JP2015205481A - キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015205481A
JP2015205481A JP2014088608A JP2014088608A JP2015205481A JP 2015205481 A JP2015205481 A JP 2015205481A JP 2014088608 A JP2014088608 A JP 2014088608A JP 2014088608 A JP2014088608 A JP 2014088608A JP 2015205481 A JP2015205481 A JP 2015205481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
carrier
copper foil
copper
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014088608A
Other languages
English (en)
Inventor
倫也 古曳
Michiya Kohiki
倫也 古曳
友太 永浦
Yuta Nagaura
友太 永浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JX Nippon Mining and Metals Corp
Original Assignee
JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Mining and Metals Corp filed Critical JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority to JP2014088608A priority Critical patent/JP2015205481A/ja
Publication of JP2015205481A publication Critical patent/JP2015205481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】L/S=20μm/20μmよりも微細な配線、例えばL/S=15μm/15μmの微細な配線を形成することが可能なキャリア付銅箔を提供する。
【解決手段】 銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、中間層はNiを含み、キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して極薄銅層を剥がしたとき、極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して1.6μm以下であるキャリア付銅箔。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板は銅箔に絶縁基板を接着させて銅張積層板とした後に、エッチングにより銅箔面に導体パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的である。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められている。
ファインピッチ化に対応して、最近では厚さ9μm以下、更には厚さ5μm以下の銅箔が要求されているが、このような極薄の銅箔は機械的強度が低くプリント配線板の製造時に破れたり、皺が発生したりしやすいので、厚みのある金属箔をキャリアとして利用し、これに剥離層を介して極薄銅層を電着させたキャリア付銅箔が登場している。極薄銅層の表面を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後、キャリアは剥離層を介して剥離除去される。露出した極薄銅層上にレジストで回路パターンを形成した後に、極薄銅層を硫酸-過酸化水素系のエッチャントでエッチング除去する手法(MSAP:Modified-Semi-Additive-Process)により、微細回路が形成される。
ここで、樹脂との接着面となるキャリア付銅箔の極薄銅層の表面に対しては、主として、極薄銅層と樹脂基材との剥離強度が十分であること、そしてその剥離強度が高温加熱、湿式処理、半田付け、薬品処理等の後でも十分に保持されていることが要求される。極薄銅層と樹脂基材の間の剥離強度を高める方法としては、一般的に、表面のプロファイル(凹凸、粗さ)を大きくした極薄銅層の上に多量の粗化粒子を付着させる方法が代表的である。
しかしながら、プリント配線板の中でも特に微細な回路パターンを形成する必要のある半導体パッケージ基板に、このようなプロファイル(凹凸、粗さ)の大きい極薄銅層を使用すると、回路エッチング時に不要な銅粒子が残ってしまい、回路パターン間の絶縁不良等の問題が発生する。
このため、WO2004/005588号(特許文献1)では、半導体パッケージ基板をはじめとする微細回路用途のキャリア付銅箔として、極薄銅層の表面に粗化処理を施さないキャリア付銅箔を用いることが試みられている。このような粗化処理を施さない極薄銅層と樹脂との密着性(剥離強度)は、その低いプロファイル(凹凸、粗度、粗さ)の影響で一般的なプリント配線板用銅箔と比較すると低下する傾向がある。そのため、キャリア付銅箔について更なる改善が求められている。
そこで、特開2007−007937号公報(特許文献2)及び特開2010−006071号公報(特許文献3)では、キャリア付極薄銅箔のポリイミド系樹脂基板と接触(接着)する面に、Ni層又は/及びNi合金層を設けること、クロメート層を設けること、Cr層又は/及びCr合金層を設けること、Ni層とクロメート層とを設けること、Ni層とCr層とを設けることが記載されている。これらの表面処理層を設けることにより、ポリイミド系樹脂基板とキャリア付極薄銅箔との密着強度を粗化処理なし、または粗化処理の程度を低減(微細化)しながら所望の接着強度を得ている。更に、シランカップリング剤で表面処理したり、防錆処理を施したりすることも記載されている。
国際公開第2004/005588号 特開2007−007937号公報 特開2010−006071号公報
キャリア付銅箔の開発においては、これまで極薄銅層と樹脂基材との剥離強度を確保することに重きが置かれていた。そのため、ファインピッチ化に関しては未だ十分な検討がなされておらず、未だ改善の余地が残されている。特に、従来の技術では、L(ライン)/S(スペース)=15μm/15μm等のファインピッチ回路を製造することができていない。そこで、本発明はファインピッチ形成に好適なキャリア付銅箔を提供することを課題とする。具体的には、これまでのMSAPで形成できる限界と考えられていたL/S=20μm/20μmよりも微細な配線、例えば、L/S=15μm/15μm等の微細な配線を形成することが可能なキャリア付銅箔を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意研究を重ねたところ、所定の加熱処理がなされたキャリア付銅箔から極薄銅層を剥がしたときの、極薄銅層の剥離側表面のNiの付着量を制御することが、極薄銅層に対するファインピッチ形成に極めて効果的であることを見出した。さらに、極薄銅層の表面を低粗度化し、且つ、極薄銅層に微細粗化粒子を形成することで、均一かつ低粗度の粗化処理面を形成することが可能となり、このようなキャリア付銅箔はファインピッチ形成に極めて効果的であることを見出した。
本発明は上記知見を基礎として完成したものであり、一側面において、銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
前記中間層はNiを含み、
前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して1.6μm以下であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は別の一側面において、銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
前記中間層はNiを含み、
前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.3μm以下であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一側面において、銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
前記中間層はNiを含み、
前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して2.3μm以下であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一側面において、銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
前記中間層はNiを含み、
前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面の表面積比が1.05〜1.5であるキャリア付銅箔(ここで、表面積比とは、レーザー顕微鏡にてエリア及び実エリアを測定したときの、実エリア/エリアの値である。エリアとは測定基準面積を指し、実エリアとは測定基準面積中の表面積を指す。)である。
本発明のキャリア付銅箔は一実施形態において、銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
前記中間層はNiを含み、
前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面の面積66524μm2当たりのレーザー顕微鏡にて測定される体積が300000μm3以上であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して1.4μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.25μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して1.8μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して1.3μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.20μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して1.5μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して0.8μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.16μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して1.0μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面は、Sskが−0.3〜0.3である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、極薄銅層側の表面は、Skuが2.7〜3.3である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上250μg/dm2以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上200μg/dm2以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上156μg/dm2以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上108μg/dm2以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記中間層のNi含有量が、100μg/dm2以上5000μg/dm2以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記中間層が、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znこれらの合金、これらの水和物、これらの酸化物、有機物からなる群から選択される一種又は二種以上を含む。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記中間層が、Crを含む場合は、Crを5〜100μg/dm2含有し、Moを含む場合は、Moを50μg/dm2以上1000μg/dm2以下含有し、Znを含む場合は、Znを1μg/dm2以上120μg/dm2以下含有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記中間層が有機物を厚みで25nm以上80nm以下含有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記有機物が、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及びカルボン酸の中から選択される1種又は2種以上からなる有機物である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、銅箔キャリアの一方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であり、前記銅箔キャリアの、前記極薄銅層側の表面とは反対側の面に、粗化処理層が設けられている。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層が、銅、ニッケル、コバルト、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層の表面に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が誘電体を含む。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いて製造した銅張積層板である。
本発明は別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント配線板である。
本発明は別の一側面において、本発明のプリント配線板を用いた電子機器である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明のプリント配線板の製造方法は一実施形態において、前記樹脂層上に回路を形成する工程が、前記樹脂層上に別のキャリア付銅箔を極薄銅層側から貼り合わせ、前記樹脂層に貼り合わせたキャリア付銅箔を用いて前記回路を形成する工程である。
本発明のプリント配線板の製造方法は別の一実施形態において、前記樹脂層上に貼り合わせる別のキャリア付銅箔が、本発明のキャリア付銅箔である。
本発明のプリント配線板の製造方法は更に別の一実施形態において、前記樹脂層上に回路を形成する工程が、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行われる。
本発明のプリント配線板の製造方法は更に別の一実施形態において、前記表面に回路を形成するキャリア付銅箔が、前記キャリア付銅箔のキャリアの表面に基板または樹脂層を有する。
本発明に係るキャリア付銅箔はファインピッチ形成に好適であり、例えば、MSAP工程で形成できる限界と考えられていたL/S=20μm/20μmよりも微細な配線、例えばL/S=15μm/15μmの微細な配線を形成することが可能となる。
A〜Cは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、回路めっき・レジスト除去までの工程における配線板断面の模式図である。 D〜Fは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、樹脂及び2層目キャリア付銅箔積層からレーザー穴あけまでの工程における配線板断面の模式図である。 G〜Iは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、ビアフィル形成から1層目のキャリア剥離までの工程における配線板断面の模式図である。 J〜Kは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、フラッシュエッチングからバンプ・銅ピラー形成までの工程における配線板断面の模式図である。 実施例に係るサンプルシートの測定箇所を示す模式図である。 実施例における回路パターンの幅方向の横断面の模式図、及び、該模式図を用いたエッチングファクター(EF)の計算方法の概略である。
<キャリア付銅箔>
本発明のキャリア付銅箔は、銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有する。キャリア付銅箔自体の使用方法は当業者に周知であるが、例えば極薄銅層の表面を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後に銅箔キャリアを剥がし、絶縁基板に接着した極薄銅層を目的とする導体パターンにエッチングし、最終的にプリント配線板を製造することができる。
本発明のキャリア付銅箔は、220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して極薄銅層を剥がしたとき、極薄銅層の中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下である。キャリア付銅箔を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後に銅箔キャリアを剥がし、絶縁基板に接着した極薄銅層を目的とする導体パターンにエッチングするが、このとき、極薄銅層の表面(絶縁基板との接着側とは反対側の表面)に付着するNiの量が多いと、極薄銅層がエッチングされ難くなり、ファインピッチ回路を形成することが困難となる。このため、本発明のキャリア付銅箔は、上記のような剥離後の極薄銅層の表面のNi付着量が300μg/dm2以下となるように制御されている。当該Ni付着量が300μg/dm2を超えると、極薄銅層をエッチングして、L/S=20μm/20μmよりも微細な配線、例えばL/S=15μm/15μmの微細な配線を形成することが困難となる。なお、上記「220℃で2時間加熱」は、キャリア付銅箔を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着する場合の典型的な加熱条件を示している。
上記のような剥離後の極薄銅層の表面のNi付着量が少な過ぎると、銅箔キャリアのCuが極薄銅層側へ拡散する場合がある。そのような場合は、銅箔キャリアと極薄銅層の結合の程度が強くなり過ぎてしてしまい、極薄銅層を剥がす際に極薄銅層にピンホールが発生しやすくなる。このため、当該Niの付着量は、5μg/dm2以上となるように制御されている。また、当該Ni付着量は、好ましくは5μg/dm2以上250μg/dm2以下であり、より好ましくは5μg/dm2以上200μg/dm2以下、より好ましくは5μg/dm2以上156μg/dm2以下、より好ましくは5μg/dm2以上108μg/dm2以下である。
<銅箔キャリア>
本発明に用いることのできる銅箔キャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
本発明に用いることのできる銅箔キャリアの厚さについても特に制限はないが、キャリアとしての役目を果たす上で適した厚さに適宜調節すればよく、例えば12μm以上とすることができる。但し、厚すぎると生産コストが高くなるので一般には35μm以下とするのが好ましい。従って、銅箔キャリアの厚みは典型的には12〜300μmであり、より典型的には12〜150μmであり、更により典型的には12〜100μmであり、更により典型的には12〜70μmであり、より典型的には18〜35μmである。
なお、銅箔キャリアの両方の面に中間層、極薄銅層を設ける場合には、銅箔キャリアの両方の面の極薄銅層の粗化処理された表面の粗さを制御するために、両面が平滑である銅箔、例えばJX日鉱日石金属株式会社製 電解銅箔 HLP箔や圧延銅箔を用いることが好ましい。また、中間層、極薄銅層は銅箔キャリアの両方の面に一度に設け、両方の面の極薄銅層に対して一度に粗化処理等の表面処理を行ってもよい。また、銅箔キャリアの一方の面に中間層、極薄銅層を設け、極薄銅層に対して粗化処理等の表面処理を行った後に、他方の面に中間層、極薄銅層を設け、極薄銅層に対して粗化処理等の表面処理を行ってもよい。その場合には、銅箔キャリアの一方の面に設けられた、表面処理された極薄銅層の表面をマスキングテープやマスキングフィルム等で保護した後に、他方の面に中間層、極薄銅層、粗化処理等の表面処理を行ってもよい。
<中間層>
銅箔キャリアの片面又は両面上にはNiを含む中間層を設ける。銅箔キャリアと中間層との間に他の層を設けてもよい。中間層は、Niの他、Cr、Mo、Zn、有機物等を含んでいる。上述のように、本発明のキャリア付銅箔は、220℃で2時間加熱した後、極薄銅層を剥がしたとき、極薄銅層の中間層側の表面のNiの付着量が300μg/dm2以下となるが、このように剥離後の極薄銅層表面のNi付着量を制御するためには、中間層のNi含有量を少なくするとともに、Niが極薄銅層側へ拡散するのを抑制する金属種(Cr、Mo、Zn等)や有機物を中間層が含んでいる必要がある。このような観点から、中間層のNi含有量は、100μg/dm2以上5000μg/dm2以下であるのが好ましく、200μg/dm2以上4000μg/dm2以下であるのが更に好ましく、300μg/dm2以上3000μg/dm2以下であるのが更に好ましく、400μg/dm2以上2000μg/dm2以下であるのが更に好ましい。また、中間層が含有する金属種としては、Cr、Mo、Znからなる群から選択される一種又は二種以上が好ましい。Crを含む場合は、Crを5〜100μg/dm2含有するのが好ましく、5μg/dm2以上50μg/dm2以下含有するのがより好ましい。Moを含む場合は、Moを50μg/dm2以上1000μg/dm2以下含有するのが好ましく、70μg/dm2以上650μg/dm2以下含有するのがより好ましい。Znを含む場合は、Znを1μg/dm2以上120μg/dm2以下含有するのが好ましく、2μg/dm2以上70μg/dm2以下含有するのがより好ましく、5μg/dm2以上50μg/dm2以下含有するのがより好ましい。
中間層が含有する有機物としては、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及びカルボン酸の中から選択される1種又は2種以上からなるものを用いることが好ましい。窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及びカルボン酸のうち、窒素含有有機化合物は、置換基を有する窒素含有有機化合物を含んでいる。具体的な窒素含有有機化合物としては、置換基を有するトリアゾール化合物である1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N’,N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア、1H−1,2,4−トリアゾール及び3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等を用いることが好ましい。
硫黄含有有機化合物には、メルカプトベンゾチアゾール、チオシアヌル酸及び2−ベンズイミダゾールチオール等を用いることが好ましい。
カルボン酸としては、特にモノカルボン酸を用いることが好ましく、中でもオレイン酸、リノール酸及びリノレイン酸等を用いることが好ましい。
前述の有機物は厚みで25nm以上80nm以下含有するのが好ましく、30nm以上70nm以下含有するのがより好ましい。中間層は前述の有機物を複数種類(一種以上)含んでもよい。
中間層が含有する有機物の使用方法について、以下に、キャリア箔上への中間層の形成方法についても述べつつ説明する。銅箔キャリア上への中間層の形成は、上述した有機物を溶媒に溶解させ、その溶媒中に銅箔キャリアを浸漬させるか、中間層を形成しようとする面に対するシャワーリング、噴霧法、滴下法及び電着法等を用いて行うことができ、特に限定した手法を採用する必要性はない。このときの溶媒中の有機系剤の濃度は、上述した有機物の全てにおいて、濃度0.01g/L〜30g/L、液温20〜60℃の範囲が好ましい。有機物の濃度は、特に限定されるものではなく、本来濃度が高くとも低くとも問題のないものである。
本発明のキャリア付銅箔の中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Zn、これらの合金、これらの水和物、これらの酸化物、有機物からなる群から選択される一種又は二種以上を含んでも良い。また、中間層は複数の層であっても良い。
例えば、中間層はキャリア側からCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Zn、で構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成し、その上にCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素の水和物または酸化物からなる層を形成することで構成することができる。
中間層を片面にのみ設ける場合、銅箔キャリアの反対面にはNiめっき層などの防錆層を設けることが好ましい。また、キャリアとして電解銅箔を使用する場合には、ピンホールを減少させる観点からシャイニー面に中間層を設けることが好ましい。なお、中間層をクロメート処理や亜鉛クロメート処理やめっき処理で設けた場合には、クロムや亜鉛など、付着した金属の一部は水和物や酸化物となっている場合があると考えられる。
<極薄銅層>
中間層の上には極薄銅層を設ける。中間層と極薄銅層との間には他の層を設けてもよい。好極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気めっきにより形成することができ、一般的な電解銅箔で使用され、高電流密度での銅箔形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.5〜12μmであり、より典型的には2〜5μmである。なお、極薄銅層は銅箔キャリアの両面に設けてもよい。
なお、極薄銅層を平滑な極薄銅層となるような条件で設けると、その後に形成する粗化処理粒子をより微細とすることができ、本発明の表面処理後の極薄銅層の表面粗さを制御しやすくなるため好ましい。なお、平滑な極薄銅層は例えば、下記の条件により形成することができる。
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド−濃度:10〜100ppm
3級アミン化合物:10〜100ppm
塩素:10〜100ppm
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
なお、前述の3級アミン化合物として以下の化合物を用いることができる。
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。ここでは、R1及びR2は共にメチル基とした。)
上記化合物は例えばナガセケムテックス株式会社製デナコール(例えばEx−314)とジアルキルアミン(例えばジメチルアミン)を所定量混合させ、60℃で3時間反応を行うことで得ることができる。
<粗化処理及びその他の表面処理>
極薄銅層の表面には、粗化処理を施すことで粗化処理層が設けられている。粗化処理は、例えば、銅又は銅合金で粗化粒子を形成することにより行うことができる。粗化処理層は、ファインピッチ形成の観点から微細な粒子で構成されるのが好ましい。粗化粒子を形成する際の電気めっき条件について、電流密度を高く、めっき液中の銅濃度を低く、又は、クーロン量を大きくすると粒子が微細化する傾向にある。粗化処理層は、銅、ニッケル、コバルト、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層などであってもよい。また、銅又は銅合金で粗化粒子を形成した後、更にニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で二次粒子や三次粒子を設ける粗化処理を行うこともできる。その後に、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層または防錆層を形成しても良く、更にその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理によりクロメート処理層、シランカップリング処理層を施してもよい。なお、上述の耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層はそれぞれ複数の層で形成されてもよい(例えば2層以上、3層以上など)。
ここでクロメート処理層とは無水クロム酸、クロム酸、二クロム酸、クロム酸塩または二クロム酸塩を含む液で処理された層のことをいう。クロメート処理層はコバルト、鉄、ニッケル、モリブデン、亜鉛、タンタル、銅、アルミニウム、リン、タングステン、錫、砒素およびチタン等の元素(金属、合金、酸化物、窒化物、硫化物等どのような形態でもよい)を含んでもよい。クロメート処理層の具体例としては、無水クロム酸または二クロム酸カリウム水溶液で処理したクロメート処理層や、無水クロム酸または二クロム酸カリウムおよび亜鉛を含む処理液で処理したクロメート処理層等が挙げられる。
なお、銅箔キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側の面に粗化処理層を設けてもよい。当該粗化処理層は公知の方法を用いて設けてもよく、上述の粗化処理により設けてもよい。銅箔キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側の面に粗化処理層を設けることは、銅箔キャリアを当該粗化処理層を有する表面側から樹脂基板などの支持体に積層する際、キャリアと樹脂基板が剥離しにくくなるという利点を有する。また、銅箔キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側の面に設けた粗化処理層上に、さらにニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層または防錆層を形成しても良く、更にその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理によりクロメート処理層、シランカップリング処理層を施してもよい。なお、上述の耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層はそれぞれ複数の層で形成されてもよい(例えば2層以上、3層以上など)。このように銅箔キャリアの表面の粗化処理層上にさらに耐熱層等の表面処理層を形成することで、積層させる樹脂基材に銅箔キャリアからの銅が拡散することを良好に抑制することができ、樹脂基材との積層の際の熱圧着による密着性が向上する。
耐熱層、防錆層としては公知の耐熱層、防錆層を用いることができる。例えば、耐熱層および/または防錆層はニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素を含む層であってもよく、ニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素からなる金属層または合金層であってもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素を含む酸化物、窒化物、珪化物を含んでもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル−亜鉛合金を含む層であってもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル−亜鉛合金層であってもよい。前記ニッケル−亜鉛合金層は、不可避不純物を除き、ニッケルを50wt%〜99wt%、亜鉛を50wt%〜1wt%含有するものであってもよい。前記ニッケル−亜鉛合金層の亜鉛及びニッケルの合計付着量が5〜1000mg/m2、好ましくは10〜500mg/m2、好ましくは20〜100mg/m2であってもよい。また、前記ニッケル−亜鉛合金を含む層または前記ニッケル−亜鉛合金層のニッケルの付着量と亜鉛の付着量との比(=ニッケルの付着量/亜鉛の付着量)が1.5〜10であることが好ましい。また、前記ニッケル−亜鉛合金を含む層または前記ニッケル−亜鉛合金層のニッケルの付着量は0.5mg/m2〜500mg/m2であることが好ましく、1mg/m2〜50mg/m2であることがより好ましい。耐熱層および/または防錆層がニッケル−亜鉛合金を含む層である場合、スルーホールやビアホール等の内壁部がデスミア液と接触したときに銅箔と樹脂基板との界面がデスミア液に浸食されにくく、銅箔と樹脂基板との密着性が向上する。
例えば耐熱層および/または防錆層は、付着量が1mg/m2〜100mg/m2、好ましくは5mg/m2〜50mg/m2のニッケルまたはニッケル合金層と、付着量が1mg/m2〜80mg/m2、好ましくは5mg/m2〜40mg/m2のスズ層とを順次積層したものであってもよく、前記ニッケル合金層はニッケル−モリブデン、ニッケル−亜鉛、ニッケル−モリブデン−コバルトのいずれか一種により構成されてもよい。また、耐熱層および/または防錆層は、ニッケルまたはニッケル合金とスズとの合計付着量が2mg/m2〜150mg/m2であることが好ましく、10mg/m2〜70mg/m2であることがより好ましい。また、耐熱層および/または防錆層は、[ニッケルまたはニッケル合金中のニッケル付着量]/[スズ付着量]=0.25〜10であることが好ましく、0.33〜3であることがより好ましい。当該耐熱層および/または防錆層を用いるとキャリア付銅箔をプリント配線板に加工して以降の回路の引き剥がし強さ、当該引き剥がし強さの耐薬品性劣化率等が良好になる。
なお、シランカップリング処理に用いられるシランカップリング剤には公知のシランカップリング剤を用いてよく、例えばアミノ系シランカップリング剤又はエポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤を用いてよい。また、シランカップリング剤にはビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4‐グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐3‐(4‐(3‐アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いてもよい。
前記シランカップリング処理層は、エポキシ系シラン、アミノ系シラン、メタクリロキシ系シラン、メルカプト系シランなどのシランカップリング剤などを使用して形成してもよい。なお、このようなシランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。中でも、アミノ系シランカップリング剤又はエポキシ系シランカップリング剤を用いて形成したものであることが好ましい。
ここで言うアミノ系シランカップリング剤とは、N‐(2‐アミノエチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐(N‐スチリルメチル‐2‐アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2‐ヒドロキシエチル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N‐フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N‐(3‐アクリルオキシ‐2‐ヒドロキシプロピル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、4‐アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N‐(2‐アミノエチル‐3‐アミノプロピル)トリメトキシシラン、N‐(2‐アミノエチル‐3‐アミノプロピル)トリス(2‐エチルヘキソキシ)シラン、6‐(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3‐(1‐アミノプロポキシ)‐3,3‐ジメチル‐1‐プロペニルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、ω‐アミノウンデシルトリメトキシシラン、3‐(2‐N‐ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、ビス(2‐ヒドロキシエチル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、(N,N‐ジエチル‐3‐アミノプロピル)トリメトキシシラン、(N,N‐ジメチル‐3‐アミノプロピル)トリメトキシシラン、N‐メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N‐フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3‐(N‐スチリルメチル‐2‐アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシランからなる群から選択されるものであってもよい。
シランカップリング処理層は、ケイ素原子換算で、0.05mg/m2〜200mg/m2、好ましくは0.15mg/m2〜20mg/m2、好ましくは0.3mg/m2〜2.0mg/m2の範囲で設けられていることが望ましい。前述の範囲の場合、基材樹脂と表面処理銅箔との密着性をより向上させることができる。
また、極薄銅層、粗化処理層、耐熱層、防錆層、シランカップリング処理層またはクロメート処理層の表面に、国際公開番号WO2008/053878、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、特開2013−19056号に記載の表面処理を行うことができる。
キャリア付銅箔の極薄銅層側の表面、すなわち、粗化処理等の各種表面処理を施した後の極薄銅層の表面(「粗化処理面」ともいう。)は、非接触式粗さ計で測定したときにRz(十点平均粗さ)を1.6μm以下とすることがファインピッチ形成の観点で極めて有利となる。Rzは好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1.4μm以下であり、更により好ましくは1.35μm以下であり、更により好ましくは1.3μm以下であり、更により好ましくは1.2μm以下であり、更により好ましくは1.0μm以下であり、更により好ましくは0.8μm以下であり、更により好ましくは0.6μm以下である。但し、Rzは、小さくなりすぎると樹脂との密着力が低下することから、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、0.2μm以上であることが更により好ましい。
キャリア付銅箔の極薄銅層側の表面、すなわち、粗化処理等の各種表面処理を施した後の極薄銅層の表面(「粗化処理面」ともいう。)は、非接触式粗さ計で測定したときにRa(算術平均粗さ)を0.30μm以下とすることがファインピッチ形成の観点で極めて有利となる。Raは好ましくは0.27μm以下、より好ましくは0.26μm以下、より好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.24μm以下、より好ましくは0.23μm以下であり、更により好ましくは0.20μm以下であり、更により好ましくは0.18μm以下であり、更により好ましくは0.16μm以下、更により好ましくは0.15μm以下、更により好ましくは0.13μm以下である。但し、Raは、小さくなりすぎると樹脂との密着力が低下することから、0.005μm以上であることが好ましく、0.009μm以上、0.01μm以上、0.02μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、0.10μm以上であることがより好ましい。
キャリア付銅箔の極薄銅層側の表面、すなわち、粗化処理等の各種表面処理を施した後の極薄銅層の表面(「粗化処理面」ともいう。)は、非接触式粗さ計で測定したときにRtを2.3μm以下とすることがファインピッチ形成の観点で極めて有利となる。Rtは好ましくは2.2μm以下、好ましくは2.1μm以下、好ましくは2.07μm以下、より好ましくは2.0μm以下、より好ましくは1.9μm以下であり、より好ましくは1.8μm以下であり、更により好ましくは1.5μm以下であり、更により好ましくは1.2μm以下であり、更により好ましくは1.0μm以下である。但し、Rtは、小さくなりすぎると樹脂との密着力が低下することから、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
また、キャリア付銅箔の極薄銅層側の表面、すなわち、粗化処理等の各種表面処理を施した後の極薄銅層の表面は、非接触式粗さ計で測定したときにSsk(スキューネス)を−0.3〜0.3とすることがファインピッチ形成の観点で好ましい。Sskの下限は好ましくは−0.2以上であり、より好ましくは−0.1以上であり、より好ましくは−0.070以上であり、より好ましくは−0.065以上であり、より好ましくは−0.060以上であり、より好ましくは−0.058以上であり、更に好ましくは0以上である。Sskの上限は好ましくは0.2以下である。
また、キャリア付銅箔の極薄銅層側の表面、すなわち、粗化処理等の各種表面処理を施した後の極薄銅層の表面は、非接触式粗さ計で測定したときにSku(クルトシス)を2.7〜3.3とすることがファインピッチ形成の観点で好ましい。Skuの下限は好ましくは2.8以上であり、より好ましくは2.9以上であり、より好ましくは3.0以上である。Skuの上限は好ましくは3.2以下である。
本発明において、極薄銅層表面のRz、Raの粗さパラメータについてはJIS B0601−1994に準拠して、Rtの粗さパラメータについてはJIS B0601−2001に準拠して、Ssk、Skuの粗さパラメータについてはISO25178に準拠して非接触式粗さ計で測定する。
なお、プリント配線板または銅張積層板など、極薄銅層表面に樹脂などの絶縁基板が接着されている場合においては、絶縁基板を溶かして除去することで、銅回路または銅箔表面について、前述の表面粗さ(Ra、Rt、Rz)を測定することができる。
ファインピッチ形成のためには、粗化粒子層のエッチング量を減少させるために、粗化処理面の体積を制御することも重要である。ここでいう体積とは、レーザー顕微鏡にて測定される値を指し、粗化処理面に存在する粗化粒子の体積を評価する指標となる。粗化処理面の体積が大きい場合、極薄銅層と樹脂との密着力が高くなる傾向にある。そして、極薄銅層と樹脂との密着力が高くなると耐マイグレーション性が向上する傾向にある。具体的には、体積はレーザー顕微鏡にて測定して、粗化処理面の面積66524μm2当たり300000μm3以上であるのが好ましく、350000μm3以上であるのがより好ましい。但し、体積が大きくなり過ぎるとエッチング量が増加し、ファインピッチを形成できないことから、体積は500000μm3以下とするのが好ましく、450000μm3以下とするのがより好ましい。
更に、ファインピッチ形成のためには、微細粗化粒子による樹脂との密着性を確保するために、粗化処理面の表面積比を制御することも重要である。ここでいう表面積比とは、レーザー顕微鏡にて測定される値であって、エリア及び実エリアを測定したときの、実エリア/エリアの値である。エリアとは測定基準面積を指し、実エリアとは測定基準面積中の表面積を指す。表面積比は大きくなりすぎると密着強度が増すがエッチング量が増加しファインピッチが形成できない一方で、小さくなりすぎると密着強度が確保できないので、1.05〜1.5であることが好ましく、1.07〜1.47であることが好ましく、1.09〜1.4であることが好ましく、1.1〜1.3であることがより好ましい。
<樹脂層>
本発明のキャリア付銅箔の極薄銅層の粗化処理層上、或いは、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に、樹脂層を備えても良い。前記樹脂層は絶縁樹脂層であってもよい。
前記樹脂層は接着用樹脂、すなわち接着剤であってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ状態)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ状態)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
また前記樹脂層は熱硬化性樹脂を含んでもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記樹脂層は熱可塑性樹脂を含んでもよい。前記樹脂層は公知の樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等を含んでよい。また、前記樹脂層は例えば国際公開番号WO2008/004399号、国際公開番号WO2008/053878、国際公開番号WO2009/084533、特開平11−5828号、特開平11−140281号、特許第3184485号、国際公開番号WO97/02728、特許第3676375号、特開2000−43188号、特許第3612594号、特開2002−179772号、特開2002−359444号、特開2003−304068号、特許第3992225、特開2003−249739号、特許第4136509号、特開2004−82687号、特許第4025177号、特開2004−349654号、特許第4286060号、特開2005−262506号、特許第4570070号、特開2005−53218号、特許第3949676号、特許第4178415号、国際公開番号WO2004/005588、特開2006−257153号、特開2007−326923号、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、特開2009−67029号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、特開2009−173017号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、国際公開番号WO2008/114858、国際公開番号WO2009/008471、特開2011−14727号、国際公開番号WO2009/001850、国際公開番号WO2009/145179、国際公開番号WO2011/068157、特開2013−19056号に記載されている物質(樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等)および/または樹脂層の形成方法、形成装置を用いて形成してもよい。
また、前記樹脂層は、その種類は格別限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステル化合物、マレイミド化合物、ポリマレイミド化合物、マレイミド系樹脂、芳香族マレイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテルスルホン(ポリエーテルサルホン、ポリエーテルサルフォンともいう)、ポリエーテルスルホン(ポリエーテルサルホン、ポリエーテルサルフォンともいう)樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂ポリマー、ゴム性樹脂、ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミドイミド樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、カルボキシル基変性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ビスマレイミドトリアジン樹脂、熱硬化性ポリフェニレンオキサイド樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボン酸の無水物、多価カルボン酸の無水物、架橋可能な官能基を有する線状ポリマー、ポリフェニレンエーテル樹脂、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、リン含有フェノール化合物、ナフテン酸マンガン、2,2−ビス(4−グリシジルフェニル)プロパン、ポリフェニレンエーテル−シアネート系樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、シアノエステル樹脂、フォスファゼン系樹脂、ゴム変成ポリアミドイミド樹脂、イソプレン、水素添加型ポリブタジエン、ポリビニルブチラール、フェノキシ、高分子エポキシ、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂、ビスフェノール、ブロック共重合ポリイミド樹脂およびシアノエステル樹脂の群から選択される一種以上を含む樹脂を好適なものとして挙げることができる。
また前記エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであって、電気・電子材料用途に用いることのできるものであれば、特に問題なく使用できる。また、前記エポキシ樹脂は分子内に2個以上のグリシジル基を有する化合物を用いてエポキシ化したエポキシ樹脂が好ましい。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ブロム化(臭素化)エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン化合物、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル化合物、リン含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、の群から選ばれる1種又は2種以上を混合して用いることができ、又は前記エポキシ樹脂の水素添加体やハロゲン化体を用いることができる。
前記リン含有エポキシ樹脂として公知のリンを含有するエポキシ樹脂を用いることができる。また、前記リン含有エポキシ樹脂は例えば、分子内に2以上のエポキシ基を備える9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドからの誘導体として得られるエポキシ樹脂であることが好ましい。
この9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドからの誘導体として得られるエポキシ樹脂は、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドにナフトキノンやハイドロキノンを反応させて、以下の化1(HCA−NQ)又は化2(HCA−HQ)に示す化合物とした後に、そのOH基の部分にエポキシ樹脂を反応させてリン含有エポキシ樹脂としたものである。
上述の化合物を原料として得られた前記E成分であるリン含有エポキシ樹脂は、以下に示す化3〜化5のいずれかに示す構造式を備える化合物の1種又は2種を混合して用いることが好ましい。半硬化状態での樹脂品質の安定性に優れ、同時に難燃性効果が高いためである。
また、前記ブロム化(臭素化)エポキシ樹脂として、公知のブロム化(臭素化)されているエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、前記ブロム化(臭素化)エポキシ樹脂は分子内に2以上のエポキシ基を備えるテトラブロモビスフェノールAからの誘導体として得られる化6に示す構造式を備える臭素化エポキシ樹脂、以下に示す化7に示す構造式を備える臭素化エポキシ樹脂の1種又は2種を混合して用いることが好ましい。
前記マレイミド系樹脂または芳香族マレイミド樹脂またはマレイミド化合物またはポリマレイミド化合物としては、公知のマレイミド系樹脂または芳香族マレイミド樹脂またはマレイミド化合物またはポリマレイミド化合物を用いることができる。例えばマレイミド系樹脂または芳香族マレイミド樹脂またはマレイミド化合物またはポリマレイミド化合物としては4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン並びに上記化合物と、上記化合物またはその他の化合物とを重合させたポリマー等の使用が可能である。また、前記マレイミド系樹脂は、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂であってもよく、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂とポリアミンまたは芳香族ポリアミンとを重合させた重合付加物であってもよい。
前記ポリアミンまたは芳香族ポリアミンとしては、公知のポリアミンまたは芳香族ポリアミンを用いることができる。例えば、ポリアミンまたは芳香族ポリアミンとして、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、2,6−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3−メチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、1,3−ビス[4−アミノフェノキシ]ベンゼン、3−メチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジクロロ−4−アミノフェニル)プロパン、ビス(2,3−ジメチル−4−アミノフェニル)フェニルエタン、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン並びに上記化合物と、上記化合物またはその他の化合物とを重合させたポリマー等を用いることができる。また、公知のポリアミンおよび/または芳香族ポリアミンまたは前述のポリアミンまたは芳香族ポリアミンを一種または二種以上用いることができる。
前記フェノキシ樹脂としては公知のフェノキシ樹脂を用いることができる。また、前記フェノキシ樹脂として、ビスフェノールと2価のエポキシ樹脂との反応により合成されるものを用いることができる。エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂および/または前述のエポキシ樹脂を用いることができる。
前記ビスフェノールとしては、公知のビスフェノールを使用することができ、またビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、HCA(9,10−Dihydro−9−Oxa−10−Phosphaphenanthrene−10−Oxide)とハイドロキノン、ナフトキノン等のキノン類との付加物として得られるビスフェノール等を使用することができる。
前記架橋可能な官能基を有する線状ポリマーとしては、公知の架橋可能な官能基を有する線状ポリマーを用いることができる。例えば、前記架橋可能な官能基を有する線状ポリマーは水酸基、カルボキシル基等のエポキシ樹脂の硬化反応に寄与する官能基を備えることが好ましい。そして、この架橋可能な官能基を有する線状ポリマーは、沸点が50℃〜200℃の温度の有機溶剤に可溶であることが好ましい。ここで言う官能基を有する線状ポリマーを具体的に例示すると、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等である。
前記樹脂層は架橋剤を含んでもよい。架橋剤には、公知の架橋剤を用いることができる。架橋剤として例えばウレタン系樹脂を用いることができる。
前記ゴム性樹脂は公知のゴム性樹脂を用いることができる。例えば前記ゴム性樹脂とは、天然ゴム及び合成ゴムを含む概念として記載しており、後者の合成ゴムにはスチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム(アクリル酸エステル共重合体)、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム等がある。更に、形成する樹脂層の耐熱性を確保する際には、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等の耐熱性を備えた合成ゴムを選択使用することも有用である。これらのゴム性樹脂に関しては、芳香族ポリアミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂と反応して共重合体を製造するようにするため、両末端に種々の官能基を備えるものであることが望ましい。特に、CTBN(カルボキシ基末端ブタジエンニトリル)を用いることが有用である。また、アクリロニトリルブタジエンゴムの中でも、カルボキシル変性体であると、エポキシ樹脂と架橋構造を取り、硬化後の樹脂層のフレキシビリティを向上させることができる。カルボキシル変性体としては、カルボキシ基末端ニトリルブタジエンゴム(CTBN)、カルボキシ基末端ブタジエンゴム(CTB)、カルボキシ変性ニトリルブタジエンゴム(C‐NBR)を用いることができる。
前記ポリアミドイミド樹脂としては公知のポリイミドアミド樹脂を用いることができる。また、前記ポリイミドアミド樹脂としては例えば、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物及びビトリレンジイソシアネートをN−メチル−2−ピロリドン又は/及びN,N−ジメチルアセトアミド等の溶剤中で加熱することで得られる樹脂や、トリメリット酸無水物、ジフェニルメタンジイソシアネート及びカルボキシル基末端アクリロニトリル−ブタジエンゴムをN−メチル−2−ピロリドン又は/及びN,N−ジメチルアセトアミド等の溶剤中で加熱することで得られるものを用いることができる。
前記ゴム変成ポリアミドイミド樹脂として、公知のゴム変成ポリアミドイミド樹脂を用いることができる。ゴム変成ポリアミドイミド樹脂は、ポリアミドイミド樹脂とゴム性樹脂とを反応させて得られるものである。ポリアミドイミド樹脂とゴム性樹脂とを反応させて用いるのは、ポリアミドイミド樹脂そのものの柔軟性を向上させる目的で行う。すなわち、ポリアミドイミド樹脂とゴム性樹脂とを反応させ、ポリアミドイミド樹脂の酸成分(シクロヘキサンジカルボン酸等)の一部をゴム成分に置換するのである。ポリアミドイミド樹脂には公知のポリアミドイミド樹脂を用いることができる。また、ゴム性樹脂には公知のゴム性樹脂または前述のゴム性樹脂を用いることができる。ゴム変成ポリアミドイミド樹脂を重合させる際に、ポリアミドイミド樹脂とゴム性樹脂との溶解に使用する溶剤には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、ニトロエタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン等を、1種又は2種以上を混合して用いることが好ましい。
前記フォスファゼン系樹脂として、公知のフォスファゼン系樹脂を用いることができる。フォスファゼン系樹脂は、リン及び窒素を構成元素とする二重結合を持つフォスファゼンを含む樹脂である。フォスファゼン系樹脂は、分子中の窒素とリンの相乗効果により、難燃性能を飛躍的に向上させることができる。また、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド誘導体と異なり、樹脂中で安定して存在し、マイグレーションの発生を防ぐ効果が得られる。
前記フッ素樹脂として、公知のフッ素樹脂を用いることができる。また、フッ素樹脂として例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化))、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化))、ポリアリルスルフォン、芳香族ポリスルフィドおよび芳香族ポリエーテルの中から選ばれるいずれか少なくとも1種の熱可塑性樹脂とフッ素樹脂とからなるフッ素樹脂等を用いてもよい。
また、前記樹脂層は樹脂硬化剤を含んでもよい。樹脂硬化剤としては公知の樹脂硬化剤を用いることができる。例えば樹脂硬化剤としてはジシアンジアミド、イミダゾール類、芳香族アミン等のアミン類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA等のフェノール類、フェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂等のノボラック類、無水フタル酸等の酸無水物、ビフェニル型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フェノール樹脂等を用いることができる。また、前記樹脂層は前述の樹脂硬化剤の1種又は2種以上を含んでもよい。これらの硬化剤はエポキシ樹脂に特に有効である。
前記ビフェニル型フェノール樹脂の具体例を化8に示す。
また、前記フェノールアラルキル型フェノール樹脂の具体例を化9に示す。
イミダゾール類としては、公知のものを用いることができ、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられ、これらを単独若しくは混合して用いることができる。
また、中でも、以下の化10に示す構造式を備えるイミダゾール類を用いる事が好ましい。この化10に示す構造式のイミダゾール類を用いることで、半硬化状態の樹脂層の耐吸湿性を顕著に向上でき、長期保存安定性に優れる。イミダゾール類は、エポキシ樹脂の硬化に際して触媒的な働きを行うものであり、硬化反応の初期段階において、エポキシ樹脂の自己重合反応を引き起こす反応開始剤として寄与するからである。
前記アミン類の樹脂硬化剤としては、公知のアミン類を用いることができる。また、前記アミン類の樹脂硬化剤としては例えば前述のポリアミンや芳香族ポリアミンを用いることが出来、また、芳香族ポリアミン、ポリアミド類及びこれらをエポキシ樹脂や多価カルボン酸と重合或いは縮合させて得られるアミンアダクト体の群から選ばれた1種又は2種以上を用いてもよい。また、前記アミン類の樹脂硬化剤としては、4,4’−ジアミノジフェニレンサルフォン、3,3’−ジアミノジフェニレンサルフォン、4,4−ジアミノジフェニレル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンまたはビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]サルフォンのいずれか一種以上を用いることが好ましい。
前記樹脂層は硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤としては公知の硬化促進剤を用いることができる。例えば、硬化促進剤としては、3級アミン、イミダゾール、尿素系硬化促進剤等を用いることができる。
前記樹脂層は反応触媒を含んでもよい。反応触媒としては公知の反応触媒を用いることができる。例えば反応触媒として微粉砕シリカ、三酸化アンチモン等を用いることができる。
前記多価カルボン酸の無水物はエポキシ樹脂の硬化剤として寄与する成分であることが好ましい。また、前記多価カルボン酸の無水物は、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、テトラヒドロキシ無水フタル酸、ヘキサヒドロキシ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロキシ無水フタル酸、ナジン酸、メチルナジン酸であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂はエポキシ樹脂と重合可能なアルコール性水酸基以外の官能基を有する熱可塑性樹脂であってもよい。
前記ポリビニルアセタール樹脂は酸基および水酸基以外のエポキシ樹脂またはマレイミド化合物と重合可能な官能基を有してもよい。また、前記ポリビニルアセタール樹脂はその分子内にカルボキシル基、アミノ基または不飽和二重結合を導入したものであってもよい。
前記芳香族ポリアミド樹脂ポリマーとしては、芳香族ポリアミド樹脂とゴム性樹脂とを反応させて得られるものが挙げられる。ここで、芳香族ポリアミド樹脂とは、芳香族ジアミンとジカルボン酸との縮重合により合成されるものである。このときの芳香族ジアミンには、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−キシレンジアミン、3,3’−オキシジアニリン等を用いる。そして、ジカルボン酸には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸等を用いる。
前記芳香族ポリアミド樹脂と反応させる前記ゴム性樹脂とは、公知のゴム性樹脂または前述のゴム性樹脂を用いることができる。
この芳香族ポリアミド樹脂ポリマーは、銅張積層板に加工した後の銅箔をエッチング加工する際に、エッチング液によりアンダーエッチングによる損傷を受けないことを目的に用いたものである。
また、前記樹脂層は銅箔側(すなわちキャリア付銅箔の極薄銅層側)から順に硬化樹脂層(「硬化樹脂層」とは硬化済みの樹脂層のことを意味するとする。)と半硬化樹脂層とを順次形成した樹脂層であってもよい。前記硬化樹脂層は、熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃のポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、これらの複合樹脂のいずれかの樹脂成分で構成されてもよい。
また、前記硬化樹脂層上に、硬化した後の熱膨張係数が0ppm/℃〜50ppm/℃の半硬化樹脂層を設けてもよい。また、前記硬化樹脂層と前記半硬化樹脂層とが硬化した後の樹脂層全体の熱膨張係数が40ppm/℃以下であってもよい。前記硬化樹脂層は、ガラス転移温度が300℃以上であってもよい。また、前記半硬化樹脂層は、マレイミド系樹脂または芳香族マレイミド樹脂を用いて形成したものであってもよい。前記半硬化樹脂層を形成するための樹脂組成物は、マレイミド系樹脂、エポキシ樹脂、架橋可能な官能基を有する線状ポリマーを含むことが好ましい。エポキシ樹脂は公知のエポキシ樹脂または本明細書に記載のエポキシ樹脂を用いることができる。また、マレイミド系樹脂、芳香族マレイミド樹脂、架橋可能な官能基を有する線状ポリマーとしては公知のマレイミド系樹脂、芳香族マレイミド樹脂、架橋可能な官能基を有する線状ポリマー又は前述のマレイミド系樹脂、芳香族マレイミド樹脂、架橋可能な官能基を有する線状ポリマーを用いることができる。
また、立体成型プリント配線板製造用途に適した、樹脂層を有するキャリア付銅箔を提供する場合、前記硬化樹脂層は硬化した可撓性を有する高分子ポリマー層であることが好ましい。前記高分子ポリマー層は、はんだ実装工程に耐えられるように、150℃以上のガラス転移温度をもつ樹脂からなるものが好適である。前記高分子ポリマー層は、ポリアミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、アラミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂のいずれか1種又は2種以上の混合樹脂からなることが好ましい。また、前記高分子ポリマー層の厚さは3μm〜10μmであることが好ましい。
また、前記高分子ポリマー層は、エポキシ樹脂、マレイミド系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂のいずれか1種又は2種以上を含むことが好ましい。また、前記半硬化樹脂層は厚さが10μm〜50μmのエポキシ樹脂組成物で構成されていることが好ましい。
また、前記エポキシ樹脂組成物は以下のA成分〜E成分の各成分を含むものであることが好ましい。
A成分: エポキシ当量が200以下で、室温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂の群から選ばれる1種又は2種以上からなるエポキシ樹脂。
B成分: 高耐熱性エポキシ樹脂。
C成分: リン含有エポキシ系樹脂、フォスファゼン系樹脂のいずれか1種又はこれらを混合した樹脂であるリン含有難燃性樹脂。
D成分: 沸点が50℃〜200℃の範囲にある溶剤に可溶な性質を備える液状ゴム成分で変成したゴム変成ポリアミドイミド樹脂。
E成分: 樹脂硬化剤。
B成分は、所謂ガラス転移点Tgの高い「高耐熱性エポキシ樹脂」である。ここで言う「高耐熱性エポキシ樹脂」は、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂であることが好ましい。
C成分のリン含有エポキシ樹脂として、前述のリン含有エポキシ樹脂を用いることができる。また、C成分のフォスファゼン系樹脂として前述のフォスファゼン系樹脂を用いることができる。
D成分のゴム変成ポリアミドイミド樹脂として、前述のゴム変成ポリアミドイミド樹脂を用いることができる。E成分の樹脂硬化剤として、前述の樹脂硬化剤を用いることができる。
以上に示した樹脂組成物に溶剤を加えて樹脂ワニスとして用い、プリント配線板の接着層として熱硬化性樹脂層を形成する。当該樹脂ワニスは、上述の樹脂組成物に溶剤を加えて、樹脂固形分量が30wt%〜70wt%の範囲に調製し、MIL規格におけるMIL−P−13949Gに準拠して測定したときのレジンフローが5%〜35%の範囲にある半硬化樹脂膜の形成が可能である。溶剤には、公知の溶剤または前述の溶剤を用いることができる。
前記樹脂層は銅箔側から順に第1熱硬化性樹脂層と、当該第1熱硬化性樹脂層の表面に位置する第2熱硬化性樹脂層とを有する樹脂層であって、第1熱硬化性樹脂層は、配線板製造プロセスにおけるデスミア処理時の薬品に溶解しない樹脂成分で形成されたものであり、第2熱硬化性樹脂層は、配線板製造プロセスにおけるデスミア処理時の薬品に溶解し洗浄除去可能な樹脂を用いて形成したものであってもよい。前記第1熱硬化性樹脂層は、ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンオキサイドのいずれか一種又は2種以上を混合した樹脂成分を用いて形成したものであってもよい。前記第2熱硬化性樹脂層は、エポキシ樹脂成分を用いて形成したものであってもよい。前記第1熱硬化性樹脂層の厚さt1(μm)は、キャリア付銅箔の粗化面粗さをRz(μm)とし、第2熱硬化性樹脂層の厚さをt2(μm)としたとき、t1は、Rz<t1<t2の条件を満たす厚さであることが好ましい。
前記樹脂層は骨格材に樹脂を含浸させたプリプレグであってもよい。前記骨格材に含浸させた樹脂は熱硬化性樹脂であることが好ましい。前記プリプレグは公知のプリプレグまたはプリント配線板製造に用いるプリプレグであってもよい。
前記骨格材はアラミド繊維又はガラス繊維又は全芳香族ポリエステル繊維を含んでもよい。前記骨格材はアラミド繊維又はガラス繊維又は全芳香族ポリエステル繊維の不織布若しくは織布であることが好ましい。また、前記全芳香族ポリエステル繊維は融点が300℃以上の全芳香族ポリエステル繊維であることが好ましい。前記融点が300℃以上の全芳香族ポリエステル繊維とは、所謂液晶ポリマーと称される樹脂を用いて製造される繊維であり、当該液晶ポリマーは2−ヒドロキシル−6−ナフトエ酸及びp−ヒドロキシ安息香酸の重合体を主成分とするものである。この全芳香族ポリエステル繊維は、低誘電率、低い誘電正接を持つため、電気的絶縁層の構成材として優れた性能を有し、ガラス繊維及びアラミド繊維と同様に使用することが可能なものである。
なお、前記不織布及び織布を構成する繊維は、その表面の樹脂との濡れ性を向上させるため、シランカップリング剤処理を施す事が好ましい。このときのシランカップリング剤は、使用目的に応じて公知のアミノ系、エポキシ系等のシランカップリング剤または前述のシランカップリング剤を用いることができる。
また、前記プリプレグは公称厚さが70μm以下のアラミド繊維又はガラス繊維を用いた不織布、あるいは、公称厚さが30μm以下のガラスクロスからなる骨格材に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグであってもよい。
(樹脂層が誘電体(誘電体フィラー)を含む場合)
前記樹脂層は誘電体(誘電体フィラー)を含んでもよい。
上記いずれかの樹脂層または樹脂組成物に誘電体(誘電体フィラー)を含ませる場合には、キャパシタ層を形成する用途に用い、キャパシタ回路の電気容量を増大させることができるのである。この誘電体(誘電体フィラー)には、BaTiO3、SrTiO3、Pb(Zr−Ti)O3(通称PZT)、PbLaTiO3・PbLaZrO(通称PLZT)、SrBi2Ta2O9(通称SBT)等のペブロスカイト構造を持つ複合酸化物の誘電体粉を用いる。
誘電体(誘電体フィラー)は粉状であってもよい。誘電体(誘電体フィラー)が粉状である場合、この誘電体(誘電体フィラー)の粉体特性は、まず粒径が0.01μm〜3.0μm、好ましくは0.02μm〜2.0μmの範囲のものである必要がある。ここで言う粒径は、粉粒同士がある一定の2次凝集状態を形成しているため、レーザー回折散乱式粒度分布測定法やBET法等の測定値から平均粒径を推測するような間接測定では精度が劣るものとなるため用いることができず、誘電体(誘電体フィラー)を走査型電子顕微鏡(SEM)で直接観察し、そのSEM像を画像解析し得られる平均粒径を言うものである。本件明細書ではこの時の粒径をDIAと表示している。なお、本件明細書における走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される誘電体(誘電体フィラー)の粉体の画像解析は、旭エンジニアリング株式会社製のIP−1000PCを用いて、円度しきい値10、重なり度20として円形粒子解析を行い、平均粒径DIAを求めたものである。
上述の実施の形態により、当該内層コア材の内層回路表面と誘電体を含む樹脂層との密着性を向上させ、低い誘電正接を備えるキャパシタ回路層を形成するための誘電体を含む樹脂層を有するキャリア付銅箔を提供することができる。
前述の樹脂層に含まれる樹脂および/または樹脂組成物および/または化合物を例えばメチルエチルケトン(MEK)、シクロペンタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、トルエン、メタノール、エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤に溶解して樹脂液(樹脂ワニス)とし、これを前記極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート処理層、あるいは前記シランカップリング剤層の上に、例えばロールコータ法などによって塗布し、ついで必要に応じて加熱乾燥して溶剤を除去しBステージ状態にする。乾燥には例えば熱風乾燥炉を用いればよく、乾燥温度は100〜250℃、好ましくは130〜200℃であればよい。前記樹脂層の組成物を、溶剤を用いて溶解し、樹脂固形分3wt%〜70wt%、好ましくは、3wt%〜60wt%、好ましくは10wt%〜40wt%、より好ましくは25wt%〜40wt%の樹脂液としてもよい。なお、メチルエチルケトンとシクロペンタノンとの混合溶剤を用いて溶解することが、環境的な見地より現段階では最も好ましい。なお、溶剤には沸点が50℃〜200℃の範囲である溶剤を用いることが好ましい。
また、前記樹脂層はMIL規格におけるMIL−P−13949Gに準拠して測定したときのレジンフローが5%〜35%の範囲にある半硬化樹脂膜であることが好ましい。
本件明細書において、レジンフローとは、MIL規格におけるMIL−P−13949Gに準拠して、樹脂厚さを55μmとした樹脂付銅箔から10cm角試料を4枚サンプリングし、この4枚の試料を重ねた状態(積層体)でプレス温度171℃、プレス圧14kgf/cm2、プレス時間10分の条件で張り合わせ、そのときの樹脂流出重量を測定した結果から数1に基づいて算出した値である。
前記樹脂層を備えたキャリア付銅箔(樹脂付きキャリア付銅箔)は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついでキャリアを剥離して極薄銅層を表出せしめ(当然に表出するのは該極薄銅層の中間層側の表面である)、そこに所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
この樹脂付きキャリア付銅箔を使用すると、多層プリント配線基板の製造時におけるプリプレグ材の使用枚数を減らすことができる。しかも、樹脂層の厚みを層間絶縁が確保できるような厚みにしたり、プリプレグ材を全く使用していなくても銅張積層板を製造することができる。またこのとき、基材の表面に絶縁樹脂をアンダーコートして表面の平滑性を更に改善することもできる。
なお、プリプレグ材を使用しない場合には、プリプレグ材の材料コストが節約され、また積層工程も簡略になるので経済的に有利となり、しかも、プリプレグ材の厚み分だけ製造される多層プリント配線基板の厚みは薄くなり、1層の厚みが100μm以下である極薄の多層プリント配線基板を製造することができるという利点がある。
この樹脂層の厚みは0.1〜120μmであることが好ましい。
樹脂層の厚みが0.1μmより薄くなると、接着力が低下し、プリプレグ材を介在させることなくこの樹脂付きキャリア付銅箔を内層材を備えた基材に積層したときに、内層材の回路との間の層間絶縁を確保することが困難になる場合がある。一方、樹脂層の厚みを120μmより厚くすると、1回の塗布工程で目的厚みの樹脂層を形成することが困難となり、余分な材料費と工数がかかるため経済的に不利となる場合がある。
なお、樹脂層を有するキャリア付銅箔が極薄の多層プリント配線板を製造することに用いられる場合には、前記樹脂層の厚みを0.1μm〜5μm、より好ましくは0.5μm〜5μm、より好ましくは1μm〜5μmとすることが、多層プリント配線板の厚みを小さくするために好ましい。
また、樹脂層が誘電体を含む場合には、樹脂層の厚みは0.1〜50μmであることが好ましく、0.5μm〜25μmであることが好ましく、1.0μm〜15μmであることがより好ましい。
また、前記硬化樹脂層、半硬化樹脂層との総樹脂層厚みは0.1μm〜120μmであるものが好ましく、5μm〜120μmであるものが好ましく、10μm〜120μmであるものが好ましく、10μm〜60μmのものがより好ましい。そして、硬化樹脂層の厚みは2μm〜30μmであることが好ましく、3μm〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。また、半硬化樹脂層の厚みは3μm〜55μmであることが好ましく、7μm〜55μmであることが好ましく、15〜115μmであることがより望ましい。総樹脂層厚みが120μmを超えると、薄厚の多層プリント配線板を製造することが難しくなる場合があり、5μm未満では薄厚の多層プリント配線板を形成し易くなるものの、内層の回路間における絶縁層である樹脂層が薄くなりすぎ、内層の回路間の絶縁性を不安定にする傾向が生じる場合があるためである。また、硬化樹脂層厚みが2μm未満であると、銅箔粗化面の表面粗度を考慮する必要が生じる場合がある。逆に硬化樹脂層厚みが20μmを超えると硬化済み樹脂層による効果は特に向上することがなくなる場合があり、総絶縁層厚は厚くなる。
なお、前記樹脂層の厚みを0.1μm〜5μmとする場合には、樹脂層とキャリア付銅箔との密着性を向上させるため、極薄銅層の上に耐熱層および/または防錆層および/またはクロメート処理層および/またはシランカップリング処理層を設けた後に、当該耐熱層または防錆層またはクロメート処理層またはシランカップリング処理層の上に樹脂層を形成することが好ましい。
なお、前述の樹脂層の厚みは、任意の10点において断面観察により測定した厚みの平均値をいう。
更に、この樹脂付きキャリア付銅箔のもう一つの製品形態としては、前記粗化処理層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート処理層、あるいは前記シランカップリング処理層の上に樹脂層で被覆し、半硬化状態とした後、ついでキャリアを剥離して、キャリアが存在しない樹脂付き銅箔の形で製造することも可能である。
<プリント配線板及び電子機器>
上述したプロセスを経て本発明のキャリア付銅箔が作製される。キャリア付銅箔自体の使用方法は当業者に周知であるが、例えば極薄銅層の表面を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後にキャリアを剥がす。本発明に係るキャリア付銅箔の場合、剥離箇所は主として中間層と極薄銅層の界面である。続いて、絶縁基板に接着した極薄銅層を目的とする導体パターンにエッチングし、最終的にプリント配線板を製造することができる。具体的には、本発明のキャリア付銅箔を用いて、プリント配線板、プリント回路板、プリント配線板を常法(例えばサブトラクティブ法や修正されたセミアディティブ法(MSAP))に従って製造することができる。本発明のプリント配線板は、絶縁樹脂板と、絶縁樹脂板の上に設けられた銅回路とを有し、銅回路は前記絶縁樹脂板側から順に銅層、銅層の上に設けられたNi層、Ni層の上に設けられた銅メッキ層を含み、Ni層のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、銅回路の回路幅が20μm未満であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が20μm未満である。また、銅回路の回路幅が17μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が17μm以下であるのが好ましい。また、銅回路の回路幅が15μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が15μm以下であるのが好ましい。また、銅回路の回路幅が10μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が10μm以下であるのがより好ましい。また、銅回路の回路幅が5μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が5μm以下であるのが更により好ましい。また、回路幅の下限を設ける必要は無いが、例えば銅回路の回路幅は3μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が3μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は5μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が5μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は7μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が7μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は9μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が9μm以上である。なお、前述の銅メッキ層は極薄銅層を形成するために用いためっき液の条件など、周知の条件で形成することが出来る。
また、本発明のプリント配線板は、絶縁樹脂板と、絶縁樹脂板の上に設けられた銅回路とを有し、銅回路は絶縁樹脂板側から順に銅層、銅層の上に設けられた銅メッキ層を含み、銅回路の回路幅が20μm未満であり、銅回路と銅回路との間のスペースの幅が20μm未満であってもよい。また、このとき、銅回路の回路幅が17μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が17μm以下であるのが好ましい。また、このとき、銅回路の回路幅が15μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が15μm以下であるのが好ましい。また、銅回路の回路幅が10μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が10μm以下であるのがより好ましい。また、銅回路の回路幅が5μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が5μm以下であるのが更により好ましい。また、回路幅の下限を設ける必要は無いが、例えば銅回路の回路幅は3μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が3μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は5μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が5μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は7μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が7μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は9μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が9μm以上である。
また、本発明のプリント配線板は、絶縁樹脂板と、絶縁樹脂板の上に設けられた銅回路とを有し、銅回路は前記絶縁樹脂板側から順に銅層、銅層の上に設けられたNi層を含み、Ni層のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、銅回路の回路幅が20μm未満であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が20μm未満であってもよい。また、このとき、銅回路の回路幅が17μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が17μm以下であるのが好ましい。また、このとき、銅回路の回路幅が15μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が15μm以下であるのが好ましい。また、このとき、銅回路の回路幅が10μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が10μm以下であるのがより好ましい。また、銅回路の回路幅が5μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が5μm以下であるのが更により好ましい。また、回路幅の下限を設ける必要は無いが、例えば銅回路の回路幅は3μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が3μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は5μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が5μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は7μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が7μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は9μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が9μm以上である。
また、本発明のプリント配線板は、絶縁樹脂板と、絶縁樹脂板の上に設けられた銅回路とを有し、銅回路の回路幅が20μm未満であり、銅回路と銅回路との間のスペースの幅が20μm未満であってもよい。また、このとき、銅回路の回路幅が17μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が17μm以下であるのが好ましい。また、このとき、銅回路の回路幅が15μm以下であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が15μm以下であるのが好ましい。また、回路幅の下限を設ける必要は無いが、例えば銅回路の回路幅は3μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が3μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は5μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が5μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は7μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が7μm以上であり、例えば銅回路の回路幅は9μm以上であり、隣接する銅回路間のスペースの幅が9μm以上である。
本発明のプリント配線板の銅回路は、キャリア付銅箔を極薄銅層側から絶縁樹脂板に貼り付けて熱圧着させ、銅箔キャリアを剥がした後、極薄銅層部分をエッチングすることにより形成することができる。ここで用いる絶縁樹脂板はプリント配線板に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等を使用する事ができる。
更に、プリント配線板に電子部品類を搭載することで、プリント回路板が完成する。本発明において、「プリント配線板」にはこのように電子部品類が搭載されたプリント配線板およびプリント回路板およびプリント基板も含まれることとする。
また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。以下に、本発明に係るキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
<プリント配線板の製造方法>
以下に、本発明に係るキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を極薄銅層側が絶縁基板と対向するように積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法及びサブトラクティブ法の何れかの方法によって、回路を形成する工程を含む。絶縁基板は内層回路入りのものとすることも可能である。
本発明において、セミアディティブ法とは、絶縁基板又は銅箔シード層上に薄い無電解めっきを行い、パターンを形成後、電気めっき及びエッチングを用いて導体パターンを形成する方法を指す。
従って、セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂の表面について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
本発明において、モディファイドセミアディティブ法とは、絶縁層上に金属箔を積層し、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の金属箔を(フラッシュ)エッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する方法を指す。
従って、モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストを設けた後に、電解めっきにより回路を形成する工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストを除去することにより露出した極薄銅層をフラッシュエッチングにより除去する工程、
を含む。
モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
本発明において、パートリーアディティブ法とは、導体層を設けてなる基板、必要に応じてスルーホールやバイアホール用の孔を穿けてなる基板上に触媒核を付与し、エッチングして導体回路を形成し、必要に応じてソルダレジストまたはメッキレジストを設けた後に、前記導体回路上、スルーホールやバイアホールなどに無電解めっき処理によって厚付けを行うことにより、プリント配線板を製造する方法を指す。
従って、パートリーアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について触媒核を付与する工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して露出した前記絶縁基板表面に、ソルダレジストまたはメッキレジストを設ける工程、
前記ソルダレジストまたはメッキレジストが設けられていない領域に無電解めっき層を設ける工程、
を含む。
本発明において、サブトラクティブ法とは、銅張積層板上の銅箔の不要部分を、エッチングなどによって、選択的に除去して、導体パターンを形成する方法を指す。
従って、サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面に、電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層および前記電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面にマスクを形成する工程、
マスクが形成されいない前記無電解めっき層の表面に電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
スルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、及びその後のデスミア工程は行わなくてもよい。
ここで、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
まず、図1−Aに示すように、表面に粗化処理層が形成された極薄銅層を有するキャリア付銅箔(1層目)を準備する。
次に、図1−Bに示すように、極薄銅層の粗化処理層上にレジストを塗布し、露光・現像を行い、レジストを所定の形状にエッチングする。
次に、図1−Cに示すように、回路用のめっきを形成した後、レジストを除去することで、所定の形状の回路めっきを形成する。
次に、図2−Dに示すように、回路めっきを覆うように(回路めっきが埋没するように)極薄銅層上に埋め込み樹脂を設けて樹脂層を積層し、続いて別のキャリア付銅箔(2層目)を極薄銅層側から接着させる。
次に、図2−Eに示すように、2層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図2−Fに示すように、樹脂層の所定位置にレーザー穴あけを行い、回路めっきを露出させてブラインドビアを形成する。
次に、図3−Gに示すように、ブラインドビアに銅を埋め込みビアフィルを形成する。
次に、図3−Hに示すように、ビアフィル上に、上記図1−B及び図1−Cのようにして回路めっきを形成する。
次に、図3−Iに示すように、1層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図4−Jに示すように、フラッシュエッチングにより両表面の極薄銅層を除去し、樹脂層内の回路めっきの表面を露出させる。
次に、図4−Kに示すように、樹脂層内の回路めっき上にバンプを形成し、当該はんだ上に銅ピラーを形成する。このようにして本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板を作製する。
上記別のキャリア付銅箔(2層目)は、本発明のキャリア付銅箔を用いてもよく、従来のキャリア付銅箔を用いてもよく、さらに通常の銅箔を用いてもよい。また、図3−Hに示される2層目の回路上に、さらに回路を1層或いは複数層形成してもよく、それらの回路形成をセミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行ってもよい。
本発明に係るキャリア付銅箔は、極薄銅層表面の色差が以下(1)を満たすように制御されていることが好ましい。本発明において「極薄銅層表面の色差」とは、極薄銅層の表面の色差、又は、粗化処理等の各種表面処理が施されている場合はその表面処理層表面の色差を示す。すなわち、本発明に係るキャリア付銅箔は、極薄銅層または粗化処理層または耐熱層または防錆層またはクロメート処理層またはシランカップリング層の表面の色差が以下(1)を満たすように制御されていることが好ましい。
(1)極薄銅層または粗化処理層または耐熱層または防錆層またはクロメート処理層またはシランカップリング処理層の表面のJISZ8730に基づく色差ΔE*abが45以上である。
ここで、色差ΔL、Δa、Δbは、それぞれ色差計で測定され、黒/白/赤/緑/黄/青を加味し、JIS Z8730に基づくL*a*b表色系を用いて示される総合指標であり、ΔL:白黒、Δa:赤緑、Δb:黄青として表される。また、ΔE*abはこれらの色差を用いて下記式で表される。
上述の色差は、極薄銅層形成時の電流密度を高くし、メッキ液中の銅濃度を低くし、メッキ液の線流速を高くすることで調整することができる。
また上述の色差は、極薄銅層の表面に粗化処理を施して粗化処理層を設けることで調整することもできる。粗化処理層を設ける場合には銅およびニッケル、コバルト、タングステン、モリブデンからなる群から選択される一種以上の元素とを含む電界液を用いて、従来よりも電流密度を高く(例えば40〜60A/dm2)し、処理時間を短く(例えば0.1〜1.3秒)することで調整することができる。極薄銅層の表面に粗化処理層を設けない場合には、Niの濃度をその他の元素の2倍以上としたメッキ浴を用いて、極薄銅層または耐熱層または防錆層またはクロメート処理層またはシランカップリング処理層の表面にNi合金メッキ(例えばNi−W合金メッキ、Ni−Co−P合金メッキ、Ni−Zn合金めっき)を従来よりも低電流密度(0.1〜1.3A/dm2)で処理時間を長く(20秒〜40秒)設定して処理することで達成できる。
極薄銅層表面のJISZ8730に基づく色差ΔE*abが45以上であると、例えば、キャリア付銅箔の極薄銅層表面に回路を形成する際に、極薄銅層と回路とのコントラストが鮮明となり、その結果、視認性が良好となり回路の位置合わせを精度良く行うことができる。極薄銅層表面のJISZ8730に基づく色差ΔE*abは、好ましくは50以上であり、より好ましくは55以上であり、更により好ましくは60以上である。
極薄銅層または粗化処理層または耐熱層または防錆層またはクロメート処理層またはシランカップリング層の表面の色差が上記のようの制御されている場合には、回路めっきとのコントラストが鮮明となり、視認性が良好となる。従って、上述のようなプリント配線板の例えば図1−Cに示すような製造工程において、回路めっきを精度良く所定の位置に形成することが可能となる。また、上述のようなプリント配線板の製造方法によれば、回路めっきが樹脂層に埋め込まれた構成となっているため、例えば図4−Jに示すようなフラッシュエッチングによる極薄銅層の除去の際に、回路めっきが樹脂層によって保護され、その形状が保たれ、これにより微細回路の形成が容易となる。また、回路めっきが樹脂層によって保護されるため、耐マイグレーション性が向上し、回路の配線の導通が良好に抑制される。このため、微細回路の形成が容易となる。また、図4−J及び図4−Kに示すようにフラッシュエッチングによって極薄銅層を除去したとき、回路めっきの露出面が樹脂層から凹んだ形状となるため、当該回路めっき上にバンプが、さらにその上に銅ピラーがそれぞれ形成しやすくなり、製造効率が向上する。
なお、埋め込み樹脂(レジン)には公知の樹脂、プリプレグを用いることができる。例えば、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジンやBTレジンを含浸させたガラス布であるプリプレグ、味の素ファインテクノ株式会社製ABFフィルムやABFを用いることができる。また、前記埋め込み樹脂(レジン)には本明細書に記載の樹脂層および/または樹脂および/またはプリプレグを使用することができる。
また、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔は、当該キャリア付銅箔の銅箔キャリアの表面に基板または樹脂層を有してもよい。当該基板または樹脂層を有することで、一層目に用いられるキャリア付銅箔は支持され、シワが入りにくくなるため、生産性が向上するという利点がある。なお、前記基板または樹脂層としては、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔を支持する効果を有するものであれば、特に限定されない。例えば、前記基板または樹脂層として、本明細書に記載のキャリア、プリプレグ、樹脂層や公知のキャリア、プリプレグ、樹脂層、金属板、金属箔、無機化合物の板、無機化合物の箔、有機化合物の板、有機化合物の箔を用いることができる。
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
1.キャリア付銅箔の製造
銅箔キャリアとして、厚さ35μmの長尺の電解銅箔(JX日鉱日石金属社製JTC)を用意した。この銅箔のシャイニー面に対して、中間層を形成した。中間層の形成は、表1の「中間層」の項目に記載の処理順により行った。すなわち、例えば「Ni/クロメート」と表記されているものは、まず「Ni」の処理を行った後、「クロメート」の処理を行ったことを示している。また、当該「中間層」の項目において、「Ni」と表記されているのは純ニッケルめっきを行ったことを意味し、「Ni−Zn」と表記されているのはニッケル亜鉛合金めっきを行ったことを意味し、「Cr」と表記されているのはクロムめっきを行ったことを意味し、「クロメート」と表記されているのは純クロメート処理を行ったことを意味し、「Zn−クロメート」と表記されているのは亜鉛クロメート処理を行ったことを意味し、「Ni−Mo」と表記されているのはニッケルモリブデン合金めっきを行ったことを意味し、「有機」と表記されているのは有機物層形成処理を行ったことを意味し、「Ni酸化物」と表記されているのは酸化ニッケル層形成処理を行ったことを意味する。以下に、各処理条件を示す。なお、Ni、Zn、Cr、Moの付着量を多くする場合には、電流密度を高めに設定すること、および/または、めっき時間を長めに設定すること、および/または、めっき液中の各元素の濃度を高くすることを行った。また、Ni、Zn、Cr、Moの付着量を少なくする場合には、電流密度を低めに設定すること、および/または、めっき時間を短めに設定すること、および/または、めっき液中の各元素の濃度を低くすることを行った。また、中間層が有機物であり、有機物層の厚みを厚くする場合には、有機物の層をキャリア上に設ける処理に使用する液中の有機物の濃度を高くすること、および/または、前記有機物層をキャリア上に設ける処理の時間を長くすることを行った。また、めっき液等の液組成の残部は水である。
・「Ni」:ニッケルめっき
(液組成)硫酸ニッケル:270〜280g/L、塩化ニッケル:35〜45g/L、酢酸ニッケル:10〜20g/L、クエン酸三ナトリウム:15〜25g/L、光沢剤:サッカリン、ブチンジオール等、ドデシル硫酸ナトリウム:55〜75ppm
(pH)4〜6
(液温)55〜65℃
(電流密度)1〜11A/dm2
(通電時間)1〜20秒
・「Ni−Zn」:ニッケル亜鉛合金めっき
上記ニッケルめっきの形成条件において、ニッケルめっき液中に硫酸亜鉛(ZnSO4)の形態の亜鉛を添加し、亜鉛濃度:0.05〜5g/Lの範囲で調整してニッケル亜鉛合金めっきを形成した。
・「Cr」:クロムめっき
(液組成)CrO3:200〜400g/L、H2SO4:1.5〜4g/L
(pH)1〜4
(液温)45〜60℃
(電流密度)10〜40A/dm2
(通電時間)1〜20秒
・「クロメート」:電解純クロメート処理
(液組成)重クロム酸カリウム:1〜10g/L、亜鉛:0g/L
(pH)7〜10
(液温)40〜60℃
(電流密度)0.1〜2.6A/dm2
(クーロン量)0.5〜90As/dm2
(通電時間)1〜30秒
・「Zn−クロメート」:亜鉛クロメート処理
上記電解純クロメート処理条件において、液中に硫酸亜鉛(ZnSO4)の形態の亜鉛を添加し、亜鉛濃度:0.05〜5g/Lの範囲で調整して亜鉛クロメート処理を行った。
・「Ni−Mo」:ニッケルモリブデン合金めっき
(液組成)硫酸Ni六水和物:50g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:60g/dm3、クエン酸ナトリウム:90g/dm3
(液温)30℃
(電流密度)1〜4A/dm2
(通電時間)3〜25秒
・「有機」:有機物層形成処理
濃度1〜30g/Lのカルボキシベンゾトリアゾール(CBTA)を含む、液温40℃、pH5の水溶液を、20〜120秒間シャワーリングして噴霧することにより行った。
・「Ni酸化物」:酸化ニッケル層形成処理
酸化ニッケル層形成処理として、まず、下記条件のNiめっきによってNi層を形成した後、そのNi層に対して下記条件のアノード処理を行ってNi層を酸化することで、酸化ニッケル層を形成した。
−Niめっき条件−
(液組成)硫酸ニッケル:240g/L、塩化ニッケル:45g/L、ホウ酸:30g/L
(pH)5
(液温)40℃
(電流密度)10A/dm2
(電解時間)20秒
−アノード処理条件−
(処理溶液)硫酸溶液:0.5mol/L
(液温)25℃
(電流密度)10A/dm2
(処理時間)30秒
・「Ni−Co」:ニッケルコバルト合金めっき
(液組成)Co:1〜2g/L、Ni:30〜70g/L
(pH)1.5〜3.5
(液温)30〜80℃
(電流密度)1.0〜20.0A/dm2
(通電時間)0.5〜4秒
・「Ni−P」:ニッケルリン合金めっき
(液組成)Ni:30〜70g/L、P:0.2〜1.2g/L
(pH)1.5〜2.5
(液温)30〜40℃
(電流密度)1.0〜10.0A/dm2
(通電時間)0.5〜30秒
・「Ni−Cu−Co」:ニッケル銅コバルト合金めっき
(液組成)Ni:30〜70g/L、Cu:1〜2g/L、Co:1〜2g/L
(pH)1〜4
(液温)30〜50℃
(電流密度)1.0〜10.0A/dm2
(通電時間)0.5〜30秒
・「Ni−Fe」:スパッタリングによるニッケル鉄合金乾式めっき
Ni:99mass%、Fe:1mass%の組成のスパッタリングターゲットを用いてニッケル鉄合金層を形成した。
ターゲット:Ni:99mass%、Fe:1mass%
装置:株式会社アルバック製のスパッタ装置
出力:DC50W
アルゴン圧力:0.2Pa
・「Ni−Ti」:スパッタリングによるニッケルチタン合金乾式めっき
Ni:99mass%、Ti:1mass%の組成のスパッタリングターゲットを用いてニッケルチタン合金層を形成した。
ターゲット:Ni:99mass%、Ti:1mass%
装置:株式会社アルバック製のスパッタ装置
出力:DC50W
アルゴン圧力:0.2Pa
・「Ni−Al」:スパッタリングによるニッケルアルミニウム合金乾式めっき
Ni:99mass%、Al:1mass%の組成のスパッタリングターゲットを用いてニッケルアルミニウム合金層を形成した。
ターゲット:Ni:99mass%、Al:1mass%
装置:株式会社アルバック製のスパッタ装置
出力:DC50W
アルゴン圧力:0.2Pa
(a群:実施例1a〜28a、比較例29a、36a)
中間層の形成後、中間層の上に厚み1〜10μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成した。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
次いで、極薄銅層表面に以下の粗化処理1、粗化処理2、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。
・粗化処理1
(液組成1)
Cu:10〜30g/L
2SO4:10〜150g/L
W:0〜50mg/L
ドデシル硫酸ナトリウム:0〜50mg/L
As:0〜200mg/L
(電気めっき条件1)
温度:30〜70℃
電流密度:25〜110A/dm2
粗化クーロン量:50〜500As/dm2
めっき時間:0.5〜20秒
・粗化処理2
(液組成2)
Cu:20〜80g/L
2SO4:50〜200g/L
(電気めっき条件2)
温度:30〜70℃
電流密度:5〜50A/dm2
粗化クーロン量:50〜300As/dm2
めっき時間:1〜60秒
・防錆処理
(液組成)
NaOH:40〜200g/L
NaCN:70〜250g/L
CuCN:50〜200g/L
Zn(CN)2:2〜100g/L
As23:0.01〜1g/L
(液温)
40〜90℃
(電流条件)
電流密度:1〜50A/dm2
めっき時間:1〜20秒
・クロメート処理
2Cr27(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/L
NaOH又はKOH:10〜50g/L
ZnOH又はZnSO4・7H2O:0.05〜10g/L
pH:7〜13
浴温:20〜80℃
電流密度:0.05〜5A/dm2
時間:5〜30秒
・シランカップリング処理
0.1vol%〜0.3vol%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶液をスプレー塗布した後、100〜200℃の空気中で0.1〜10秒間乾燥・加熱する。
(b群:実施例1b〜28b、比較例30b、37b)
中間層の形成後、中間層の上に厚み1〜10μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成した。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
次いで、極薄銅層表面に、以下の粗化処理1、粗化処理2、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。なお、極薄銅箔の厚みは3μmとした。
・粗化処理1
液組成 :銅10〜20g/L、硫酸50〜100g/L
液温 :25〜50℃
電流密度 :1〜58A/dm2
クーロン量:4〜81As/dm2
・粗化処理2
液組成 :銅10〜20g/L、ニッケル5〜15g/L、コバルト5〜15g/L
pH :2〜3
液温 :30〜50℃
電流密度 :24〜50A/dm2
クーロン量:34〜48As/dm2
・防錆処理
液組成 :ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH :2〜3
液温 :40〜60℃
電流密度 :5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
・クロメート処理
液組成 :重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
pH :3〜4
液温 :50〜60℃
電流密度 :0〜2A/dm2(浸漬クロメート処理のため無電解での実施も可能)
クーロン量:0〜2As/dm2(浸漬クロメート処理のため無電解での実施も可能)
・シランカップリング処理
ジアミノシラン水溶液の塗布(ジアミノシラン濃度:0.1〜0.5wt%)
(c群:実施例1c〜28c、比較例31c、38c)
中間層の形成後、中間層の上に厚み1〜10μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成した。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
次いで、極薄銅層表面に以下の粗化処理1、粗化処理2、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。なお、極薄銅箔の厚みは3μmとした。
・粗化処理1
(液組成1)
Cu:10〜30g/L
2SO4:10〜150g/L
As:0〜200mg/L
(電気めっき条件1)
温度:30〜70℃
電流密度:25〜110A/dm2
粗化クーロン量:50〜500As/dm2
めっき時間:0.5〜20秒
・粗化処理2
(液組成2)
Cu:20〜80g/L
2SO4:50〜200g/L
(電気めっき条件2)
温度:30〜70℃
電流密度:5〜50A/dm2
粗化クーロン量:50〜300As/dm2
めっき時間:1〜60秒
・防錆処理
(液組成)
NaOH:40〜200g/L
NaCN:70〜250g/L
CuCN:50〜200g/L
Zn(CN)2:2〜100g/L
As23:0.01〜1g/L
(液温)
40〜90℃
(電流条件)
電流密度:1〜50A/dm2
めっき時間:1〜20秒
・クロメート処理
2Cr27(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/L
NaOH又はKOH:10〜50g/L
ZnOH又はZnSO4・7H2O:0.05〜10g/L
pH:7〜13
浴温:20〜80℃
電流密度:0.05〜5A/dm2
時間:5〜30秒
・シランカップリング処理
0.1vol%〜0.3vol%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶液をスプレー塗布した後、100〜200℃の空気中で0.1〜10秒間乾燥・加熱する。
(d群:実施例1d〜28d、比較例32d、39d)
中間層の形成後、中間層の上に厚み3μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成した。なお、本実施例では極薄銅層の厚みを2、5、10μmとしたキャリア付銅箔についても製造し、極薄銅層の厚みが3μmの実施例と同様に評価した。結果は厚みによらずほとんど同じとなった。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド−濃度:10〜100ppm
3級アミン化合物:10〜100ppm
塩素:10〜100ppm
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
なお、前述の3級アミン化合物として以下の化合物を用いた。
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。ここでは、R1及びR2は共にメチル基とした。)
上記化合物は例えばナガセケムテックス株式会社製デナコール Ex−314とジメチルアミンを所定量混合させ、60℃で3時間反応を行うことで得ることができる。
次いで、極薄銅層表面に以下の粗化処理1、粗化処理2、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。
・粗化処理1
液組成 :銅10〜20g/L、硫酸50〜100g/L
液温 :25〜50℃
電流密度 :1〜58A/dm2
クーロン量:4〜81As/dm2
・粗化処理2
液組成 :銅10〜20g/L、ニッケル5〜15g/L、コバルト5〜15g/L
pH :2〜3
液温 :30〜50℃
電流密度 :24〜50A/dm2
クーロン量:34〜48As/dm2
・防錆処理
液組成 :ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH :2〜3
液温 :40〜60℃
電流密度 :5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
・クロメート処理
液組成 :重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
pH :3〜4
液温 :50〜60℃
電流密度 :0〜2A/dm2(浸漬クロメート処理のため無電解での実施も可能)
クーロン量:0〜2As/dm2(浸漬クロメート処理のため無電解での実施も可能)
・シランカップリング処理
ジアミノシラン水溶液の塗布(ジアミノシラン濃度:0.1〜0.5wt%)
(e群:実施例1e〜28e、比較例33e、40e)
中間層の形成後、中間層の上に厚み3μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成した。なお、本実施例では極薄銅層の厚みを2、5、10μmとしたキャリア付銅箔についても製造し、極薄銅層の厚みが3μmの実施例と同様に評価した。結果は厚みによらずほとんど同じとなった。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド−濃度:10〜100ppm
3級アミン化合物:10〜100ppm
塩素:10〜100ppm
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
なお、前述の3級アミン化合物として以下の化合物を用いた。
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。ここでは、R1及びR2は共にメチル基とした。)
上記化合物は例えばナガセケムテックス株式会社製デナコール Ex−314とジメチルアミンを所定量混合させ、60℃で3時間反応を行うことで得ることができる。)
次いで、極薄銅層表面に以下の粗化処理1、粗化処理2、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。
・粗化処理1
(液組成1)
Cu:10〜30g/L
2SO4:10〜150g/L
W:0.1〜50mg/L
ドデシル硫酸ナトリウム:0.1〜50mg/L
As:0.1〜200mg/L
(電気めっき条件1)
温度:30〜70℃
電流密度:25〜110A/dm2
粗化クーロン量:50〜500As/dm2
めっき時間:0.5〜20秒
・粗化処理2
(液組成2)
Cu:20〜80g/L
2SO4:50〜200g/L
(電気めっき条件2)
温度:30〜70℃
電流密度:5〜50A/dm2
粗化クーロン量:50〜300As/dm2
めっき時間:1〜60秒
・防錆処理
(液組成)
NaOH:40〜200g/L
NaCN:70〜250g/L
CuCN:50〜200g/L
Zn(CN)2:2〜100g/L
As23:0.01〜1g/L
(液温)
40〜90℃
(電流条件)
電流密度:1〜50A/dm2
めっき時間:1〜20秒
・クロメート処理
2Cr27(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/L
NaOH又はKOH:10〜50g/L
ZnOH又はZnSO4・7H2O:0.05〜10g/L
pH:7〜13
浴温:20〜80℃
電流密度:0.05〜5A/dm2
時間:5〜30秒
・シランカップリング処理
0.1vol%〜0.3vol%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶液をスプレー塗布した後、100〜200℃の空気中で0.1〜10秒間乾燥・加熱する。
(f群:比較1f〜28f、34f、41f)
中間層の形成後、中間層の上に厚み1〜10μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成した。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
次いで、極薄銅層表面に、以下の粗化処理1、粗化処理2、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。
・粗化処理1
(液組成1)
Cu:10〜30g/L
2SO4:10〜150g/L
As:0〜200mg/L
(電気めっき条件1)
温度:30〜70℃
電流密度:25〜110A/dm2
粗化クーロン量:50〜500As/dm2
めっき時間:0.5〜20秒
・粗化処理2
(液組成2)
Cu:20〜80g/L
2SO4:50〜200g/L
(電気めっき条件2)
温度:30〜70℃
電流密度:5〜50A/dm2
粗化クーロン量:50〜300As/dm2
めっき時間:1〜60秒
・防錆処理
(液組成)
NaOH:40〜200g/L
NaCN:70〜250g/L
CuCN:50〜200g/L
Zn(CN)2:2〜100g/L
As23:0.01〜1g/L
(液温)
40〜90℃
(電流条件)
電流密度:1〜50A/dm2
めっき時間:1〜20秒
・クロメート処理
2Cr27(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/L
NaOH又はKOH:10〜50g/L
ZnOH又はZnSO4・7H2O:0.05〜10g/L
pH:7〜13
浴温:20〜80℃
電流密度:0.05〜5A/dm2
時間:5〜30秒
・シランカップリング処理
0.1vol%〜0.3vol%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶液をスプレー塗布した後、100〜200℃の空気中で0.1〜10秒間乾燥・加熱する。
(g群:比較1g〜28g、35g)
中間層の形成後、中間層の上に厚み1〜10μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成した。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
次いで、極薄銅層表面に、以下の粗化処理1、粗化処理2、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。
・粗化処理1
(液組成1)
Cu:10〜30g/L
2SO4:10〜150g/L
W:0〜50mg/L
ドデシル硫酸ナトリウム:0〜50mg/L
As:0〜200mg/L
(電気めっき条件1)
温度:30〜70℃
電流密度:25〜110A/dm2
粗化クーロン量:50〜500As/dm2
めっき時間:40秒
・粗化処理2
(液組成2)
Cu:20〜80g/L
2SO4:50〜200g/L
(電気めっき条件2)
温度:30〜70℃
電流密度:5〜50A/dm2
粗化クーロン量:50〜300As/dm2
めっき時間:80秒
・防錆処理
(液組成)
NaOH:40〜200g/L
NaCN:70〜250g/L
CuCN:50〜200g/L
Zn(CN)2:2〜100g/L
As23:0.01〜1g/L
(液温)
40〜90℃
(電流条件)
電流密度:1〜50A/dm2
めっき時間:1〜20秒
・クロメート処理
2Cr27(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/L
NaOH又はKOH:10〜50g/L
ZnOH又はZnSO4・7H2O:0.05〜10g/L
pH:7〜13
浴温:20〜80℃
電流密度:0.05〜5A/dm2
時間:5〜30秒
・シランカップリング処理
0.1vol%〜0.3vol%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶液をスプレー塗布した後、100〜200℃の空気中で0.1〜10秒間乾燥・加熱する。
2.キャリア付銅箔の評価
上記のようにして得られたキャリア付銅箔について、以下の方法で各評価を実施した。
<中間層の金属付着量>
ニッケル付着量はサンプルを濃度20質量%の硝酸で溶解してSII社製のICP発光分光分析装置(型式:SPS3100)を用いてICP発光分析によって測定し、亜鉛及びクロム付着量はサンプルを温度が100℃である濃度7質量%の塩酸にて溶解して、VARIAN社製の原子吸光分光光度計(型式:AA240FS)を用いて原子吸光法により定量分析を行うことで測定し、モリブデン付着量はサンプルを硝酸と塩酸の混合液(硝酸濃度:20質量%、塩酸濃度:12質量%)にて溶解して、VARIAN社製の原子吸光分光光度計(型式:AA240FS)を用いて原子吸光法により定量分析を行うことで測定した。なお、前記ニッケル、亜鉛、クロム、モリブデン付着量の測定は以下のようにして行った。まず、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥離した後、極薄銅層の中間層側の表面付近のみを溶解して(表面から0.5μm厚みのみ溶解する。すなわち、後述の表に示すように極薄銅層の厚みが5μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの10%溶解する。また、極薄銅層の厚みが4μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの12.5%溶解する。また、極薄銅層の厚みが3μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの16.7%溶解する。また、極薄銅層の厚みが2μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの25%溶解する。また、極薄銅層の厚みが1μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの50%溶解する。)、極薄銅層の中間層側の表面の付着量を測定する。また、極薄銅層を剥離した後に、キャリアの中間層側の表面付近のみを溶解して(表面から0.5μm厚みのみ溶解する)、キャリアの中間層側の表面の付着量を測定する。そして、極薄銅層の中間層側の表面の付着量とキャリアの中間層側の表面の付着量とを合計した値を、中間層の金属付着量とした。なお、極薄銅層の凹凸が大きいときであって、極薄銅層の厚みが1.5μm以下である場合等では、極薄銅層の中間層側の表面から0.5μm厚みだけ溶解したとき、極薄銅層表面の粗化処理成分も溶解してしまうことがある。そのため、このような場合は、極薄銅層の中間層側の厚み30%を溶解する。
なお、サンプルが上記濃度20質量%の硝酸または上記濃度7質量%の塩酸に溶解しにくい場合には、硝酸と塩酸の混合液(硝酸濃度:20質量%、塩酸濃度:12質量%)にてサンプルを溶解した後に、上述の方法によって、ニッケル、亜鉛、クロムの付着量を測定することができる。
なお、「金属付着量」とは、サンプル単位面積(1dm2)当たりの当該金属付着量(質量)のことを言う。
<中間層の有機物厚み>
キャリア付銅箔の極薄銅層をキャリアから剥離した後に、露出した極薄銅層の中間層側の表面と、露出したキャリアの中間層側の表面をXPS測定し、デプスプロファイルを作成した。そして、極薄銅層の中間層側の表面から最初に炭素濃度が3at%以下となった深さをA(nm)とし、キャリアの中間層側の表面から最初に炭素濃度が3at%以下となった深さをB(nm)とし、AとBとの合計を中間層の有機物の厚み(nm)とした。なお、深さ方向(x:単位nm)の金属の原子濃度の測定間隔は0.18〜0.30nm(SiO2換算)とするとよい。本実施例においては、深さ方向の金属の原子濃度を0.28nm(SiO2換算)間隔で測定した(スパッタリング時間で、0.1分おきに測定した)。
なお、上記XPS測定による炭素濃度のデプスプロファイルは、露出した極薄銅層の中間層側の表面および露出したキャリアの中間層側の表面について、それぞれ、各サンプルシートの長辺方向において、両端から50mm以内の領域内の各1箇所、中央部の50mm×50mmの領域内の1箇所の合計3箇所、すなわち、露出した極薄銅層の中間層側の表面および露出したキャリアの中間層側の表面において合計6箇所について作成した。当該露出した極薄銅層の中間層側の表面3箇所、露出したキャリアの中間層側の表面の3箇所の測定箇所を図5に示す。続いて、露出した極薄銅層の中間層側の表面および露出したキャリアの中間層側のそれぞれの3箇所の領域について作成されたデプスプロファイルから、それぞれ上述の極薄銅層の中間層側の表面から最初に炭素濃度が3at%以下となった深さA(nm)、及び、キャリアの中間層側の表面から最初に炭素濃度が3at%以下となった深さB(nm)を算出し、A(nm)の算術平均値とB(nm)の算術平均値との合計を中間層の有機物の厚み(nm)とした。
なお、サンプルの大きさが小さい場合には、上述の両端から50mm以内の領域ならびに中央部の50mm×50mmの領域は重なってもよい。
XPSの稼働条件を以下に示す。
・装置:XPS測定装置(アルバックファイ社、型式5600MC)
・到達真空度:3.8×10-7Pa
・X線:単色AlKαまたは非単色MgKα、エックス線出力300W、検出面積800μmφ、試料と検出器のなす角度45°
・イオン線:イオン種Ar+、加速電圧3kV、掃引面積3mm×3mm、スパッタリングレート2.8nm/min(SiO2換算)
なお、XPSとはX線光電子分光法のことを意味する。本発明においては、アルバックファイ社のXPS測定装置(型式5600MC又は、アルバックファイ社が製造販売する同等の測定装置)を用いることを前提とするが、こうした測定装置が入手できないような場合には、深さ方向の各元素濃度の測定間隔を0.10〜0.30nm(SiO2換算)とし、スパッタリングレートを1.0〜3.0nm/min(SiO2換算)とすれば、その他のXPS測定装置を用いてもよい。
<極薄銅層表面のNi付着量>
キャリア付銅箔を極薄銅層側をBT樹脂(トリアジン−ビスマレイミド系樹脂、三菱瓦斯化学株式会社製)に貼り付けて220℃で2時間加熱圧着した。その後、JIS C 6471(方法A)に準拠して極薄銅層を銅箔キャリアから剥がした。続いて、極薄銅層の中間層側の表面のNiの付着量を、サンプルを濃度20質量%の硝酸で溶解してSII社製のICP発光分光分析装置(型式:SPS3100)を用いてICP発光分析することで測定した。なお、極薄銅層の中間層側の表面とは反対側の表面にNiを含む表面処理がされている場合には、極薄銅層の中間層側の表面付近のみを溶解する(表面から0.5μm厚みのみ溶解する。すなわち、後述の表に示すように極薄銅層の厚みが5μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの10%溶解する。また、極薄銅層の厚みが4μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの12.5%溶解する。また、極薄銅層の厚みが3μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの16.7%溶解する。また、極薄銅層の厚みが2μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの25%溶解する。また、極薄銅層の厚みが1μmである実施例、比較例については、極薄銅層の厚みの50%溶解する。)ことで、極薄銅層の中間層側の表面のNiの付着量を測定することができる。なお、極薄銅層の凹凸が大きいときであって、極薄銅層の厚みが1.5μm以下である場合等では、極薄銅層の中間層側の表面から0.5μm厚みだけ溶解したとき、極薄銅層表面の粗化処理成分も溶解してしまうことがある。そのため、このような場合は、極薄銅層の中間層側の厚み30%を溶解する。
<表面粗さ>
極薄銅層側の表面(すなわち表面処理後の極薄銅層の表面処理されている面)の表面粗さ(Ra、Rt、Rz、Ssk、Sku)を非接触式粗さ測定機(オリンパス製 LEXT OLS 4000)を用いて、Ra、RzについてはJIS B0601−1994に準拠して、RtについてはJIS B0601−2001に準拠して、またSsk、SkuについてはISO25178に準拠して以下の測定条件で、測定した。
<測定条件>
カットオフ:無
基準長さ:257.9μm
基準面積:66524μm2
測定環境温度:23〜25℃
また、比較のため、接触式粗さ測定機(株式会社小阪研究所製接触粗さ計Surfcorder SE−3C)を用いて、JIS B0601−1994(Ra、Rz)及びJIS B0601−2001(Rt)に準拠して以下の測定条件でも極薄銅層側の表面(すなわち表面処理後の極薄銅層の表面処理されている面)の表面粗さ(Ra、Rt、Rz)を測定した。
<測定条件>
カットオフ:0.25mm
基準長さ:0.8mm
測定環境温度:23〜25℃
<表面積比>
非接触式粗さ測定機(オリンパス製 LEXT OLS 4000)を用いて、以下の測定条件で、測定した。表面積比は、エリア及び実エリアを測定し、実エリア/エリアの値を表面積比とした。ここで、エリアとは測定基準面積を指し、実エリアとは測定基準面積中の表面積を指す。
<測定条件>
カットオフ:無
基準長さ:257.9μm
基準面積:66524μm2
測定環境温度:23〜25℃
<粗化処理面の体積>
非接触式粗さ測定機(レーザー顕微鏡、オリンパス製 LEXT OLS 4000)を用いて、以下の測定条件で、測定した。なお、粗化処理面の体積は以下の様に測定される。
(1)レーザー顕微鏡がサンプルの表面に焦点の合う高さに合わせる。
(2)明るさを調整し、全体照度が飽和点の約80%になるよう調節する。
(3)レーザー顕微鏡をサンプルに近づけ、画面照度が完全に消失した地点をゼロとする。
(4)レーザー顕微鏡をサンプルから遠ざけ、画面照度が完全に消失した地点を上限高さとする。
(5)高さゼロから上限までの粗化処理面の体積を測定する。
<測定条件>
カットオフ:無
基準長さ:257.9μm
基準面積:66524μm2
測定環境温度:23〜25℃
<マイグレーション>
各キャリア付き銅箔をビスマス系樹脂に接着し、次いでキャリア箔を剥離除去した。露出した極薄銅層の厚みをソフトエッチングにより1.5μmとした。その後、洗浄、乾燥を行った後に、極薄銅層上に、DF(日立化成社製、商品名RY−3625)をラミネート塗布した。15mJ/cm2の条件で露光し、現像液(炭酸ナトリウム)を用いて38℃で1分間液噴射揺動し、表に記載の各種ピッチでレジストパターンを形成した。次いで、硫酸銅めっき(荏原ユージライト製 CUBRITE21)を用いて15μmめっきUPしたのち、剥離液(水酸化ナトリウム)でDFを剥離した。その後、極薄銅層を硫酸−過酸化水素系のエッチャントでエッチング除去して表に記載の各種ピッチの配線を形成した。
表中に記載されているピッチはライン及びスペースの合計値に相当する。
得られた配線に対して、マイグレーション測定機(IMV製 MIG−9000)を用いて、以下の測定条件で、配線パターン間の絶縁劣化の有無を評価した。
<測定条件>
閾値:初期抵抗60%ダウン
測定時間:1000h
電圧:60V
温度:85℃
相対湿度:85%RH
<エッチングファクター>
キャリア付銅箔をポリイミド基板に貼り付けて220℃で2時間加熱圧着し、その後、極薄銅層を銅箔キャリアから剥がした。続いて、ポリイミド基板上の極薄銅層表面に、感光性レジストを塗布した後、露光工程により50本のL/S=5μm/5μm幅の回路を印刷し、銅層の不要部分を除去するエッチング処理を以下のスプレーエッチング条件にて行った。
(スプレーエッチング条件)
エッチング液:塩化第二鉄水溶液(ボーメ度:40度)
液温:60℃
スプレー圧:2.0MPa
エッチングを続け、回路トップ幅が4μmになるまでの時間を測定し、さらにそのときの回路ボトム幅(底辺Xの長さ)及びエッチングファクターを評価した。エッチングファクターは、末広がりにエッチングされた場合(ダレが発生した場合)、回路が垂直にエッチングされたと仮定した場合の、銅箔上面からの垂線と樹脂基板との交点からのダレの長さの距離をaとした場合において、このaと銅箔の厚さbとの比:b/aを示すものであり、この数値が大きいほど、傾斜角は大きくなり、エッチング残渣が残らず、ダレが小さくなることを意味する。図6に、回路パターンの幅方向の横断面の模式図と、該模式図を用いたエッチングファクターの計算方法の概略とを示す。このXは回路上方からのSEM観察により測定し、エッチングファクター(EF=b/a)を算出した。なお、a=(X(μm)−4(μm))/2で計算した。このエッチングファクターを用いることにより、エッチング性の良否を簡単に判定できる。本発明では、エッチングファクターが5以上をエッチング性:○、2.5以上5未満をエッチング性:△、2.5未満或いは算出不可をエッチング性:×と評価した。なお、表中「底辺Xの長さ」における「連結」は、少なくとも底辺部分において隣接する回路と連結してしまい、回路が形成できなかったことを示している。
<ピンホール>
キャリア付銅箔の極薄銅層側の表面をBT樹脂(トリアジン−ビスマレイミド系樹脂、三菱瓦斯化学株式会社製)に貼り付けて220℃で2時間加熱圧着した。次に、キャリア側を上に向け、キャリア付銅箔のサンプルを手で押さえながら、無理に引き剥がすことなく極薄銅層が途中で切れてしまわないように注意しながら極薄銅層からキャリアを手で剥がした。続いて、BT樹脂(トリアジン−ビスマレイミド系樹脂、三菱瓦斯化学株式会社製)上の極薄銅層表面に対し、民生用の写真用バックライトを光源にして、目視でピンホールの数を測定した。評価は以下の基準により行った。
×:ピンホール10,000個/dm2
△:ピンホール5,000個/dm2以上〜10,000個/dm2以下
○:ピンホール100個/dm2以上〜5,000個/dm2未満
◎:ピンホール20個/dm2以上〜100個/dm2未満
◎◎:ピンホール20個/dm2未満
結果を表1〜12に示す。
実施例1〜28(a〜e)は、いずれも、キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して極薄銅層を剥がしたとき、極薄銅層の中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、それぞれ非接触式粗さ計で測定した極薄銅層側の表面のRzが1.6μm以下、Raが0.3μm以下、Rtが2.3μm以下であり、極薄銅層側の表面の表面積比が1.05〜1.5であった。このため、エッチング性が良好であり、ピンホールの発生が良好に抑制されていた。
比較例1〜28(f〜g)は、それぞれ非接触式粗さ計で測定した極薄銅層側の表面のRzが1.6μm以下、Raが0.3μm以下、Rtが2.3μm以下、極薄銅層側の表面の表面積比が1.05〜1.5のいずれも満たさなかった。このため、35μmピッチでマイグレーションが発生した。
比較例29〜38(a〜g)は、いずれも、キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して極薄銅層を剥がしたとき、極薄銅層の中間層側の表面のNiの付着量が300μg/dm2を超えたため、エッチング性が不良であった。
比較例39〜41(d〜f)は、いずれも、キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して極薄銅層を剥がしたとき、極薄銅層の中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2未満であったため、極薄銅層にピンホールが多く発生した。
<MSAPによるプリント配線板の製造>
上述の各実施例及び各比較例のキャリア付銅箔を用いて、MSAP(Modified semi additive Process:修正されたセミアディティブ工程)によりL/S=15μm/15μmのプリント配線板を作製したところ、全ての実施例と比較例39〜41のキャリア付銅箔を用いた場合においては、MSAPによりL/S=15μm/15μmのプリント配線板を製造することができた。また、比較例1〜38のキャリア付銅箔を用いた場合にはMSAPによりL/S=15μm/15μmのプリント配線板を製造することができなかった。また、実施例16、実施例21のキャリア付銅箔を用いて、MSAP(Modified semi additive Process:修正されたセミアディティブ工程)によりL/S=5μm/10μmおよびL/S=8μm/7μmのプリント配線板を作製したところ、実施例16、実施例21を用いた場合においては、L/S=5μm/10μmおよびL/S=8μm/7μmのプリント配線板を製造することができた。

Claims (43)

  1. 銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
    前記中間層はNiを含み、
    前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
    前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して1.6μm以下であるキャリア付銅箔。
  2. 銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
    前記中間層はNiを含み、
    前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
    前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.3μm以下であるキャリア付銅箔。
  3. 前記極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.3μm以下である請求項1に記載のキャリア付銅箔。
  4. 銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
    前記中間層はNiを含み、
    前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
    前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して2.3μm以下であるキャリア付銅箔。
  5. 前記極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して2.3μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  6. 銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
    前記中間層はNiを含み、
    前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
    前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面の表面積比が1.05〜1.5であるキャリア付銅箔(ここで、表面積比とは、レーザー顕微鏡にてエリア及び実エリアを測定したときの、実エリア/エリアの値である。エリアとは測定基準面積を指し、実エリアとは測定基準面積中の表面積を指す。)。
  7. 前記極薄銅層側の表面の表面積比が1.05〜1.5である請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔(ここで、表面積比とは、レーザー顕微鏡にてエリア及び実エリアを測定したときの、実エリア/エリアの値である。エリアとは測定基準面積を指し、実エリアとは測定基準面積中の表面積を指す。)。
  8. 銅箔キャリアの一方又は両方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
    前記中間層はNiを含み、
    前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、JIS C 6471に準拠して前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上300μg/dm2以下であり、
    前記極薄銅層は粗化処理されており、極薄銅層側の表面の面積66524μm2当たりのレーザー顕微鏡にて測定される体積が300000μm3以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  9. 極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して1.4μm以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  10. 極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.25μm以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  11. 極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して1.8μm以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  12. 極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して1.3μm以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  13. 極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.20μm以下である請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  14. 極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して1.5μm以下である請求項1〜13のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  15. 極薄銅層側の表面のRzは非接触式粗さ計で測定して0.8μm以下である請求項1〜14のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  16. 極薄銅層側の表面のRaは非接触式粗さ計で測定して0.16μm以下である請求項1〜15のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  17. 極薄銅層側の表面のRtは非接触式粗さ計で測定して1.0μm以下である請求項1〜16のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  18. 極薄銅層側の表面は、Sskが−0.3〜0.3である請求項1〜17のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  19. 極薄銅層側の表面は、Skuが2.7〜3.3である請求項1〜18のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  20. 前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上250μg/dm2以下である請求項1〜19のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  21. 前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上200μg/dm2以下である請求項20に記載のキャリア付銅箔。
  22. 前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上156μg/dm2以下である請求項21に記載のキャリア付銅箔。
  23. 前記キャリア付銅箔を220℃で2時間加熱した後、前記極薄銅層を剥がしたとき、前記極薄銅層の前記中間層側の表面のNiの付着量が5μg/dm2以上108μg/dm2以下である請求項22に記載のキャリア付銅箔。
  24. 前記中間層のNi含有量が、100μg/dm2以上5000μg/dm2以下である請求項1〜23のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  25. 前記中間層が、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znこれらの合金、これらの水和物、これらの酸化物、有機物からなる群から選択される一種又は二種以上を含む請求項1〜24のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  26. 前記中間層が、Crを含む場合は、Crを5〜100μg/dm2含有し、Moを含む場合は、Moを50μg/dm2以上1000μg/dm2以下含有し、Znを含む場合は、Znを1μg/dm2以上120μg/dm2以下含有する請求項25に記載のキャリア付銅箔。
  27. 前記中間層が有機物を厚みで25nm以上80nm以下含有する請求項25又は26に記載のキャリア付銅箔。
  28. 前記有機物が、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及びカルボン酸の中から選択される1種又は2種以上からなる有機物である請求項25〜27のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  29. 銅箔キャリアの一方の面に、中間層及び極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であり、
    前記銅箔キャリアの、前記極薄銅層側の表面とは反対側の面に、粗化処理層が設けられている請求項1〜28のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  30. 前記粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項1〜29のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  31. 前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える請求項30に記載のキャリア付銅箔。
  32. 前記粗化処理層が、銅、ニッケル、コバルト、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層である請求項1〜31のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  33. 前記粗化処理層の表面に樹脂層を備える請求項1〜32のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  34. 前記樹脂層が誘電体を含む請求項31又は33に記載のキャリア付銅箔。
  35. 請求項1〜34のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を用いて製造した銅張積層板。
  36. 請求項1〜34のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント配線板。
  37. 請求項36に記載のプリント配線板を用いた電子機器。
  38. 請求項1〜34のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
    その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
  39. 請求項1〜34のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に回路を形成する工程、
    前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
    前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
    を含むプリント配線板の製造方法。
  40. 前記樹脂層上に回路を形成する工程が、前記樹脂層上に別のキャリア付銅箔を極薄銅層側から貼り合わせ、前記樹脂層に貼り合わせたキャリア付銅箔を用いて前記回路を形成する工程である請求項39に記載のプリント配線板の製造方法。
  41. 前記樹脂層上に貼り合わせる別のキャリア付銅箔が、請求項1〜34のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔である請求項40に記載のプリント配線板の製造方法。
  42. 前記樹脂層上に回路を形成する工程が、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行われる請求項39に記載のプリント配線板の製造方法。
  43. 前記表面に回路を形成するキャリア付銅箔が、前記キャリア付銅箔のキャリアの表面に基板または樹脂層を有する請求項39〜42のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
JP2014088608A 2014-04-22 2014-04-22 キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法 Pending JP2015205481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014088608A JP2015205481A (ja) 2014-04-22 2014-04-22 キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014088608A JP2015205481A (ja) 2014-04-22 2014-04-22 キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015205481A true JP2015205481A (ja) 2015-11-19

Family

ID=54602748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014088608A Pending JP2015205481A (ja) 2014-04-22 2014-04-22 キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015205481A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017177610A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 Jx金属株式会社 キャリア付銅箔、積層体、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法
JP2017177611A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 Jx金属株式会社 キャリア付銅箔、積層体、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法
CN109564796A (zh) * 2016-07-26 2019-04-02 松下知识产权经营株式会社 透视型电极用层叠板、透视型电极原材料、器件及透视型电极用层叠板的制造方法
JPWO2019194229A1 (ja) * 2018-04-03 2020-04-30 日本製鉄株式会社 亜鉛系電気めっき鋼板

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004124214A (ja) * 2002-10-04 2004-04-22 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd キャリア箔付電解銅箔並びにその製造方法及びそのキャリア箔付電解銅箔を用いた銅張積層板
JP4824828B1 (ja) * 2010-11-04 2011-11-30 福田金属箔粉工業株式会社 複合金属箔及びその製造方法並びにプリント配線板
JP5449596B1 (ja) * 2013-02-28 2014-03-19 Jx日鉱日石金属株式会社 キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及び、プリント配線板の製造方法
WO2014042201A1 (ja) * 2012-09-11 2014-03-20 Jx日鉱日石金属株式会社 キャリア付き銅箔

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004124214A (ja) * 2002-10-04 2004-04-22 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd キャリア箔付電解銅箔並びにその製造方法及びそのキャリア箔付電解銅箔を用いた銅張積層板
JP4824828B1 (ja) * 2010-11-04 2011-11-30 福田金属箔粉工業株式会社 複合金属箔及びその製造方法並びにプリント配線板
WO2014042201A1 (ja) * 2012-09-11 2014-03-20 Jx日鉱日石金属株式会社 キャリア付き銅箔
JP5449596B1 (ja) * 2013-02-28 2014-03-19 Jx日鉱日石金属株式会社 キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及び、プリント配線板の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017177610A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 Jx金属株式会社 キャリア付銅箔、積層体、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法
JP2017177611A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 Jx金属株式会社 キャリア付銅箔、積層体、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法
CN109564796A (zh) * 2016-07-26 2019-04-02 松下知识产权经营株式会社 透视型电极用层叠板、透视型电极原材料、器件及透视型电极用层叠板的制造方法
JPWO2019194229A1 (ja) * 2018-04-03 2020-04-30 日本製鉄株式会社 亜鉛系電気めっき鋼板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108588766B (zh) 附载体铜箔
JP6379038B2 (ja) キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及び、プリント配線板の製造方法
WO2014080959A1 (ja) キャリア付き銅箔
WO2014024994A1 (ja) キャリア付銅箔
JP2014193606A (ja) キャリア付銅箔、それを用いた銅張積層板、プリント配線板、それを用いた電子機器及びプリント配線板の製造方法
WO2014065430A1 (ja) キャリア付銅箔、それを用いた銅張積層板、プリント配線板、プリント回路板、及び、プリント配線板の製造方法
WO2014084385A1 (ja) キャリア付銅箔
JP5870148B2 (ja) キャリア付銅箔、プリント回路板の製造方法、銅張積層板、銅張積層板の製造方法、及び、プリント配線板の製造方法
WO2014084384A1 (ja) キャリア付銅箔
WO2014065431A1 (ja) キャリア付銅箔、それを用いた銅張積層板、プリント配線板、プリント回路板、及び、プリント配線板の製造方法
JP6415033B2 (ja) キャリア付銅箔、銅張積層板の製造方法、及び、プリント配線板の製造方法
JP6377329B2 (ja) キャリア付銅箔、銅張積層板の製造方法、及び、プリント配線板の製造方法
JP2015117436A (ja) 表面処理銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器、並びに、プリント配線板の製造方法
JP6343205B2 (ja) キャリア付銅箔及びそれを用いた積層板の製造方法、プリント配線板、電子機器、プリント配線板の製造方法、並びに、電子機器の製造方法
JP2015205481A (ja) キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法
JP6396967B2 (ja) キャリア付銅箔及びキャリア付き銅箔を用いた銅張積層板
JP2015061757A (ja) キャリア付銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器、並びに、プリント配線板の製造方法
WO2014084321A1 (ja) キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板及びプリント回路板
JP2015078421A (ja) キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及び、プリント配線板の製造方法
JP5919345B2 (ja) キャリア付銅箔の製造方法、銅張積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法、電子機器の製造方法、キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板及び電子機器
JP2015163740A (ja) キャリア付銅箔、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及び、プリント配線板の製造方法
JP2015172250A (ja) 表面処理銅箔、キャリア付銅箔、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板及びプリント配線板の製造方法
JP2015061758A (ja) キャリア付銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器、並びに、プリント配線板の製造方法
JP2016050362A (ja) キャリア付銅箔の製造方法、銅張積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法、電子機器の製造方法、キャリア付銅箔
JP2015062222A (ja) キャリア付銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器、並びにプリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180326

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180731