JP2015203105A - 熱硬化性樹脂組成物及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

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隅田 和昌
Kazumasa Sumida
和昌 隅田
達也 植原
Tatsuya Uehara
達也 植原
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Abstract

【課題】半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハーを一括封止でき、大径の基板やウエハーであっても反りの発生がなく、硬化特性に優れ、低粘度で作業性も良好であり、封止後には柔軟性に優れるため容易に研磨、ダイシングでき、耐熱性や耐湿性に優れた封止樹脂となる熱硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)アリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体、(B)イソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体、(C)硬化促進剤、及び(D)無機充填材を含有し、(D)成分が、細孔容積0.3〜0.7cm3/gの多孔質の大径粒分(D−1)、中径粒分(D−2)、小径粒分(D−3)を、(D−1):(D−2):(D−3)=95〜70:3〜20:2〜10の割合で含有する球状無機充填材であり、(D)成分中の30質量%以上が表面を酸化ケイ素で被覆されたものである熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止用の熱硬化性樹脂組成物及び該熱硬化性樹脂組成物を用いた半導体装置の製造方法に関する。
半導体素子を樹脂封止するために、金型を用いたトランスファーモールド、液状の封止用樹脂によるポッティングあるいはスクリーン印刷等が行われている。近年、半導体素子の微細化に伴い、電子機器の小型化、薄型化が要求され、500μm厚以下で、かつシリコンダイをスタックした薄型パッケージを樹脂封止する必要が出てきた。
直径200mm(8インチ)程度の小径ウエハーや金属等の小径基板を使用した場合は現状でも大きな問題もなく封止成形できるが、直径300mm(12インチ)以上の大径ウエハーや大径基板を使用した場合は、封止硬化時のエポキシ樹脂等の封止樹脂の収縮応力により半導体素子を搭載した基板や半導体素子を形成したウエハーに反りが生じる、半導体素子を搭載した基板では半導体素子が基板から剥離するといった問題が発生しており、これらの問題が、半導体装置の一括封止による量産化の妨げとなっていた。
ウエハーや金属等の基板の大径化に伴うこのような問題を解決する手段として、フィラーを封止樹脂に90質量%以上充填することや、封止樹脂の低弾性化で硬化時の収縮応力を小さくすることが行われてきた。
一方で、近年では、半導体素子の積層化に伴い、厚い封止樹脂層を研磨し薄型にする半導体装置が主流となってきている。しかし、上記のようにフィラーを90質量%以上充填した封止樹脂を使用すると、封止樹脂層を研磨する際、ポリッシング圧力を高くして研磨しなければならないため半導体素子が損傷する、ウエハー自体が割れてしまうなどの問題が生じている。また、封止したウエハーや基板をダイシングする際、ダイシング装置のブレードが損傷し易いため交換頻度が高くなり、高コストの原因になっている。
また、従来のシリコーン化合物に代表される低弾性樹脂の材料では樹脂がやわらかいため、研磨の際、樹脂つまりが発生する、樹脂クラックが生じるなどの問題が生じている。
また、従来、半導体封止用の樹脂組成物としては、イソシアヌル環を含有する重合体を使用した組成物が知られており、イソシアヌル環含有重合体やイソシアヌル環含有ハイドロジェンポリシロキサン重合体を使用した組成物としては、SiH基含有ポリシロキサンにジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを付加反応させたポリシロキサンのエポキシ基開環重合物含有組成物(特許文献1)、イソシアヌル環含有ポリシロキサンとSiH基含有ポリシロキサンの重合物含有組成物(特許文献2)、トリアリルイソシアヌレートとSiH基含有ポリシロキサンとの付加硬化型組成物(特許文献3)、イソシアヌル環及びSiH基を含有するポリシロキサンとアルケニル基含有硬化物と付加硬化型組成物(特許文献4〜6)等が知られている。しかし、特許文献1、2のイソシアヌル環含有重合体は、アルケニル基の存在位置が不確定であるため、付加反応による硬化が困難であり、ハイドロシリレーション(付加反応)の特徴である速やかな硬化反応が生かされていないものであり、特許文献3〜6のイソシアヌル環含有重合体組成物は、架橋密度が高く、剛直で柔軟性に欠けるものである。
特開2008−143954号公報 特開2008−150506号公報 特開平9−291214号公報 特許第4073223号公報 特開2006−291044号公報 特開2007−9041号公報
そこで、イソシアヌル環含有ポリシロキサンとSiH基含有ポリシロキサンとの付加反応によって硬化するものであり、硬化特性に優れ、硬化後は柔軟性、耐熱性、耐湿性に優れ、半導体素子を搭載した基板や半導体素子を形成したウエハーを一括封止できる熱硬化性樹脂組成物が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハーの半導体素子形成面をウエハーレベルで一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、硬化特性に優れ、低粘度で作業性も良好であり、かつ封止後には柔軟性に優れるため容易に封止樹脂を研磨、ダイシングでき、さらに耐熱性や耐湿性に優れた封止樹脂となる熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、この熱硬化性樹脂組成物を用いて半導体素子を封止した半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとして、分子鎖両末端にアリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体、
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、シロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体;前記(A)成分中のアリル基1モルに対する(B)成分中のSiH基が0.8〜4.0モルとなる量、
(C)硬化促進剤、及び
(D)無機充填材;前記(A)成分及び前記(B)成分の合計100質量部に対して30〜900質量部、
を含有する半導体封止用の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記(D)成分が、平均粒径10.0〜50.0μmの粒分(D−1)と、平均粒径1.1〜5.0μmの粒分(D−2)と、平均粒径0.1〜1.0μmの粒分(D−3)とを、合計が100となる質量比で(D−1):(D−2):(D−3)=95〜70:3〜20:2〜10の割合で含有する球状無機充填材であり、前記(D)成分中の30質量%以上が表面を酸化ケイ素で被覆されたものであり、
前記(D−1)成分が、細孔容積0.3〜0.7cm/gである多孔質の無機充填材である熱硬化性樹脂組成物を提供する。
このような熱硬化性樹脂組成物であれば、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハーの半導体素子形成面をウエハーレベルで一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、硬化特性に優れ、低粘度で作業性も良好であり、かつ封止後には柔軟性に優れるため容易に封止樹脂を研磨、ダイシングでき、さらに耐熱性や耐湿性に優れた封止樹脂となる。
またこのとき、前記(A)成分として、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン重合体を含有し、
Figure 2015203105
(式中、Xは互いに独立に、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基、Rは互いに独立にアルキル基又はフェニル基、nは1〜50の整数、Pは1〜30の整数である。)
前記(B)成分として、下記一般式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体を含有するものであることが好ましい。
Figure 2015203105
(式中、X、R、n、及びPは前記と同様であり、mは0〜5の整数である。また各シロキサン繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
このような(A)、(B)成分であれば、より耐熱性、機械的特性、電気絶縁性、耐薬品性、耐水性に優れ、低弾性で気体透過性が低い硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物となる。
またこのとき、前記熱硬化性樹脂組成物が、前記(A)成分以外のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン及び前記(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有しないものであることが好ましい。
このような熱硬化性樹脂組成物であれば、より確実に硬化特性に優れた熱硬化性樹脂組成物となる。
またこのとき、前記(D)成分が、球状シリカであることが好ましい。
球状シリカであれば、より低粘度で作業性の良好な熱硬化性樹脂組成物となる。
またこのとき、前記(D)成分が、表面をシランカップリング剤で処理されたものであることが好ましい。
これにより、無機充填材の樹脂成分との結合強度を強めることができる。
またこのとき、前記シランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−ウレイドプロピルトリエトキシシランから選ばれる1種以上のものであることが好ましい。
このようなシランカップリング剤は、本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられる(D)成分の表面処理に好適に用いることができる。
さらに、本発明では、熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって半導体素子が封止された半導体装置の製造方法であって、
1個以上の半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は1個以上の半導体素子を形成したシリコンウエハーの半導体素子形成面に、上記の熱硬化性樹脂組成物を押圧下で被覆又は真空雰囲気下で減圧被覆する工程、
前記被覆した熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化して半導体素子を一括封止する工程、
前記硬化した樹脂層を研磨する工程、
ダイシングによって個片化する工程、
を有する半導体装置の製造方法を提供する。
このような半導体装置の製造方法であれば、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハーの半導体素子形成面をウエハーレベルで一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、封止樹脂を容易に研磨、ダイシングでき、封止樹脂が耐熱性、耐湿性等の信頼性に優れるため、信頼性に優れた半導体装置を生産性良く製造することができる。
以上のように、本発明の熱硬化性樹脂組成物であれば、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハーの半導体素子形成面をウエハーレベルで一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、硬化特性に優れ、低粘度で作業性も良好であり、かつ封止後には柔軟性に優れるため容易に封止樹脂を研磨、ダイシングでき、さらに耐熱性、耐湿性、機械的特性、電気絶縁性、耐薬品性、耐水性に優れ、低弾性で気体透過性が低い封止樹脂となる。
また、このような本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた半導体装置の製造方法であれば、半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハーをウエハーレベルで一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、封止樹脂を容易に研磨、ダイシングでき、封止樹脂が耐熱性、耐湿性等の信頼性に優れるため、信頼性に優れた半導体装置を生産性良く製造することができる。
上述のように、半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハーを一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、硬化特性に優れ、低粘度で作業性も良好であり、かつ封止後には柔軟性に優れるため容易に封止樹脂を研磨、ダイシングでき、さらに耐熱性や耐湿性に優れた封止樹脂となる熱硬化性樹脂組成物の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、主剤(ベースポリマー)及び硬化剤(架橋剤)からなる樹脂成分として、両末端アリルイソシアヌル環封鎖オルガノポリシロキサン重合体(ベースポリマー)と、イソシアヌル環含有末端ハイドロジェンポリシロキサン重合体(硬化剤)を使用し、この樹脂成分に、特定の球状多孔質無機充填材を含むことにより、高充填化した場合でも従来の多孔質シリカに比べて粘度上昇が見られないことを見出した。
また、従来の多孔質無機充填材は、表面が酸化ケイ素で被覆されていないものが主流であり、表面被覆されていないと、吸湿量が大きく、半田リフロー時にポップコーン現象が発生し不良が生じてしまうことがあった。これに対し本発明者らは、樹脂組成物に配合する無機充填材として、細孔容積が0.3〜0.7cm/gである多孔質の無機充填材を含み、表面が酸化ケイ素で被覆されているものを無機充填材中に30質量%以上含有することで、研磨性を維持しながら、吸湿性を抑えることが可能であることを見出した。
さらに、本発明者らは、無機充填材を特定の粒度分布を有するものとすることで、粘度が低下し、作業性に優れた熱硬化性樹脂組成物となり、また硬化後は、従来のシリコーン化合物に比べて、研磨性、ダイシング性が大幅に改善でき、さらに耐水性に優れ、気体透過性が低く、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りを抑制でき、硬化物の表面に僅かなタックも発生しないものとなることから、半導体封止用の熱硬化性樹脂として非常に汎用性の高いものであることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとして、分子鎖両末端にアリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体、
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、シロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体;前記(A)成分中のアリル基1モルに対する(B)成分中のSiH基が0.8〜4.0モルとなる量、
(C)硬化促進剤、及び
(D)無機充填材;前記(A)成分及び前記(B)成分の合計100質量部に対して30〜900質量部、
を含有する半導体封止用の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記(D)成分が、平均粒径10.0〜50.0μmの粒分(D−1)と、平均粒径1.1〜5.0μmの粒分(D−2)と、平均粒径0.1〜1.0μmの粒分(D−3)とを、合計が100となる質量比で(D−1):(D−2):(D−3)=95〜70:3〜20:2〜10の割合で含有する球状無機充填材であり、前記(D)成分中の30質量%以上が表面を酸化ケイ素で被覆されたものであり、
前記(D−1)成分が、細孔容積0.3〜0.7cm/gである多孔質の無機充填材である熱硬化性樹脂組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[(A)成分]
(A)成分は、主剤(ベースポリマー)となるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであり、分子鎖両末端にアリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体である。このような(A)成分としては、下記一般式(1)で表される分子鎖両末端にアリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体が好ましい。
Figure 2015203105
(式中、Xは互いに独立に、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基、Rは互いに独立にアルキル基又はフェニル基、nは1〜50の整数、Pは1〜30の整数である。)
一般式(1)中、Xは互いに独立に、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基である。このようなXとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基や、フェニル基等の炭素数6〜10のアリール基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
一般式(1)中、Rは互いに独立に、アルキル基又はフェニル基であり、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。組成物の硬化特性、柔軟性、及び合成の容易さよりメチル基であることが好ましく、全Rの50モル%以上(50〜100モル%)がメチル基であることが好ましい。
一般式(1)中、nは1〜50の整数であり、好ましくは1〜30の整数である。また、Pは1〜30の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜8の整数である。
(A)成分の重量平均分子量は、500〜10,000であることが好ましく、より好ましくは600〜5,000である。
また、(A)成分の25℃における粘度は、0.5〜1,000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは1〜100Pa・sである。
ここで、重量平均分子量は、例えばトルエン、THF等を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析(GPC)で求めることができ。また粘度は、例えば回転粘度計(BL型、BH型、BS型、コーンプレート型等)により測定することができる。なお、以下、重量平均分子量及び粘度については上記の方法で求めることができる。
一般式(1)で表される分子鎖両末端にアリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体は、例えば、下記一般式(3)で表されるジアリルイソシアヌレートと、下記一般式(4)で表される末端ハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンとを、従来公知の方法でヒドロシリル化付加反応させることにより製造することができる。反応温度は、室温(25℃)〜250℃が好ましく、より好ましくは50〜180℃である。また、反応時間は、0.1〜120時間が好ましく、より好ましくは1〜10時間である。
Figure 2015203105
(式中、X、R、及びnは上記と同様である。)
一般式(3)で表されるジアリルイソシアヌレートと一般式(4)で表される末端ハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンは、一般式(3)中のアリル基1当量に対して、一般式(4)中のSiH基が0.1〜0.9当量、好ましくは0.4〜0.7当量(即ち、アリル基過剰系)となる量で反応させることが好ましい。これにより両末端にジアリルイソシアヌル環を有するオルガノポリシロキサン重合体を得ることができる。
ヒドロシリル化付加反応には、触媒として、例えば白金、ロジウム又はパラジウムを含む白金族金属化合物を使用することができる。中でも白金を含む化合物が好ましく、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物、白金カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド/オクタノール錯体、あるいは活性炭に担持された白金を用いることができる。触媒の配合量は、一般式(3)の化合物に対し、含まれる金属質量が0.01〜10,000ppmとなることが好ましく、より好ましくは0.1〜100ppmである。
また、一般式(1)で表される分子鎖両末端にアリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体の製造に際しては、必要に応じて溶剤を加えることができる。溶剤としては、トルエン、キシレン、メシチレン、ジエチルベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテルなどを使用することができる。
[(B)成分]
(B)成分は、硬化剤(架橋剤)となるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、シロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体である。
(B)成分が、反応性の高いシロキサン鎖の末端のケイ素原子に結合した水素原子((H)(R)SiO1/2単位中のSiH基)を2個以上、好ましくは2〜50個有することによって、(A)成分中の分子鎖両末端のアルケニル基(アリル基)との速やかなヒドロシリル化付加反応が可能となる。
このような(B)成分としては、下記一般式(2)で表されるシロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体が好ましい。
Figure 2015203105
(式中、Xは互いに独立に、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基、Rは互いに独立にアルキル基又はフェニル基、nは1〜50の整数、mは0〜5の整数、Pは1〜30の整数である。また各シロキサン繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
一般式(2)中、Xは互いに独立に、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基である。このようなXとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基や、フェニル基等の炭素数6〜10のアリール基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
一般式(2)中、Rは互いに独立に、アルキル基又はフェニル基であり、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。組成物の硬化特性、柔軟性、及び合成の容易さよりメチル基であることが好ましく、全Rの50モル%以上(50〜100モル%)がメチル基であることが好ましい。
一般式(2)中、nは1〜50の整数であり、好ましくは1〜30の整数である。また、mは0〜5の整数であり、好ましくは0〜2の整数である。また、Pは1〜30の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜8の整数である。
(B)成分の重量平均分子量は、500〜10,000であることが好ましく、より好ましくは600〜5,000である。
また、(B)成分の25℃における粘度は、0.1〜100Pa・sであることが好ましく、より好ましくは0.5〜10Pa・sである。
一般式(2)で表されるシロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体は、例えば、下記一般式(5)で表されるジアリルイソシアヌレートと、下記一般式(6)で表される末端ハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンとを、従来公知の方法でヒドロシリル化付加反応させることにより製造することができる。反応温度は、室温(25℃)〜250℃が好ましく、より好ましくは50〜180℃である。また、反応時間は、0.1〜120時間が好ましく、より好ましくは1〜10時間である。
Figure 2015203105
(式中、X、R、n、及びmは上記と同様であり、各シロキサン繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
一般式(5)で表されるジアリルイソシアヌレートと一般式(6)で表される末端ハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンは、一般式(5)中のアリル基1当量に対して、一般式(6)中のSiH基が1.1〜5.0当量、好ましくは1.1〜3.5当量(即ち、SiH基過剰系)となる量で反応させることが好ましい。これによりシロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体を得ることができる。
また、上記一般式(6)で表される末端ハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンとしては、具体的には、下記構造式(7)〜(11)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015203105
(式中、nは上記と同様である。)
Figure 2015203105
Figure 2015203105
ヒドロシリル化付加反応には、触媒として、例えば白金、ロジウム又はパラジウムを含む白金族金属化合物を使用することができる。中でも白金を含む化合物が好ましく、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物、白金カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド/オクタノール錯体、あるいは活性炭に担持された白金を用いることができる。触媒の配合量は、一般式(5)の化合物に対し、含まれる金属質量が0.01〜10,000ppmとなることが好ましく、より好ましくは0.1〜100ppmである。
また、一般式(2)で表されるシロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体の製造に際しては、必要に応じて溶剤を加えることができる。溶剤としては、トルエン、キシレン、メシチレン、ジエチルベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテルなどを使用することができる。
上記方法により製造された一般式(2)で表されるシロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体として、具体的には、下記一般式(12)、(13)で表されるものが例示できる。
Figure 2015203105
(式中、R及びPは上記と同様である。)
(B)成分の配合量は、(A)成分中のアリル基1モルに対する(B)成分中のSiH基が0.8〜4.0モルとなる量であり、好ましくは(SiH基/アリル基)比が1.0〜3.0である。(SiH基/アリル基)比が0.8未満又は4.0を超えると、硬化不良やコンプレッション成型(圧縮成型)後樹脂表面に斑模様が発生する可能性がある。
なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、主剤となるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、(A)成分の分子鎖両末端にアリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体のみを含有し、(A)成分以外のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを含有しないものであることが好ましい。また、硬化剤(架橋剤)となるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、(B)成分のシロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体のみを含有し、(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有しないものであることが好ましい。
このように、樹脂成分(アルケニル基含有オルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサン)として(A)成分と(B)成分のみを含有するものであれば、ハイドロシリレーション(付加反応)の特性を生かした硬化物を与えることができる。即ち、より確実に硬化特性に優れた熱硬化性樹脂組成物となる。
また、(A)成分及び(B)成分は、半導体素子を封止する樹脂となることから、塩素などのハロゲンイオン、またナトリウムなどのアルカリイオンは、極力減らしたものとすることが好ましく、通常、120℃での抽出で、いずれのイオンも10ppm以下であることが望ましい。
上記一般式(1)で表される(A)成分及び上記一般式(2)で表される(B)成分を用いることで、これらのイソシアヌル環含有オルガノポリシロキサン重合体同士の架橋によって、低弾性、機械的特性、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性、耐水性、気体透過性に優れた硬化物となる。
[(C)成分]
(C)成分の硬化促進剤(硬化触媒)としては、ヒドロシリル化付加反応触媒が使用可能であり、白金系触媒、パラジウム系触媒等の白金族金属触媒や酸化鉄等を用いることが好ましい。中でも白金族金属触媒が好ましく、白金族金属触媒としては、白金系、パラジウム系、ロジウム系等のものがあるが、コスト等の見地から白金、白金黒、塩化白金酸などの白金系のもの、例えば、HPtCl・xHO、KPtCl,KHPtCl・xHO、KPtCl,KPtCl・xHO、PtO・xHO(xは正の整数)等や、これらと、オレフィン等の炭化水素、アルコール又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を例示することができ、これらは1種単独でも、2種以上の組み合わせでも使用することができる。
硬化促進剤の添加量は触媒量(硬化促進有効量)であるが、白金族金属触媒の添加量としては、(A)成分と(B)成分の合計に対して白金族金属の質量換算で0.1〜500ppm程度が好ましい。上記の添加範囲であれば、硬化不良や、硬化が速すぎてポットライフが保てずに粘度の急上昇等が起こり作業性に問題が生じることなどを抑制できる。
[(D)成分]
(D)成分の無機充填材は、平均粒径10.0〜50.0μmの粒分(D−1)と、平均粒径1.1〜5.0μmの粒分(D−2)と、平均粒径0.1〜1.0μmの粒分(D−3)とを、合計が100となる質量比で(D−1):(D−2):(D−3)=95〜70:3〜20:2〜10の割合で含有する球状無機充填材であり、(D)成分中の30質量%以上が表面を酸化ケイ素で被覆されたものであり、(D−1)成分が、細孔容積0.3〜0.7cm/gである多孔質の無機充填材である。
このような(D)成分としては、球状であれば特に制限されないが、球状シリカであればより低粘度で作業性の良好な熱硬化性樹脂組成物となるため、球状シリカが好適に使用される。
本発明では、(D)成分中の30質量%以上が表面を酸化ケイ素で被覆されたものであり、上記(D−1)成分として、細孔容積0.3〜0.7cm/gの多孔質無機充填材を用いる。
従来の多孔質無機充填材は、表面が酸化ケイ素で被覆されていないものが主流であったが、表面被覆されていないと、比表面積が大きくベースレジンに混合する場合粘度の上昇が見られる。また、吸湿量が大きく、半田リフロー時にポップコーン現象が発生し不良が生じてしまう。そこで、本発明では無機充填材を表面被覆することにより、研磨性を維持しながら、吸湿性を抑えることが可能となった。
また、細孔容積が0.7cm/gを超えると、機械的強度が低く、ダイシング性、研磨性が良好であるが、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物の機械的強度が極端に落ち、半田リフロー時や温度サイクル中に硬化物にクラックが発生する恐れがある。一方、細孔容積が0.3cm/g未満では、硬化物の機械的強度が高くなりすぎ、ダイシング性、研磨性が著しく低下する。また、細孔容積は0.4〜0.6cm/gの範囲が好ましい。
なお、ここで、細孔容積は、ガス吸着法により測定されるものである。
これら球状無機充填材は、平均粒径10.0〜50.0μmの大粒径の粒分(D−1)と、平均粒径1.1〜5.0μmの中粒径の粒分(D−2)と、平均粒径0.1〜1.0μmの小粒径の粒分(D−3)とを組み合わせて細密充填させて使用するものであり、合計が100となる質量比で(D−1):(D−2):(D−3)=95〜70:3〜20:2〜10、好ましくは92〜78:5〜15:3〜7の割合で含有するものである。細密充填の混合比率(質量比)としては、例えば、大径(D−1):中径(D−2):小径(D−3)=85:10:5等が挙げられるが、これに限定するものではない。
また、(D)成分の無機充填材は、シランカップリング剤で表面処理を行った上で組成物に添加混合することが好ましい。表面処理を行うことで、無機充填材の樹脂成分との結合強度を強めることができる。
(D)成分の表面処理に用いるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等から選ばれる1種以上が挙げられるが、中でも3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
(D)成分の表面処理に用いるシランカップリング剤の処理量及び表面処理方法については特に限定されるものではないが、シランカップリング剤処理量については、熱硬化性樹脂組成物に配合する(D)成分に対して、0.5〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0質量%である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に添加する(D)成分の配合量(即ち、上記(D−1)〜(D−3)成分の合計量)は、主剤である(A)成分と硬化剤である(B)成分の合計100質量部に対し、30〜900質量部であり、好ましくは40〜600質量部である。樹脂成分の量((A),(B)成分の合計量)に対し、30質量部未満では、十分な強度を得ることができず、900質量部を超えると、増粘によって流動性が低下し、充填性不良となりサブマウント上に配列された半導体素子の完全封止ができなくなる。
[その他の添加剤]
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、エポキシ基を有する有機ケイ素系の接着性向上剤、具体的には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、下記構造式(14)で表されるエポキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサン等の接着性向上剤、エチニルメチルデシルカルビノール、トリフェニルホスフィンなどの有機リン含有化合物、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの有機窒素含有化合物等の硬化抑制剤、アセチレンブラック、ファーネスブラックなどの各種カーボンブラック等の着色剤などを添加剤として任意に添加配合することができる。
Figure 2015203105
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記各成分を常法により均一に混合することにより調製することができる。このとき、混合に用いる装置は特に限定されないが、具体的には撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、2本ロール、3本ロール、ボールミル、連続押し出し機、プラネタリーミキサー、マスコロイダー等を用いることができ、これらの装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、加熱することにより硬化するものであり、硬化条件としては、硬化温度は110〜200℃が好ましく、より好ましくは120〜180℃である。また硬化時間は、1〜6時間が好ましく、より好ましくは2〜3時間である。
以上のような本発明の熱硬化性樹脂組成物であれば、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハーの半導体素子形成面をウエハーレベルで一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、硬化特性に優れ、低粘度で作業性も良好であり、かつ封止後には柔軟性に優れるため容易に封止樹脂を研磨、ダイシングでき、さらに耐熱性、耐湿性、機械的特性、電気絶縁性、耐薬品性、耐水性に優れ、低弾性で気体透過性が低い封止樹脂となる。従って、半導体の封止材(特に大径のウエハーや基板全体を封止する封止材)として最適な材料である。
さらに、本発明では、熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって半導体素子が封止された半導体装置の製造方法であって、
1個以上の半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は1個以上の半導体素子を形成したシリコンウエハーの半導体素子形成面に、上記の熱硬化性樹脂組成物を押圧下で被覆又は真空雰囲気下で減圧被覆する工程、
前記被覆した熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化して半導体素子を一括封止する工程、
前記硬化した樹脂層を研磨する工程、
ダイシングによって個片化する工程、
を有する半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の半導体装置の製造方法に用いられる半導体素子を搭載する基板としては、無機基板、金属基板あるいは有機基板等を挙げることができ、1個以上の半導体素子を搭載した基板としては、1個以上の半導体素子を接着剤(ダイボンド剤)でこれらの基板に搭載した半導体素子アレイ等を挙げることができる。また、本発明の半導体装置の製造方法では、直径300mm(12インチ)以上の大径ウエハーや大径基板を用いることができる。
また、1個以上の半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は1個以上の半導体素子を形成したシリコンウエハーの半導体素子形成面に、上記の熱硬化性樹脂組成物を押圧下で被覆又は真空雰囲気下で減圧被覆する工程では、例えばコンプレッション成型によって被覆を行うことができる。
被覆した熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化して半導体素子を一括封止する工程では、上記の熱硬化性樹脂組成物の硬化条件で硬化させることができる。
さらに、上記のようにして熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化して形成した樹脂層を研磨する工程、研磨後ダイシングによって個片化する工程を行い、半導体装置を製造する。
このような本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた半導体装置の製造方法であれば、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハーの半導体素子形成面をウエハーレベルで一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、封止樹脂を容易に研磨、ダイシングでき、封止樹脂が耐熱性、耐湿性等の信頼性に優れるため、信頼性に優れた半導体装置を生産性良く製造することができる。
以下、合成例、実施例、及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記の例において、室温は25℃を示し、部は質量部を示し、粘度は下記の[試験方法]に記載した回転粘度計により測定した25℃における値を示す。
(合成例1)
モノメチルジアリルイソシアヌレート400g(1.79モル)、トルエン400g、及び塩化白金酸トルエン溶液0.32g(白金として0.5質量%含有)を2Lのセパラブルフラスコに仕込み、100℃に加熱した後、下記構造式(15)で示される1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン120g(0.89モル)を滴下し、100℃で8時間攪拌した後、トルエンを減圧留去して、無色透明の液体を得た。
Figure 2015203105
H−NMRによる測定の結果、SiHプロトンに基づくピーク(4.6ppm付近)が消失し、アリルプロトンに基づくピーク(5.0〜5.4、5.7〜6.0ppm付近)が残存していることより、モノメチルジアリルイソシアヌレートのアリル基の一部が上記1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンと反応していることが確認された。GPCによる測定の結果、重量換算分子量は1,200であった。(平均重合度:2.6、アリル価:2.48mmol/g、粘度(25℃):3.0Pa・s)
生成されたものは、未反応原料と反応生成物で重合度が異なるものの混合物であるが、GPC及びNMRの測定結果より、未反応物(モノメチルジアリルイソシアヌレート)と下記構造式(16)で示される生成物Aを主成分として含有していることが確認された。
Figure 2015203105
生成されたものはGPCによる測定の結果、未反応物(原料のモノメチルジアリルイソシアヌレート)が18.5質量%、上記構造式(16)中のP=1が27.3質量%、P=2が22.3質量%、P=3が14.8質量%、P=4が8.1質量%、P=5以上が9.0質量%含まれる混合物であり、この混合物より未反応物を除いた上記構造式(16)で示される生成物Aの重量換算分子量は1,468(P:平均3.3)であった。
(合成例2)
下記構造式(17)で示される末端ハイドロジェンシロキサン(トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン)900g(2.73モル)、トルエン900gを3Lのセパラブルフラスコに仕込み、100℃に加熱し、塩化白金酸トルエン溶液0.71g(白金として0.5質量%含有)を滴下した後、モノメチルジアリルイソシアヌレート300g(1.34モル)、トルエン300gを滴下した。100℃で8時間攪拌した後、トルエンを減圧留去して、無色透明の液体を得た。
Figure 2015203105
H−NMRによる測定の結果、アリルプロトンに基づくピーク(5.0〜5.4、5.7〜6.0ppm付近)が消失していることより、原料のモノメチルジアリルイソシアヌレートは全て消費され、SiHプロトンに基づくピーク(4.6ppm付近)が残存していることより、モノメチルジアリルイソシアヌレートのアリル基が上記式(17)の末端ハイドロジェンシロキサンの一端のSiH基と反応していることが確認された。GPCによる測定の結果、重量換算分子量は2,470であった。(SiH価:4.54mmol/g、粘度(25℃):0.4Pa・s)
生成されたものは、反応生成物で重合度が異なるものの混合物であるが、GPC及びNMRの測定結果より、下記構造式(18)で示される生成物Bを主成分として含有していることが確認された。この生成物BはGPCによる測定の結果、下記構造式(18)のP=1が12.4質量%、P=2が23.3質量%、P=3が20.0質量%、P=4が14.6質量%、P=5が11.8質量%、P=6以上が17.9質量%(P:平均3.8)含まれる混合物であった。
Figure 2015203105
以下、実施例及び比較例に配合した〈1〉〜〈7〉成分について説明する。
〈1〉主剤((A)成分);生成物A
〈2〉硬化剤((B)成分);生成物B
〈3〉硬化促進剤((C)成分);塩化白金酸(塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金濃度2質量%))
〈4〉無機充填材((D)成分);ベース球状シリカ(大径シリカ,(D−1)成分):中径シリカ(平均粒径2μm,(D−2)成分):小径シリカ(平均粒径0.8μm,(D−3)成分)=85:10:5(質量比)であり、以下のベース球状シリカ((D−1)成分)を用いた。
充填材a:平均粒径10μm、最大粒径50μmであり、多孔質で、その表面がSiOで被覆された真球状シリカ(細孔容積0.01cm/g)
充填材b:平均粒径10μm、最大粒径50μmであり、多孔質で、その表面がSiOで被覆された真球状シリカ(細孔容積0.35cm/g)
充填材c:平均粒径10μm、最大粒径50μmであり、多孔質で、その表面がSiOで被覆された真球状シリカ(細孔容積0.55cm/g)
充填材d:平均粒径10μm、最大粒径50μmであり、多孔質で、その表面がSiOで被覆された真球状シリカ(細孔容積0.85cm/g)
充填材e:平均粒径10μm、最大粒径50μmであり、多孔質で、その表面がまったく被覆されていない真球状シリカ(細孔容積0.55cm/g)
充填材f:平均粒径10μm、最大粒径50μmである溶融球状シリカ
なお、細孔容積はガス吸着法により測定された値であり、平均粒径はレーザー回折法により測定された値であり、最大粒径は篩法により測定された値である。また、各シリカの表面処理は、1質量%の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランにて、表面処理した(室温で240秒間、ヘンシェルミキサー処理)。
〈5〉エポキシシランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
〈6〉硬化抑制剤;下記構造式(19)で示されるエチニルメチルデシルカルビノール
Figure 2015203105
〈7〉着色剤;アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業社製)
実施例1〜3及び比較例1〜5は、主剤として生成物A、硬化剤として生成物Bのみを用い、上記の〈1〉〜〈7〉の配合成分を下記の表1に示す配合量で配合して調製した。調製方法としては、上記〈1〉〜〈7〉成分を、プラネタリーミキサーにて攪拌、混合し、ピッチ80μmに設定した三本ロールにて3回混練りし、さらに真空にてプラネタリーミキサーで混合して樹脂組成物を得た。
[試験方法]
上記実施例及び比較例で調製したもののうち、液状の樹脂組成物を用いて、下記に示す方法により、各種測定及び試験(粘度、チキソ比、DSC測定、接着力、引っ張り強度、伸び率、引張弾性率、反り測定、フローマーク・未充填の有無、研磨性試験、ダイシング性試験、信頼性試験、温度サイクル試験)を行った。これらの結果を下記の表1に併せて示す。
(i)粘度及びチキソ比
室温での粘度測定は、ブルックフィールド・プログラマブル レオメーター形式:DV−IIIウルトラ粘度計(コーンスピンドルCP−51/1.0rpm)にて行った。
チキソ比は、同粘度計0.1rpm及び1.0rpmで測定した結果から、〔0.1rpmの粘度〕÷〔1.0rpmの粘度〕の値として計算した。
(ii)DSC測定
DSC測定は、METTLER社 モデルDSC821にて行った。
(iii)接着力
10mm角に切断した表面がミラータイプの725μm厚シリコンダミーウエハーのミラー面に、液状樹脂組成物を塗布し、該液状樹脂組成物を塗布した10mm角のシリコンダミーウエハーに、2mm角に切断した表面がミラータイプの725μm厚シリコンダミーウエハーのミラー面を上記液状樹脂組成物側に向けて液状樹脂組成物を2枚のダミーウエハーで挟んで150℃/2時間加熱硬化を行い、液状樹脂組成物を硬化させて測定サンプルを得た。これを測定装置(Dage Series 4000 Bondtester)を用いて260℃加熱した熱板上にサンプルを40秒保持した後、チップ側面に水平方向に力をかけてチップ裏面への接着力を測定した。
(iv)引っ張り強度、伸び率、引張弾性率
引っ張り強度、伸び率、及び引張弾性率は、液状樹脂組成物を1.0mm厚板状に成型(150℃×2時間加熱硬化)したサンプルを2号ダンベルにて型を抜き、AUTOGRAPH 島津製作所製 LoadcellタイプSBL−5KNにて(つかみ具間距離100.0mm、引っ張り速度2.0mm/分)にて測定を行った。
(v)反り測定
液状樹脂組成物のコンプレッション成型後の反り測定は、ウエハー直径12インチ/200μm厚を使用し、アピックヤマダ社製ウエハーモールド(MZ407−1)にて樹脂厚みを400μmに設定し、コンプレッション時間600秒で110℃にて成型した後、150℃/2時間にて完全硬化(ポストキュアー)させて、反りを測定した。
(vi)フローマーク・未充填の有無
液状樹脂組成物を110℃で600秒間、樹脂厚み400μmにコンプレッション成型後、150℃/2時間にて完全硬化(ポストキュアー)させた後、外観目視によるフローマーク、未充填の有無を評価した。
フローマークとは、成型物の中心から外側に向かって放射状に残る白い流動痕のことである。フローマークが発生すると外観不良や、シリカ不均一分散による硬化物物性のバラつきや、それに伴う信頼性の低下等が懸念される。
未充填とは、ウエハー外周部に発生する樹脂の欠けのことを言う。未充填が発生すると後工程でウエハーを搬送するときに、センサーが未充填部をノッチと誤認識して、位置合わせ特性の低下が懸念される。
(vii−1)研磨性
液状樹脂組成物を110℃で600秒間、樹脂厚み400μmにコンプレッション成型後、150℃/2時間にて完全硬化(ポストキュアー)させた後、DISCO AUTOMATIC GRINDER DAG810を用いて以下の条件で研磨を行い、研磨性を評価した。
研磨条件
Grinding:1.0μm/s
Spindle speed:4,800rpm
Stage speed:300rpm
なお、600メッシュ研磨が可能であり、かつ研磨時の負荷電流値が8.0A以下で安定しているものを「良好」、安定的に600メッシュ研磨ができないものを「NG」とした。
(vii−2)ダイシング性
液状樹脂組成物を110℃で600秒間、樹脂厚み400μmにコンプレッション成型後、150℃/2時間にて完全硬化(ポストキュアー)させた後、DISCO A540を用いてダイシングを行い、ダイシング性を評価した。
なお、断面を観察し、シリコンがチッピングしたり、樹脂とシリコン界面に剥離が発生しないものを「良好」、断面を観察し、シリコンがチッピングしたり、樹脂とシリコン界面に剥離が発生したものを「NG」とした。
(viii)信頼性試験
厚み200μm、直径8インチのウエハーに20μm厚にてダイボンド材SFX−513M1(信越化学工業社製)を使用して(厚膜スクリーン印刷機 THICK FILM PRINTER タイプMC212)印刷し、Bステージ状態にて7mm角大にダイシング装置にてダイシングすると共に、半導体チップを準備した。
次に、厚み200μm、直径8インチのウエハー上にフィリップチップボンダー(Panasonic NM−SB50A)を使用して、厚さ220μm、7mm角ダイボンド材付き半導体チップを10N/150℃/1.0秒の条件でダイボンドを行い、半導体チップを搭載した200μmウエハーを得た。
半導体チップ付き200μmウエハーを圧縮成型機にセットし、液状樹脂組成物を適量載せ、成型圧力最大30MPaから15MPaで、110℃、10分で硬化を行い、ウエハーを得た。液状樹脂組成物の量は、成型後の樹脂厚みが400μm±10μmとなるように調整した。そのウエハーを150℃、2時間オーブンで熱処理して後硬化を行った後、再びダイシング装置にて7.1mm角にダイシングし、個片化した厚み400μmの樹脂を搭載した半導体チップを得た。
個片化した樹脂搭載半導体チップをBT基盤上にフィリップチップボンダー(Panasonic NM−SB50A)にて、10N/150℃/1.5秒の条件でダイボンド材SFX−513S(信越化学工業社製)でダイボンドを行い、150℃、4時間オーブンで熱処理し、後硬化を行い、樹脂搭載半導体チップ付きBT基板を得た。
樹脂搭載半導体チップ付きBT基板上にモールディングコンパウンド材をトランスファー成型(G−LINEプレス アピックヤマダ社製)し、成型条件175℃、90秒、9MPaにて1.5mm厚にて成型し、再びダイシング装置にて10.0mm角にダイシングし、個片化したモールディングコンパウンド樹脂搭載半導体チップ付きBT基板(半導体装置)を得た。
個片化した上記半導体装置を85℃、85%RHの条件で168時間吸湿処理した。これを、最大温度260℃、255〜260℃の時間が30秒±3秒となるように予め設定したリフローオーブンに3回通し、半田耐熱試験を行い、剥離・クラックの有無を目視にて評価した。なお、剥離・クラックが発生しないものを「良好」、剥離・クラックが発生したものを「NG」とした。
(ix)温度サイクル試験(TCT)
さらに、上記の個片化したモールディングコンパウンド樹脂搭載半導体チップ付きBT基板を、ESPEC社製小型冷熱衝撃装置TSE−11を使用し、−55℃/15分→+125℃/15分(自動)のサイクルを行った。まず、0回で超音波探傷装置(ソニックス社製 QUANTUM350)にて75MHzのプローブを用いて、半導体チップ内部の剥離状態を無破壊で確認した。次に、250サイクル後に同様の検査を行い、500サイクル後、750サイクル後と繰り返し同様の検査を行った。結果を表1に示す。
半導体チップの面積に対して剥離面積の合計がおよそ5%未満の場合は微小剥離として「良好(剥離なし)」、5%以上の剥離面積がある場合は「NG(剥離あり)」として評価した。
Figure 2015203105
表1に示されるように、(D−1)成分として細孔容積0.35cm/gの多孔質の真球状シリカである充填材bを含む(D)成分を所定の量含む実施例1、及び(D−1)成分として細孔容積0.55cm/gの多孔質の真球状シリカである充填材cを含む(D)成分を所定の量含む実施例2、3の熱硬化性樹脂組成物は、一括封止が可能であり、低粘度で作業性が良好であり、大径のウエハーを封止した場合でも反りが小さく、また封止後は柔軟性に優れ、研磨性、ダイシング性が良好であり、信頼性試験、温度サイクル試験の結果も良好であることから、耐熱性及び耐湿性に優れたものであった。
一方、(D−1)成分として上記の充填材bを含み、(D)成分を(A)、(B)成分の合計100質量部に対して、900質量部を超えた量含む比較例1は、組成物が液状にならず成型できないため、半導体封止用の樹脂組成物として用いることができなかった。また、(D−1)成分の多孔質の真球状シリカを含まず、溶融球状シリカである充填材fを含む比較例2は、引張弾性率が高く、ダイシング性に劣っていた。さらに、(D−1)成分として細孔容積0.01cm/gの多孔質の真球状シリカである充填材aを含む比較例3は、引っ張り強度が高く、研磨性及びダイシング性に劣っていた。また、(D−1)成分として細孔容積0.85cm/gの多孔質の真球状シリカである充填材dを含む比較例4は、引っ張り強度、伸び率、引張弾性率が低く、研磨性に劣り、信頼性試験及び温度サイクル試験によって剥離が発生した。また、(D−1)成分として細孔容積0.55cm/gの多孔質の真球状シリカであり、その表面がまったく被覆されていない充填材eを含む比較例5は、粘度が高いため作業性が悪く、また引っ張り強度、伸び率、引張弾性率が低く、信頼性試験及び温度サイクル試験によって剥離が発生した。
以上のように、本発明の熱硬化性樹脂組成物であれば、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハーの半導体素子形成面をウエハーレベルで一括封止でき、大径の基板やウエハーを封止した場合であっても、反りの発生がほとんどなく、硬化特性に優れ、低粘度で作業性も良好であり、かつ封止後には柔軟性に優れるため容易に封止樹脂を研磨、ダイシングでき、さらに耐熱性や耐湿性に優れた封止樹脂となることが明らかとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (7)

  1. (A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとして、分子鎖両末端にアリルイソシアヌル環構造を有するオルガノポリシロキサン重合体、
    (B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、シロキサン鎖の末端に2個以上のSiH基を有するイソシアヌル環含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体;前記(A)成分中のアリル基1モルに対する(B)成分中のSiH基が0.8〜4.0モルとなる量、
    (C)硬化促進剤、及び
    (D)無機充填材;前記(A)成分及び前記(B)成分の合計100質量部に対して30〜900質量部、
    を含有する半導体封止用の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記(D)成分が、平均粒径10.0〜50.0μmの粒分(D−1)と、平均粒径1.1〜5.0μmの粒分(D−2)と、平均粒径0.1〜1.0μmの粒分(D−3)とを、合計が100となる質量比で(D−1):(D−2):(D−3)=95〜70:3〜20:2〜10の割合で含有する球状無機充填材であり、前記(D)成分中の30質量%以上が表面を酸化ケイ素で被覆されたものであり、
    前記(D−1)成分が、細孔容積0.3〜0.7cm/gである多孔質の無機充填材であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分として、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン重合体を含有し、
    Figure 2015203105
    (式中、Xは互いに独立に、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基、Rは互いに独立にアルキル基又はフェニル基、nは1〜50の整数、Pは1〜30の整数である。)
    前記(B)成分として、下記一般式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン重合体を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2015203105
    (式中、X、R、n、及びPは前記と同様であり、mは0〜5の整数である。また各シロキサン繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
  3. 前記熱硬化性樹脂組成物が、前記(A)成分以外のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン及び前記(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有しないものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(D)成分が、球状シリカであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(D)成分が、表面をシランカップリング剤で処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記シランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−ウレイドプロピルトリエトキシシランから選ばれる1種以上のものであることを特徴とする請求項5に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって半導体素子が封止された半導体装置の製造方法であって、
    1個以上の半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は1個以上の半導体素子を形成したシリコンウエハーの半導体素子形成面に、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を押圧下で被覆又は真空雰囲気下で減圧被覆する工程、
    前記被覆した熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化して半導体素子を一括封止する工程、
    前記硬化した樹脂層を研磨する工程、
    ダイシングによって個片化する工程、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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