JP2015209140A - 走行支援装置及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】正常な走行支援によるEPSモータの出力増加に起因した異常の誤判定を回避することが可能な走行支援装置及び車両を提供する。
【解決手段】車両10の走行支援装置14は、誤検知回避制御を実行する。誤検知回避制御では、走行支援に要するモータ28の出力によりモータ出力パラメータImが異常判定出力閾値THexcを上回っている過大出力時間Texcが異常判定時間閾値THfixを超える前に、モータ28の出力を一時的に低下させてモータ出力パラメータImが異常判定出力閾値THexcを下回るようにする。その後、再度、モータ出力パラメータImが異常判定出力閾値THexcを上回るようにモータ28の出力を調整する。
【選択図】図10

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置用モータ又はその周辺部品の異常の誤検知を回避可能な走行支援装置及び車両に関する。
特許文献1には、電動パワーステアリング(EPS)制御装置(制御装置30)が開示されている。制御装置30の制御回路13は、操舵トルク等に応じたモータ11への目標電流値と、電流検出回路19が検出した電流検出値とが一致するように、Hブリッジ回路12aを制御する([0014])。
また、特許文献1では、電界効果トランジスタSW1〜SW4(FETSW1〜SW4)にオン故障が発生した際、過電流を防止すべく、電磁リレー18aを遮断状態にすると共に、回生電流による必要操舵力の上昇を防止すべく、電磁リレー18bを遮断状態にする([0013])。
特許文献2には、車線(走行レーン)に沿って走行するように自車の挙動を制御する車線維持制御を行う装置(いわゆる車線維持アシストシステム(LKAS))を構成するLKAS制御ユニット64が開示されている([0001]、図1、図2)。LKAS制御ユニット64は、車線維持用の操舵アシストトルクを演算する([0024])。当該操舵アシストトルクは、EPSモータ38の制御に用いられる(図2、[0030]〜[0032])。
特開2001−315654号公報 特開2009−274688号公報
例えば、車両がカーブ路を走行している際、車線維持制御による目標操舵方向(例えば、左方向)と、運転者による実際の操舵方向(例えば、右方向)とが反対である場合、モータの出力及びこれに関連する目標電流値が大きく増加する可能性がある。この場合、特許文献1の制御回路13のような構成では、正常な車線維持制御を行っていても、目標電流値が大きく増加することで、スイッチング素子等のオン故障による過電流等の異常が発生していると誤判定するおそれがある。
このようなおそれは、車線維持制御に限らず、走行支援による目標操舵方向と運転者の実際の操舵方向とが反対である場合等、走行支援によりEPSモータの出力が過度に増加する場合に当て嵌まる。
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、正常な走行支援によるEPSモータの出力増加に起因した異常の誤判定を回避することが可能な走行支援装置及び車両を提供することを目的とする。
本発明に係る走行支援装置は、操舵を補助するモータと、前記モータの出力を示す検出値又は目標値であるモータ出力パラメータが異常判定出力閾値を上回っている連続時間である過大出力時間が異常判定時間閾値を超えたとき、前記モータ又はその周辺部品に異常が発生していると判定する異常判定部とを有する電動パワーステアリング装置を用いて走行支援を行うものであって、前記走行支援に要する前記モータの出力により前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を上回るとき、前記走行支援装置は、前記過大出力時間が前記異常判定時間閾値を超える前に、前記モータの出力を一時的に低下させて前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を下回るようにした後、再度、前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を上回るように前記モータの出力を調整する誤検知回避制御を実行することを特徴とする。
例えば、車線維持制御等の走行支援の実行中に車両がカーブ路を走行している際、走行支援による操舵方向(例えば、左方向)と、運転者による実際の操舵方向(例えば、右方向)とが反対である場合、正常な走行支援を行っていても、モータ出力パラメータが異常判定出力閾値を上回ってしまう可能性がある。
本発明によれば、走行支援に要するモータの出力(正常な走行支援におけるモータ出力)によりモータ出力パラメータが異常判定出力閾値を上回るとき、過大出力時間が異常判定時間閾値を超える前に、モータの出力を一時的に低下させてモータ出力パラメータが異常判定出力閾値を下回るようにした後、再度、モータ出力パラメータが異常判定出力閾値を上回るようにモータの出力を制御する。これにより、正常な走行支援によるモータの出力であるにもかかわらず、モータ又はその関連部品に異常があると誤判定されることを避けることが可能となる。
また、走行支援による操舵方向と、運転者による実際の操舵方向とが反対である場合、運転者からの操舵トルクに抗するためにモータの出力が増大すると、ステアリング軸、タイヤ(操舵輪)等に過度のねじりトルクがかかる可能性がある。本発明によれば、モータの出力を一時的に低下させることにより、上記のようなねじりトルクを緩和することが可能となる。
前記走行支援装置は、前記モータの出力の制御を前記モータへの目標電流の制御を介して行い、前記走行支援に要する前記モータの出力による前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を上回るとき、矩形波を基調とし且つ立ち下がり時の低下率を制限した連続波として前記目標電流を設定してもよい。
これにより、矩形波を基調とする連続波により、モータの出力の一時的な低下及びその後の復帰を繰り返すことが可能となる。従って、モータの異常の誤判定を簡易に避けることが可能となる。加えて、矩形波を基調とする連続波の立ち下がり時の低下率を制限することにより、モータ出力の低下を運転者に感知させ難くし、ドライバビリティを向上することが可能となる。
前記走行支援装置は、前記目標電流のオン時間をオフ時間の倍よりも長く設定してもよい。これにより、オフ時間が長くなり過ぎることでモータの出力が不十分になることを防止し、必要な走行支援をより確実に行うことが可能となる。
前記走行支援装置は、再度、前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を上回らせるように前記モータの出力を制御する際、単位時間当たりの前記モータの出力の変化量が、変化量閾値以下となるように前記モータの出力を制御してもよい。これにより、走行支援に必要なモータの出力に戻す際、モータの出力の変化を運転者に感知させ難くし、ドライバビリティを向上することが可能となる。
前記走行支援装置は、ステアリングホイールを介して運転者が付与する操舵トルクについて、前記誤検知回避制御を実行するか否かを判定するための閾値である制御判定トルク閾値を設定すると共に、前記モータ出力パラメータについて、前記誤検知回避制御を実行するか否かを判定するための閾値である制御判定出力閾値を設定し、前記操舵トルクが前記制御判定トルク閾値を超え且つ前記モータ出力パラメータが前記制御判定出力閾値を超えるとき、前記誤検知回避制御を実行し、前記操舵トルクが前記制御判定トルク閾値を超えず又は前記モータ出力パラメータが前記制御判定出力閾値を超えないとき、前記誤検知回避制御を禁止してもよい。これにより、誤検知回避制御を実行する場面を適切に選択することが可能となる。
前記走行支援装置は、前記異常判定出力閾値よりも大きい値に設定された走行支援停止閾値を前記モータ出力パラメータが上回るとき、前記走行支援を即時に停止してもよい。これにより、モータ出力の増加が、走行支援による正常なものではなく、実際に異常が発生していると判定可能であるときは、走行支援を即時に中止することが可能となる。
本発明に係る車両は、前記走行支援装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、正常な走行支援によるEPSモータの出力増加に起因した異常の誤判定を回避することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る車両の概略構成図である。 前記実施形態における操舵アシスト制御のフローチャートである。 トルクセンサによる検出トルクと、右方向トルク電圧、左方向トルク電圧及び合計トルク電圧との関係を示す図である。 前記実施形態における異常判定制御のフローチャートである。 カーブ路である走行路を前記車両が走行している際の操舵トルクと車線維持駆動力(トルク)とを示す図である。 前記実施形態で用いる出力禁止領域を示す図である。 前記実施形態における車線維持制御のフローチャートである。 前記実施形態における誤検知回避制御の第1フローチャート(図7のS27の詳細)である。 前記実施形態における前記誤検知回避制御の第2フローチャート(図7のS27の詳細)である。 前記誤検知回避制御におけるモータ電流の波形を、第1比較例及び第2比較例でのモータ電流と比較して示す図である。
A.一実施形態
A1.全体的な構成の説明
[A1−1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両10の概略構成図である。図1に示すように、車両10は、電動パワーステアリング装置12(以下「EPS装置12」という。)と、車線維持アシストシステム14(以下「LKAS14」という。)とを備える。
[A1−2.EPS装置12]
(A1−2−1.EPS装置12の全体)
EPS装置12は、ステアリングホイール20と、ステアリングコラム22と、中間ジョイント24と、ステアリングギアボックス26と、EPS装置12駆動用のモータ28(以下「EPSモータ28」ともいう。)と、インバータ30(以下「EPSインバータ30」ともいう。)と、車速センサ32と、センサユニット34と、電動パワーステアリング電子制御装置36(以下「EPS ECU36」又は「ECU36」という。)と、低電圧バッテリ38(以下「バッテリ38」ともいう。)とを有する。
ステアリングコラム22は、筐体40と、筐体40内部において軸受44、46、48に支持されたステアリング軸42と、トルクセンサ50と、舵角センサ52とを有する。
中間ジョイント24は、2つのユニバーサルジョイント60a、60bと、その間に配置された軸部62とを有する。
ステアリングギアボックス26は、筐体70と、ラック&ピニオン機構のピニオン74が設けられ軸受76、78により支持されたピニオン軸72と、ラック&ピニオン機構のラック歯82が設けられたラック軸80と、タイロッド84とを有する。
(A1−2−2.マニュアル操舵系)
ステアリング軸42は、その一端がステアリングホイール20に固定され、他端がユニバーサルジョイント60aに連結されている。ユニバーサルジョイント60aは、ステアリング軸42の一端と軸部62の一端とを連結する。ユニバーサルジョイント60bは、軸部62の他端とピニオン軸72の一端とを連結する。ピニオン軸72のピニオン74と、車幅方向に往復動可能なラック軸80のラック歯82とが噛合する。ラック軸80の両端はそれぞれタイロッド84を介して左右の前輪86(操舵輪)に連結されている。
従って、運転者がステアリングホイール20を操作することによって生じた操舵トルクTstr(回転力)は、ステアリング軸42及び中間ジョイント24を介してピニオン軸72に伝達される。そして、ピニオン軸72のピニオン74及びラック軸80のラック歯82により操舵トルクTstrが推力に変換され、ラック軸80が車幅方向に変位する。ラック軸80の変位に伴ってタイロッド84が前輪86を転舵させることで、車両10の向きを変えることができる。
ステアリング軸42、中間ジョイント24、ピニオン軸72、ラック軸80及びタイロッド84は、ステアリングホイール20に対する運転者の操舵動作を前輪86に直接伝えるマニュアル操舵系を構成する。
(A1−2−3.転舵アシスト系)
(A1−2−3−1.アシスト駆動系)
EPSモータ28は、ウォームギア90及びウォームホイールギア92を介してステアリング軸42に連結されている。すなわち、EPSモータ28の出力軸は、ウォームギア90に連結されている。また、ウォームギア90と噛合するウォームホイールギア92は、ステアリング軸42自体に一体的に又は弾性的に形成されている。
本実施形態のEPSモータ28は、例えば、3相交流ブラシレス式であるが、3相交流ブラシ式、単相交流式、直流式等のその他のモータであってもよい。EPSモータ28は、EPS ECU36に制御されるEPSインバータ30を介して低電圧バッテリ38から電力が供給される。そして、当該電力に応じた駆動力Fm(以下「モータ駆動力Fm」又は「操舵駆動力Fm」ともいう。)を生成する。モータ駆動力Fmは、EPSモータ28の出力軸、ウォームギア90、ステアリング軸42(ウォームホイールギア92)、中間ジョイント24及びピニオン軸72を介してラック軸80に伝達される。EPSモータ28、ウォームギア90及びステアリング軸42(ウォームホイールギア92)は、操舵のための駆動力(操舵駆動力Fm)を生成するアシスト駆動系を構成する。
本実施形態における駆動力Fmは、操舵アシスト力Fasiとして用いられると共に、車線維持駆動力Flk(以下「駆動力Flk」ともいう。)として用いられる。操舵アシスト力Fasiは、ステアリングホイール20に対する運転者の入力トルク(操舵トルクTstr)と同じ方向に働いて運転者の操舵を補助する駆動力である。後述するように、操舵アシスト力Fasiは、操舵トルクTstrと反対方向に働かせることも可能である。車線維持駆動力Flkは、車両10を車線に沿って走行させるために操舵トルクTstrとは独立して生成及び作用する駆動力である。
(A1−2−3−2.アシスト制御系)
トルクセンサ50、車速センサ32、EPSインバータ30、センサユニット34及びEPS ECU36は、アシスト駆動系を制御するアシスト制御系を構成する。以下では、アシスト駆動系、アシスト制御系及び低電圧バッテリ38を合わせて転舵アシスト系とも称する。本実施形態において、EPSモータ28の出力は、d軸及びq軸を用いるいわゆるベクトル制御により制御される。
(a)フィードフォワード系センサ類
トルクセンサ50は、ステアリング軸42に直接磁歪めっきを処理した曲げ・捩り両剛性の高い磁歪式であり、磁歪式の第1検出素子100及び第2検出素子102を有する。第1検出素子100及び第2検出素子102は、いずれも磁歪膜である。第1検出素子100は、運転者からステアリングホイール20に向かって時計回りの方向のトルク(右方向トルクTsr)に応じた電圧(右方向トルク電圧VT1)をEPS ECU36に出力する。第2検出素子102は、運転者からステアリングホイール20に向かって反時計回りの方向のトルク(左方向トルクTsl)に応じた電圧(左方向トルク電圧VT2)をEPS ECU36に出力する。
車速センサ32は、車速Vs[km/h]を検出し、EPS ECU36に出力する。舵角センサ52は、ステアリングホイール20の操舵量を示す舵角θstr[度]を検出し、EPS ECU36に出力する。右方向トルク電圧VT1、左方向トルク電圧VT2、車速Vs及び舵角θstrは、EPS ECU36においてフィードフォワード制御に用いられる。
(b)EPSインバータ30
EPSインバータ30は、3相ブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行い、低電圧バッテリ38からの直流を3相の交流に変換してEPSモータ28に供給する。
(c)フィードバック系センサ類
センサユニット34は、前記ベクトル制御においてトルク電流成分であるq軸電流(以下「モータ電流Im」という。)を検出する。本実施形態におけるモータ電流Imは、モータ28の回転方向が第1方向(例えば、車両10を右に回転させる方向)であるとき正の値とし、第2方向(例えば、車両10を左に回転させる方向)であるとき負の値とする。但し、第1方向及び第2方向を判定可能であれば、モータ電流Imを正の値のみで制御してもよい。
センサユニット34は、EPSモータ28の巻線(図示せず)におけるU相、V相及びW相のうち少なくとも2相の電流を検出する電流センサ(図示せず)と、EPSモータ28の図示しない出力軸又は外ロータの回転角度である電気角θを検出するレゾルバ(図示せず)と、前記少なくとも2相の電流及び電気角θに基づいてq軸電流Iqを演算するq軸電流演算部とを含む。なお、前記q軸電流演算部の機能は、EPS ECU36が担うこともできる。
(d)EPS ECU36
図1に示すように、EPS ECU36は、ハードウェアの構成として、入出力部110と、演算部112と、記憶部114とを有する。EPS ECU36は、各センサからの出力値に基づき、EPSインバータ30を介してEPSモータ28の出力を制御する。
演算部112は、操舵アシスト部120及び異常判定部122を有する。操舵アシスト部120は、運転者の操舵をアシストするための操舵アシスト力Fasiを制御する操舵アシスト制御を実行する。異常判定部122は、EPS装置12で発生する異常(特に、モータ28及びその関連部位の異常)を判定する異常判定制御を実行する。
(A1−2−3−3.低電圧バッテリ38)
低電圧バッテリ38は、低電圧(本実施形態では12ボルト)を出力可能な蓄電装置であり、例えば、鉛蓄電池等の2次電池を利用することができる。
[A1−3.LKAS14]
図1に示すように、LKAS14は、前方カメラ130(以下「カメラ130」ともいう。)と、LKASスイッチ132と、LKAS電子制御装置134(以下「LKAS ECU134」という。)とを有する。
カメラ130は、バックミラーの前のフロントウィンドシールドの内側に取り付けられており、LKASスイッチ132がオン状態とされているとき、前方の路面にある両側の白線(車線)を画像として捉える。
LKAS ECU134は、ハードウェアの構成として、入出力部140と、演算部142と、記憶部144とを有する。LKAS ECU134は、カメラ130が取得した画像(カメラ画像)から車両10の両側の車線162(白線又は境界線)(図5)を検出する。そして、車両10が、例えば、両車線162の中央を走行するようにEPSモータ28を制御する。なお、図5の例では、車両10が右側通行の事例が示されている。
演算部142は、車線162の間に車両10を維持する車線維持制御を実行する車線維持部150を有する。車線維持部150は、車線維持制御に際して異常判定部122による誤検知を回避させる誤検知回避制御を実行する誤検知回避部152を備える。なお、本実施形態の車線維持制御は、車速Vsが、例えば65〜100[km/h]の範囲で実行される。
A2.各種制御
[A2−1.概要]
次に、本実施形態におけるEPS ECU36及びLKAS ECU134における制御について説明する。EPS ECU36は、操舵アシスト制御及び異常判定制御を実行する。操舵アシスト制御は、EPS ECU36の操舵アシスト部120が実行し、異常判定制御は、EPS ECU36の異常判定部122が実行する。また、LKAS ECU134は、車線維持制御及び誤検知回避制御を実行する。車線維持制御は、LKAS ECU134の車線維持部150が実行し、誤検知回避制御は、車線維持部150の誤検知回避部152が実行する。
[A2−2.操舵アシスト制御]
図2は、本実施形態における操舵アシスト制御のフローチャートである。上記の通り、操舵アシスト制御は、運転者の操舵をアシストするための操舵アシスト力Fasiを制御する。操舵アシスト力Fasiは、トルクとして示され、運転者の操舵トルクTstrと同じ方向である。或いは、後述するように、操舵アシスト力Fasiは、運転者の操舵トルクTstrと反対方向とし、反力として作用させてもよい。EPS ECU36は、所定の第1演算周期(例えば、数マイクロ秒〜数百ミリ秒の周期)で図2の処理を繰り返す。
図2のステップS1において、EPS ECU36は、操舵トルクTstr、モータ電流Im等を取得する。操舵トルクTstr及びモータ電流Im以外に必要な値としては、例えば、従来のEPS装置12において操舵アシスト力Fasiを生成する際に必要な値(例えば、ヨーレート)が含まれる。
なお、操舵トルクTstrに関し、EPS ECU36は、第1検出素子100からの右方向トルク電圧VT1と、第2検出素子102からの左方向トルク電圧VT2とに基づいてステアリング軸42に掛かっているトルク(すなわち、検出トルクとしての操舵トルクTstr)を判定する。
より具体的には、EPS ECU36は、右方向トルク電圧VT1と左方向トルク電圧VT2との差である合計トルク電圧VT3を算出する。そして、合計トルク電圧VT3に基づいて操舵トルクTstrを判定する(図3参照)。なお、右方向トルク電圧VT1と左方向トルク電圧VT2とがわかれば、操舵トルクTstrは算出可能であることから、右方向トルク電圧VT1及び左方向トルク電圧VT2と操舵トルクTstrとの関係を規定したマップを記憶部114に記憶しておき、当該マップを用いて操舵トルクTstrを判定することもできる。
ステップS2において、EPS ECU36は、操舵トルクTstr等に基づいて目標基準電流Irefを算出する。目標基準電流Irefは、運転者の操舵をアシストするためのモータ電流Imの基準値であり、基本的には、操舵トルクTstrの絶対値が大きくなるに連れて絶対値が増加する。なお、目標基準電流Irefの算出に際しては、いわゆるイナーシャ制御、ダンパ制御等を利用してもよい。
ステップS3において、EPS ECU36は、LKAS ECU134と通信し、LKAS ECU134において車線維持制御中であるか否かを判定する。車線維持制御中でない場合(S3:NO)、ステップS6に進む。
車線維持制御中である場合(S3:YES)、ステップS4において、EPS ECU36は、操舵トルクTstr及びモータ電流ImをLKAS ECU134に通知する。ステップS5において、EPS ECU36は、目標基準電流Irefを補正するための補正電流IcorをLKAS ECU134から取得する。補正電流Icorは、LKAS ECU134における車線維持制御のためのモータ電流Imの補正値である。補正電流Icorの詳細については、図7等を参照して後述する。
ステップS3又はS5の後、ステップS6において、EPS ECU36は、目標モータ電流Imtarを算出する。すなわち、LKAS ECU134から補正電流Icorを取得していない場合、EPS ECU36は、目標基準電流Irefをそのまま目標モータ電流Imtarとして設定する(Imtar←Iref)。LKAS ECU134から補正電流Icorを取得している場合、EPS ECU36は、目標基準電流Irefに補正電流Icorを加算して目標モータ電流Imtarとする(Imtar←Iref+Icor)。
ステップS7において、EPS ECU36は、モータ電流Imを目標モータ電流Imtarに一致させるようにインバータ30のデューティ比を制御してモータ28の出力を変化させる。
[A2−3.異常判定制御]
(A2−3−1.異常判定制御の全体的な流れ)
図4は、本実施形態における異常判定制御のフローチャートである。EPS ECU36は、所定の第2演算周期(例えば、数十マイクロ秒〜数秒の周期)で図4の処理を繰り返す。また、異常判定制御は、LKAS ECU134において車線維持制御が行われているか否かにかかわらず実行される。このため、異常判定制御は、LKAS14が搭載されていない車両においても利用することが可能である。
図4のステップS11において、EPS ECU36は、操舵トルクTstr及びモータ電流Imを取得する。ステップS11は、操舵アシスト制御(図2のS1)で取得した値を利用することができる。
ステップS12において、EPS ECU36は、車線維持制御を直ちに終了すべきことが明らかな異常がモータ28又はその関連部位に発生したか否かを判定する。ここにいう「モータ28の関連部位」とは、ステップS12で用いる検出値(ここでは、モータ電流Im)が異常値を示す原因となり得る部位を指す。前記関連部位には、例えば、インバータ30に含まれるスイッチング素子又はセンサユニット34が含まれる。また、「車線維持制御を直ちに終了すべきことが明らかな異常」とは、例えば、センサユニット34が検出したモータ電流Imが、センサユニット34の異常時(例えば、オン故障又はオフ故障の時)にのみ示す値である場合を含む。
ステップS12の具体的処理としては、例えば、モータ電流Imの絶対値|Im|が、前記明らかな異常の発生を判定するための閾値THstp(以下「第1異常判定電流閾値THstp」、「第1異常判定閾値THstp」、「制御即時停止閾値THstp」又は「第1電流閾値THstp」ともいう。)を上回るか否かを判定することにより行う。
前記明らかな異常が発生していない場合(S12:NO)、ステップS13において、EPS ECU36は、モータ28の出力の過大異常が発生しているか否かを判定する。ここにいう「過大異常」とは、車線維持制御を直ちに終了すべきほど明らかな異常を示す訳ではないが、モータ28の出力が、通常ではあり得ないほど過大となる異常を意味する。
「過大異常」の例としては、例えば、センサユニット34の出力値(モータ電流Im)に誤差を生じさせる何らかの異常(例えば、モータ28の故障)が発生しているときに示す値である場合を含む。但し、本実施形態では、車線維持制御中に車両10がカーブ路を走行している際、車線維持制御による目標操舵方向(例えば、左方向)と、運転者による実際の操舵方向(例えば、右方向)とが反対である場合にもモータ28の出力が過大であると判定される(図5参照)。
図5は、カーブ路である走行路160を車両10が走行している際の操舵トルクTstrと車線維持駆動力Flk(トルク)とを示す図である。図5では、右側通行の場合であり、車両10はアンダーステア状態である。車線維持制御では、アンダーステア状態を解消するように車線維持駆動力Flk(トルク)を発生しているにもかかわらず、運転者は、さらにアンダーステアとなる状態にするように操舵トルクTstrを発生させている。このような場合、図4のステップS13において、モータ28の出力の過大異常が発生していると判定され得る。
ステップS13の具体的処理としては、EPS ECU36は、操舵トルクTstrとモータ電流Imの組合せが出力禁止領域170a、170b内にあるか否かを判定する。当該組合せが領域170a、170b内にある場合、モータ28の出力の過大異常が発生していると判定し、当該組合せが領域170a、170b内にない場合、モータ28の出力の過大異常が発生していないと判定する。出力禁止領域170a、170bについては、図6を参照して後述する。
過大異常が発生していない場合(S13:NO)、ステップS14において、EPS ECU36は、過大異常が発生している連続時間Texc(以下「過大出力時間Texc」又は「時間Texc」ともいう。)をリセットし、今回の処理を終了する。
過大異常が発生している場合(S13:YES)、ステップS15において、EPS ECU36は、過大出力時間Texcを所定値増加させる。続くステップS16において、EPS ECU36は、過大異常の判定を確定するか否かを判定する。具体的には、EPS ECU36は、過大出力時間Texcが、過大異常の判定を確定するための閾値THfix(以下「異常確定閾値THfix」ともいう。)以上であるか否かを判定する。
過大異常の判定を確定しない場合(S16:NO)、今回の処理を終了する。過大異常の判定を確定する場合(S16:YES)、ステップS17において、EPS ECU36は、過大異常を示す故障コードを記憶部114に記憶する。続くステップS18において、EPS ECU36は、LKAS ECU134に対して車線維持制御の禁止(又は制限)を指令する。この場合、LKAS ECU134は、図7に示す処理を行わない。
なお、ステップS18では、LKAS ECU134に対する車線維持制御の禁止の指令に加え、操舵アシスト部120に対する操舵アシスト制御の禁止を指令してもよい。操舵アシスト制御の禁止が指令された場合、操舵アシスト部120は、操舵アシスト制御を中止する。
ステップS12に戻り、車線維持制御を直ちに終了すべきことが明らかな異常が発生した場合(S12:YES)、ステップS17において、EPS ECU36は、前記明らかな異常を示す故障コードを記憶部114に記憶する。続くステップS18において、EPS ECU36は、LKAS ECU134に対して車線維持制御の禁止を指令する。この場合、LKAS ECU134は、図7に示す処理を行わない。
(A2−3−2.異常判定制御での出力禁止領域170a、170b)
上記のように、図4のステップS13において、EPS ECU36は、操舵トルクTstr及びモータ電流Imの組み合わせが出力禁止領域170a、170b内にあるか否かを判定する。
図6は、本実施形態で用いる出力禁止領域170a、170b(以下「領域170a、170b」ともいう。)を示す図である。図6において、横軸は操舵トルクTstrを示し、縦軸はモータ電流Im及び補正電流Icorを示す。縦軸のモータ電流Im等は、ゼロよりも上側が、操舵アシストによる操舵方向が右方向であり、ゼロよりも下側が、操舵アシストによる操舵方向が左方向である。
図6の左上の領域170aは、操舵トルクTstrが左方向を示しているにもかかわらず、モータ電流Imが右方向に対応している場合、及び右方向の操舵トルクTstrが比較的小さいにもかかわらず、右方向のモータ電流Imが比較的大きい場合が含まれる。図6の右下の領域170bは、操舵トルクTstrが右方向を示しているにもかかわらず、モータ電流Imが左方向に対応している場合、及び左方向の操舵トルクTstrが比較的小さいにもかかわらず、左方向のモータ電流Imが比較的大きい場合が含まれる。すなわち、いずれの領域170a、170bについても、運転者による実際の操舵方向と車線維持制御による操舵方向とが反対である場合、及び同じ操舵方向であっても実際の操舵トルクTstrが小さく、モータ電流Im(モータトルク)が大きい場合が含まれる。
左上の領域170aは、操舵トルクTstrの限界が閾値THtstrであり、モータ電流Imの閾値がTHexcである。右下の領域170bは、操舵トルクTstrの限界が閾値−THtstrであり、モータ電流Imの閾値が−THexcである。
以下では、閾値THtstrを「異常判定トルク閾値THtstr」、「異常判定閾値THtstr」、「過大判定閾値THtstr」又は「トルク閾値THtstr」ともいう。また、閾値THexcを「第2異常判定電流閾値THexc」、「第2異常判定閾値THexc」、「過大判定閾値THexc」又は「第2電流閾値THexc」ともいう。過大判定閾値THexcは、図4のステップS12で用いる制御即時停止閾値THstpよりも小さい値である(THexc<THstp)。
[A2−4.車線維持制御(誤検知回避制御を含む。)]
(A2−4−1.車線維持制御の全体的な流れ)
図7は、本実施形態における車線維持制御のフローチャートである。上記の通り、車線維持制御は、車線162の間に車両10を維持する。LKAS ECU134は、所定の第3演算周期(例えば、数マイクロ秒〜数百ミリ秒の周期)で図7の処理を繰り返す。ステップS21において、LKAS ECU134は、カメラ130からカメラ画像を取得すると共に、EPS ECU36から操舵トルクTstr及びモータ電流Imを取得する。
ステップS22において、LKAS ECU134は、操舵トルクTstrの絶対値|Tstr|が閾値THlkstp以上であるか否かを判定する。閾値THlkstpは、は、車線維持制御を中止するか否かを、操舵トルクTstrに基づいて(換言すると、運転者の意思を反映して)判定するための閾値である。以下では、閾値THlkstpを「中止判定閾値THlkstp」ともいう。
操舵トルクTstrの絶対値|Tstr|が閾値THlkstp以上である場合(S22:YES)、ステップS23において、LKAS ECU134は、車線維持制御を中止し、その旨をEPS ECU36に通知する。操舵トルクTstrの絶対値|Tstr|が閾値THlkstp以上でない場合(S22:NO)、ステップS24に進む。
ステップS24において、LKAS ECU134は、カメラ画像に基づいて仮補正電流Icor_pを算出する。仮補正電流Icor_pは、車両10を2本の車線162の間に保持させるように舵角θstrを調整するために要するモータ28のトルクに対応するモータ電流Imである。
ステップS25において、LKAS ECU134は、操舵トルクTstr及びモータ電流Imの組み合わせが出力禁止領域170a、170b内にあるか否かを判定する。出力禁止領域170a、170bは、異常判定制御(図4)のステップS13で用いたものと同じである。異常判定制御(図4)のステップS13との相違については、後述する。
操舵トルクTstr及びモータ電流Imの組み合わせが出力禁止領域170a、170b内にない場合(S25:NO)、ステップS26に進む。ステップS26において、LKAS ECU134は、仮補正電流Icor_pをそのまま補正電流Icorとして設定する。一方、操舵トルクTstr及びモータ電流Imの組み合わせが出力禁止領域170a、170b内にある場合(S25:YES)、ステップS27において、LKAS ECU134は、誤検知回避制御を実行する。誤検知回避制御においても、補正電流Icorが設定される(詳細は、図8〜図10を参照して後述する。)。
なお、誤検知回避制御(後述する出力減少処理及び復帰処理)によりモータ電流Imが低下した場合、ステップS25の判定では、操舵トルクTstr及びモータ電流Imの組み合わせが出力禁止領域170a、170b内にあるもの(S25:YES)として取り扱う。
ステップS26又はS27の後、ステップS28において、LKAS ECU134は、EPS ECU36に補正電流Icorを通知する。
(A2−4−2.車線維持制御での出力禁止領域170a、170b)
上記のように、図7のステップS25において、LKAS ECU134は、操舵トルクTstr及びモータ電流Imの組み合わせが出力禁止領域170a、170b内にあるか否かを判定する。ここでの出力禁止領域170a、170bは、異常判定制御(図4)のステップS13で用いるものと同じである。
上記のように、図6には、本実施形態で用いる出力禁止領域170a、170bが示されている。図6において、枠172は、車線維持制御における補正電流Icorの出力範囲を示す。操舵トルクTstrに関する枠172の最大値及び最小値は、図7のステップS22で用いた中止判定閾値THlkstp及びその負の値である。また、モータ電流Imに関する枠172の最大値及び最小値は、閾値THimmax、−THimmaxである。図6中の領域174a、174bは、出力禁止領域170a、170bと枠172とが重なっている領域である。
異常判定制御の場合と同様、操舵トルクTstr及びモータ電流Imの組み合わせが出力禁止領域170a、170bにある場合、運転者による実際の操舵方向と車線維持制御による操舵方向とが反対である、又は同じ操舵方向であっても実際の操舵トルクTstrが小さく、モータ電流Im(モータトルク)が大きい。
[A2−5.誤検知回避制御]
(A2−5−1.誤検知回避制御の全体の流れ)
図8及び図9は、本実施形態における誤検知回避制御の第1及び第2フローチャート(図7のS27の詳細)である。図10は、誤検知回避制御におけるモータ電流Imの波形を、第1比較例及び第2比較例でのモータ電流Imと比較して示す図である。図10において、実線は、本実施形態の誤検知回避制御を用いた場合のモータ電流Imを示す。また、一点鎖線は、第1比較例のモータ電流Imを示す。第1比較例では、誤検知回避制御を用いない。破線は、第2比較例のモータ電流Imを示す。第2比較例では、立ち上がり及び立ち下がり時にモータ電流Imを緩やかに変化させる制御を行わない。
理解の容易化のため、図8、図9及び以下の説明では、今回値に「(今回)」を付し、前回値に「(前回)」を付す。
図8のステップS31において、LKAS ECU134は、出力監視処理中であるか否かを判定する。具体的には、誤検知回避制御において処理の内容を示すフラグFLGが、出力監視処理中であることを示す「0」であるか否かを判定する。
出力監視処理中である場合(S31:YES)、ステップS32において、LKAS ECU134は、出力監視処理を実行する。出力監視処理は、モータ電流Imが過大判定閾値THexcを上回っている過大出力時間Texcが、閾値THdeを超えないように監視する処理である。出力監視処理の詳細は後述する。
出力監視処理中でない場合(S31:NO)、ステップS33において、LKAS ECU134は、出力減少処理中であるか否かを判定する。具体的には、フラグFLGが、出力減少処理中であることを示す「1」であるか否かを判定する。
出力減少処理中である場合(S33:YES)、ステップS34において、LKAS ECU134は、出力減少処理を実行する。出力減少処理は、モータ電流Im(又はモータ28の出力)を緩やかに減少させる処理である。
出力減少処理中でない場合(S33:NO)、図9のステップS35において、LKAS ECU134は、復帰処理を実行する。なお、復帰処理を行う際は、フラグFLGが「2」である。復帰処理は、出力減少処理により減少したモータ電流Im(又はモータ28の出力)を緩やかに増加させてモータ電流Imを出力監視処理時と同等の値にまで復帰させる処理である。
なお、出力監視処理の時間(図10の時点t1〜t2、t7〜t8等)に比較して、出力減少処理の時間(時点t2〜t5、t8〜t11)及び復帰処理の時間(時点t5〜t7、t11〜t13)は短い。例えば、出力監視処理の時間は、出力減少処理及び復帰処理の時間の倍以上の長さ(例えば、5〜200倍)に設定される。
(A2−5−2.出力監視処理(図8のS32))
上記のように、出力監視処理は、過大出力時間Texcが閾値THdeを超えないように監視する処理である。出力監視処理では、仮補正電流Icor_p(今回)をそのまま補正電流Icor(今回)として設定する(後述するS45)。図10では、時点t1〜t2、t7〜t8等が出力監視処理に対応する。
図8のステップS41において、LKAS ECU134は、過大出力時間Texcを所定値分、増加させる。過大出力時間Texcは、異常判定制御(図4)のステップS13で用いるものと同じである。
なお、ステップS13の説明に際し、過大出力時間Texcは、操舵トルクTstrの絶対値|Tstr|が閾値THtstrを上回り且つモータ電流Imの絶対値|Im|が閾値THexcを上回っている状態の継続時間である旨を示した。当該条件(|Tstr|≧THtstr且つ|Im|≧THexc)が満たされていることは、図7のステップS25がYESであることにより判断されている。
続くステップS42において、LKAS ECU134は、過大出力時間Texc(今回)が、出力減少処理を開始する閾値THde(以下「出力減少処理開始閾値THde」ともいう。)以上になったか否かを判定する。閾値THdeは、異常判定制御で用いる異常確定閾値THfix(図4のS16)よりも短い値として設定される(THde<THfix)。
過大出力時間Texc(今回)が閾値THde以上でない場合(S42:NO)、ステップS45において、LKAS ECU134は、仮補正電流Icor_p(今回)をそのまま補正電流Icor(今回)として設定する。
過大出力時間Texc(今回)が閾値THde以上である場合(S42:YES)、ステップS43において、LKAS ECU134は、過大出力時間Texc(今回)をリセットする。続くステップS44において、LKAS ECU134は、フラグFLGを「0」から「1」に変更する。ステップS44の後、ステップS45において、LKAS ECU134は、仮補正電流Icor_p(今回)をそのまま補正電流Icor(今回)として設定する。
(A2−5−3.出力減少処理(図8のS34))
出力減少処理は、補正電流Icorを緩やかに減少させることで、モータ28の出力を緩やかに減少させる処理である。図10では、時点t2〜t5、t8〜t11が出力減少処理に対応する。
図8のステップS51において、LKAS ECU134は、モータ電流Im(今回)が過大判定閾値THexcを下回るか否かを判定する。過大判定閾値THexcは、異常判定制御(図4)のステップS13で用いるものと同じである。モータ電流Im(今回)が過大判定閾値THexcを下回らない場合(S51:NO、図10の時点t2〜t3、t8〜t9)、ステップS56において、LKAS ECU134は、補正電流Icor(前回)から正の値αを引いた値を補正電流Icor(今回)として設定する。
値αは、単位時間当たりに許容する補正電流Icor(又は目標モータ電流Imtar若しくはモータ電流Im)の変化量であり、モータ28の出力を緩やかに減少させる観点で設定される。例えば、値αは、車両10の走行中に走行路160から車両10に入力される路面振動と同程度の変化を生じさせる値(実測値又はシミュレーション値)に設定される。値αは、固定値又は可変値のいずれであってもよい。
出力監視処理によりモータ電流Imが減少し、モータ電流Im(今回)が過大判定閾値THexcを下回っている場合(S51:YES、図10の時点t3〜t5、t9〜t11)、ステップS52において、LKAS ECU134は、過大出力解消時間Txを所定値分、増加させる。過大出力解消時間Txは、出力減少処理の最中にモータ電流Imが閾値THexcを下回っている連続時間である。
ステップS53において、LKAS ECU134は、過大出力解消時間Tx(今回)が閾値THtx以上となったか否かを判定する。閾値THtxは、異常判定制御(図4)において、モータ電流Imが閾値THexcを下回っている(すなわち、図4のS13:NO)とEPS ECU36が判定することを担保するための閾値である。
過大出力解消時間Tx(今回)が閾値THtx以上でない場合(S53:NO)、ステップS56に進む。過大出力解消時間Tx(今回)が閾値THtx以上になった場合(S53:YES)、ステップS54において、LKAS ECU134は、過大出力解消時間Txをリセットする。続くステップS55において、LKAS ECU134は、フラグFLGを「1」から「2」に変更する。ステップS53:NO又はS55の後、ステップS56において、LKAS ECU134は、補正電流Icor(前回)から正の値αを引いた値を補正電流Icor(今回)として設定する。ステップS56の処理を繰り返すことで、モータ電流Imが緩やかに減少する。
なお、ステップS56では、補正電流Icor(前回)の代わりに、例えば、モータ電流Im(今回)を用いることも可能である。
(A2−5−4.復帰処理(図9のS35))
上記のように、復帰処理は、出力減少処理により減少したモータ電流Im(又はモータ28の出力)を緩やかに増加させてモータ電流Imを出力監視処理時と同等の値にまで復帰させる処理である。図10では、時点t5〜t7、t11〜t13が復帰処理に対応する。
図9のステップS61において、LKAS ECU134は、モータ電流Im(今回)が過大判定閾値THexc以上であるか否かを判定する。過大判定閾値THexcは、異常判定制御(図4)のステップS13及び出力減少処理(図8のS34)のステップS51で用いるものと同じである。
モータ電流Im(今回)が閾値THexc以上でない場合(S61:NO、図10の時点t5〜t6、t11〜t12)、ステップS65において、LKAS ECU134は、補正電流Icor(前回)に正の値βを加算した値を補正電流Icor(今回)として設定する。
値βは、単位時間当たりに許容する補正電流Icor(又は目標モータ電流Imtar若しくはモータ電流Im)の変化量であり、モータ28の出力を緩やかに増加させる観点で設定される。例えば、値βは、値αと同様、車両10の走行中に走行路160から車両10に入力される路面振動と同程度の変化を生じさせる値(実測値又はシミュレーション値)に設定される。値βは、固定値又は可変値のいずれであってもよい。
モータ電流Im(今回)が閾値THexc以上である場合(S61:YES、図10の時点t6〜t7、t12〜t13)、ステップS62において、LKAS ECU134は、ステップS41と同様、過大出力時間Texcを増加させる。復帰処理で増加させた過大出力時間Texcの値は、そのまま次の出力監視処理に引き継がれる。
ステップS63において、LKAS ECU134は、仮補正電流Icor_p(今回)が補正電流Icor(前回)以上になったか否かを判定する。仮補正電流Icor_p(今回)が補正電流Icor(前回)以上でない場合(S63:NO)、ステップS65に進む。仮補正電流Icor_p(今回)が補正電流Icor(前回)以上になった場合(S63:YES)、ステップS64において、LKAS ECU134は、フラグFLGを「2」から「0」に変更する。
ステップS61:NOの場合と同様、ステップS63:NO又はS64の後、ステップS65において、LKAS ECU134は、補正電流Icor(前回)に正の値βを加算した値を補正電流Icor(今回)として設定する。
なお、ステップS65では、補正電流Icor(前回)の代わりに、例えば、モータ電流Im(今回)を用いることも可能である。
(A2−5−5.目標モータ電流Imtar及びモータ電流Im)
上記のような出力監視処理、出力減少処理及び復帰処理を組み合わせることにより、目標モータ電流Imtar及びモータ電流Imは、矩形波を基調とし且つ立ち上がり時及び立ち下がり時の変化率を制限した連続波となる(図10)。これにより、正常な車線維持制御において、EPS ECU36の異常判定部122が過大異常と判定することを防止することが可能となると共に、モータ電流Imの急激な変化による運転者の違和感を回避することが可能となる。
これに対し、誤検知回避制御を用いない第1比較例のモータ電流Imは、過大判定閾値THexcを超えた状態が継続する。このため、矩形波を基調とする連続波とはならず、EPS ECU36の異常判定部122により過大異常と判定される可能性が生じる(図4のS13:YES→S15→S16:YES)。また、立ち上がり時及び立ち下がり時にモータ電流Imを緩やかに変化させる制御を行わない第2比較例のモータ電流Imは、立ち上がり及び立ち下がりが急である。このため、モータ電流Imの急激な変化による運転者の違和感を生じさせる可能性が高くなる。
A3.本実施形態の効果
以上説明したように、本実施形態によれば、走行支援としての車線維持制御(図7)に要するモータ28の出力(正常な車線維持制御におけるモータ28の出力)によりモータ電流Im(モータ出力パラメータ)が過大判定閾値THexc(異常判定出力閾値)を上回るとき(図7のS25:YES)、過大出力時間Texcが異常確定閾値THfix(異常判定時間閾値)を超える前に、モータ28の出力を一時的に低下させてモータ電流Imが閾値THexcを下回るようにする(図8のS34、図10のt2〜t5)。その後、再度、モータ電流Imが過大判定閾値THexcを上回るようにモータ28の出力を制御する(図9のS35、図10のt5〜t7、t11〜t13)。これにより、正常な車線維持制御によるモータ28の出力であるにもかかわらず、モータ28又はその関連部品に異常があると誤判定されることを避けることが可能となる。
また、車線維持制御による操舵方向と、運転者による実際の操舵方向とが反対である場合(図5)、運転者からの操舵トルクTstrに抗するためにモータ28の出力が増大すると、ステアリング軸42、前輪86(操舵輪)等に過度のねじりトルクがかかる可能性がある。本実施形態によれば、モータ28の出力を一時的に低下させることにより、上記のようなねじりトルクを緩和することが可能となる。
本実施形態において、LKAS14(走行支援装置)は、モータ28の出力の制御を補正電流Icor(又は目標モータ電流Imtar)の制御を介して行う(図7のS26、S27、図2のS5、S6)。また、LKAS14は、車線維持制御に要するモータ28の出力によるモータ電流Im(モータ出力パラメータ)が過大判定閾値THexc(異常判定出力閾値)を上回るとき(図7のS25:YES)、矩形波を基調とし且つ立ち下がり時の低下率を制限した連続波として目標モータ電流Imtarを設定する(図10)。
これにより、矩形波を基調とする連続波により、モータ28の出力の一時的な低下及びその後の復帰を繰り返すことが可能となる。従って、モータ28の異常の誤判定を簡易に避けることが可能となる。加えて、矩形波を基調とする連続波の立ち下がり時の低下率を制限することにより、モータ28の出力の低下を運転者に感知させ難くし、ドライバビリティを向上することが可能となる。
本実施形態において、出力監視処理の時間(目標モータ電流Imtarのオン時間)を出力減少処理及び復帰処理の時間(オフ時間)の倍よりも長く設定する(図10)。これにより、オフ時間が長くなり過ぎることでモータ28の出力が不十分になることを防止し、必要な車線維持制御をより確実に行うことが可能となる。
本実施形態において、復帰処理の際(出力減少処理の後、再度、過大判定閾値THexc(異常判定出力閾値)を上回らせるようにモータ電流Im(モータ28の出力)を制御する際)、単位時間当たりの補正電流Icorの変化量(単位時間当たりのモータ28の出力の変化量)が、値β(変化量閾値)以下となるようにモータ28の出力を制御する(図9のS35)。これにより、車線維持制御に必要なモータ28の出力に戻す際、モータ28の出力の変化を運転者に感知させ難くし、ドライバビリティを向上することが可能となる。
本実施形態において、運転者がステアリングホイール20に付与する操舵トルクTstrについて、誤検知回避制御を実行するか否かを判定するための過大判定閾値THtstr(制御判定トルク閾値)を設定する(図7のS25、図6)。また、モータ電流Im(モータ出力パラメータ)について、誤検知回避制御を実行するか否かを判定するための過大判定閾値THexc(制御判定出力閾値)を設定する(図7のS25、図6)。操舵トルクTstrが閾値THtstrを超え且つモータ電流Imが閾値THexcを超えるとき(図7のS25:YES)、誤検知回避制御を実行する(S27)。操舵トルクTstrが閾値THtstrを超えず又は仮補正電流Icor_pが閾値THexcを超えないとき(図7のS25:NO)、誤検知回避制御を禁止する(S26)。これにより、誤検知回避制御を実行する場面を適切に選択することが可能となる。
本実施形態において、過大判定閾値THexcよりも大きい値に設定された制御即時停止閾値THstp(走行支援停止閾値)をモータ電流Im(モータ出力パラメータ)が上回るとき(図4のS12:YES)、車線維持制御(走行支援)を即時に停止する(S18)。これにより、モータ28の出力の増加が、車線維持制御による正常なものではなく、実際に異常が発生していると判定可能であるときは、車線維持制御を即時に中止することが可能となる。
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
B1.搭載対象
上記実施形態では、LKAS14(走行支援装置)を車両10に搭載した(図1)。しかしながら、例えば、装置の操作支援による操作方向と、作業者の操作による実際の操作方向とが反対であることでモータ(EPSモータ28に限らない)の出力が過大になることに伴う異常の誤検知を回避する観点からすれば、これに限らない。例えば、操作レバーを備える移動体又は可動装置に本発明を適用してもよい。
B2.EPS装置12
[B2−1.EPS装置12の全体構成]
上記実施形態のEPS装置12は、EPSモータ28がステアリング軸42に操舵駆動力Fmを伝達する構成(いわゆるコラムアシスト式EPS装置)であった。しかしながら、操舵駆動力Fmを発生するものであれば、EPS装置12の構成はこれに限らない。例えば、ピニオンアシスト式EPS装置、デュアルピニオンアシスト式EPS装置、ラックアシスト式EPS装置及び電動油圧パワーステアリング装置のいずれかであってもよい。なお、電動油圧パワーステアリング装置では、電動ポンプで油圧をつくり、その油圧で操舵駆動力Fmを生成する。
上記実施形態では、運転者による操舵トルクをそのまま前輪86に伝達する構成(以下、「直接伝達方式」ともいう。)であったが、ステアバイワイヤ式の電動パワーステアリング装置にも適用可能である。
[B2−2.EPSモータ28]
上記実施形態では、EPSモータ28を3相交流ブラシレス式としたが、これに限らない。例えば、モータ28を3相交流ブラシ式、単相交流式又は直流式としてもよい。
上記実施形態では、モータ28は、低電圧バッテリ38から電力が供給された(図1)。これに加え又はこれに代えて、オルタネータ、燃料電池又は高電圧バッテリからモータ28に電力を供給してもよい。
B3.LKAS14(走行支援装置)
上記実施形態では、走行支援装置として、車線維持制御(図7)を行うLKAS14を記載した(図1)。しかしながら、例えば、走行支援による操舵方向と、運転者による操舵方向とが反対であることでモータ28の出力が過大になることに伴う異常の誤検知を回避する観点からすれば、これに限らない。例えば、走行路160外への逸脱を防ぐようにEPSモータ28を制御する逸脱防止装置である走行支援装置としてもよい。
上記実施形態では、LKAS14を車両10に搭載することを念頭に説明した。しかしながら、例えば、LKAS14の一部(LKAS ECU134等)を携帯端末に設け、当該携帯端末を車両10のネットワークに接続することでLKAS14を構成してもよい。
上記実施形態では、EPS装置12とLKAS14を別々の構成要素として説明した。しかしながら、例えば、誤検知回避制御に着目すれば、LKAS14の機能をEPS装置12に含ませてもよい。或いは、EPS装置12の機能をLKAS14に含ませることも可能である。
B4.操舵アシスト制御(図2)
上記実施形態の操舵アシスト制御では、操舵アシスト力Fasiとして、運転者の操舵トルクTstrと同じ方向の駆動力(トルク)を生成した。しかしながら、例えば、ステアリングホイール20を用いての操舵を補助する観点からすれば、これに限らず、操舵トルクTstrと反対方向に働くもの(例えば、反力)であってもよい。
ここにいう「ステアリングホイール20を用いての操舵を補助する」とは、EPS装置12が操舵トルクTstrをそのまま操舵輪(前輪86)に伝達する構成(直接伝達方式)であれば、運転者が意図する方向にステアリングホイール20を回し易くすること(例えば、上記実施形態のような構成)及び運転者が意図する方向にステアリングホイール20を回し難くすることの両方を含む。
B5.異常判定制御(図4)
上記実施形態の異常判定制御では、モータ電流Imの異常値に基づいて異常を判定した(図4)。しかしながら、例えば、モータ28等の異常を判定する観点からすれば、これに限らず、例えば、モータ28の出力を示す検出値又は目標値であるモータ出力パラメータのうちモータ電流Im以外のものを用いることができる。例えば、目標モータ電流Imtarの異常値又はモータ28の消費電力の異常値に基づいて異常を判定してもよい。
上記実施形態では、モータ28の出力の過大異常の発生を判定するために出力禁止領域170a、170bを用いた(図4のS13)。しかしながら、過大異常の発生を判定する観点からすれば、これに限らない。例えば、モータ電流Imの絶対値|Im|が閾値THexc以上であるかのみの判定により過大異常の発生を判定してもよい。
B6.車線維持制御(図6)
上記実施形態の車線維持制御では、モータ電流Imを用いた処理を行った(図7のS25、図8のS51、図9のS61等)。しかしながら、例えば、モータ28の出力に応じた制御を行う観点からすれば、これに限らず、例えば、前記モータ出力パラメータのうちモータ電流Im以外のものを用いることができる。例えば、モータ電流Imの代わりに、目標モータ電流Imtar又は補正電流Icorを用いてもよい。
10…車両
12…電動パワーステアリング(EPS)装置
14…LKAS(走行支援装置) 20…ステアリングホイール
28…EPSモータ(モータ) 122…異常判定部
Im…モータ電流(モータ出力パラメータ)
Imtar…目標モータ電流 Texc…過大出力時間
THexc…過大判定閾値(異常判定出力閾値、制御判定出力閾値)
THfix…異常確定閾値(異常判定時間閾値)
THstp…制御即時停止閾値(走行支援停止閾値)
THtstr…過大判定閾値(制御判定トルク閾値)
Tstr…操舵トルク β…変化量閾値

Claims (7)

  1. 操舵を補助するモータと、前記モータの出力を示す検出値又は目標値であるモータ出力パラメータが異常判定出力閾値を上回っている連続時間である過大出力時間が異常判定時間閾値を超えたとき、前記モータ又はその周辺部品に異常が発生していると判定する異常判定部とを有する電動パワーステアリング装置を用いて走行支援を行う走行支援装置であって、
    前記走行支援に要する前記モータの出力により前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を上回るとき、前記走行支援装置は、前記過大出力時間が前記異常判定時間閾値を超える前に、前記モータの出力を一時的に低下させて前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を下回るようにした後、再度、前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を上回るように前記モータの出力を調整する誤検知回避制御を実行する
    ことを特徴とする走行支援装置。
  2. 請求項1記載の走行支援装置において、
    前記モータの出力の制御を前記モータへの目標電流の制御を介して行い、
    前記走行支援に要する前記モータの出力による前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を上回るとき、矩形波を基調とし且つ立ち下がり時の低下率を制限した連続波として前記目標電流を設定する
    ことを特徴とする走行支援装置。
  3. 請求項2記載の走行支援装置において、
    前記目標電流のオン時間をオフ時間の倍よりも長く設定する
    ことを特徴とする走行支援装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行支援装置において、
    再度、前記モータ出力パラメータが前記異常判定出力閾値を上回らせるように前記モータの出力を制御する際、単位時間当たりの前記モータの出力の変化量が、変化量閾値以下となるように前記モータの出力を制御する
    ことを特徴とする走行支援装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の走行支援装置において、
    ステアリングホイールを介して運転者が付与する操舵トルクについて、前記誤検知回避制御を実行するか否かを判定するための閾値である制御判定トルク閾値を設定すると共に、前記モータ出力パラメータについて、前記誤検知回避制御を実行するか否かを判定するための閾値である制御判定出力閾値を設定し、
    前記操舵トルクが前記制御判定トルク閾値を超え且つ前記モータ出力パラメータが前記制御判定出力閾値を超えるとき、前記誤検知回避制御を実行し、
    前記操舵トルクが前記制御判定トルク閾値を超えず又は前記モータ出力パラメータが前記制御判定出力閾値を超えないとき、前記誤検知回避制御を禁止する
    ことを特徴とする走行支援装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の走行支援装置において、
    前記異常判定出力閾値よりも大きい値に設定された走行支援停止閾値を前記モータ出力パラメータが上回るとき、前記走行支援を即時に停止する
    ことを特徴とする走行支援装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の走行支援装置を備える車両。
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