JP2015207408A - 黒鉛負極材及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温での電池特性と低温での電池特性の両方に優れたリチウムイオン二次電池を製造するために有益な黒鉛負極材を提供する。【解決手段】窒素ガス吸着法で測定した5〜1000Åの細孔の合計細孔容積が0.005cc/g以上である黒鉛負極材を提供する。好ましくは、窒素ガス吸着法で測定した50〜300Åの細孔の合計細孔容積、0.003cc/g以上とする。【選択図】 なし
Description
本発明は、高温特性と低温特性の両方に優れた電池を提供するための電極材料に関する。
リチウムイオン電池はエネルギー密度が高く、出力特性も比較的良いことから今後自動車や蓄電池として広く普及されると期待されている。
車載用途、定置型蓄電池で重要視される高温特性と低温特性を両立できる優れた電池を提供することが求められている。
特許文献1には、50〜400Åのマクロ孔容積が0.05〜0.4cc/g以上である電極活物質用表面複合炭素材料が開示されている。しかしながら、これには表層にカーボンブラックが具備されており、マクロ孔容積が非常に大きいために溶媒和したリチウムイオンの活物質表面への吸着効果だけが高まり、リチウムイオンの活物質粒子内への挿入反応は速まらない。
特許文献2には、マクロ孔の容積が0.005〜0.03cc/gであって、メソ孔とマクロ孔を合計した細孔容積が0.005〜0.04cc/gであるリチウムイオン二次電池用炭素負極材が開示されている。
この炭素材料は黒鉛とハードカーボンが混合されてなるものであるが、ハードカーボンは放電容量が低いこと、及び作動電圧が緩やかに上昇・下降するため電池の作動電圧が常に変動する。
この炭素材料は黒鉛とハードカーボンが混合されてなるものであるが、ハードカーボンは放電容量が低いこと、及び作動電圧が緩やかに上昇・下降するため電池の作動電圧が常に変動する。
本発明においては、高温特性と低温特性の両方に優れた特性を示すリチウムイオン二次電池用黒鉛負極材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
(1)窒素ガス吸着法で測定した5〜1000Åの細孔の合計細孔容積が0.005cc/g以上である黒鉛負極材。
(2)窒素ガス吸着法で測定した50〜300Åの細孔の合計細孔容積が0.003cc/g以上である(1)に記載の黒鉛負極材。
(3)体積基準の累積粒子径において、10%径(D10)が7μm以上13μm以下、90%径(D90)が30μm以上50μm以下である(1)または(2)に記載の黒鉛負極材。
(4)体積基準の累積粒子径において、10%径D10が2μm以上8μm以下、D90%径が30μm以上40μm以下である(1)または(2)に記載の黒鉛負極材。
(5)BET比表面積が0.5m2/g以上4.0m2/g以下、体積基準の50%径(D50)が4μm以上30μm以下、002面の平均面間隔d002が0.3354nm以上0.3370nm以下、ラマンスペクトルのR値(レーザーラマンスペクトルによる1580cm-1付近のピーク強度に対する1360cm-1付近のピーク強度比)が0.05以上1.5以下である(1)乃至(4)のいずれかに記載の黒鉛負極材。
(6)(1)乃至(5)のいずれかに記載の黒鉛負極材を用いたリチウムイオン二次電池。
(1)窒素ガス吸着法で測定した5〜1000Åの細孔の合計細孔容積が0.005cc/g以上である黒鉛負極材。
(2)窒素ガス吸着法で測定した50〜300Åの細孔の合計細孔容積が0.003cc/g以上である(1)に記載の黒鉛負極材。
(3)体積基準の累積粒子径において、10%径(D10)が7μm以上13μm以下、90%径(D90)が30μm以上50μm以下である(1)または(2)に記載の黒鉛負極材。
(4)体積基準の累積粒子径において、10%径D10が2μm以上8μm以下、D90%径が30μm以上40μm以下である(1)または(2)に記載の黒鉛負極材。
(5)BET比表面積が0.5m2/g以上4.0m2/g以下、体積基準の50%径(D50)が4μm以上30μm以下、002面の平均面間隔d002が0.3354nm以上0.3370nm以下、ラマンスペクトルのR値(レーザーラマンスペクトルによる1580cm-1付近のピーク強度に対する1360cm-1付近のピーク強度比)が0.05以上1.5以下である(1)乃至(4)のいずれかに記載の黒鉛負極材。
(6)(1)乃至(5)のいずれかに記載の黒鉛負極材を用いたリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、高温特性と低温特性の両方に優れたリチウムイオン二次電池を実現することができる。
(黒鉛電極材)
本発明の一実施態様の黒鉛負極材においては、窒素ガス吸着法で測定した5〜1000Åの細孔の合計細孔容積が0.005cc/g以上であり、より好ましくは0.005cc/g以上0.010cc/g以下、さらに好ましくは0.005cc/g以上0.008cc/g以下である。このような物性値とすることにより、高温電池特性と低温電池特性の両方が優れた電池を提供することが可能となる。
本発明の一実施態様の黒鉛負極材においては、窒素ガス吸着法で測定した5〜1000Åの細孔の合計細孔容積が0.005cc/g以上であり、より好ましくは0.005cc/g以上0.010cc/g以下、さらに好ましくは0.005cc/g以上0.008cc/g以下である。このような物性値とすることにより、高温電池特性と低温電池特性の両方が優れた電池を提供することが可能となる。
本発明の一実施態様の黒鉛負極材においては、窒素ガス吸着法で測定した50〜300Åの細孔の合計細孔容積が0.003cc/g以上であり、好ましくは0.003cc/g以上0.004cc/g以下である。このような物性値とすることにより、高温電池特性と低温電池特性の両方が優れた電池を提供することが可能となる。
黒鉛負極材の製造工程における粉砕条件をコントロールすることで、所望の
細孔容積とすることが可能である。粉砕時間をより長く、又は粉砕ローター回
転数を高くすること等により粉砕強度を上げると、5〜1000Åの細孔の細
孔容積および50〜300Åの細孔の合計細孔容積を増加させることが可能である。
細孔容積とすることが可能である。粉砕時間をより長く、又は粉砕ローター回
転数を高くすること等により粉砕強度を上げると、5〜1000Åの細孔の細
孔容積および50〜300Åの細孔の合計細孔容積を増加させることが可能である。
本発明では、BET比表面積が0.5m2/g以上4.0m2/g以下の黒鉛負極材を使用することが好ましく、より好ましくは0.8m2/g以上2.5m2/g以下、さらに好ましくは1.3m2/g以上2.3m2/g以下である。
このようなBET比表面積の範囲とすることにより、放電レート特性が向上する。さらに、電極作製時のスラリー粘度も最適化することができるので、電極製造工程が容易になり、作製した電極自体の剥離強度も向上する。
このようなBET比表面積の範囲とすることにより、放電レート特性が向上する。さらに、電極作製時のスラリー粘度も最適化することができるので、電極製造工程が容易になり、作製した電極自体の剥離強度も向上する。
好ましい一実施態様としては、体積基準の累積50%粒子径(D50)が4μm以上30μm以下、より好ましくは10μm以上25μm以下、さらに好ましくは15μm以上25μm以下である。このようなD50の範囲とすることにより、放電レート特性が向上する。さらに、電極作製時のスラリー粘度も最適化することができるので、電極製造工程が容易になり、作製した電極自体の剥離強度も向上する。
好ましい一実施態様としては、体積基準の累積10%粒子径D10が2μm以上13μmである。累積90%径D90は30〜50μmとすることが好ましく、より好ましくは35μm以上45μm以下、さらに好ましくは37μm以上43μm以下である。
高温での電池特性をさらに向上させたい場合には、D10を7μm以上13μm以下とすることが好ましく、より好ましくは8μm以上12μm以下である。この場合、D90は30〜50μmとすることが好ましく、より好ましくは35μm以上45μm以下、さらに好ましくは37μm以上43μm以下である。
低温での電池特性をさらに向上させたい場合には、D10を2〜8μm、D90を30〜40μmとするのが好ましく、さらに好ましくは、D10を3〜5μm、D90を30〜35μmとするとよい。
好ましい実施形態の黒鉛負極材は、粉末X線回折法によって測定される002回折ピークに基づく002面の平均面間隔d002が0.3354nm以上0.3370nm以下、より好ましくは0.3358nm以上0.3370nm以下、さらに好ましくは0.3360nm以上0.3369nm以下である。
このようなd002とすることで、放電容量が向上する。
このようなd002とすることで、放電容量が向上する。
本発明に係る好ましい実施形態の複合黒鉛粒子は、c軸方向の結晶子サイズLcが好ましくは30nm以上、より好ましくは50〜100nmである。
Lcをこのような範囲とすることで、初回の充放電効率および放電容量の最適化を図ることが可能である。
Lcをこのような範囲とすることで、初回の充放電効率および放電容量の最適化を図ることが可能である。
好ましい実施形態の黒鉛負極材は、ラマンスペクトルのR値(レーザーラマンペクトルによる1580cm-1付近のピーク強度に対する1360cm-1付近のピーク強度比)が0.05以上1.5以下であり、より好ましくは0.07以上1.2以下である。
R値をこのような範囲とすることで、初回の充放電効率および放電容量の最適化を図ることが可能である。
R値をこのような範囲とすることで、初回の充放電効率および放電容量の最適化を図ることが可能である。
(製造方法)
好ましい実施形態の黒鉛負極材は、原料として石炭系コークス、石油系コークスなどを黒鉛化することで使用可能である。黒鉛化は、アチソン炉、電磁誘導加熱炉等を使用して、通常2800℃〜3500℃で加熱することにより行われる。
好ましい実施形態の黒鉛負極材は、原料として石炭系コークス、石油系コークスなどを黒鉛化することで使用可能である。黒鉛化は、アチソン炉、電磁誘導加熱炉等を使用して、通常2800℃〜3500℃で加熱することにより行われる。
(粉砕工程)
粉砕は、黒鉛化工程の前に行っても後に行っても良いが、黒鉛化工程の後に粉砕を行うと黒鉛負極材のBET比表面積が大きくなりすぎる場合があるので、黒鉛化工程の前に行うのが好ましい。粉砕工程においては、通常用いられる粉砕装置を使用することができ、例えば、メカノフュージョン(登録商標)、ノビルタ(登録商標)、振動ボールミル、コニカルボールミル、ウルトラファインミル、ACMパルベライザー(登録商標)、ニューコスモマイザー、ジェットミルなどが使用可能である。
粉砕は、黒鉛化工程の前に行っても後に行っても良いが、黒鉛化工程の後に粉砕を行うと黒鉛負極材のBET比表面積が大きくなりすぎる場合があるので、黒鉛化工程の前に行うのが好ましい。粉砕工程においては、通常用いられる粉砕装置を使用することができ、例えば、メカノフュージョン(登録商標)、ノビルタ(登録商標)、振動ボールミル、コニカルボールミル、ウルトラファインミル、ACMパルベライザー(登録商標)、ニューコスモマイザー、ジェットミルなどが使用可能である。
粉砕条件としては、細孔分布を調整するために、より粉砕強度が増す条件を採用することが好ましい。粉砕強度を増加させるためには、原料の供給量を減らし、ローター回転数を上げるか、若しくは粉砕時間を長くすることが有効である。
(分級工程)
特に限定されないが、例えば 気流分級機を用いることができる。ターボクラシファイヤー、サイクロン、ミクロンセパレータ、ミクロプレックス(登録商標)などが使用可能である。その他では、篩に通すことも有効である。
特に限定されないが、例えば 気流分級機を用いることができる。ターボクラシファイヤー、サイクロン、ミクロンセパレータ、ミクロプレックス(登録商標)などが使用可能である。その他では、篩に通すことも有効である。
(混合工程)
特に限定されないが、例えば、ナウターミキサー、リボンミキサー、ヘンシェルミキサーなどが使用可能である。
特に限定されないが、例えば、ナウターミキサー、リボンミキサー、ヘンシェルミキサーなどが使用可能である。
製造方法の一実施態様として、例えば、石炭系コークスをACMパルベライザー(登録商標)で粉砕し、ターボクラシファイヤーで目標の粒度分布に合わせる。その後、黒鉛製のルツボに充填してアチソン炉を用いて3000℃以上で加熱して黒鉛化を行い、目開き63μmの大きさの篩で粗粉部分をカットすることによって本願発明の特性を有する黒鉛負極材を製造する方法が例示可能である。
(正極)
Liを含み、充電することによりそのLiを放出することができる物質を電極活物質として使用することが可能である。例えば、リン酸金属リチウム、リチウム含有金属酸化物を用いることができる。
Liを含み、充電することによりそのLiを放出することができる物質を電極活物質として使用することが可能である。例えば、リン酸金属リチウム、リチウム含有金属酸化物を用いることができる。
電極活物質(単に活物質ということもある。)は導電助材と結着剤などを混合して合剤とし、該合剤を集電体に塗布してシート状の電極とすることができる。
結着剤としては任意に選択できるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー、エチレンプロピレンターポリマー、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエピクロルヒドリン、ポリファスファゼン、ポリアクリロニトリル、等を例示できる。
導電助材としては任意に選択できるが、銀粉などの導電性金属粉;ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどの導電性カーボン粉;カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、気相法炭素繊維などが挙げられる。導電性助剤としては気相法炭素繊維が好ましい。気相法炭素繊維は、その繊維径が5nm以上0.2μm以下であることが好ましい。繊維長さ/繊維径の比が5〜1000であることが好ましい。気相法炭素繊維の含有量は電極活物質100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
(電解液)
非プロトン性溶媒にリチウム塩が溶解されてなる非水電解質を例示できる。
非プロトン性溶媒にリチウム塩が溶解されてなる非水電解質を例示できる。
非プロトン性溶媒は任意に選択されるが、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ―ブチロラクトン、およびビニレンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合溶媒が好ましい。
また、リチウム塩には、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSO3CF3、CH3SO3Li、CF3SO3Li等が挙げられる。
また、リチウム塩には、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSO3CF3、CH3SO3Li、CF3SO3Li等が挙げられる。
また非水電解質として、いわゆる固体電解質またはゲル電解質を用いることもできる。固体電解質またはゲル電解質としては、スルホン化スチレン−オレフィン共重合体などの高分子電解質、ポリエチレンオキシドとMgClO4を用いた高分子電解質、トリメチレンオキシド構造を有する高分子電解質などが挙げられる。高分子電解質に用いられる非水系溶媒としては、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ―ブチロラクトン、およびビニレンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
更に、本実施形態の好ましい実施態様におけるリチウムイオン二次電池は、正極、負極、非水電解質のみに限られず、必要に応じて他の部材等を備えていても良い。例えば正極と負極を隔離するセパレータを具備しても良い。セパレータは、非水電解質がポリマー電解質でない場合には必須である。例えば、不織布、織布、微細孔質フィルムなどや、それらを組み合わせたものなどが挙げられる。より具体的には、多孔質のポリプロピレンフィルム、多孔質のポリエチレンフィルム等を適宜使用できる。
正極集電体としては任意に選択できるが、導電性金属の箔、導電性金属の網、導電性金属のパンチングメタルなどが挙げられる。導電性金属としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金が好ましい。正極集電体には、正極合材との導電性を向上させるために炭素膜を形成しておいてもよい。また、負極集電体としては、導電性金属の箔、導電性金属の網、導電性金属のパンチングメタルなどが挙げられる。導電性金属としては銅または銅の合金が好ましい。
(電池形態)
電池の形態はコイン型、円筒型、ラミネート型など任意の形態を用いることができる。
電池の形態はコイン型、円筒型、ラミネート型など任意の形態を用いることができる。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。 実施例及び比較例において採用した物性の測定方法は以下の通りである。
1.作製したラミネート型電池の具体的な条件
・電池容量(未使用時):30mAh
(正極)
・正極活物質:リン酸鉄リチウム(90質量%)
・正極導電助剤:カーボンブラック(3質量%)、気相成長炭素繊維(2質量%)
・正極バインダ:ポリフッ化ビニリデン(5質量%)
(負極)
・負極活物質:黒鉛負極材(97質量%)
・負極バインダ:スチレンブタジエンゴム(1.5質量%)、カルボキシメチルセルロース(1.5質量%)
(セパレータ)
・ポリプロピレン製セパレータ
(電解液)
・電解質:六フッ化リン酸リチウム(1mol/L)
・溶媒:エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートの混合液
・電池容量(未使用時):30mAh
(正極)
・正極活物質:リン酸鉄リチウム(90質量%)
・正極導電助剤:カーボンブラック(3質量%)、気相成長炭素繊維(2質量%)
・正極バインダ:ポリフッ化ビニリデン(5質量%)
(負極)
・負極活物質:黒鉛負極材(97質量%)
・負極バインダ:スチレンブタジエンゴム(1.5質量%)、カルボキシメチルセルロース(1.5質量%)
(セパレータ)
・ポリプロピレン製セパレータ
(電解液)
・電解質:六フッ化リン酸リチウム(1mol/L)
・溶媒:エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートの混合液
2.電池特性評価
25℃において4.15Vまで0.1CでCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行った。次に4.15VでCV(コンスタントボルト:定電圧)充電に切り替え、電流値が0.05Cまで低下した時点で停止させた。放電は0.1CでCC放電を行い、電圧2.8Vでカットオフした。この充放電を10サイクル実施した後に、各種電池特性評価を行った。この時の放電容量を25℃での放電容量とした。
25℃において4.15Vまで0.1CでCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行った。次に4.15VでCV(コンスタントボルト:定電圧)充電に切り替え、電流値が0.05Cまで低下した時点で停止させた。放電は0.1CでCC放電を行い、電圧2.8Vでカットオフした。この充放電を10サイクル実施した後に、各種電池特性評価を行った。この時の放電容量を25℃での放電容量とした。
(高温保存特性)
25℃にて4.15Vまで上記の条件で満充電させた状態にした電池を50℃の環境下に30日間放置し、その後に0.1CでCC放電させて放電容量を測定した。25℃の放電容量に対して、30日間50℃放置後の放電容量の割合を算出し、これを高温保存特性として評価した。
25℃にて4.15Vまで上記の条件で満充電させた状態にした電池を50℃の環境下に30日間放置し、その後に0.1CでCC放電させて放電容量を測定した。25℃の放電容量に対して、30日間50℃放置後の放電容量の割合を算出し、これを高温保存特性として評価した。
(高温充放電サイクル特性)
45℃にて4.15Vまで2CでCC充電し、その後4.15VでCV充電させて電流値が0.05Cまで低下した時点で停止させた。その後、2CでCC放電を行い、電圧2.8Vでカットした。この充放電のサイクルを1000回実施し、1回目の放電容量に対して1000回目の放電容量の割合を算出し、高温サイクル特性として評価した。
45℃にて4.15Vまで2CでCC充電し、その後4.15VでCV充電させて電流値が0.05Cまで低下した時点で停止させた。その後、2CでCC放電を行い、電圧2.8Vでカットした。この充放電のサイクルを1000回実施し、1回目の放電容量に対して1000回目の放電容量の割合を算出し、高温サイクル特性として評価した。
(低温レート特性)
25℃にて4.15Vまで上記の条件で満充電させた状態にした電池を0℃の環境下にして、0.5CでCC放電させて放電容量を測定した。25℃の放電容量に対して、0℃環境下0.5C放電させた時の放電容量の割合を算出し、これを低温レート特性として評価した。
25℃にて4.15Vまで上記の条件で満充電させた状態にした電池を0℃の環境下にして、0.5CでCC放電させて放電容量を測定した。25℃の放電容量に対して、0℃環境下0.5C放電させた時の放電容量の割合を算出し、これを低温レート特性として評価した。
(低温充放電サイクル)
0℃にて4.15Vまで0.5CでCC充電し、その後4.15VでCV充電させて電流値が0.05Cまで低下した時点で停止させた。その後、1CでCC放電を行い、電圧2.8Vでカットした。この充放電のサイクルを50回実施し、1回目の放電容量に対して50回目の放電容量の割合を算出し、高温サイクル特性として評価した。
0℃にて4.15Vまで0.5CでCC充電し、その後4.15VでCV充電させて電流値が0.05Cまで低下した時点で停止させた。その後、1CでCC放電を行い、電圧2.8Vでカットした。この充放電のサイクルを50回実施し、1回目の放電容量に対して50回目の放電容量の割合を算出し、高温サイクル特性として評価した。
3.細孔分布の測定方法
カンタクローム社製のオートソーブを用いて、窒素ガス吸着法によって測定を行った。BJH法によりデータを解析して細孔分布を測定し、合計細孔容積の容量を算出した。
カンタクローム社製のオートソーブを用いて、窒素ガス吸着法によって測定を行った。BJH法によりデータを解析して細孔分布を測定し、合計細孔容積の容量を算出した。
4.X線測定
リガク製X線回折装置RINTを用いて、粉末X線回折法により測定を行った。標準材料としてシリコンを用いてd002を学振法に則って算出を行った。
リガク製X線回折装置RINTを用いて、粉末X線回折法により測定を行った。標準材料としてシリコンを用いてd002を学振法に則って算出を行った。
5.ラマンR値
日本分光製NRS3100を用いて、励起波長532nm、入射スリット幅200μm、露光時間15秒、積算2回、回折格子600本/mmの条件でラマン分光スペクトルを測定し、1360cm-1の付近にあるピーク強度(ID)と1580cm-1の付近にあるピーク強度(IG)との強度比ID/IGをR値とした。
日本分光製NRS3100を用いて、励起波長532nm、入射スリット幅200μm、露光時間15秒、積算2回、回折格子600本/mmの条件でラマン分光スペクトルを測定し、1360cm-1の付近にあるピーク強度(ID)と1580cm-1の付近にあるピーク強度(IG)との強度比ID/IGをR値とした。
6.粒度分布測定
水中に界面活性剤を数滴垂らし、そこに超音波洗浄機にかけてサンプルを分散させ、マスターサイザー(登録商標)(レーザー回折法)を用いて粒度分布の測定を行った。
水中に界面活性剤を数滴垂らし、そこに超音波洗浄機にかけてサンプルを分散させ、マスターサイザー(登録商標)(レーザー回折法)を用いて粒度分布の測定を行った。
(実施例1)
石油系コークスを原料として用い、ACMパルベライザー(登録商標)15HCを用いて、ローター回転数:5000rpmに調整し粉砕を行った。その後、ターボクラシファイヤーTC−15Nを用いて粒度分布を調整した。粒度調整品を黒鉛製のルツボに充填し、アチソン炉を用いて3000℃以上で加熱して黒鉛化を行い、冷却後に目開き63μmの篩を通して製品を得た。この製品の物性値を表1に示す。
石油系コークスを原料として用い、ACMパルベライザー(登録商標)15HCを用いて、ローター回転数:5000rpmに調整し粉砕を行った。その後、ターボクラシファイヤーTC−15Nを用いて粒度分布を調整した。粒度調整品を黒鉛製のルツボに充填し、アチソン炉を用いて3000℃以上で加熱して黒鉛化を行い、冷却後に目開き63μmの篩を通して製品を得た。この製品の物性値を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で製品を作製したが、粉砕後の粒度分布調整を変更して微粉量を実施例1よりも増やした。
実施例1と同様の手順で製品を作製したが、粉砕後の粒度分布調整を変更して微粉量を実施例1よりも増やした。
(比較例1)
実施例1と同様の手順で製品を作製したが、粉砕時のローター回転数を3000rpmと遅くして粉砕強度を下げた。その後の粒度調整、黒鉛化、篩がけは実施例1と同様に行った。
実施例1と同様の手順で製品を作製したが、粉砕時のローター回転数を3000rpmと遅くして粉砕強度を下げた。その後の粒度調整、黒鉛化、篩がけは実施例1と同様に行った。
(比較例2)
実施例1で得た製品を、ターボクラシファイヤーTC−15Nを用いて微粉部分をカットして製品を得た。
実施例1で得た製品を、ターボクラシファイヤーTC−15Nを用いて微粉部分をカットして製品を得た。
Claims (6)
- 窒素ガス吸着法で測定した5〜1000Åの細孔の合計細孔容積が0.005cc/g以上である黒鉛負極材。
- 窒素ガス吸着法で測定した50〜300Åの細孔の合計細孔容積が0.003cc/g以上である請求項1に記載の黒鉛負極材。
- 体積基準の累積粒子径において、10%径(D10)が7μm以上13μm以下、90%径(D90)が30μm以上50μm以下である請求項1または2に記載の黒鉛負極材。
- 体積基準の累積粒子径において、10%径(D10)が2μm以上8μm以下、D90%径(D90)が30μm以上40μm以下である請求項1または2に記載の黒鉛負極材。
- BET比表面積が0.5m2/g以上4.0m2/g以下、体積基準の50%径(D50)が4μm以上30μm以下、002面の平均面間隔d002が0.3354nm以上0.3370nm以下、ラマンスペクトルのR値(レーザーラマンスペクトルによる1580cm-1付近のピーク強度に対する1360cm-1付近のピーク強度比)が0.05以上1.5以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の黒鉛負極材。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の黒鉛負極材を用いたリチウムイオン二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014086410A JP2015207408A (ja) | 2014-04-18 | 2014-04-18 | 黒鉛負極材及びリチウムイオン二次電池 |
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JP2014086410A JP2015207408A (ja) | 2014-04-18 | 2014-04-18 | 黒鉛負極材及びリチウムイオン二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015207408A true JP2015207408A (ja) | 2015-11-19 |
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Family Applications (1)
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JP2014086410A Pending JP2015207408A (ja) | 2014-04-18 | 2014-04-18 | 黒鉛負極材及びリチウムイオン二次電池 |
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JP (1) | JP2015207408A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3483971A4 (en) * | 2016-12-26 | 2019-11-13 | Showa Denko K.K. | LITHIUM-ION BATTERY SOLID STATE |
WO2024103274A1 (zh) * | 2022-11-16 | 2024-05-23 | 开封瑞丰新材料有限公司 | 负极材料及电池 |
-
2014
- 2014-04-18 JP JP2014086410A patent/JP2015207408A/ja active Pending
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