JP2015141735A - 活性種発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コロナ放電と火花放電を発生して除菌作用のある活性種を生成する活性種発生装置を実現する。【解決手段】本発明に係る活性種発生装置は、放電電極と前記放電電極の先端側に対向配置した電極間に火花放電とコロナ放電とを切り替えて発生させる放電手段を備えており、電源部より高電圧を放電電極に印加して対向配置した電極との間に火花放電またはコロナ放電を発生させ、放電電極の近傍に対向する電極がない場合はコロナ放電を発生させることにより活性種を生成する構成としたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、高電圧を電極に印加して放電する際に生じる活性種を効果的に発生させる活性種発生装置に関するものである。
室内や車内の空気を清浄化するために空気清浄装置が使用されている。これらの空気清浄装置は、空気中で放電を生じさせることにより、発生した電子が空気中の窒素、酸素、水蒸気等と衝突反応し正負のイオンやヒドロキシルラジカル等の活性種を発生させる。電子の衝突反応の他に活性種の化学反応で生成される活性種もある。これらの活性種を用いて、空気中の有機物の分解処理や微生物の不活化、消毒、殺菌の滅菌処理が行われる。
また、通常空気中で放電させた場合活性種の他にオゾンや窒素化合物や窒素酸化物が生成される。
例えば、特許文献1は、活性種発生装置に関するものであり、活性種発生装置の内部を水蒸気で充満することにより、容器の内部の水蒸気圧が外部の気圧より高いことを特徴として、放電の際にオゾンや窒素酸化物をほとんど発生させることなく、活性種を放出することが可能と記載されている。
また、特許文献2には、コロナ放電を起こす放電電極と対向電極の両端部付近において、アーク放電が起こりにくい活性種発生装置を実現している。
特許文献3では、回転自在の回転子の端部を回転方向に対して同一方向に屈曲した針状電極を持つ回転子に高電圧を印加することにより、針状電極の先端部に生じるコロナ放電に伴ってイオン風が発生し、針状電極がイオン風の反力を受けて、回転子の中心を中心軸として回転すると記載されている。
特許文献4では、特許文献3と同じような機構により、コロナ放電により生じるイオン風の反力をトルクとして回転する回転子と連動した送風ファンによりイオン化された空気を圧送すると記載されている。
上記の特許文献1に開示している技術は、容器内部を水蒸気で充満させるために、容器内の水を水蒸気に変化させる加熱手段が必要であり、且つ、放電部での水蒸気の結露を防ぐために、装置内部の飽和水蒸気圧を外部の大気圧より高く保つために沸点以上の温度に保つ保温手段が必要であるという問題があった。
しかし、放電部内に多量の水蒸気が存在すると、加熱機構を持たない電極の表面に水滴が形成され、水滴を介して放電電極と対向電極との間でアーク放電を起こす危険性があった。コロナ放電に代わってアーク放電が起こると一気に電流が流れてしまうため、電気回路が故障する可能性がある。
ここで、本文中に記載する火花放電は、放電電極と対向電極間に火花が飛び瞬間的にスパークした状態で目視できるものと語彙定義し、アーク放電は、火花が連続的にスパークした状態で目視できるものと語彙定義する。
そこで、特許文献2で示すように、アーク放電が起こりにくくなるよう、電界集中の起こりやすい放電電極と対向電極の端部の離間距離を広げたり、放電電極と対向電極の電極間距離を広げなければならないという問題があった。
また、特許文献3及び特許文献4に開示しているところの、電極の先端部に生じるコロナ放電に伴って発生するイオン風の反力をトルクとして回転する回転子のモータ及びファンにおいて、回転する側の放電電極と固定側の円周状の対向電極との電極間に多量の水蒸気が存在すると、任意の位置の結露で電極間の距離が狭くなりアーク放電が起こるという問題があった。そして、このアーク放電が連続である場合は大電流が流れて制御回路を損傷してしまうという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヒドロキシルラジカル等の活性種を効果的に発生させる活性種発生装置を実現することにある。
本発明に係る活性種発生装置は、放電電極と、放電電極に対極する対向電極と、放電電極と対向電極の間にあって放電電極に対向する位置に配置された中間電極と、対向電極と中間電極とを電気的に短絡又は開放する電気接点部と、放電電極と対向電極と中間電極と電気接点部とに送電ケーブルを介して放電電圧を印加する電源部とで構成され、交流高電圧または直流高電圧またはパルス高電圧の一つを放電電圧とした放電電圧の一方を放電電極に、他の一方を対向電極に印加する時、電気接点部が短絡している状態では放電電極と中間電極との間に火花放電を発生し、電気接点部が開放している状態では放電電極と中間電極との間にコロナ放電を発生する位置に前記中間電極を配置して、電気接点部を電気的に短絡又は開放と切り替えることにより、火花放電とコロナ放電を交互に発生して活性種を生じさせることを特徴とする。
また、本発明に係る活性種発生装置の放電電極を、変形して、導電性のある金属部材の円柱形状もしくは円錐形状の回転軸と、回転軸の外周に接して、且つ回転軸の軸心の位置を中心として回転する回転自在の導電性のある金属部材の回転子とで構成し、回転子は、回転軸側でない放電する側の先端を回転方向に対して後方を向くように、且つ円周上の接線方向に対して±45°以内に屈曲して形成した先端部を複数有して形成し、放電電圧の一方を回転軸を介して回転子に、放電電圧の他の一方を対向電極とに印加して回転してる時に、前記電気接点部が短絡している状態では放電電極の回転子の先端部と中間電極との間に火花放電を発生し、電気接点部が開放している状態では火花放電を発生しない位置に配置して、回転子の複数の先端部よりコロナ放電することでイオン風を発生させて回転子を回転させ、電気接点部が開放している状態では、回転子の複数の先端部よりコロナ放電による活性種を発生させながら回転し、電気接点部が短絡している状態では、回転子の先端部と中間電極との距離が接近して来ると、回転子の先端部と中間電極間はコロナ放電から火花放電に変り、火花放電による活性種を発生させ、回転子の先端部が回転移動して中間電極から離れるとコロナ放電に戻るように順次回転して、複数の先端部を具備している一つの回転子でコロナ放電と火花放電を同時に発生して、活性種を生じさせることを特徴とする。
更なる本発明に係る活性種発生装置は、回転軸と回転子を備えた放電電極と、この放電電極に対極する対向電極と、放電電極と対向電極とに送電ケーブルを介して放電電圧を印加する電源部とで構成され、放電電圧の一方を回転軸を介して回転子と放電電圧の他の一方を対向電極とに印加して回転してる時に、回転子の先端部と対向電極との距離が接近すると、前記の電極間は火花放電し、回転子の先端部が回転移動して対向電極から離れてコロナ放電に戻る位置に、回転子を備えた放電電極を配置して、回転子の複数の先端部よりコロナ放電することでイオン風を発生させて回転子を回転させ、回転子の複数の先端部よりコロナ放電による活性種を発生させながら回転し、回転子の先端部と対向電極との距離が接近すると、電極間はコロナ放電から火花放電に変り、火花放電による活性種を発生させ、回転子の先端部が回転移動して対向電極から離れるとコロナ放電に戻るように順次回転して、複数の先端部を具備している一つの前記回転子でコロナ放電と火花放電を同時に発生して、活性種を生じさせることを特徴とする。
また、本発明に係る別の活性種発生装置は、回転軸と回転子を備えた放電電極と、放電電極と送電ケーブルを介して放電電圧を印加する電源部とで構成され、放電電圧を回転軸を介して前記回転子に印加して回転する時、回転子の複数の先端部よりコロナ放電することでイオン風を発生させて回転子を回転させ、且つコロナ放電することで活性種を発生させ周囲に拡散することのできる一つの回転子を、回転軸に一つ又は複数段設けて、活性種の発生量を増加することを特徴とする。この時、電源部のもう一方側は接地し、放電電極の近傍にあえて対向電極は設けなくてもよい。
本発明に係る活性種発生装置の放電電極は、耐食性と耐摩耗性を備えた導電性のある金属で放電させようとする側の先端部を針状に形成する。中間電極は、耐食性を備えた導電性のある金属で板状または液体を保有できる容器に形成する。対向電極は、導電性のある金属で板状または液体を保有できる容器からなり且つアース接地されるように施される。この対向電極は前記の形状にとらわれることなく装置の外装や内装や電源部の外装にしてもよい。また、放電電極に放電電圧を供給する側でない電源の一端を対向電極としてもよいし、アース接地を対向電極としてもよい。電源部は、放電電極に交流高電圧または直流高電圧またはパルス高電圧の一つを放電電圧として供給することを特徴とする。
前記活性種発生装置は、空気清浄装置、保存装置あるいは殺菌装置に用いても良い。
本発明によれば、放電電極の先端部において、コロナ放電と火花放電を容易に起こす活性種発生装置を実現できる。
また、放電電極の先端部において、コロナ放電を連続して発生し続ける時に電極の先端部に窒素化合物が付着してくる。この窒素化合物が付着し成長してくるとコロナ放電の発生量が少なくなる。火花放電の火花の衝撃で放電電極の先端部に付着した窒素化合物を取り除けることは知られてる。そこで、コロナ放電と火花放電を交互に繰り返すことにより、付着してる窒素化合物を定期的に飛散することを可能にした活性種発生装置を実現できる。。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1から図4は本発明に係る活性種発生装置の実施形態を説明する概略構成図である。
図1は、本発明に係る活性種発生装置の実施形態を説明する第1の概略構成図である。放電する側の先端部が円錐形状または針状形状をした放電電極1と、放電電極1に対極する対向電極2と、放電電極1と対向電極2の間に位置に配置された中間電極3と、対向電極2と中間電極3とを接続する電気接点部4と高電圧対応の送電ケーブル5と放電電圧を印加する電源部6とで構成さる。
対向電極2と中間電極3を電気接点部4を介して電気的に短絡した状態で、放電電極1と対向電極2とに放電電圧を印加する時、放電電極1と中間電極3との間に火花放電を発生し、電気接点部4を開放した状態で放電電極1と中間電極3との間にコロナ放電を発生する位置になるように配置する。
つまり、放電電極1と対向電極2と中間電極3の距離の関係は、放電電極1の先端部と中間電極3の上面との間の火花放電をする空間距離をh1、対向電極2の上面と中間電極3の下面との間の空間距離をh2、放電電極1の先端部と対向電極2の上面との間の空間距離をh3としたとき、放電電極1と対向電極2と中間電極3の関係は、h1+h2<h3、h1>h2となる。
空気中で放電現象があるとき、コロナ放電に比べ火花放電の方がオゾンや窒素酸化物等を多く発生することが知られている。また、空気がほとんどなく水蒸気で満たされている状態で、コロナ放電を発生するとオゾンや窒素酸化物等をほとんど発生させずに活性種を生成させることができる。しかし、火花放電を発生するとコロナ放電より多量の活性種を生成させることができる一方、オゾンや窒素酸化物等もコロナ放電に比べると多く発生する。
図1のように放電電極1と対向電極2と中間電極3を配置して放電電圧を印加するとき、電気接点部4の接点を短絡または開放にする図1にはない外部の制御器で制御することで、コロナ放電と火花放電の発生時間を制御することで、ヒドロキシルラジカル等の活性種を効果的に生成する。
つまり、放電開始当初は放電電極の周辺には多く水蒸気が存在するので火花放電をして活性種を生成し、しばらく火花放電をしていると水蒸気が減少しオゾンや窒素酸化物等の生成量が増えてくる。次に図1にはない外部の制御器でコロナ放電に切り替えてオゾンや窒素酸化物等の生成量を抑えることができる。そして時間経過すると、放電電極の周辺には空気中の水蒸気が集まり存在するようになるので火花放電に切り替え、また一定時間後コロナ放電に切り替えることで活性種を効果的に生成することができる。
図2は、本発明に係る活性種発生装置の実施形態を説明する第2の概略構成図である。前記図1の構成を基本構成として、放電電極1を固定電極形状から、回転軸8と回転子9に変形したものである。図1では火花放電とコロナ放電を切り替えるには外部の制御器で電気接点部4の接点を短時間で制御する必要があるが、図2の構成では、図2にはない外部の制御器で電気接点部4の接点を短絡して、放電電圧を印加すると回転軸8を通じて回転子9がコロナ放電のイオン風で回転する時、回転子9の一つの先端部が中間電極3に接近すると火花放電をし、遠ざかるとコロナ放電に戻る。このように、電気接点部4の接点を短絡した状態にあっても回転子9と中間電極3間では断続して火花放電を発生させることができる。また、前記電気接点部4の接点を開放すると火花放電を発生させることなくコロナ放電状態を続けることができる。
回転子9と中間電極3との間の1秒間の火花放電回数は、回転子9の先端部の極本数と回転数による。
図3は、本発明に係る活性種発生装置の実施形態を説明する第3の概略構成図である。前記図1の構成を基本構成として、放電電極1を固定電極形状から、回転軸8と回転子9に変形した前記図2から、中間電極3と電気接点部4を削除したものである。 放電電圧を印加すると回転軸8を通じて回転子9がコロナ放電のイオン風で回転する時、回転子9の一つの先端部が対向電極2に接近すると火花放電をし、遠ざかるとコロナ放電に戻る。したがって、回転子9と対向電極2間では断続した火花放電を発生させ、前記以外の空間ではコロナ放電状態を続けることができる。
図4は、本発明に係る活性種発生装置の実施形態を説明する第4の概略構成図である。前記図1の構成を基本構成として、回転軸8と回転子9を放電電極1とし、前記図3から対向電極2を削除したものである。放電電極1に放電電圧を供給する電源部6の他の一方を接地7としてアース接地する。この時、放電電極1に対極して対向電極となるものは電源部6の接地7と接続している導電性のある部位が対向電極となる。回転軸8は導電性のある回転軸固定具44に固定して絶縁体45に取り付ける。
この図4では、一つの回転子9に放電する先端部を4極持ち、その回転子9を回転軸8に、個々の回転子9が回転の邪魔にならないように3段に重ねたもである。このように複数のコロナ放電する先端部を持ち多段にして回転子9が回転することで、活性種を拡散することができる。
図5は、放電電極の固定式針状電極の先端側の形状例である。放電電極の導電部部材は、ステンレス、チタン、タングステン、アルマイト処理を施したアルミニウムのいずれかからなるものであることが望ましい。図5(a)は先端部を針状の円錐形状に形成した例である。図5(b)は円柱状の細長いφ0.22〜φ0.55以内のいずれかからなるものである丸棒を切断した例である。図5(c)は板状板材を加工して形成した例である。図5(d)は板状板材を丸打ち抜き加工して先端部形成した例である。
図6は回転式電極の回転子の説明図及び形状例である。回転子9は回転軸の外周に接して回転する回転軸部側と回転軸部側でない放電する側の先端部側とで構成される。回転子9は回転軸の外周に接して、且つ回転軸の軸心を重心として回転する回転自在の導電性のある金属部材を使用することが望ましい。回転子9の回転軸部側は回転軸と接する回転軸心部は摩擦が少ないように整形する。回転軸部側は回転軸に合わせて丸棒を丸めたり、短く切断した円管や玉軸受に放電する側の回転子部を取り付けても良い。回転子9の回転軸部側以外の部位は前記図5の円柱形状もしくは円錐形状の丸棒で回転軸の直径以上の丸棒を使用することが望ましい。回転子9の回転軸側でない半径距離の放電する側の先端を回転方向に対して後方を向くように、且つ円周上の接線方向に対して±45°以内に屈曲して形成することが望ましい。また先端部を2本以上の複数有して形成することでイオン風の反力を得る。図6(a)は先端部を2極、図6(b)は先端部を4極に形成した実施例である。
図7は回転式電極の回転子9の2極の形状例である。回転子9は回転軸部側の摩擦を少なくし、回転子9の全体の重さを軽くすると強いイオン風の反力を得て早い回転をすることが可能となる。図7(d)は図7(b)の半径を長くした回転子9で気体の抵抗を得て回転数を遅くした実施例である。
図8は回転板回転子の形状例である。導電性のある板状版材を放電する側の先端部を尖るように整形した実施例である。
図9は回転翼式回転子の形状例である。回転子9の回転軸部側と放電する側の先端部側との中間部を板状にして、且つ角度を設けて形成する。先端部の放電によるイオン風の反力でこの回転子9を回転することで気体を押しのけ、気体を攪拌するようにした実施例である。
図10は回転羽車式回転子の形状例である。概略構造を図10(a)は正面から、図10(b)は側面から、図10(c)は羽根の先端部を上から見た説明図である。導電性のある板状板材を丸打ち抜き加工して形成した針状電極14の先端部を持つ回転羽15を複数取り付けられた円管の内側を玉軸受け16の外輪側に装着し、玉軸受け16の内輪側で回転軸8を受けるようにした構造にした実施例である。回転羽15と回転軸8の間に摩擦係数の少ない玉軸受け16を使用して回転をしやすくした例である。
図11は本発明に係る活性種発生装置の第2の実施形態を応用して搭載した空気清浄装置の実施例の断面図である。図2の構造を基本にして、回転子9を持つ放電電極1と筐体24を対向電極2として、保水体21と水22の入った容器20を中間電極3とした空気清浄装置である。放電電極1は回転軸固定絶縁体17の反対側の回転軸8の先端を図5(a)のように針状にし、図6(b)の回転子9を3つ配置する。対向電極2は導電性のある金属で成形し接地7と導通する。中間電極3は液体を保有できるステンレス製の容器20に、液体を毛細管現象により吸い上げることのできる繊維構成又は多孔質体で構成された保水体21と水22入れて設置する。ここで過酸化水素水を薄めた水溶液を水22の代わりにしても良い。筐体24の対向電極2と中間電極3の容器20は絶縁体23により絶縁されている。
前記中間電極3は電気接点部4を介して交流高電圧電源27の接地7と導通するように配線される。電気接点部4は図11には記してないタイマー等の制御器で外部より電気接点部4の接点を短絡又は開放する。電気接点部4の接点が短絡している時は回転している回転子9の先端部と中間電極3の保水体21の上面との間で赤紫色の光を放つ火花放電をする。この時の火花放電は水22を含んだ保水体21の上面の水と回転子9の先端部の間で起こる。つまり水と水蒸気を介して火花放電をしている。通常、酸素のある空中での火花放電は青白い色の光を放つが水滴や水蒸気の多い場所での火花放電は赤紫色の光を放つ。青白い色の光を放つ火花放電はオゾンを発生し、そのオゾン発生確認は特徴あるオゾン臭で判断できる。赤紫色の光を放つ火花放電はオゾン発生が少なくオゾン臭が少ない。図11の活性種発生装置で回転子9と中間電極3との間で火花放電をする時、オゾンや窒素酸化物等の少ないヒドロキシルラジカル等の活性種を効果的に生成することができる。
前記電気接点部4の接点が開放している時は回転子9の先端部はコロナ放電をして、イオン風と活性種を生成して回転する。この時、回転子9は水22の入った容器20の上にあり常時水蒸気の発生する傍らにあるので、オゾンの発生量を抑えることなる。
図11では交流高電圧の放電電圧を交流高電圧電源27より過電流制限器26を介して回転軸8に印加する。交流高電圧電源27は商用電源を昇圧してAC300V以上の交流高電圧を発生する。交流高電圧はAC1KV〜AC10KVが好く又扱いやすい。AC10KV以上は送電ケーブルや各部位の絶縁物質等の耐絶縁性能に注意が必要となる。過電流制限器26は火花放電時や短絡時に流れる最大電流を1mA以下にするとよい。
図12は図11の放電電極と中間電極間の説明図である。前記回転子9の先端部と前記中間電極3との間で確実に安定して火花放電を発生するには、回転子9と中間電極3との最短距離が火花放電を発生する距離内に配置されなければならない。通常、上部が開放された容器に入ってる水は水面から蒸発するため水位が下がる。そこで液体を保有できるステンレス製の容器20に液体を毛細管現象により吸い上げることのできる保水体21と水22入れた構成の中間電極3と、回転子9を持つ放電電極1を設置する。回転子9の先端部と保水体21の上面との間で火花放電11を発生する距離をh11、回転子9の先端部と水22の水面との距離をh12とするとき、h11<h12になるように水22を容器20に入れる。よって、水の蒸発で水22の水面が下がっても含水している保水体21の上面と回転子9の先端部の距離が変わらないので保水体21が保水している間は火花放電11を発生する。
図13は本発明に係る活性種発生装置の第3の実施形態を応用して搭載した保存装置の実施例の断面図である。図3の構造を基本にして、回転子9を持つ放電電極1と水22の入った容器20を対向電極2とした保存装置である。この保存装置は、ステンレス製の開閉可能な扉30と容器部46と気密性を保持するためのパッキン29とで構成された気密密閉容器31である。気密密閉容器31の容器部46の外壁にはヒータ32が施されている。さらに、扉30と容器部46の外側は断熱材33を施してある。気密密閉容器31内には放電電極1と対向電極2とこれらの電極部を保護する保護カバー35が施されており、さらに、温度センサ34と冷却ユニット48と被保存物42を載せる棚41が施されている。気密密閉容器31外には冷却ユニット48を制御する冷却制御器47と配管36を介してバルブ43が施されている。また、放電電極1とは回転軸固定絶縁体17内で送電ケーブル5の一端とで接続され他の一端は気密密閉容器31外の電源部6の過電流制限器26に接続される。さらに過電流制限器26の他の一端より交流高電圧電源27に接続される。交流高電圧電源27の他の一端は接地7される。容器部46も接地され接地7と同電位とする。
図13の回転子9は図9の回転翼式の回転子9を採用し気密密閉容器31内の気体の攪拌をする。尚、回転子9は特に図9の回転翼式回転子にこだわる必要はない。対向電極2に用いる容器20は導通性のあるステンレス製で容器部46と電気的に導通するように設置される。扉30と容器部46とは図示しないが電気的に導通するように設置されてる。パッキン29は気密密閉容器31の気密性を保持するよう弾力のあるゴム製を用いるのが良い。ヒータ32は容器部46の外面壁から容器部46を加温することで内面壁の結露防止あるいは保温用に使用する。温度センサ34は図示してない温度制御器に接続されヒータ32と冷却制御器47とを制御するために気密密閉容器31内の温度測定をするのに用いる。電極部を保護する保護カバー35は気体の流れを邪魔しない大きさで且つ指の入らない隙間を持ったステンレス製で製作され容器部46に脱着可能なように取り付けられている。
図13の冷却制御器47と冷却ユニット48は気密密閉容器31内の被保存物42の鮮度を保持して貯蔵するために、被保存物42の最適貯蔵温度になるよう0℃〜20℃内で制御する。
図13のヒータ32は容器部46を外面壁から加温して容器部46の内面壁に結露しない露点温度以上になるよう制御する。
図13の過電流制限器26は火花放電時や短絡時に流れる最大電流を1mA以下とし、交流高電圧電源27は商用電源を昇圧してAC6KV~9KVの交流高電圧を発生する。
室温の雰囲気下で、同温の気密密閉容器31内に被保存物42と容器20に水22を入れ、扉30を閉めて密閉すると気密密閉容器31内の相対湿度は上昇する。暫くすると容器20の液面から水蒸気が蒸発して気密密閉容器31内は相対湿度100%近くなる。前記の冷却制御器47と冷却ユニット48を制御して気密密閉容器31内の気体の温度を下げると,気密密閉容器31内の気体内の水蒸気はより飽和状態になり結露するようになる。ここで、放電電圧を印加して放電電極と対向電極の容器20内の水22の間で火花放電をすると、オゾンや窒素酸化物等の少ないヒドロキシルラジカル等の活性種を含んだ水蒸気が発生し、蒸発を続けるので気密密閉容器31内は過飽和状態になる。
図13の活性種発生装置を応用した保存装置は、気密密閉容器31内を水蒸気の過飽和状態で活性種を効果的に生成することができる。
図14の本発明に係る活性種発生装置の第4の実施形態を応用して搭載した回転子式放電電極の空気清浄装置の実施例の断面図である。図4の構造を基本にして、回転軸8と回転子9を放電電極1を容易に触れられないように、実施例として部屋の天井に逆さに絶縁体45を介して設置したものである。回転子9はφ0.5のSUS304の丸棒を回転軸8を中心に一巻して両端を半径15cmの位置で、放電する側の先端を回転方向に対して後方を向くように90°曲げて1cmの位置で切断する。回転軸固定具44は送電ケーブル5を介して図示しない電源部6に接続されて放電電圧を供給される。
回転子9の放電する側の先端部からコロナ放電して活性種を生成するとともにイオン風を発生して回転子9を回転させる。この時、回転子9の全長つまり直径を長くすると回転速度は遅くなり、放電電圧を上昇すると回転速度は早くなる。
以上のように本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるもではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明においては、高電圧を放電電極の先端側と近傍の中間電極との電極間に、または放電電極の先端側と近傍の対向電極との電極間に印加して、水または水溶液を介しての火花放電とコロナ放電による活性種を発生させることを可能にした構成としたものであるので、通常空気中に含まれる水蒸気量以上の環境下で水蒸気を使用して活性種の発生量を増やすことができる。
また、放電電極の先端側と中間電極との電極間に発生する火花放電を電気的に制御するよう電気接点部を施すことで、火花放電による活性種の発生量を調整することができる。
また、放電電極の一部がイオン風により回転する回転式にすることで、放電電極の先端側と近傍の中間電極との電極間に、または放電電極の先端側と近傍の対向電極との電極間に火花放電を発生し、放電電極の先端側が中間電極と対向電極から離れてた時はコロナ放電を発生することにより、火花放電とコロナ放電を同時に発生することで効果的に活性種を発生することができる。
また、放電電極の一部がイオン風により回転する回転式にすることで発生した活性種を効果的に拡散できるものである。
したがって、活性種発生装置を用いての空気清浄装置、保存装置あるいは殺菌装置への応用と活用が期待される。
1 放電電極
2 対向電極
3 中間電極
4 電気接点部
5 送電ケーブル
6 電源部
7 接地
8 回転軸
9 回転子
10 コロナ放電
11 火花放電
12 球状軸受
13 止め輪
14 針状電極
15 回転羽
16 玉軸受け
17 回転軸固定絶縁体
18 ケーブル固定具
19 網
20 容器
21 保水体
22 水
23 絶縁体
24 筐体
25 ゴム足
26 過電流制限器
27 交流高電圧電源
28 真空計
29 パッキン
30 扉
31 気密密閉容器
32 ヒータ
33 断熱材
34 温度センサ
35 保護カバー
36 配管
37 電磁弁
38 フィルター
39 電磁弁
40 フィルター
41 棚
42 被保存物
43 バルブ
44 回転軸固定具
45 絶縁体
46 容器部
47 保冷制御器
48 冷却ユニット
2 対向電極
3 中間電極
4 電気接点部
5 送電ケーブル
6 電源部
7 接地
8 回転軸
9 回転子
10 コロナ放電
11 火花放電
12 球状軸受
13 止め輪
14 針状電極
15 回転羽
16 玉軸受け
17 回転軸固定絶縁体
18 ケーブル固定具
19 網
20 容器
21 保水体
22 水
23 絶縁体
24 筐体
25 ゴム足
26 過電流制限器
27 交流高電圧電源
28 真空計
29 パッキン
30 扉
31 気密密閉容器
32 ヒータ
33 断熱材
34 温度センサ
35 保護カバー
36 配管
37 電磁弁
38 フィルター
39 電磁弁
40 フィルター
41 棚
42 被保存物
43 バルブ
44 回転軸固定具
45 絶縁体
46 容器部
47 保冷制御器
48 冷却ユニット
Claims (5)
- 放電電極と、前記放電電極に対極する対向電極と、 前記放電電極と前記対向電極の間にあって前記放電電極に対向する位置に配置された中間電極と、 前記対向電極と前記中間電極とを電気的に短絡又は開放する電気接点部と、前記放電電極と前記対向電極と前記中間電極と電気接点部とに送電ケーブルを介して放電電圧を印加する電源部とで構成され、 水蒸気を含んだ気中内で、 放電電圧の一方を前記放電電極に、放電電圧の他の一方を前記対向電極に印加する時、前記電気接点部が短絡している状態では前記放電電極と前記中間電極との間に火花放電を発生し、前記電気接点部が開放している状態では前記放電電極と前記中間電極との間にコロナ放電を発生する位置に前記中間電極を配置して、前記電気接点部を電気的に短絡又は開放と切り替えることにより、火花放電とコロナ放電を交互に発生して活性種を生じさせることを特徴とする活性種発生装置。
- 放電電極を、導電性のある金属部材の円柱形状もしくは円錐形状の回転軸と、 前記回転軸の外周に接して、且つ前記回転軸の軸心の位置を中心として回転する回転自在の導電性のある金属部材の回転子とで構成し、前記回転子は、回転軸側でない放電する側の先端部を回転方向に対して後方を向き且つ円周上の接線方向に対して±45°以内に屈曲して形成されている先端部を複数有して形成し、放電電圧の一方を前記回転軸を介して前記回転子に、放電電圧の他の一方を前記対向電極に印加して回転してる時に、 前記電気接点部が短絡している状態では前記回転子の先端部と前記中間電極との間に火花放電を発生し、前記電気接点部が開放している状態では前記回転子の先端部と前記中間電極との間に火花放電を発生しない位置に配置して、前記回転子の複数の先端部より個々にコロナ放電することでイオン風を発生させて前記回転子を回転させ、 前記電気接点部が開放している状態では、前記回転子の複数の先端部よりコロナ放電による活性種を発生させながら回転し、前記電気接点部が短絡している状態では、前記回転子の先端部と前記中間電極との距離が接近すると、電極間はコロナ放電から火花放電に変り、火花放電による活性種を発生させ、前記回転子の先端部が回転移動して前記中間電極から離れるとコロナ放電に戻るように順次回転して、複数の先端部を具備している一つの前記回転子でコロナ放電と火花放電を同時に発生して、活性種を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の活性種発生装置。
- 請求項2記載の回転子を備えた放電電極と、前記放電電極に対極する対向電極と、 前記放電電極と前記対向電極とに送電ケーブルを介して放電電圧を印加する電源部とで構成され、 放電電圧の一方を前記回転軸を介して前記回転子と放電電圧の他の一方を前記対向電極とに印加して回転してる時に、前記回転子の先端部と前記対向電極との距離が接近すると、前記電極間は火花放電し、 前記回転子の先端部が回転移動して前記対向電極から離れてコロナ放電に戻る位置に前記回転子を備えた放電電極を配置して、前記回転子の複数の先端部よりコロナ放電することでイオン風を発生させて前記回転子を回転させ、 前記回転子の複数の先端部よりコロナ放電による活性種を発生させながら回転し、前記回転子の先端部と前記対向電極との距離が接近すると、電極間はコロナ放電から火花放電に変り、火花放電による活性種を発生させ、前記回転子の先端部が回転移動して前記対向電極から離れるとコロナ放電に戻るように順次回転して、複数の先端部を具備している一つの前記回転子でコロナ放電と火花放電を同時に発生して、活性種を生じさせることを特徴とする活性種発生装置。
- 請求項2記載の回転子を備えた放電電極と、前記放電電極と送電ケーブルを介して放電電圧を印加する電源部とで構成され、 放電電圧を前記回転軸を介して前記回転子に印加して回転する時、 前記回転子の複数の先端部よりコロナ放電することでイオン風を発生させて前記回転子を回転させ、且つコロナ放電することで活性種を発生させ周囲に拡散することのできる一つの前記回転子を、回転軸に一つ又は複数段設けて、活性種の発生量を増加することを特徴とする活性種発生装置。
- 請求項1から4に記載の活性種発生装置において、前記放電電極は、導電性のある金属で放電する側の先端部を針状に形成し、 前記中間電極は、導電性のある金属で板状または液体を保有できる容器からなり、 前記対向電極は、導電性のある金属で板状または液体を保有できる容器からなり且つアース接地され、前記電源部は、前記放電電極に交流高電圧または直流高電圧またはパルス高電圧の一つを放電電圧として供給することを特徴とする活性種発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014012044A JP2015141735A (ja) | 2014-01-27 | 2014-01-27 | 活性種発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014012044A JP2015141735A (ja) | 2014-01-27 | 2014-01-27 | 活性種発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015141735A true JP2015141735A (ja) | 2015-08-03 |
Family
ID=53771993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014012044A Pending JP2015141735A (ja) | 2014-01-27 | 2014-01-27 | 活性種発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015141735A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017123990A (ja) * | 2016-01-13 | 2017-07-20 | アマノ株式会社 | イオン風式液体気化装置および空気調和装置 |
CN107681470A (zh) * | 2016-08-01 | 2018-02-09 | 松下知识产权经营株式会社 | 放电装置和其制造方法 |
JP7442109B2 (ja) | 2019-09-19 | 2024-03-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 放電装置 |
-
2014
- 2014-01-27 JP JP2014012044A patent/JP2015141735A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017123990A (ja) * | 2016-01-13 | 2017-07-20 | アマノ株式会社 | イオン風式液体気化装置および空気調和装置 |
CN107681470A (zh) * | 2016-08-01 | 2018-02-09 | 松下知识产权经营株式会社 | 放电装置和其制造方法 |
CN112993764A (zh) * | 2016-08-01 | 2021-06-18 | 松下知识产权经营株式会社 | 放电装置 |
CN112993762A (zh) * | 2016-08-01 | 2021-06-18 | 松下知识产权经营株式会社 | 放电装置 |
EP3280013B1 (en) * | 2016-08-01 | 2021-12-01 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Discharge device and method for manufacturing same |
CN112993764B (zh) * | 2016-08-01 | 2022-05-13 | 松下知识产权经营株式会社 | 放电装置 |
CN112993762B (zh) * | 2016-08-01 | 2022-05-13 | 松下知识产权经营株式会社 | 放电装置 |
US11552457B2 (en) | 2016-08-01 | 2023-01-10 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Discharge device and method for manufacturing same |
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