JP2015206583A - 床置き型の空調室内ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可燃性冷媒であるR32冷媒を使用する床置き型の空調室内ユニットは、ケーシングが室内空気を吸込む吸込口28を下部に有し、吸込口28の少なくとも一部が床面FFから500mmの高さ位置よりも低い位置に配置されている。吸込口開閉機構は、運転継続時に吸込口28を開き、運転停止時に吸込口28を閉じるように構成されている。
【選択図】図3
Description
<第1実施形態>
(1)全体構成
本発明の第1実施形態に係る空調室内ユニットの全体構成について説明する。図1は、空気調和装置の概要を示す回路図である。図1に示されるように、室内RSに設置される空調室内ユニット20は、空調室外ユニット30に接続されて空気調和装置10を構成する。図1において、各装置を繋ぐ実線は冷媒配管を表しており、各装置を繋ぐ破線は信号伝送線路を表している。
図2は、制御系統の構成の概略を示すブロック図である。空気調和装置10における空気調和の動作を正しく効率よく行わせるために、空気調和装置10は、図2に示される制御装置60によって制御される。制御装置60は、室内制御装置61及び室外制御装置62を含み、室内制御装置61が空調室内ユニット20の中に組み込まれ、室外制御装置62が空調室外ユニット30の中に組み込まれている。室内制御装置61と室外制御装置62とは、通信線12cを介して互いに接続されて互いにデータの送受信を行っている。室内制御装置61及び室外制御装置62は、CPU(中央演算処理装置)やメモリや周辺回路などを含んで構成されている。
(3−1)冷媒
空調室内ユニット20の中の室内熱交換器21を流れる冷媒は、空気よりも比重の大きな可燃性冷媒である。ここでは、室内熱交換器21を流れる冷媒として、R32冷媒を使用している場合について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、R1234yf、R717(アンモニア)、R290(プロパン)、及びこれらの混合物又はこれらのR32との混合物としての冷媒であっても同様である。R32冷媒は、微燃性冷媒と呼ばれる場合もあるが、ここでは微燃性冷媒と呼ばれるものも可燃性冷媒に分類する。R32冷媒が室内RSにおいて漏洩した場合でもR32冷媒の空気中の濃度が可燃濃度にならなければ燃焼せず、R32冷媒が燃焼を起こす濃度の範囲である燃焼範囲には下限と上限とがある。つまり、漏洩したR32冷媒の空気中の濃度が燃焼範囲の下限よりも低い場合には火気があってもR32冷媒は燃焼しない。また、漏洩したR32冷媒の空気中の濃度が燃焼範囲の上限よりも高い場合には火気があってもR32冷媒は燃焼しない。
空調室内ユニット20の構成について図3乃至図5を用いて詳細に説明する。図3は空調室内ユニット20の外観を示す正面図であり、図4は空調室内ユニット20の外観を示す斜視図であり、図5は空調室内ユニット20の内部を説明するための模式的な断面図である。図4から分かるように、空調室内ユニット20は、略直方体の形状をした筐体であるケーシング50を有しており、この明細書における説明では、空調室内ユニット20についての上下方向、前後方向及び左右方向が図4中に矢印で示されている方向であるものとする。
図6(a)には、空調室内ユニット20の運転停止時の吸込口28の状態が示され、図6(b)には、図6(a)のI−I線で切断した吸込口28の一部が拡大して示されている。また、図7(a)には、空調室内ユニット20の運転継続時の吸込口28の状態が示され、図7(b)には、図7(a)のII−II線で切断した吸込口28の一部が拡大して示されている。
吹出口29には、吹出口開閉機構でもある風向調節機構80によって左右方向の風向を調節する垂直羽根81が設けられている。垂直羽根81は、風向調節機構80を構成するステッピングモータなどの駆動手段(図示せず)によって駆動される。また、吹出口29においては、上下方向の風向を調節するため垂直羽根81と直交する向きに水平羽根82が設けられている。この水平羽根82は、この空調室内ユニット20においては手動で動作させる構成になっている。しかし、水平羽根82も風向調節機構80で駆動するように構成することも可能である。
本実施形態では、図5に示されるように、ケーシング50の下部領域に室内ファン22が配設されており、ケーシング50の上部領域に室内熱交換器21が配設されている。そして、上部領域と下部領域とを連通する開口である、前記室内ファン22のファン吹出口90にファン吹出口開閉機構91が設けられている。
ファン吹出口開閉機構91は、図5及び図8に示されるように、ファン吹出口90を閉止し得る大きさの矩形の閉鎖プレート92と、当該閉鎖プレート92の一側縁に設けられた回動軸93と、モータ94とを備えている。モータ94は回転軸94aを有しており、この回転軸94aの先端が前記回動軸93の一端に連結されている。回動軸93の他端は、ケーシング50の下部領域と上部領域とを仕切る仕切板95に形成された凹部96内に回動自在に差し込まれている。室内制御装置61によりモータ94の駆動を制御して当該モータ94を正転又は逆転させることで、閉鎖プレート92を、ファン吹出口90を閉鎖した状態とファン吹出口90を開放した状態との間で回動させることができる。
吸込口開閉機構70、風向調節機構80及びファン吹出口開閉機構91の制御を、図9のフローチャートに沿って説明する。まず、空調室内ユニット20に対してユーザが操作盤65を使って電源をONする入力を室内制御装置61に対して行なう(ステップST1)。このとき、吸込口28はブレード71によって閉じられており、ファン吹出口90は閉鎖プレート92によって閉じられており、吹出口29は開放されている。次に、電源をONした後に、例えばタイマーなどによって運転開始時間を後に遅らせる場合もあるので、室内制御装置61は、運転が開始されるか否かを判断する(ステップST2)。
(5)詳細構成
第1実施形態に係る空調室内ユニット20では、運転停止時に、吹出口29を開放するように構成したが、室内RSの広さ及び使用状態、R32冷媒の使用量並びに連絡配管の長さなどによっては、漏洩したR32冷媒を空調室内ユニット20の内部にできるだけ閉じ込めるようにした方が良い場合がある。
(6−1)
以上説明したように、空気よりも比重の大きな可燃性冷媒であるR32冷媒を使用する床置き型の空調室内ユニット20は、ケーシング50(筐体の例)が室内空気を吸込む吸込口28を下部に有し、吸込口28の少なくとも一部が床面FFから500mmの高さ位置よりも低い位置に配置されている。具体的には、吸込口28の開口下端部28aの床面FFからの高さh2が500mm未満に設定され、上記実施形態では高さh2が100mm程度である。そして、吸込口開閉機構80は、運転継続時に吸込口28を開き(ステップST3)、運転停止時に吸込口を閉じる(ステップST5,ST7,ST15,ST17)。
ケーシング50は、室内RSに調和空気を吹出す吹出口29を上部に有し、吹出口29の開口下端部29a(下端の例)が床面から1500mm以上の高さに位置する。具体的には、空調室内ユニット20の吹出口29の開口下端部29aの床面FFからの高さh4は1550mm程度である。このような構成により、漏れるR32冷媒の量が多くても、ケーシング50の吹出口29つまり比較的高所からR32冷媒をケーシング50から室内RSに漏れ出させることができる。漏れたR32冷媒が空調室内ユニット20の内部に充満してR32冷媒が吹出口29から室内RSに溢れ出すことにより吹出口29から床面FFに向かって流れ落ちるときに、吹出口29の開口下端部29aが位置する1550mmの高さから流れ落ちるためにR32冷媒の拡散効果が高くなる。その結果、床面FFにおいてR32冷媒が可燃濃度に達しにくくなり、空調室内ユニット20内でR32冷媒の漏洩が起きたときに火災事故の発生のリスクを低減させることができる。
第1実施形態に係る空調室内ユニット20のケーシング50では、運転停止時に吹出口29が閉じないように構成されている(ステップST5、ST7)。運転停止中には、吹出口29を開放して、1500mm以上の高さに位置する吹出口29の開口下端部29aからケーシング50内に充満した漏れたR32冷媒を積極的に溢れ出させることができる。このように、上方から流れ落ちるR32冷媒の拡散効果を使って可燃濃度に達するのを抑制することができる。
第2実施形態に係る空調室内ユニット20は、ケーシング50の吹出口29を開閉する風向調節機構80(吹出口開閉機構の例)を備えている。そして、風向調節機構80は、運転継続時に吹出口29を開き(ステップST3)、運転停止時に吹出口29を閉じる(ステップST15,ST17)。このように、運転停止時に吸込口28及び吹出口29が閉じられることによりケーシング50の大きな開口をなくすことができるので、例えば冷媒漏洩が微量であれば運転停止中に漏れるR32冷媒をケーシング50内に閉じ込めて運転開始後に室内RSに拡散させることができ、また例えば大量の冷媒漏洩にも対応させる場合には吹出口29の上方に漏洩用の穴を複数設けるなどすれば吹出口29から溢れ出させる場合に比べて拡散効果をさらに高めることができる。その結果、ケーシング50の全体を漏れたR32冷媒の収容に用いることができ、R32冷媒の漏洩による発火事故のリスク低減効果を向上させ易くなる。
吸込口開閉機構70は、複数のブレード71(開閉部材の例)を有し、運転停止時に複数のブレード71を互いに重ねてケーシング50の吸込口28を閉じる。このように、複数のブレード71を互いに重ねて吸込口28を閉じることで、吸込口28を閉じたときの隙間を少なくすることができ、吸込口28から漏洩冷媒が漏れ出す量を少なくして漏れたR32冷媒が室内RSで可燃濃度に達するのを抑制することができる。その結果、可燃性冷媒による火災の発生のリスクをさらに低下させることができる。
また、室内ファン22mのファン吹出口90を開閉するファン吹出口開閉機構91により当該ファン吹出口90を運転停止時に閉じている。これにより、万一、室内熱交換器21から冷媒が漏れたときでも、この漏洩冷媒がファン吹出口90を通ってケーシング50の下部領域に達し、さらに吸込口28等から室内に漏れることを防止することができる。吸込口28を運転停止時に閉じることでケーシング50の下部領域から室内への冷媒の漏れは、ほぼ防止することができるが、さらにファン吹出口90を閉じることで、より確実に室内熱交換器21から漏れた冷媒が室内に漏れることを防止することができる。
ファン吹出口開閉機構91は、ファン吹出口90を閉止し得る矩形の閉鎖プレート92と、閉鎖プレート92の一側縁の設けられた回動軸93と、回転軸94aを有しており、この回転軸94aの先端が回動軸93の一端に連結されたモータ94とを備えている。閉鎖プレート92をモータ94で駆動させるという簡便な構成により、ファン吹出口90を開閉させることができる。
(7−1)変形例A
上記各実施形態では、空調室外ユニット30に空調室内ユニット20が1台接続される例について説明したが、空調室内ユニット20は複数台接続されてもよい。
上記各実施形態では、吸込口28及び吹出口29がケーシング50の前面51のみに設けられている場合について説明したが、吸込口28及び/又は吹出口29は右側面52及び/又は左側面53に設けられてもよい。
上記各実施形態では、閉鎖プレート92をモータ94で回転させることでファン吹出口90を開閉させているが、閉鎖プレート92に代えてファン吹出口90を閉鎖し得る大きさの軽量のシート材を採用し、室内ファン22の非運転時には当該シート材をファン吹出口90を閉鎖する方向にバネなどの付勢手段により付勢しておき、室内ファン22の運転時には風圧により起立してファン吹出口90を開放する構成のファン吹出口開閉機構91とすることもできる。
20 空調室内ユニット
28 吸込口
29 吹出口
50 ケーシング(筐体)
70 吸込口開閉機構
71 ブレード(開閉部材)
80 風向調節機構(吹出口開閉機構)
90 ファン吹出口
91 ファン吹出口開閉機構
92 閉鎖プレート
Claims (7)
- 空気よりも比重の大きな可燃性冷媒を使用する床置き型の空調室内ユニットであって、
室内空気を吸込む吸込口(28)を下部に有し、前記吸込口の少なくとも一部が床面から500mmの高さ位置よりも低い位置に配置される筐体(50)と、
前記筐体の前記吸込口を開閉する吸込口開閉機構(70)と、
を備え、
前記吸込口開閉機構(70)は、運転継続時に前記吸込口(28)を開き、運転停止時に前記吸込口(28)を閉じる、床置き型の空調室内ユニット。 - 前記筐体(50)は、室内に調和空気を吹出す吹出口(29)を上部に有し、前記吹出口(29)の下端が床面から1500mm以上の高さに位置する、請求項1に記載の床置き型の空調室内ユニット。
- 前記筐体(50)は、運転停止時に前記吹出口(29)が閉じないように構成されている、請求項2に記載の床置き型の空調室内ユニット。
- 前記筐体(50)の前記吹出口(29)を開閉する吹出口開閉機構(80)をさらに備え、
前記吹出口開閉機構(80)は、運転継続時に前記吹出口(29)を開き、運転停止時に前記吹出口(29)を閉じる、請求項2に記載の床置き型の空調室内ユニット。 - 前記吸込口開閉機構(80)は、複数の開閉部材(71)を有し、運転停止時に複数の前記開閉部材(71)を互いに重ねて前記筐体(50)の前記吸込口(28)を閉じる、請求項1から4のいずれか一項に記載の床置き型の空調室内ユニット。
- 前記筐体(50)内における下部領域に配設された室内ファン(22)のファン吹出口(90)を開閉するファン吹出口開閉機構(91)をさらに備え、
前記ファン吹出口開閉機構(91)は、運転継続時に前記ファン吹出口(90)を開き、運転停止時に前記ファン吹出口(90)を閉じる、請求項1から5のいずれか一項に記載の床置き型の空調室内ユニット。 - 前記ファン吹出口開閉機構(91)は、前記ファン吹出口(90)を閉止し得る矩形の閉鎖プレート(92)と、前記閉鎖プレート(92)の一側縁の設けられた回動軸(93)と、回転軸(94a)を有しており、この回転軸(94a)の先端が前記回動軸(93)の一端に連結されたモータ(94)とを備えている、請求項6に記載の床置き型の空調室内ユニット。
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