JP2015208683A - 持ち上げることができる手動制御部材を備える圧力調理器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、単純でコンパクトで安価な構造を有していながら、同時に特に人間工学的で信頼性が高くロバストな新しい食品圧力調理器具を提供する。
【解決手段】ボウル(2)に対してふた(3)をロックし/ロック解除する装置(4)であって、ふた(3)と一体であり、ふた(3)に対して、2つの極端な位置間で、すなわち最大伸長位置と最大収縮位置の間で、伸長/収縮運動に従って移動するように適合された装置(4)と、伸長/収縮運動を制御するように適合された手動ロック/ロック解除制御部材(6)とを備え、ロック/ロック解除装置(4)は、手動制御部材(6)が持ち上げられた位置にあるとき最大伸長位置にあり、手動制御部材(6)が第1の引き下げられた位置にあるとき最大収縮位置にあるように適合されている食品圧力調理器具(1)において、手動制御部材(6)は、互いに異なる第1の軌道(T1)および第2の軌道(T2)に従って移動し、第1の軌道(T1)は第1の引き下げられた位置に至ることを特徴とする食品圧力調理器具(1)。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧力調理器具(pressure cooking appliance)の一般的技術分野に関し、詳細には、ボウル(bowl)と、ボウル上でロックされて、圧力が上昇するのに十分な密封性を有する調理チャンバ(cooking chamber)を形成することが意図されたふたとを備え、ボウルの中に含まれる食品の水蒸気圧力調理を保証することが意図された、圧力クッカ(pressure cooker)型の家庭用器具に関する。
より詳細には、本発明は、ボウルと、ボウルに結合されることが意図されたふたと、ボウルに対してふたをロックし/ロック解除する装置であって、ふたと一体であり、ふたに対して、少なくとも1つの半径方向成分を有する伸長/収縮運動に従って移動するように適合された装置と、伸長/収縮運動を制御するように適合された手動ロック/ロック解除制御部材とを備え、手動制御部材は、ふたのロック解除に対応する少なくとも1つの持ち上げられた位置(lifted position)であって、手動制御部材がふたの上方にまっすぐに立ち上がる少なくとも1つの持ち上げられた位置と、ふたのロックに対応する少なくとも1つの第1の引き下げられた位置(first pulled-down position)であって、手動制御部材がふたの方へ下げられた少なくとも1つの第1の引き下げられた位置とをとることができるように、ふたに対して可動に装着された、食品圧力調理器具に関する。
「圧力クッカ」とも呼ばれる食品圧力調理器具は長い間よく知られている。それらは一般に、ボウルと、ふたロック構成とロック解除構成の間で次第に遷移しやすいロック/ロック解除装置によってボウル上でロックされることが意図されたふたとを備える。このようなロック/ロック解除装置は例えば、ふた上に半径方向に配置された駆動アームと一体であり、ふた上に装着された手動制御部材によって変位が制御されるロックジョー(locking jaw)の対を実装する。
したがって、ジョーをそれぞれロック解除位置またはロック位置に置く遠心方向または求心方向のジョーの半径方向変位を保証するために、使用者は、この制御部材を作動させることができる。
特に、水平回転軸に従って枢動可能にふた上に装着された取っ手であって、ジョーのロックを制御する引き下げられた位置とジョーのロック解除を制御する広げられた位置との間の90°の角行程(angular stroke)に従って移動するように構成された取っ手から制御部材がなる圧力クッカが知られている。包括的に満足を与えるこの先行技術圧力クッカは、それにもかかわらず、特に使用の快適さおよび単純さに関する限り、依然として改良され得る。さらに、演繹的に明らかに比較的重要ではないが、全く存在しないというわけではない、間違った側へ取っ手を誤って引き下げようとすることによって使用者がふたをロックしようとする危険も存在する。このような使用の誤りは、取っ手をジョーに連結する運動変換機構に不適当に応力を与えること、および最悪のケースではこの機構の劣化を引き起こすことにつながり得る。この視点から、この知られている圧力クッカは、一部では、人間工学をわずかに欠いているという欠点を有するとみなされ得る。さらに、制御部材のこの設計は、圧力クッカの操作に関して比較的制限的であり、圧力クッカの複数の機能の操作を単一の回転ボタンに基づいて可能にする別の圧力クッカ設計と比較すると特にそうである。
したがって、本発明に割り当てられた目的は、上で述べたさまざまな欠点を改善すること、および、特に単純でコンパクトで安価な構造を有していながら、同時に特に人間工学的で信頼性が高くロバストな新しい食品圧力調理器具を提案することを目指す。
本発明の他の目的は、使用者がふたを持って器具全体を持ち上げることに遭遇する危険をかなり制限し、またはそのような危険を打ち消す新しい食品圧力調理器具を提案することを目指す。
本発明の他の目的は、特に使用しやすい新しい食品圧力調理器具を提案することを目指す。
本発明の他の目的は、特に人間工学的であり、使用者の手からふたが滑り落ちることに遭遇する危険を制限する新しい食品圧力調理器具を提案することを目指す。
本発明の他の目的は、使用の誤りを制限することを可能にする設計を有する新しい食品圧力調理器具を提案することを目指す。
本発明の他の目的は、使用者にとって動作が特に安全な新しい食品圧力調理器具を提案することを目指す。
本発明に割り当てられたこれらの目的は、ボウルと、ボウルに結合されることが意図されたふたと、ボウルに対してふたをロックし/ロック解除する装置であって、ふたと一体であり、ふたに対して、2つの極端な位置間で、すなわち最大伸長位置と最大収縮位置の間で、少なくとも1つの半径方向成分を有する伸長/収縮運動に従って移動するように適合された装置と、前記伸長/収縮運動を制御するように適合された手動ロック/ロック解除制御部材とを備え、前記手動制御部材は、ふたの完全なロック解除に対応する少なくとも1つの持ち上げられた位置であって、手動制御部材がふたの上方にまっすぐに立ち上がる少なくとも1つの持ち上げられた位置と、ふたのロックに対応する少なくとも1つの第1の引き下げられた位置であって、手動制御部材がふたの方へ下げられた少なくとも1つの第1の引き下げられた位置とをとることができるように、ふたに対して可動に装着されており、前記ロック/ロック解除装置は、手動制御部材が前記持ち上げられた位置にあるとき前記最大伸長位置にあり、手動制御部材が前記第1の引き下げられた位置にあるとき前記最大収縮位置にあるように適合されている食品圧力調理器具であって、前記手動制御部材は、その持ち上げられた位置から、互いに異なる第1の軌道および第2の軌道に従って移動することができるように適合されており、前記第1の軌道は前記第1の引き下げられた位置に至ることを特徴とする食品圧力調理器具によって達成される。
本発明の他の特徴および利点は、添付図面に関する、例示的かつ非限定的な例だけによって与えられる以下の説明から、より完全に明らかになる。
本発明に基づくロックジョーを備え、そのふたがボウル上でロックされており、(本明細書では回転取っ手によって形成される)そのロック/ロック解除制御部材が第1の引き下げられた位置にある食品圧力調理器具を示す全体透視図である。 そのふたがやはりボウル上でロックされており、(本明細書では回転取っ手によって形成される)その制御部材が第2の引き下げられた位置にあり、第2の引き下げられた位置が、本明細書では、図1の第1の引き下げられた位置から約180°の角扇形(angular sector)だけ分離された、図1に示された器具を示す全体透視図である。 ロック/ロック解除装置および制御部材を含み、制御部材が、(完全なロックに対応する)第1の引き下げられた位置と(完全なロック解除に対応する)持ち上げられた位置の間の中間位置にあり、その結果、ジョーロック/ロック解除装置自体は、その完全なロック位置とその完全なロック解除位置の間の中間位置にある、図1および2の器具の実施形態の詳細を示す透視図である。 図3の実施形態の詳細を示す上面図である。 制御部材が、この時は、完全なロックの第2の引き下げられた位置と完全なロック解除の持ち上げられた位置の間の中間位置にあり、その結果、ジョーロック/ロック解除装置自体は、その完全なロック位置とその完全なロック解除位置の間の中間位置にある、図3および4の実施形態の詳細を示す透視図である。 図5の実施形態の詳細を示す上面図である。 制御部材が、この時は、その持ち上げられた位置にあり、その結果、ジョーロック/ロック解除装置自体は完全なロック解除の位置にある、図3から6の実施形態の詳細を示す透視図である。 分かりやすくするために制御部材が省かれた、図7の実施形態の詳細を示す上面図である。 図8の拡大された詳細を示す図である。
本発明に基づく食品圧力調理器具1は、好ましくは家庭用器具の文脈において、大気圧よりも高い圧力レベルでのさまざまな食料品の調理を保証することが意図されており、本発明は、業務用器具または準業務用器具にも関係し得ることが理解される。したがって、本発明に基づく器具1は、可搬式で(すなわちそれは手で持ち運びされ得る)独立した性質の台所用品であることが有利である。本発明に基づく器具1は、外部圧力の提供なしで、専ら(一体化されたまたは外部の)加熱源の影響下で圧力が上昇するように適合されている。本発明に基づく調理器具1は圧力クッカであることが特に好ましい。
本発明に基づく圧力調理器具1は、調理容器を形成するボウル2を備え、ボウル2は、中心軸X−X’に関する回転対称を実質的に有することが有利である。以後、形容詞「軸方向の」は、この対称の中心軸X−X’の方向を指し、中心軸X−X’の方向は、器具1が通常の動作をしているときの垂直方向、すなわち器具1が水平面上に置かれているときの垂直方向になぞらえることができる。ボウル2は、従来どおり、ステンレス鋼などの金属材料から製造され、ボウル2には例えば、適当な技法(例えば熱間圧造)によってボウルに固定された熱伝導性の底2Aが提供される。ボウル2はさらに、ボウル取っ手(図示せず)などの、ボウルの側壁2Bの例えば直径に沿って反対側の位置に固定された、好ましくは2つの把持部材を含むことができる。側壁2Bは上部自由縁を有し、上部自由縁は、ボウル2の内部にアクセスするための開口を画定する。この上部自由縁は、それ自体の上に折り畳まれた、そのようなものとしてよく知られているロールドエッジ(rolled edge)であることが有利である。本発明に基づく器具1は、ボウル2に結合されて、本明細書では、圧力が上昇することができる調理チャンバを形成することが意図されたふた3をさらに備える。図に示された実施形態では、ふた3が、ボウル2上に追加され、ボウル2上でロックされて、後者とともに、実質的に密封性の調理チャンバ、すなわち器具1の圧力の上昇を可能にするのに十分な気密性を有する調理チャンバを形成するように適合されている。したがって、図に示された実施形態では、ボウル2の上を覆って密封するようにふた3が適合されている。この密封を得るために、器具1は、調理チャンバを形成するためにふた3がボウル2に結合されるときにふた3とボウル2の間に挿入されることが意図された密閉ガスケット(例えば、例えばエラストマーでできた柔軟な環状ガスケット)を含むことが有利である。ふた3は、ボウル2の形状と対合する形状、例えば全体に円板形の形状を有することが有利であり、ふた3は、ボウル2上に追加され、ボウル2上でロックされたとき、ボウル2の底2Aの延長の平均平面(mean plane)(すなわち本明細書では水平面)に対して実質的に平行な平均平面内で広がることが有利である。本発明に基づく食品圧力調理器具1は、好ましくはふた3上に装着され、チャンバ内の相対圧力(すなわち大気圧から上方へ測定された圧力)を、使用圧力(working pressure)と呼ばれる実質的に一定の所定の値に維持するように配置された圧力制御手段(図示せず)を備えることが有利である。このような圧力制御手段の動作の一般的な原理は当業者によってよく知られており、そのため、ここでそれをより詳細に説明する必要はない。圧力制御手段5は、使用圧力が、実質的に10から120kPaの間にわたる範囲に含まれ、好ましくは100kPa程度であるように設計されていることが有利である。
したがって、本発明に基づく器具1は、ボウル2に対してふた3をロックし/ロック解除する装置4を備える。ボウル2上でのふた3のロックは、圧力の影響下でふた3が外れることに遭遇する危険なしに、ふた3とボウル2の結合によって形成された調理チャンバの圧力が上昇することを可能にする。したがって、ロック/ロック解除装置4は、ふた3がボウル2に固定されたボウル2に対するふた3のロック位置と、ふた3がボウル2から自由に分離されることができるボウル2に対するふた3のロック解除位置の間で次第に遷移することができる。図に示されているように、ロック/ロック解除装置4はふた3と一体であり、すなわち、それはふた3に固定されており、本明細書では、ふた3によって支持されてさえもいる。ロック/ロック解除装置4は、少なくとも1つの半径方向成分を有する伸長/収縮運動に従ってふた3に対して移動するように適合されている。伸長/収縮運動は主に半径方向であることが好ましく、図に示された例の場合のように実質的に純粋に半径方向であるとよりいっそう好ましい。本明細書では、ロック/ロック解除装置4が、図に示された例ではロック/ロック解除装置4の最大伸長構成に対応する少なくとも1つのロック位置(図1および2に示されている)と、図に示された例ではロック/ロック解除装置4の最大収縮構成に対応するロック解除位置(図7および8に示されている)の間で次第に遷移することができるように、ふた3に対して可動に装着される。本明細書で使用されるとき、「伸長/収縮運動」は、ロック/ロック解除装置4によって実施される運動を表し、この運動は、ロック/ロック解除装置4が、可変の「全体」サイズ、すなわちより多くまたはより少なく重要な「全体」サイズを有することを可能にする(収縮位置では最小サイズを有し、伸長位置では最大サイズを有することが好ましい)。この問題の運動は、少なくとも1つの半径方向成分を有する。本明細書ではこのことが、(上で明らかにされたたように、ボウル2が回転形を有するときにボウル2の対称軸であることが有利である)垂直中心軸X−X’を考慮して、少なくとも半径方向R−R’に沿って移動するように、ロック/ロック解除装置4が適合されていることを意味する。図に示された好ましい例では、半径方向R−R’が、器械1の中心軸X−X’と交差することが有利である水平方向に対応する。当然ながら、伸長/収縮運動が半径方向成分を有することは、それが、この半径方向成分(大部分を占める)に加えて、半径方向ではない他の成分(例えば垂直成分、接線成分など)をも有することができることを完全には排除しない。この半径方向ではない他の成分は小部分を占めることが好ましい。したがって、この伸長/収縮運動は、本明細書では少なくとも1つの半径方向成分を有するベクトルによって表され得る、ロック/ロック解除装置4の変位に対応する。したがって、このことは特に、例えば、この伸長/収縮運動が例えば純粋に垂直である(この場合、それは半径方向成分を持たないことになる)ことを排除する。図に示されているように、この伸長/収縮運動は、実質的に純粋に半径方向であることが好ましく、すなわち、この場合、それは、半径方向成分である1つの成分だけを有することが好ましい。したがって、この有利な実施形態では、半径方向の伸長/収縮運動に従って移動するように、ロック/ロック解除装置4が適合されていることが有利であり、この移動は、本明細書では、ロック/ロック解除装置4の(半径方向R−R’に沿った)半径方向サイズを変化させることを可能にし、したがって、このサイズは、最大半径方向サイズ(図7および8に示されたロック解除位置)と最小半径方向サイズ(図1および2に示されたロック位置)の間で次第に変化する。
ロック/ロック解除装置4は例えば、ジョー(図に示されている)またはセグメント(segment)を備えるロック/ロック解除装置によって形成されることができ、本発明は、装置の特定のタイプだけに決して限定されないことが理解される。図に示された好ましい変形実施形態では、ボウル2に対してふた3をロックし/ロック解除する装置4が、少なくとも1つ、好ましくは2つのジョー4A、4Bを備え、ジョー4A、4Bは、例えば対応する駆動アーム4C、4Dによって、ふた3に対して半径方向に(このケースでは半径方向R−R’に沿って)平行移動するように可動に装着されることが好ましい。駆動アーム4C、4Dは、器具1の中心軸X−X’に関して直径に沿って反対方向に伸長することが有利である。したがって、ジョー4A、4Bは、それぞれのジョー4A、4Bがボウル2の上部ロールドエッジおよびふた3を取り囲む一方のロック位置と、それらのロック位置からのジョー4A、4Bの同時遠心変位によって得られ、ジョー4A、4Bがもはやボウル2のロールドエッジと係合しておらず、それによって使用者はボウル2からふた3を自由に取り外すことができる他方のロック解除位置との間で、駆動アーム4C、4Dによって装着される。ロック解除位置を、戻り位置(return position)とすることができ、または戻り位置としないことができる。このような戻り効果は例えば、駆動アーム4C、4Dを接続し、駆動アーム4C、4Dを互いに対してばねで元の位置に戻すばねの中間挿入によって得られる。それぞれのジョー4A、4Bは金属材料(例えば鋼)でできていることが好ましく、ロック位置に移動し、ふた3の周縁とボウル2のロールドエッジの両方を局所的に締め付けることが意図された「U字形」の輪郭を有することが有利である。それぞれの駆動アーム4C、4Dは、ロック/ロック解除制御機構(後述)と協働することが意図された内端と対応するジョー4A、4Bを担持した外端との間でより正確に伸長する。しかしながら、それぞれのセグメント4C、4Dの外端がジョーを担持せず、それぞれのセグメント4C、4Dの外端が、ロック/ラッチシステム(lock/latch system)のように、(例えば側壁2Bの厚さを貫いて)ボウルに配置された対応する穴に入り込むことが単純に意図されていることが完全に考えられる。このようなロック/ラッチロックシステム(図示せず)は通常「セグメントロックシステム(segment locking system)」と呼ばれる。
したがって、本発明に基づく器具1は、上で説明したように、半径方向に平行移動するようにふた3上に装着されたロックであって、例えば1もしくはいくつかのジョーおよび/または1もしくはいくつかのセグメントによって形成されたロックを実装することが好ましい。
本発明に基づく食品調理器具1はさらに、ボウル2に対するふた3のロック/ロック解除を制御する手動部材6を備える。より正確には、手動ロック/ロック解除制御部材6は、伸長/収縮運動を制御するように適合されている。ロック/ロック解除手段4、および好ましくはロック/ロック解除手段4の(すなわち本明細書では駆動アーム4C、4Dおよび対応するジョー4A、4Bの)半径方向変位を使用者が制御することを可能にするため、本明細書では、手動制御部材6が、使用者によって手で扱われるように適合されている。手動制御部材6は、
− ふた3のロック解除(より正確には本明細書では完全なロック解除)に対応する少なくとも1つの持ち上げられた位置(図7)であって、図7に示されているように手動制御部材6がふた3の上方にまっすぐに立ち上がる少なくとも1つの持ち上げられた位置、
− および、ふた3のロックに対応する少なくとも1つの第1の引き下げられた位置(図1に示されている)であって、手動制御部材6がふた3の方へ下げられた少なくとも1つの第1の引き下げられた位置
をとることができるように、ふた3に対して可動に、好ましくはふた3上に装着される。
したがって、この持ち上げられた位置は、ふた3を手で扱い、かつ/または手動制御部材6をその第1の引き下げられた位置の方へ引き下げて、ふた3をボウル2に対してロックするために、使用者が手動制御部材6を容易に把持することを有利に可能にする、広げられた位置である。その持ち上げられた位置では、手動制御部材6が、ふた3から、ふた3の延長の平均平面に対して主に直角な平均方向(mean direction)に沿って延びる。問題の平均方向は、中心軸X−X’によって具体化される垂直方向であることが有利である。一方、その第1の引き下げられた位置では、手動制御部材6が、ふた3から、ふた3の延長の平均平面に対して主に平行な平均方向に沿って延びる。本明細書では、この平均方向が水平面に実質的に対応することが有利である。その結果、第1の引き下げられた位置から持ち上げられた位置への切換えは、図に示されているように円の1/4の角行程(90°)に実質的に対応する。ふた3がボウル2上でロックされているときに、使用者が、制御部材6によってふた3を扱うことを、防ぐまではいかないが、思いとどまらせるように、手動制御部材6は、図に示されているように、その第1の引き下げられた位置において、それがその持ち上げられた位置にあるよりも、手で把握することがより難しいように適合されていることが好ましい。このことは特に、ふた3からのボウル2の急な分離につながりやすい時期尚早のロック解除を回避するのに寄与する。第1の引き下げられた位置にあるときに、ふた3を扱うために手動制御部材6を手で把握することが実質的に不可能であるとよりいっそう好ましい。言い換えると、この特に有利な実施形態では、少なくとも手動制御部材6がその第1の引き下げられた位置にある限り、器具1の使用者は、手動制御部材6を、ふた3を把持する部材として使用することが実際上できない。
したがって、手動制御部材6は、少なくともその持ち上げられた位置とその第1の引っ込められた位置の間で、および少なくともその第1の引っ込められた位置とその持ち上げられた位置の間で、使用者によって手動で変位可能であるように設計される。手動制御部材6は、後により詳細に説明される機構によって、制御部材6がその持ち上げられた位置をとるとき、ロック/ロック解除装置4がロック解除位置にあるように、すなわち、ボウル2上にふた3が自由に追加され、ボウル2からふた3が自由に取り外されることができるように、一方、手動制御部材6がその第1の引き下げられた位置にあるとき、ロック/ロック解除装置4がそのロック位置をとり、したがってボウル2からふた3が外れることを防ぐように、ロック/ロック解除装置4と相互作用する。したがって、その持ち上げられた位置からその第1の引き下げられた位置への制御部材6の変位は、そのロック解除位置からそのロック位置への(好ましくは付随する)ロック/ロック解除装置4の変位を制御する。相互的に、その第1の引き下げられた位置からその持ち上げられた位置への手動制御部材6の変位は、そのロック位置からそのロック解除位置への(好ましくは付随する)ロック/ロック解除装置4の変位を制御する。より正確には、持ち上げられた位置から第1の引き下げられた位置への手動制御部材6の変位が、ロック/ロック解除装置4の収縮によるふた3のロックを制御し、第1の引き下げられた位置から持ち上げられた位置への手動制御部材6の変位が、ロック/ロック解除装置4の伸長によるふた3のロック解除を制御するように、調理器具1が設計されていることが有利である。したがって、手動制御部材6によって実施される変位は、ロック/ロック解除装置4の伸長/収縮運動に変換される。図に示された有利な実施形態では、手動制御部材6が、ふた3に対して枢動可能に装着され、好ましくは、実質的に水平の枢動軸Y−Y’を軸にして枢動可能に装着される。この軸は、本明細書では半径方向R−R’に対して平行であることが有利である。しかしながら、本発明は、このような純粋に回転するだけの装着に限定されない。例えば、代替として、平行移動するように装着された手動制御部材、または回転しかつ平行移動するように装着された手動制御部材を提供することも完全に考えられる。
図に示されているように、ロック/ロック解除装置4は、それぞれ一方では図7および8、他方では1および2に示されている2つの極端な位置間で、すなわち、ロック/ロック解除装置4の展開が最大であり、そのため明細書ではジョー4Aとジョー4Bの間の空間が最大である最大伸長位置と、ロック/ロック解除装置4の半径方向サイズが最小であり、そのためジョー4Aとジョー4Bの間の空間が最小である最大収縮位置との間で、伸長/収縮運動に従って移動するように適合されている。ロック/ロック解除装置4は、手動制御部材6が持ち上げられた位置にあるときに最大伸長位置にあり、手動制御部材6が第1の引き下げられた位置にあるときに最大収縮位置にあるように適合されている。本明細書では、この最大伸長位置が、ボウル2に対するふた3の完全なロック解除に対応し、最大収縮位置が、ボウル2に対するふた3の完全なロック(図1および2に示されている)に対応する。
安全性および使用の快適さをさらに向上させるために、持ち上げられた位置は、手動制御部材6に対する使用者の手動行為がない限り、持ち上げられた位置に到達した後に手動制御部材6が自発的に持ち上げられた位置に留まる傾向を有するような安定位置(stable position)である。ロックを保証するため、および手動制御部材6の位置の手動操作に起因するであろう時期尚早のロック解除を回避するために、第1の引き下げられた位置も安定位置であることが好ましい。
第1の引き下げられた位置がストップ位置(stop position)であることが有利である。この特徴は特に、図に示された実施形態に基づく器具1の特に人間工学的な性格に寄与する。実際、この特徴のおかげで、使用者は、第1の引き下げられた位置に手動制御部材6が停止していることが、器具の完全なロックに対応していることを直観的に知る。
反対に、図に示されているように、持ち上げられた位置はストップ位置ではない。したがって、手動制御部材6は、その持ち上げられた位置から、少なくとも、互いに異なる第1の軌道T1および第2の軌道T2に従って、移動することができるように適合されている。第1の軌道T1は第1の引き下げられた位置に至る。言い換えると、制御部材6は、その持ち上げられた位置から、第1の軌道T1に従ってまたは第2の軌道T2に従って移動することができる。すなわち、それは、少なくとも、互いに異なり互いに二者択一的である第1の軌道T1および第2の軌道T2に従って移動することができる(すなわち、制御部材6は、二者択一的性格を有する第1の軌道と第2の軌道の両方に従って同時に移動することはできず、これらの軌道のうちのどちらか一方に従って移動することができる)。図に示されているように、持ち上げられた位置は、手動制御部材6に対する最終的なストップ位置を構成しない。手動制御部材6は、軌道T1に対応する経路に従ってその第1の引き下げられた位置に戻ることもできるが、第1の引き下げられた位置の方へ通じない第2の軌道T2に対応する代替経路に従うこともできる。第1の軌道T1と第2の軌道T2のこの異なる性格は例えば、第1の軌道T1と第2の軌道T2が対応するそれぞれの異なる向き/方向を有することに起因する。この技術的な特徴のおかげで、本発明に基づく器具1の使用者は、手動制御部材6が持ち上げられた位置に置かれた後に、少なくとも以下の2つのオプション間で選択することができる:それが第1の軌道T1に従うようにそれを手動で操作することによって手動制御部材6をその第1の引き下げられた位置まで引き下げるオプション、または手動制御部材6を第2の軌道T2に従って、好ましくは第1の引き下げられた位置とは全く異なる終点位置(ストップ位置)まで手動で動かすオプション。
持ち上げられた位置および前述の第1の引き下げられた位置に加えて、手動制御部材6がふた3の方へ引き下げられた第2の引き下げられた位置をとることができるように、手動制御部材6が、ふた3に対して可動に装着されていることが有利である。第2の引き下げられた位置は第1の引き下げられた位置とは異なり、第2の軌道T2は第2の引き下げられた位置に至る。したがって、この場合、制御部材6は、その持ち上げられた位置(図7)から、第1の引き下げられた位置(図1)に動かされ、または第2の引き下げられた位置(図2)に動かされることができる。第2の引き下げられた位置は、ストップ位置であることが好ましい。このストップ位置は、第2の引き下げられた位置に到達したことを使用者に直観的に知らせることによって器具1の人間工学を促進する。第2の引き下げられた位置が、使用者によって逆の操作が手動で加えられなければ第2の引き下げられた位置に到達した後に手動制御部材6が自発的に第2の引き下げられた位置に留まる傾向を有するような安定位置であることが有利である。
第2の引き下げられた位置がさらに、ふた3のロックに対応することが有利である。図に示されたこの有利な実施形態では、手動制御部材6をその第1の引き下げられた位置またはその第2の引き下げられた位置に動かすことによって、使用者が、ボウル2に対してふた3をロックすることができる。このような対称的装着は、第1の引き下げられた位置と第2の引き下げられた位置のうちどちらの位置がロックに対応するのかを使用者が思い出す必要がないため、特に実際的で人間工学的であることが分かる。
第2の引き下げられた位置が、第1の引き下げられた位置の特徴に実質的に類似した特徴を有することが有利である。特に、手動制御部材6は、第2の引き下げられた位置にあるときに、それが持ち上げられた位置にあるときよりも、ふた3を扱うために手で把握することがかなり難しい。第2の引き下げられた位置にあるときに、ふた3を扱うために手動制御部材6を手で把握することが実質的に不可能であるとよりいっそう好ましい。
したがって、図に示された好ましい実施形態では、持ち上げられた位置から(軌道T1に沿った)引き下げられた位置への手動制御部材6の変位、または(軌道T2に沿った)第2の引き下げられた位置への手動制御部材6の変位が、ロック/ロック解除装置4の収縮によるふた3のロックを制御し、相互的に、第1の引き下げられた位置または第2の引き下げられた位置から、(第1の軌道T1および第2の軌道T2と全く同じだが、方向が反対であることが好ましい対応するそれぞれの軌道に沿った)持ち上げられた位置への手動制御部材6の変位が、ロック/ロック解除装置4の伸長によるふた3のロック解除を制御するように、器具1が設計されている。当然ながら、本発明は、絶対的に、器具1のロックに対応する第2の引き下げられた位置の実装だけに限定されない。例えば、それによって本発明の範囲から逸脱することなく、手動制御部材6による第2の引き下げられた位置の到達が、ロック以外の全く別の機能を制御すること、または例えば単純に、ロック/ロック解除装置4がロック位置にあるときを含めて、手動制御部材6のサイズを低減させることを可能にする保管位置に対応することが完全に考えられる。
ふた3に対して枢動可能に、本明細書では実質的に水平の枢動軸Y−Y’を軸にして枢動可能に手動制御部材6が装着された、図に示された特に有利な実施形態では、第1の軌道T1および第2の軌道T2が、(本明細書では枢動軸Y−Y’を軸とした)反対方向の回転であることが有利である。図に示された好ましい実施形態では、実質的に円の1/2(180°)に対応する角行程に従って第1の引き下げられた位置と第2の引き下げられた位置の間で枢動可能に、手動制御部材6が適合されていることが有利である。この有利な実施形態では、持ち上げられた位置が、この角行程の実質的に中央に位置し、そのため、持ち上げられた位置は、第1の引き下げられた位置と第2の引き下げられた位置の間の中間に位置する中間位置を構成する。
図に示されているように、手動制御部材6は、手で把握され手で扱われることが意図された可動把持部分を備え、この可動把持部分は、一体の単片部品によって形成される。言い換えると、コマンド部材6の手で扱われることが意図された部分は単一部品の形態をとり、互いに対して可動の複数の部品の形態をとらない。前述のとおり、制御部材6は、持ち上げられた位置にあるときに、使用者によるふた3の扱いを可能にするために手で把握されるように適合されている。このことは、例えばボウル2上にそれを置くためまたは反対にボウル2からそれを取り外すためにそれを1つの場所から別の場所へ変位させるために使用者がふた3を扱うこと、すなわち使用者がふた3をしっかりと把握し持ち上げることを可能にする取っ手役割および形状を、持ち上げられた位置において制御部材6が有利に保証することを意味する。言い換えると、制御部材6は、その持ち上げられた位置において、使用者による制御部材6の直接のしっかりした確実な把持を可能にする形状および十分なサイズを有する。このように提供された把持は、ふた3の重量を使用者がしっかりと支えることを可能にする。その目的のため、例えばループ形(図に示された変形実施形態)、またはT字形、L字形、ポメル(pommel)形、フレアードボタン(flared button)形などと、制御部材6のさまざまなコンホメーション(conformation)が考えられる。制御部材6は、取っ手5、すなわちループ形のアーチ形部品、有利には使用者によって手一杯にはしっかりと把握されるように適合されたループ形のアーチ形部品を備えることが有利である。取っ手5は、図に示されているように、持ち上げられた位置においてはふた3から突出し、その第1の引き下げられた位置および/またはその第2の引き下げられた位置においてはふた3の方へ引き下げられるように適合されていることが有利である。使用者による特にしっかりした確実な把握を可能にし、その一方で容易に引っ込めることができるため、取っ手形の制御部材6の使用は特に好ましい。特に、ふた3が、その表面に、隆起部分7を有することが有利であり、隆起部分7の形状は、取っ手5によって画定される、使用者の指を受け取ることが意図された空の空間の形状と実質的に相補的であることが好ましい。したがって、取っ手5が、ふた3上に、ふた3に対して平行に、(その第1の引き下げられた位置またはその第2の引き下げられた位置に)完全に引き下げられているとき、この空の空間は、隆起部分7によって少なくとも部分的に埋められており、その結果、取っ手5は、隆起部分7の延長部分に延びることが有利であり、したがって、ふた3を扱うために使用者が取っ手5を把握する可能性を制限する。言い換えると、ふた3は、取っ手5がふた3に対して引き下げられたときに取っ手5によって画定される空の空間を少なくとも部分的に埋めるように適合された隆起部分7をその表面に有し、したがって、ふた3を扱うために使用者が取っ手5を把握する可能性を制限する。
取っ手5は、図に示されているように、アーチ形の外形を実質的に有することが好ましい。より正確には、取っ手5は、湾曲した外形に従って延び、枢動軸Y−Y’が実質的に通る第1の端部5Aと第2の端部5Bの間に延びる全体に「C字形」のアーチ形把持体を有することが有利である。第1の端部5Aおよび第2の端部5Bは、実質的に直径に沿って中心軸Y−Y’に対して反対側に配置される。言い換えると、この場合、取っ手5は、実質的にアーチ形の形状を有し、そのサイズは、アーチおよびふた3によって画定されるオリフィスに、使用者が、少なくとも2本の指(例えば人差し指および中指)、好ましくは少なくとも3本の指(人差指、中指および小指)を挿入することを可能にするように選択され、ある種の構成では、4本の指(人差指、中指、薬指、小指)の導入を可能にする十分な空間が好ましいことがある。
次に、図に示された食品圧力調理器具1の構造および動作がより詳細に説明される。この実施形態では、ボウル2に対してふた3をロックし/ロック解除する装置4が、2つの金属セグメント4C、4Dによって半径方向にスライドするようにふた3上に装着された、2つのジョー4A、4Dを備える。器具1はさらに、本明細書ではふた3上の中心位置に装着された、好ましくはふた3の外面に装着されたプレートの形態をとるプラテン8を備える。器具1はさらに、本明細書では垂直中心軸X−X’と手動制御部材6を形成する取っ手5の回転軸Y−Y’の両方に対して直角な方向Z−Z’に従ってスライドするようにプラテン8上に装着されたトランスミッション部品(transmission part)9を備える。トランスミッション部品9の厚さを貫く細長い案内穴10、11が形成されており、案内穴10、11は、プラテン8から来る相補的な案内ピン12、13と協働して、トランスミッション部品9の軸Z−Z’に沿ったプラテン8に関するスライドを許すプラテン8とトランスミッション部品9の間の機械的な連結を保証する。スライディング方向Z−Z’の平行移動におけるトランスミッション部品9の変位は、エフォートトランスミッションシステム(effort transmission system)によって保証される。本明細書では、エフォートトランスミッションシステムが、回転軸Y−Y’を軸とした手動制御部材6の回転運動を、水平方向Z−Z’に沿ったトランスミッション部品9の並進運動に変換するために、一方で、方向Z−Z’に沿って縦に延びるラック14を含み、他方で、手動制御部材6と一体の歯車扇形15を含む。当然ながら、ラックギヤシステムを図に示されたシステムとして使用して、手動制御部材6の運動をトランスミッション部品9の運動に変換することは、いくつかある中のオプションであり、別の適当な運動変換システムが使用可能である。前述のとおり、手動ロック/ロック解除制御部材6は、歯車扇形15を担持したまっすぐなシャフトによって接続された2つの端部5Aと5Bの間に延びる湾曲した把持部を有する取っ手5の形態をとる。さらに、図に示されているように、それぞれの駆動アーム4C、4Dは、対応するそれぞれのジョー4A、4Bに取り付けられた外端と、対応するそれぞれの駆動スタッド40C、40Dを担持した内部アームとの間に延びる。それぞれのスタッド40C、40Dは例えば、中心軸X−X’によって具体化される垂直方向に主に延びる円柱形の垂直支柱の形態をとる。それぞれのスタッド40C、40Dは、半径方向R−R’に沿って縦に延びて半径方向の平行移動においてそれぞれの駆動アーム4C、4Dを案内する、プラテン8の厚さを貫いて形成された対応するそれぞれの縦穴8A、8Bの中で、(半径方向R−R’に沿って)半径方向にスライドする。したがって、それぞれの駆動アーム4C、4Dは、それぞれ駆動アーム40C、40Dによって担持されたスタッド40C、40Dがプラテン8の縦穴8A、8Bを通って出てくるように、プラテン8の下に部分的に配置される。トランスミッション部品9にはさらに、実質的に「V字形」の輪郭を有する駆動穴9A、9Bが提供されており、駆動穴9A、9Bはそれぞれ、駆動スタッド40C、40Dと協働して、トランスミッション部品9の方向Z−Z’に沿った横方向変位の影響下での駆動アーム4C、4Dの半径方向変位によるロック/ロック解除装置4の伸長/収縮運動を制御することが意図されている。その目的のため、駆動穴9A、9Bはスタッド40C、40Dと協働して、方向Z−Z’に沿ったトランスミッション部品9の並進運動を、添付図上の軸R−R’によって具体化されるトランスミッション部品9の並進方向に対して直角な半径方向のそれぞれのサブセット駆動アーム4C、4D/ジョー4A、4Bの並進運動に変換する。当然ながら、それぞれの駆動穴9A、9Bによって形成されたV字の頂点は、手動制御部材6がその持ち上げられた位置(図7に示されている)にあるロック/ロック解除装置4の最大伸長位置に対応し、V字の両端は、手動制御部材6がその第1の引き下げられた位置または第2の引き下げられた位置(図1および2に示されている)にあるロック/ロック解除装置4の最大収縮位置に対応する。図8に示された位置からの1つの方向または別の方向のトランスミッション部品9の変位は、それぞれの駆動穴9A、9BのV字のアームを形成する傾斜路によって、それぞれのスタッド40C、40D上に、スタッド40C、40D、したがってそれぞれのスタッド40C、40Dが駆動アーム4C、4Dによってそれぞれ取り付けられたジョー4A、4Bを互いに近づける作用力を発揮する。
したがって、図に示された圧力クッカ1の動作は例えば以下のとおりである。最初、圧力クッカ1は、図1に示されたロック構成にあり、取っ手5はふた3上に引き下げられており、ジョー4A、4Bはロック位置にある。ふたのロック解除へ進むために、使用者は、取っ手5を把握し、それを、図7に示された持ち上げられた位置に到達するまで手で枢動させる(図3から4参照)。図1に示された第1の引き下げられた位置と図7に示された持ち上げられた位置との間の手動制御部材6の枢動は、歯車扇形15とラック14の協働によって、方向Z−Z’に沿ったトランスミッション部品9の水平スライドを引き起こす。トランスミッション部品9のこのスライドは、返答として、駆動穴9A、9Bによって形成された傾斜路の縁によってスタッド40C、40Dに発揮された推力の影響下で、スタッド40C、40Dの半径方向の遠心変位を引き起こす(図3参照)。制御部材6が持ち上げられた位置に置かれた後、第1の軌道T1に従って制御部材6を、振幅(90°)はロック解除に導いた枢動運動と全く同じだが方向が反対の枢動運動に基づいて第1の引き下げられた位置に引き下げることによって、すなわち、図2に示された第2の引き下げられた位置に到達するまで約90°の角扇形に従って制御部材6を回転させるために、第2の軌道T2に基づく手動制御部材6の角行程に従うことによって、使用者は再び、ボウル2に対してふた3をロックすることができる。使用者は次いで、持ち上げられた位置から、制御部材6を、1つの方向または別の方向に引き下げることができ、これは、同じ結果(すなわちボウル2に対するふた3のロック)につながるであろう。図7に示された手動制御部材6の垂直に持ち上げられた位置はしたがって「浮動」位置であり、制御部材6の角行程の終点を表さないが、反対に、互いに対して対称的に反対であることが好ましい少なくとも2つの異なる軌道T1、T2に従って達成されやすい手動制御部材6の変位のための出発点を構成する。この特徴は特に、人間工学の優れたレベルを提供することを可能にし、本発明に基づく食品圧力調理器具1の使用の単純さに寄与する。
本発明はさらに、独立して、ボウル2と、ボウル2に結合されることが意図されたふた3と、ボウル2に対するふた3のロック/ロック解除を制御する手動部材6とを備え、手動制御部材6は、ふた3のロック解除に対応する少なくとも1つの位置をとることができるようにふた3に対して可動に装着されており、手動制御部材6は、ロック解除に対応するそれの位置から、少なくとも互いに異なる第1の軌道T1および第2の軌道T2に従って移動することができるように適合されており、第1の軌道T1および第2の軌道T2はともに、ボウル2に対するふた3のロックに対応する手動制御部材6の1つの位置またはいくつかの位置の方へ通じる食品圧力調理器具1に関する。

Claims (23)

  1. ボウル(2)と、前記ボウル(2)に結合されることが意図されたふた(3)と、前記ボウル(2)に対して前記ふた(3)をロックし/ロック解除する装置(4)であって、前記ふた(3)と一体であり、前記ふた(3)に対して、2つの極端な位置間で、すなわち最大伸長位置と最大収縮位置の間で、少なくとも1つの半径方向成分を有する伸長/収縮運動に従って移動するように適合された装置(4)と、前記伸長/収縮運動を制御するように適合された手動ロック/ロック解除制御部材(6)とを備え、前記手動制御部材(6)は、前記ふた(3)の完全なロック解除に対応する少なくとも1つの持ち上げられた位置であって、前記手動制御部材(6)が前記ふた(3)の上方にまっすぐに立ち上がる少なくとも1つの持ち上げられた位置と、前記ふた(3)のロックに対応する少なくとも1つの第1の引き下げられた位置であって、前記手動制御部材(6)が前記ふた(3)の方へ下げられた少なくとも1つの第1の引き下げられた位置とをとることができるように、前記ふた(3)に対して可動に装着されており、前記ロック/ロック解除装置(4)は、前記手動制御部材(6)が前記持ち上げられた位置にあるとき前記最大伸長位置にあり、前記手動制御部材(6)が前記第1の引き下げられた位置にあるとき前記最大収縮位置にあるように適合されている食品圧力調理器具(1)において、前記手動制御部材(6)は、前記手動制御部材(6)の持ち上げられた位置から、互いに異なる第1の軌道(T1)および第2の軌道(T2)に従って移動することができるように適合されており、前記第1の軌道(T1)は前記第1の引き下げられた位置に至ることを特徴とする食品圧力調理器具(1)。
  2. 前記手動制御部材は、手で把握され手で扱われることが意図された可動把持部分を備え、前記可動把持部分は、一体の単片部品によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の器具(1)。
  3. 前記持ち上げられた位置から前記第1の引き下げられた位置への前記手動制御部材(6)の変位が、前記ロック/ロック解除装置(4)の収縮による前記ふた(3)のロックを制御し、前記第1の引き下げられた位置から前記持ち上げられた位置への前記手動制御部材(6)の変位が、前記ロック/ロック解除装置(4)の伸長による前記ふた(3)のロック解除を制御するように設計されていることを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具(1)。
  4. 前記持ち上げられた位置は安定位置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の器具(1)。
  5. 前記第1の引き下げられた位置はストップ位置であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の器具(1)。
  6. 前記第1の引き下げられた位置は安定位置であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の器具(1)。
  7. 前記ふた(3)を把持するための部材を備え、前記部材は、前記ふた(3)に取り付けられており、前記部材によって前記ふた(3)を手で扱うことを可能にするために手で把握されるように適合されており、前記把持部材は、前記持ち上げられた位置にある前記手動制御部材(6)によって形成されるだけであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の器具(1)。
  8. 前記手動制御部材(6)は、前記第1の引き下げられた位置にあるときに、前記ふた(3)を手で扱うために手で把握することが実質的に不可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の器具(1)。
  9. 前記手動制御部材(6)の持ち上げられた位置において、前記手動制御部材(6)は、前記ふた(3)から、前記ふた(3)の延長の平均平面に対して主に直角な平均方向に沿って延び、前記手動制御部材(6)の第1の引き下げられた位置において、前記手動制御部材(6)は、前記ふた(3)から、前記ふた(3)の延長の平均平面に対して主に平行な平均方向に沿って延び、その結果、前記第1の引き下げられた位置から前記持ち上げられた位置への移動は、円の1/4の角行程に実質的に対応することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の器具(1)。
  10. 前記手動制御部材(6)は、前記持ち上げられた位置および前記第1の引き下げられた位置に加えて、前記手動制御部材(6)が前記ふた(3)の方へ引き下げられた第2の引き下げられた位置をとることができるように、前記ふた(3)に対して可動に装着されており、前記第2の引き下げられた位置は、前記第1の引き下げられた位置とは異なり、前記第2の軌道(T2)は前記第2の引き下げられた位置に至ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の器具(1)。
  11. 前記第2の引き下げられた位置はストップ位置であることを特徴とする請求項10に記載の器具(1)。
  12. 前記第2の引き下げられた位置は安定位置であることを特徴とする請求項10または11に記載の器具(1)。
  13. 前記持ち上げられた位置から前記第1の引き下げられた位置への前記手動制御部材(6)の変位が、前記ロック/ロック解除装置(4)の収縮による前記ふた(3)のロックを制御し、前記第2の引き下げられた位置から前記持ち上げられた位置への前記手動制御部材(6)の変位が、前記ロック/ロック解除装置(4)の伸長による前記ふた(3)のロック解除を制御するように設計されていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の器具(1)。
  14. 前記手動制御部材(6)は、前記ふた(3)に対して枢動可能に装着されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の器具(1)。
  15. 前記手動制御部材(6)は、実質的に水平な枢動軸(Y−Y’)に従って前記ふた(3)に対して枢動可能に装着されていることを特徴とする請求項14項に記載の器具(1)。
  16. 前記第1の軌道(T1)と前記第2の軌道(T2)は反対方向の回転であることを特徴とする請求項14または15に記載の器具(1)。
  17. 前記手動制御部材(6)は、前記第1の引き下げられた位置と前記第2の引き下げられた位置の間で、円の1/2に本質的に対応する角行程に従って枢動可能に適合されていることを特徴とする請求項10および14のいずれか一項に記載の器具(1)。
  18. 前記持ち上げられた位置は実質的に、前記角行程の中央に位置することを特徴とする請求項17に記載の器具(1)。
  19. 前記手動制御部材(6)は取っ手を備えることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の器具(1)。
  20. 前記ふた(3)は、前記ボウル(2)に追加され前記ボウル(2)にロックされるように適合されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の器具(1)。
  21. 前記伸長/収縮運動は主に半径方向であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の調理器具(1)。
  22. 前記伸長/収縮運動は実質的に純粋に半径方向であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の器具(1)。
  23. 前記ロック/ロック解除装置は、半径方向に平行移動するように前記ふた(3)上に装着された少なくとも1つのロックを備え、前記ロックは、1もしくはいくつかのジョー(4A、4B)および/または1もしくはいくつかのセグメントによって形成されていることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の器具(1)。
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