では、油圧応答性が低いこと等でVベルト15の滑りが懸念される。このため、急減速の発生に備えて、常時変速機制御系油圧を必要油圧に対して十分なマージンを確保し、必要以上に高めに設定することが考えられるが、この場合では、燃費が悪化するという問題があった。
これに対し、実施例1のパワートレイン制御装置(コントローラ21)では、ドライバーの急ブレーキ操作意図があると推定されると、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS32へと進み、変速機制御系油圧を通常時に設定される通常設定油圧よりも上昇させる。
すなわち、図10Aに示すように、時刻t12時点で急ブレーキ判定フラグが「0」から「1」へと切り替わると、図10Cに示すように、無段変速機12の制御系油圧(プライマリプーリ圧Ppri、セカンダリプーリ圧Psec)は、一点鎖線で示す通常設定油圧に対し、所定のマージン分高い値になる。なお、図10Cには、制御系油圧の指令値を模式的に示している。
ここで、制御系油圧が上昇するタイミングは、実際に急ブレーキ操作が行われて、急減速が発生するとき(時刻t14時点)よりも前である。そのため、急減速によるベルト滑りを防止するために、プライマリプーリ13及びセカンダリプーリ14のそれぞれの押しつけ圧を高くしたり、ロー変速比側に変速させるために、さらにセカンダリプーリ圧Psecを高めたりすることに対し、遅滞なく適切に対応することができる。
この結果、通常設定油圧を、必要油圧に対してマージンを低くしたり、なくしたりした値に設定することができ、燃費の向上を図ることができる。
(変速制限処理)
通常、アクセル開度が小さいときには、ドライバーの要求駆動力が低い。そのため、図10Cにおいて一点鎖線で示す通常設定変速比に設定する場合、アクセル足離し操作が行われたときの無段変速機12の目標変速比は、ハイ変速比側に変速する。その後、ブレーキペダルが踏み込まれて減速が始まると、車速の低下に応じて目標変速比はロー変速比側に変速される。
このように、アクセルペダルからブレーキペダルへとペダルを踏み替えて急ブレーキ操作を行う際、目標変速比を通常設定変速比(車速とアクセル開度と図示しない変速マップに基づいて設定する変速比)に設定した場合では、ハイ変速比側に変化した後、ロー変速比側へと切り替わる。そのため、減速スピードが無段変速機の変速スピードよりも速いとき、つまり、無段変速機の変速応答性が減速スピードよりも低いときには、変速が間に合わず、無段変速機を発進時に必要な最ロー変速比にできない状態で停車してしまうことがある。
これに対し、実施例1のパワートレイン制御装置(コントローラ21)では、ドライバーの急ブレーキ操作意図があると推定されると、図8に示すフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42へと進み、ハイ変速比側への変速が禁止される。
すなわち、図10Aに示す時刻t12時点で急ブレーキ判定フラグが「0」から「1」へと切り替わると、無段変速機12の目標変速比は、ハイ変速比側への変速が禁止され、図10Cにおいて実線で示すように一定になる。そして、時刻t14時点でブレーキペダルが踏み込まれてブレーキスイッチがONになり、車速が急減速すると、車速の低下に伴って目標変速比がロー変速比側へと変化する。
このように、急ブレーキ操作意図があると推定される場合には、無段変速機12の目標変速比が、一旦ハイ変速比側に変化してからロー変速比側に切り替わるといった無駄をなくすことができ、ロー変速比側への変速指令に素早く応答することができる。これにより、停車するタイミング(時刻t15)よりも前に、最ロー変速比にしやすくすることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両のパワートレイン制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 車両Cの急減速時に、前記車両CのパワートレインPTの急減速対応制御を行うパワートレイン制御手段(パワートレイン制御部23)を備えた車両のパワートレイン制御装置(コントローラ21)において、
アクセル開放動作からブレーキ踏込動作に移行するときの、アクセルペダル7上のドライバーの足Fの動きを検出し、この検出結果に基づいて前記ドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を推定する急ブレーキ推定手段(急ブレーキ推定部22)を備え、
前記パワートレイン制御手段(パワートレイン制御部23)は、前記急ブレーキ推定手段(急ブレーキ推定部22)により前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記急減速対応制御を行う構成とした。
これにより、車両の急減速時に、パワートレインPTの急減速対応制御を速やかに実行し、燃費悪化を防止することができる。
(2) 前記急ブレーキ推定手段(急ブレーキ推定部22)は、
前記アクセルペダル7が閉方向に向かう動きを検出するアクセル戻し動作検出部24と、
前記ドライバーの足Fが前記アクセルペダル7からブレーキペダルに向かう動きを検出するドライバー動作検出部25と、
前記アクセルペダル7が閉方向に向かう動きと、前記ドライバーの足Fが前記アクセルペダル7から前記ブレーキペダルに向かう動きと、に基づき、前記急ブレーキ操作意図の有無を判定する急ブレーキ判定部26と、
を有する構成とした。
これにより、上記(1)の効果に加え、ドライバーの急ブレーキ操作意図の推定精度を向上し、パワートレインPTの急減速対応制御を適切に実行することができる。
(3) 前記急ブレーキ推定手段(急ブレーキ推定部22)は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ31を有し、前記アクセル開度が判定許可開度以下のときに、前記急ブレーキ操作意図を推定する構成とした。
これにより、上記(1)又は(2)のいずれかの効果に加え、急ブレーキ操作を行う可能性が低いときには、急ブレーキ操作推定処理を実行せず、無駄な演算処理の実行を排除できる。
(4) 前記急ブレーキ推定手段(急ブレーキ推定部22)は、車速を検出する車速センサ32を有し、前記車速が判定許可速度以上のときに、前記急ブレーキ操作意図を推定する構成とした。
これにより、上記(1)〜(3)のいずれかの効果に加え、急ブレーキ操作を行う可能性が低いときには、急ブレーキ操作推定処理を実行せず、無駄な演算処理の実行を排除できる。
(5) 前記アクセル戻し動作検出部24は、アクセル開度センサ31によって検出されたアクセル開度から演算した前記アクセルペダルの戻し速度により、前記アクセルペダル7が閉方向に向かう動きを検出し、
前記急ブレーキ判定部26は、前記アクセルペダル7の戻し速度が第1判定閾値以上のとき、前記急ブレーキ操作意図があると判定する構成とした。
これにより、上記(2)〜(4)のいずれかの効果に加え、簡易な構成でブレーキ操作意図の有無を判定することができる。
(6) 前記ドライバー動作検出部25は、前記アクセルペダル7に設けた触覚センサ33によって検出された前記アクセルペダル7と前記ドライバーの足裏Faとの間に生じる車幅方向のせん断力(アクセルペダル横力)により、前記ドライバーの足Fが前記アクセルペダル7から前記ブレーキペダルに向かう動きを検出し、
前記急ブレーキ判定部26は、前記アクセルペダル7と前記ドライバーの足裏Faとの間に生じた車幅方向のせん断力(アクセルペダル横力)が第2判定閾値以上のとき、前記急ブレーキ操作意図があると判定する構成とした。
これにより、上記(2)〜(5)のいずれかの効果に加え、簡易な構成でブレーキ操作意図の有無を判定することができる。
(7) 前記車両CのパワートレインPTは、ロックアップクラッチ11aを有するトルクコンバータ11を備え、
前記パワートレイン制御手段(パワートレイン制御部23)は、前記ロックアップクラッチ11aの締結中に前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレインPTの急減速対応制御として前記ロックアップクラッチ11aの締結を解除するロックアップクラッチ制御部27を有する構成とした。
これにより、上記(1)〜(6)のいずれかの効果に加え、ロックアップクラッチ11aを解放させる解放閾値車速を低下させることができ、通常時にロックアップクラッチ11aが解放することを抑制して、燃費の向上を図ることができる。
(8) 前記車両CのパワートレインPTは、駆動源(エンジン1)と駆動輪の間に介装された油圧式自動変速機(無段変速機12)を備え、
前記パワートレイン制御手段(パワートレイン制御部23)は、前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレインPTの急減速対応制御として前記油圧式自動変速機(無段変速機12)を制御する制御系油圧を上昇させる油圧制御部28を有する構成とした。
これにより、上記(1)〜(7)のいずれかの効果に加え、通常時の変速機制御系油圧(通常設定油圧)を、必要油圧に対してマージンを低くしたり、なくしたりした値に設定することができ、燃費の向上を図ることができる。
(9) 前記車両CのパワートレインPTは、駆動源(エンジン1)と駆動輪の間に介装された自動変速機(無段変速機12)を備え、
前記パワートレイン制御装置(パワートレイン制御部23)は、前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレインPTの急減速対応制御として前記自動変速機(無段変速機12)のハイ変速比側への変速を禁止する変速機制御部29を有する構成とした。
これにより、上記(1)〜(8)のいずれかの効果に加え、急減速時のロー変速比側への変速指令に素早く対応することができ、発進時に必要な最ロー変速比にしやすくすることができる。
(実施例2)
実施例2は、急ブレーキ操作意図があると推定されたときに実行する急減速対応制御として、エンジン目標回転数を通常時よりも高くする例である。
図11は、実施例2のコントローラの構成を示すブロック図である。以下、図11に基づき、実施例2のパワートレイン制御装置の構成を説明する。なお、実施例1と同等の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
実施例2のコントローラ21Aは、図11に示すように、急ブレーキ推定部22と、パワートレイン制御部23Aと、を有している。
そして、前記パワートレイン制御部23Aは、エンジン制御部30と、油圧制御部28と、変速機制御部29と、を有している。
前記エンジン制御部30は、走行中、急ブレーキ推定部22により急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、パワートレインPTの急減速対応制御として目標駆動力に基づいて設定された通常目標エンジン出力回転数に拘らず、それよりも高い値の目標エンジン回転数を設定する目標補正指令を出力する。つまり、目標エンジン回転数を、通常の目標エンジン回転数に対して、所定のマージン分高い値に設定する。なお、エンジン制御部30からの目標補正指令は、電子制御スロットル装置3のモータ5に入力される。これにより、スロットル弁4が通常の目標開度指令時よりも大きく開き、エンジン1の吸入空気量が上昇する。
[目標エンジン回転数制御処理構成]
図12は、実施例2のエンジン制御部にて実行される目標エンジン回転数制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図12に基づき、実施例2の目標エンジン回転数制御処理の各ステップを説明する。なお、この目標エンジン回転数制御処理は、車両走行中常時実行される。
ステップS51では、メモリに記憶された急ブレーキ判定フラグが「1」であるか否かを判断する。YES(急ブレーキ判定フラグ=1)の場合には、ドライバーの急ブレーキ操作意図があるとしてステップS52に進む。NO(急ブレーキ判定フラグ=0)の場合には、ドライバーの急ブレーキ操作意図はないとしてステップS53へ進む。
ステップS52では、ステップS51での急ブレーキ判定フラグ=1との判断に続き、エンジン1の目標エンジン回転数を、目標駆動力に基づいて設定される通常目標エンジン回転数よりも高い値に設定する目標補正指令を出力し、エンドへ進む。これにより、スロットル弁4が通常時よりも大きく開いてエンジン1の吸入空気量を上昇させる。
ステップS53では、ステップS51での急ブレーキ判定フラグ=0との判断に続き、目標エンジン回転数を、目標駆動力に合った通常目標エンジン回転数とするエンジン回転数指令を出力し、エンドへ進む。これにより、スロットル弁開度が、目標駆動力に合わせてコントローラ21から出力された目標開度指令と一致するようにスロットル弁4を駆動する通常スロットル弁制御を行い、エンジン1の吸入空気量は通常状態になる。
[目標エンジン回転数制御作用]
図13A及び図13Bは、実施例2のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの各種の特性を示すタイムチャートであり、図13Aは、車速・アクセル開度・ブレーキスイッチ・急ブレーキ判定フラグの特性を示し、図13Bはロックアップクラッチ・エンジン回転数・トルクコンバータタービン回転数・目標エンジン回転数の特性を示す。以下、図13A及び図13Bに基づき、実施例2のパワートレインの目標エンジン回転数制御処理作用を説明する。
通常、トルクコンバータのロックアップクラッチが締結しているときには、トルクコンバータ入出力要素間が直結しているので、エンジンは車輪に連結し、エンジン回転数は車輪回転数に応動する。つまり、コースト走行(アクセル足離し惰性走行)中のロックアップクラッチ締結時におけるエンジン回転数は、目標エンジン回転数に拘わらず、車速と無段変速機等の変速機のギアレシオによって決まる。一方、ロックアップクラッチが解放された後は、目標エンジン回転数となるようにエンジンの吸入空気量が調節される。なお、この空気量の調節は、オープン制御を行う場合と、エンジン回転数フィードバック制御を行う場合がある。
ここで、急ブレーキ操作が行われて、車両に急減速が生じると、ロックアップクラッチが解放されるまでは、トルクコンバータのタービンと共にエンジン回転数も引き下げられる。その後、ロックアップクラッチが解放されたら、引き下げられたエンジン回転数を上昇させるが、このとき、低下しすぎたエンジン回転数を上げるために空気を吸入しても、空気には応答遅れがある。そのため、速やかにエンジン回転数を上昇させることができず、エンジンストールとなってしまう可能性もある。
これに対し、実施例2のパワートレイン制御装置(コントローラ21A)は、エンジン制御部30を有しており、ドライバーの急ブレーキ操作意図があると推定されると、図12に示すフローチャートにおいて、ステップS51→ステップS52へと進み、目標エンジン回転数を通常目標エンジン回転数よりも上昇させる。これにより、エンジン1の吸入空気量が上昇する。
すなわち、図13Aに示すように、時刻t22時点で急ブレーキ判定フラグが「0」から「1」へと切り替わると、図13Bに示すように、目標エンジン回転数が目標駆動力に対して設定される目標エンジン回転数(通常目標エンジン回転数)に対し、所定のマージン分高い値に設定される。これにより、エンジン1の吸入空気量が上昇する。
しかしながら、この時刻t22時点では、車速がトルクコンバータ11のロックアップクラッチ11aを解放させる解放閾値車速よりも高いため、ロックアップクラッチ11aは締結したままである。そのため、エンジン回転数は、トルクコンバータ11のタービン回転数に引きずられ、低下し続ける。
そして、時刻t24時点にて、車速が解放閾値車速に達すると、ロックアップクラッチ11aが解放される。これにより、エンジン回転数は目標エンジン回転数に一致するように変動する。
ここで、実施例1では、急ブレーキ操作意図があると判定された時点(時刻t22)から目標エンジン回転数を高く設定しており、エンジン1の吸入空気量を上昇させている。そのため、タービン回転数によって引きずり落とされたエンジン回転数を速やかに上昇させ、エンジンストールを回避することができる。
さらに、エンジンストールに対する余裕が増えれば、その分通常時のエンジン回転数を下げる(無段変速機12の変速比をハイ変速比側に設定する)ことができ、燃費の向上を図ることができる。
つまり、実施例2の車両のパワートレイン制御装置では、以下に挙げる効果を得ることができる。
(10) 前記車両のパワートレインPTは、エンジン1を備え、
前記パワートレイン制御手段(コントローラ21A)は、前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレインPTの急減速対応制御として前記エンジン1の目標回転数又は前記エンジンの吸入空気量を上昇させるエンジン制御部30を有する構成とした。
これにより、上記(1)〜(6)のいずれかの効果に加え、急減速時に引きずり落とされたエンジン回転数を速やかに上昇させ、エンジンストールを回避することができる。
(実施例3)
実施例3は、ドライバー動作検出部が、運転席の近傍位置に設けた熱画像センサによって検出されたドライバーの膝の動きにより、このドライバーの足の動きを検出する例である。
図14は、実施例3のパワートレイン制御装置における熱画像センサの設置位置の一例と検出対象を示す説明図である。図15は、実施例3における急ブレーキ判定領域の一例を示すマップである。以下、図14及び図15に基づいて、実施例3のパワートレイン制御装置の構成を説明する。なお、実施例1と同様の構成については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
実施例3のパワートレイン制御装置では、図14に示すように、ステアリングコラムSCの下側に熱画像センサ39を設けている。
前記熱画像センサ39は、物体表面の温度を画像化する装置であり、アクセルペダル7を踏込操作するドライバーDの右膝Xを温度分布画像によって表示する。そして、この熱画像センサ39によって検出された右膝Xの温度分布を示す熱画像信号は、コントローラ21の急ブレーキ推定部22が有するドライバー動作検出部25Aに入力される。
前記ドライバー動作検出部25Aは、ドライバーDの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダル(不図示)に向かう動きを検出する演算回路であるが、実施例3では、熱画像センサ39によって検出されたドライバーDの右膝Xの位置に基づいて、右膝Xの車両左側(ブレーキペダル側)への移動量(以下、「右膝移動量」という)を算出し、この右膝移動量によりドライバーDの足Fの動きを検出する。
なお、「右膝移動量」は、アクセルペダル7を踏み込んでいるときの右膝位置を基準位置(右膝移動量ゼロ)とし、この基準位置から右膝Xが車両左側へ移動する距離に応じて増大させる。そして、ブレーキペダル上に足Fが乗ったときに最大値となる。
そして、急ブレーキ推定部22が有する急ブレーキ判定部26Aでは、アクセル戻し動作検出部24によって検出されたアクセルペダル7が閉方向に向かう動きと、ドライバー動作検出部25Aによって検出されたドライバーの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダルに向かう動きに基づいて、ドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を判定する。
ここでは、アクセル戻し速度が予め設定した第1判定閾値以上であって、右膝移動量が予め設定した第3判定閾値以上のとき、つまり、アクセル戻し速度と右膝移動量によって決まる動作点が、図15において斜線で示す急ブレーキ判定領域にあるとき、急ブレーキ操作意図があると判定する。
ここで、「第3判定閾値」は、ドライバーが急ブレーキ操作を行う際に発生する右膝移動量の基準値であり、例えば実験によって求める。
次に、作用を説明する。
図16A及び図16Bは、実施例3のパワートレイン制御装置を適用した車両において、急ブレーキ操作を行ったときの各種の特性を示すタイムチャートであり、図16Aは、車速・アクセル開度・ブレーキスイッチ・アクセル戻し速度の特性を示し、図16Bは、右膝位置・右膝移動量・急ブレーキ判定カウンタ・急ブレーキ判定フラグの特性を示す。以下、図16A及び図16Bに基づき、実施例3の急ブレーキ推定作用について説明する。
図16Aに示す時刻t31時点において、急ブレーキ操作を行うために、ドライバーDがアクセルペダル7から足Fを離してペダル急戻しを行いつつ、ブレーキペダル方向(車両左側)に向けて足Fを移動させる、といった動作を開始する。これにより、アクセル開度が閉方向への変化を開始し、アクセル戻し速度が演算される。なお、このときのアクセル戻し速度は、第1判定閾値を超える値の一定値とする。また、ドライバーDの右膝Xが車両左側へと移動を開始する。このため、時刻t31時点から右膝移動量が増加し始める(図16B参照)。
時刻t32時点において、車速が判定許可速度を上回っている状態で、アクセル開度が判定許可開度に達し、時刻t33時点において、右膝移動量が第3判定閾値に達すると、急ブレーキ判定カウンタが増加し始める。
その後、時刻t34時点において、急ブレーキ判定カウンタが急ブレーキ閾値に達したら、まず、急ブレーキ判定フラグが「1」に設定される。そして、急ブレーキ判定カウンタがゼロに書き換えられる。
これにより、ドライバーの急ブレーキ操作意図があると判定されたことになり、ロックアップクラッチ解放処理等の急減速時対応制御が行われる。
そして、時刻t35時点にてアクセルペダル7からドライバーの足Fが完全に外れ、時刻t36時点にてブレーキペダルが踏み込み操作されてブレーキスイッチがOFFからONへと切り替わる。このとき、右膝Xは最も左側となる位置にあり、右膝移動量は最大値になる。そして、車速が急減速を開始する。その後、時刻t37時点にて車速がゼロになって停車すると、急ブレーキ判定フラグが「0」に設定される。
このように、実施例3では、熱画像センサ39によって撮影したドライバーDの右膝Xの温度分布画像から右膝Xの位置を検出し、右膝移動量を演算する。そして、この右膝移動量が所定の第3判定閾値以上となったら、急ブレーキ操作意図があると判断する。
これにより、簡易な構成で急ブレーキ操作意図の有無を判定することができると共に、例えば車両振動等によりドライバーDの足Fがぶれた場合であっても、誤判断することを防止できる。
つまり、実施例3の車両のパワートレイン制御装置では、以下に挙げる効果を得ることができる。
(11) 前記ドライバー動作検出部25Aは、前記車両に設けた熱画像センサ39によって検出された前記アクセルペダル7を操作する前記ドライバーDの膝(右膝X)の温度分布画像により、前記ドライバーDの足Fが前記アクセルペダル7から前記ブレーキペダルに向かう動きを検出し、
前記急ブレーキ判定部26Aは、前記膝(右膝X)の車両左側への移動量(右膝移動量)が第3判定閾値以上のとき、前記急ブレーキ操作意図があると判定する構成とした。
これにより、上記(2)〜(5)の効果に加え、簡易な構成で急ブレーキ操作意図の有無を判定することができると共に、例えば車両振動等が生じても誤判断することを防止できる。
(実施例4)
実施例4は、ドライバー動作検出部が、アクセルペダルに設けた面圧センサによって検出されたペダルプレートに作用する荷重により、このドライバーの足の動きを検出する例である。
図17は、実施例4のパワートレイン制御装置における面圧センサの設置位置を示す説明図である。図18は、実施例4における急ブレーキ判定領域の一例を示すマップである。以下、図17及び図18に基づいて、実施例4のパワートレイン制御装置の構成を説明する。なお、実施例1と同様の構成については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
実施例4のパワートレイン制御装置では、図17に示すように、アクセルペダル7のペダルプレート7aの表面に面圧センサ40を設けている。
前記面圧センサ40は、フレキシブルなシート形状を呈しており、センサ面に作用する荷重(圧力)の分布を計測する装置である。そして、この面圧センサ40によって検出された検知エリア内で最大荷重が作用している荷重重心位置(以下、「荷重位置」という)を示す圧力信号は、コントローラ21の急ブレーキ推定部22が有するドライバー動作検出部25Bに入力される。
前記ドライバー動作検出部25Bは、ドライバーDの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダル(不図示)に向かう動きを検出する演算回路であるが、実施例4では、面圧センサ40によって検出されたアクセルペダル7上の荷重位置に基づいて、ペダルプレート7a上の最大荷重が作用する位置(荷重重心位置)の車両左側への移動量(以下、「荷重移動量」という)を算出し、この荷重移動量によりドライバーDの足Fの動きを検出する。
なお、「荷重移動量」は、アクセルペダル7を踏み込んでいるときの荷重位置を基準位置(荷重移動量ゼロ)とし、この基準位置から荷重位置が車両左側へ移動する距離に応じて増大させる。
そして、急ブレーキ推定部22が有する急ブレーキ判定部26Bでは、アクセル戻し動作検出部24によって検出されたアクセルペダル7が閉方向に向かう動きと、ドライバー動作検出部25Bによって検出されたドライバーの足Fがアクセルペダル7からブレーキペダルに向かう動きに基づいて、ドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を判定する。ここでは、アクセル戻し速度が予め設定した第1判定閾値以上であって、荷重移動量が予め設定した第4判定閾値以上のとき、つまり、アクセル戻し速度と荷重移動量によって決まる動作点が、図18において斜線で示す急ブレーキ判定領域にあるとき、急ブレーキ操作意図があると判定する。
ここで、「第4判定閾値」は、ドライバーが急ブレーキ操作を行う際に発生する荷重移動量の基準値であり、例えば実験によって求める。
このように、例えば実施例1の触覚センサ33に替えて面圧センサ40をアクセルペダル7に設け、この面圧センサ40によって検出された荷重位置の移動量に基づいてドライバーの足Fの動きを検出してもよい。
この場合であっても、簡易な構成でドライバーの足Fの動きを検出し、精度よくドライバーの急ブレーキ操作意図を推定することができる。
つまり、実施例4の車両のパワートレイン制御装置では、以下に挙げる効果を得ることができる。
(12) 前記ドライバー動作検出部25Bは、前記アクセルペダル7に設けた面圧センサ40によって検出された前記アクセルペダル7のペダルプレート7aに作用する荷重により、前記ドライバーの足Fが前記アクセルペダル7から前記ブレーキペダルに向かう動きを検出し、
前記急ブレーキ判定部26Bは、前記ペダルプレート7a上の荷重重心点の車両左側への移動量(荷重移動量)が第4判定閾値以上のとき、前記急ブレーキ操作意図があると判定する構成とした。
これにより、上記(2)〜(5)のいずれかの効果に加え、簡易な構成でドライバーの足Fの動きを検出し、精度よくドライバーの急ブレーキ操作意図を推定することができる。
以上、本発明の車両のパワートレイン制御装置を実施例1から実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
上記実施例では、油圧式自動変速機として、Vベルト15を有する無段変速機12とする例を示したが、これに限らない。例えば、制御オイルの油圧によって変速制御を行う有段の自動変速機であってもよい。
また、実施例3では、ドライバーDの右膝Xの移動量に基づいてドライバーDの足Fの動きを検出したが、これに限らない。例えば、ドライバーDの右足首や足先等の位置を検出し、これらの車両左側への移動量に基づいて、ドライバーDの足Fの動きを検出してもよい。
C 車両
PT パワートレイン
1 エンジン
3 電子制御スロットル装置
7 アクセルペダル
7a ペダルプレート
12 無段変速機(自動変速機)
11 トルクコンバータ
11a ロックアップクラッチ
21 コントローラ(パワートレイン制御装置)
22 急ブレーキ推定部(急ブレーキ推定手段)
23 パワートレイン制御部(パワートレイン制御手段)
24 アクセル戻し動作検出部
25 ドライバー動作検出部
26 急ブレーキ判定部
27 ロックアップクラッチ制御部
28 油圧制御部
29 変速機制御部
30 エンジン制御部
31 アクセル開度センサ
32 車速センサ
33 触覚センサ
39 熱画像センサ
40 面圧センサ

Claims (12)

  1. 車両の急減速時に、前記車両のパワートレインの急減速対応制御を行うパワートレイン制御手段を備えた車両のパワートレイン制御装置において、
    アクセル開放動作からブレーキ踏込動作に移行するときの、アクセルペダル上のドライバーの足の動きを検出し、この検出結果に基づいて前記ドライバーの急ブレーキ操作意図の有無を推定する急ブレーキ推定手段を備え、
    前記パワートレイン制御手段は、前記急ブレーキ推定手段により前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記急減速対応制御を行う
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記急ブレーキ推定手段は、
    前記アクセルペダルが閉方向に向かう動きを検出するアクセル戻し動作検出部と、
    前記ドライバーの足が前記アクセルペダルからブレーキペダルに向かう動きを検出するドライバー動作検出部と、
    前記アクセルペダルが閉方向に向かう動きと、前記ドライバーの足が前記アクセルペダルから前記ブレーキペダルに向かう動きに基づき、前記急ブレーキ操作意図の有無を判定する急ブレーキ判定部と、
    を有する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記急ブレーキ推定手段は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサを有し、前記アクセル開度が判定許可開度以下のときに、前記急ブレーキ操作意図を推定する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記急ブレーキ推定手段は、車速を検出する車速センサを有し、前記車速が判定許可速度以上のときに、前記急ブレーキ操作意図を推定する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記アクセル戻し動作検出部は、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度から演算した前記アクセルペダルの戻し速度により、前記アクセルペダルが閉方向に向かう動きを検出し、
    前記急ブレーキ判定部は、前記アクセルペダルの戻し速度が第1判定閾値以上のとき、前記急ブレーキ操作意図があると判定する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  6. 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記ドライバー動作検出部は、前記アクセルペダルに設けた触覚センサによって検出された前記アクセルペダルと前記ドライバーの足裏との間に生じる車幅方向のせん断力により、前記ドライバーの足が前記アクセルペダルから前記ブレーキペダルに向かう動きを検出し、
    前記急ブレーキ判定部は、前記アクセルペダルと前記ドライバーの足裏との間に生じた車幅方向のせん断力が第2判定閾値以上のとき、前記急ブレーキ操作意図があると判定する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  7. 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記ドライバー動作検出部は、前記車両に設けた熱画像センサによって検出された前記アクセルペダルを操作する前記ドライバーの膝の温度分布画像により、前記ドライバーの足が前記アクセルペダルから前記ブレーキペダルに向かう動きを検出し、
    前記急ブレーキ判定部は、前記膝の車両左側への移動量が第3判定閾値以上のとき、前記急ブレーキ操作意図があると判定する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  8. 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記ドライバー動作検出部は、前記アクセルペダルに設けた面圧センサによって検出された前記アクセルペダルのペダルプレートに作用する荷重により、前記ドライバーの足が前記アクセルペダルから前記ブレーキペダルに向かう動きを検出し、
    前記急ブレーキ判定部は、前記ペダルプレート上の荷重重心点の車両左側への移動量が第4判定閾値以上のとき、前記急ブレーキ操作意図があると判定する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記車両のパワートレインは、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備え、
    前記パワートレイン制御手段は、前記ロックアップクラッチの締結中に前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレインの急減速対応制御として前記ロックアップクラッチの締結を解除するロックアップクラッチ制御部を有する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記車両のパワートレインは、エンジンを備え、
    前記パワートレイン制御手段は、前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレインの急減速対応制御として前記エンジンの目標回転数又は前記エンジンの吸入空気量を上昇させるエンジン制御部を有する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記車両のパワートレインは、駆動源と駆動輪の間に介装された油圧式自動変速機を備え、
    前記パワートレイン制御手段は、前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレインの急減速対応制御として前記油圧式自動変速機を制御する制御系油圧を上昇させる油圧制御部を有する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載された車両のパワートレイン制御装置において、
    前記車両のパワートレインは、駆動源と駆動輪の間に介装された自動変速機を備え、
    前記パワートレイン制御装置は、前記急ブレーキ操作意図があると推定されたとき、前記パワートレインの急減速対応制御として前記自動変速機のハイ変速比側への変速を禁止する変速機制御部を有する
    ことを特徴とする車両のパワートレイン制御装置。
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