JP2015201633A - 13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法、13族窒化物自立基板、半導体素子の製造方法、led素子の製造方法、およびled素子 - Google Patents

13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法、13族窒化物自立基板、半導体素子の製造方法、led素子の製造方法、およびled素子 Download PDF

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Abstract

【課題】Ga面近傍におけるドーパント濃度の高い13族窒化物自立基板を簡便にかつ確実に得ることができる13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法、および、これによって得られた13族窒化物自立基板を用いて作製された半導体素子を提供する。【解決手段】一方主面が13族元素面であり他方主面が15族元素面である13族窒化物自立基板にドーパントを導入する方法が、13族窒化物自立基板を、ドーパントとして導入する元素の単体金属であるドーパント源金属と金属Gaとの混合融液中に浸漬した状態で保持し、混合融液から13族窒化物自立基板にドーパントを拡散させることによって、13族窒化物自立基板にドーパントを導入する融液アニール工程と、融液アニール工程を経た13族窒化物自立基板の15族元素面側を研磨することにより15族元素面側におけるドーパントの拡散領域を除去する研磨除去工程と、を備えるようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、13族窒化物自立基板に関し、特に、半導体素子用の13族窒化物自立基板に関する。
13族窒化物半導体を用いた発光デバイスであるLED(発光ダイオード)の高効率化に各研究機関・各企業が注力している。
13族窒化物半導体を用いたデバイスとしては、サファイアやSiC等の異種基板上に13族窒化物薄膜を積層したものがあるが、係るデバイスには、基板と13族窒化物薄膜の格子定数が異なることに起因する結晶欠陥の増加や、両者の熱膨張係数差に起因する反りが、成長時および成長後に問題となることがある。
例えば結晶欠陥は、その13族窒化物半導体を用いて製造される光デバイスや電子デバイスの特性や信頼性を低下させる原因となる。例えば、光デバイスにおける発光特性の劣化や、電子デバイスにおけるリーク電流や非線形性の発生などが引き起こされる場合がある。
また、反りは、膜成長中では加熱物体(例えばグラファイト製のサセプタ)との接触の不均一性を生じさせ、13族窒化物薄膜のキャリア濃度や組成などの特性に不均一性をもたらす。特に13族窒化物としてInGaNを用いる場合には、反りに起因した加熱時の温度の不均一性が特性に大きな影響を与える。一方、膜成長後に常温の状態で生じる反りは、成膜工程に続く素子製造工程で行われるフォトリソグラフィープロセスにおける、微細パターンの露光の際に、問題となる。
このような、異種基板を使用した場合に生じる結晶欠陥や反りの課題を解決するために、例えばGaNの自立基板など、13族窒化物の自立基板を使用する態様が検討されている。
自立GaN基板の作製方法として、種々の態様がすでに公知である(例えば、特許文献1ないし特許文献5参照)。特に、特許文献2ないし特許文献5には、反りの低減を意図した自立GaN基板の製法が開示されている。
また、13族窒化物半導体に対するドーパントの導入制御のための技術として、気相成長法を用いた結晶成長の際に、ドーパントガス(シラン、Cp2Mgなど)を同時供給することでドーパントを導入する方法が広く採用されているほか、液相成長法を用いた結晶成長の際に、ドーパント原料(金属Ge、液体Ge化合物)を液相中に添加しておく技術が、既に公知である(例えば、特許文献1および特許文献6参照)。なお、特許文献6には、基板の厚み方向におけるゲルマニウム濃度は実質的に均一であることが望ましいとの記載もある。
あるいは、デバイス作製の際に、熱拡散やイオン注入によるドーパント導入を行う態様も既に公知である(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
さらには、外周部のキャリア濃度を内部のキャリア濃度よりも低くすることで13族窒化物(III族窒化物)半導体自立基板の反り低減やクラックの抑制を行う技術も既に公知である(例えば、特許文献3参照)。また、基板内部において面内方向にキャリア濃度の分布を設ける一方で、表面におけるキャリア濃度を均一としてなる13族窒化物(III−V族窒化物)半導体自立基板も既に公知である(例えば、特許文献7参照)。
国際公開第2013/147326号 特開2009−23853号公報 特開2010−248022号公報 特開2009−149483号公報 特開2001−223165号公報 特許第4223540号公報 特開2005−101475号公報
C.F.Lin et al,"Improved contact performance of GaN film using Si diffusion", Applied Physics Letters, 2000年4月3日, volume76, number14, p.1878-p.1880 新山勇樹、他5名、「ノーマリオフ型窒化ガリウム系MOS型電界効果トランジスタの高出力動作」、古河電工時報、平成21年8月、第124号、p.1-p.5
特許文献1ないし特許文献5に開示されているのは、概略、HVPE法やフラックス法にて数百μmのGaN厚膜をサファイア基板上に成長させた後にサファイア基板を除去し、残ったGaN厚膜を自立基板とする手法である。
しかしながら、反りを抑制するべく特許文献2にないし特許文献5に開示されてなる手法によって作製したGaN自立基板においても、反りが残るという課題がある。具体的には、GaN自立基板においては、−c極性面であるN面(窒素面)の側が凸となった状態となっている。これは、サファイア基板上にGaN厚膜を成長させることで得られるGaN自立基板においては、サファイア基板と接触していた側の主面がN面となり、その反対側の主面が+c極性面であるGa面(ガリウム面)となるため、N面側よりGa面側の方が転位が少なく結晶品質が良好なものとなっていることが原因であると考えられる。
本発明の発明者は、鋭意検討をするなかで、すでに作製されてなる13族窒化物自立基板の表層部分にドーパントを容易かつ確実に導入する手法を見出すとともに、当該手法が13族窒化物自立基板の反りの低減に有効であることを見出した。
なお、特許文献1および特許文献6に開示されているような液相成長時にドーパントを導入する手法や、あるいは、広く知られている気相成長時ドーパントを導入する手法は、すでに作製された13族窒化物自立基板に対しドーパントを導入するものではない。
また、非特許文献1に開示されている手法は、あらかじめ基板上に形成されたGaN層の上に金属Si層およびSiOキャップ層を積層形成した後、アニールすることで、GaN層に金属Si層およびSiOキャップ層からSiを拡散させるというものであるが、積層プロセスおよびアニールプロセスを経るためにコスト面で不利である。
一方、非特許文献2に開示されている手法は、あらかじめ基板上に形成されたGaN層に対しイオン注入によりドーパントを導入するというものであるが、一般にイオン注入装置が高価であるため、コスト面で不利である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、13族元素面の近傍におけるドーパント濃度の高い13族窒化物自立基板を従来よりも簡便にかつ確実に得ることができる13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法、および、これによって得られた13族窒化物自立基板を用いて作製された半導体素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、一方主面が13族元素面であり他方主面が15族元素面である13族窒化物自立基板にドーパントを導入する方法であって、前記13族窒化物自立基板を、前記ドーパントとして導入する元素の単体金属であるドーパント源金属と金属Gaとの混合融液中に浸漬した状態で保持し、前記混合融液から前記13族窒化物自立基板に前記ドーパントを拡散させることによって、前記13族窒化物自立基板に前記ドーパントを導入する融液アニール工程と、前記融液アニール工程を経た前記13族窒化物自立基板の前記15族元素面側を研磨することにより前記15族元素面側における前記ドーパントの拡散領域を除去する研磨除去工程と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法であって、前記ドーパントがGeまたはSiである、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法であって、前記13族窒化物自立基板と、いずれも固体状態の前記ドーパント源金属と前記金属Gaとを坩堝内に充填し、前記坩堝内の充填物を加熱することにより前記13族窒化物自立基板が浸漬された前記混合融液を得る昇温加熱工程、をさらに備え、前記融液アニール工程においては、前記昇温加熱工程で得られた前記混合融液中に前記13族窒化物自立基板を浸漬した状態で保持する、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法であって、前記混合融液における前記ドーパント源金属と前記金属Gaとの総重量に対する前記ドーパント源金属の重量比率が2%以上50%以下である、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法であって、前記13族窒化物自立基板がGaNの自立基板である、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、13族窒化物自立基板であって、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドーパント導入方法によって前記13族元素面の近傍における前記ドーパントの濃度が他の部分より高められてなることを特徴とする。
請求項7の発明は、半導体素子の製造方法であって、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドーパント導入方法によって前記ドーパントが導入された前記13族窒化物自立基板を下地基板として準備する工程と、前記13族窒化物自立基板の前記13族元素面上に一または複数の13族窒化物層をエピタキシャル形成して積層構造体を得る工程と、前記積層構造体に電極を形成する工程と、前記電極が形成された前記積層構造体を素子単位に分断する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項8の発明は、LED素子の製造方法であって、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドーパント導入方法によって前記ドーパントが導入された前記13族窒化物自立基板と、前記13族窒化物自立基板の前記13族元素面上に備わるn型導電層と、前記前記n型導電層の上に備わる活性層と、前記活性層の上に備わるp型導電層と、前記p型導電層の上に備わるアノード反射電極と、前記13族窒化物自立基板の前記15族元素面上に備わるドット状、メッシュ状、ライン状、もしくは櫛歯状の金属カソード電極または面状の透明電極と、を備えることを特徴とする。
請求項9の発明は、LED素子であって、13族窒化物自立基板と、前記13族窒化物自立基板の13族元素面上にエピタキシャル形成されてなるn型導電層と、前記n型導電層の上にエピタキシャル形成されてなる活性層と、前記活性層の上にエピタキシャル形成されてなるp型導電層、前記p型導電層の上に形成されてなるアノード反射電極と、前記13族窒化物自立基板の15族元素面上にドット状、メッシュ状、ライン状、もしくは櫛歯状に形成されてなる金属カソード電極または面状の透明電極と、を備え、前記13族窒化物自立基板においては前記13族元素面の近傍におけるドーパントの濃度が他の部分より高められてなる、ことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9に記載のLED素子であって、前記ドーパントがGeまたはSiである、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項6の発明によれば、融液中でのアニールと、その後の研磨という、比較的簡便かつ、コスト的にも安価な処理によって、13族元素面の近傍に高濃度にドーパントが導入することにより、15族元素面の側が凸となった反りが抑制された13族窒化物自立基板を得ることが出来る。
また、請求項7および請求項8の発明によれば、13族窒化物自立基板における反りが抑制されてなることで、13族窒化物層の結晶品質の面内ばらつきが抑制される。これにより、一の13族窒化物自立基板を用いて作製した多数の半導体素子あるいはLED素子間の特性のばらつきが抑制される。
また、請求項9および請求項10の発明によれば、13族窒化物層の結晶品質が安定したLED素子が実現される。
13族窒化物自立基板1を例示する図である。 13族窒化物自立基板1へのドーパント導入処理の手順を示す図である。 13族窒化物自立基板1を用いて作製したLED素子10の構成を例示する図である。
本明細書中に示す周期表の族番号は、1989年国際純正応用化学連合会(International Union of Pure Applied Chemistry:IUPAC)による無機化学命名法改訂版による1〜18の族番号表示によるものであり、13族とはアルミニウム(Al)・ガリウム(Ga)・インジウム(In)等を指し、14族とは、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)等を指し、15族とは窒素(N)・リン(P)・ヒ素(As)・アンチモン(Sb)等を指す。
図1は、本発明の実施の形態に係る13族窒化物自立基板1を例示する図である。13族窒化物自立基板1は、その一方主面側が+c極性の13族元素面1aとなっており、他方主面側が−c極性の15族元素面1bとなっているものである。13族窒化物自立基板1は例えば、GaNからなる自立基板であり、その場合、+c極性を有するのはGa面(ガリウム面)であり、−c極性を有するのはN面(窒素面)である。本発明の実施の形態に係る13族窒化物自立基板1は、13族元素面1aの近傍、より具体的には、13族元素面1aから1nm〜50nm以内の範囲におけるドーパント濃度が、他の部分のドーパント濃度よりも高いという特徴を有してなる。なお、本実施の形態においては、ドーパントがいずれも14族元素であるGeとSiである場合を例として説明を行う。
13族窒化物自立基板1のサイズには、特段の制限はないが、取り扱いの容易さの点からは、自立基板として取り扱う場合には、直径が1インチ〜6インチ程度であって、200μm〜1mm程度の厚みを有する平板状をなしているのが好適である。もちろん、それ以上大きなサイズを有していてもよい。
図2は、13族窒化物自立基板1において上述のようなドーパント分布を実現するための13族窒化物自立基板1へのドーパント導入処理の手順を示す図である。
13族窒化物自立基板1に対するドーパント導入処理を開始するにあたっては、まず、13族窒化物自立基板1を用意する(ステップS1)。
13族窒化物自立基板1は、例えば、いわゆるフラックス法によって得ることが出来る。
フラックス法によって自立基板たる13族窒化物自立基板1を作製するには、まず、サファイア基板などの下地基板上にMOCVD法などの公知の成膜手法によって13族窒化物単結晶の薄膜層を適宜の厚みに形成することで、種基板を作製しておく。次に、該種基板と、13族窒化物を構成する13族元素の単体金属と、金属Naとを、円筒平底のアルミナ坩堝に充填する。さらに、該アルミナ坩堝を耐熱金属製の育成容器に入れて密閉する。なお、必要であれば、ドーパント源となる化合物についても併せてアルミナ坩堝に充填する態様であってもよい。例えば、Geをドーパントとする場合であれば四塩化ゲルマニウムがドーパント源として例示される。そして、当該容器を、揺動および回転が可能な結晶育成炉内において回転させながら所定の高温高圧状態で保持することによって、13族元素の単体金属と、金属Naとからなる(場合によってはドーパント源となる化合物をさらに含む)融液を撹拌しながら、サファイア基板上に13族窒化物単結晶を200μm〜1mm程度の厚みに成長させる。室温まで徐冷した後、アルミナ坩堝内から13族窒化物単結晶が成長してなるサファイア基板を取り出し、サファイア基板を除去することで、13族窒化物自立基板1が得られる。
次に、用意した13族窒化物自立基板1と、いずれも固体状態のドーパント源金属と金属Gaとを、円筒平底のアルミナ坩堝に充填する(ステップS2)。ここで、ドーパント源金属とは、ドーパントとして導入する元素の単体金属である。例えば、Geをドーパントとする場合であれば金属Geを、Siをドーパントとする場合であれば金属Siをそれぞれ用意する。なお、ドーパント源金属と金属Gaとの総重量に対するドーパント源金属の重量比率は2%〜50%であるのが好適である。実際の重量比率は、13族窒化物自立基板1において実現しようとするドーパント濃度やドーパントの導入深さ等を鑑みて、適宜に定められてよい。例えば、当該重量比率と13族窒化物自立基板1におけるドーパント導入状況との関係をあらかじめ実験的に特定しておき、その結果に応じて重量比率を定める態様であってもよい。
続いて、基板等が充填されたアルミナ坩堝を耐熱金属製の容器に入れて密閉した後、雰囲気制御機能付の加熱炉内に配置し、圧力が0.5atm〜5atmのアルゴンまたは窒素雰囲気で800℃〜1300℃のアニール温度にまでアルミナ坩堝内の充填物を加熱することによって、ドーパント源金属と金属Gaとを混合融液化する(ステップS3)。
そして、係るアニール温度で1時間〜100時間保持することにより、13族窒化物自立基板1を融液に浸漬した状態でアニールし(ステップS4)、その後、1時間〜10時間かけて室温まで徐冷する(ステップS5)。
室温への徐冷が完了すると、加熱炉から育成容器を取り出し、熱硫燐酸を用いてアルミナ坩堝内から凝固物を取り出す(ステップS6)とともに金属を除去して、基板を回収する(ステップS7)。
最後に、回収された13族窒化物自立基板1の表面を研磨する(ステップS8)。具体的には、15族元素面1bに対しては機械研磨を施すことによって、13族窒化物自立基板1の厚みを1μm〜300μm程度減少させた後、平坦性を高めるために機械化学研磨を施す。一方、13族元素面1aに対しては機械化学研磨のみを施す。以上により、13族窒化物自立基板1に対するドーパント導入処理が完了する。
以上の手順にてドーパント導入処理が施された13族窒化物自立基板1においては、融液浸漬状態でのアニールの際に、結晶表面から内部へとドーパント原子が拡散してなる。ドーパントの最大侵入範囲は、処理条件にもよるが、概ね、表面から50nm〜500μm程度である。なお、ドーパントが13族窒化物自立基板1の内部へと拡散していることは、ドーパント導入処理後の13族窒化物自立基板1について、SIMS(二次イオン質量分析)などの手法により厚み方向におけるドーパント元素の濃度分布を調べることで確認が可能である。
ただし、アニール後の研磨により、15族元素面1bの側においてはドーパントの拡散領域を除去しているので、研磨後に最終的に得られる13族窒化物自立基板1は、上述のように、13族元素面1aの近傍におけるドーパントの濃度が、他の部分のドーパントの濃度よりも高いという特徴を有するものとなっている。
すなわち、上述した手順で行うドーパント導入処理は、13族窒化物自立基板1の13族元素面1aの近傍のみに選択的にドーパントを導入するのに特に効果的な手法であるといえる。
なお、金属Gaを用いず、ドーパント源金属のみの融液でアニールするという対応も考えられるが、拡散速度が遅く、ドーパントが十分に拡散しないので、好ましくない。すなわち、ドーパント源金属と金属Gaとの混合融液でアニール処理することが、13族窒化物自立基板1へのドーパントの導入には効果的である。これは、13族窒化物自立基板1の最表面に形成されている自然酸化層がドーパント元素の拡散を阻害しており、ドーパント源金属と金属Gaとの混合融液でアニール処理することで、この自然酸化層が除去されるためであると考えられる。
<自立基板の反り>
また、上述の手順にて得られる、13族元素面1aの近傍におけるドーパントの濃度が、他の部分のドーパントの濃度よりも高いという特徴を有する13族窒化物自立基板1は、ドーパント濃度が均一な基板に比して、反りが低減されたものとなっている。なお、13族窒化物自立基板1の反りの大小は、例えば、レーザー変位計によって曲率半径を測定することで把握が可能である。反りが小さい13族窒化物自立基板1ほど、曲率半径の値が大きくなるからである。
より詳細に言えば、混合融液でアニール処理を行う前の13族窒化物自立基板1においては、通常、15族元素面1bの側に凸な状態(13族元素面1aの側には凹な状態)の反りがあるが、アニール処理を行うことにより13族元素面1aの近傍にドーパントの濃度が他の部分のドーパントの濃度よりも高められた本実施の形態に係る13族窒化物自立基板1においては、係る反りの状態が緩和されてなる。これは、アニール処理によって13族元素面1aの近傍にドーパントを導入したことの効果であると考えられる。なお、アニール処理後は15族元素面1bの近傍の領域においても同様にドーパントが格子間に入り込んでいたと推定されるが、その後の研磨によって15族元素面1bの側におけるドーパントの拡散領域は除去されているので、研磨後の13族窒化物自立基板1における反りの状態には無関係である。
このように、反りが小さいという特徴を有する13族窒化物自立基板1は、例えば、当該13族窒化物自立基板1を母基板としてその上に複数の13族窒化物層をエピタキシャル形成し、さらに電極パターン等を形成することによって得られる積層構造体を、複数の素子単位に分断するという、いわゆる多数個取りの手法にて、例えばLED素子などのデバイス(半導体素子)を作製する場合に、好適である。なぜならば、13族窒化物自立基板1の反りが低減されてなることで、その上に13族窒化物層をエピタキシャル形成する際の面内方向における温度の均一性が高まり、それゆえに13族窒化物層の結晶品質の面内均一性が高くなるので、一の13族窒化物自立基板を用いて作製される多数個の半導体素子の間における特性のばらつきが低減されるからである。係る13族窒化物自立基板を用いることで、13族窒化物層の結晶品質が安定したLED素子を得ることが出来る。
例えば、本実施の形態に係る13族窒化物自立基板1を、縦型構造を有するLED素子の基板として使用する場合であれば、LED素子は、13族窒化物自立基板1の13族元素面1aの側に、いずれも13族窒化物からなるn型導電層と、例えば多重量子井戸構造を有する活性層と、p型導電層とをMOCVD法などの公知のエピタキシャル成長手法にてこの順にエピタキシャル形成したうえで、p型導電層の上にアノード反射電極を設け、一方、光取り出し面となる15族元素面1bの側にはドット状、メッシュ状、ライン状、もしくは櫛歯状の金属カソード電極または面状の透明電極を設けることで、構成される。n型導電層、p型導電層としては、それぞれ、SiをドープしたGaN層や、MgをドープしたGaN層などが例示される。活性層としては、InGaN層とGaN層とを繰り返し交互に積層してなることで形成される多重量子井戸構造を有するものなどが例示される。金属カソード電極としては、Ti/Al/Ti/Au、Ti/Al/Ni/Au、Ti/Alなどの多層膜(多層電極)が例示される。透明電極としては、ITO(スズ添加酸化インジウム)、AZO(アルミニウム添加酸化亜鉛)、GZO(ガリウム添加酸化亜鉛)、ATO(アンチモン添加酸化スズ)、FTO(フッ素添加酸化スズ)などからなるものが例示される。
本実施の形態に係る13族窒化物自立基板1を用いることで、一の13族窒化物自立基板から複数の半導体素子を多数個取りの手法により作製する場合における発光特性のばらつきを抑制することができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、融液中でのアニールと、その後の研磨という、比較的簡便かつ、コスト的にも安価な処理によって、13族元素面の近傍に高濃度にドーパントが導入することにより、15族元素面の側が凸となった反りが抑制された13族窒化物自立基板を得ることが出来る。
また、本実施の形態に係る13族窒化物自立基板の上に13族窒化物層を積層して多数個取りの手法により半導体素子を作製する場合、13族窒化物自立基板における反りが抑制されてなることで、13族窒化物層の結晶品質の面内ばらつきが抑制される。これにより、一の13族窒化物自立基板を用いて作製した多数の半導体素子間の特性のばらつきが抑制される。
(実施例1)
13族窒化物自立基板1としてのGaN自立基板を対象に、Geをドーパントとするドーパント導入処理を行い、その後、厚み方向におけるドーパントの濃度分布を評価した。以下においては、13窒化物自立基板1をGaN自立基板1とも称する。また、13族元素面1aのことをGa面1aと称し、15族元素面1bのことをN面1bと称することがある。
初めに、フラックス法によりGaN自立基板1を作製した。具体的には、まず、直径2インチのサファイア下地基板上にGaN薄膜を備える種基板を作製した後、該種基板と、金属Gaと、金属Naと、四塩化ゲルマニウムとを円筒平底のアルミナ坩堝に充填した。さらに、該アルミナ坩堝を耐熱金属製の育成容器に入れて密閉した。当該容器を、揺動および回転が可能な結晶育成炉内において回転させながら所定の高温高圧状態で保持することで、金属Gaと、金属Naと、四塩化ゲルマニウムとからなる融液を撹拌しながら、サファイア基板上にキャリア濃度が約1×1018[cm−3]のGaN単結晶1を0.7mm程度の厚みに成長させた。室温まで徐冷した後、アルミナ坩堝内から、GaN厚膜が成長してなるサファイア下地基板を取り出し、さらにサファイア下地基板を除去することで、GaN自立基板1を得た。
次に、得られたGaN自立基板1に対しドーパント導入処理を行った。具体的には、内径80mm、高さ45mmの円筒平底のアルミナ坩堝を用意し、その中に、作製したGaN自立基板1と、5gの金属Geと、95gの金属Gaとを充填した。このアルミナ坩堝を耐熱金属製の容器に入れて密閉した後、雰囲気制御機能付加熱炉内に配置し、1気圧のアルゴン雰囲気内でアニール温度である1000℃まで昇温加熱し、続いて、1000℃のまま50時間保持することにより、ドーパント源金属である金属Geと金属Gaとの混合融液によるアニールを行った。当該時間経過後、5時間かけて室温まで徐冷した。徐冷後、加熱炉から育成容器を取り出し、熱硫燐酸を用いて、金属を除去して、GaN自立基板1を回収した。
最後に、回収したGaN自立基板1のN面1bに対して機械研磨および機械化学研磨を施し、さらにはGa面1aに対して機械化学研磨を施すことで、GaN自立基板1の厚みを0.5mmとした。
ドーパント導入処理後のGaN自立基板1について、SIMSにより、厚み方向におけるGe原子の濃度分布を測定した。なお、参考のため、Si原子の濃度分布についても併せて測定した。具体的には、Ga面1aから20nm、100nm、250nm、400nmの4箇所と、N面1bから深さ20nmの箇所との計5箇所でのGeおよびSiの原子濃度を測定した。
また、レーザー変位計により、ドーパント導入処理後のGaN自立基板1の反りを測定した。
さらには、ドーパント導入処理後のGaN自立基板1を用いて、LED素子を作製し、そのピーク発光波長を評価した。図3は、本実施例においてGaN自立基板1を用いて作製したLED素子10の構成を例示する図である。
LED素子10の作製は、GaN自立基板1を母基板とし、いわゆる多数個取りの手法により行った。具体的には、まず、MOCVD法によって、GaN自立基板1のGa面1aの側に、n型半導体層2としてのSiドープGaN層と、第1単位層3aとしてのIn0.15Ga0.85N層と第2単位層3bとしてのGaN層とを繰り返し交互に10層ずつ有する活性層3と、p型半導体層4としてのMgドープGaN層とを順次にエピタキシャル形成した。そして、フォトリソグラフィープロセスと電子ビーム蒸着法により、GaN自立基板1のN面1bの上に櫛歯状のカソード電極6のパターンを設け、さらに、電子ビーム蒸着法により、MgドープGaN層の上にアノード電極5のパターンを設けた。各層の形成条件は以下の通りである。なお、本実施の形態において、15族/13族ガス比とは、13族原料の供給量に対する15族原料の供給量の比(モル比)である。
SiドープGaN層(n型半導体層2):
形成温度→1100℃;
リアクタ内圧力→100kPa;
15族/13族ガス比→2000;
13族原料に対するSi原料モル比→1×10−4
厚み→1000nm。
In0.15Ga0.85N層(第1単位層3a):
形成温度→800℃;
リアクタ内圧力→100kPa;
15族/13族ガス比→10000;
全13族原料に対するTMIモル比→0.6;
厚み→2nm。
GaN層(第2単位層3b):
形成温度→800℃;
リアクタ内圧力→100kPa;
15族/13族ガス比→20000;
厚み→5nm。
MgドープGaN層(p型半導体層4):
形成温度→1000℃;
リアクタ内圧力→100kPa;
15族/13族ガス比→10000;
13族原料に対するMg原料モル比→1×10−3
厚み→100nm。
なお、MgドープGaN層の形成後には、Mg活性化処理として、650℃の窒素ガス雰囲気中で5分間のアニール処理を行った。
カソード電極6は、Ti/Al/Ti/Au多層電極として形成した。それぞれの電極層の厚みは、30nm、300nm、30nm、60nmとした。カソード電極6を形成の後には、合金化アニールを実施した。合金化アニールは、700℃の窒素雰囲気で30秒間行った。
アノード電極5は、Ni/Au多層電極として形成した。それぞれの電極層の厚みは、30nm、300nmとした。アノード電極5を形成の後には、合金化アニールを実施した。合金化アニールは500℃の窒素雰囲気で、5分間行った。
最後に、アノード電極5の形成までがなされた積層構造体をダイサーにより素子単位に切断して、複数のLED素子10を得た。
LED素子10のピーク発光波長の評価は、順方向電流を20mAとして行った。測定サンプル数は10とした。
(実施例2)
GaN自立基板1を対象に、Siをドーパントとするドーパント導入処理を行い、その後、厚み方向におけるドーパントの濃度分布を評価した。具体的には、アルミナ坩堝への充填物を、GaN自立基板1と、5gの金属Siと、95gの金属Gaとしたほかは、実施例1と同様とした。さらに、実施例1と同様に、LED素子10の作製と、該LED素子10のピーク発光波長の評価とを行った。
(実施例3)
アニール処理を、5気圧の窒素雰囲気内で、アニール温度を1300℃とし、該アニール温度での保持時間を12時間として行うようにしたほかは、実施例1と同様のドーパント導入処理とドーパント濃度分布の評価とを行った。さらに、実施例1と同様に、LED素子10の作製と、該LED素子10のピーク発光波長の評価とを行った。
なお、SIMSによるGeおよびSiの原子濃度の測定は、Ga面1aから深さ20nm、100nm、250nm、400nm、10μm、100μm、300μmの7箇所と、N面1bから20nmの箇所の計8箇所で行った。
(実施例4)
アニール処理を、5気圧の窒素雰囲気内で、アニール温度を1300℃とし、該アニール温度での保持時間を12時間として行うようにしたほかは、実施例2と同様のドーパント導入処理とドーパント濃度分布の評価とを行った。さらに、実施例2と同様に、LED素子10の作製と、該LED素子10のピーク発光波長の評価とを行った。
SIMSによるGeおよびSiの原子濃度の測定は、実施例3と同様の計8箇所で行った。
(比較例1)
アニール時の融液がGeのみを含むようにするべく、アルミナ坩堝への充填物を、GaN自立基板1と、100gの金属Geとしたほかは、実施例1と同様の処理とドーパント濃度分布の評価とを行った。さらに、実施例1と同様に、LED素子10の作製と、該LED素子10のピーク発光波長の評価とを行った。
(比較例2)
アニール時の融液がGeのみを含むようにするべく、アルミナ坩堝への充填物を、GaN自立基板1と、100gの金属Geとしたほかは、実施例3と同様のドーパント導入処理とドーパント濃度分布の評価とを行った。さらに、実施例3と同様に、LED素子10の作製と、該LED素子10のピーク発光波長の評価とを行った。
(比較例3)
アルミナ坩堝への充填物を、GaN自立基板1の13族元素面1aおよび15族元素面1bのそれぞれに金属Si膜をスパッタ法にて10μmの厚みに形成したもののみとしたほかは、実施例4と同様のドーパント導入処理とドーパント濃度分布の評価とを行った。さらに、実施例4と同様に、LED素子10の作製と、該LED素子10のピーク発光波長の評価とを行った。なお、係る比較例3は、固体のドーパント源がGaN自立基板1と接触した状態でのアニール処理の効果を評価する目的で行ったものである。
(比較例4)
実施例1と同様に作製したGaN自立基板1について、融液下でのアニール処理を行うことなく厚み方向におけるドーパントの濃度分布を評価した。また、実施例1と同様に、LED素子10の作製と、そのピーク発光波長の評価とを行った。
(ドーパント濃度分布および曲率半径の対比)
実施例1ないし実施例4、および、比較例1ないし比較例4のSIMS分析の結果と曲率半径の測定結果とを表1に示す。
Figure 2015201633
表1に示すように、アニール温度を1000℃とした実施例1および実施例2についてみれば、実施例1においてはGeの原子濃度が、実施例2においてはSiの原子濃度が、GaN自立基板1のGa面1aから100nm以内の範囲で内部(例えばGa面1aから250nm以深の範囲)よりも高くなっていた。特に、Ga面1aから20nmのところで顕著にGeまたはSiが存在していた。これに対して、N面1bの近傍におけるドーパント濃度は内部と変わらなかった。なお、基板内部およびN面1bの近傍にGeが存在しているのは、自立基板作製時に四塩化ゲルマニウムを用いたことによるものである。
また、アニール温度を1300℃とした実施例3および実施例4についてみれば、実施例3においては、Ga面1aから遠ざかるほど減少する傾向はみられるものの、いずれの評価位置においても、実施例1に比して、Geの原子濃度は顕著に高くなっていた。同様に、実施例4においても、Ga面1aから遠ざかるほど減少する傾向はみられるものの、いずれの評価位置においても、実施例2に比して、Siの原子濃度は顕著に高くなっていた。
一方、比較例1ないし比較例4においては、比較例2においてGa面1aから20nmのところで若干Ge濃度が高くなったほかは、GeおよびSiの濃度に測定箇所による差異は確認されなかった。
実施例1ないし実施例4の結果とドーパント源金属と金属Gaとの混合融液中でのアニール処理を行わなかった比較例1および比較例2との結果の相違、および、実施例1ないし実施例4の結果と融液アニール処理を行わなかった比較例4との結果の相違は、ドーパント源金属と金属Gaとの混合融液中でのアニール処理が、Ga面1aの近傍におけるドーパントの濃度が他の部分のドーパントの濃度よりも高いGaN自立基板1の作製に有効であることを指し示すものである。なお、N面1bの近傍におけるドーパント濃度が内部と変わらないのは、研磨処理によってドーパントが導入された部分が除去されたことの効果であると考えられる。
特に、実施例1ないし実施例4の結果と比較例1の結果との相違は、ドーパント源金属と金属Gaとの混合融液の使用が、ドーパントの導入に、特に、表面近傍に対するドーパントの導入に効果的であり、ドーパント源金属のみの融液中でのアニール処理は、少なくともGa面近傍へのドーパントの導入に関しては、十分な効果が得られないことを、指し示している。
また、実施例2および実施例4と比較例3の結果との相違は、ドーパント源金属と金属Gaとの混合融液を使用する手法の方が、固体のドーパント源をGaN自立基板1に積層させた状態でアニール処理を行い固相熱拡散を生じさせる手法よりもドーパントの導入に効果的であることを示すものである。
加えて、実施例3および実施例4の結果は、1300℃という高いアニール温度にて融液アニール処理をすることが、ドーパント導入処理の効果をより高めることを示すものと考えられる。
さらには、実施例1ないし実施例4のGaN自立基板1においては、比較例1ないし比較例4のGaN自立基板1よりも曲率半径が大きくなっていた。係る結果は、GaN自立基板1のGa面1aの近傍におけるドーパントの濃度を他の部分のドーパントの濃度よりも高くすることが、GaN自立基板1の反りを抑制させる効果があることを表している。
(ピーク発光波長の対比)
実施例1ないし実施例4、および、比較例1ないし比較例4のピーク発光波長の評価結果を表2に示す。なお、表2においては、10個のサンプルについての測定値の平均値を「波長」として示すとともに、測定値のばらつきの程度を表す指標である3σ(σは標準偏差)の値も記載している。
Figure 2015201633
表2に示すように、実施例1ないし実施例4のピーク発光波長の値は、比較例1ないし比較例4のピーク発光波長の値とほとんど差異はなかった。その一方で、実施例1ないし実施例4においては、3σの値が、比較例1ないし比較例4の3σの値よりも小さくなっていた。
係る結果は、実施例1ないし実施例4のように、Ga面1aの近傍におけるドーパントの濃度を他の部分のドーパントの濃度よりも高くしてなるGaN自立基板を用いてLED素子10を作製することが、ピーク発光波長のばらつきを低減するうえにおいて有効であることを意味している。
1 13族窒化物自立基板(GaN自立基板)
1a (13族窒化物自立基板の)13族元素面(GaN自立基板のGa面)
1b (13族窒化物自立基板の)15族元素面(GaN自立基板のN面)
2 n型導電層
3 活性層
4 p型導電層
5 アノード電極
6 カソード電極
10 LED素子
31 (活性層の)第1単位層
32 (活性層の)第2単位層

Claims (10)

  1. 一方主面が13族元素面であり他方主面が15族元素面である13族窒化物自立基板にドーパントを導入する方法であって、
    前記13族窒化物自立基板を、前記ドーパントとして導入する元素の単体金属であるドーパント源金属と金属Gaとの混合融液中に浸漬した状態で保持し、前記混合融液から前記13族窒化物自立基板に前記ドーパントを拡散させることによって、前記13族窒化物自立基板に前記ドーパントを導入する融液アニール工程と、
    前記融液アニール工程を経た前記13族窒化物自立基板の前記15族元素面側を研磨することにより前記15族元素面側における前記ドーパントの拡散領域を除去する研磨除去工程と、
    を備えることを特徴とする13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法。
  2. 請求項1に記載の13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法であって、
    前記ドーパントがGeまたはSiである、
    ことを特徴とする13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法であって、
    前記13族窒化物自立基板と、いずれも固体状態の前記ドーパント源金属と前記金属Gaとを坩堝内に充填し、前記坩堝内の充填物を加熱することにより前記13族窒化物自立基板が浸漬された前記混合融液を得る昇温加熱工程、
    をさらに備え、
    前記融液アニール工程においては、前記昇温加熱工程で得られた前記混合融液中に前記13族窒化物自立基板を浸漬した状態で保持する、
    ことを特徴とする13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法であって、
    前記混合融液における前記ドーパント源金属と前記金属Gaとの総重量に対する前記ドーパント源金属の重量比率が2%以上50%以下である、
    ことを特徴とする13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法であって、
    前記13族窒化物自立基板がGaNの自立基板である、
    ことを特徴とする13族窒化物自立基板へのドーパント導入方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドーパント導入方法によって前記13族元素面の近傍における前記ドーパントの濃度が他の部分より高められてなることを特徴とする、13族窒化物自立基板。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドーパント導入方法によって前記ドーパントが導入された前記13族窒化物自立基板を下地基板として準備する工程と、
    前記13族窒化物自立基板の前記13族元素面上に一または複数の13族窒化物層をエピタキシャル形成して積層構造体を得る工程と、
    前記積層構造体に電極を形成する工程と、
    前記電極が形成された前記積層構造体を素子単位に分断する工程と、
    を備えることを特徴とする半導体素子の製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドーパント導入方法によって前記ドーパントが導入された前記13族窒化物自立基板を下地基板として準備する工程と、
    前記13族窒化物自立基板の前記13族元素面上にn型導電層をエピタキシャル形成する工程と、
    前記n型導電層の上に活性層をエピタキシャル形成する工程と、
    前記活性層の上に備わるp型導電層をエピタキシャル形成する工程と、
    前記p型導電層の上にアノード反射電極を形成する工程と、
    前記13族窒化物自立基板の前記15族元素面上にドット状、メッシュ状、ライン状、もしくは櫛歯状の金属カソード電極または面状の透明電極を形成する工程と、
    前記カソード電極までが形成されることで得られる積層構造体を素子単位に分断する工程と、
    を備えることを特徴とするLED素子の製造方法。
  9. 13族窒化物自立基板と、
    前記13族窒化物自立基板の13族元素面上にエピタキシャル形成されてなるn型導電層と、
    前記n型導電層の上にエピタキシャル形成されてなる活性層と、
    前記活性層の上にエピタキシャル形成されてなるp型導電層、
    前記p型導電層の上に形成されてなるアノード反射電極と、
    前記13族窒化物自立基板の15族元素面上にドット状、メッシュ状、ライン状、もしくは櫛歯状に形成されてなる金属カソード電極または面状の透明電極と、
    を備え、
    前記13族窒化物自立基板においては前記13族元素面の近傍におけるドーパントの濃度が他の部分より高められてなる、
    ことを特徴とするLED素子。
  10. 請求項9に記載のLED素子であって、
    前記ドーパントがGeまたはSiである、
    ことを特徴とするLED素子。
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