JP2015200315A - 内燃機関のタービン軸に取り付けるピニオンを作成する方法 - Google Patents

Abstract

【課題】タービン軸上にピニオンを取り付けるための普遍的な方法を提供することである。【解決手段】内燃機関のタービン軸に取り付けられるピニオンＰであって、前記ピニオンが、単一片で作成され、前記タービン軸にねじ式に留める軸方向ねじ山を有し、軸方向穴Ｈのねじ切り部分の直径Ｄより大きい直径ＤＥを有する中央穴をピニオンの軸方向端Ｅ側の限定延長部分ＥＡ３に形成し、かつ、軸方向端Ｅに平行に少なくとも1つのパーシャルカットＣ１、Ｃ２、Ｃ３を形成することで、円盤ばねを一体化／規定する。【選択図】図１Ｂ

Description

本発明は、内燃機関のタービン運動の伝達に関連する構成要素を取り付ける方法、詳細にはタービンのそれぞれの軸へのピニオンの取付けに関する。

一般に、タービン軸上にピニオンを備えたタービンは、内燃機関の駆動シャフトに接続され、ターボコンパウンドシステムのスキーマとそれぞれの代替実施形態を実現するものである。

自動車分野におけるタービンの軸は、比較的細く、８〜２０ｍｍの直径を有する。ピニオンは、この軸にスプライン結合される。

そのような細い軸には、軸自体を弱めることになるため、軸型の溝付きカップリングは使用できない。

可能性のある既知でない解決策によれば、ピニオンをタービン軸にねじ式に留めることができるが、タービンがターボコンパウンド構成の場合には、タービンが、機械式トルクを生成しそのトルクを駆動シャフトに伝える段階と、駆動シャフトがタービンを駆動する段階とがあることを考慮しなければならない。２つの段階のいずれでも、ねじ山の方向によって、ピニオンが、シャフトから緩む可能性がある。

半径方向ピン又は合わせピンは、タービンによって達成される回転速度でシャフト自体を支持する軸受の高速摩耗を決定する質量の偏りを引き起こすので、使用できない。

この問題のため、最も広く普及している取付け方法は、「押し嵌め」型のものであり、即ち、ピニオンが、力によってタービン軸と係合し、分解できない単一片となり、したがって、破壊して部品を分離するかピニオンを加熱しなければならない。

そのような解決策は、最善ではない。

したがって、本発明の目的は、それぞれのタービン軸上にピニオンを取り付けるための普遍的な方法を提供することである。

本発明の根底にある概念は、ピニオンの本体自体内に円盤ばねを作成することである。

本発明によるピニオンは、単一片で作成され、互いに環状で軸対称を有する２つの部分を含み、外側部分は、歯が付けられ、内側部分は、部分的にねじ山が設けられた同軸穴を有し、したがって、ピニオンを、タービン軸上に作成された対応するねじにねじ式に留めることができる。

内側部分は、外側部分より大きい延長部分を有し、したがって、ピニオンの対称軸に従う端部の少なくとも一方が、歯付き部分に対して突出する。内側部分のそのような突出部分は、所定の限定延長部分に関して、そのような限定延長部分の対応関係で、他のねじ切り部分より大きい直径を有する中央穴と、端部自体の平行線に従う少なくとも１つのパーシャルカットとを有する。

様々なカットが、同一の平行線上又は互いに平行な平行線上に適切な角度ずらされて、引き続きかつ不連続的に作成されることが好ましい。

したがって、そのような端部は、軸方向圧縮を受けた場合に弱化され、円盤ばねと同じ挙動を有すると考えられる。

そのようなピニオンの特性を利用して、固定式当接リングナットと、前述の同軸穴のねじ山と相補形の隣接ねじ山とを有するタービン軸を作成可能である。

ピニオンをタービン軸にねじ式に留めることによって、前述のピニオンの少なくとも一方の端部が、固定式当接リングナットと接触したとき、そのような端部が圧縮され変形して圧縮エネルギーを蓄積し始める。

そのような圧縮エネルギーは、それぞれのタービンの正常機能中にピニオン自体に加わるトルクによってピニオンが緩むのを防ぐ。

本発明の更なる代替実施形態によれば、パーシャルカットは、内側部分の平行線にしたがって、またねじ切りされる穴の同軸部分の対応関係で作成され、ピニオンは、軸方向に圧縮されるか引っ張られ、その後で同軸穴内に雌ねじが作成される。

したがって、ねじ山ピッチの小さい局所的変化が得られ、これにより、タービンの軸上のピニオンの締付け摩擦が有利に増大する。

本発明の第１の目的は、請求項１により、内燃機関のタービン軸に取り付けられるピニオンを作成する方法である。

本発明の別の目的は、前述の方法に対応するピニオンである。

更に、本発明の更に他の目的は、前述のピニオンを含むタービンと、前記タービンを含む内燃機関である。

特許請求の範囲は、好ましい実施形態について述べるこの記述の一体部分である。

本発明の更に他の目的及び利点は、好ましい実施形態（及びその代替実施形態）の以下の詳細な説明と、単に実例であり非制限的な添付図面とから明らかになる。

本発明によるピニオンの軸方向図である。 本発明によるピニオンの側面図である。 前述のピニオンが取り付けられるように設計されたそれぞれのタービン軸の側面図である。 図１Ｂに示されたピニオンの好ましい代替実施形態を示す図である。

図では、同じ参照番号と文字は、同じ要素又は構成要素を示す。

本発明の目的であるピニオンＰの軸方向図を示す図１Ａと、同じピニオンの側面図を示す図１Ｂを参照すると、ピニオンが、軸Ｘによる軸対称を規定することが分かり、
更に、単一片で作成されるが、
−内径Ｄのねじ切り部分ＴＨ１を有する同軸穴、一般に貫通穴Ｈを有する第１の内側部分１と、
−歯が付けられ第１の部分に対して環状の第２の外側部分２とを有し、
第１の部分１は、第２の部分の軸方向延長部分ＥＡ２より大きい軸方向延長部分ＥＡ１を有する。

より大きな設備については、それらは単一片に作成されるが、第１の部分は軸方向及び第２の部分は環状として定義される。

軸方向部分の少なくとも１つの端Ｅ及び／又はＦは、環状部分に対する軸方向に突出する。

そのような突出部分は、特に図の端部Ｅを参照すると、所定の限定延長部分ＥＡ３に関して、そのような限定延長部分ＥＡ３の対応関係で、軸方向穴Ｈの他のねじ切り部分の直径Ｄより大きい直径を有する中央穴と、端部Ｅ自体の平行線に従う少なくとも１つのパーシャルカットＣ１，Ｃ２，Ｃ３とを有する。

円筒形状では、「平行線」の概念は明らかであり、円筒自体の対称軸と直角に交差する平面に従う円筒の円周方向である。

図１Ａでは、パーシャルカットＣ２は、太い線によって示される。

パーシャルカットという用語は、第１の部分１の周囲全体に影響を及ぼさないが、好ましくは１８０°より小さい部分に影響を及ぼすカットとして設計されるべきあることに注意されたい。

図１Ａから、パーシャルカットＣ１，Ｃ２，Ｃ３は、外側から貫通穴Ｈに達することが分かる。

様々なカットは、Ｃ１，Ｃ２が、同一平行線上に引き続きかつ不連続で作成されるか、（Ｃ１，Ｃ２），Ｃ３が、互いに平行な平行線上に適切な角度ずらされて作成されることが好ましい。

したがって、そのような端部Ｅは、弱化され、軸方向圧縮を受けた場合に円盤ばねのように挙動する。

図２を参照すると、タービンＳＨの軸は、ねじ切り部分ＴＨ２と、固定式リングナットＢとを有し、固定式リングナットＢは、ピニオンＰの弱化端部Ｅのための停止点を規定する。

したがって、本発明によれば、ピニオンは、環状部分２に対して軸方向に突出する軸方向部分１の端部Ｅを有する単一体で作成され、また大きい直径ＤＥを有する非ねじ切り部分ＥＡ３より小さい直径Ｄを有するねじ切り部分を有する同軸穴Ｈを備える。この非ねじ切り部分は、突出端部Ｅの対応関係で作成される。更に、この非ねじ切り部分は、弱化されたカットＣ１，Ｃ２，Ｃ３を備える。換言すると、端部Ｅは、円盤ばねを規定するように機械加工される。

機械加工作業に関して、ピニオンを作成するために機械加工が行われる順序は関係ない。

例えば、環状部分２の歯付けは、円盤ばねを規定する端部Ｅを作成した後で行われてもよい。

例えば、同軸穴Ｈは、様々なカットＣ１，Ｃ３，Ｃ３の前に作成されても後に作成されてもよく、同じことは、それぞれのねじ切り部分にも延長部ＥＡ３の穴の直径の拡張にも有効である。

有利には、端部Ｅは、より大きい弾性を有し、したがって、ピニオンの好ましくない緩みを有効に防止する締め付けトルクをかけることができる。

ピニオンを交換しなければならない場合は、ピニオンを破壊したり加熱したりせずに、適切なトルクを加えることによっていつでも外すことができる。

図３を参照すると、本発明の好ましい代替実施形態が示され、軸方向部分１の１つ又は複数の平行線に従う１つ又は複数のパーシャルカットＧ１，Ｇ２，Ｇ３が、端部Ｅ及び／又はＦ上に、ねじ山ＴＨ１を備えるように意図される軸方向穴Ｈの対応関係で作成される。

この場合、最初に前記１つ又は複数の更に他のパーシャルカットＧ１，Ｇ２，Ｇ３を作成し、次にピニオンを軸方向に圧縮又は牽引し、その後で雌ねじＴＨ１を作成することが好ましい。

したがって、軸方向穴Ｈが既に存在する場合、軸方向穴Ｈがねじ式に留められるように意図される、即ち直径Ｄを有する場所にカットＧ１，Ｇ２，Ｇ３が作成される。

図３は、２つの連続したカットＧ１及びＧ２が、前述の端部Ｅと反対側の端部Ｆに作成されたことを示す。

また、パーシャルカットＧ１，Ｇ２，Ｇ３は、外側から同軸Ｈに達することができるように作成される。

したがって、カットＧ１は、ピニオンの軸方向弾性を高め、それにより、ピニオンが圧縮又は牽引される一方でねじ山を作成することによって、それぞれ局所的に大きいか又は小さいピッチを有するねじができる。

これにより、ピニオンが軸から間違って緩むのを防ぐのに有利な軸ＳＨ上のピニオンの締付けトルクが増大する。

端部のうちの一方の端部（Ｅ）だけに円盤ばねを作成してもよいが、パーシャルカットＧ１〜Ｇ３は、端部Ｅ，Ｆ又は両方に作成されてもよい。これは、ねじの局所的変化が、ねじ山ＴＨ１のどの箇所でもその機能を果たすからである。

本発明の他の代替及び等価な実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく実施するように考案され縮小されうることは当業者に明らかである。

以上の記述から、当業者は、更なる構造詳細について述べることなく本発明を実施することができる。様々な好ましい実施形態において述べた要素と特徴は、本出願の範囲から逸脱することなく組み合わされうる。先行技術の説明で述べたことは、詳細な説明で明示的に除外されない限り、本発明の特徴との組み合わせで考慮されるべきであり、本発明の一体部分となる。

更に、先行技術の説明で開示された特徴は、既知の先行技術の存在に関する宣言としてではなく、本発明をよりよく理解するために紹介されている。

１ 軸方向部分
２ 歯付き部分
Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３ パーシャルカット
Ｄ，ＤＥ 直径
Ｅ，Ｆ 軸方向端部
ＥＡ１，ＥＡ２，ＥＡ３ 軸方向延長部分
Ｈ 同軸穴
Ｐ ピニオン
ＳＨ 軸
ＴＨ１ 雌ねじ、ねじ山

Claims (14)

1. 内燃機関のタービン軸に取り付けるピニオン（Ｐ）を作成する方法であって、タービンの前記軸（ＳＨ）にピニオンをねじ式に留める軸方向ねじ（ＴＨ１）を備えた前記ピニオンを単一片で作成する少なくとも１つの段階を含み、前記ピニオンの軸方向端部（Ｅ）が、円盤ねじを一体化／規定する方法。
2. 同軸穴（Ｈ）を有する軸方向部分（１）を作成する段階と、
   前記軸方向部分（１）に対して環状の歯付き部分（２）を作成する段階であって、前記軸方向部分（１）が、前記第２の部分（２）の前記軸方向延長部分（ＥＡ２）より大きい軸方向延長部分（ＥＡ１）を有し、前記軸方向延長部分（ＥＡ１）が、前記歯付き部分（２）に対して軸方向に突出し前記円盤ばねを規定する前記ピニオン（Ｐ）の前記軸方向端部（Ｅ，Ｆ）を規定する段階と、
   前記同軸穴（Ｈ）にねじ山（ＴＨ１）を作成する段階と、
   前記突出端部（Ｅ）の限定された所定の延長部分（ＥＡ３）の前記同軸穴（Ｈ）の一部分を拡大して、前記他のねじ切り部分の直径（Ｄ）より大きい直径（ＤＥ）を得る段階と、
   前記軸方向端部（Ｅ）自体の平行線に従う少なくとも１つのパーシャルカット（Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３）を、限定された延長部分（ＥＡ３）の対応関係で作成する段階とを含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記パーシャルカット（Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３）が複数のとき、前記パーシャルカット（Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３）は、同じ平行線上又は異なる平行線上に引き続きかつ不連続的でよい、請求項２に記載の方法。
4. 前記パーシャルカットが異なる平行線上に配列されるとき、前記パーシャルカットが、角度的にずらされる、請求項３に記載の方法。
5. 前記ピニオンの前記ねじ山（ＴＨ１）と相補形のねじ山（ＴＨ２）と、前記円盤ばねが接触するように意図された固定式当接リングナット（Ｂ）とを有するタービン軸（ＳＨ）を作成する段階を更に含む、請求項１〜４のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記軸方向部分（１）の平行線に従う少なくとも１つの更に他のパーシャルカット（Ｇ１，Ｇ２，Ｇ３）を、前記少なくとも１つの突出端部（Ｅ）の対応関係と、ねじ切りされるように意図された同軸穴（Ｈ）の一部分の対応関係とで作成する段階と、
   前記ピニオン（Ｐ）に軸方向の牽引又は圧縮力を加える段階と、
   前記ねじ山（ＴＨ１）を作成する段階と、
   前記ピニオンから前記軸方向牽引又は圧縮力を除去する段階とを連続的に更に含む、請求項２〜５のいずれか一項に記載の方法。
7. 内燃機関のタービン軸（ＳＨ）に取り付けられるピニオン（Ｐ）であって、前記ピニオンが、単一片で作成され、前記タービンの前記軸（ＳＨ）にねじ式に留める軸方向ねじを備え、前記ピニオン（Ｐ）の軸方向端部（Ｅ）が、円盤ばねを一体化／規定するピニオン。
8. 前記ピニオン（Ｐ）は、
   ねじ山（ＴＨ１）を備えた貫通穴（Ｈ）と、所定の限定軸方向延長部分（ＥＡ３）用に非ねじ切り部分とを有する軸方向部分（１）と、
   前記軸方向部分（１）に対して環状の第２の歯付き部分（２）であって、前記軸方向部分（１）が、前記歯付き部分（２）の前記軸方向延長部分（ＥＡ２）より大きい軸方向延長部分（ＥＡ１）を有し、前記第２の歯付き部分（２）に対して軸方向に突出し、前記円盤ばねを一体化／規定する前記軸方向端（Ｅ）を規定する第２の歯付き部分（２）とを含み、
   前記非ねじ切り部分が、前記貫通穴（Ｈ）の他のねじ切り部分の直径（Ｄ）より大きい直径（ＤＥ）を有し、少なくとも１つのパーシャルカット（Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３）を、端部（Ｅ）自体の平行線にしたがって、そのような限定延長部分（ＥＡ３）の対応関係で有する、請求項７に記載のピニオン。
9. 前記パーシャルカット（Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３）が複数のとき、前記パーシャルカット（Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３）は、同じ平行線上又は異なる平行線上に引き続きかつ不連続的でよい、請求項８に記載のピニオン。
10. 前記パーシャルカットが、異なる平行線上に配列されるとき、前記パーシャルカットは、角度的にずらされる、請求項９に記載のピニオン。
11. 前記ピニオン（Ｐ）の前記ねじ山（ＴＨ１）と相補形のねじ山（ＴＨ２）と、前記円盤ばねが接触されるように意図される固定式当接リングナット（Ｂ）とを有するタービン軸（ＳＨ）を含む、請求項７〜１０のいずれか一項に記載のピニオン。
12. 前記ピニオン（Ｐ）が、少なくとも１つの更に他のパーシャルカット（Ｇ１，Ｇ２，Ｇ３）を、前記同軸穴（Ｈ）の前記ねじ切り部分の前記一部分の対応関係で、前記軸方向部分（１）の平行線にしたがって有し、前記ねじ山（ＴＨ１）が、前記更に他のパーシャルカットの対応関係で、ピッチの増大又は減少を有する、請求項８〜１１のいずれか一項に記載のピニオン。
13. 軸（ＳＨ）及びそれぞれのピニオン（Ｐ）と、請求項７〜１２のいずれか一項に記載のそれぞれの取付けシステムを含む内燃機関用のタービン。
14. 請求項１３に記載のタービンを含む内燃機関。

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