JP2004217532A - 桑葉抽出物及びその製造方法、並びに血糖値上昇抑制用組成物及び肥満防止用組成物 - Google Patents
桑葉抽出物及びその製造方法、並びに血糖値上昇抑制用組成物及び肥満防止用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004217532A JP2004217532A JP2003004105A JP2003004105A JP2004217532A JP 2004217532 A JP2004217532 A JP 2004217532A JP 2003004105 A JP2003004105 A JP 2003004105A JP 2003004105 A JP2003004105 A JP 2003004105A JP 2004217532 A JP2004217532 A JP 2004217532A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mulberry leaf
- leaf extract
- composition
- conduritol
- obesity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【効果】本発明によれば、血糖値上昇抑制作用、過血糖による肥満防止作用を有し、なおこれらの効果が安定な桑葉抽出物、またその製造方法、並びに大量に供給でき安全性の高い血糖値上昇抑制用組成物、肥満防止用組成物を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンズリトールAを含有する桑葉抽出物及びその製造方法、並びに該桑葉抽出物を含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用組成物、過血糖による肥満防止用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
桑葉は、従来より制糖作用、すなわち血糖値上昇抑制作用及び糖吸収抑制作用を有することが知られており、古くから糖尿病を予防する目的などのため、健康茶として湯で煮出したりして利用されてきた(非特許文献1)。また、最近では桑葉を熱水などで抽出し、乾燥したものを錠剤、顆粒剤あるいは飲料などに配合した組成物を糖尿病の予防や肥満を予防する目的で飲食するようになってきた(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、桑葉の血糖値上昇抑制作用を有する有効成分としては、1−デオキシノジリマイシン等の含窒素化合物がα−グルコシダーゼ阻害作用を示し(非特許文献2)、糖吸収抑制や肥満予防作用を有することが知られるのみである(非特許文献3)。しかも、1−デオキシノジリマイシン等は、桑葉中に極めて少量しか含有されず、ルーチン的な定量が無いため、人が桑葉や抽出物を飲食するに当り、人体に作用を及ぼす量まで摂取したかどうか不明であった。このため、桑葉の有効性を十分発揮させることができず、産業的な広がりが得られていなかった。
【0003】
一方、コンズリトールAは、ガガイモ科に属するコンズランゴ(Marsdenia cundurango Richenbach fil)樹皮やギムネマ シルベスタ(Gymnema sylvestre R.Br.)葉に含まれることが知られている。コンズリトールAの作用として腸管からの糖吸収抑制作用が知られ、血糖値上昇抑制作用を示すことが確認されている(特許文献3)。しかしながら、桑葉にコンズリトールAが含まれていることは、全く知られていなかった。更に、コンズランゴ樹皮は医薬品として用いられ、日常的に食品として摂取することには安全性等に難があり、ギムネマ シルベスタはインド等の熱帯にしか生育せず、日本国内で多くの量を容易に入手することは困難である。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−153941号公報
【特許文献2】
特開平8−298952号公報
【特許文献3】
特許第3110500号公報
【非特許文献1】
Masayasu Kimura著、「和漢医薬学雑誌(J.Traditional Medicines)」12,214
−219,1995
【非特許文献2】
「Naturwissen schaften」No.66、p584−585、1979
【非特許文献3】
野田信三著、「Food style」21 Vol.2,No.5,p50−55,1998
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、血糖値上昇抑制作用、過血糖による肥満防止作用を有する桑葉抽出物及びその製造方法、並びに大量に供給でき安全性の高い血糖値上昇抑制用組成物、肥満防止用組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、桑葉より安定した効果を有する抽出物を得るための研究を重ねる中で、桑葉にコンズリトールAが含有されることを初めて見出し、コンズリトールAを含有する桑葉抽出物が安定した血糖値上昇抑制作用、過血糖による肥満防止作用を示すこと、またその製造方法を知見し本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、コンズリトールAを含有することを特徴とする桑葉抽出物及びその製造方法、並びに桑葉抽出物を含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用組成物及び過血糖による肥満防止用組成物を提供する。
【0008】
なお、桑葉抽出物は、コンズリトールAが、固形分中に0.5〜10重量%含有することが好ましい。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の桑葉抽出物は、コンズリトールAを含有するものである。
コンズリトールAは、下記式(1)で表わされる単糖である。なお、桑葉抽出物に含有するコンズリトールAには、誘導体であるジヒドロコンズリトールA、コンズリトールAエポキサイドのものも含まれる。
【0010】
【化1】
【0011】
本発明において抽出液がコンズリトールAを含有するとは、固形分中に0.2重量%以上含むことをいうものとし、固形分中の含有量とは、桑葉抽出物の乾燥物中に含まれるコンズリトールAの含有量(重量%)をいう。コンズリトールAの桑葉抽出物中の含有量は、特に限定されないが、固形分中に0.5〜10重量%が好ましく、特に1〜8重量%が好ましい。含有量が少なすぎると効果が安定して得られない場合があり、多すぎても精製にコストがかかりすぎ、含有量に応じた効果の増大は期待できない場合がある。
【0012】
本発明に用いられる桑葉は、桑(マグワ:Morus alba L.、ヤマグワ:M.bonbycis Koizumi、ロソウ:M.Multicaulis)の葉の部分である。桑の根の皮は桑白皮と言われ、古くより漢方薬の重要な構成生薬として用いられてきた。また、桑の葉は、養蚕の飼料として古来より国内で大量に生産されてきたが、民間薬としても、糖尿病の予防に用いられてきた。本発明において、かかる桑葉は、通常自然乾燥させるか、温風乾燥させた物をそのまま又は粗砕した形で用いるが、生の葉を用いてもよい。
【0013】
本発明の桑葉抽出物を得る方法は、桑葉を水又は含水アルコールで抽出した抽出液をハイポーラス型合成高分子吸着樹脂及び/又はイオン交換樹脂に通液し、前記樹脂に未吸着の画分からコンズリトールAを含有する抽出物を得る方法である。
【0014】
抽出溶媒は水又は含水アルコールである。用いるアルコールとしては、特に限定されないが、エタノール、メタノール、n−プロパノ−ル、iso−プロパノ−ル等の低級一価アルコールが好ましい。含水アルコールのアルコール含有量は、50重量%以下が好ましく、30重量%以下が特に好ましい。アルコール含有量が50重量%以上では、桑葉よりクロロフィル等が抽出され、二次工程の樹脂に不可逆的吸着を生じ、樹脂寿命を短くしてしまうため好ましくない。
【0015】
抽出方法は、桑葉1重量部に対し抽出溶媒を好適には8〜20重量部加え抽出する。この場合、抽出温度は一般に用いられる条件で行えばよく、特に限定されるものではないが、50〜100℃が好ましく、70〜95℃が特に好ましい。抽出時間は、好適には1〜10時間、より好ましくは2〜5時間が適当であり、抽出時に軽く攪拌をしてもよい。
【0016】
得られた抽出液は、ろ過等により不溶物を除去した後、必要に応じて濃縮を行う。抽出液にアルコールを含む場合は、減圧下で濃縮してアルコールを除き、次いでこの水溶液をハイポーラス型合成高分子吸着樹脂及び/又はイオン交換樹脂に通液する。これらの樹脂に未吸着の画分からコンズリトールAを高含有する抽出液を得ることができる。
【0017】
ハイポーラス型合成高分子吸着樹脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン系重合体やポリアクリル酸系重合体のものがあり、例えば、ダイヤイオンHP20、同SP825、同SP850等(三菱化学社製)やアンバーライトXAD−7、同XAD−8(オルガノ社製)等が挙げられる。イオン交換樹脂の具体例としては、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂どちらも用いることができ、具体的には、強酸性陽イオン交換樹脂としてダイヤイオンPK208、同PK216、同SK1B、SK110等、強塩基性陰イオン交換樹脂としてダイヤイオンPA308、同PA316、同SA10A等が挙げられ、弱塩基性陰イオン交換樹脂として、ダイヤイオンWA21、同WA30等(以上、三菱化学社製)が例として挙げられる。イオン交換樹脂としては、ハイポーラス型、ゲル型のいずれも用いることができるが、コンズリトールA以外の不純物を多く除くことができる点で、ハイポーラス型のものが好ましい。
【0018】
樹脂は、ハイポーラス型合成高分子吸着樹脂、イオン交換樹脂をそれぞれ単独で用いてもよいし、一方の単独使用で目的とするコンズリトールA含有量の抽出液が得られない場合は、一方の樹脂の未吸着画分を続けて他方の樹脂に通液してもよい。また、ハイポーラス型合成高分子吸着樹脂及びイオン交換樹脂から2種以上を組み合わせて用いてもよい。ハイポーラス型合成高分子吸着樹脂及びイオン交換樹脂を両方使用する場合の順番は特に限定されないが、ハイポーラス型合成高分子吸着樹脂を先に使用する方が、イオン交換樹脂の再生使用回数が長くなるため良好である。
【0019】
樹脂の使用量は、抽出液固形物1容量部に対して、好適には1〜20容量部、好ましくは2〜10容量部である。
【0020】
通液は、樹脂をつめたカラム又はバッチ方式で行ってもよいが、カラムを用いることが好ましく、好適には通液速度SV0.5〜4、好ましくは0.5〜2で通液し、イオン物質や低極性の物質を吸着させる。ハイポーラス型合成高分子吸着樹脂に通液する際の液のpHは好適には4〜8であり、温度は常温〜40℃である。
【0021】
ハイポーラス型合成高分子吸着樹脂及びイオン交換樹脂のいずれを用いた場合においても、未吸着画分としてコンズリトールAを高含有する桑葉抽出液(物)が得られる。
【0022】
本発明の桑葉抽出物は、抽出物中のコンズリトールAの含有を妨げない範囲において、色素や臭いを有する成分を取り除くため、活性炭、骨炭、水酸化カルシュウム等で処理してもよい。
【0023】
本発明の桑葉抽出物は、更に、減圧濃縮し、真空乾燥、スプレー乾燥、凍結乾燥を行い、乾燥粉末とすることが好ましい。
【0024】
本発明の桑葉抽出物は、コンズリトールAを含有するため血糖上昇抑制作用と肥満防止作用を示す。また、コンズリトールA以外に、1−デオキシノジリマイシン等の糖吸収抑制作用を有した含窒素化合物も若干精製されて含まれるものと推定され、そのことによる相乗効果も期待されるが、コンズリトールAを高含有することで、本発明の桑葉抽出物は効果が高く、安定な血糖上昇抑制作用と肥満防止作用を示す。また、通常水で桑葉を煮出しただけの抽出物に比べ、これらの化合物が精製されて高い効果を示すものである。
【0025】
本発明の桑葉抽出物は、優れた血糖上昇抑制作用と肥満防止作用を示すため、桑葉抽出物を含有する血糖値上昇抑制用組成物、過血糖による肥満防止用組成物として用いることができる。
【0026】
本発明の血糖値上昇抑制用組成物、過血糖による肥満防止用組成物には、上記桑葉抽出物以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、通常、血糖値上昇抑制用組成物及び肥満防止用組成物に配合される成分や他の血糖値上昇抑制剤を併用してもよく、他の血糖値上昇抑制剤としては、ギムネマ、バナバ、小麦アルブミン、グァバポリフェノール、高麗ニンジン等が挙げられる。
【0027】
本発明の血糖値上昇抑制用組成物及び過血糖による肥満防止用組成物は、食品、医薬品、医薬部外品として用いることができ、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、飲料等に配合し、日常的に飲食することで、血糖値上昇の抑制と肥満防止を実現することができる。
【0028】
血糖値上昇抑制用組成物、過血糖による肥満防止用組成物における本発明の桑葉抽出物の配合量は、その剤形によって異なり、飲食品全量に対し0.001〜80重量%が好ましく、特に0.01〜60重量%が好ましい。飲料の場合、全量に対し0.01〜5重量%、顆粒剤・錠剤・カプセル剤の場合は、全量に対し1〜60重量%、シロップ剤の場合は、全量に対し0.5〜30重量%が好ましい。
【0029】
また、本発明の桑葉抽出物の成人による摂取量は、1日あたり10mg〜5g、好ましくは30mg〜2gであるが、摂取する人の状態に応じて摂取量を増減すればよい。また、1日に3回、食事前に摂取することが好ましい。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、血糖値上昇抑制作用、過血糖による肥満防止作用を有する桑葉抽出物及びその製造方法、並びに大量に供給でき安全性の高い血糖値上昇抑制用組成物、肥満防止用組成物を得ることができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は重量部を示す。
【0032】
[実施例1]
桑葉抽出物製造例1
乾燥桑葉(桑葉A)1kgに水15Lを加え、80℃に加熱し3時間抽出した。抽出液を100メッシュの網に通したのち、更に珪藻土を用いて吸引ろ過して澄明な水抽出液を得た。別に500mLの合成吸着樹脂(ダイヤイオンHP20:三菱化学社製)を充填したカラムを準備し、これに得られた桑葉抽出液をSV1で通液後カラムを水2Lで洗浄し、未吸着液と洗浄液を合わせて50℃で減圧濃縮、次いで40℃で24時間真空乾燥して乾燥物(桑葉抽出物)113gを得た。
【0033】
[実施例2]
桑葉抽出物製造例2
実施例1と同様の操作により、乾燥桑葉(桑葉A)1kgを用いて乾燥桑葉の水抽出液を得た。別に各々400mLの陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンPK216)及び陰イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA30)を充填したカラムを準備し、これに、得られた桑葉抽出液をSV2で通液後カラムを水2Lで洗浄し、未吸着液と合わせて実施例1と同様の操作にて濃縮・乾燥して乾燥物(桑葉抽出物)98gを得た。
【0034】
[実施例3]
桑葉抽出物製造例3
実施例1と同様の操作により、合成吸着樹脂(ダイヤイオンHP20)未吸着液と洗浄液を合わせた液を得た。この液を実施例2で用いたと同様の各々400mLの陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂カラムに通液し、カラムを水2Lで洗浄後、未吸着液と洗浄液を合わせて実施例1と同様の操作により乾燥させ、乾燥物(桑葉抽出物)73gを得た。
【0035】
[実施例4〜6]
産地の異なる乾燥桑葉4種類(桑葉B、C、D)各1kgを実施例3と同様の操作を行い、乾燥物(桑葉抽出物)を得た。得られた乾燥物の量を表1に示す。
【0036】
[比較例1]
乾燥桑葉(桑葉E)1kgに15Lの水を加え、80℃に加熱し3時間抽出した。抽出液を100メッシュの網に通したのち、更に珪藻土を用いて吸引ろ過して澄明な液を得た。この液を減圧濃縮した後、凍結乾燥を行い乾燥物(桑葉抽出物)283gを得た。
【0037】
[比較例2]
乾燥桑葉(桑葉F)1kgに15Lの水を加え、80℃に加熱し3時間抽出した。抽出液を100メッシュの網に通したのち、更に珪藻土を用いて吸引ろ過して澄明な液を得た。この液を減圧濃縮した後、凍結乾燥を行い乾燥物(桑葉抽出物)246gを得た。
【0038】
実施例1〜6、比較例1、2で得られた桑葉抽出物について、下記測定方法でコンズリトールAの含有量及びα−グルコシダーゼ阻害率を測定し、実施例1、3及び比較例2について血糖値上昇抑制作用、実施例2、4、6及び比較例1について、肥満防止作用を評価した。結果を1〜4に示す。
【0039】
<コンズリトールA含有量の測定>
桑葉抽出物について、下記分析条件にてコンズリトールAをガスクロマトグラフ法で定量分析した。
コンズリトールA定量分析方法
各桑葉抽出物1mgに対し、TMSイミダゾール10滴を加え、密栓したビンの中で、80℃・30分間加熱した、過熱後、水を加えヘキサン−水で分液しヘキサン層をサンプル液とした。
ガスクロマトグラフィーは、GC−2010(島津製作所社製)、カラムはDB−1(Agilent Technologies製)、充填剤はC−R7Aplus(島津製作所社製)で、40〜170℃に段階的に温度を上昇させコンズリトールAの含有率を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
<α−グルコシダーゼ阻害率の測定>
ラット小腸粉末より調製した粗α−グルコシダーゼ溶液を用いて、α−グルコシダーゼ阻害試験を行った。ラット小腸アセトン粉末1gに対して0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mLをスターラーで攪拌(4℃、1時間)し、3500rpm、15分間遠心分離を行った。得られた上清を粗酵素液とした。
桑葉抽出物を各種水溶液濃度に調製し、サンプル液とした。そして、マルトースを基質として、上記粗酵素液及びコンズリトールA溶液を用いて、37℃の水浴上で30分静置後、沸騰水に2分間浸し、反応を停止させた。氷冷後、分解したグルコース量を測定した。
グルコースCII−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いて、505nmの吸光度を測定して下記式によりα−グルコシダーゼ阻害率を求め、50%阻害率濃度IC50を求めた。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
※ IC50は測定されず
【0043】
【数1】
【0044】
<血糖値上昇抑制試験>
ショ糖50gを100mLの蒸留水に溶かした。この溶液に桑葉抽出物それぞれ120mgを添加したものを調製し、サンプル液とした。対照にはショ糖50gを蒸留水100mLに溶かしたものを用いた。このサンプル液を、健常成人男性5名によるショ糖負荷試験に供した。即ち、試験前日の午後9時より絶食した被験者に前述の試料を経口負荷させ、簡易血糖測定器(デキスターZ;バイエル・三共)を用いて経時的に(30、60、90分後)血糖値を測定した。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
明らかに実施例の桑葉抽出物は血糖値上昇抑制作用を示したが、比較例の桑葉抽出物は、血糖値上昇抑制傾向は示したが、対照との有意差は得られず効果は確認できなかった。
【0047】
<肥満防止試験>
3週齢のddy雄性マウスを1週間検疫訓化した後、健康状態のよさそうな18匹を使用し、3群に分け1群6匹とした。飼育条件は22±3℃、湿度55±15%、照明12時間/日に設定し、ステンレス製ブランケット飼育ゲージに6匹ずつ収容した。桑葉抽出物を飼料中に各20重量%含有させ、前述マウスに自由摂取、45日間の肥満防止試験を行った。対照としては、これらが含まれていない通常の飼料を与えた。結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
実施例の桑葉抽出物には体重増加の抑制が見られたが、比較例の桑葉抽出物は対照とほぼ同等の体重増加を示し、肥満防止の効果は見られなかった。
【0050】
[実施例7]
下記に示す処方の組成物(錠剤)を常法に準じて調製した。
錠剤 (250mg/粒)
桑葉抽出物(実施例1) 97.5mg
ビタミンC 1.5mg
緑茶カテキン 1.5mg
マルチトール 95.0mg
ショ糖脂肪酸エステル 20.0mg
結晶セルロース 35.0mg
【0051】
[実施例8]
下記に示す処方の組成物(顆粒)を常法に準じて調製した。
顆粒 (1000mg)
桑葉抽出物(実施例2) 71.5mg
ビタミンK 1.5mg
レシチン 1.0mg
ナイアシン 1.0mg
硫酸カルシウム 1.5mg
ビートオリゴ糖 923.5mg
【0052】
[実施例9]
下記に示す処方の飲料を常法に準じて調製した。
飲料
桑葉抽出物(実施例3) 1%
ビタミンC 1%
ビタミンK 1%
ルチン 1%
グレープフルーツ果汁 9%
プルーン果汁 2%
ザクロ果汁 5%
オリゴ糖 5%
グレープフルーツフレーバー 0.7%
水 74.3%
合計 100%
Claims (5)
- コンズリトールAを含有することを特徴とする桑葉抽出物。
- コンズリトールAを、固形分中に0.5〜10重量%含有することを特徴とする請求項1記載の桑葉抽出物。
- 桑葉を水又は含水アルコールで抽出した抽出液をハイポーラス型合成高分子吸着樹脂及び/又はイオン交換樹脂に通液し、前記樹脂に未吸着の画分からコンズリトールAを含有する抽出物を得ることを特徴とする請求項1又は2記載の桑葉抽出物の製造方法。
- 請求項1又は2記載の桑葉抽出物を含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用組成物。
- 請求項1又は2記載の桑葉抽出物を含有することを特徴とする過血糖による肥満防止用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003004105A JP2004217532A (ja) | 2003-01-10 | 2003-01-10 | 桑葉抽出物及びその製造方法、並びに血糖値上昇抑制用組成物及び肥満防止用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003004105A JP2004217532A (ja) | 2003-01-10 | 2003-01-10 | 桑葉抽出物及びその製造方法、並びに血糖値上昇抑制用組成物及び肥満防止用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004217532A true JP2004217532A (ja) | 2004-08-05 |
Family
ID=32895178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003004105A Pending JP2004217532A (ja) | 2003-01-10 | 2003-01-10 | 桑葉抽出物及びその製造方法、並びに血糖値上昇抑制用組成物及び肥満防止用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004217532A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006077975A1 (ja) * | 2005-01-21 | 2006-07-27 | Arkray, Inc. | メタボリックシンドローム改善剤、ならびにそれを含む医薬、サプリメント、機能性食品および食品添加物 |
JP2009511468A (ja) * | 2005-10-05 | 2009-03-19 | アンジオラブ インコーポレーテッド | 抗肥満組成物 |
JP2009057286A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-03-19 | Japan Organo Co Ltd | 陽イオン性不純物を含むアルコールの精製方法 |
KR100953870B1 (ko) | 2008-08-26 | 2010-04-20 | 한국화학연구원 | Mch-1 수용체 길항활성을 가지는 상엽 추출물, 이의 분획물 또는 이로부터 분리된 화합물을 유효성분으로 함유하는 식욕 억제용 또는 정신질환의 예방 및 치료용 약학적 조성물 |
US7749547B2 (en) * | 2006-02-23 | 2010-07-06 | New Cell Formulations Ltd. | Nutritional composition and method for increasing creatine uptake and retention in skeletal muscle, increasing muscle mass and strength, increasing exercise capacity and for aiding recovery following exercise |
KR101016787B1 (ko) | 2008-08-26 | 2011-02-25 | 한국식품연구원 | 상엽 추출물, 이의 분획물 또는 이로부터 분리된 화합물을 유효성분으로 함유하는 식욕 억제, 우울증의 예방 및 개선, 또는 불안증의 예방 및 개선용 식품 조성물 |
CN101278977B (zh) * | 2008-03-31 | 2012-05-30 | 广州唐百服生物科技有限公司 | 一种桑叶主要活性成分的提取方法及其提取物用途 |
CN102614258A (zh) * | 2012-04-23 | 2012-08-01 | 卞毓平 | 一种具有降低血糖功效的中药组合物及其制备方法和应用 |
JP2013537890A (ja) * | 2010-09-10 | 2013-10-07 | コリア フード リサーチ インスティチュート | ハリグワ及びヨクイニンを含む肥満抑制又は血糖降下用組成物、並びにその用途 |
JP2019182776A (ja) * | 2018-04-09 | 2019-10-24 | 株式会社ゲノム創薬研究所 | 自然免疫活性化剤の製造方法 |
JP2020058311A (ja) * | 2018-10-12 | 2020-04-16 | 株式会社東洋新薬 | 経口組成物 |
-
2003
- 2003-01-10 JP JP2003004105A patent/JP2004217532A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006077975A1 (ja) * | 2005-01-21 | 2006-07-27 | Arkray, Inc. | メタボリックシンドローム改善剤、ならびにそれを含む医薬、サプリメント、機能性食品および食品添加物 |
JP5064036B2 (ja) * | 2005-01-21 | 2012-10-31 | アークレイ株式会社 | メタボリックシンドローム改善剤、ならびにそれを含む医薬、サプリメント、機能性食品および食品添加物 |
US8257755B2 (en) | 2005-01-21 | 2012-09-04 | Arkray, Inc. | Metabolic syndrome-improving agent and medicine, supplement, functional food and food additive containing the same |
JP2009511468A (ja) * | 2005-10-05 | 2009-03-19 | アンジオラブ インコーポレーテッド | 抗肥満組成物 |
US7749547B2 (en) * | 2006-02-23 | 2010-07-06 | New Cell Formulations Ltd. | Nutritional composition and method for increasing creatine uptake and retention in skeletal muscle, increasing muscle mass and strength, increasing exercise capacity and for aiding recovery following exercise |
JP2009057286A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-03-19 | Japan Organo Co Ltd | 陽イオン性不純物を含むアルコールの精製方法 |
CN101278977B (zh) * | 2008-03-31 | 2012-05-30 | 广州唐百服生物科技有限公司 | 一种桑叶主要活性成分的提取方法及其提取物用途 |
KR101016787B1 (ko) | 2008-08-26 | 2011-02-25 | 한국식품연구원 | 상엽 추출물, 이의 분획물 또는 이로부터 분리된 화합물을 유효성분으로 함유하는 식욕 억제, 우울증의 예방 및 개선, 또는 불안증의 예방 및 개선용 식품 조성물 |
KR100953870B1 (ko) | 2008-08-26 | 2010-04-20 | 한국화학연구원 | Mch-1 수용체 길항활성을 가지는 상엽 추출물, 이의 분획물 또는 이로부터 분리된 화합물을 유효성분으로 함유하는 식욕 억제용 또는 정신질환의 예방 및 치료용 약학적 조성물 |
JP2013537890A (ja) * | 2010-09-10 | 2013-10-07 | コリア フード リサーチ インスティチュート | ハリグワ及びヨクイニンを含む肥満抑制又は血糖降下用組成物、並びにその用途 |
CN102614258A (zh) * | 2012-04-23 | 2012-08-01 | 卞毓平 | 一种具有降低血糖功效的中药组合物及其制备方法和应用 |
CN102614258B (zh) * | 2012-04-23 | 2013-09-04 | 张玲 | 一种具有降低血糖功效的中药组合物及其制备方法和应用 |
JP2019182776A (ja) * | 2018-04-09 | 2019-10-24 | 株式会社ゲノム創薬研究所 | 自然免疫活性化剤の製造方法 |
JP2020058311A (ja) * | 2018-10-12 | 2020-04-16 | 株式会社東洋新薬 | 経口組成物 |
JP7248272B2 (ja) | 2018-10-12 | 2023-03-29 | 株式会社東洋新薬 | 経口組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0815857B1 (en) | Antiobestic agent containing procyanidin as the active ingredient | |
EP1312374B1 (en) | Primrose seed extracts as sugar absorption inhibitors and process for producing the same | |
JP5937596B2 (ja) | 活性型フラボノイド化合物の含量が増加されたウルシ抽出物及びその製造方法 | |
JP5793739B2 (ja) | 金銀花抽出物を含む逆流性食道炎治療または予防用薬学組成物 | |
KR101062670B1 (ko) | 2,5-비스-아릴-3,4-디메틸테트라하이드로퓨란 리그난을 유효성분으로 포함하는 에이엠피케이의 활성화에 의해 매개되는 비만 관련 질환의 예방 또는 치료용 조성물 | |
KR102132655B1 (ko) | 구절초 추출물을 포함하는 조성물 | |
JP2007091631A (ja) | 抗ピロリ菌剤及びこれを含有する飲食物 | |
JP2006188486A (ja) | 体脂肪蓄積抑制または低減剤 | |
EP2251024A1 (en) | Plant-origin drug for preventing or improving hyperuricemia | |
JP2004217532A (ja) | 桑葉抽出物及びその製造方法、並びに血糖値上昇抑制用組成物及び肥満防止用組成物 | |
KR20120003693A (ko) | 적포도 추출물, 녹차 추출물, 대두 추출물 및 l-카르니틴을 유효성분으로 함유하는 항비만 조성물 | |
JP5167461B2 (ja) | 炎症性腸疾患予防剤 | |
JP6735347B2 (ja) | フキの葉抽出物を含む記憶力改善用組成物 | |
JP2006241039A (ja) | ウレアーゼ阻害剤 | |
KR20030025200A (ko) | 아밀라제의 활성을 억제할 수 있는 옥수수 추출물, 이를함유하는 비만증 또는 당뇨병 치료 또는 예방용 의약적조성물 및 식품 첨가물 그리고 그들의 제조방법 | |
KR20190101063A (ko) | 천연물질 추출물을 함유하는 기관지 질환 예방 및 개선을 위한 조성물 및 그 제조방법 | |
KR100839185B1 (ko) | 플랜타마조사이드를 유효성분으로 함유하는 당뇨 및당뇨합병증 예방/치료용 조성물 | |
JP2005082546A (ja) | α−グルコシダーゼ阻害剤 | |
KR101157096B1 (ko) | 블렌시아 살미언티 추출물 함유 숙취해소용 조성물 | |
KR101907179B1 (ko) | 설포라핀을 다량 함유하는 무씨 추출물의 제조방법 및 이로부터 추출된 무씨 추출물을 함유하는 체중, 혈당조절용 및 지방간 예방용 식품 조성물, 약품 조성물, 동물용 의약품 | |
KR20080035853A (ko) | 미나리 추출물을 유효성분으로 포함하는 숙취해소용조성물 및 이를 이용한 기능성 건강식품 | |
KR101221623B1 (ko) | 포도근 추출물을 유효성분으로 함유하는 스트레스 완화, 피로회복 또는 운동수행능력 증강용 식품조성물 | |
KR100895500B1 (ko) | 호노키올을 유효성분으로 함유하는 지방간 질환의 예방 및치료용 조성물 | |
JP2007008883A (ja) | 血糖値低下作用を有する組成物 | |
KR20180121338A (ko) | 설포라핀을 다량 함유하는 무씨 추출물의 제조방법 및 이로부터 추출된 무씨 추출물을 함유하는 체중, 혈당조절용 및 지방간 예방용 식품 조성물, 약품 조성물, 동물용 의약품 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090729 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090928 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20090928 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091209 |