〔第1の実施の形態〕
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図9は、第1の実施の形態による商品券入金機およびこの商品券入金機を備えた貨幣処理システムを示す図である。このうち、図1は、第1の実施の形態による貨幣処理システムにおける硬貨釣銭機、紙幣釣銭機、商品券入金機およびPOSレジスタの外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す商品券入金機を拡大して示す斜視図であり、図3は、図2に示す商品券入金機の内部構成の概略を示す概略構成図である。また、図4は、図1に示す貨幣処理システムの制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図5乃至図8は、図1に示す貨幣処理システムの商品券入金機において入金処理モード、確認処理モード、分類処理モード、簡易登録モードが行われるときの動作をそれぞれ示すフローチャートであり、図9は、図1に示す貨幣処理システムの商品券入金機において確認処理モードが行われるときのPOSレジスタの表示部における表示画面を示す図である。
まず、本実施の形態の貨幣処理システム1の全体構成について図1および図4を用いて説明する。図1に示すように、貨幣処理システム1は、商品券の入金処理を行う商品券入金機10と、硬貨の入出金処理を行う硬貨釣銭機100と、紙幣の入出金処理を行う紙幣釣銭機200と、POSレジスタ300とを備えている。ここで、図1に示すように、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200および商品券入金機10は左右方向に並ぶよう配置されている。また、POSレジスタ300は、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200の上面に載置されるようになっている。
また、図4に示すように、POSレジスタ300には店舗サーバ400が通信可能に接続されている。そして、POSレジスタ300から店舗サーバ400に売上金情報等が送信されるようになっている。また、各種設定情報が、店舗サーバ400からPOSレジスタ300(複数台でも可)に配信されるようになっている。
このような貨幣処理システム1は概してスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗のレジに配置されるようになっており、顧客から商品の代金としての紙幣や硬貨を受け取った店員はこの受け取った硬貨や紙幣を硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に入金するとともに、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から払い出された硬貨や紙幣を釣銭として店員は顧客に返却するようになっている。また、店員は、顧客が購入した商品に係る情報をPOSレジスタ300に登録するようになっている。また、顧客から商品券を受け取った店員はこの受け取った商品券を商品券入金機10に入金するようになっている。
本実施の形態による貨幣処理システム1で取り扱われる商品券(具体的には、商品券入金機10に入金される商品券)の種類について簡単に説明する。貨幣処理システム1で取り扱われる商品券の種類としては、市場で流通している様々な商品券のうち貨幣処理システム1が設置された店舗で使用可能な商品券と、当該店舗で使用不可の商品券とがある。また、商品券の種類として、商品の代金を支払う際に顧客が商品券を店員に渡したときにこの商品券の金額から商品の代金を差し引いた釣銭を店員が顧客に返却するような釣銭の払い出しが可能な商品券と、顧客が店員に渡した商品券の金額が商品の代金より高くても店員が顧客に釣銭を返却しないような釣銭の払い出しが不可の商品券とがある。また、商品券に有効期限が設けられている場合には、顧客が店員に商品券を渡したときの月日がこの有効期限を過ぎていたときには当該商品券は有効期限切れ券として扱われるようになる。
以下、このような貨幣処理システム1における商品券入金機10、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200およびPOSレジスタ300の構成について図1乃至図4を用いて詳述する。
まず、商品券入金機10の構成について説明する。図2および図3に示すように、商品券入金機10は、略直方体形状の筐体12と、複数枚の商品券(例えば、最大で10枚)を受け入れ、この受け入れられた商品券を筐体12の内部に1枚ずつ投入するための投入部14と、投入部14に接続され、当該投入部14により筐体12内に投入された商品券を1枚ずつ搬送する搬送部16と、搬送部16に設けられ、投入部14により筐体12内に投入された商品券の識別を行う識別部20とを有している。また、商品券入金機10には、識別部20により識別された商品券を機体外に投出する投出部18、および識別部20により識別された商品券を収納する収納部30がそれぞれ設けられている。
このような商品券入金機10の各構成要素の詳細について以下に説明する。図1および図2に示すように、商品券入金機10の筐体12の前面には投入口14aおよび投出口18aが設けられている。投入口14aに複数枚の商品券が重ねた状態で投入されると、投入された複数枚の商品券は投入部14に受け入れられるようになっており、この投入部14に受け入れられた商品券は、当該投入部14に設けられた繰出機構15により1枚ずつ搬送部16に繰り出されるようになっている。
識別部20は、搬送部16により搬送される商品券のおもて側および裏側に対応して設けられた一対のイメージセンサ20a、20bを有しており、これらのイメージセンサ20a、20bにより、商品券のおもて側および裏側の画像がそれぞれ撮像されるようになっている。また、識別部20は、イメージセンサ20a、20bにより取得された画像に基づいて、商品券に印刷された文字(例えば、商品券の発行元や金額、券番号、有効期限等の文字)を光学文字認識(OCR)等により読み取るようになっている。識別部20により取得された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字に係る情報は後述する商品券入金機制御部50に送られる。商品券入金機制御部50は、識別部20により取得された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字に係る情報と、後述する記憶部54に登録されている商品券の情報とを照合することにより、商品券の使用可否や商品券の種類や金額、有効期限等の判別を行うようになっている。
図3に示すように、搬送部16は投出部18および収納部30にそれぞれ接続されており、識別部20により識別が行われた商品券は、投出部18および収納部30のうちいずれか一方に搬送されるようになっている。より詳細には、図3に示すように搬送部16における投出部18および収納部30への分岐箇所には分岐部材16aが設けられており、この分岐部材16aは軸を中心として図3における実線位置と二点鎖線位置との間で回動するようになっている。そして、分岐部材16aが図3における実線位置に位置するときには、識別部20により識別が行われた商品券は投出部18に振り分けられ、一方、分岐部材16aが図3における二点鎖線位置に位置するときには、識別部20により識別が行われた商品券は収納部30に振り分けられるようになる。
収納部30には、搬送部16から送られた商品券が積層状態で収納されるようになっている。具体的には、収納部30には例えば最大で100枚の商品券を積層状態で収納することができるようになっている。本実施の形態では、収納部30は商品券入金機10の筐体12から手前側(図3における左側)に引き出すことができるようになっている。より詳細には、収納部30の前面には錠機構32が設けられており、所定の権限を有する店員がこの錠機構32に鍵を差し込んで回すことにより、収納部30を商品券入金機10の筐体12から手前側に引き出してこの収納部30に収納されている商品券を回収することができるようになっている。
一方、搬送部16により投出部18に送られた商品券は、投出口18aを介して筐体12の外部に返却されるようになっている。より詳細には、搬送部16により投出部18に送られた商品券は当該投出部18に集積されるようになっており、投出口18aに手を入れることにより投出部18に集積された商品券を取り出すことができるようになる。
また、図2に示すように、商品券入金機10の筐体12の前面上部には、識別部20による商品券の計数結果や識別結果等に係る情報を表示するための表示部40が設けられている。具体的には、表示部40は、識別部20により識別された商品券の枚数等を二桁の数字で示すカウンタ表示部42および青色、黄色、赤色の各色のLEDランプ44、46、48を有している。そして、商品券入金機10において後述する確認処理モードが行われたときに、識別部20による商品券の識別結果に基づいて、各色のLEDランプ44、46、48のうちいずれか一つのLEDランプが点灯するようになっている。
また、図4に示すように、商品券入金機10は、当該商品券入金機10の各構成要素の制御を行う商品券入金機制御部50を有しており、この商品券入金機制御部50には、繰出機構15、搬送部16、識別部20、表示部40、記憶部54等がそれぞれ接続されている。そして、識別部20による商品券の識別結果が商品券入金機制御部50に送られるとともに、この商品券入金機制御部50から繰出機構15、搬送部16、表示部40等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、商品券入金機10の商品券入金機制御部50は、インターフェース52により、硬貨釣銭機100の上位制御部120(後述)に対して信号の送受信を行うようになっている。
記憶部54には、市場で流通している商品券に係る情報が登録されている。より詳細には、記憶部54は、市場で流通している商品券のうち、貨幣処理システム1が設置されている店舗で取り扱い可能な商品券と、貨幣処理システム1が設置されている店舗で取り扱い不可の商品券とを区別して登録するようになっている。また、記憶部54に登録された商品券に係る情報には、釣銭の払い出しが可能な商品券であるか否かという情報も含まれている。
また、本実施の形態では、店員は後述するPOSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により、記憶部54に登録されている商品券について有効期限日を入力設定することができるようになっている。この場合には、商品券入金機10において後述する入金処理モードあるいは確認処理モードが行われる際に、カレンダー機能により処理する日付けを特定し、有効期限と比較することにより、有効期限内であるか否かを判定し、結果を出力する。この機能により、商品券として有効期限切れ券を店員が誤って顧客から受け取ってしまった場合でも、このような有効期限切れ券を収納部30に送ることなく投出部18に送ることができるようになるため有効期限切れ券が商品券入金機10に入金されてしまうことを防止することができるようになる。
次に、硬貨釣銭機100の構成について簡単に説明する。図1に示すように、硬貨釣銭機100は、前部上面にタッチパネル等の操作表示部112が設けられた略直方体形状の筐体110を有している。また、筐体110の前部には、当該筐体110の内部に投入されるべき硬貨を受け入れる硬貨受入部114、および筐体110の内部から硬貨を払い出すための硬貨払出部116がそれぞれ設けられている。また、図4に示すように、硬貨釣銭機100の筐体110の内部には、金種別に硬貨を収納するとともに繰り出すことが可能な複数の硬貨収納部106が設けられている。
また、図4に示すように、硬貨釣銭機100の筐体110の内部には、硬貨受入部114に受け入れられた硬貨を筐体110内に繰り出して図示しない硬貨識別部により識別した後に硬貨収納部106に搬送したり、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を硬貨払出部116に搬送したりするよう硬貨の処理を行う硬貨処理部140が設けられている。
また、図4に示すように、硬貨釣銭機100は、互いに通信可能に接続されている上位制御部120および硬貨釣銭機制御部130を有している。ここで、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130には、硬貨受入部114、硬貨払出部116、硬貨収納部106、硬貨処理部140等がそれぞれ接続されており、硬貨釣銭機制御部130から硬貨受入部114、硬貨払出部116、硬貨収納部106、硬貨処理部140等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、硬貨釣銭機100の上位制御部120には操作表示部112が接続されている。また、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130は上位制御部120に対して信号の送受信を行うようになっており、この上位制御部120は、インターフェース132により、POSレジスタ300のPOS制御部330(後述)に対して信号の送受信を行うようになっている。
次に、紙幣釣銭機200の構成について簡単に説明する。図1に示すように、紙幣釣銭機200は、略直方体形状の筐体210を有しており、この筐体210の前面には、当該筐体210の内部に投入されるべき紙幣を受け入れる紙幣受入部214、および筐体210の内部から紙幣を払い出すための紙幣払出部216がそれぞれ設けられている。また、図4に示すように、紙幣釣銭機200の筐体210の内部には、金種別に紙幣を収納するとともに繰り出すことが可能な複数の紙幣収納部206が設けられている。
また、図4に示すように、紙幣釣銭機200の筐体210の内部には、紙幣受入部214に受け入れられた紙幣を筐体210内に繰り出して図示しない紙幣識別部により識別した後に紙幣収納部206に搬送したり、紙幣収納部206から繰り出された紙幣を紙幣払出部216に搬送したりするよう紙幣の処理を行う紙幣処理部240が設けられている。
また、図4に示すように、紙幣釣銭機200は、当該紙幣釣銭機200の各構成要素の制御を行う紙幣釣銭機制御部230を有しており、この紙幣釣銭機制御部230には、インターフェース232、紙幣受入部214、紙幣払出部216、紙幣収納部206、紙幣処理部240等がそれぞれ接続されている。そして、紙幣釣銭機制御部230から紙幣受入部214、紙幣払出部216、紙幣収納部206、紙幣処理部240等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230は、インターフェース232により、硬貨釣銭機100の上位制御部120に対して信号の送受信を行うようになっている。
次に、POSレジスタ300の構成について簡単に説明する。POSレジスタ300は、商品の購入情報を登録するとともに、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせたり、商品券入金機10に対して商品券の入金処理を行わせたりするようになっている。
図4に示すように、POSレジスタ300はPOS制御部330を有しており、このPOS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信可能に接続されているとともに、店舗サーバ400にも通信可能に接続されている。そして、POS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120を介して当該硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230に指令を送ることにより、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。また、POS制御部330は、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230から、上位制御部120を介して、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況に係る情報を受け付けるようになっている。また、POS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120を介して、商品券入金機10の商品券入金機制御部50と信号の送受信を行うようになっており、当該商品券入金機10の商品券入金機制御部50に指令を送ることにより、商品券入金機10に対して商品券の入金処理を行わせるようになっている。
図1に示すように、POSレジスタ300には、タッチパネル等からなる表示部302およびキーボード等からなる操作部304が設けられている。表示部302は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高を表示するようになっている。また、POSレジスタ300には、顧客が視認可能な追加の表示部302aが設けられており、様々な情報を表示部302に表示させる代わりに、あるいは表示部302における表示に加えて、追加の表示部302aにおいて表示が行われるようになっている。また、操作部304は、店員が操作することができるようになっており、POS制御部330に対して様々な指令を与えることができるようになっている。
また、図4に示すように、POSレジスタ300には記憶部334、カードリーダ336および印字部338が設けられている。記憶部334は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報や、商品情報(商品コードや価格等)等が記憶されるようになっている。また、カードリーダ336は、店員のIDカードを読み取ることにより店員のIDや権限等に関する情報を取得するようになっている。また、印字部338は例えばプリンタから構成され、売上レシートや集計レシートに加えて、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報を印字するようになっている。
次に、このような構成からなる貨幣処理システム1の動作、具体的には商品券入金機10の動作について図5乃至図8に示すフローチャートおよび図9に示すPOSレジスタ300の表示部302における表示画面を用いて説明する。
本実施の形態では、商品券入金機10の商品券入金機制御部50は、入金処理モード、確認処理モード、分類処理モード、簡易登録モードを含む複数の処理モードのうちある一つの処理モードを行うようになっている。商品券入金機制御部50がどの処理モードを行うかについては、POSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により店員が指定することができるようになっている。
まず、商品券入金機10の商品券入金機制御部50が入金処理モードを行う場合について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。このような入金処理モードは、店舗のレジ等において顧客が商品券で商品の代金の支払いを行おうとするときに、顧客から商品券を受け取った店員が商品券入金機10にこの受け取った商品券を入金する際に行われる。
最初に、顧客から商品券を受け取った店員や顧客自身が商品券入金機10の投入口14aを介して投入部14に1枚または複数枚の商品券を投入する。そして、店員がPOSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により入金処理モード開始の指令を与えると、投入部14に投入された商品券は繰出機構15により1枚ずつ筐体12の内部に繰り出され、繰出機構15により繰り出された商品券は搬送部16により1枚ずつ搬送される(STEP101)。そして、搬送部16により搬送される商品券は識別部20により識別される(STEP102)。この際に、識別部20のイメージセンサ20a、20bにより商品券の画像が取得されるとともに、この商品券の画像から当該商品券に印刷された文字が読み取られるようになり、商品券入金機制御部50は、識別部20により取得された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字と、記憶部54に登録されている商品券の情報とを照合することにより、商品券の種類や金額、有効期限等の判別を行う。
そして、識別部20により識別された商品券のうち所定の条件を満たす商品券は(STEP103の「YES」)、搬送部16の分岐部材16aにより収納部30に振り分けられ、当該搬送部16から収納部30に送られることによりこの収納部30に収納される(STEP104)。一方、識別部20により識別された商品券のうち所定の条件を満たさない商品券は(STEP103の「NO」)、搬送部16の分岐部材16aにより投出部18に振り分けられ、リジェクト商品券として当該搬送部16から投出部18に送られる(STEP105)。店員や顧客は、投出部18に集積されたリジェクト商品券を、投出口18aを介して取り出すようになる。ここで、「所定の条件」とは、基本的には、商品券入金機制御部50により判別された商品券の種類が、貨幣処理システム1が設置された店舗で使用可能な商品券の種類に一致し、また、この商品券が有効期限切れ券でないことをいう。
上述したSTEP101〜STEP105の動作は、投入部14に投入された商品券が全て収納部30に収納されるか投出部18に送られるまで繰り返し行われる(STEP106の「YES」)。そして、投入部14に投入された商品券が全て収納部30に収納されるか投出部18に送られると(STEP106の「NO」)、商品券入金機10における入金処理モードが完了する。商品券入金機10による商品券の入金処理の結果(具体的には、商品券入金機10に入金された商品券の枚数や合計金額等)は、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302等に表示される。硬貨釣銭機100の操作表示部112に商品券の入金処理の結果が表示される場合には、店員はこの商品券の入金処理の結果(具体的には、商品券入金機10に入金された商品券の枚数や合計金額等)をPOSレジスタ300に手入力する。この際に、POSレジスタ300の表示部302に表示される入力フォームに合わせて、商品券の入金処理の結果が硬貨釣銭機100の操作表示部112に表示されるようになっていてもよい。この場合には、POSレジスタ300への商品券の入金処理の結果の入力ミスを防止することができるようになる。また、商品券入金機10による商品券の入金処理の結果に係る情報が当該商品券入金機10からPOSレジスタ300に送信される場合には、POSレジスタ300は、この商品券入金機10から送信された情報に基づいて、商品券入金機10に入金された商品券の情報を管理するようになる。さらに、必要に応じて、釣銭の払出し指令を硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200に対して出力する。
また、商品券入金機制御部50は、収納部30に収納された商品券の券番号を記憶部54に記憶させるようになっていてもよい。この場合には、商品券入金機10の収納部30に収納されている商品券を回収する際に、記憶部54に記憶された商品券の券番号と照合することにより商品券のチェックを行うことができるようになり、商品券をより厳正に管理することができるとともに商品券の回収時に横領等の不正が行われることを防止することができるようになる。
また、上述した入金処理モードにおいて、顧客が購入しようとする商品の代金に係る情報がPOSレジスタ300から商品券入金機10に予め送信されており、商品券入金機10の商品券入金機制御部50において商品の売上金額が分かっている場合には、以下に示すような処理が行われてもよい。具体的には、収納部30に収納された商品券の金額が商品の売上金額に達するまでに当該収納部30に収納された商品券に釣銭の払い出しが可能な商品券が含まれている場合には、商品の売上金額を超えるような次の商品券を収納部30に収納させる。一方、収納部30に収納された商品券の金額が商品の売上金額に達するまでに当該収納部30に収納された商品券に釣銭の払い出しが可能な商品券が含まれていない場合には、商品の売上金額を超えるような次の商品券について釣銭の払い出しが不可の商品券のときには投出部18に送り、釣銭の払い出しが可能な商品券のみを収納部30に収納させるようにする。このような処理を行うことにより、収納部30に収納された商品券の合計金額が商品の売上金額を超えてしまったときに、収納部30に収納された商品券に釣銭の払い出しが可能な商品券が必ず含まれるようになるため、店員は顧客に対して釣銭の払い出しを行うことができるようになる。
また、商品券入金機10の商品券入金機制御部50において商品の売上金額が分かっていない場合には、商品の売上金額に達するまで店員または顧客が1枚ずつ商品券を投入部14に投入するようにし、その後、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の操作部304等により最後の1枚の商品券である旨の入力を行った後、商品券入金機10において次の商品券については釣銭の払い出しが不可の商品券のときに投出部18に送り、釣銭の払い出しが可能な商品券のみを収納部30に収納させるようにしてもよい。このような処理でも、収納部30に収納された商品券の合計金額が商品の売上金額を超えてしまったときに、収納部30に収納された商品券に釣銭の払い出しが可能な商品券が必ず含まれるようになるため、店員は顧客に対して釣銭の払い出しを行うことができるようになる。
また、上述した入金処理モードにおいて、商品券入金機10の商品券入金機制御部50において商品の売上金額が分かっている場合には、この商品の売上金額に達するまでは投入部14から筐体12の内部に繰り出された商品券を全て収納部30に収納させ、一方、商品券の合計入金金額が商品の売上金額を超えるような商品券については搬送部16において分岐部材16aの手前で一旦停止させ、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の操作部304等によりこの商品券を入金するか返却するかの入力を行うことができるようになっていてもよい。このような処理を行うことにより、釣銭の払い出しが不可の商品券のみを収納部30に収納させて当該収納部30に収納された商品券の合計金額が商品の売上金額を超えるようにすることができ、釣銭の返却が不要である場合の運用の自由度を高めることができるようになる。例えば、商品の売上金額が3980円であるときに、釣銭の払い出しが不可である1000円の商品券を収納部30に4枚収納させることができるようになる。
また、上述した入金処理モードにおいて、商品券入金機10の商品券入金機制御部50において商品の売上金額が分かっている場合には、この商品の売上金額に達するまでは投入部14から筐体12の内部に繰り出された商品券を全て収納部30に収納させ、一方、商品券の合計入金金額が商品の売上金額を超えるような商品券については当該商品券が釣銭の払い出しが可能な商品券の場合には当該商品券を収納部30に収納させ、この商品券が釣銭の払い出しが不可の商品券の場合には搬送部16において分岐部材16aの手前で一旦停止させ、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の操作部304等によりこの商品券を入金するか返却するかの入力を行うことができるようになっていてもよい。このような処理でも、釣銭の払い出しが不可の商品券のみを収納部30に収納させて当該収納部30に収納された商品券の合計金額が商品の売上金額を超えるようにすることができ、釣銭の返却が不要である場合の運用の自由度を高めることができるようになる。
また、上述した入金処理モードにおいて、有効期限が迫っている商品券を優先的に商品券入金機10に入金するような有効期限優先モードを行うことができるようになっていてもよい。このような有効期限優先モードでは、顧客が購入しようとする商品の代金に係る情報がPOSレジスタ300から商品券入金機10に予め送信される。そして、入金処理モードにおいて、投入部14に投入された複数枚の商品券は、識別部20により識別された後、一旦は全て投出部18に送られるようになり、この際に、識別部20により識別された全ての商品券の有効期限日に係る情報が取得されるようになる。そして、投出部18から取り出された商品券を再び投入部14に投入し、この投入部14から筐体12の内部に商品券が繰り出されて識別部20により識別されると、顧客が購入しようとする商品の売上金額の範囲内で、有効期限が迫っている商品券から優先的に収納部30に送るようにし、有効期限に余裕がある商品券は投出部18に送るようにする。このような有効期限優先モードを行うことにより、顧客が所有する商品券が有効期限切れ券となってしまい失効してしまうことを極力抑制することができるようになる。
また、上述した入金処理モードにおいて、店舗にとって商品券の現金化を行う際の手数料が小さい商品券を優先的に商品券入金機10に入金するような商品券現金化手数料考慮モードを行うことができるようになっていてもよい。このような商品券現金化手数料考慮モードでは、顧客が購入しようとする商品の代金に係る情報がPOSレジスタ300から商品券入金機10に予め送信される。そして、入金処理モードにおいて、投入部14に投入された複数枚の商品券は、識別部20により識別された後、一旦は全て投出部18に送られるようになり、この際に、識別部20により識別された全ての商品券について現金化にかかる手数料に係る情報が取得されるようになる(なお、各商品券における現金化にかかる手数料は予め記憶部54に記憶させておく)。そして、投出部18から取り出された商品券を再び投入部14に投入し、この投入部14から筐体12の内部に商品券が繰り出されて識別部20により識別されると、顧客が購入しようとする商品の売上金額の範囲内で、現金化にかかる手数料が小さい商品券から優先的に収納部30に送るようにし、現金化にかかる手数料が比較的高い商品券は投出部18に送るようにする。このような商品券現金化手数料考慮モードを行うことにより、店舗にとって商品券の現金化を行う際の手数料を極力抑制することができるようになる。
次に、商品券入金機10の商品券入金機制御部50が確認処理モードを行う場合について、図6に示すフローチャートおよび図9に示すPOSレジスタ300の表示部302における表示画面を用いて説明する。このような確認処理モードは、店舗のレジ等において顧客が商品券で商品の代金の支払いを行おうとするときに、この使用しようとする商品券が店舗で実際に使用できるか否か等を確認する際に行われる。
最初に、顧客から商品券を受け取った店員や顧客自身が商品券入金機10の投入口14aを介して投入部14に1枚または複数枚の商品券を投入する。そして、店員がPOSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により確認処理モード開始の指令を与えると、投入部14に投入された商品券は繰出機構15により1枚ずつ筐体12の内部に繰り出され、繰出機構15により繰り出された商品券は搬送部16により1枚ずつ搬送される(STEP201)。そして、搬送部16により搬送される商品券は識別部20により識別される(STEP202)。この際に、識別部20のイメージセンサ20a、20bにより商品券の画像が取得されるとともに、この商品券の画像から当該商品券に印刷された文字が読み取られるようになり、商品券入金機制御部50は、識別部20により取得された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字と、記憶部54に登録されている商品券の情報とを照合することにより、商品券の種類や金額、有効期限等の判別を行う。
識別部20により識別された全ての商品券は、搬送部16の分岐部材16aにより投出部18に振り分けられ、リジェクト商品券として当該搬送部16から投出部18に送られる(STEP203)。店員や顧客は、投出部18に集積されたリジェクト商品券を、投出口18aを介して取り出すようになる。また、商品券入金機制御部50は、識別部20による商品券の識別結果に係る情報を出力する(STEP204)。商品券入金機制御部50により出力された情報は、商品券入金機10から硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300に送信され、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302に表示されるようになる。
図9は、POSレジスタ300の表示部302に表示された、商品券の識別結果を示す画面である。図9の表示画面に示すように、「取込券リスト」の欄において、識別部20により識別された商品券の種類や金額が1枚ずつ時系列で表示される。また、識別部20により識別された商品券の種類が、貨幣処理システム1が設置された店舗で取り扱い不可のものである場合には、「取込券リスト」において「取扱対象外」と表示される。また、図9では図示していないが、識別部20により識別された商品券の種類が、記憶部54に記憶されている、市場で流通している商品券の種類と一致しない場合には、「取込券リスト」において「識別不能」と表示される。
また、図9に示すPOSレジスタ300の表示部302の表示画面において、識別部20により識別された商品券が、釣銭の払い出しが可能な商品券であるか否かという情報が商品券毎に表示されるようになっていてもよい。
また、POSレジスタ300の表示部302の表示画面では、「確認内容」の欄に示すように、確認処理モードで投入部14に投入された商品券のうち貨幣処理システム1が設置された店舗で取り扱い可能な商品券の種類毎の合計枚数および合計金額が表示されるとともに、当該商品券の全ての枚数および合計金額が表示されるようになっている。
なお、本実施の形態では、商品券入金機制御部50から出力された商品券の識別結果に係る情報が表示部302に加えてあるいは表示部302の代わりに表示部302aに表示されるようになっていてもよい。前述したように、表示部302aは顧客が視認可能となっているため、商品券の識別結果に係る情報を顧客は表示部302aを見ることによってすぐに認識することができるようになる。
また、本実施の形態では、商品券入金機制御部50により出力された商品券の識別結果に係る情報は、商品券入金機10の表示部40にも表示されるようになっている。具体的には、表示部40のカウンタ表示部42には、確認処理モードで投入部14に投入された商品券のうち貨幣処理システム1が設置された店舗で取り扱い可能な商品券の枚数が表示される。また、確認処理モードにおいて識別部20により識別された商品券の態様に基づいて、LEDランプ44、46、48のうちいずれか一つのLEDランプが点灯するようになる。より詳細には、商品券入金機制御部50は、識別部20による商品券の識別結果に係る情報と、記憶部54に記憶された、市場で流通している商品券に係る情報とを照合することにより、識別部20により識別された商品券が正常な商品券であるか否かを判断し、この判断結果も出力するようになっているが、識別部20により識別された商品券が正常な商品券であると正常な商品券ではない場合とで異なるLEDランプ44、46、48を点灯させるようになっている。具体的には、投入部14に投入された商品券が全て、正常な商品券でありかつ貨幣処理システム1が設置された店舗で取り扱い可能な商品券であった場合には、青色のLEDランプ44が点灯する。一方、投入部14に投入された商品券において、正常な商品券ではあるが貨幣処理システム1が設置された店舗で取り扱い不可の商品券が含まれていた場合には、黄色のLEDランプ46が点灯する。また、投入部14に投入された商品券において正常な商品券ではないものが含まれている場合には(具体的には、例えば投入部14に紙幣が投入されてしまった場合には)、赤色のLEDランプ48が点灯する。このように、店員はどの色のLEDランプ44、46、48が点灯しているかを視認することにより、確認処理モードで投入部14に投入された商品券の種類を一目で判断することができるようになる。具体的には、顧客が使用しようとする商品券が店舗で取り扱い可能な商品券であるか否かを店員は一目で判断することができるようになる。
表示部40における商品券の識別結果の表示方法は上記態様のものに限定されることはない。各LEDランプ44、46、48の点灯方法の他の態様について以下に述べる。投入部14に投入された商品券が全て、正常な商品券でありかつ釣銭の払い出しが可能な商品券であった場合には、青色のLEDランプ44が点灯する。一方、投入部14に投入された商品券において、正常な商品券ではあるが釣銭の払い出しが不可の商品券が含まれていた場合には、黄色のLEDランプ46が点灯する。また、投入部14に投入された商品券において正常な商品券ではないものが含まれている場合には、赤色のLEDランプ48が点灯する。このような態様でも、店員はどの色のLEDランプ44、46、48が点灯しているかを視認することにより、確認処理モードで投入部14に投入された商品券の種類を一目で判断することができるようになる。具体的には、顧客が使用しようとする商品券が、釣銭の払い出しが可能な商品券であるか否かを店員は一目で判断することができるようになる。
また、更に他の態様では、商品券入金機10に各色のLEDランプが例えば5個設けられており、貨幣処理システム1が設置された店舗で取り扱い可能でかつ釣銭の払い出しが可能な商品券、当該店舗で取り扱い可能でかつ釣銭の払い出しが不可の商品券、当該店舗で取り扱い不可でかつ釣銭の払い出しが可能な商品券、当該店舗で取り扱い不可でかつ釣銭の払い出しが不可の商品券、および正常な商品券ではないものに対応して、それぞれ別のLEDランプが点灯するようになっていてもよい。
上述したSTEP201〜STEP204の動作は、投入部14に投入された商品券が全て投出部18に送られるまで繰り返し行われる(STEP205の「YES」)。そして、投入部14に投入された商品券が全て投出部18に送られると(STEP205の「NO」)、商品券入金機10における確認処理モードが完了する。
次に、商品券入金機10の商品券入金機制御部50が分類処理モードを行う場合について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。このような分類処理モードは、店舗の営業時間後に店員が商品券を種類別に仕分けする際に行われる。
最初に、商品券を種類別に仕分けしようとする店員が商品券入金機10の投入口14aを介して投入部14に1枚または複数枚の商品券を投入する。なお、複数枚の商品券を投入する場合には、最初に仕分けしたい種類の商品券を最上位に重ねると、効率よく仕分け処理を行える。そして、店員がPOSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により分類処理モード開始の指令を与えると、投入部14に投入された商品券は繰出機構15により1枚ずつ筐体12の内部に繰り出され、繰出機構15により繰り出された商品券は搬送部16により1枚ずつ搬送される(STEP301)。そして、搬送部16により搬送される商品券は識別部20により識別される(STEP302)。この際に、識別部20のイメージセンサ20a、20bにより商品券の画像が取得されるとともに、この商品券の画像から当該商品券に印刷された文字が読み取られるようになり、商品券入金機制御部50は、識別部20により取得された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字と、記憶部54に登録されている商品券の情報とを照合することにより、商品券の種類や金額、有効期限等の判別を行う。
ここで、識別部20により識別された商品券が1枚目の商品券である場合には(STEP303の「YES」)、商品券入金機制御部50は、この1枚目の商品券(「第1の種類の商品券」とする)の種類および金額を記憶部54に記憶させた後(STEP304)、当該商品券を収納部30に収納する(STEP306)。一方、識別部20により識別された商品券が2枚目以降の商品券である場合には(STEP303の「NO」)、記憶部54に記憶された第1の種類の商品券(1枚目の商品券)と同じ種類および金額であるときには(STEP305の「YES」)、この商品券を収納部30に収納させる(STEP306)。また、識別部20により識別された商品券が2枚目以降の商品券である場合において(STEP303の「NO」)、記憶部54に記憶された第1の種類の商品券と同じ種類および金額ではなかったときには(STEP305の「NO」)、この商品券を投出部18に送る(STEP307)。
上述したSTEP301〜STEP307の動作は、投入部14に投入された商品券が全て収納部30に収納されるか投出部18に送られるまで繰り返し行われる(STEP308の「YES」)。そして、投入部14に投入された商品券が全て収納部30に収納されるか投出部18に送られると(STEP308の「NO」)、商品券入金機10における(1回目の)分類処理モードが完了する。商品券入金機10においてこのような分類処理モードを行うことにより、複数枚の商品券を、第1の種類の商品券(1枚目の商品券)の種類および金額と同じ商品券と、第1の種類の商品券とは種類または金額が異なる商品券とに分類することができるようになる。その後、収納部30に収納された第1の種類の商品券は商品券入金機10から取り出されて回収される。一方、投出部18に送られた商品券(第1の種類の商品券とは種類または金額が異なる商品券)について更に種類別に仕分けを行う場合には、上述した分類処理モードを繰り返し行うようにする。このことにより、複数種類(具体的には、3種類以上)の商品券の仕分けを行うことができるようになる。
次に、商品券入金機10の商品券入金機制御部50が簡易登録モードを行う場合について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。このような簡易登録モードは、商品券入金機10の記憶部54に、取り扱い可能な商品券として地域振興券等の新しい商品券を登録しようとする場合に行われる。以下に示すような簡易登録モードによれば、商品券入金機10の記憶部54に新しい商品券の登録を簡易的な方法で短時間に行うことができる。
最初に、新たに登録を行いたい商品券を店員が商品券入金機10の投入口14aを介して投入部14に投入する。そして、店員がPOSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により簡易登録モード開始の指令を与えると、投入部14に投入された商品券は繰出機構15により筐体12の内部に繰り出され、繰出機構15により繰り出された商品券は搬送部16により搬送される(STEP401)。そして、搬送部16により搬送される商品券は識別部20により情報が取り込まれる(STEP402)。この際に、識別部20のイメージセンサ20a、20bにより商品券の画像が取得されるとともに、この商品券の画像から当該商品券に印刷された文字が読み取られたり、文字以外の特徴情報が抽出されたりするようになる。識別部20により識別された商品券は投出部18に送られ、店員は投出口18aを介して投出部18から商品券を取り出すことができるようになる(STEP403)。
また、店員は、POSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により、新たな商品券の種類や金額等に係る情報を入力する。また、新たな商品券に有効期限が設けられている場合には、店員は有効期限日に係る情報も入力する。入力された商品券の種類や金額等に係る情報はPOSレジスタ300や硬貨釣銭機100から商品券入金機10に送信される。そして、商品券入金機制御部50は、識別部20のイメージセンサ20a、20bにより取得された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字や特徴情報を、この商品券の種類や金額等に係る情報に紐付けて記憶部54に記憶させる(STEP404)。このようにして、記憶部54において新たな商品券が取り扱い可能な商品券として登録されるようになる。
このような方法によれば、貨幣処理システム1を管理する管理ターミナル等において新たな商品券を登録し、この管理ターミナルからダウンロードされた、新たな辞書データのCD−ROM等を店舗に持ち込むことにより各商品券入金機10の辞書データの更新を行うような従来技術の方法と比較して、短時間かつ簡易的な方法で記憶部54に新しい商品券の登録を行うことができる。
また、上述した簡易登録モードと同様の方法にて、商品券入金機10の記憶部54に登録されている、取り扱い可能な商品券のデータを削除することができるようになっていてもよい。具体的には、記憶部54からデータの削除を行いたい商品券を店員が商品券入金機10の投入口14aを介して投入部14に投入する。そして、店員がPOSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により登録抹消モード開始の指令を与えると、投入部14に投入された商品券は繰出機構15により筐体12の内部に繰り出され、繰出機構15により繰り出された商品券は搬送部16により搬送される。そして、搬送部16により搬送される商品券は識別部20により識別される。この際に、識別部20のイメージセンサ20a、20bにより商品券の画像が取得されるとともに、この商品券の画像から当該商品券に印刷された文字が読み取られるようになる。
そして、店員は、POSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により、投入部14に投入した商品券について取り扱い中止とするかあるいは記憶部54からデータを削除するかの入力を行う。ここで、取り扱い中止とすることが入力された場合には、記憶部54に登録されている商品券のうち、識別部20により識別された商品券については店舗で取り扱い不可となる。なお、このような取り扱い中止となった商品券については、POSレジスタ300の操作部304や硬貨釣銭機100の操作表示部112により、取り扱いを再開する旨の指令が入力された際には、再び取り扱い可能とすることもできる。一方、記憶部54からデータを削除することが入力された場合には、記憶部54に登録されている商品券のうち、識別部20により識別された商品券と同じ種類の商品券の登録データが削除される。
このような方法によれば、短時間かつ簡易的な方法で記憶部54に登録されている様々な商品券のデータから一部の商品券のデータを変更したり削除したりすることができるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の商品券入金機10および当該商品券入金機10を備えた貨幣処理システム1によれば、商品券入金機10において入金処理モードおよび確認処理モードを含む複数の処理モードのうちある一つの処理モードが実行されるようになっており、確認処理モードが行われるときには、商品券入金機10の識別部20により識別された全ての商品券を投出部18に送るよう搬送部16の制御が行われるとともに識別部20による商品券の識別結果が出力されるようになっている。このような確認処理モードを行うことにより、顧客が使用しようとする商品券に係る情報(具体的には、顧客が使用しようとする商品券が、貨幣処理システム1が設置された店舗で使用可能な商品券であるか否かという情報、等)をすぐに店員や顧客が認識することができるようになり、このため店員や顧客にとっての利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態の商品券入金機10においては、上述したように、当該商品券入金機10の表示部40には、確認処理モードが行われる際に商品券入金機制御部50により出力された商品券の識別結果に係る情報が表示されるようになっている。具体的には、表示部40は、確認処理モードにおいて識別部20により識別された商品券が正常な商品券である場合と正常な商品券ではない場合とで異なる態様で表示を行うようになっている。より詳細には、投入部14に投入された商品券が全て正常な商品券であった場合には、青色のLEDランプ44または黄色のLEDランプ46が点灯し、一方、投入部14に投入された商品券において正常な商品券ではないものが含まれる場合には、赤色のLEDランプ48が点灯する。
また、表示部40は、確認処理モードにおいて識別部20により識別された商品券が所定の店舗(具体的には、貨幣処理システム1が設置された店舗)で使用可能な商品券である場合と所定の店舗で使用不可の商品券である場合とで異なる態様で表示を行うようになっている。より詳細には、投入部14に投入された商品券が全て、所定の店舗で使用可能な商品券である場合には、青色のLEDランプ44が点灯し、一方、投入部14に投入された商品券において所定の店舗で使用不可の商品券が含まれる場合には、黄色のLEDランプ46が点灯する。この場合には、顧客が使用しようとする商品券が店舗で取り扱い可能な商品券であるか否かを店員は一目で判断することができるようになる。
あるいは、表示部40は、確認処理モードにおいて識別部20により識別された商品券が釣銭の払い出しが可能な商品券である場合と釣銭の払い出しが不可の商品券である場合とで異なる態様で表示を行うようになっていてもよい。より詳細には、投入部14に投入された商品券が全て、釣銭の払い出しが可能である商品券である場合には、青色のLEDランプ44が点灯し、一方、投入部14に投入された商品券において釣銭の払い出しが不可の商品券が含まれる場合には、黄色のLEDランプ46が点灯する。この場合には、顧客が使用しようとする商品券が釣銭の払い出しが可能な商品券であるか否かを店員は一目で判断することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣処理システム1においては、上述したように、商品券入金機10の商品券入金機制御部50から出力された商品券の識別結果に係る情報は商品券入金機10から外部装置(具体的には、硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300)に送信されるようになっている。また、外部装置としての硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300は、商品券入金機制御部50から出力された商品券の識別結果に係る情報を表示する外部装置用表示部として操作表示部112や表示部302を有している。
また、本実施の形態の貨幣処理システム1においては、上述したように、商品券入金機10の商品券入金機制御部50により行われる処理モードの種類が、外部装置としての硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300において選択されるようになっている。具体的には、店員は硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の操作部304により、商品券入金機10においてどの処理モードを行うかを選択するようになっている。
なお、本実施の形態による商品券入金機10や貨幣処理システム1は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、商品券入金機10を、硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300等と通信可能に接続させるのではなく、商品券入金機10を単体で用いるようにしてもよい。この場合には、商品券入金機10の商品券入金機制御部50により行われる処理モードの種類が、外部装置としての硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300において選択されるのではなく、商品券入金機10自体において選択されるようになっていてもよい。例えば、商品券入金機10の筐体12の前面や上面に「入金」ボタンおよび「開始」ボタンが設けられており、投入部14に商品券が投入された後、顧客または店員が「入金」ボタンを押下した後に「開始」ボタンを押下すると、投入部14に投入された商品券について上述した入金処理モードが行われ、一方、投入部14に商品券が投入された後、顧客または店員が単に「開始」ボタンを押下すると、投入部14に投入された商品券について上述した確認処理モードが行われるようになっていてもよい。このような方法によれば、商品券入金機10を硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300から切り離した状態でも当該商品券入金機10において処理モードの選択を行うことができるようになる。また、完全な単体運用ではなく、操作部や表示部を備える簡易的な専用端末を接続することにより、操作性を向上させるようにしてもよい。
あるいは、商品券入金機10の識別部20は、投入部14に投入された商品券の向きおよび/または表裏も識別するようになっており、商品券入金機制御部50において、識別部20により識別された商品券の向きおよび/または表裏に基づいて、当該商品券入金機制御部50により行われる処理モードが選択されるようになっていてもよい。具体的には、投入部14に投入された商品券がおもて向きである場合には、商品券入金機10において入金処理モードが行われ、投入部14に投入された商品券が裏向きである場合には、商品券入金機10において確認処理モードが行われるようになる。別の態様では、投入部14に投入された商品券の上下の向きが正である場合には、商品券入金機10において入金処理モードが行われ、投入部14に投入された商品券の上下の向きが逆である場合には、商品券入金機10において確認処理モードが行われるようになる。
このような方法によれば、店員は処理モードの切換のための操作が不要となり、店員の負担を軽減することができる。また、商品券入金機10を硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300等から切り離した状態で使用する際に、商品券入金機10において上述した「入金」ボタンおよび「開始」ボタンを設けなくても当該商品券入金機10において処理モードの選択を行うことができるようになる。
また、投入部14に投入された商品券がおもて向きである場合には、商品券入金機10において入金処理モードが行われ、投入部14に投入された商品券が裏向きである場合には、商品券入金機10において確認処理モードが行われるような態様において、商品券の向きによって、入金処理モードにおいて釣銭の払い出し不可の商品券が収納部30に収納されるか否かの設定が行われるようになっていてもよい。具体的には、投入部14に投入された商品券がおもて向きかつ上下の向きが正である場合には、商品券入金機10において入金処理モードが行われるとともにこの入金処理モードにおいて釣銭の払い出し不可の商品券も収納部30に収納されるようになり、一方、投入部14に投入された商品券がおもて向きかつ上下の向きが逆である場合には、商品券入金機10において入金処理モードが行われるとともにこの入金処理モードにおいて釣銭の払い出し不可の商品券は収納部30に収納されずに投出部18に送られるようになる。
また、本実施の形態の貨幣処理システム1においては、商品券入金機10において入金処理モードおよび確認処理モードを含む複数の処理モードのうちある一つの処理モードを行う制御部は、商品券入金機10に設けられる代わりに、商品券入金機10以外の外部装置(具体的には、POSレジスタ300や硬貨釣銭機100)に設けられていてもよい。より詳細には、POSレジスタ300のPOS制御部330や硬貨釣銭機100の上位制御部120等により、商品券入金機10において入金処理モードおよび確認処理モードを含む複数の処理モードのうちある一つの処理モードを行うよう当該商品券入金機10の各構成要素の制御を行うようになっていてもよい。
また、商品券入金機10の記憶部54に、偽造券等の商品券の券番号をブラックリストとして登録しておいてもよい。この場合には、上述した入金処理モードが行われる際に、識別部20により識別された商品券の券番号が、記憶部54に登録されているブラックリストの商品券の券番号と一致するときには、当該商品券をリジェクト商品券として投出部18に送るようにする。このときに、単なるリジェクト商品券ではなく、ブラックリストに登録された券番号の商品券が検出されたことを表す警告情報を表示することにより、店員に注意を促す。また、商品券入金機制御部50において、識別部20により識別された商品券の券番号が、記憶部54に登録されているブラックリストの商品券の券番号と一致する蓋然性が高いと判断されたときには、POSレジスタ300の表示部302等において識別部20により取得された商品券の券番号部分の画像とブラックリストに登録されている商品券の券番号とをそれぞれ表示させることにより、POSレジスタ300の操作部304等により商品券が偽造券であるか否かの入力を行うことができるようになっていてもよい。この場合には、入力された情報に基づいて、商品券入金機10においてこの商品券を収納部30および投出部18のうち何れか一方に振り分けることができるようになる。
また、音声により報知を行うスピーカ等の装置を商品券入金機10に設け、確認処理モードにおける商品券の確認結果を複数の種類の音声により報知するようになっていてもよい。
また、店員の習熟度によって、貨幣処理システム1の運用を変えるようにしてもよい。具体的には、貨幣処理システム1を取り扱う店員が初心者である場合には、貨幣処理システム1は上述した処理を行うことにより決済業務を効率的にかつミスなく行うことができるようにし、一方、貨幣処理システム1を取り扱う店員が熟練者である場合には、貨幣処理システム1において上述した処理に加えて以下に示すような処理を行うことができるようにしてもよい。すなわち、POSレジスタ300のPOS制御部330において店舗で取り扱われる商品を予め登録しておき、商品券入金機10に商品券が入金されると、POSレジスタ300に入力された顧客が購入しようとする商品に関連する、この商品よりも高額の商品に係る情報をPOSレジスタ300の表示部302に表示させるようにする。このことにより、店員は、少し現金を足してもお得感がある商品を顧客に対して提案することができるようになり、店舗の収益を向上させることができるようになる。
また、貨幣処理システム1が設置される店舗によっては、顧客が現金で商品を購入するときと、商品券で商品を購入するときとで、顧客に還元されるポイント(当該ポイントは、顧客が店舗内で別の商品を購入する際に現金の代わりに用いることができる)が異なる場合がある。このような場合を考慮して、商品券入金機10において商品券の入金処理が行われたときには、商品券の合計入金金額に加えて、この合計入金金額に対応するポイントに係る情報も商品券入金機10からPOSレジスタ300に送信されるようになっていてもよい。このことにより、POSレジスタ300の表示部302や表示部302aには、商品券入金機10に入金された商品券に対応するポイントを表示させることができるようになるため、店員や顧客は商品券で商品を購入した際に顧客に還元されるポイントを一目で認識することができるようになる。
また、POSレジスタ300のPOS制御部330において店舗で取り扱われる商品が予め登録されている場合において、顧客が購入しようとする商品が商品券で購入することができないものであるときには(例えば、商品券として図書券を使用して、菓子類を購入しようとした場合には)、商品券入金機10に商品券が入金されたときに、POSレジスタ300の表示部302等に警告画面が表示されることにより店員に対して通知がなされるようになっていてもよい。このことにより、顧客が購入しようとする商品が商品券で購入することができないものであるときに、店員が誤って顧客から商品券を受け取ってしまっても、当該店員に対して通知を行うことにより商品券の取り扱いミスを防止することができるようになる。
〔第2の実施の形態〕
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図10および図11は、第2の実施の形態による商品券入金機およびこの商品券入金機を備えた商品券処理システムを示す図である。このうち、図10は、第2の実施の形態による商品券処理システムにおける商品券入金機および上位装置(具体的には、コンピュータ)の外観を示す斜視図であり、図11は、図10に示す商品券処理システムにおいて商品券の入金処理を商品券入金機および上位装置が協働して行うときの動作を示すフローチャートである。
図10等に示す本実施の形態の商品券処理システムでは、図2等に示す第1の実施の形態と同様の構成の商品券入金機10が用いられるようになっている。本実施の形態による商品券処理システムでは、このような商品券入金機10が硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300に通信可能に接続される代わりに、上位装置80としてコンピュータが接続されている。そして、商品券入金機10における商品券の入金処理は、商品券入金機10および上位装置80が協働して行うようになっている。
小型の商品券入金機10を単体で用いようとした場合には、記憶部54にあまりに多くの商品券を登録すると、識別部20により取得された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字に基づいて商品券入金機制御部50が商品券の種類や金額等を判別する際に時間がかかってしまい、商品券を迅速に処理することができないという問題があった。このような課題を解決するために、本実施の形態の商品券処理システムでは、商品券入金機10にコンピュータ等の上位装置80を接続することにより、商品券入金機10の筐体12の内部に投入された商品券の種類や金額等の判別を商品券入金機10および上位装置80が協働して行うようにしている。なお、上位装置80には図示しない記憶部が設けられており、この記憶部には、市場で流通している様々な商品券の種類や金額等の情報が登録されている。このような商品券処理システムにおける商品券入金機10による商品券の入金方法について図11に示すフローチャートを用いて説明する。
顧客から商品券を受け取った店員や顧客自身が商品券入金機10の投入口14aを介して投入部14に1枚または複数枚の商品券を投入する。そして、店員が上位装置80により入金処理開始の指令を入力すると(STEP1)、上位装置80は商品券入金機10に対して商品券1枚取り込み開始の指令を与える(STEP2)。商品券1枚取り込み開始の指令が商品券入金機10に与えられると、投入部14に投入された商品券のうち1枚の商品券が繰出機構15により筐体12の内部に繰り出され、繰出機構15により繰り出された商品券は搬送部16により搬送される。そして、搬送部16により搬送される商品券は識別部20により識別される(STEP3)。この際に、識別部20のイメージセンサ20a、20bにより商品券の画像が取得されるとともに、この商品券の画像から当該商品券に印刷された文字や特徴情報が読み取られるようになり、識別部20により取得された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字等の情報が商品券の識別結果として商品券入金機10から上位装置80に送信される(STEP4)。上位装置80では、商品券入金機10から送信された、商品券の画像や当該商品券に印刷された文字や特徴情報と、上位装置80の記憶部に登録されている商品券の情報とを照合することにより、当該商品券の種類や金額、有効期限等に関する情報の判別を行う(STEP5)。そして、上位装置80では、商品券の判別結果に基づいて、商品券入金機10において識別部20により識別された商品券を収納部30および投出部18のうちどちらに振り分けるかの判断を行う。具体的には、上位装置80において、識別部20により識別された商品券が所定の条件を満たす場合には当該商品券の振り分け先を収納部30とし、識別部20により識別された商品券が所定の条件を満たさない場合には当該商品券の振り分け先を投出部18とする。ここで、「所定の条件」とは、第1の実施の形態で説明した「所定の条件」と同様の条件となっている。そして、上位装置80は、商品券の判別結果や振り分け先に関する情報を商品券入金機10に送信する(STEP6)。
商品券入金機10では、上位装置80から送られた商品券の振り分け先に関する情報に基づいて、識別部20により識別された商品券を収納部30または投出部18に搬送するよう搬送部16(具体的には、分岐部材16a)の制御を行う。このことにより、識別部20により識別された商品券は収納部30または投出部18に振り分けられる(STEP7)。そして、識別部20により識別された商品券に係る情報(具体的には、例えば収納部30に収納された商品券の枚数)が表示部40に表示される。また、商品券入金機10の投入部14に商品券が残っているか否かの検知が行われ、この検知情報(すなわち、投入部14に商品券が残っているか否かの情報)が商品券入金機10から上位装置80に送信される(STEP9)。そして、商品券入金機10の投入部14に商品券が残っている場合には(STEP10の「YES」)、上述した動作が繰り返し行われるようになる。一方、商品券入金機10の投入部14から商品券が全て筐体12の内部に繰り出されて収納部30または投出部18に送られると(STEP10の「NO」)、商品券入金機10における商品券の入金処理が完了する。
また、図10に示すような商品券処理システムにおける商品券入金機10がPOSレジスタ等に通信可能に接続されている場合には、当該商品券入金機10による商品券の入金処理の結果(具体的には、収納部30に収納された商品券の種類や合計金額等の情報)がPOSレジスタに送信されるようになっていてもよい。
このような構成からなる本実施の形態の商品券処理システムによれば、上位装置80の記憶部に市場で流通している商品券の情報が登録されており、このことにより商品券入金機10の記憶部54にこのような市場で流通している商品券の情報を登録する必要がなくなるため、あるいは記憶部54自体を商品券入金機10に設置する必要がなくなるため、商品券入金機10の低価格化を図ることができるようになる。
なお、図10では、上位装置80としてコンピュータが用いられるような態様が示されているが、商品券入金機10において商品券の入金処理が行われる際に当該商品券入金機10と協働する上位装置80として用いられる装置は必ずしもコンピュータに限定されることはない。上位装置80として、紙幣の入出金処理および商品券の入金処理を行うことができる紙葉類処理装置が用いられ、この紙葉類処理装置の記憶部に、市場で流通している商品券の情報が登録されるようになっていてもよい。また、上位装置80として単体のコンピュータが用いられる代わりに、商品券入金機10に上位装置80としてクラウドコンピューティングが通信可能に接続され、商品券入金機10はクラウドコンピューティングと協働することにより商品券の入金処理を行うようになっていてもよい。
〔第3の実施の形態〕
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図12および図13は、第3の実施の形態による簡易型の紙幣入金機を示す図である。このうち、図12は、本実施の形態による紙幣入金機の外観を示す斜視図であり、図13は、図12に示す紙幣入金機において紙幣入金処理モードが行われるときの動作を示すフローチャートである。
図12等に示す本実施の形態の紙幣入金機10aとして、図2等に示す第1の実施の形態や第2の実施の形態の商品券入金機10と同様の構成のものが用いられるようになっている。ここで、本実施の形態の紙幣入金機10aにおいて、第1の実施の形態や第2の実施の形態の商品券入金機10と同様の構成要素については同一の参照符号を付してその説明を省略する。また、このような紙幣入金機10aは、店舗におけるレジ近くのサービスカウンタ等に設置されるようになっており、顧客から受け取った紙幣を店員が当該紙幣入金機10aに入金したり、顧客自身が紙幣を紙幣入金機10aに入金したりするようになっている。
本実施の形態の紙幣入金機10aでは、識別部20において、イメージセンサ20a、20bにより取得された紙幣の画像に基づいて光学文字認識(OCR)により当該紙幣に印刷された文字(具体的には、紙幣の金額や記番号)が読み取られるようになっている。また、紙幣入金機10aに設けられた制御部では、識別部20により取得された紙幣の画像と、記憶部に記憶された所定の発行国における所定の金種の紙幣の画像とを照合することにより、識別部20により識別された紙幣が予め設定された所定の発行国における所定の金種の紙幣であるか否かの判別が行われるようになっている。なお、本実施の形態では、紙幣入金機10aに設けられた制御部は、識別部20により識別された紙幣が偽券や損券であるか否かの判別は行わないようになっている。なお、所定の金額の紙幣の一例としては、レジにおいて釣り紙幣として使用されることがない高額紙幣が設定されるものとする。
また、本実施の形態の紙幣入金機10aでは、筐体12の上面に、モニタおよび複数のスイッチを有する操作表示部60が設けられている。店員は、この操作表示部60のスイッチを押下することにより当該紙幣入金機10aの制御部に対して様々な指令を入力することができるようになっている。また、紙幣入金機10aによる紙幣の処理状況(具体的には、収納部30に収納された紙幣の在高等)に係る情報は操作表示部60のモニタに表示されるようになっている。なお、操作表示部60として、モニタおよび複数のスイッチを有するものの代わりに、タッチパネルを有するものが用いられてもよい。また、操作表示部60は筐体12の上面に設けられるのではなく筐体12とは別に設けられ当該筐体12の側方に配置されるようになっていてもよく、あるいは操作表示部60が筐体12に組み込まれて一体化していてもよい。本実施の形態では、このような操作表示部60により店員の担当者番号の手入力を行うことができるようになっている。具体的には、紙幣入金機10aの記憶部には、複数の店員の担当者番号が記憶されており、店員は操作表示部60により複数の店員の担当者番号の中から自分の担当者番号を選択することができるようになっている。
また、本実施の形態の紙幣入金機10aでは、第1の実施の形態や第2の実施の形態の商品券入金機10と比較して、収納部30の容量が大きくなっており、より多くの枚数の紙幣を収納部30に収納することができるようになっている。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態や第2の実施の形態で説明した商品券入金機10と異なり、紙幣入金機10aは外部装置等に通信可能に接続されることなく単体で用いることができるようになっている。
このような紙幣入金機10aによる紙幣の入金処理について図13に示すフローチャートを用いて説明する。
最初に、顧客から紙幣を受け取った店員や顧客自身が紙幣入金機10aの投入口14aを介して投入部14に1枚または複数枚の紙幣を投入する。そして、店員等が操作表示部60により入金処理開始の指令を与えると、投入部14に投入された紙幣は繰出機構15により1枚ずつ筐体12の内部に繰り出され、繰出機構15により繰り出された紙幣は搬送部16により1枚ずつ搬送される(STEP501)。そして、搬送部16により搬送される紙幣は識別部20により識別される(STEP502)。この際に、識別部20のイメージセンサ20a、20bにより紙幣の画像が取得されるとともに、この紙幣の画像が当該紙幣に印刷された文字(具体的には、紙幣の金額や記番号)が読み取られるようになる。紙幣入金機10aの制御部は、識別部20により取得された紙幣の画像と、記憶部に記憶された所定の発行国における所定の金種の紙幣の画像とを照合することにより、識別部20により識別された紙幣が予め設定された所定の発行国における所定の金種の紙幣であるか否かの判別を行う。
そして、識別部20により識別された紙幣のうち所定の発行国における所定の金種の紙幣は(STEP503の「YES」)、搬送部16の分岐部材16aにより収納部30に振り分けられ、当該搬送部16から収納部30に送られることによりこの収納部30に収納される(STEP504)。表示部40のカウンタ表示部42や操作表示部60のモニタ等には、収納部30に収納された紙幣の枚数が表示される。また、紙幣入金機10aに設けられた記憶部には、収納部30に収納された各紙幣の記番号や当該記番号の画像データ、収納部30に収納された紙幣の枚数等の情報が記憶される。一方、識別部20により識別された紙幣のうち所定の発行国における所定の金種の紙幣ではないものは(STEP503の「NO」)、搬送部16の分岐部材16aにより投出部18に振り分けられ、リジェクト紙幣として当該搬送部16から投出部18に送られる(STEP505)。店員は、投出部18に集積されたリジェクト紙幣を、投出口18aを介して取り出すようになる。
上述したSTEP501〜STEP505の動作は、投入部14に投入された紙幣が全て収納部30に収納されるか投出部18に送られるまで繰り返し行われる(STEP506の「YES」)。そして、投入部14に投入された紙幣が全て収納部30に収納されるか投出部18に送られると(STEP506の「NO」)、紙幣入金機10aにおける紙幣の入金処理が完了する。
また、本実施の形態の紙幣入金機10aでは、上述した紙幣の入金処理を行う際に、店員は予め自分の担当者番号を操作表示部60に入力するようになっている。そして、紙幣の入金処理が行われると、紙幣入金機10aの記憶部には、入金処理の結果(具体的には、収納部30に収納された各紙幣の記番号や記番号の画像データ、収納部30に収納された紙幣の枚数等の情報)と、操作表示部60により手入力された店員の担当者番号とが紐付けられて記憶される。このことにより紙幣入金機10aの制御部において、識別部20により識別された紙幣の真偽判定を行わなくても、収納部30に収納された紙幣において偽券等が含まれている場合にどの店員が入金処理を行ったかを後で追跡することができるようになる。
なお、店員が自分の担当者番号を操作表示部60に入力する代わりに、店員が携帯するIDカード等を読み取るハンディタイプのスキャナやカードリーダ等の読取機を紙幣入金機10aに設けておき、この読取機によって店員が携帯するIDカード等を読み取ることにより制御部において店員の担当者番号が取得されるようになっていてもよい。
また、本実施の形態の紙幣入金機10aでは、当該紙幣入金機10aの記憶部に、偽券の紙幣の記番号をブラックリストとして登録しておいてもよい。この場合には、紙幣入金機10aにおいて紙幣の入金処理が行われる際に、識別部20により識別された紙幣の記番号が、記憶部に登録されているブラックリストの紙幣の記番号と一致するときには、当該紙幣をリジェクト紙幣として投出部18に送るとともに、ブラックリストに登録される紙幣の記番号と一致する旨の警告メッセージを操作表示部60等に表示する。また、紙幣入金機10aの制御部において、識別部20により識別された紙幣の記番号が、記憶部に登録されているブラックリストの紙幣の記番号と一致する蓋然性が高いと判断されたときには、操作表示部60において識別部20により取得された紙幣の記番号部分の画像とブラックリストに登録されている紙幣の記番号とをそれぞれ表示させることにより、この操作表示部60によって紙幣が偽券であるか否かの入力を行うことができるようになっていてもよい。この場合には、入力された情報に基づいて、紙幣入金機10aにおいてこの紙幣を収納部30および投出部18のうち何れか一方に振り分けることができるようになる。
なお、第3の実施の形態の紙幣入金機10aによる上述した紙幣の入金処理方法を、紙幣以外の紙葉類(具体的には、商品券や小切手等)の入金処理を行う紙葉類入金機に適用してもよい。この場合には、紙葉類入金機において紙葉類の入金処理を行う際に、店員は予め自分の担当者番号を当該紙葉類入金機に入力する。そして、紙葉類入金機において紙葉類の入金処理が行われると、この紙葉類入金機の記憶部には、入金処理の結果(具体的には、収納部に収納された各紙葉類の画像データ等)と、紙葉類入金機に入力された店員の担当者番号とが紐付けられて記憶される。このことにより紙葉類入金機において紙葉類の入金処理が行われたときに、収納部に収納された紙葉類において偽造券等の問題のある紙葉類が含まれている場合にどの店員が紙葉類の入金処理を行ったかを後で追跡することができるようになる。