JP2015205987A - 水周り部材 - Google Patents
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Description
(1)(a−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂60〜80重量%と(a−2)ポリエチレンテレフタレート樹脂20〜40重量%との合計100重量部に対して、(b)ホスフィン酸金属塩、ジホスフィン酸金属塩およびこれらの重合体からなる群より選択される少なくとも1種のホスフィン酸金属塩類10〜25重量部を配合してなるポリエステル樹脂組成物を成形してなる水回り部材、
(2)さらに前記(b)ホスフィン酸金属塩類が、下記一般式(1)で表されるホスフィン酸金属塩、下記一般式(2)で表されるジホスフィン酸金属塩、およびこれらの重合体からなる群より選択される少なくとも1種である(1)記載の水回り部材、
(3)さらに、前記(b)ホスフィン酸金属塩類の体積平均粒子径が5〜40μmである(1)または(2)記載の水回り部材、
(4)前記ポリエステル樹脂組成物が、さらに(a−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(a−2)ポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対して、(c)白色顔料0.1〜6重量部を配合してなる樹脂組成物である(1)〜(3)のいずれかに記載の水回り部材、
(5)前記ポリエステル樹脂組成物が、さらに(a−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(a−2)ポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対して、(d)耐衝撃性改良剤0.1〜10重量部を配合してなる樹脂組成物である(1)〜(4)のいずれかに記載の水回り部材
を提供するものである。
本発明のポリエステル樹脂に用いられる(a−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体と、1,4−ブタンジオールあるいはそのエステル形成性誘導体とを主成分とし、通常の重合方法によって重合することにより得られる重合体である。特性を損なわない範囲、例えば全重合成分の20重量%以下、他の成分を共重合してもよい。他の共重合成分として用いられるジカルボン酸またはその誘導体としては、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸やこれらのアルキルエステル等が挙げられる。他の共重合成分として用いられるジオールとしては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
本発明に用いられる(a−2)ポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールあるいはそのエステル形成性誘導体とを主成分とし、通常の重合方法によって重合することにより得られる重合体である。特性を損なわない範囲、例えば全重合成分の20重量%以下、他の成分を共重合してもよい。他の共重合成分として用いられるジカルボン酸またはその誘導体としては、例えば、イソフタル酸、アジピン酸、シュウ酸やこれらのアルキルエステル等が挙げられる。他の共重合成分として用いられるグリコール成分としては、例えば、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
本発明における(b)ホスフィン酸金属塩類とは、ホスフィン酸金属塩、ジホスフィン酸金属塩およびこれらの重合体からなる群より選択される少なくとも1種であり、樹脂組成物に難燃性を付与する。下記一般式(1)で表されるホスフィン酸金属塩、下記一般式(2)で表されるジホスフィン酸金属塩およびこれらの重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
本発明に用いられる樹脂組成物は、(c)白色顔料を含有することにより、樹脂組成物から得られる成形品の耐候性を向上させることができる。白色顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化ケイ素などが挙げられ、中でも耐候性の観点から、酸化チタンが好ましい。
耐衝撃性改良剤としては、衝撃強度などの靭性を改良する目的でエチレン(共)重合体やコアシェルゴムを配合することができ、かかるエチレン(共)重合体としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどのエチレン重合体および/またはエチレン共重合体が挙げられ、上記のエチレン共重合体とは、エチレンおよびそれと共重合可能なモノマーを共重合して得られるものであり、共重合可能なモノマーとしてはプロピレン、1−ブテン、酢酸ビニル、イソプレン、ブタジエンあるいはアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸あるいはこれらのエステル酸類、マレイン酸、フマル酸あるいはイタコン酸等のジカルボン酸類等が挙げられる。エチレン共重合体は通常公知の方法で製造することが可能である。エチレン共重合体の具体例としては、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/酢酸ビニル、エチレン/エチルアクリレート、エチレン/メチルアクリレートおよびエチレン/エチルメタクリレートなどが挙げられる。また、上記のエチレン(共)重合体に酸無水物あるいはグリシジルメタクリレートをグラフトもしくは共重合された共重合体も好ましく用いられる。これらは1種または2種以上で使用され、上記のエチレン(共)重合体の1種以上と混合して用いても良い。また、エチレン(共)重合体のなかでもポリエチレンに酸無水物あるいはグリシジルメタクリレートがグラフトもしくは共重合された共重合体がPBTとの相溶性が良く好ましく用いられる。エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体を耐衝撃性改良剤として用いる場合は、例えば、住友化学(株)社製「ETX−6」が挙げられる。
本発明の水回り部材は、上述したポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品であり、成形品としては、例えば、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フィルム、シートなどが挙げられる。本発明のポリエステル樹脂組成物は滞留安定性に優れることから、大型成形品にも好ましく用いられる。
各実施例および比較例で得られた樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用いて、成形温度260℃、金型温度80℃の条件で難燃性評価試験片の射出成形を行った。試験片の厚みは1.5mmとした。得られた試験片について、UL94垂直試験に定められている評価基準に従い、難燃性を評価した。難燃性はV−0>V−1>V−2の順に難燃性が低下しランク付けされ、V−0判定であれば、難燃性は良好であると判断できる。
各実施例および比較例で得られた樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用いて、ISO179−1:2000に従って射出成形することにより、試験片(80mm×10mm×4.0mm厚)を得た。得られた試験片に、8mm残るようにノッチをいれ、衝撃強度をISO179に準拠して測定した。
各実施例および比較例で得られた樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用いて、ISO294−1に従って射出成形することにより、多目的試験片を得た。成形の際に、成形品突き出し時に試験片が変形したり、突き出し箇所が大きく挫屈するようなものを成形不良とした。成形品を10個成形し、変形した成形品が無かった場合を成形性良好として「○」、一つでも成形不良が見られた場合に成形性不良として「×」と判断した。
各実施例および比較例で得られた樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用いて射出成形することにより、80mm×80mm×3.0mm厚の角板状試験片を得た。成形条件は、シリンダー温度260℃、金型温度80℃とした。得られた角板状試験片について、サンシャインウェザーメーターにてJIS A1415(1999年)WV−Aの暴露方法に従い、相対湿度63%×雨あり×100時間の処理を行い、暴露前後での色差を測定した。色差は、スガ試験機(株)社製カラーコンピューターSM−5−IS−2Bにて、D65光源、観測角度10度の条件で測定した。色の変化はΔEで示した。この試験はASTMのD2244に従って行った。
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用いて、射出成形することにより、80mm×80mm×3mm厚の角板状試験片を得た。成形条件は、シリンダー温度260℃、金型温度80℃とした。射出成形した角板について、スガ試験機(株)社製デジタル変角光沢計UGV−5Dにて光沢度を測定した。
a−1:ポリブチレンテレフタレート(固有粘度:0.97dl/g、融点223℃)
a−2:ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.66dl/g、融点256℃)
b−1:ジエチルホスフィン酸アルミニウム(クラリアントジャパン(株)社製“Exolit”OP1240)
なお、当該微粒子をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA(株)製、装置名LA920)を用いて測定した結果、体積平均粒子径は28μmであった。
b−2:ジエチルホスフィン酸アルミニウム(体積平均粒子径:50μm)
上記(b−1)の体積平均粒子径28μmであるジエチルホスフィン酸アルミニウムを325メッシュの篩にかけ、篩を通過せずに残った粒子だけを収集することにより、体積平均粒子径50μmのジエチルホスフィン酸アルミニウムを得た。なお、体積平均粒子径は(b−1)と同様の方法で測定した。
b−3:ジエチルホスフィン酸アルミニウム(体積平均粒子径:37μm)
上記(b−1)の体積平均粒子径28μmであるジエチルホスフィン酸アルミニウムを500メッシュの篩にかけ、篩を通過せずに残った粒子だけを収集することにより、体積平均粒子径37μmのジエチルホスフィン酸アルミニウムを得た。なお、体積平均粒子径は(b−1)と同様の方法で測定した。
b−4:ジエチルホスフィン酸アルミニウム(体積平均粒子径:10μm)
上記(b−1)の体積平均粒子径28μmであるジエチルホスフィン酸アルミニウムをジェットミルで乾式粉砕することで体積平均粒子径10μmのジエチルホスフィン酸アルミニウムを得た。なお、体積平均粒子径は(b−1)と同様の方法で測定した。
b−5:ジエチルホスフィン酸アルミニウム(体積平均粒子径:4μm)
上記(b−4)の体積平均粒子径10μmであるジエチルホスフィン酸アルミニウムを2000メッシュの篩にかけ、篩を通過せずに残った粒子だけを収集することにより、体積平均粒子径4μmのジエチルホスフィン酸アルミニウムを得た。なお、体積平均粒子径は(b−1)と同様の方法で測定した。
c−1:酸化チタン(石原産業(株)CR−60)
d−1:エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学(株)製ETX−6)
表1、2に示したように樹脂組成物の組成を変更し、表1、2に示す成分全てを2軸押出機の元込め部から供給して、シリンダー温度260℃に設定したスクリュー径57mmΦの2軸押出機(WERNER&Pfeiderer社製ZSK57)で溶融混練を行った。ダイスから吐出されたストランドを冷却バス内で冷却した後、ストランドカッターにてペレット化した。得られた各ペレットは、130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、前記評価方法記載の方法を用いて成形し、各種評価を行った。上記方法で評価した結果を表1、2にまとめた。実施例1〜15の記載からも明らかなように得られたポリエステル樹脂組成物からなる成形品は、何れも耐傷性、難燃性、耐候性および外観性に優れたものであった。
Claims (5)
- (a−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂60〜80重量%と(a−2)ポリエチレンテレフタレート樹脂20〜40重量%との合計100重量部に対して、(b)ホスフィン酸金属塩、ジホスフィン酸金属塩およびこれらの重合体からなる群より選択される少なくとも1種のホスフィン酸金属塩類10〜25重量部を配合してなるポリエステル樹脂組成物を成形してなる水回り部材。
- ホスフィン酸金属塩類が、下記一般式(1)で表されるホスフィン酸金属塩、下記一般式(2)で表されるジホスフィン酸金属塩、およびこれらの重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の水回り部材。
- 前記ホスフィン酸金属塩類(b)の体積平均粒子径が5〜40μmである請求項1または2記載の水回り部材。
- ポリエステル樹脂組成物が、さらに(a−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(a−2)ポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対して、白色顔料(c)0.1〜6重量部を配合してなる樹脂組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の水回り部材。
- ポリエステル樹脂組成物が、さらに(a−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(a−2)ポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対して、衝撃性改良材(d)0.1〜10重量部を配合してなる樹脂組成物である請求項1〜4のいずれかに記載の水回り部材。
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