JP2015204781A - プロシアニジン含有飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時や保存時に発生するプロシアニジンの減少が抑制された、プロシアニジンの保存性に優れた飲料を提供する。
【解決手段】プロシアニジンを含有し、pHが4.0未満であるプロシアニジン含有飲料であって、カラメルIIIであるカラメル色素を飲料全量に対して0.07〜0.9w/v%配合したプロシアニジン含有飲料とする。プロシアニジン含有飲料は、好ましくは加熱殺菌処理をほどこされた容器詰飲料とすることができる。
【選択図】図4
【解決手段】プロシアニジンを含有し、pHが4.0未満であるプロシアニジン含有飲料であって、カラメルIIIであるカラメル色素を飲料全量に対して0.07〜0.9w/v%配合したプロシアニジン含有飲料とする。プロシアニジン含有飲料は、好ましくは加熱殺菌処理をほどこされた容器詰飲料とすることができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、プロシアニジンの保存性に優れたプロシアニジン含有飲料に関する。
多くの植物に含まれているプロシアニジンは、抗酸化作用などの有用な生理機能を有することが知られている。そこで、プロシアニジンを摂取することによって健康増進をはかることへの期待が高まっていることから、プロシアニジンが配合された飲食品が種々提供されている。プロシアニジンを手軽に摂取できるような製品形態の一つとして、容器詰飲料が挙げられる。
プロシアニジン含有飲料は、加熱殺菌工程などの製造時や保存時においてプロシアニジンが減少する傾向を有している。そこで、プロシアニジンを安定化する方法として、エラグ酸又はプニカラジンを共存させる方法(特許文献1)などが提案されている。
一般的に、飲料を目的の品質とすることを目的として、飲料には風味や色調等を整える成分が配合される。
一般的に、飲料を目的の品質とすることを目的として、飲料には風味や色調等を整える成分が配合される。
J.Agric.Food Chem.,Vol.45 No.12,4624-4628,1997
本発明者らが飲みやすく風味や色調の優れた酸性のプロシアニジン含有飲料の製造を試みたところ、保存後の飲料中のプロシアニジン含量は減少してしまった。そこで、特許文献1に示されている安定化方法を適用したところ、プロシアニジン含量の減少を抑制することは困難であった。
そこで、本発明者らは、飲みやすく風味や色調の優れた酸性のプロシアニジン含有飲料において、製造時や保存時に発生するプロシアニジンの減少が抑制された、プロシアニジンの保存性に優れた飲料を提供することを目的とした。
本発明者らは、飲料におけるプロシアニジン含量の減少の原因を突き止めるために、プロシアニジン含量の減少に関与する特定の成分があると仮定した。そこで、各配合成分とプロシアニジンとを配合した飲料を調製して、保存後のプロシアニジン含量を確認したところ、カラメル色素とプロシアニジンを組み合わせた飲料についてのみ、同様のプロシアニジン含量の減少がみられた。すなわち、カラメル色素がプロシアニジン含量の減少の原因であることが強く示唆された。
そこで、カラメル色素を含有しないプロシアニジン含有飲料を調製することによってプロシアニジンの減少を抑制することが有効であると考えられた。しかしながら、飲料の色調の安定化や、良好な風味を付与する上で、プロシアニジン含有飲料にカラメル色素を配合することは依然として望まれている。
特許文献2には、「脱脂可溶性カカオパウダー」と「カカオポリフェノール抽出物」を含むカカオ由来原料を配合した飲料が記載されている。当該文献の実施例において、カラメル色素を含有するプロシアニジン含有炭酸飲料の製造例が示されている。前記飲料は、一週間保存した後でも沈殿が観察されなかったことから、保存期間の改善の利点を有するとされている。しかしながら、当該文献において、保存期間中にプロシアニジンが減少する課題については何ら検討されていない。
本発明者らは、特許文献2に記載されているカラメル色素と同じ分類であるカラメルIVを用いて、酸性のプロシアニジン含有飲料を調製して保存した(表1:試験区1−6、1−7)。前記飲料は、保存期間中に沈殿の発生が見られなかったが、プロシアニジンの減少が確認された。
一般的に、カラメルのpHによって着色力・色調・香味などが若干変わるので、その影響を避けるため、カラメルは使用する飲料のpHに近いものを使用することが望ましいといわれている。
前記カラメルIVを1%水溶液とした場合のpHは3.5であり、前記した調製飲料のpH3.5と近いものであった。すなわち、飲料に配合するカラメル色素としては望ましいものであると従来から考えられているpHを有していた。
本発明者らは、プロシアニジン含有飲料にカラメル色素を配合するとプロシアニジン含量の減少が発生することに確信をもちつつ、さらに検討を進めたところ、特定の性質を有するカラメル色素を配合した酸性のプロシアニジン含有飲料については、飲みやすく風味や色調が優れているだけでなく、プロシアニジンの減少が抑制されていることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明にかかわるものである。
(1)pH4.0未満であるプロシアニジン含有飲料であって、カラメルIIIであるカラメル色素を飲料全量に対して0.07〜0.9w/v%配合してなるプロシアニジン含有飲料。
(2)プロシアニジンを加熱殺菌前の飲料100mLに対して5〜200mg配合してなる(1)に記載のプロシアニジン含有飲料。
(3)カラメル色素の配合量が飲料全量に対して0.075〜0.3w/v%である、(1)又は(2)に記載のプロシアニジン含有飲料。
(4)pHが3.1〜3.8である、(1)〜(3)のいずれか一つに記載のプロシアニジン含有飲料。
(5)容器詰飲料である、(1)〜(4)のいずれか一つに記載のプロシアニジン含有飲料。
(6)植物性生薬エキスの配合量が乾燥物換算量で飲料全量に対して5w/v%未満である(1)〜(5)のいずれか一つに記載のプロシアニジン含有飲料。
(1)pH4.0未満であるプロシアニジン含有飲料であって、カラメルIIIであるカラメル色素を飲料全量に対して0.07〜0.9w/v%配合してなるプロシアニジン含有飲料。
(2)プロシアニジンを加熱殺菌前の飲料100mLに対して5〜200mg配合してなる(1)に記載のプロシアニジン含有飲料。
(3)カラメル色素の配合量が飲料全量に対して0.075〜0.3w/v%である、(1)又は(2)に記載のプロシアニジン含有飲料。
(4)pHが3.1〜3.8である、(1)〜(3)のいずれか一つに記載のプロシアニジン含有飲料。
(5)容器詰飲料である、(1)〜(4)のいずれか一つに記載のプロシアニジン含有飲料。
(6)植物性生薬エキスの配合量が乾燥物換算量で飲料全量に対して5w/v%未満である(1)〜(5)のいずれか一つに記載のプロシアニジン含有飲料。
本発明により、飲みやすく風味や色調が優れている、プロシアニジンの減少が抑制された酸性のプロシアニジン含有飲料を提供することができる。また、本発明の飲料は、容器詰めする前又は後に加熱殺菌工程を経て製造された容器詰飲料においても良好な保存性を有する。さらに、本発明により、飲みやすく風味や色調が優れている、プロシアニジンの減少が抑制された、植物性生薬エキスを配合した酸性のプロシアニジン含有飲料も提供できる。
本発明の飲料は、少なくともプロシアニジン及びカラメルIIIであるカラメル色素を含有する。
一般的に、プロシアニジン類とは、フラボノイド類の基本骨格が重合した構造を持つ物質であり、狭義にはカテキン又はエピカテキンの重合体ともいわれる。本発明の飲料において「プロシアニジン」とは、カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB2、プロシアニジンB5、プロシアニジンC1、及びシンナムタンニンA2を意味する。
前記プロシアニジン(カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB2、プロシアニジンB5、プロシアニジンC1、及びシンナムタンニンA2)の定量分析は、非特許文献1(J.Agric.Food Chem.,Vol.45 No.12,4624-4628,1997)を参照して行うことができる。
前記プロシアニジン(カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB2、プロシアニジンB5、プロシアニジンC1、及びシンナムタンニンA2)の定量分析は、非特許文献1(J.Agric.Food Chem.,Vol.45 No.12,4624-4628,1997)を参照して行うことができる。
本発明の飲料には、プロシアニジンが目的に応じて適宜配合されてなるが、好ましくは飲料100mLに対して5〜200mg、より好ましくは5〜170mg、特に好ましくは8〜161mgのプロシアニジンが配合される。
本発明の飲料が含有するプロシアニジンの原料となる植物種は特に限定されないが、好ましくは、カカオ、ブドウ、リンゴが挙げられる。
本発明の飲料のpHは4.0未満であるが、より好ましくはpH3.1〜3.8である。
本発明の飲料に配合されるカラメル色素は、第7版食品添加物公定書1999年(平成11年)で定義される「カラメル」のうち、カラメルIIIをいう。前記カラメルIIIは、「でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、アンモニウム化合物を加えて、又はこれに酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、亜硫酸化合物を使用していないもの」と定義される。前記カラメルIIIは市販品を用いることができる。例えば、カラメルKH(池田糖化工業製)、カラメルLF−141(池田糖化工業製)、カラメルSK(池田糖化工業製)、などが挙げられる。
本発明の飲料に配合されるカラメル色素は、飲料全量に対して0.07〜0.9w/v%であるが、より好ましくは0.075〜0.3w/v%である。本発明の飲料において、カラメル色素の配合量が多いほど、保存中の飲料におけるプロシアニジン含量は減少する傾向がある。
本発明の飲料に配合されるカラメル色素の等電点は6.3〜6.8であることが好ましい。一般的に、カラメルのpHによって着色力・色調・香味などが若干変わるので、その影響を避けるため、カラメルは使用する飲料のpHに近いものを使用することが望ましいといわれている。しかしながら、本発明の飲料のpHは4.0未満であるところ、等電点が4.0を大きく超える値を有するカラメル色素(カラメルIII)を配合することによって、飲料中のプロシアニジンの減少が抑制される。
また、本発明の飲料には、植物性生薬エキスを追加的に配合することができる。前記植物性生薬エキスは、本発明の飲料全量に対して乾燥物換算量で好ましくは5w/v%未満で含有することができる。
本発明の飲料には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、プロシアニジン及びカラメル色素以外の公知の成分を配合してよい。前記成分として、例えば糖及び糖アルコール類、乳及び乳製品、果実・野菜及びその加工品、蛋白質、ペプチド、アミノ酸、天然由来高分子(コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチンなど)、ビタミン類、ミネラル類、増粘剤、乳化剤、保存料、着色料、酸味料、香料などが挙げられる。
本発明の飲料の好ましい態様の一つとして、容器詰飲料が挙げられる。飲料を容器に封入することによって、安定に保存できる。前記容器詰飲料の容器の材質は特に制限はないが、例えば、アルミ缶やスチール缶等の金属製容器、PETボトルなどの樹脂製容器、金属箔やプラスチックフィルム等の多層構造を有するパウチ(吸い口付きを含む)、紙パック等の紙容器、ガラス瓶等のガラス製容器、などを挙げることができる。
本発明の飲料は、常法により製造することができる。例えば、飲料の配合成分を混合して水に溶解した後、pHを調整して加熱殺菌処理して密閉容器に封入する方法が挙げられる。前記製造方法には、ろ過工程等の公知な飲料の製造工程が含まれてもよい。
本発明の飲料を製造する場合、容器詰めの前及び/又は後に加熱殺菌処理を行うことができる。前記加熱殺菌処理は、適用されるべき法規(日本においては食品衛生法)に定められた殺菌条件で行われる。前記殺菌条件として、例えば、飲料の中心部の温度を65℃で10分間加熱する方法、飲料の中心部の温度を85℃で30分間加熱する方法などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。しかし、本発明の実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
(プロシアニジン含量の分析)
実施例及び比較例において、飲料中のプロシアニジン(カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB2、プロシアニジンB5、プロシアニジンC1、及びシンナムタンニンA2)含量の分析は、非特許文献1(J.Agric.Food Chem.,Vol.45 No.12,4624-4628,1997)を参照して実施した。
実施例及び比較例において、飲料中のプロシアニジン(カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB2、プロシアニジンB5、プロシアニジンC1、及びシンナムタンニンA2)含量の分析は、非特許文献1(J.Agric.Food Chem.,Vol.45 No.12,4624-4628,1997)を参照して実施した。
(プロシアニジン残存率の算出)
実施例及び比較例において、飲料中のプロシアニジン残存率は、上記したプロシアニジン含量の分析によって得られたプロシアニジンの各成分量を用いて、以下のように算出した。
実施例及び比較例において、飲料中のプロシアニジン残存率は、上記したプロシアニジン含量の分析によって得られたプロシアニジンの各成分量を用いて、以下のように算出した。
プロシアニジン残存率(%)=(加熱殺菌後(又は保存後)の飲料中のプロシアニジン各成分量の総和/加熱殺菌前の飲料中のプロシアニジン各成分量の総和)×100
プロシアニジン残存率の数値が高いほど、加熱殺菌後(又は保存後)の飲料中のプロシアニジンが安定に保存されていることを示す。
プロシアニジン残存率の数値が高いほど、加熱殺菌後(又は保存後)の飲料中のプロシアニジンが安定に保存されていることを示す。
(実施例1)
各種カラメル色素(カラメルI・III・IV)を配合したプロシアニジン含有飲料
仕込み水に表1に示したカラメル色素0.3w/v%(ただし、1−2については0w/v%、1−8については0.2w/v%、1−9については0.6w/v%)、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)1.45w/v%、砂糖10w/v%、クエン酸ナトリウム0.1w/v%を加えて溶解させた後、クエン酸を用いてpH3.5に調整して飲料とした。前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のプロシアニジン含量を分析したところ、109〜111mg/100mLであった。
各種カラメル色素(カラメルI・III・IV)を配合したプロシアニジン含有飲料
仕込み水に表1に示したカラメル色素0.3w/v%(ただし、1−2については0w/v%、1−8については0.2w/v%、1−9については0.6w/v%)、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)1.45w/v%、砂糖10w/v%、クエン酸ナトリウム0.1w/v%を加えて溶解させた後、クエン酸を用いてpH3.5に調整して飲料とした。前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のプロシアニジン含量を分析したところ、109〜111mg/100mLであった。
加熱殺菌後の各飲料を60℃及び23℃で保存した。加熱殺菌後、60℃1週間保存後、60℃2週間保存後、及び23℃1ヶ月保存後の飲料について、プロシアニジン含量を分析して、プロシアニジン残存率を算出した。結果を表1に示す。
表1より、23℃及び60℃のいずれの保存条件においても、カラメルIII(等電点6.8)を飲料全重量に対して0.3w/v%配合したプロシアニジン含有飲料(1−1)は、カラメルI又はIV(等電点が4.5未満)を同量配合した飲料(1−3〜1−7)よりも高いプロシアニジン残存率を有していた。
(実施例2)
各種カラメルIIIを配合したプロシアニジン含有飲料
仕込み水に表2に示したカラメル色素0.3w/v%、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)1.45w/v%、砂糖10w/v%、クエン酸ナトリウム0.1w/v%を加えて溶解させた後、クエン酸を用いてpH3.5に調整して飲料とした。前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のプロシアニジン含量を分析したところ、112〜113mg/100mLであった。
各種カラメルIIIを配合したプロシアニジン含有飲料
仕込み水に表2に示したカラメル色素0.3w/v%、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)1.45w/v%、砂糖10w/v%、クエン酸ナトリウム0.1w/v%を加えて溶解させた後、クエン酸を用いてpH3.5に調整して飲料とした。前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のプロシアニジン含量を分析したところ、112〜113mg/100mLであった。
加熱殺菌後の各飲料を60℃及び23℃で保存した。加熱殺菌後、60℃1週間保存後、及び23℃1ヶ月保存後の飲料について、プロシアニジン含量を分析して、プロシアニジン残存率を算出した。結果を表2に示す。
表2より、等電点が6.35〜6.80であるカラメルIIIを飲料全重量に対して0.3w/v%配合したプロシアニジン含有飲料(2−1〜2−3)は、23℃で1ヵ月保存した後においては約90%以上、60℃で1週間保存した後においては約60%以上という高いプロシアニジン残存率を有していた。
(実施例3)
カラメルIIIを各種濃度で配合したプロシアニジン含有飲料
仕込み水にカラメルIII(KH、池田糖化工業、等電点6.80、カラメル1%水溶液pH4.5)0〜0.9w/v%、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)1.45w/v%、砂糖10w/v%、クエン酸ナトリウム0.1w/v%を加えて溶解させた後、クエン酸を用いてpH3.5に調整して飲料とした。前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のプロシアニジン含量を分析したところ、98〜101mg/100mLであった。
カラメルIIIを各種濃度で配合したプロシアニジン含有飲料
仕込み水にカラメルIII(KH、池田糖化工業、等電点6.80、カラメル1%水溶液pH4.5)0〜0.9w/v%、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)1.45w/v%、砂糖10w/v%、クエン酸ナトリウム0.1w/v%を加えて溶解させた後、クエン酸を用いてpH3.5に調整して飲料とした。前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のプロシアニジン含量を分析したところ、98〜101mg/100mLであった。
加熱殺菌後の各飲料を23℃で保存した。加熱殺菌後、23℃1ヶ月保存後、及び23℃2ヶ月保存後の飲料について、プロシアニジン含量を分析して、プロシアニジン残存率を算出した。結果を図1に示す。
図1より、カラメルIII(等電点6.8)を飲料全重量に対して0.075〜0.9w/v%配合したプロシアニジン含有飲料は、23℃で2ヶ月保存した後においても70%以上という高いプロシアニジン残存率を有していた。特に、カラメルIIIを0.075〜0.3w/v%配合した飲料については、23℃で2ヶ月保存した後においても80%以上という高いプロシアニジン残存率を有していた。
(実施例4)
カラメル色素及び各種植物性生薬エキスを配合したプロシアニジン含有飲料(1)
以下の原料を仕込み水に溶解させて飲料とした。
(4−1;カラメルIII配合)カラメルIII(カラメルKH:池田糖化工業、等電点6.80、カラメル1%水溶液pH4.5)0.9w/v%、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)0.1w/v%、植物性生薬エキス[マカエキス末0.2w/v%、ムイラプアマエキス末0.05w/v%]計0.25w/v%、ローヤルゼリー0.05w/v%、濃縮ブドウ果汁1.0w/v%、液糖10w/v%、酸味料・カフェイン・甘味料・香料:計1.0w/v%未満。
(4−2;カラメルI配合)上記4−1に示した原料のうち、カラメルIIIを除き、カラメルI(カラメルSF−180:池田糖化工業、等電点3.0、カラメル1%水溶液pH6.4)0.6w/v%を配合。
カラメル色素及び各種植物性生薬エキスを配合したプロシアニジン含有飲料(1)
以下の原料を仕込み水に溶解させて飲料とした。
(4−1;カラメルIII配合)カラメルIII(カラメルKH:池田糖化工業、等電点6.80、カラメル1%水溶液pH4.5)0.9w/v%、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)0.1w/v%、植物性生薬エキス[マカエキス末0.2w/v%、ムイラプアマエキス末0.05w/v%]計0.25w/v%、ローヤルゼリー0.05w/v%、濃縮ブドウ果汁1.0w/v%、液糖10w/v%、酸味料・カフェイン・甘味料・香料:計1.0w/v%未満。
(4−2;カラメルI配合)上記4−1に示した原料のうち、カラメルIIIを除き、カラメルI(カラメルSF−180:池田糖化工業、等電点3.0、カラメル1%水溶液pH6.4)0.6w/v%を配合。
前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のpHは約3.1〜3.2であり、プロシアニジン含量を分析したところ約8mg/100mLであった。
加熱殺菌後の各飲料を23℃及び37℃で保存した。加熱殺菌後、2週間〜2ヶ月保存後の飲料について、プロシアニジン含量を分析して、プロシアニジン残存率を算出した。23℃保存後の結果を図2に、37℃保存後の結果を図3に示す。
図2及び図3より、各種植物性生薬エキス(マカ、ムイラプアマ)を配合したプロシアニジン含有飲料においても、カラメルIII(等電点6.8)を配合した飲料(4−1)は、カラメルI(等電点3.0)を配合した飲料(4−2)よりも高いプロシアニジン残存率を有していた。
(実施例5)
カラメル色素及び各種植物性生薬エキスを配合したプロシアニジン含有飲料(2)
以下の原料を仕込み水に溶解させて飲料とした。
(5−1;カラメルIII配合)カラメルIII(カラメルKH:池田糖化工業、等電点6.80、カラメル1%水溶液pH4.5)0.9w/v%、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)2.0w/v%、植物性生薬エキス[マカエキス末2.0w/v%、ムイラプアマエキス末0.3w/v%、ガラナエキス0.3w/v%、冬虫夏草エキス末0.5w/v%、高麗人参エキス末0.5w/v%、ヒハツエキス末0.3w/v%、ニンニクエキス末0.3w/v%、トンカットアリエキス末0.1w/v%]4.3w・v%、液糖10w/v%、酸味料・カフェイン・保存料・甘味料・香料・増粘剤:計0.7w/v%未満。
(5−2;カラメル無添加)上記5−1に示した原料より、カラメルIIIを除いた。
前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のpHは約3.8であり、プロシアニジン含量を分析したところ155〜161mg/100mLであった。
カラメル色素及び各種植物性生薬エキスを配合したプロシアニジン含有飲料(2)
以下の原料を仕込み水に溶解させて飲料とした。
(5−1;カラメルIII配合)カラメルIII(カラメルKH:池田糖化工業、等電点6.80、カラメル1%水溶液pH4.5)0.9w/v%、カカオエキス末(株式会社明治製、カカオエキス末)2.0w/v%、植物性生薬エキス[マカエキス末2.0w/v%、ムイラプアマエキス末0.3w/v%、ガラナエキス0.3w/v%、冬虫夏草エキス末0.5w/v%、高麗人参エキス末0.5w/v%、ヒハツエキス末0.3w/v%、ニンニクエキス末0.3w/v%、トンカットアリエキス末0.1w/v%]4.3w・v%、液糖10w/v%、酸味料・カフェイン・保存料・甘味料・香料・増粘剤:計0.7w/v%未満。
(5−2;カラメル無添加)上記5−1に示した原料より、カラメルIIIを除いた。
前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のpHは約3.8であり、プロシアニジン含量を分析したところ155〜161mg/100mLであった。
加熱殺菌後の各飲料を23℃及び60℃で保存した。加熱殺菌後、60℃1週間、23℃1ヶ月保存後の飲料について、プロシアニジン含量を分析して、プロシアニジン残存率を算出した。結果を表3に示す。
表3より、各種植物性生薬エキス(マカ、高麗人参、冬虫夏草、ヒハツ、ガラナ、ムイラプアマ、にんにく、トンカットアリ)を配合したプロシアニジン含有飲料においても、カラメルIIIを配合した飲料(5−1)は、カラメルを配合しない飲料(5−2)と同程度の高いプロシアニジン残存率を有していた。
(実施例6)
各種カラメル色素(カラメルI・III)を配合したリンゴ由来プロシアニジン含有飲料
仕込み水に、カラメルIII(KH、池田糖化工業、等電点6.80、カラメル1%水溶液pH4.5)0.3w/v%又はカラメルI(カラメルSF−180:池田糖化工業、等電点3.0、カラメル1%水溶液pH6.4)0.2w/v%、リンゴ由来プロシアニジンン(アサヒフードアンドヘルスケア社製、商品名:アップルフェノンSH)0.56w/v%、砂糖10.00w/v%、クエン酸ナトリウム0.1w/v%を加えて溶解させた後、クエン酸を用いてpH3.5に調整して飲料とした。前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のプロシアニジン含量を分析したところ、99〜101mg/100mLであった。
各種カラメル色素(カラメルI・III)を配合したリンゴ由来プロシアニジン含有飲料
仕込み水に、カラメルIII(KH、池田糖化工業、等電点6.80、カラメル1%水溶液pH4.5)0.3w/v%又はカラメルI(カラメルSF−180:池田糖化工業、等電点3.0、カラメル1%水溶液pH6.4)0.2w/v%、リンゴ由来プロシアニジンン(アサヒフードアンドヘルスケア社製、商品名:アップルフェノンSH)0.56w/v%、砂糖10.00w/v%、クエン酸ナトリウム0.1w/v%を加えて溶解させた後、クエン酸を用いてpH3.5に調整して飲料とした。前記飲料を密閉容器に封入した後、85℃で30分間加熱殺菌した。加熱殺菌前の各飲料のプロシアニジン含量を分析したところ、99〜101mg/100mLであった。
加熱殺菌後の各飲料を23℃で保存した。加熱殺菌後、23℃1ヶ月保存後、及び23℃2ヶ月保存後の飲料について、プロシアニジン含量を分析して、プロシアニジン残存率を算出した。結果を図4に示す。
図4より、リンゴ由来プロシアニジン含有飲料においても、カラメル色素としてカラメルIII(等電点6.8)を配合した飲料は、カラメルI(等電点3.0)を配合した飲料よりも高いプロシアニジン残存率を有していた。
Claims (6)
- pH4.0未満であるプロシアニジン含有飲料であって、カラメルIIIであるカラメル色素を飲料全量に対して0.07〜0.9w/v%配合してなるプロシアニジン含有飲料。
- プロシアニジンを加熱殺菌前の飲料100mLに対して5〜200mg配合してなる請求項1に記載のプロシアニジン含有飲料。
- カラメル色素の配合量が飲料全量に対して0.075〜0.3w/v%である、請求項1又は2に記載のプロシアニジン含有飲料。
- pHが3.1〜3.8である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロシアニジン含有飲料。
- 容器詰飲料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロシアニジン含有飲料。
- 植物性生薬エキスの配合量が乾燥物換算量で飲料全量に対して5w/v%未満である請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロシアニジン含有飲料。
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