JP2015209563A - 長さの揃った金又は銀ナノロッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2重膜を形成し得る界面活性剤、金又は銀化合物、及び、アスコルビン酸を含む成長溶液と、結晶核分散液とを液滴形成直前に所定の混合比で混合し、該混合液の液滴であって体積がほぼ同じ多数の液滴を該混合液と相溶性の無い非相溶性媒体中に形成し、該多数の液滴のうちの少なくとも一部の液滴中で、金又は銀ナノロッドの成長を行う金又は銀ナノロッドの製造方法であって、1個の液滴中に含まれる金又は銀化合物の量は、500nm超のナノロッドの長さに対応するものであり、前記結晶核分散液の濃度及び前記混合比は、1個の液滴中に存在する結晶核が1個又は0個となるように設定されたものである、金又は銀ナノロッドの製造方法。
【選択図】なし
Description
Wuらは金ナノロッドの成長途中に適量の硝酸を加えることで、平均長350nm程度の長い金ナノロッドの高収率な合成法を発表しているが、長さ分散は±20%程度存在していた(非特許文献1参照)。
本発明は、長さが500nmを超え、かつ、長さの揃った金又は銀ナノロッドの製造方法や製造装置を提供することを課題とする。
本発明は、このような独自の着想や知見に基づいて完成されたものである。
また、特許文献1には、微小液滴中に少なくとも1個の結晶を効率よく取得する技術において、結晶成長用容器の内部に、結晶化させる物質を含む溶液の微小液滴を配置し、前記微小液滴の最長部の長さを結晶化させる物質の自然拡散により移動できる最大距離を示す移動可能最大距離以下となるような大きさに調製すること、微小液滴の調製にマイクロ流路デバイスを用いることが記載されているが、本発明のように、液滴中で長さの揃ったナノロッドを成長させるものではない。
(1)2重膜を形成し得る界面活性剤、金又は銀化合物、及び、アスコルビン酸を含む成長溶液と、結晶核分散液とを液滴形成直前に所定の混合比で混合し、該混合液の液滴であって体積がほぼ同じ多数の液滴を該混合液と相溶性の無い非相溶性媒体中に形成し、該多数の液滴のうちの少なくとも一部の液滴中で、金又は銀ナノロッドの成長を行う金又は銀ナノロッドの製造方法であって、1個の液滴中に含まれる金又は銀化合物の量は、500nm超のナノロッドの長さに対応するものであり、前記結晶核分散液の濃度及び前記混合比は、1個の液滴中に存在する結晶核が1個又は0個となるように設定されたものである、金又は銀ナノロッドの製造方法。
(2)前記結晶核分散液は、界面活性剤又はクエン酸、金又は銀化合物、及び、還元剤を混合して調製されたものである、(1)に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
(3)前記2重膜を形成し得る界面活性剤は、炭素数が16以上のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドを主成分とするものである、(1)又は(2)に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
(4)前記非相溶性媒体としての油を流す主マイクロ流路と、該主マイクロ流路の途中に接続され、前記混合液を前記主マイクロ流路に導入して混合液の液滴を多数形成する混合マイクロ流路とを備えたマイクロ流路装置を用いる、(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
(5)前記成長溶液と前記結晶核分散液の供給速度は、ともに0.01ml/hであり、前記油の流速が0.03〜0.07ml/hである、(4)に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
(6)主マイクロ流路と、該主マイクロ流路に接続され該主マイクロ流路に混合液を導入して混合液の液滴を多数形成する混合液用マイクロ流路と、該混合液用マイクロ流路の上流側にそれぞれ接続され、前記混合液の成分である成長溶液と結晶核分散液をそれぞれ供給する成長溶液用マイクロ流路及び結晶核分散液用マイクロ流路と、混合液用マイクロ流路の接続部よりも上流側の主マイクロ流路に接続され、前記混合液と相溶性の無い非相溶性液体を供給する非相溶性液体供給部と、前記成長溶液用マイクロ流路に接続され、2重膜を形成し得る界面活性剤、金又は銀化合物、及び、アスコルビン酸を含む成長溶液を供給する成長溶液供給部と、前記結晶核分散液用マイクロ流路に接続され、結晶核分散液を供給する結晶核分散液供給部と、前記主マイクロ流路の下流側に設けられ、前記多数の液滴のうちの少なくとも一部の液滴中で成長した金又は銀ナノロッドを回収する回収部を具備する金又は銀ナノロッドの製造装置。
(7)混合液用マイクロ流路に接続された塩基供給用マイクロ流路をさらに具備する、(6)に記載の銀ナノロッドの製造装置。
(8)金化合物が塩化金酸であり、銀化合物が硝酸銀である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
(9)前記結晶核分散液を調製する際の界面活性剤が、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイドを主成分とするものである、(1)〜(5)、(8)のいずれか1項に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
(10)前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウムである、(2)〜(5)、(8)、(9)のいずれか1項に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
(11)前記液滴は、直径が10〜50μmの範囲内である、(1)〜(5)、(8)〜(10)のいずれか1項に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
(12)前記混合液にさらに塩基を混合する、(1)〜(5)、(8)〜(11)のいずれか1項に記載の銀ナノロッドの製造方法。
金ナノロッドは、シード法で作製する。すなわち、結晶核分散液と成長溶液との混合によって成長溶液中で結晶核に金イオンが異方的に結合し、異方的な形状を持つ金ナノロッドが自発的に結晶成長する。金ナノロッドの成長は、材料となる金イオンが消耗することで停止する。
金ナノロッドの直径は、成長溶液内部で金ナノロッド表面を保護している界面活性剤2重膜の曲率と硬さによって制御される。2重膜の曲率は、使用する界面活性剤の種類と成長温度、及び濃度によって制御することができる。
作製される金ナノロッドの直径がほぼ一定の場合、金ナノロッドの長さは、成長溶液内に含まれる実効的な結晶核数で決定される。実効的な結晶核数とは、実際に投入する結晶核数に、成長溶液内部で自発核形成する結晶核数を加えたものである。自発核形成は、成長温度の低下、界面活性剤濃度の増加等、金イオンと界面活性剤ミセルとの複合体を安定化させることにより抑制することが可能である。
液滴1つあたりに含まれる金イオンの数は、成長溶液内部の金イオン濃度と液滴サイズにより計算できるので、その値をN個とする。本発明の実施例において使用する条件で、バルク合成した場合にできる金ナノロッドの直径は約100nmであること(図1参照)、また金ナノロッド内部の金−金結合距離が約0.3nm程度であることを考慮すると、金ナノロッド断面に存在する金原子の数nは、およそ
n = π*50*50/(0.3*0.3)
と計算できる。このとき、金ナノロッドの長さL[nm]は
L = (N/n)*0.3
と書ける。アスペクト比(AR=長さ/直径)は、
AR = L/100
となる。
非相溶性媒体としては、油等の非相溶性液体でも良いし、空気等の気体であっても良い。
液滴を形成する手段としては、限定するものではないが、非相溶性液体が流れているマイクロ流路、混合液をミスト状の液滴に形成する霧化装置等が挙げられる。
できた油中水滴中で金又は銀ナノロッドは自発的に成長するため、成長が終了するまで流路中を流し続け、成長が終了した時点で回収する。
金又は銀化合物としては、塩化金酸、硝酸銀を挙げることができる。塩化金酸や硝酸銀の濃度は、通常0.1〜2.0mM、好ましくは0.2〜0.8mM、より好ましくは0.3〜0.5mMである。
2重膜を形成し得る界面活性剤としては、4級アミンを親水部に持つ界面活性剤の混合物で、例えば、炭素数が16以上のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドを主成分として用いる。そのような界面活性剤としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(HTAB:C16TAB)、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(OTAB:C18TAB)、CnTAB(n≧20)を挙げることができる。炭素数の異なるアルキル基を有する界面活性剤を適宜に組み合わせることにより、形成される2重膜の直径の大きさを調整することができる。例えば、HTABとOTABとの混合比を1.0:(0.0〜1.0)の範囲内で変化させることにより、金ナノロッドの直径を10〜40nmの範囲内で調整することができる。2重膜を形成し得る界面活性剤の濃度は、通常1〜700mM、好ましくは10〜600mM、より好ましくは50〜200mMである。
アスコルビン酸は、還元剤として機能するが、還元作用が比較的弱いため、金の酸化数を+1の状態までしか還元しない。金又は銀の保護材として働く界面活性剤を含む所定の条件では、アスコルビン酸と金又は銀化合物とが存在しても金又は銀粒子は生成せず、さらに結晶核が加わった条件下で金又は銀ナノロッドに成長させる。アスコルビン酸の濃度は、通常0.1〜4.0mM、好ましくは0.2〜1.6mM、より好ましくは0.3〜1.0mMである。
液滴1つにつき0又は1個の結晶核が液滴内部に存在していたか否かは、作製されたナノロッドの長さ分散を観察することによって行うことができる。
1個の液滴中における結晶核の平均個数が1よりも小さく0に近づくほど、2以上の結晶核を含む液滴の生成確率が小さくなり、長さ分散も小さくなるが、結晶核を含まない液滴の生成割合が大きくなって、金ナノロッドの作製効率が低下してしまう。そのため、揃った長さと作製効率とを勘案して、1個の液滴中における結晶核の平均個数を適当に調整する。
金ナノロッドの結晶核は、結晶核の大きさを5±1nmと仮定して換算すると、通常、2.2×108個/ml〜7.7×108個/mlの濃度で結晶核分散液に含まれることになる。
(成長溶液の調製)
100mMのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(HTAB)水溶液5mlに10mMの塩化金酸水溶液400μlを加え、そこに100mMのアスコルビン酸64μlを加えて撹拌し成長溶液とした。
100mMのHTAB水溶液1.875mlに、10mMの塩化金酸水溶液62.5μlを加え、そこに10mMの水素化ホウ素ナトリウム150μlを加えて2分間激しく撹拌した。撹拌後、この溶液を2時間室温にて静置した。2時間静置した溶液を100mMのHTAB溶液で105倍に希釈したものを結晶液分散液とした。
前記成長溶液と結晶液分散液とを容器に入れ撹拌して、金ナノロッドに成長させた。図1に生成された金ナノロッドの電子顕微鏡像を示す。生成した金ナノロッドは、長さが1μmを超えるものが存在するものの、粒状のもの等も存在しており、長さが揃っておらず、長さ分散が大きなものとなっている。
バルク合成(溶液量10ml)で、太さの揃った金ナノロッドを作製する方法について説明する。以下の方法は次の論文に記載されている(Chemical Physics Letters 467 (2009) 327-330)。
今回用いたシード法で金ナノロッドを作製する。つまり、結晶核分散液と成長溶液を混合することで金ナノロッドを作製する。
100mMのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(HTAB)水溶液1.875mlに、10mMの塩化金酸水溶液62.5μlを加え、そこに10mMの水素化ホウ素ナトリウム150μlを加えて2分間激しく撹拌した。撹拌後、この溶液を2時間室温(25℃)にて静置し、結晶核分散液とした。
100mMのHTAB水溶液9.5mlに10mMの塩化金酸水溶液400μlを加え、そこに100mMのアスコルビン酸64μlを加えて撹拌し成長溶液とした。
調製後2時間室温(25℃)にて静置した結晶核分散液17μlを成長溶液内に投入した。その後混合液を静かに混ぜ合わせ、室温(25℃)で静置して成長した金ナノロッドを得た。
よりNSD=0.21となり、直径が揃った状態であることがわかる。なおNSDの計算には、少なくとも100本以上のナノロッドの直径を測定し求めた。
(1)作製したマイクロ流路
図2に作製したマイクロ流路を示す。マイクロ流路は、主マイクロ流路と、該主マイクロ流路に接続され該主マイクロ流路に混合液を導入して混合液の液滴を多数形成する混合液用マイクロ流路と、該混合液用マイクロ流路の上流側にそれぞれ接続され、前記混合液の成分である成長溶液と結晶核分散液をそれぞれ供給する成長溶液用マイクロ流路及び結晶核分散液用マイクロ流路と、混合液用マイクロ流路の接続部よりも上流側の主マイクロ流路に接続され、前記混合液と相溶性の無い非相溶性液体(油)を供給する非相溶性液体(油)供給部と、前記成長溶液用マイクロ流路に接続され、2重膜を形成し得る界面活性剤、金又は銀化合物、及び、アスコルビン酸を含む成長溶液供給部と、前記結晶核分散液用マイクロ流路に接続され、結晶核分散液を供給する結晶核分散液供給部と、前記主マイクロ流路の下流側に設けられ、前記多数の液滴のうちの少なくとも一部の液滴中で成長した金又は銀ナノロッドを回収する回収部を具備する。
前記主マイクロ流路は、ほぼ一直線状に形成され、液滴排出部分(混合液用マイクロ流路の接続部)の上流と下流の所定範囲を除き、流路幅がほぼ一定で50μmであるが、前記所定範囲内の液滴排出部分を含む中間部は、流路幅がおよそ30μm、前記中間部の両側は、流路幅が30μmから50μmまで徐々に変化する遷移部となっている。
前記成長溶液用マイクロ流路及び結晶核分散液用マイクロ流路は、混合液用マイクロ流路に対し、混合液用マイクロ流路の中心軸線を対称軸とする略V字の対称形となるように接続され、どちらも、流路幅がおよそ25μmである。両液が衝突、混合される混合液用マイクロ流路は、流路幅が細くおよそ7μmで、流路長も比較的短く設定され、その中心軸線が主マイクロ流路に対し垂直となるように接続されている。
L = v[μm/s]×T×60[s]
とかける。今、ビデオ画像より
v = 34.2[μm/s]
であるので、
L = 2.1T[mm]
と計算できる。
上記マイクロ流路は、概略、下記(ア)〜(エ)の工程を順次経ることにより作製した。
(ア)光リソグラフィーによるマイクロ流路の鋳型の作製工程
鏡面研磨されたSi基板上にレジストTHB126N(JSR製ネガ型フォトレジスト)をスピンコートした後、図2のパターンを露光し、基板を現像した。現像液はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)現像液の50倍希釈水溶液で、該水溶液中に基板を8分間浸漬して現像を行った。
(イ)PDMSへのマイクロ流路の転写工程
表面にマイクロ流路の鋳型が形成されたSi基板を水平な基盤上に固定し、ポリジメチルシロキサン〔PDMS;シルポット(ダウコーニング社)と硬化剤を10:0.75の比で混合したもの〕をよく脱泡し、泡がない状態になったものをSi基板上に流し込み、完全に硬化したPDMSをSi基板から引きはがした。次に流路の各液体の供給部や回収部などの穴を生検トレパンであけた。流路の高さは後に使用する生検トレパンの高さ程度に高くして、チューブ装着後もチューブが抜ける等のトラブルが回避できるようにしている。
(ウ)パターンが転写されたPDMSのガラス基板への貼り付け工程
PDMSのパターン面とガラスの平坦な接着面に空気プラズマを照射後、すぐに両者のプラズマ照射面同士を接着し、マイクロ流路を形成した。
(エ)流路内部の疎水化処理工程
形成されたマイクロ流路の内部を1H,1H,2H,2H,perfluorodecyltriethoxysilaneのメタノール溶液(1wt%)で疎水化処理した。
マイクロ流路の各液の供給部にチューブをセットし、その先に結晶核分散液、成長溶液、油を入れたシリンジをセットした。結晶核分散液、成長溶液としては、上記実験例1で用いたと同じものを用いた。油としては、フロリナート(FC3283、住友スリーエム株式会社)を用いた。
用いるシリンジは1mlのものである。それぞれの溶液を流路内に流し込み、長さの揃った金ナノロッドを製造する。その際、それぞれの溶液の濃度と流速は、表1に記載のものを用いた。表1において、安定なw/o液滴が生成された油成分と水成分の流速範囲を示す。○と△で示された流速では、安定なw/o液滴が生成されたが、×で示された流速ではそのような生成ができなかった。
一般的なバルクでの金ナノロッド作製法では、成長溶液は100mMのHTAB水溶液9.5ml、10mMの塩化金酸水溶液400μl、100mMのアスコルビン酸64μlの混合物である。結晶核分散液は上述と同様に、100mMのHTAB水溶液1.875mlに、10mMの塩化金酸水溶液62.5μlを加え、そこに10mMの水素化ホウ素ナトリウム150μlを加えて2分間激しく撹拌し、撹拌後2時間室温に静置して作製する。2時間後、結晶核分散液を17μlとり、これを成長溶液に加えて金ナノロッドを成長させる。この時、結晶核のサイズが一律で5nmの立方体だと仮定すると、およそ10mlの成長溶液中に結晶核6.1×1011個が含まれる(非特許文献8参照)。つまりバルク成長の場合には、結晶核1つあたりの成長溶液の体積は約16.4μm3である。これは半径1.58μmの球に相当する。しかし、マイクロ流路での成長では、(1)成長溶液と結晶核分散液との混合比、(2)結晶核1つあたりの成長溶液の体積に違いがある。つまり、上記実施例で用いたマイクロ流路装置の場合、成長溶液と結晶核分散液の液量を1:1で混合する必要があり、また液滴サイズが半径15μm程度であることから、結晶核1つあたりの成長溶液の体積に約1000倍の違いがある。これらを考慮すると、およそ105倍に希釈した結晶核分散液を用いることでバルクと同様の成長が期待できることが分かる。
好ましい実施例では、結晶核分散液と成長溶液の流速を両方とも0.01ml/hで固定した。この時、安定にw/o液滴ができる油の流速範囲は0.03〜0.07ml/hであった(表1参照)。これ以外の範囲では水の連続流が観測され、安定な水液滴は生成されなかった。ただし、これらのデータは、図2に示された実施例のマイクロ流路装置に関するものであり、マイクロ流路の設計変更等によって変化するものと考えられる。
その他の応用分野として、ナノギャップ電極や電子回路といった電気化学分野、ワイヤグリッド偏光素子といった光学分野も考えられる。
Claims (7)
- 2重膜を形成し得る界面活性剤、金又は銀化合物、及び、アスコルビン酸を含む成長溶液と、結晶核分散液とを液滴形成直前に所定の混合比で混合し、該混合液の液滴であって体積がほぼ同じ多数の液滴を該混合液と相溶性の無い非相溶性媒体中に形成し、該多数の液滴のうちの少なくとも一部の液滴中で、金又は銀ナノロッドの成長を行う金又は銀ナノロッドの製造方法であって、1個の液滴中に含まれる金又は銀化合物の量は、500nm超のナノロッドの長さに対応するものであり、前記結晶核分散液の濃度及び前記混合比は、1個の液滴中に存在する結晶核が1個又は0個となるように設定されたものである、金又は銀ナノロッドの製造方法。
- 前記結晶核分散液は、界面活性剤又はクエン酸、金又は銀化合物、及び、還元剤を混合して調製されたものである、請求項1に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
- 前記2重膜を形成し得る界面活性剤は、炭素数が16以上のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドを主成分とするものである、請求項1又は2に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
- 前記非相溶性媒体としての油を流す主マイクロ流路と、該主マイクロ流路の途中に接続され、前記混合液を前記主マイクロ流路に導入して混合液の液滴を多数形成する混合マイクロ流路とを備えたマイクロ流路装置を用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
- 前記成長溶液と前記結晶核分散液の供給速度は、ともに0.01ml/hであり、前記油の流速が0.03〜0.07ml/hである、請求項4に記載の金又は銀ナノロッドの製造方法。
- 主マイクロ流路と、該主マイクロ流路に接続され該主マイクロ流路に混合液を導入して混合液の液滴を多数形成する混合液用マイクロ流路と、該混合液用マイクロ流路の上流側にそれぞれ接続され、前記混合液の成分である成長溶液と結晶核分散液をそれぞれ供給する成長溶液用マイクロ流路及び結晶核分散液用マイクロ流路と、混合液用マイクロ流路の接続部よりも上流側の主マイクロ流路に接続され、前記混合液と相溶性の無い非相溶性液体を供給する非相溶性液体供給部と、前記成長溶液用マイクロ流路に接続され、2重膜を形成し得る界面活性剤、金又は銀化合物、及び、アスコルビン酸を含む成長溶液を供給する成長溶液供給部と、前記結晶核分散液用マイクロ流路に接続され、結晶核分散液を供給する結晶核分散液供給部と、前記主マイクロ流路の下流側に設けられ、前記多数の液滴のうちの少なくとも一部の液滴中で成長した金又は銀ナノロッドを回収する回収部を具備する金又は銀ナノロッドの製造装置。
- 混合液用マイクロ流路に接続された塩基供給用マイクロ流路をさらに具備する、請求項6に記載の銀ナノロッドの製造装置。
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