JP2015204934A - 凝縮酸性液の生成方法及び凝縮酸性液を用いた殺菌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で消毒、殺菌、滅菌効果を高める酸性液の生成方法及び生成された酸性液を利用する装置を提供すること。【解決手段】気密密閉容器内に配置されて電圧を印加される第1電極及び第2電極を有し、前記第1電極及び前記第2電極との間に水または水溶液を介しての放電により発生した蒸気が前記気密密閉容器内に収納されてる被処理物の表面に凝集してpH2.0以下の凝縮酸性液を生成する方法を利用して、安価に被処理物の表面の消毒、殺菌、滅菌を目的とした装置であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、高電圧を電極に印加して放電する際に発生した蒸気が被処理物の表面に凝縮(結露)して凝縮酸性液の凝縮層を生成することにより、被処理物の表面の消毒、殺菌、滅菌を目的とする方法と装置に関する。
一般に微生物は耐酸性が弱く水素イオン濃度のpH値が低い環境下では生育が難しく、低pHほど抗菌力が増大して殺菌できることが知られ、酢酸やクエン酸等の有機酸には食品に抗菌作用のあることが古くから知られている。
医療機関、研究所等において使用される器材、器具等は、微生物の不活化、消毒、殺菌、滅菌のために不活化処理、消毒処理、殺菌処理、滅菌処理が行われる。前記各処理の中で滅菌処理を実施する方法には、加熱法(高圧蒸気滅菌、乾熱滅菌)、ガス法(酸化エチレンガス滅菌、過酸化水素低温ガス滅菌、過酸化水素低温プラズマ滅菌)、照射法(放射線滅菌)等が知られている。
耐湿耐熱性のある器材、器具等の被処理物を滅菌する場合は主に前記の加熱法を利用し、高温での滅菌に不向きな被処理物の場合は前記の低温滅菌するガス法が利用されている。
最近では、これらの滅菌方法の他に、例えば、特許文献1は、酸素ガスプラズマ中で生成した酸素ラジカルにより被処理物を滅菌するプラズマ滅菌装置に関するもであり、特許文献2は、水蒸気ガスから生成したヒドロキシルラジカルによるラジカル滅菌処理に関するもであり、他にメタノールを原料としたメタノールラジカル(ヒドロキシメチルラジカル)によるラジカル滅菌処理が知られている。
特許第4006491号公報 特許第5007386号公報
しかしながら、加熱法には圧力上昇や温度上昇のためのエネルギー浪費や耐熱性の低いものには使えないという問題、ガス法には毒性の強い酸化エチレンガスや過酸化水素水の保管と取扱いの問題、照射法には放射線遮蔽の必要性の問題があった。
特許文献1に示す技術では、酸素ラジカルを生成するために減圧した気密密閉容器内に酸素ガスと酸素ガス供給手段が必要であるという問題があった。
特許文献2に示す技術では、減圧した気密密閉容器内で液体の水を気化させて水蒸気ガスをノズルから拡散散布する水蒸気ガス発生手段が必要であるという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みて、安価に被処理物の表面の消毒、殺菌、滅菌を目的とする方法とその方法を使用した汎用的な装置を提供することを課題とする。
本発明者は、密閉された容器内で、液体である水を放電電極間で火花放電を生じさせて発生した蒸気が再び凝縮し、その液化した液体が強酸性を示す凝縮酸性液を生成することで、上記の目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、殺菌処理の対象となる被処理物を収納して気密性を保つことのできる開閉可能な蓋を有する密閉容器からなる収納手段と、密閉容器内に電圧を印加して放電せしめる導電性を有する金属で形成された電極部と、密閉容器外より電極部に放電電圧を供給する電源部と、を備え、電極部は、第1電極及び水を保留できる第2電極から形成され、第1電極の放電する側の端部と第2電極の保留する水の水面との間に放電電圧を印加して火花放電せしめる所定の間隔に配置し、火花放電により水面から水の蒸気を発生する工程と、火花放電により発生した蒸気が密閉容器内の飽和蒸気量を越え凝縮して液体を生成し、生成した凝縮液が強酸性を示す凝縮酸性液であり、被処理物の表面に凝縮酸性液を凝縮せしめて凝縮層を形成して殺菌処理を行う工程と、を備えるものである。
更なる本発明は、殺菌処理の対象となる被処理物を収納して気密性を保つことのできる開閉可能な蓋を有する密閉容器からなる収納手段と、密閉容器内に電圧を印加して放電せしめる導電性を有する金属で形成された電極部と、密閉容器外より電極部に放電電圧を供給する電源部と、を備え、電極部は、第1電極及び水を保留できる第2電極から形成され、第1電極の放電する側の端部と第2電極の保留する水の水面との間に放電電圧を印加して火花放電せしめ、且つ、第1電極の放電する側の端部と水を保留しない第2電極の部位との間に放電電圧を印加するとき火花放電を生ぜずにコロナ放電を生じる所定の間隔に、配置し、火花放電により水面から水の蒸気を発生する工程と、火花放電により発生した蒸気が密閉容器内の飽和蒸気量を越え凝縮して液体を生成し、生成した凝縮液が強酸性を示す凝縮酸性液であり、被処理物の表面に凝縮酸性液を凝縮せしめて凝縮層を形成して殺菌処理を行う工程と、火花放電することで第2電極の保留する水が蒸発して保留量が少なくまたは水を保留しないとき第1電極の放電する側の端部からコロナ放電を生じ、密閉容器内で飽和している蒸気にコロナ放電を照射することで活性種を生成する工程と、を備えるものである。
更なる本発明は、密閉容器の内壁面温度を密閉容器内の蒸気温度より高く温度制御することで、発生した蒸気が密閉容器の内壁面に凝縮せずに、効率よく被処理物の表面に凝縮して強酸性の凝縮酸性液の凝縮層を生成するようにしたことを備えるものである。
本発明においては、密閉された容器内で水を火花放電処理して蒸発させ、その蒸気が凝縮することで殺菌作用を持つpH2.0以下の凝縮した酸性液を生成することができる。
また、本発明においては、使用する水は水道水や純水や蒸留水等の精製水に限らず3%過酸化水素水等の水溶液の使用が可能となる。
また、本発明においては、火花放電による殺菌処理が終了した後、コロナ放電を照射することで活性種を生成して、被処理物の表面の殺菌効果を持続し、火花放電による殺菌処理が終了した後の微生物や細菌の増殖を防止することができる。
本発明に係る処理方法の実施形態を説明する概略構成図である。 本発明の実施例を示す概略構成図である。 図2のその他の実施例を示す概略構成図である。 図2、図3で使用する容器部の概略構成図である。 本発明のその他の応用の実施例を示す概略構成図である。 図5で使用する放電部の概略斜視図である。
本発明は、容器内で電極間に水を介して火花放電することにより、その水から発生した蒸気が凝縮するとき、pH2.0以下の凝縮酸性液を生成することを特徴として、この凝縮酸性液を用いて被処理物の表面の消毒処理、殺菌処理、滅菌処理を行う方法について以下に記す。
図1は、本発明に係る処理方法の実施形態を説明する概略構成図である。
被処理物の収納手段を有する容器は、発生した蒸気が外部に逃げない気密性のある密閉容器1で、錆びにくいステンレス製や耐酸性の強い塩化ビニル樹脂やフッ素樹脂等の樹脂材料を利用して形成することができる。
図1に示す密閉容器1は、ステンレスSUS304の蓋2とステンレスSUS304の収納容器4とゴム製のパッキン3から構成され、収納容器4の外周壁面にヒータ18が巻かれ、蓋2と収納容器4の外壁面上には保温のために断熱材19が配置してある。
密閉容器内に配置される電極は、密閉容器内で放電する側の放電電極と放電電極に対向する対向電極の2極で構成して配置し、本発明では放電電極を第1電極5、対向電極を第2電極8として説明する。
第1電極5の導電部材料は、ステンレス、チタン、タングステンのいずれかからなるものが望ましい。第1電極5は円柱状の細長いΦ0.2 〜Φ2.0以内の丸棒が望ましく、第1電極5の放電側つまり第2電極8に対向する側の先端部6は針状の円錐形状であることが望ましい。また、第1電極5の先端部6と反対側の電圧を印加する部位以外の導電部は絶縁体7で電気的に絶縁され、容器に気密性を保持して配設する。
尚、放電する側の電極の第1電極の材料は前記の金属材料に限定されることはなく、例えば導電性を有した炭素繊維でもよい。また、放電する側の電極の第1電極の先端部の形状は前記の針状の円錐形状に限定されることはなく、先端が鋭利な薄板、薄箔や角錐形状であってもよい。
第2電極8は、水9を保留できる上部が開口した導電性の皿状の開口容器に形成する。この開口容器は水と接する面と電圧を印加して接続する部位または外部と接触する部位は電気的に導通性のある構造に形成する。また、被処理物の収納手段を有する密閉容器が電気的に導電性を有し且つ水9の保留ができれば、密閉容器を第2電極として使用できる。
第1電極5と第2電極8の配置は、第1電極5の先端部6と水9の無い空の開口容器の第2電極8との間では火花放電10せずコロナ放電10aし、第1電極5の先端部6と水9を保留してる開口容器の水面の第2電極8との間では火花放電10をする距離の位置に配置する。但し、水の蒸発に伴い水面が低下して所定の水深の距離までは火花放電10をする距離の位置に配置する。
第2電極8の開口容器内の液量は、密閉容器内を満たす飽和蒸気量に換算した液量と蒸発した蒸気が被処理物17の表面を凝縮酸性液20の凝縮層で満たす液量の和の液量(水9)が最低必要量として保留してあればよい。当然、開口容器内の液量(水9)は最低必要量に限定することはなく液量(水9)を増すことで凝縮酸性液20の液量を多く生成できることは言うまでもない。
第1電極5の先端部6と水9を保留してる開口容器の第2電極8との間で火花放電10をすると、第1電極5の先端部6と第2電極8の水面間で赤紫色の光を放って放電をする。この時第2電極8の水面の水9は火花放電10による放電エネルギーで蒸発(気化)する。
この蒸発が継続して被処理物17を収納した密閉容器内の蒸気が飽和状態になり、被処理物17の表面の露点する温度に到達して凝縮(結露または気化)するようになる。
上記の密閉容器1の内壁面の温度を飽和蒸気の露点する温度より高くし保つことで、密閉容器内の蒸気が飽和状態になり飽和蒸気の露点する温度に到達して、密閉容器1の内壁面に凝縮しないで被処理物17の表面に効率よく集中して凝縮するようすることができる。
上記により凝縮した液体は、水素イオン濃度指数pH2.0以下の強酸性域の透明な凝縮酸性液20となり、殺菌処理を行うことができる。
なお、凝縮酸性液20を生成する他に、第1電極5の放電する側の先端部6から火花放電10を照射すると蒸発の他に活性種を生成する。第1電極5の先端部6からの火花放電10はプラズマ状態にあり、このプラズマで生成される活性種は、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、オゾン等であることが知られており、この活性種の酸化作用による脱臭効果、脱色効果、菌抑制効果、殺菌効果があることが知られている。
次に、密閉容器内で飽和している蒸気に第1電極5の放電する側の先端部6からコロナ放電10aを照射することでも同様に活性種を生成する。第1電極5の先端部6からのコロナ放電10aはプラズマ状態にあり、このプラズマで生成される活性種は、ヒドロキシルラジカル、、過酸化水素、オゾン等であることが知られており、この活性種の酸化作用による脱臭効果、脱色効果、菌抑制効果、殺菌効果があることが知られている。
密閉容器内で飽和している蒸気に対して、火花放電10からコロナ放電10aの照射に変っても菌抑制効果や殺菌効果がある活性種を生成し続けて、被処理物17に対して活性種による殺菌処理を継続できる。
電源部11は高電圧電源12と電気接点部13と過電流制限器14とで構成され、過電流制限器14の一端は送電ケーブル16を介して第1電極5の放電電圧を印加する側に接続される。高電圧電源12の他の一端は接地15して配線される。また、収納容器4も接地15して配線され、第2電極8と電気的に接続され同電位となるよう配置される。
電源部11の高電圧電源12は、電極に交流高電圧または直流高電圧またはパルス高電圧の一つを放電電圧として供給することができる。交流高電圧は商用電源を昇圧してAC300V以上を放電電圧とし、その交流高電圧はAC1KV〜AC10KVが好く又扱いやすい。また、直流高電圧は正負DC1KV〜DC10KV、また、パルス高電圧は正負DC1KV〜DC10KV、周波数50Hz〜1KHz、パルス幅0.5msec〜20msecを放電電圧として供給する。
電気接点部13は、図1に示してない外部の制御器で電気接点部13の接点を、短絡して放電電圧を印加し、または、開放して放電電圧を遮断するよう制御することができる。過電流制限器14は火花放電時や短絡時に流れる最大電流値を1mA以下とする制限器である。
上記により生成した被処理物17の表面の凝縮酸性液20をpH試験紙でpH値を計測すると、Merck社の「pH0−14」でpH1、「pH0−6」でpH0.5、MACHEREY-NAGEL社の「pH−Fix0−14」でpH1の色指示をした。
また、上部が開口したポリプロピレン(PP)樹脂容器内に水10ccと青色のメチレンブルー水溶液(0.82g/100mL)約0.2ccとを入れた青色の水溶液を被処理物17として図1の密閉容器内に放置し放電処理をすると、前記の水溶液は青色から透明に変色し脱色した。
また、過酸化水素ガスを検知し反応すると指示色が赤色から薄黄色に変色する過酸化水素ガス用ケミカルインジケーター「e-CARD one」を被処理物として図1の密閉容器内に放置し放電処理をすると、前記の過酸化水素ガス用ケミカルインジケーター「e-CARD one」は赤色から薄黄色に変色し過酸化水素ガスに反応した。
上記の凝縮酸性液の生成方法を用いて殺菌処理を実現するための実施例について図面に基づき説明する。
図2は、本発明の実施例を示す概略構成図である。被処理物の表面の消毒、殺菌、滅菌を目的とする殺菌装置は、密閉容器28、電源部11、電極部(第1電極24、第2電極25)から構成される。密閉容器28は、蓋が開閉可能で被処理物31を収納するカゴ36を配置するよう円筒形状に形成されている。密閉容器28とカゴ36の材質はSUS304である。
密閉容器28の外周壁面はシリコンラバーヒータ33が貼られて、図2には示されていない温度調節器で、この図2の殺菌装置が設置されている雰囲気温度より高くなるよう温度制御される。加温する温度幅は、密閉容器28の内壁面が凝縮(結露)しない温度の場合は雰囲気温度より約0.5℃〜7.0℃高く設定されている。
電極部は放電電極として第1電極24、対向電極として第2電極25から構成され、第1電極24はステンレスΦ1.2の丸棒で密閉容器28に絶縁体27を用いて気密性を保つよう設置されている。第1電極24の放電する側の先端部は第2電極25に対向するよう曲げられている。第2電極25は水26を保留できる上部が開口したステンレスの皿状の開口容器で密閉容器28に電気的に導通してるように設置されている。
第2電極25の保留水量は密閉容器28の容積の1/30〜1/90にして、第1電極24の先端部と水26の無い空の開口容器の第2電極25との間では火花放電せずコロナ放電し、第1電極24の先端部と水26を保留してる開口容器の水面の第2電極25との間では火花放電をする距離の位置に配置されている。
電源部11の高電圧電源35は、商用電源を昇圧した交流高電圧AC6KVを放電電圧として第1電極24に過電流制限器34を介して供給する。過電流制限器34は火花放電時や短絡時に流れる最大電流値を1mA以下とする制限器として構成してある。高電圧電源35の他の一端は接地15して配線される。また、収納容器28も接地15して配線され、第2電極25と電気的に接続され同電位となるよう配置される。
図2の実施工程は、シリコンラバーヒータ33で加温してある密閉容器28内に被処理物31を収納した後、水又は精製水をフィルター29とバルブ30を経て密閉容器28内に供給し第2電極25に水26を保留する。次に高電圧電源35に通電して、第1電極24の先端部と水26を保留してる開口容器の水面の第2電極25との間で火花放電をし、火花放電による放電エネルギーで蒸発させ、この蒸発した蒸気が密閉容器28内で飽和状態になり、被処理物31の表面の露点する温度に到達して凝縮するようになり、水素イオン濃度指数pH2.0以下の強酸性域の透明な凝縮酸性液20を使用して殺菌処理を行う。
図3は、図2のその他の実施例を示す概略構成図である。被処理物の表面の消毒、殺菌、滅菌を目的とする殺菌装置は、密閉容器28、電源部11、電極部(第1電極24、第2電極25)と密閉容器28内を減圧するための真空ポンプ37と密閉容器28に配管を介して接続されている電磁弁38、39、40、41とを配置して構成される。
図3の実施工程は、シリコンラバーヒータ33で加温してある密閉容器28内に被処理物31を収納した後、水又は精製水をフィルター29と電磁弁40を経て密閉容器28内に供給し第2電極25に水26を保留する。次に電磁弁39のみ開いて真空ポンプ37を作動し密閉容器28内の空気を排気する。高電圧電源35に通電して、第1電極24の先端部と水26を保留してる開口容器の水面の第2電極25との間で火花放電をし、火花放電による放電エネルギーで蒸発させ、この蒸発した蒸気が密閉容器28内で飽和状態になり、被処理物31の表面の露点する温度に到達して凝縮するようになり、水素イオン濃度指数pH2.0以下の強酸性域の透明な凝縮酸性液20を使用して殺菌処理を行う。
密閉容器28内の空気を排気することで火花放電及びコロナ放電時の窒素酸化物の生成を防ぐことができる。
図4は、図2、図3で使用する容器部の概略構成図である。図4に示す密閉容器28は、ステンレスSUS304の蓋と収納容器とゴム製のパッキンから構成され、収納容器の外周壁面にシリコンラバーヒータ33が巻かれて配置してある。第1電極24の放電する側の先端部は第2電極25に対向するよう曲げられ、第1電極24の先端部と水26の無い空の開口容器の第2電極25との間ではコロナ放電し、第1電極24の先端部と水26を保留してる開口容器の水面の第2電極25との間では火花放電をする距離の位置にして、絶縁体27を用いて気密性を保つよう密閉容器28の下部に配置されている。
図5は、本発明のその他の応用の実施例を示す概略構成図である。図5の主要部は収納室42、電源部51、放電部57、収納室42内を減圧するための真空ポンプとを配置して構成される。収納室42では放電部57より火花放電とコロナ放電を同時に放電して、凝縮酸性液と活性種を生成し、収納室42内の被処理物50の表面の消毒、殺菌、滅菌を目的とする殺菌装置である。
図5の収納室42を形成する密閉容器の外周壁面はヒータ33が貼られて、図5には示されていない温度調節器で、この図5の殺菌装置が設置されている雰囲気温度より高くなるよう温度制御される。殺菌処理工程での加温する温度幅は、収納室42の内壁面が凝縮(結露)しない温度の場合は雰囲気温度より約0.5℃〜7.0℃高く設定されている。また、ヒータ33は殺菌処理工程後の被処理物50の乾燥するために収納室42の気相の温度を40℃〜60℃で温度制御するようにも構成されている。
電源部51の高電圧電源は商用電源を昇圧した交流高電圧AC6KVを放電電圧として、交流高電圧の一端を過電流制限器を介して第1電極43に供給する。他の一端は電気接点部54を介して第2電極45と収納室42の外壁と接地15とに配線されてある。電気接点部54を短絡と開放とに切り替えることで第1電極43と第2電極45との間で、短絡時は火花放電、開放時はコロナ放電するように制御する。電気接点部54を開放したとき、第2電極45は放電電圧と接地15間の中間電極となり放電電圧電位と接地電位の間の高電位を保持している。
図6の放電部57の第1電極43はステンレスΦ0.28の回転子電極44とステンレスΦ1.2の回転軸58とで構成し導電部を絶縁体を用いて気密性を保つよう密閉容器内に設置されている。また、ステンレスの皿状の開口容器の第2電極45は図示してないフッ素樹脂の上に絶縁性を保つよう置いて、第2電極45への通電部は絶縁体を用いて気密性を保つよう密閉容器内に設置されている。
第1電極43の回転子電極44は、回転軸58の軸芯を中心に両端が同円周上で同方向に曲げられて中心部は回転軸58と接触して回転するように形成されている。放電電圧が回転軸58を介して回転子電極44に印加されると、回転子電極44の両端の先端部からコロナ放電56が照射されイオン風が発生される。このイオン風の圧力の反作用で回転子電極44は回転軸58上で回転する。
第1電極43の回転する回転子電極44の先端部が第2電極45の水46の水面に接近すると火花放電55し遠ざかるとコロナ放電56する。
回転軸58の回転子電極44と接していない先端部は円錐状に形成されており、放電電圧が印加されるとコロナ放電56し活性種を生成する。
1 密閉容器
2 蓋
3 パッキン
4 収納容器
5 第1電極
6 先端部
7 絶縁体
8 第2電極
9 水
10 火花放電
10a コロナ放電
11 電源部
12 高電圧電源
13 電気接点部
14 過電流制限器
15 接地
16 送電ケーブル
17 被処理物
18 ヒータ
19 断熱材
20 凝縮酸性液
24 第1電極
25 第2電極
26 水
27 絶縁体
28 密閉容器
29 フィルター
31 被処理物
33 シリコンラバーヒータ
34 過電流制限器
35 交流高電圧電源
36 カゴ
37 真空ポンプ
39 電磁弁
40 電磁弁
42 収納室
43 第1電極
44 回転子電極
45 第2電極
46 水
50 被処理物
51 電源部
54 電気接点部
57 放電部
58 回転軸

Claims (3)

  1. 殺菌処理の対象となる被処理物を収納して気密性を保つことのできる開閉可能な蓋を有する密閉容器からなる収納手段と、
    前記密閉容器内に電圧を印加して放電せしめる導電性を有する金属で形成された電極部と、
    前記密閉容器外より前記電極部に放電電圧を供給する電源部と、
    を備え、
    前記電極部は、第1電極及び水を保留できる第2電極から形成され、前記第1電極の放電する側の端部と前記第2電極の保留する水を介して該水の水面との間に前記放電電圧を印加して火花放電せしめる所定の間隔に配置し、
    前記火花放電により前記水面から水の蒸気を発生する工程と、
    前記火花放電により発生した蒸気が前記密閉容器内の飽和蒸気量を越え凝縮して液体を生成し、当該生成した凝縮液が強酸性を示す凝縮酸性液であり、前記被処理物の表面に前記凝縮酸性液を凝縮せしめて凝縮層を形成して殺菌処理を行う工程と、
    を備えることを特徴とする被処理物の表面の殺菌方法と前記殺菌方法を用いた殺菌装置。
  2. 殺菌処理の対象となる被処理物を収納して気密性を保つことのできる開閉可能な蓋を有する密閉容器からなる収納手段と、
    前記密閉容器内に電圧を印加して放電せしめる導電性を有する金属で形成された電極部と、
    前記密閉容器外より前記電極部に放電電圧を供給する電源部と、
    を備え、
    前記電極部は、第1電極及び水を保留できる第2電極から形成され、前記第1電極の放電する側の端部と前記第2電極の保留する水を介して該水の水面との間に前記放電電圧を印加して火花放電せしめ、且つ、前記第1電極の放電する側の端部と水を保留しない前記第2電極の部位との間に前記放電電圧を印加するとき火花放電を生ぜずにコロナ放電を生じる所定の間隔に、配置し、
    前記火花放電により前記水面から水の蒸気を発生する工程と、
    前記火花放電により発生した蒸気が前記密閉容器内の飽和蒸気量を越え凝縮して液体を生成し、当該生成した凝縮液が強酸性を示す凝縮酸性液であり、前記被処理物の表面に前記凝縮酸性液を凝縮せしめて凝縮層を形成して殺菌処理を行う工程と、
    前記火花放電することで前記第2電極の保留する水が蒸発して保留量が少なくまたは水を保留しないとき前記第1電極の放電する側の端部から前記コロナ放電を生じ、前記密閉容器内で飽和している蒸気に前記コロナ放電を照射することで活性種を生成する工程と、
    を備えることを特徴とする被処理物の表面の殺菌方法と前記殺菌方法を用いた殺菌装置。
  3. 前記密閉容器の内壁面温度は密閉容器内の蒸気温度より高いことを特徴とする請求項1,2に記載の殺菌装置。
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