JP2015201289A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電素子にホルダが重ねられる蓄電装置の小型化を図る。
【解決手段】端子(22)が配置される第1面(71)と、前記第1面(71)とは反対側に配置された第2面(72)とを有する蓄電素子(14)、及び、前記第1面(71)に対向配置される第1規制部(42)と、前記第2面(72)に当接する第2規制部(44)と、前記第1規制部(42)から突出して前記第1面(71)に当接するガイド部(61a,61b)とを有するホルダ(16)、を備える、蓄電装置(10)を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、蓄電素子とホルダを備えた蓄電装置に関する。
スペーサのようなホルダに蓄電素子(電池セル)が重ねられる蓄電装置が知られている。この蓄電装置の一例として、スペーサを介して複数の蓄電素子が積層された組電池(電池モジュール)が挙げられる。
この種の蓄電装置において、一般的に、ホルダは、蓄電素子に重ねられるメインプレート部と、該メインプレート部の周縁部に形成された複数のフランジ部とで構成される。各フランジ部は、蓄電素子の外周面に対向するように配置され、該蓄電素子を位置決めする。
特許文献1には、端子が上を向く姿勢で複数の蓄電素子がスペーサを介して積層された組電池が開示されている。この組電池において、各スペーサの下面フランジ部には、複数の三角リブが突設されている。この技術によれば、蓄電素子の下面が三角リブの斜面によって上方へ案内されることで、全ての蓄電素子の上面がスペーサの上面フランジ部に確実に押し当てられる。これにより、蓄電素子のがたつきを抑制できるとともに、蓄電素子の上面高さが揃えられる。
特開2010−176997号公報
しかしながら、特許文献1の蓄電装置では、全ての蓄電素子が上方へ持ち上げられることによって、スペーサの上面フランジ部からの端子の突出量が大きくなる。そのため、スペーサの底面から蓄電素子の端子上端までの高さが大きくなり、蓄電装置の体積が増大する問題がある。
そこで、本発明は、蓄電素子にホルダが重ねられる蓄電装置の小型化を図ることを課題とする。
本発明に係る蓄電装置は、
端子が配置される第1面と、前記第1面とは反対側に配置された第2面とを有する蓄電素子と、
前記第1面に対向配置される第1規制部と、前記第2面に当接する第2規制部と、前記第1規制部から突出して前記第1面に当接するガイド部とを有するホルダと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る蓄電装置によれば、ホルダの第1規制部から突出するガイド部によって、蓄電素子がホルダの第2規制部に押し当てられることで、蓄電素子は第2規制部側に寄せて位置決めされる。そのため、第1規制部からの蓄電素子の端子の突出量が抑制され、これにより、蓄電装置の寸法を縮小できる。したがって、蓄電素子の体積を低減でき、蓄電装置の搭載場所において、省スペース化を図ることができる。
また、端子が上方を向くような姿勢で蓄電装置が配置される場合、蓄電素子を第2規制部によって下側から安定的に支持することができる。さらに、この場合、ガイド部によって蓄電素子を押し付ける力は重力に逆らうことなく下向きに作用するため、蓄電素子の第2面をホルダの第2規制部によって精度よく位置決めでき、蓄電装置の組立品質が向上する。また、ガイド部に蓄電素子の荷重がかからないため、ガイド部を構成する突起部の個数を少なくしたり各突起部の強度を小さくしたりしても、ガイド部が良好に機能することができる。そのため、突起部の個数削減に伴ってホルダ成形用の金型の構造が簡素化したり、ホルダの材料として安価な材料を選択したりすることで、製造コストの低減を図ることができる。
上記の発明に係る蓄電装置において、前記蓄電素子が前記ホルダを介して複数積層される場合、前記複数の蓄電素子は、全ての前記第2面が同一面に位置決めされるように配置されることが好ましい。これにより、全ての蓄電素子の端子が同じ方向に突出するため、蓄電装置の寸法縮小を効果的に実現できる。ホルダの第1規制部から突出した蓄電素子の端子が隣接して配置される場合、各端子の突出量が抑制されていることによって、隣接する端子間の短絡が起こり難い。
上記の発明に係る蓄電装置において、前記第2規制部を挟んで前記蓄電素子とは反対側に温度調整部材が配置されてもよい。この場合、蓄電素子が第2規制部側に寄せて位置決めされることによって、蓄電素子と温度調整部材との距離が大きくなることが抑制されるため、温度調整部材によって蓄電素子を効果的に冷却又は加熱することができる。
上記の発明に係る蓄電装置において、前記第1規制部を挟んで前記第1面とは反対側に電気機器が配置されてもよい。この場合、蓄電素子は、第2規制部側に寄せられて位置決めされることによって、回路基板又はセンサのような電気機器との距離が小さくなることを抑制でき、蓄電素子の熱が電気機器に伝わり難くなる。
上記の発明に係る蓄電装置において、前記ホルダは、前記第1規制部と前記第2規制部とを連結する連結部を備え、前記連結部は、所定の積層方向の一方から前記蓄電素子に重ねられるように配置され、前記ガイド部における前記第2規制部側への張り出し量は前記積層方向の前記一方に向かうに従って増大してもよい。この場合、ホルダの第1規制部と第2規制部との間に蓄電素子を差し込むとき、ガイド部によって蓄電素子を第2規制部側へスムーズに案内することができる。
上記の発明に係る蓄電装置において、前記ガイド部は、間隔を空けて配置された複数のリブを備えてもよい。この場合、ガイド部の複数のリブを蓄電素子に当接させることで、蓄電素子の位置決めを効果的に実現できる。
上記の発明に係る蓄電装置において、前記ガイド部は、所定の方向に延びる長尺部を備えてもよい。この場合、ガイド部の長尺部を蓄電素子に当接させることで、蓄電素子の位置決めを効果的に実現できる。
上記の発明に係る蓄電装置において、前記ホルダは、全ての前記第1規制部が同一面に配置され且つ全ての前記第2規制部が同一面に配置されるように、前記蓄電素子を介して複数重ねられてもよい。この場合、同じ向きとなるように位置合わせされた複数のホルダによって、全て同じ方向に蓄電素子を位置決めできる。
本発明によれば、ホルダの第1規制部からの蓄電素子の端子の突出量が抑制されることで、蓄電素子の体積を低減できる。
本発明の第1実施形態に係る蓄電装置を部分的に分解して示す分解斜視図である。 図1に示す蓄電装置のスペーサを示す斜視図である。 図2に示すスペーサを別の方向から見た斜視図である。 蓄電装置の組付け状態における蓄電素子及びスペーサを横方向から見た断面図である。 図1に示す蓄電装置におけるヒートシンクの配置を示す断面図である。 図2に示すスペーサのガイド部の第1変形例を示す側面図である。 図2に示すスペーサのガイド部の第2変形例を示す側面図である。 図2に示すスペーサのガイド部の第3変形例を示す側面図である。 図2に示すスペーサのガイド部の第4変形例を示す側面図である。 図2に示すスペーサのガイド部の第5変形例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る蓄電装置のスペーサを示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る蓄電装置のスペーサを示す斜視図である。 図12に示すスペーサの正面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、発明の理解を容易にするために、添付図面において、本発明に関係ない一部の部材については図示を省略している。
[第1実施形態]
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る蓄電装置は、複数(例えば8個)の蓄電素子(単電池)14をモジュール化した組電池10である。組電池10の用途は限定されるものでないが、例えば、ガソリン自動車又はディーゼル自動車等に搭載される比較的低電圧(例えば12V)の補機バッテリとして、組電池10を使用することができる。この場合、組電池10は、外装ケース(図示せず)に収容された状態で自動車等に搭載される。
図1を参照しながら、組電池10の構成について説明する。なお、図1を参照する下記の説明において、「上」、「下」及び「横」を含む用語、並びに「側面」という用語は、図1に示す組電池10の姿勢における方向を示すものであり、必ずしも実際の使用状態における方向と一致するものでない。
図1に示すように、組電池10を構成する各蓄電素子14は、扁平な角形のケーシング30と、該ケーシング30の上面開口部を塞ぐ蓋体32とを備える。ケーシング30は例えば金属製である。ケーシング30の材料の具体例としては、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼が挙げられる。ケーシング30の表面は、例えば樹脂製の外装フィルム(図示せず)で全体的に覆われるようにしてもよい。
蓋体32は細長い矩形の金属板である。蓋体32には安全弁24が設けられている。蓋体32の長手方向両端部には正極端子22aと負極端子22bが設けられている。端子22(22a,22b)は、平らな上面を有する所謂溶接端子である。複数の端子22間を接続するバスバー(図示せず)は、例えば溶接によって各端子22の上面に接合される。ただし、端子22はボルト状の所謂ねじ端子であってもよく、この場合、ナットの締結によってボルト状の端子22にバスバーが接合される。
蓄電素子14は、例えばリチウムイオン電池のような二次電池であり、ケーシング30及び蓋体32の中には電極体と電解液が収容されている。ただし、蓄電素子14は、リチウムイオン電池以外の二次電池であってもよい。
複数の蓄電素子14は、ホルダとしてのスペーサ16を介して蓄電素子14の厚さ方向(図中D1方向)に積層されている。スペーサ16の材料としては、絶縁性材料が用いられ、具体的には、例えば樹脂が用いられる。隣接する蓄電素子14間にスペーサ16が介装されることによって蓄電素子14のケーシング30間が電気的に絶縁されている。このように積層された状態において、蓄電素子14の端子22(22a,22b)は、2列に分かれて積層方向(図中D1方向)に並べて配置される。端子22の各列では、2つの正極端子22aと2つの負極端子22bが交互に並べられ、複数のバスバー(図示せず)を介して端子22同士が電気的に接続される。
積層方向(図中D1方向)の両側において、最も外側に積層された蓄電素子14の更に外側には、それぞれエンドプレート18a,18bが重ねて設けられている。エンドプレート18a,18bは例えば樹脂からなる。エンドプレート18a,18bの外側の面には金属板70が重ねられており、これにより、エンドプレート18a,18bの剛性が高められている。
このように積層された蓄電素子14、スペーサ16、エンドプレート18a,18b、及び金属板70からなる積層体12は、複数(例えば4本)の金属製の拘束バンド50(50a,50b,50c,50d)によって積層方向の両側から挟持されるようにして固定される。なお、金属板70の外側に重ねられる拘束バンド50の端部は、金属板70と共に例えばボルト(図示せず)によってエンドプレート18a,18bに固定される。
以下、主として図2〜図4を参照しながら、スペーサ16の具体的な構成について説明する。なお、以下において、「上」、「下」、「右」、「左」及び「横」を含む用語、並びに「側面」という用語は、図2に示すスペーサ16の姿勢(図1と同様の姿勢)における方向を示すものである。
図2及び図3に示すように、スペーサ16は、隣接する蓄電素子14間に挟まれるメインプレート部40と、該メインプレート部40の周縁部に設けられた複数のフランジ部42,44,46a,46b,48a,48bとを備える。なお、複数のフランジ部を一体化することで、メインプレート部40の周方向に連続する1つのフランジを形成してもよい。
メインプレート部40の形状は略矩形である。図2に現れるメインプレート部40の一方の面には、複数の補強リブ54が設けられている。これらの補強リブ54は、互いに上下方向に間隔を空けて、それぞれ横方向に延びるように設けられている。補強リブ54が設けられていることによって、メインプレート部40の剛性が高められるとともに、メインプレート部40を挟んで隣接する蓄電素子14間の断熱効果が得られる。
スペーサ16のフランジ部としては、第1フランジ部としての上面フランジ部42、第2フランジ部としての下面フランジ部44、一対の上部側面フランジ部46a,46b、及び、一対の下部側面フランジ部48a,48bが設けられている。いずれのフランジ部42,44,46a,46b,48a,48bも、積層方向(図中D1方向)に平行な面に沿って設けられている。
上面フランジ部42は、メインプレート部40の上縁部から積層方向(図中D1方向)両側に突出するように設けられている。上面フランジ部42は、積層方向(図中D1方向)に直角な横方向(図中D2方向)に延びるように形成されており、上面フランジ部42の長さ方向中間部には、積層方向(図中D1方向)の幅が拡大された幅広部42aが形成されている。幅広部42aには、蓄電素子14の安全弁24を露出させるための一対の切欠部43が設けられている。
下面フランジ部44は、メインプレート部40の下縁部から積層方向(図中D1方向)両側に突出するように設けられている。下面フランジ部44は、上面フランジ部42に対向配置されている。つまり、上面フランジ部42と下面フランジ部44とは、積層方向(図中D1方向)と横方向(図中D2方向)とに直角な上下方向(図中D3方向)の両側から蓄電素子14を挟み込むように配置されている。
下面フランジ部44の下面には、横方向(図中D2方向)両端部において、それぞれ左右一対の突出部45a,45bが設けられている。一対の突出部45a,45bの間には、拘束バンド50c,50dが嵌まり込む凹溝51c,51dが形成されている。下面フランジ部44の下面には、横方向(図中D2方向)の中央部にも突出部45cが設けられている。積層方向(図中D1方向)に関して、突出部45cの一方の端面には係合用凸部56が設けられ、他方の端面には係合用凹部57(図3参照)が設けられている。組電池10が組み立てられた状態において、積層方向(図中D1方向)に隣接する一方のスペーサ16の係合用凸部56と他方のスペーサ16の係合用凹部57とが係合するようになっている。
上部側面フランジ部46a,46bは、メインプレート部40の左右の側縁部における上下方向中央部よりも上側の部分に設けられている。一方の上部側面フランジ部46aは、メインプレート部40における横方向(図中D2方向)の一方の側縁部(右側縁部)から積層方向(図中D1方向)両側に突出するように設けられ、他方の上部側面フランジ部46bは、メインプレート部40の他方の側縁部(左側縁部)から積層方向(図中D1方向)両側に突出するように設けられている。これらの上部側面フランジ部46a,46bは、横方向(図中D2方向)の両側から蓄電素子14を挟み込むように配置されている。
各上部側面フランジ部46a,46bの外側の面には、上下一対の突出部47a,47bが設けられている。一対の突出部47a,47bの間には、拘束バンド50a,50bが嵌まり込む凹溝51a,51bが形成されている。各上部側面フランジ部46a,46bの上縁部には、上面フランジ部42に連なる屋根部52が設けられている。
下部側面フランジ部48a,48bは、メインプレート部40の左右の側縁部における上下方向中央部よりも下側の部分に設けられている。一方の下部側面フランジ部48aは、メインプレート部40における横方向(図中D2方向)の一方の側縁部(右側縁部)から積層方向(図中D1方向)両側に突出するように設けられ、他方の下部側面フランジ部48bは、メインプレート部40の他方の側縁部(左側縁部)から積層方向(図中D1方向)両側に突出するように設けられている。これらの下部側面フランジ部48a,48bは、横方向(図中D2方向)の両側から蓄電素子14を挟み込むように配置されている。
各下部側面フランジ部48a,48bの外側の面には突出部49が設けられている。積層方向(図中D1方向)に関して、突出部49の一方の端面には係合用凸部58が設けられ、他方の端面には係合用凹部59(図3参照)が設けられている。組電池10が組み立てられた状態において、積層方向(図中D1方向)に隣接する一方のスペーサ16の係合用凸部58と他方のスペーサ16の係合用凹部59とが係合するようになっている。
隣接するスペーサ16同士は、係合用凸部56,58と係合用凹部57,59との係合により互いに位置決めされる。隣接するスペーサ16同士は、同じ向きで配置された状態で互いに係合される。したがって、全てのスペーサ16は同じ向きで重ね合わされる。そのため、組立状態において、全てのスペーサ16の上面フランジ部42は同一面に配置され、全てのスペーサ16の下面フランジ部44は同一面に配置される。
図4に示すように、各蓄電素子14は、該蓄電素子14を挟み込む一対のスペーサ16によって位置決めされる。蓄電素子14は、端子22が突設された端子面71と、端子面71とは反対側の底面72と、積層方向(図中D1方向)の一方の面73と、積層方向の他方の面74とを有する。蓄電素子14は、端子面71がスペーサ16の上面フランジ部42の下面に対向配置され、底面72がスペーサ16の下面フランジ部44の上面に対向配置されるように位置決めされる。蓄電素子14における積層方向(図中D1方向)の一方の面73と、該面73に対向するスペーサ16のメインプレート部40との間には、補強リブ54が介在することにより隙間が形成されており、これにより、隣接する蓄電素子14間の断熱効果が得られる。
スペーサ16は、蓄電素子14の端子面71に当接するガイド部61(61a,61b)を備える。
図2に示すように、ガイド部61(61a,61b)は、上面フランジ部42の下面(第1規制部)から突出するリブ63を備える。図2には、メインプレート部40を挟んだ一方の側に設けられたガイド部61aのみが図示されているが、ガイド部61a,61bは、メインプレート部40を挟んだ両側に設けられている(図4参照)。本実施形態において、一方のガイド部61aの構成は、他方のガイド部61bの構成と同じであるが、両者の構成は異なっていてもよい。
リブ63は、横方向(図中D2方向)に間隔を空けて複数設けられている。リブ63は例えば2個設けられるが、リブ63の個数は、1個又は3個以上であってもよい。
各リブ63は、メインプレート部40に直角な面に沿って配置されている。リブ63は、上面フランジ部42とメインプレート部40とに跨がって形成されている。リブ63は、積層方向(図中D1方向)においてメインプレート部40に向かって下側へ傾斜した傾斜面64を有する。リブ63は、横方向(図中D2方向)から見て例えば三角形の形状を有する。リブ63の下方への張り出し量は、積層方向(図中D1方向)においてメインプレート部40に近づくに従って増大している。ただし、リブ63の形状は特に限定されるものでなく、後述する変形例を含む種々の形状に変更可能である。また、ガイド部61を構成する全てのリブ63は同じ形状を有してもよいし、リブ63毎に形状が異なってもよい。
図4に示すように、下面フランジ部44の上面(第2規制部)は平坦面であり、下面フランジ部44の上面には何ら突起部は設けられていない。
上下方向(図中D3方向)において、蓄電素子14の底面72から端子面71までの高さは、スペーサ16の下面フランジ部44の上面からガイド部61の下端までの高さよりも僅かに大きい。スペーサ16の上面フランジ部42と下面フランジ部44との間に蓄電素子14を差し込むと、蓄電素子14の底面72は下面フランジ部44の上面に当接し、蓄電素子14の端子面71は、積層方向(図中D1方向)両側のコーナー部においてガイド部61のリブ63の傾斜面64に当接する。
傾斜面64は、上下方向(図中D3方向)の下面フランジ部44側への張り出し量がメインプレート部40に近づくに従って増大するように傾斜しているため、ガイド部61と下面フランジ部44との間に挟み込まれた蓄電素子14は、ガイド部61の傾斜面64によって上下方向(図中D3方向)の下面フランジ部44側へスムーズに案内される。このとき、ガイド部61のリブ63は変形してもよい。このリブ63の変形は、弾性変形であってもよいし、弾性変形を経て塑性変形してもよい。
ガイド部61により下方へ案内された蓄電素子14は、スペーサ16の下面フランジ部44の上面に押し付けられる。これにより、蓄電素子14は、端子面71とスペーサ16の上面フランジ部42との間に空隙を形成するように位置決めされる。この空隙に気流が形成されることで、蓄電素子14を効果的に冷却することができる。
図5に示すように、積層体12の下方、すなわち、スペーサ16の下面フランジ部44を挟んで蓄電素子14とは反対側に、蓄電素子14を冷却するためのヒートシンク102が配置されている。蓄電素子14とヒートシンク102とは熱伝導部材(図示せず)を介して熱結合している。具体的には、例えば、スペーサ16の下面フランジ部44に穴又は切欠(図示せず)が設けられ、該穴又は切欠を通って下面フランジ部44を貫通する熱伝導部材を介して、蓄電素子14とヒートシンク102とが熱結合される。熱伝導部材としては、熱伝導性が高い絶縁材料を用いることが好ましい。
蓄電素子14は、上下方向(図中D3方向)において下面フランジ部44側に寄せて位置決めされることで、ヒートシンク102との距離が大きくなることが抑制されるため、上記熱伝導部材の上下方向寸法を短縮したり、スペーサ16及びヒートシンク102の構造によっては蓄電素子14とヒートシンク102を直接当接させたりすることが可能になる。そのため、ヒートシンク102によって蓄電素子14を効果的に冷却することができる。
なお、蓄電素子14の下側に、ヒートシンク102以外の温度調整部材が配置されてもよく、この場合も、温度調整部材による蓄電素子14の冷却又は加熱を効果的に行うことができる。
図5の仮想線に示されるように、蓄電素子14の端子22の上方、すなわち、スペーサ16の上面フランジ部42を挟んで蓄電素子14の端子面71とは反対側に回路基板104が配置されてもよい。この場合、蓄電素子14は、下面フランジ部44側に寄せられて位置決めされることによって、回路基板102との距離が小さくなることが抑制される。したがって、蓄電素子14の熱が回路基板102に伝わり難いという効果が得られる。
なお、蓄電素子14の端子22の上方に、例えば各種センサのような回路基板104以外の電気機器が配置されてもよく、この場合も、蓄電素子14の熱が電気機器に伝わり難いという効果が得られる。
本実施形態によれば、スペーサ16のガイド部61と下面フランジ部44との間に蓄電素子14を隙間無く差し込むことができる。そのため、上下方向(図中D3方向)における蓄電素子14のがたつきを防止できる。
また、蓄電素子14は下面フランジ部44側に寄せて位置決めされるため、上面フランジ部42からの蓄電素子14の端子22の突出量Hを抑制できる。これにより、上下方向(図中D3方向)の組電池10の寸法を縮小でき、組電池10の体積を低減できる。したがって、組電池10の搭載場所において、省スペース化を図ることができる。また、端子22の突出量Hが抑制されることにより、隣接する端子22間の短絡が起こり難い。
さらに、蓄電素子14の底面72がスペーサ16の下面フランジ部44に押し付けられることによって、蓄電素子14を下面フランジ部44によって下側から安定的に支持することができる。また、ガイド部61によって蓄電素子14を押し付ける力は重力に逆らうことなく下向きに作用するため、蓄電素子14の底面72をスペーサ16の下面フランジ部44によって精度よく位置決めでき、組電池10の組立品質が向上する。
またさらに、ガイド部61のリブ63に蓄電素子14の荷重がかからないため、リブ63の個数を少なくしたり各リブ63の強度を小さくしたりしても、ガイド部61が良好に機能することができる。そのため、リブ63の個数削減に伴ってスペーサ16成形用の金型の構造が簡素化したり、スペーサ16の材料として安価な材料を選択したりすることで、スペーサ16の製造コストの低減を図ることができる。
図6〜図10を参照しながら、ガイド部61の変形例について説明する。
図6に示す第1変形例において、ガイド部61のリブ80は、上述のリブ63(図2及び図4参照)と同様の形状を有する。リブ80は、変形しやすさが異なる第1リブ部81と第2リブ部82とを備える。第1リブ部81は、第2リブ部82よりも変形しやすいように設けられている。第2リブ部82よりも第1リブ部81を変形しやすくするための構成は限定されるものでないが、例えば、第2リブ部82の厚みよりも第1リブ部81の厚みを小さくすることで、第1リブ部81の剛性が第2リブ部82の剛性よりも低くなり、第1リブ部81が第2リブ部82よりも弾性変形しやすくなる。また、例えば、第1リブ部81の強度が第2リブ部82の強度よりも低くなるように第1リブ部81と第2リブ部82の材料を異ならせることで、第1リブ部81が第2リブ部82よりも塑性変形しやすくなる。
第2リブ部82は、上面フランジ部42の下面に沿って配置されたリブ80の上側部分であり、第1リブ部81は、第2リブ部82を挟んで上面フランジ部42とは反対側に配置されたリブ80の下側部分である。蓄電素子14がスペーサ16に対して位置決めされるとき、蓄電素子14は第1リブ部81に当接する。第1リブ部81は第2リブ部82よりも変形しやすいため、蓄電素子14に当接する第1リブ部81のスムーズな変形を実現できる。
図7に示す第2変形例において、ガイド部61のリブ83は、第1変形例に係るリブ80と同じ形状を有し、該リブ80と同様、変形しやすさが異なる第1リブ部81と第2リブ部82を備える。第2変形例において、第1リブ部81はメインプレート部40に沿って配置され、第2リブ部82は、第1リブ部81を挟んでメインプレート部40とは反対側に配置されている。第2変形例においても、第1変形例と同様、蓄電素子14がスペーサ16に対して位置決めされるとき、蓄電素子14は第1リブ部81に当接する。第1リブ部81は第2リブ部82よりも変形しやすいため、蓄電素子14に当接する第1リブ部81のスムーズな変形を実現できる。
図8に示す第3変形例に係るガイド部61のリブ84において、蓄電素子14との当接面85は、下方へ膨らむように湾曲した面となっている。このような形状を有するリブ84も、上述したリブ63(図4参照)と同様、蓄電素子14によって上面フランジ部42に向かって押し込まれることで、適量の変形が可能である。
なお、第3変形例に係るリブ84にも、図6に示す第1変形例又は図7に示す第2変形例と同様、変形しやすさが異なる第1リブ部81と第2リブ部82を設けてもよい。
図9に示す第4変形例に係るガイド部61のリブ86は、第3変形例のリブ84と同様、下方へ膨らむように湾曲した当接面85を有する。第4変形例のリブ86とメインプレート部40との間には隙間88が設けられている。これにより、リブ86は、メインプレート部40に拘束されることなく、上下方向(図中D3方向)に変形しやすくなっている。
なお、第4変形例に係るリブ86にも、図6に示す第1変形例又は図7に示す第2変形例と同様、変形しやすさが異なる第1リブ部81と第2リブ部82を設けてもよい。
以上において、ガイド部61のリブに関していくつかの例を説明したが、ガイド部61のリブは、図2及び図4に示されるリブ63及び図6〜図9に示される変形例のリブ80,83,84,86の構成に限定されるものでなく、その他の種々の構成に変更可能である。また、ガイド部61は、上面フランジ部42の下面から突出するものであれば、必ずしもリブで構成しなくてもよい。
図10に示す第5変形例に係るガイド部61は、図2及び図4に示すリブ63を1個のみ有する。リブ63は、横方向(図中D2方向)において上面フランジ部42の中央部に設けられている。なお、蓄電素子14の安全弁24は、リブ63との干渉を避けるために、横方向(図中D2方向)において蓄電素子14の中央部からオフセットして配設することが好ましい。
上述したように、リブ63には蓄電素子14の荷重がかからないため、1個のリブ63によっても、蓄電素子14の位置決め機能を良好に果たすことができる。
[第2実施形態]
図11を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る蓄電装置について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成については詳細な説明を省略する。また、図11において、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素には同じ符号を付している。
図11に示すように、第2実施形態に係る蓄電装置のスペーサ216において、ガイド部61は、横方向(図中D2方向)に延びる長尺部90を備える。長尺部90は、上面フランジ部42の下面とメインプレート部40とに跨がって設けられている。長尺部90は、例えば、積層方向(図中D1方向)においてメインプレート部40に向かって下方に傾斜した傾斜面91を有する断面三角形の中実部である。長尺部90は、例えば上面フランジ部42の全長に亘って設けられている。これにより、スペーサ16を成形するための金型の形状が簡素化され、製造コストを低減できる。
ただし、長尺部90は、上面フランジ部42の長さ方向の一部に設けてもよい。また、長尺部90は、長さ方向に複数に分割して設けてもよい。さらに、長尺部90は、メインプレート部40との間に隙間を形成するように設けてもよく、この場合、長尺部90は、メインプレート部40に拘束されることなく変形できる。
ガイド部61を長尺部90で構成することにより、リブで構成する場合に比べて、蓄電素子14との接触面積を増大させることができ、より確実に蓄電素子14を下方へ押し付けることができる。
図11に示す長尺部90は、スペーサ16に一体に設けられているが、別体の長尺部をスペーサに取り付けるようにしてもよい。これにより、既存のスペーサに、ガイド部61を容易に形成することができる。
[第3実施形態]
図12及び図13を参照しながら、本発明の第3実施形態に係る蓄電装置について説明する。第3実施形態において、第1実施形態と共通する構成については詳細な説明を省略する。また、図12及び図13において、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素には同じ符号を付している。
図12に示すように、第3実施形態に係る蓄電装置のスペーサ316では、上面フランジ部42に設けられたガイド部61に加えて、一方の上部側面フランジ部46a及び下部側面フランジ部48aにもガイド部62が設けられている。なお、図12には、メインプレート部40を挟んだ一方の側に設けられたガイド部62のみが現れているが、ガイド部62は、メインプレート部40を挟んだ両側に設けられている。
このガイド部62はリブ66を備える。リブ66は、上下方向(図中D3方向)に間隔を空けて複数設けられている。リブ66の個数は例えば2個であり、上部側面フランジ部46a及び下部側面フランジ部48aにそれぞれ1個のリブ66が設けられている。ただし、リブ66の個数は特に限定されるものでなく、例えば、1個又は3個以上のリブ66を設けてもよい。
各リブ66は、メインプレート部40に直角な面に沿って配置されている。リブ66は、側面フランジ部46a,48aとメインプレート部40とに跨がって形成されている。リブ66は、積層方向(図中D1方向)においてメインプレート部40に向かって横方向(図中D2方向)の内側へ傾斜した傾斜面67を有する。リブ66は、積層方向(図中D1方向)から見て例えば三角形の形状を有する。リブ66の横方向(図中D2方向)内側への張り出し量は、積層方向(図中D1方向)においてメインプレート部40に近づくに従って増大している。ただし、リブ66の形状は特に限定されるものでなく、種々の形状に変更可能である。また、ガイド部62を構成する全てのリブ66は同じ形状を有してもよいし、リブ66毎に形状が異なってもよい。
図13に示すように、横方向(図中D2方向)において、スペーサ16のリブ66の先端から他方の側面フランジ部46b,48bまでの距離は、蓄電素子14の幅よりも小さい。スペーサ16の一方の側面フランジ部46a,48aと他方の側面フランジ部46b,48bとの間に蓄電素子14を差し込むと、蓄電素子14の一方の側面75はガイド部62のリブ66の傾斜面67に当接し、蓄電素子14の他方の側面76はスペーサ16の他方の側面フランジ部46b,48bに当接する。
リブ66の傾斜面67は、横方向(図中D2方向)の他方の側面フランジ部46b,48b側への張り出し量がメインプレート部40に近づくに従って増大するように傾斜しているため、ガイド部62と側面フランジ部46b,48bとの間に挟み込まれた蓄電素子14は、ガイド部62の傾斜面67によって横方向(図中D2方向)の側面フランジ部46b,48b側へスムーズに案内される。このとき、ガイド部62のリブ66は変形してもよい。このリブ66の変形は、弾性変形であってもよいし、弾性変形を経て塑性変形してもよい。
このように横方向(図中D2方向)に位置決めされた蓄電素子14とスペーサ16の一方の側面フランジ部46a,48aとの間には空間Sが形成される。また、第3実施形態において、一方の側面フランジ部46a,48aを挟んで蓄電素子14とは反対側には、回路基板302が隣接して配置されている。蓄電素子14は、空間Sの幅の分だけ回路基板302から遠ざかるように横方向(図中D2方向)にオフセットして配置されているため、該空間Sが断熱機能を果たすことによって、蓄電素子14と回路基板302との間での熱伝導を抑制することができる。また、空間Sを介して回路基板302と蓄電素子14とが隔てて配置されることによって、両者の間での液絡の発生が抑制される。
なお、第3実施形態においても、第1実施形態と同様、蓄電素子14は、上面フランジ部42に設けられたガイド部61によって、上下方向(図中D3方向)にも位置決めされる。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。
例えば、以上の実施形態では、ガイド部61をリブ又は長尺部で構成する場合について説明したが、本発明では、リブ及び長尺部以外の突起部でガイド部を構成してもよい。例えば、フランジ部の全面または大部分から突出する1つの大きな突起部、或いは、フランジ部に点在する複数の突起部によって、ガイド部を構成してもよい。
また、以上の実施形態では、スペーサのフランジ部が積層方向(図中D1方向)に平行に配置され、スペーサのメインプレート部が積層方向に直角な横方向(図中D2方向)に平行に配置される場合について説明したが、本発明では、フランジ部が積層方向(図中D1方向)に対して傾斜して配置されたり、メインプレート部が横方向(図中D2方向)に対して傾斜して配置されたりしてもよい。
さらに、以上の実施形態では、メインプレート部を有するスペーサを用いる場合について説明したが、本発明において、スペーサのようなホルダは、必ずしもメインプレート部を備える必要はない。なお、メインプレート部が設けられないホルダは、フランジ部に繋がる何らかの連結部を備える。メインプレート部以外の連結部の具体例としては、一対のフランジ部間を繋ぐ柱状の連結部が挙げられる。
また、以上の実施形態では、蓄電素子の移動を規制するホルダの第1規制部及び第2規制部がホルダのフランジ部で構成される場合について説明したが、本発明において、第1規制部及び第2規制部は、ホルダにおけるフランジ部以外の部分で構成されてもよい。
さらに、本発明は、複数の蓄電素子が積層された組電池に限られず、蓄電素子を1つのみ備えた蓄電装置にも適用することができる。
10 組電池(蓄電装置)
12 積層体
14 蓄電素子
16,216,316 スペーサ(ホルダ)
18a,18b エンドプレート
22a 蓄電素子の正極端子
22b 蓄電素子の負極端子
40 メインプレート部
42 上面フランジ部(第1規制部)
44 下面フランジ部(第2規制部)
46a,46b 上部側面フランジ部
48a,48b 下部側面フランジ部
50 拘束バンド
61a,61 ガイド部
63,80,83,84,86 ガイド部のリブ
70 金属板
71 蓄電素子の端子面(第1面)
72 蓄電素子の底面(第2面)
90 ガイド部の長尺部
102 ヒートシンク
104,302 回路基板

Claims (5)

  1. 端子が配置される第1面と、前記第1面とは反対側に配置された第2面とを有する蓄電素子と、
    前記第1面に対向配置される第1規制部と、前記第2面に当接する第2規制部と、前記第1規制部から突出して前記第1面に当接するガイド部とを有するホルダと、を備えることを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記蓄電素子は、前記ホルダを介して複数積層され、
    前記複数の蓄電素子は、全ての前記第2面が同一面に位置決めされるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記第2規制部を挟んで前記蓄電素子とは反対側に温度調整部材が配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
  4. 前記第1規制部を挟んで前記第1面とは反対側に電気機器が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
  5. 前記ホルダは、全ての前記第1規制部が同一面に配置され且つ全ての前記第2規制部が同一面に配置されるように、前記蓄電素子を介して複数重ねられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
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