JP2015208567A - 注射器補助治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】注射器補助治具において種々の形状の針キャップを容易に取り外すことができ汎用性を向上することができるようにする。【解決手段】注射器50に固定された注射針53にかぶせられた針キャップ54を抜去する注射器補助治具1であって、針キャップ54が装着された注射器50を配置して、注射針53の中心軸線に沿う軸線方向における注射器50の位置を固定する注射器収容部材5と、針キャップ54を軸線方向に対する側方から保持する針キャップ保持部材6と、針キャップ保持部材6が針キャップ54を保持する保持状態とこの保持状態を解除される保持解除状態とを切り替えるとともに、保持状態において針キャップ保持部材6を軸線方向に沿って移動させる連動機構10と、連動機構10の動作を操作する操作部材4L、4Rと、を備える構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は注射器補助治具に関する。
従来、例えば、指先や手が不自由な患者さんでも自己注射を行う際に注射器の針キャップを容易に外すことができる注射器補助治具が提案されている。
例えば、特許文献1には、注射器内部に充填された治療薬を患者自らが注射する自己注射を補助する自己注射補助具であって、注射器を固定する本体と、本体に対して開閉自在である透明なカバーとを備え、カバーは、注射器が正しい位置で本体に固定されている場合に、本体に対して閉鎖およびロックされることができ、自己注射補助具がさらに、注射器の針キャップを抜去するための針キャップ抜去機構部と、本体に対するカバーの閉鎖動作に応じて、針キャップ抜去機構部を動作させる動作機構部とを備える装置が記載されている。
特許文献1に記載の自己注射補助具は、カバーの開閉に連動するカムによって、注射器の針キャップに係止する爪部を有する針キャップ抜去機構部を付勢して、針キャップを押し出すことにより、針キャップを抜くようになっている。
特開2011−98133号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の自己注射補助具は、爪部を針キャップの後方に係止し、前方に付勢することよって針キャップを外す。このため、爪部を後方から係止できるように取り付けられた針キャップを有する注射器に対してしか用いることができないという問題がある。
また、付勢された針キャップは、加速されると爪部から離れて飛び出してしまうため、針キャップをなくしやすいという問題もある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、種々の形状の針キャップを容易に取り外すことができ汎用性を向上することができる注射器補助治具を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の態様の注射器補助治具は、注射器に固定された注射針にかぶせられた針キャップを抜去する注射器補助治具であって、前記針キャップが装着された前記注射器を配置して、前記注射針の中心軸線に沿う軸線方向における前記注射器の位置を固定する注射器収容部と、前記針キャップを前記軸線方向に対する側方から保持する針キャップ保持部材と、該針キャップ保持部材が前記針キャップを保持する保持状態と該保持状態を解除される保持解除状態とを切り替えるとともに、前記保持状態において前記針キャップ保持部材を前記軸線方向に沿って移動させる連動機構部と、該連動機構部の動作を操作する操作部材と、を備える構成とする。
上記注射器補助治具では、前記針キャップ保持部材は、前記針キャップの外周面を半周以上にわたって囲むことができるとともに、前記針キャップの外周面を間に挟んで接離可能な保持部を備え、前記保持部は、前記保持状態において前記針キャップの中心部に向かって前記針キャップの外周面を押圧することが好ましい。
上記注射器補助治具では、前記保持部は、弾性体に支持され、該弾性体の変形により、前記針キャップの外周面を押圧可能な位置に移動する押圧部を有し、前記連動機構部は、前記押圧部を、前記針キャップの外周面の側方に離間する位置から前記外周面を押圧する位置に案内する第1案内部と、前記押圧部を、前記外周面を押圧する位置に保持する第2案内部と、前記押圧部を、前記外周面を押圧する位置から前記外周面の側方に離間する位置に案内する第3案内部と、を、前記針キャップ保持部材の移動方向に沿って、この順に備えることが好ましい。
上記注射器補助治具では、前記操作部材は、前記注射器収容部に配置された前記注射器の中心軸線に関して線対称に移動するように設けられ、前記連動機構部は、前記操作部材が前記中心軸線の近づく際の前記操作部材の動きを、前記軸線方向に沿う動きに変換して、前記針キャップ保持部材に伝達することが好ましい。
本発明の注射器補助治具によれば、針キャップ保持部材によって針キャップを側方から保持した状態で針キャップ保持部材を移動することにより、針キャップを抜去することができるため、種々の形状の針キャップを容易に取り外すことができ汎用性を向上することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態の注射器補助治具と、これにより針キャップを抜去する注射器の一例を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態の注射器補助治具の注射器収容部の構成を示す模式的な平面図、およびA部の部分拡大図である。 本発明の実施形態の注射器補助治具の針キャップ保持部材の模式的な平面図、そのB−B断面図、およびC視の左側面図である。 本発明の実施形態の注射器補助治具の保持解除状態と保持状態とにおける模式的な平面図である。 本発明の実施形態の注射器補助治具の操作部材の模式的な下面図である。 本発明の実施形態の注射器補助治具の注射器収容動作を説明する斜視図および平面図である。 本発明の実施形態の注射器補助治具の保持解除状態における針キャップと針キャップ保持部材との関係を示す模式図である。 本発明の実施形態の注射器補助治具の保持状態における針キャップと針キャップ保持部材との関係を示す模式図である。 本発明の実施形態の注射器補助治具の針キャップ抜去動作を説明する斜視図および平面図である。
以下では、本発明の実施形態の注射器補助治具について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の注射器補助治具と、これにより針キャップを抜去する注射器の一例を示す模式的な斜視図である。図2(a)は、本発明の実施形態の注射器補助治具の注射器収容部の構成を示す模式的な平面図である。図2(b)は、図2(a)におけるA部の部分拡大図である。図3(a)は、本発明の実施形態の注射器補助治具の針キャップ保持部材の模式的な平面図である。図3(b)は、図3(a)におけるB−B断面図である。図3(c)は、図3(a)におけるC視の左側面図である。図4(a)、(b)は、本発明の実施形態の注射器補助治具の保持解除状態と保持状態とにおける模式的な平面図である。図5は、本発明の実施形態の注射器補助治具の操作部材の模式的な下面図である。
なお、各図は模式図のため、形状や寸法は誇張されている(以下の図面も同様)。
図1に示すように、本実施形態の注射器補助治具1は、注射器50に固定された注射針53にかぶせられた針キャップ54を抜去するための装置である。
注射器50の構成は、特に限定されないが、以下では、一例として、外筒部51、押し子52、注射針53、および針キャップ54を備える例で説明する。
外筒部51は、内部に薬液を保持する装置部分であり、先端側に注射針53を取り付ける図示略の筒状部を備え、後端側に、フランジ部51aと、つば部51bとが設けられている。
外筒部51の外形は、多角柱状でもよいが、本実施形態では、一例として、円柱状の場合の例で説明する。
フランジ部51aは、注射を行う際に使用者が指をかけるため、外筒部51の側面から延ばされた突片からなる。本実施形態では、外筒部51の中心軸線Cに直交する方向において、外筒部51を挟んで対向するように設けられている。
このため、外筒部51をフランジ部51aの対向方向に直交する方向から見ると、外筒部51はT字状の形状になっている。
つば部51bは、フランジ部51aの対向方向と直交する方向において、外筒部51の側面から突出して設けられた凸部であり、フランジ部51aと同様、外筒部51の中心軸線Cに直交する平面に整列されている。つば部51bの突出量は、フランジ部51aの突出量に比べて小さい。
押し子52は、外筒部51の内部に挿入して、外筒部51内の薬液を加圧するためのもので、外筒部51に挿入される先端部には、図示略のガスケットが設けられている。
押し子52の基端部には、押し子52を外筒部51の中心軸線Cに沿って押し込む際に使用者の指を押し当てる押し子ヘッド52aが設けられている。
注射針53は、外筒部51の先端部に取り付けられた際に、外筒部51の中心軸線Cに整列する真直な形状を有する。このため、外筒部51の中心軸線Cは、注射針53の中心軸線にもなっている。
針キャップ54は、注射器50を使用しないときに、注射針53が露出しないように、注射針53にかぶせておく部材である。本実施形態では、針キャップ54は、有底円筒状の合成樹脂製のキャップ本体54aと、キャップ本体54aの中心部に注射針53を挿入する挿入穴を有する軟性の緩衝材(図1では図示略、図9(b)参照)とを備える。
このため、針キャップ54は、注射器50に装着された状態では、中心軸線Cと同軸の位置関係にある。
キャップ本体54aの外径は、外筒部51の外径よりも小さい。ただし、キャップ本体54aの外径は一定とは限らず、例えば、テーパが設けられていてもよい。本実施形態では、後述するように、キャップ本体54aの基端部(外筒部51に向く側の端部)の側面を側方から保持して抜去を行う。この保持位置でのキャップ本体54aの外径をDとする。
キャップ本体54aの装着時には、キャップ本体54aの基端部は、外筒部51の先端部と当接している。キャップ本体54aの基端部と外筒部51の先端部とは、外周部に隙間や溝が形成された状態で当接していてもよいが、後述するように本実施形態では、そのような隙間や溝を用いることなく針キャップ54を抜去できる。このため、キャップ本体54aの基端部と外筒部51の先端部とが密着状態で当接することが可能である。
注射器補助治具1は、注射器収容部材5(注射器収容部)、針キャップ保持部材6、および操作部材4L、4Rを備える。
注射器収容部材5は、針キャップ54が装着された注射器50を配置して、中心軸線Cに沿う軸線方向における注射器50の位置を固定する注射器収容部を構成する部材である。
図2(a)に示すように、注射器収容部材5は、底板5A、側壁5D、先端ストッパ5C、およびガイド柱部5Bを備える。
底板5Aは、フランジ部51aの対向方向に直交する方向から見た外筒部51の外形よりも大きい略T字状の外径を有する板状部である。
側壁5D、先端ストッパ5C、およびガイド柱部5Bは、底板5A上に、底板5Aの対称軸になっている中心軸線O5に関して線対称な位置に線対称な形状で対をなして設けられている。
なお、上記「線対称」は、平面視において線対称という意味である。
また、平面視とは、注射器収容部材5を構成する各部材に関して、図1のI矢視の意味であり、注射器収容部材5への注射器50の挿入方向と一致している。
また、このような線対称の形状等では、立体的な形状等として一致する場合、すなわち、中心軸線O5を含み底板5Aに直交する対称面に関して面対称である場合と、一致しない場合とがある。以下では、簡単のため、特に断らない限りは、線対称かつ面対称になっているものとする。
また、互いに線対称である部材、部位、形状等の説明は、線対称である点以外は同一の説明になるため、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
側壁5Dは、注射器50の外筒部51を収容するためのT字状の溝部を形成する部材であり、底板5Aの一方の表面から突出された、一対の第1側壁部5eと一対の第2側壁部5fとを備える。第1側壁部5eおよび第2側壁部5fの突出高さは、外筒部51を良好に収容できれば、特に限定されないが、例えば、外筒部51を半分以上覆うことができる高さであることが好ましい。また、第1側壁部5eおよび第2側壁部5fの突出高さは、外筒部51を収容したときに外筒部51が第1側壁部5eおよび第2側壁部5fの高さを超えない寸法であることがより好ましい。
本実施形態では、一例として、第1側壁部5eおよび第2側壁部5fの突出高さは、外筒部51の外径に、後述する針キャップ保持部材6のスライド板6Aの厚さを加えた寸法以上の高さとしている。このため、収容時に、外筒部51が第1側壁部5eおよび第2側壁部5fから突出しないようになっている。
第1側壁部5eは、外筒部51の外径よりもわずかに広い幅をあけて、中心軸線O5に沿って延ばされた平板状の一対の壁体である。
第1側壁部5eで挟まれた底板5Aの表面は、後述する針キャップ保持部材6を摺動可能に配置する平坦面であるスライド面5aを構成している。
スライド面5aには、中心軸線O5と同軸に延ばされた長孔状の貫通孔からなるガイド孔部5bが形成されている。ガイド孔部5bは、後述する針キャップ保持部材6の係合ピン6aをスライド可能に挿入し、中心軸線O5に沿う移動を案内するための形状部である。
第2側壁部5fは、第1側壁部5eの一端部(図2(a)の図示右側の端部)から側方(図2(a)の図示上下方向)に向かって、それぞれ平面視U字状をなして、中心軸線O5に関して線対称に設置された一対の壁体である。
以下、注射器収容部材5および注射器補助治具1において、中心軸線O5に沿う方向の端部のうち、第2側壁部5fが設けられた方の端部を基端部、第2側壁部5fと反対側の端部を先端部と称する。
各第2側壁部5fの内周面は、第1側壁部5eの間に注射器50の外筒部51を挿入したときに、注射器50のフランジ部51aの外形を取り巻く形状に形成されている。このため、各第2側壁部5fの内周面は、フランジ部51aを第2側壁部5fの突出方向に沿って、挿入可能なフランジ収容穴5gを構成している。
底板5Aにおいて、フランジ収容穴5gの間の領域には、外筒部51のつば部51bを中心軸線O5に沿う方向に係止して、外筒部51の中心軸線O5に沿う方向の位置決めを行うフランジ係止孔5qが設けられている。
先端ストッパ5Cは、注射器収容部材5の先端部において、針キャップ54の抜去時に、針キャップ54を外部に挿通させるともに、スライド面5a上にスライド可能に支持された針キャップ保持部材6の抜け止めを行う装置部分である。
本実施形態では、先端ストッパ5Cは、注射器収容部材5の先端部において底板5Aから突出された、中心軸線Cに直交する平面に沿う一対の平板状の突起部からなる。
各先端ストッパ5Cの間には、針キャップ54の最大外径より大きく、後述する針キャップ保持部材6の先端部の幅よりも狭い隙間W0を有する先端開口5cが形成されている。
各先端ストッパ5Cの突出高さは、針キャップ保持部材6の抜け止めが可能であれば特に限定されないが、本実施形態では、一例として、後述するガイド柱部5Bの突出方向の先端部と整列する高さになっている。
ガイド柱部5Bは、スライド面5aの側方における、第1側壁部5eと先端ストッパ5Cとの間の領域で、底板5Aから突出された軸状の一対の突起部である。本実施形態では、ガイド柱部5Bの突出方向の端面は、第1側壁部5eの突出方向の端面と整列されている。
ガイド柱部5Bの中心部には、後述する操作部材4L、4Rを回転可能に係合する貫通孔からなる軸受孔部5dが形成されている。
また、ガイド柱部5Bと先端開口5cとの間には、後述する針キャップ保持部材6の押え部6Cの外方への変形を規制するため、中心軸線O5と平行に延ばされた壁体部5pが設けられている。
各ガイド柱部5Bの外形および配置は、中心軸線O5に関して線対称である。
図2(b)に示すように、各ガイド柱部5Bの側面には、柱中心を通り中心軸線O5に平行な平面Sを境界として、中心軸線O5側の側面に、第1ガイド面5h(第1案内部)、第2ガイド面5i(第2案内部)、および第3ガイド面5n(第3案内部)が形成され、中心軸線O5と反対側の側面に外側面5mが形成されている。
各第1ガイド面5h、第2ガイド面5i、および第3ガイド面5nは、注射器収容部材5の基端部から先端部に向かって、この順に形成されている。
各第1ガイド面5hは、中心軸線O5に直交する方向における互いの間隔が、注射器収容部材5の基端部から先端部に向かうにつれて、漸次縮幅するガイド面である。本実施形態では、一例として、部分円筒面から構成されている。
各第2ガイド面5iは、中心軸線O5に直交する方向における互いの間隔が、注射器収容部材5の基端部から先端部に向かうにつれて、一定値W2となる平面状のガイド面である。本実施形態では、一例として、隣接する第1ガイド面5hの頂部において滑らかに接続する平面からなる。
各第3ガイド面5nは、中心軸線O5に直交する方向における互いの間隔が、注射器収容部材5の基端部から先端部に向かうにつれて、拡幅するガイド面である。本実施形態では、一例として、隣接する第2ガイド面5iの端部において滑らかに接続する第1ガイド面5hよりも小径の部分円筒面からなる湾曲面部5jと、この湾曲面部5jと滑らかに接続し、中心軸線Cに直交する方向に延ばされた平面部5kとからなる。
外側面5mは、ガイド面としての機能は有しないため、適宜の湾曲面や複数の平面が隣接して形成される角柱状の面などを採用することができる。本実施形態では、一例として、第1ガイド面5hと同径の円筒面を採用している。
このような構成の注射器収容部材5の材質は、特に限定されず、例えば、合成樹脂、金属、あるいは、これらの複合体を採用することができる。本実施形態では、一例として、合成樹脂の一体成形によって製作されている。
針キャップ保持部材6は、針キャップ54を側方から保持する部材であり、注射器収容部材5のスライド面5a上で、中心軸線Cに沿って進退可能に設けられている。
図3(a)、(b)、(c)に示すように、針キャップ保持部材6は、スライド板6Aに、係合ピン6a、針キャップ受け台6B、および押え部6Cが設けられている。
針キャップ保持部材6の外形状は、スライド板6Aの中心軸線O6Aを通り、スライド板6Aに直交する平面に関して面対称な形状を有する。
スライド板6Aは、中心軸線O5に沿って進退するため、第1表面S1がスライド面5a上に載置される平面視矩形状の板状部である。第1表面S1と反対側の表面は、第2表面S2と称する。
スライド板6Aの長手方向の端部のうち、第1端部E1は、注射器収容部材5に載置されるとき、注射器収容部材5の基端部に向けられる端部であり、第2端部E2は、注射器収容部材5の先端部に向けられる端部である。
係合ピン6aは、注射器収容部材5のガイド孔部5bと略同じ外径を有し、ガイド孔部5bに挿通されてガイド孔部5bと中心軸線O5に沿って移動可能に係合する円柱状の突起である。
係合ピン6aは、第1端部E1を通る中心軸線O6A上に中心軸線O6a(図3(b)参照)を有し、第1表面S1から突出して形成されている。
係合ピン6aの突出高さは、注射器収容部材5の底板5Aおよび後述する操作部材4L、4Rのカム板部2R、2Lを貫通する寸法に形成されている。
針キャップ受け台6Bは、針キャップ54を載置し、針キャップ54を、平面視で中心軸線O6Aと重なる位置において、第1表面S1から一定の高さとなる位置に保持するための突起部であり、第2端部E2における第2表面S2上に、突出して設けられている。
本実施形態では、中心軸線O6Aに直交する方向に突条からなり、その延在方向の中心部に、針キャップ54の外径と略同径の円弧状の凹面からなるキャップ受け面6bが形成されている。
押え部6Cは、図3(c)に示すように、針キャップ受け台6Bの針キャップ受け面6b上に載置された針キャップ54を針キャップ受け台6Bの側方から挟むように設けられた可撓性を有する一対の突起部である。
本実施形態では、押え部6Cは、図3(b)に示すように、中心軸線O6Aの側方から見た形状が、針キャップ受け台6Bから第2端部E2の先端までの幅を有する矩形状である。
また、押え部6Cは、第2表面S2から第2表面S2に垂直かつ中心軸線O6Aと平行となるように突出された薄肉板状のばね部6cと、ばね部6cの突出方向の先端部に形成されたばね部6cよりも厚肉の押圧部6dとを備える。
各押え部6Cが互いに対向する溝内面6gは、ばね部6cの自然状態では第2表面S2から垂直に立ち上がり、針キャップ受け面6bに載置される針キャップ54の頂部よりも高い位置まで延ばされている平面からなる。
押え部6Cの突出方向の先端部における各溝内面6gには、針キャップ受け面6bに載置される針キャップ54の頂部よりも高い位置において、互いの対向方向に突出する内側突起6iが設けられている。
このため、押え部6Cは、針キャップ受け台6Bとともに、針キャップ54を半周以上にわたって囲むことができる保持部を構成している。
溝内面6gの裏面側における押圧部6dは、第1側面6eと、第2側面6fとを備える。
第1側面6eは、溝内面6gと平行な平面からなり、中心軸線O6Aに沿う方向の位置が針キャップ受け台6Bと重なる領域に形成されている。
第2側面6fは、第1側面6eに隣接して、第2端部E2に向かうにつれて押圧部6dの板厚を漸次低減する凹形状を形成する湾曲面からなる。
本実施形態では、第2側面6fは、注射器収容部材5のガイド柱部5Bの第1ガイド面5hと同径の部分円筒面で構成される。
第2側面6fの先端における板厚と第1側面6eにおける板厚との差である段差hは、各押え部6Cを、互いの対向方向にたわませることにより、針キャップ54の外周面を必要な押圧力で押圧することができるように決める。
このような構成の針キャップ保持部材6の材質は、ばね部6cが板ばねとして機能するように、少なくともばね部6cが弾性体で形成されていれば、特に限定されず、例えば、合成樹脂、金属、あるいは、これらの複合体を採用することができる。
本実施形態では、一例として、合成樹脂の一体成形によって製作されている。
図4(a)、(b)に示すように、操作部材4L、4Rは、針キャップ54を抜去するために、針キャップ保持部材6の中心軸線O5に沿う方向の進退動作を操作する部材であり、注射器収容部材5に対して回動可能に取り付けられている。
操作部材4L、4Rは、その形状や配置が、注射器収容部材5の中心軸線O5に関して、線対称になっている。以下では、まず、操作部材4Lの構成について説明し、操作部材4Rについては、操作部材4Lと異なる点を中心に説明する。操作部材4Rにおける操作部材4Lと線対称な形状や配置については、容易に読み替え可能であるため、同一の符号または符号の添字をRに変更した符号を付し、説明を省略する場合がある。
操作部材4Lは、注射器補助治具1を平面視した状態で、注射器収容部材5の先端部を上方、基端部を下方に配置したとき、中心軸線O5に向かって左側(図4(a)における下側、図示矢印Lの方)に設けられている。以下では、簡単のため、このような配置に基づいて、注射器収容部材5の中心軸線O5に対する相対位置や領域について、矢印L側、矢印L方向と称する場合がある。また、中心軸線O5に対して、これと反対の側、反対方向を、矢印R側、矢印R方向と称する場合がある。
図1に示すように、操作部材4Lは、注射器収容部材5の矢印L側のガイド柱部5Bにおいて、底板5Aに平行な平面内で回動可能に連結されたハンドルレバー3Lと、ハンドルレバー3Lの回動を直動運動に変換して針キャップ保持部材6に伝達するカム板部2Lとを備える。
以下では、図1、図4(a)に示すように、ハンドルレバー3Lが矢印L側に回動して注射器収容部材5から最も遠ざかった状態を「開状態」と称し、図4(b)に示すように、注射器収容部材5に最も近づいた状態を「閉状態」と称する。
図1、図4(a)、(b)に示すように、ハンドルレバー3Lは、アーム部3a、回転軸3b、ハンドル天面部3c、およびハンドル側面部3dを備える。
アーム部3aは、閉状態で注射器収容部材5の第1側壁部5eに沿うように延ばされた細長い板状部である。
回転軸3bは、アーム部3aの一端からアーム部3aに直交する方向に突出され、ガイド柱部5Bの軸受孔部5dに挿通される軸状部であり、ハンドルレバー3Lの回転支軸となる部分である。
ハンドル天面部3cは、アーム部3aの他端に連結され、回転軸3bと直交する方向において、アーム部3aよりも矢印L側に張り出した平板部である。
ハンドル側面部3dは、ハンドル天面部3cの張り出した部位の輪郭に沿って回転軸3bと同方向に延ばされた湾曲板部である。
ハンドル天面部3cおよびハンドル側面部3dは、図4(b)に示すように、閉状態で注射器収容部材5の矢印L側の第2側壁部5fを上方(図4(b)の紙面手前側)および側方(図4(b)の図示下側)から覆う凹所3eを形成している。
ここで、ハンドル天面部3cが矢印L側の第2側壁部5fの上方を覆う範囲は、矢印L側のフランジ収容穴5gに注射器50のフランジ部51aが収容された際に、フランジ部51aと重なる範囲である。本実施形態では、ハンドル天面部3cは、注射器50のつば部51bと干渉を避けるために、矢印R側に切欠部3fが形成されている。
図1に示すように、カム板部2Lは、注射器収容部材5の底板5Aの裏面側に配置された板状部であり、軸受孔部5dから突出した回転軸3bとハンドル側面部3dの端部とによって、ハンドルレバー3Lと連結されている。
このため、カム板部2Lは、ハンドルレバー3Lが回動される際に同様にして、回転軸3bを中心に回動する。また、カム板部2Lとハンドルレバー3Lとの間には注射器収容部材5が挟まれている。
カム板部2Lは、図5に示すように、二点鎖線で表されたハンドルレバー3Lの外形とちょうど重なる領域である対向部2Aと、対向部2Aよりも矢印L側に突出された外側部2Bと、対向部2Aよりも矢印R側に突出された内側部2Cとで構成される。
対向部2Aには、ハンドルレバー3Lの回転軸3bと対向する位置に回転軸3bを挿通させて回転軸3bが固定される孔部2bと、ハンドルレバー3Lの切欠部3fに対向する位置に同形状を有する切欠部2fとが形成されている。
切欠部2fが形成されることにより、操作部材4Lが閉状態になっても、注射器収容部材5のフランジ係止孔5qから突出する注射器50のつば部51bと、カム板部2Lとの干渉が防止される。
外側部2Bは、ハンドルレバー3Lのアーム部3aに対向する対向部2Aから山形に突出された突片部と、ハンドルレバー3Lのハンドル天面部3cに対向する対向部2Aから山形に突出された突片部とを有する。これにより、各突片部の間に、操作者の指をかけるための凹状部であるグリップ部2aが形成されている。
内側部2Cは、ハンドルレバー3Lの回動に伴って、注射器収容部材5の底板5Aの裏面に沿って摺動する平面視略三角形状の突片部であり、注射器収容部材5のガイド孔部5bから突出された係合ピン6aが挿通して係合されるカム孔2cが形成されている。
カム孔2cは、操作部材4Lの開状態を規定する第1端部e1と、操作部材4Lの閉状態を規定する第2端部e2との間を、係合ピン6aの外形と略同幅で結ぶ貫通孔である。
カム孔2cの中心線T上の各点と回転軸3bとの間の距離dは、第1端部e1で最大となり、第2端部e2に向かうにつれて漸次減少して、第2端部e2で最小になっている。
図5では、カム孔2cは、一例として、中心線Tが直線状の長孔形状の場合を図示している。ただし、カム孔2cの中心線Tは、針キャップ保持部材6の移動速度を変えるため、曲線状あるいは折れ線状とすることも可能である。
図4(a)、(b)に示すように、操作部材4Rは、以上に説明した操作部材4Lを中心軸線O5に関して線対称な形状、位置に設けたものであり、操作部材4Lのハンドルレバー3L、カム板部2Lに代えて、ハンドルレバー3R、カム板部2Rを備える。
操作部材4Rが線対称である点以外に操作部材4Lと異なる点は、図5に示すように、カム板部2Rが、カム板部2Lと重ねて配置されている点である。
このため、ハンドルレバー3Rのハンドル側面部3dの突出方向の長さは、ハンドルレバー3Lのハンドル側面部3dよりもカム板部2Rの板厚分だけ長くなっている。
また、カム板部2Rのカム孔2cには、注射器収容部材5のガイド孔部5bとカム板部2Lのカム孔2cとを貫通した係合ピン6aが挿通されている。係合ピン6aは、図示略の抜け止め部材によりカム板部2Lのカム孔2cから抜け止めされている。
このような構成により、注射器補助治具1では、操作部材4L、4Rが、回転軸3bが注射器収容部材5の軸受孔部5dに挿入されて、注射器収容部材5に対して回動可能に取り付けられている。
また、針キャップ保持部材6の係合ピン6aが、注射器収容部材5のガイド孔部5bとカム板部2L、2Rの各カム孔2cとに挿通されることにより、操作部材4L、4Rの回動に連動して、針キャップ保持部材6がスライド面5a上を進退するようになっている。
また、針キャップ保持部材6がスライド面5a上を進退する際には、後述するように、ガイド柱部5Bの第1ガイド面5h、第2ガイド面5i、および第3ガイド面5nによって、針キャップ保持部材6における保持状態と保持解除状態とが切り替えられる。
このため、ガイド孔部5bが形成された底板5Aと、ガイド柱部5Bと、カム孔2cが形成されて回転軸3bによって回動可能に設けられたカム板部2L、2Rとは、連動機構10(連動機構部)を構成している。
連動機構10は、針キャップ保持部材6の保持状態と保持解除状態とを切り替えるとともに、保持状態において針キャップ保持部材6を中心軸線O5(軸線方向)に沿って移動させる連動機構部になっている。
次に、このような構成の注射器補助治具1の動作について説明する。
図6(a)、(b)は、本発明の実施形態の注射器補助治具の注射器収容動作を説明する斜視図および平面図である。図7は、本発明の実施形態の注射器補助治具の保持解除状態における針キャップと針キャップ保持部材との関係を示す模式図である。図8は、本発明の実施形態の注射器補助治具の保持状態における針キャップと針キャップ保持部材との関係を示す模式図である。図9(a)、(b)は、本発明の実施形態の注射器補助治具の針キャップ抜去動作を説明する斜視図および平面図である。
注射器補助治具1によって、注射器50の針キャップ54を抜去するには、まず、図6(a)に示すように、注射器50を注射器収容部材5に収容する。
すなわち、図6(b)に示すように、注射器補助治具1の操作部材4L、4Rを開状態としておき、側壁5Dで形成される略T字状の溝部に、図1に示す矢印I方向から、注射器50を挿入する。
このとき、注射器50の各フランジ部51aは、各フランジ収容穴5gに挿入され、外筒部51は、各第1側壁部5eの間に挿入される。
操作部材4L、4Rが開状態の時、係合ピン6aは、各カム孔2cの作用により、注射器収容部材5のガイド孔部5b内において回転軸3bから最も離れた位置に移動されている。
本実施形態では、図6(b)に示すように、針キャップ保持部材6は、各押圧部6dが、対応するガイド柱部5Bと第1側壁部5eの間に位置しており、針キャップ54において外筒部51に向いた基端部が、針キャップ受け面6b上に載置された状態になっている。
押圧部6dの配置をより詳しく説明すると、図2(b)に二点鎖線で示す押圧部6d1のように、第2側面6fがガイド柱部5Bの第1ガイド面5hと当接し、第1側面6eが、第1ガイド面5hと第1側壁部5eの先端部との間に入り込んでいる。
このとき、図7に示すように、各押え部6Cの溝内面6gは、スライド板6Aに対して略垂直になっており、溝内面6g間の幅はw1(ただし、w1>D)である。このため、針キャップ54の基端部と各溝内面6gとの間には、隙間が形成されており、針キャップ保持部材6は保持解除状態にある。
次に、操作者は、例えば、操作部材4L、4Rの各グリップ部2aに指をかけるなどして、操作部材4L、4Rを注射器収容部材5に向けて閉じる操作を行う(図6(a)の矢印参照)。
このとき、操作部材4L、4Rは、針キャップ保持部材6の係合ピン6aを介して一体に係合されているため、操作部材4L、4Rのいずれか一方が操作されると、これに連動して他方も対称に移動していく。このため、例えば、手が不自由な操作者のように、各グリップ部2aに均等に力を掛けることができなくても、いずれかのグリップ部2aに力を入れることができれば、操作部材4L、4Rは、円滑に閉じられていく。
このようにして、操作部材4L、4Rが各回転軸3bを中心としてそれぞれ回動し始めると、各カム孔2cは、中心軸線O5上で、注射器収容部材5の先端側に漸次移動していく。このため、ガイド孔部5b内で移動可能に係合された係合ピン6aもまた、各カム孔2cの移動に合わせて注射器収容部材5の先端側に移動する。
これにより、針キャップ保持部材6が、注射器収容部材5の先端部の方に移動し始める。このとき、外筒部51は、フランジ収容穴5gによって中心軸線O5に沿う方向の位置が固定され、スライド板6Aの第2表面S2上に載置されているのみであるため、針キャップ保持部材6のみが移動していく。
また、針キャップ54は、注射針53が挿入されて外筒部51と一体になった状態で、針キャップ保持部材6の針キャップ受け面6b上に載置されているのみであるため、静止している。
針キャップ保持部材6が移動し始めると、図2(b)に示すように、押圧部6d1は、第1ガイド面5h上を滑って移動するため、第1ガイド面5hの傾斜に応じて、次第に、中心軸線O5側に移動していく。例えば、押圧部6d2として示すように、第1側面6eが第2ガイド面5iに乗り上げる。このため、押圧部6d2は、第2側面6fの先端部と第1側面6eとの段差hだけ、中心軸線O5側に押し込まれている。
このようにして、各押圧部6dが互いに対向方向に押し込まれていくと、図8に示すように、押圧部6dを支持するばね部6cは、弾性変形して、押圧部6dとの接続部においてhだけ中心軸線O5に向かってたわむ。
これにより、各内側突起6iが、針キャップ54の上半の外周面に当接して、針キャップ54が中心部に向かって押圧される。
このため、針キャップ保持部材6では、各内側突起6iと針キャップ受け面6bとによって、針キャップ54を三方から押圧して保持する保持状態が形成される。
このような保持状態は、針キャップ保持部材6が移動を開始してから、押圧部6dの第1側面6eが第2ガイド面5iに乗り上げるまでの間に形成される。
そして、押圧部6dが第2ガイド面5iと当接している間は、この保持状態が維持される。
したがって、少なくとも押圧部6dが第2ガイド面5iを通過している間は、保持状態の針キャップ54が針キャップ保持部材6とともに、注射器収容部材5の先端部に向かって移動する。
このため、第1ガイド面5hは、押圧部6dを、針キャップ54の外周面の側方に離間する位置から針キャップ54の外周面を押圧する位置に案内する第1案内部を構成している。
第2ガイド面5iは、押圧部6dを、針キャップ54の外周面を押圧する位置に保持する第2案内部を構成している。
図9(b)に断面形状を示すように、針キャップ54は、キャップ本体54aの内部に配置された緩衝材54bに形成された挿入穴54cに注射針53が挿入されることで、注射針53と緩衝材54bとの摩擦力のみによって固定されている。このため、針キャップ54は、針キャップ保持部材6によって、先端側に引き抜かれていく。
さらに、閉状態に向けて、操作部材4L、4Rを閉じていくと、針キャップ保持部材6の移動が進み、図2(b)に示す押圧部6d3のように、第1側面6eが第2ガイド面5iから離脱し第3ガイド面5nが形成された領域に移動していく。
第3ガイド面5nの湾曲面部5jの領域では、各押圧部6dが対向方向と反対側に漸次移動して、各ばね部6cのたわみが漸次減少する。第3ガイド面5nにおいて湾曲面部5jよりも先端側には平面部5kが形成されているため、各押圧部6dが湾曲面部5jを通過すると第3ガイド面5nを抜け出した状態になり、ガイド柱部5Bからの押圧力が解除される。これにより、ばね部6cが自然状態に戻って、図7に示すように、各溝内面6g間の間隔がw3(ただし、w3>D)に広がる。
このため、各押圧部6dが湾曲面部5jを通過中に各内側突起6iが針キャップ54から離間し、針キャップ保持部材6が保持解除状態になる。
このため、第3ガイド面5nは、押圧部6dを、針キャップ54の外周面を押圧する位置から針キャップ54の外周面の側方に離間する位置に案内する第3案内部を構成している。
こうして、図9(a)、(b)に示すように、操作部材4L、4Rが閉状態になるまでの間に、針キャップ54は外筒部51に対して注射器収容部材5の先端側に移動し、かつ針キャップ保持部材6による保持が解除された状態になる。
このため、保持状態から保持解除状態になった際の移動速度に応じて、針キャップ54が注射針53および針キャップ保持部材6から離脱していくことで、針キャップ54が注射針53から抜去される。
このように、注射器補助治具1によれば、注射器50を注射器収容部材5に収容して、操作者が操作部材4L、4Rを閉じるという簡単な操作により、注射針53から針キャップ54を容易に抜去することができる。
注射器補助治具1では、針キャップ保持部材6の押え部6Cによって針キャップ54を側方から押圧して保持した状態で引き抜いていくため、針キャップ54を抜去するための特定の穴部、溝部、引っかけ部などが形成されていなくてもよい。このため、種々の形状の針キャップ54を抜去することができて、汎用性に優れる。
また、押え部6Cは、弾性変形可能であるため、針キャップ54の外径が多少変化したり、針キャップ54の外径がばらついたりしても、保持することが可能である点でも、汎用性に優れる。
また、上記実施形態では、押え部6Cが、針キャップ54の基端部を保持する場合の例で説明したが、針キャップ54の保持位置は、針キャップ54の中間部や先端部でもよい。したがって、例えば、外筒部の長さが異なる注射器であっても、針キャップが針キャップ受け面6bに載置されれば、抜去できるため、種々の形状の注射器から針キャップ54を抜去できる点でも汎用性に優れる。
また、押え部6Cによる保持状態は、内側突起6iおよび針キャップ受け面6bによりほとんど3点保持の状態であるため、針キャップ54の外形状が円筒面以外であっても、良好に保持できる点でも、種々の形状の針キャップ54を抜去することができ、汎用性に優れる。
さらに、押え部6Cによれば、押圧力が針キャップ54の中心部に向かい、針キャップ54が、外筒部51が載置された底板5Aに対して一定の高さとなる位置で保持される。このため、保持状態で針キャップ54に押圧力が作用しても、注射針53に対する曲げが働かないように保持することができるため、抜去時の摩擦力を低減して円滑に抜去することができる。
また、針キャップ保持部材6による保持状態での移動方向は、スライド面5aに平行であって、中心軸線O5に沿っているため、注射針53の延在方向に沿って、針キャップ54を抜去することができる点でも、抜去時の摩擦力を低減して円滑に抜去することができる。
注射器補助治具1によれば、操作部材4L、4Rが閉状態であっても開状態であっても、注射器50の外筒部51および針キャップ54が、ハンドルレバー3L、3Rには覆われず、図1の矢印I方向から、視認することができる。このため、万一抜去動作の間に、不具合が発生しても、操作者が外部から容易に視認することができて、操作の進行状況を監視することができる。
また、操作部材4L、4Rを透明な材料などで形成する必要がないため、材料の選択自由度が増えて、部品コストを低減することが可能である。
注射器補助治具1では、操作部材4L、4Rを所定の速度で閉じる場合の、針キャップ54および針キャップ保持部材6の移動速度は、カム孔2cの形状を適宜設定することにより適宜抑制することができる。このため、抜去時の針キャップ54に勢いがつきすぎて、針キャップ54が遠くまで飛んだりする不具合を防止できる。
例えば、従来技術では抜去動作では、針キャップ54の引き抜きに要する抵抗は抜去の初期で最大となり、ある程度進むと、緩衝材54bと注射針53との摩擦が急峻に減少するため、このタイミングで針キャップ54が急に加速される。しかし、本実施形態によれば、このような摩擦が変化するタイミングで針キャップ保持部材6が保持状態になるようにすることで、針キャップ54の加速を抑制することができる。
また、保持状態から保持解除状態に切り替わる際には、針キャップ54の側方に押え部6Cが近接している状態である。これにより、保持解除状態になった状態でも、針キャップ54の動きが、押え部6Cによってある程度規制されるため、例えば、針キャップ54を基端側から押し出して無拘束の状態で抜去する場合に比べて、抜去後の針キャップ54の位置のバラツキを低減することができる。
なお、上記実施形態の説明では、操作部材4L、4Rの開閉を中心軸線O5に関して線対称に行う場合の例で説明したが、完全に線対称に行うことは必須ではない。例えば、操作者が右手で操作するか左手で操作するかに応じて、非対称の開閉動作が行われるようにしてもよい。
また、同様にして、上記では、線対称な形状、配置として説明した各部、各部材も、厳密な対称性は必須ではなく、略線対称な形状、配置や、対称性を有しない形状、配置とすることも可能である。
上記実施形態の説明では、第3ガイド面5nを、湾曲面部5j、平面部5kから構成することにより、第1ガイド面5hによって保持解除状態から保持状態に到るよりも急峻に保持状態から保持解除状態に到る場合の例で説明したが、このように設定することは必須ではない。
例えば、第3ガイド面5nの形状を、より長い区間の間で、漸次中心軸線O5から離間する傾斜面や湾曲面で構成することにより、保持状態から保持解除状態に到る際の各押え部6Cの拡幅動作の変化を緩めることが可能である。
上記実施形態の説明では、針キャップ54が、一対の内側突起6i、針キャップ受け面6bによって、略3点保持される場合の例で説明したが、略3点保持することは必須ではない。例えば、3点以上の多点で保持してもよいし、内側突起6iに代えて、溝内面6gで保持してもよい。
例えば、溝内面6gで保持する場合、溝内面6gを、軟性材料、針キャップ54に対して摩擦係数が大きくなるゴムや発泡材などの材料、あるいは摩擦係数が大きくなる粗面で形成することが可能である。この場合、針キャップ54の外周面に溝内面6gが面状に押圧されることにより、針キャップ54を保持する構成とすることも可能である。
上記の実施形態に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせを代えたり、削除したりして実施することができる。
1 注射器補助治具
2L、2R カム板部
2a グリップ部
2c カム孔
3L、3R ハンドルレバー
3a アーム部
3b 回転軸
4L、4R 操作部材
5 注射器収容部材(注射器収容部)
5A 底板
5B ガイド柱部
5a スライド面
5b ガイド孔部
5g フランジ収容穴
5h 第1ガイド面(第1案内部)
5i 第2ガイド面(第2案内部)
5n 第3ガイド面(第3案内部)
6 針キャップ保持部材
6A スライド板
6B 針キャップ受け台(保持部)
6C 押え部(保持部)
6a 係合ピン
6b 針キャップ受け面
6c ばね部(弾性体)
6d、6d1、6d2、6d3 押圧部
6e 第1側面
6f 第2側面
6i 内側突起(保持部)
10 連動機構
50 注射器
51 外筒部
51a フランジ部
53 注射針
54 針キャップ
54a キャップ本体
C、O5、O6A、O6a 中心軸線

Claims (4)

  1. 注射器に固定された注射針にかぶせられた針キャップを抜去する注射器補助治具であって、
    前記針キャップが装着された前記注射器を配置して、前記注射針の中心軸線に沿う軸線方向における前記注射器の位置を固定する注射器収容部と、
    前記針キャップを前記軸線方向に対する側方から保持する針キャップ保持部材と、
    該針キャップ保持部材が前記針キャップを保持する保持状態と該保持状態を解除される保持解除状態とを切り替えるとともに、前記保持状態において前記針キャップ保持部材を前記軸線方向に沿って移動させる連動機構部と、
    該連動機構部の動作を操作する操作部材と、
    を備える、注射器補助治具。
  2. 前記針キャップ保持部材は、
    前記針キャップの外周面を半周以上にわたって囲むことができるとともに、前記針キャップの外周面を間に挟んで接離可能な保持部を備え、
    前記保持部は、
    前記保持状態において前記針キャップの中心部に向かって前記針キャップの外周面を押圧する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の注射器補助治具。
  3. 前記保持部は、
    弾性体に支持され、該弾性体の変形により、前記針キャップの外周面を押圧可能な位置に移動する押圧部を有し、
    前記連動機構部は、
    前記押圧部を、前記針キャップの外周面の側方に離間する位置から前記外周面を押圧する位置に案内する第1案内部と、
    前記押圧部を、前記外周面を押圧する位置に保持する第2案内部と、
    前記押圧部を、前記外周面を押圧する位置から前記外周面の側方に離間する位置に案内する第3案内部と、
    を、前記針キャップ保持部材の移動方向に沿って、この順に備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の注射器補助治具。
  4. 前記操作部材は、
    前記注射器収容部に配置された前記注射器の中心軸線に関して線対称に移動するように設けられ、
    前記連動機構部は、
    前記操作部材が前記中心軸線の近づく際の前記操作部材の動きを、前記軸線方向に沿う動きに変換して、前記針キャップ保持部材に伝達する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の注射器補助治具。
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