JP2015209420A - 終末糖化産物生成阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全で高い活性を有する終末糖化産物生成阻害剤を提供する。
【解決手段】本発明の終末糖化産物生成阻害剤は、ヒシ科に属する植物の果皮及び果実の一方又は双方の熱水抽出物より分離され、タンパク質と糖からの終末糖化産物の生成に関連する1又は複数の反応を阻害する活性を有する1又は複数の化合物を有効成分として含み、当該1又は複数の化合物が、好ましくは、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定された分子量が70〜130及び290〜380のいずれかの範囲内である化合物のうち1又は複数を含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、安全で高活性な終末糖化産物生成阻害剤に関する。
終末糖化産物(Advanced Glycation Endproduct、AGEs)は、糖化タンパク質、メイラード反応産物等とも呼ばれ、グルコース等の還元糖とタンパク質のアミノ基との非酵素的な反応により生成する種々の構造を有するタンパク質誘導体である。AGEsは、細胞外マトリックスタンパク質、膜タンパク質及び細胞内タンパク質の糖化修飾に起因するこれらのタンパク質の機能及びそれに依存する細胞機能の破綻、或いはAGEsをリガンドとするレセプターが引き起こす細胞応答の結果として、種々の病変の発症及び増悪に関与している。
例えば、AGEsレセプターの1つであるRAGEによってAGEsが認識されると、細胞内NADPHオキシダーゼによる細胞内酸化ストレス物質の産生が亢進し、これが上皮細胞における遺伝子発現を変化させることにより、種々の糖尿病性血管障害が発症すると考えられている(非特許文献1参照)。
また、近年、AGEsは、糖尿病性血管障害に加え、心筋梗塞、動脈硬化症等の心血管障害(非特許文献2参照)、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症等の神経変性疾患(非特許文献3参照)、アルコール依存症による脳障害及び肝障害(非特許文献4参照)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症等の糖尿病合併症(非特許文献5参照)、骨粗鬆症等の骨代謝異常(非特許文献6参照)、老化現象(非特許文献7参照)、インスリン抵抗性(非特許文献8参照)、腫瘍の増殖及び転移(非特許文献9参照)等にも関与していることが示唆されている。
生体内におけるAGEsの形成を阻害することにより、AGEsに関連する疾患を治療又は予防するための薬剤として、例えば、特許文献1では、ムラサキ、セイヨウムラサキ、イヌムラサキ等のムラサキ属植物の培養細胞抽出エキス若しくはその処理物、又はコーヒー酸重合体を有効成分として含有するメイラード反応阻害剤が開示されている。特許文献2では、アミノグアニジン等のメイラード反応阻害剤と、ビタミンB6又はその医薬的に許容される塩とを含有したAGEs生成阻害組成物が開示されている。また、特許文献3では、カルボニル化合物トラップ剤を有効成分とする、腹膜透析における腹腔内のカルボニルストレス状態改善剤が開示されている。
また、AGEsに関連する疾患の治療及び予防のためには、キレート能、抗酸化作用等の複数の作用を併せ持つ物質が有望であると考えられている(非特許文献10参照)。
また、食品に含まれるクレメジン、キチン、キトサン等の高分子が、食品中のAGEsを吸着することが報告されているが(例えば、非特許文献11及び12参照)、これらが食品中に含まれるAGEsを吸着し、排泄を促進することにより血中AGEs濃度を低下させると考えられる。
特開2008−214250号公報 特開平10−324629号公報 特開2006−305345号公報
Marie−Paule Wautier他著、「Activation of NADPH oxidase by AGE links oxidant stress to altered gene expression via RAGE」、Amarican Journal of Physiology −Endocrinology and Metabolism、(米国)、アメリカ生理学会(American Physiological Society)、2001年5月、第280巻、E685−E694 Yoshihide Jinnouchi他著、「Glycolaldehyde−modified low density lipoprotein leads macrophages to foam cells via the macrophage scavenger receptor」、The Journal of Biochemistry、日本生化学会、1998年、123巻、第6号、p.1208−1217 Nobuyuki Sasaki他著、「Advanced Glycation End Products in Alzheimer's Disease and Other Neurodegenerative Diseases」、The American Journal of Pathology、(米国)、アメリカ研究病理学会(American Society for Investigative Pathology)、1998年10月、第153巻、第4号、p.1149−1155 Keiko Iwamoto他著、「Advanced glycation end products enhance the proliferation and activation of hepatic stellate cells」、Journal of Gastroenterology、シュプリンガー・ジャパン、2008年4月、第43巻、第4号、p.298−304 C W Yang他著、「Advanced glycation end products up−regulate gene expression found in diabetic glomerular disease」、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、(米国)、アメリカ国立科学協会(National Academy of Sciences of the United States of America)、1994年9月27日、第91巻、第20号、p.9436−9440 James J. Tomasek他著、「Diabetic and age−related enhancement of collagen−linked fluorescence in cortical bones of rats」、Life Sciences、(オランダ)、エルゼビア(Elsevier B.V.)、1994年、第55巻、p.855−861 Melpomeni Peppa他著、「Aging and glycoxidant stress」、Hormones、(ギリシア)、ギリシア内分泌学協会(Hellenic Endocrine Society)、2008年、第7巻、第3号、p.123−132 水田雅也、「インスリン作用不足と酸化ストレス」、日本薬理学雑誌、日本薬理学会、第125巻、第3号、p.125−128 Riichiro Abe他著、「Regulation of Human Melanoma Growth and Metastasis by AGE−AGE Receptor Interactions」、Journal of Investigative Dermatology、(英国)、ネイチャー・パブリッシング・グループ(Nature Publishing Group)、2004年2月、第122巻、第2号、p.461−467 Sean M. Culbertson他著、「Paradoxical Impact of Antioxidants on Post−Amadori Glycoxidation: COUNTERINTUITIVE INCREASE IN THE YIELDS OF PENTOSIDINE AND Nε−CARBOXYMETHYLLYSINE USING A NOVEL MULTIFUNCTIONAL PYRIDOXAMINE DERIVATIVE」、Journal of Biological Chemistry、(米国)、米国生化学・分子生物学会(American Society for Biochemistry and Molecular Biology)、2003年10月、第273巻、p.38384−38394 S. Yamagishi他著、「Oral administration of AST−120 (Kremezin) is a promising therapeutic strategy for advanced glycation end product (AGE)−related disorders」、Medical Hypotheses、(オランダ)、エルゼビア(Elsevier B.V.)、2007年、第69巻、第3号、p.666−668 S. Ueda他著、「Oral Adsorbent AST−120 Decreases Serum Levels of AGEs in Patients with Chronic Renal Failure」、Molecular Medicine、(米国)、ファインスタイン医学研究所(Feinstein Institute for Medical Research)、2006年、第12巻、p.180−184
しかしながら、特許文献1記載のメイラード反応阻害剤については、経口摂取時の安全性が未知数である。また、特許文献2記載のAGEs生成阻害組成物は合成物であり、副作用の発生が懸念されるアミノグアニジン等が含まれている。また、特許文献3、非特許文献11、12記載の、高分子をベースとするAGEsの吸着除去剤においては、非特異的な吸着により、有用な栄養成分が同時に吸着除去されるおそれがある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、安全で高い活性を有する終末糖化産物生成阻害剤を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明は、ヒシ科に属する植物の果皮及び果実の一方又は双方の熱水抽出物より分離され、タンパク質と糖からの終末糖化産物の生成に関連する1又は複数の反応を阻害する活性を有する1又は複数の化合物を有効成分として含むことを特徴とする終末糖化産物生成阻害剤を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の終末糖化産物生成阻害剤において、前記1又は複数の化合物において、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定された分子量が70〜130及び290〜380のいずれかの範囲内であることが好ましい。
本発明の終末糖化産物生成阻害剤の有効成分は、食経験のあるヒシ科に属する植物の果皮及び果実の一方又は双方の熱水抽出物より分離された化合物である。したがって、安全性が確認されたものであると共に、高い終末糖化産物生成阻害能を有する。このように、本発明によると、安全で活性の高い終末糖化産物生成阻害剤が提供される。
ヒシ科植物の熱水抽出物中の分子量10000以下の画分を、疎水性カートリッジカラムで分画(溶離液:水)後、ゲルろ過クロマトグラフィーで分画した各画分の終末糖化産物生成阻害率を示すグラフである。 ヒシ科植物の熱水抽出物中の分子量10000以下の画分を、疎水性カートリッジカラムで分画(溶離液:水−アセトニトリル 100:30(v/v))後、ゲルろ過クロマトグラフィーで分画した各画分の終末糖化産物生成阻害率を示すグラフである。 ゲルろ過クロマトグラフィーの溶離時間と分子量との関係について、分子量が既知の化合物を用いて作成した検量線である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る終末糖化産物生成阻害剤は、ヒシ科植物の果皮及び果実の一方又は双方の熱水抽出物より分離された1又は複数の化合物を有効成分として含んでいる。ヒシ科植物の果実及び果皮は、生の実又は生の実から採取したもの、採取後乾燥したもの、乾燥した実又は乾燥した実から採取したもののいずれであってもよく、抽出効率を向上させるために、溶媒抽出の前に任意の方法を用いて破砕又は粉砕等の前処理を行ってもよい。
熱水抽出に用いられるヒシ科植物は特に制限されないが、具体例としては、ヒシ(Trapa japonica)、オニビシ(Trapa natans L. ver. japonica)、ヒメビシ(Trapa incisa)及びトウビシ(Trapa bispinosa Roxb.)が挙げられる。
熱水抽出に用いる溶媒としては、水、水溶液、水と混和する任意の1種以上の溶媒と水とを任意の割合で混合した混合溶媒(水性溶媒)を用いることができるが、好ましい抽出溶媒は、水、メタノール、エタノール及びこれらの任意の2以上を任意の割合で混合した水性溶媒であり、特に好ましい抽出溶媒は、水、食品添加物として認められている有機溶媒であるエタノールと水とを任意の割合で混合した水性溶媒である。抽出溶媒の温度は、室温を超え抽出溶媒の沸点以下の任意の温度であってよいが、抽出効率、被抽出物の耐熱性及び揮発性等を考慮して決定されることが好ましい。
抽出溶媒として水及び水性溶媒を用いる場合には、抽出効率を向上させるために、必要に応じて、酸、塩基、塩等を適宜含んでいてもよい。抽出に用いる水の温度及びpHについては特に制限はないが、pHについては、生体への使用を考慮して中性付近、より具体的にはpH4〜9であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。必要に応じて、抽出効率を向上させるために、加熱した抽出溶媒を用いてもよい。
熱水抽出は任意の公知の方法により行うことができ、例えば、ヒシ科植物の果皮及び果実の一方又は双方を溶媒中で所定時間混合後、ろ過、遠心分離、デカンテーション等により固形分と分離する方法、ソックスレー抽出法等の連続抽出法等の方法を用いることができる。
ヒシ科植物の果皮の溶媒抽出物から、1又は複数の化合物を分離する前に、高分子量成分や不溶分等を除去するために、透析、限外ろ過、ろ過、カラムクロマトグラフィー等による前処理を行ってもよい。
ろ過により不溶分等を除去する場合には、必要に応じて、不純物を除去するために活性炭、ベントナイト、セライト等の吸着剤やろ過助剤を添加してもよい。特に抽出液の状態で用いる場合には、メンブレンフィルター等による除菌ろ過を併せて行うことが好ましい。
必要に応じて上述のような前処理を行った熱水抽出物の分離は、カラムクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、イオンクロマトグラフィー等の任意の公知の方法を用いて行うことができ、終末糖化産物生成阻害活性の高い画分を分画することにより行うことができる。終末糖化産物生成阻害活性は、例えば、終末糖化産物生成阻害剤の非存在下における終末糖化産物の生成量に対する、終末糖化産物生成阻害剤の存在下におけるそれの比(阻害率)を求めることにより評価することができる。終末糖化産物の生成量は、例えば、終末糖化産物に特有な蛍光強度等の物理量を測定することにより行うことができる。
終末糖化産物生成阻害剤の阻害対象となる終末糖化産物は、任意のタンパク質及び任意の糖より誘導される終末糖化産物であり、具体例としては、アルブミン、グロブリン等の血清タンパク質、コラーゲン、エラスチン等の細胞外マトリックスタンパク質、Gタンパク質等の膜タンパク質及び細胞内タンパク質の糖化により形成される終末糖化産物等が挙げられる。糖の典型例としては、血液及び体液中に高濃度で存在するグルコース及びフルクトースが挙げられる。
終末糖化産物生成阻害剤の阻害対象となる反応は、タンパク質のアミノ基と還元糖との反応によるシッフ塩基の生成、アマドリ転位による1,2−エナミノール又は2,3−エンジオールの生成、アマドリ転移生成物の分解及び分解産物とアミノ酸、ペプチド又はタンパク質との重合生成物の生成等の任意の1又は複数の反応であってよい。
終末糖化産物生成阻害剤を担体等と混合することにより、糖尿病及びそれに関連する疾患及び症状に対する治療効果及び予防効果の一方又は双方を有する医薬組成物として用いることができる。医薬組成物のヒト或いは動物に対する投与形態としては、経口、経直腸、非経口(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与など)等が挙げられ、投与量は、医薬組成物の製剤形態、投与方法、使用目的及びこれに適用される投与対象の年齢、体重、症状によって適宜設定され一義的に決定することは困難であるが、ヒトの場合、一般には製剤中に含有される有効成分の量で、好ましくは成人1日当り0.1〜2000mg/日である。もちろん投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、或いは上記範囲を超えて必要な場合もある。
経口投与製剤として調製する場合は、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、コーティング剤、液剤、懸濁剤等の形態に調製でき、非経口投与製剤にする場合には、注射剤、点滴剤、座薬等の形態に調製することができる。製剤化には、任意の公知の方法を用いることができる。例えば、終末糖化産物生成阻害剤と、製薬学的に許容し得る担体又は希釈剤、安定剤、及びその他の所望の添加剤を配合して、上記の所望の剤形とすることができる。
終末糖化産物生成阻害剤を含む食品としては、終末糖化産物生成阻害剤を食品に配合したもの、或いは、カプセル、錠剤等、食品又は健康食品に通常用いられる任意の形態をとることができる。配合される食品の種類に特に制限はなく、例えば、コーヒー、果汁、清涼飲料水、ビール、牛乳、味噌汁、スープ、紅茶、茶、栄養剤、シロップ、マーガリン、ジャム等の液状(流動状)食品、米飯、パン、じゃがいも製品、もち、飴、チョコレート、ふりかけ、ハム、ソーセージ、キャンディーなどの固形形状食品等の主食、副食、菓子類ならびに調味料に配合することも可能である。用途に応じて、粉末、顆粒、錠剤等の形に成形してもよい。また、必要に応じて、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等と適宜混合してもよい。
また、ヒトの消費に供する食品以外にも、終末糖化産物生成阻害剤を飼料中に混合して、家畜、ペット等の動物に投与する場合には、予め飼料の原料中に混合して、機能性を付与した飼料として調製することができる。また、終末糖化産物生成阻害剤を飼料に添加して投与することもできる。すなわち、終末糖化産物生成阻害剤を有効成分として含む食品は、ブタ、ニワトリ、ウシ、ウマ、ヒツジ等の家畜や、魚類、ペット(イヌ、ネコ、鳥類)等の飼料に添加することにより、安全で、糖尿病及びそれに関連する疾患及び症状の治療効果及び予防効果の一方又は双方を有する機能性飼料として用いることができる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
(1)ヒシ科植物の熱水抽出物の調製
トウビシ(Trapa bispinosa)の果皮及び果実を乾燥(65℃、20時間)後にフードプロセッサーを使用して粉末化した。粉末2gを熱水抽出(80℃、1時間)し、抽出液を遠心分離した上清をヒシ科植物の熱水抽出物とした。
(2)終末糖化産物生成阻害活性の評価
終末糖化産物生成阻害活性の評価は、ヒト血清アルブミンとグルコースを反応(60℃、40時間)させて生成したAGEsを蛍光法(励起波長370nm/検出波長440nm)で測定し、終末糖化産物生成阻害剤を加えた時の生成阻害率(%)を算出することにより行った。生成阻害率(%)は下式より求めた。
生成阻害率(%)=100−{(A−Ab)/(B−Bb)}×100
ただし、式中のA、Ab、B、Bbは、それぞれ;
A:終末糖化産物生成阻害剤を含む反応系における蛍光強度
Ab:終末糖化産物生成阻害剤を含む反応系(ブランク)における蛍光強度
B:対照試料(終末糖化産物生成阻害剤を含まない)の反応系における蛍光強度
Bb:対照試料の反応系(ブランク)における蛍光強度
を表す。
(3)ヒシ科植物の熱水抽出物からの終末糖化産物生成阻害剤の分離
ヒシ科植物の熱水抽出物からの活性成分の分離は、下記のような要領で行った。まず、限外ろ過膜(Amicon Ultra−0.5mL 10K、MILLIPORE 社製)を用いて、分子量10000以上及び10000以下の画分に分離した。ついで、疎水性カートリッジカラム(OASYS HLB、Waters 社製)を用いて、分子量10000以下の画分を分離した(溶離液:水−アセトニトリル(100:x(v/v):0≦x≦110))。ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーを使用し、終末糖化産物生成反応阻害作用成分の分画を分離することにより行った。
限界ろ過膜により分離した分子量10000以下の画分について、疎水性カートリッジカラムで分画した画分のうち、水を用いて溶離させた画分及び水−アセトニトリル 100:30(v/v)を用いて溶離させた画分が、高い生成阻害率を示すことが確認された。これらの画分について、ゲルろ過クロマトグラフィー(Superdex Peptide HR 10/30、GEヘルスケア社製)を用いて更に精製を行い、生成阻害率の高い画分として、前者から2つ(図1中のフラクションNo.22及び27。以下、「画分a」、「画分b」という。)、後者から1つの画分(図2中のフラクションNo.26。以下、「画分c」という。)を得た。これらの画分a、b、cは、40%以上の高い生成阻害率を示すことが確認された。
ゲルろ過クロマトグラフィーの溶離時間と分子量との関係について、分子量が既知の化合物を用いて作成した検量線(図3参照)に基づき、画分a、b、cについて、分子量を求めたところ、それぞれ、290〜380、70〜100、100〜130の範囲内であることが確認された。また、それぞれの吸光スペクトル測定を行ったところ、フラボノイド骨格を有する化合物に類似するスペクトルが観測された。

Claims (2)

  1. ヒシ科に属する植物の果皮及び果実の一方又は双方の熱水抽出物より分離され、タンパク質と糖からの終末糖化産物の生成に関連する1又は複数の反応を阻害する活性を有する1又は複数の化合物を有効成分として含むことを特徴とする終末糖化産物生成阻害剤。
  2. 前記1又は複数の化合物において、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定された分子量が70〜130及び290〜380のいずれかの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の終末糖化産物生成阻害剤。
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