JP6482990B2 - カップリング - Google Patents
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Description
このカップリングは、一対の回転軸11,12における軸中心線のずれを吸収しながら両回転軸11,12を連結するもので、このカップリングは、一方の回転軸11を保持する一方の保持部13と、他方の回転軸12を保持する他方の保持部14とを備えるとともに、これら両保持部13,14を弾性部15で連結している。
したがって、回転軸11,12の軸中心線がずれていた場合でも、上記弾性部15が撓んでそのずれを吸収できる。
また、高速回転時に弾性部が破壊されてしまうと、その破片が遠心力によって勢いよく飛び散るという危険もあった。
このように連結部内で両回転軸の軸中心線のずれを吸収できるので、両連結部間の本体を剛体で構成することができる。このように、本体を剛体で形成できるので、本体の共振周波数を高くでき、高速回転に耐えることができる。
また、従来のように高速回転時に破壊された部品などが外方へ飛んでしまう危険もない。
また、本体1の外周には、スパナなどの工具を引っ掛けるための一対のDカット部1d,1dを形成し、上記筒部1b,1cの外周には、それぞれ雄ねじ1e,1fが形成されている。
また、上記本体1と、筒部1b,1cとの境に形成される段部を、一方の止め部1g,1hとしている。
このように雄ねじ1e,1fにはめた上記袋ナット2,3の内側には、上記一方の止め部1g,1hに対向する他方の止め部2c,3cを備えている。
なお、図中の符号2b,3bは、袋ナット2,3に形成した軸孔で、この軸孔2b,3bには、回転軸A1,A2(図5参照)を挿入する。
この軸保持部材4,5は、その外形を、図1〜4に示すように、軸方向の端部4a,5aと4b,5bとの中間がくびれた鼓状にして全体的には筒状にしている。
そして、軸保持部材4,5を筒部1b,1cに組み入れて袋ナット2,3を筒部1b,1cにはめたとき、軸保持部材4,5の一方の端部4a,5aが上記一方の止め部1g,1hに接触し、他方の端部4b,5bが上記他方の止め部2c,3cに接触する。
さらに、軸保持部材4,5の両端側外周が、上記筒部1b,1cの内壁に接触し、軸保持部材4,5がその直径方向にがたつかないようにしている。このようにしたので、軸保持部材4,5の両端部分が拡径方向に変形するのを阻止できる。
なお、図3は、軸保持部材4,5の一方の端部4a,5a側から見た平面図であり、図4は、図3のIV-IV線断面図である。
なお、図1では軸保持部材4,5の上記逃げ部4d,5dを省略している。
このような軸方向の力は、上記くびれ部に対応した作用部4cにおいて軸中心線C3(図5参照)に向かう力に変換される。
したがって、上記端部4a,4bが、軸保持部材4における止め部1g,2cに接触させたこの発明の一対の力点を構成している。
したがって、上記端部5a,5bが、軸保持部材5における止め部1h,3cに接触させたこの発明の一対の力点を構成している。
図5に示す一方の回転軸A1を、上記袋ナット2の軸孔2bから軸保持部材4の作用部4c内に挿入する。また、他方の回転軸A2を、上記袋ナット3の軸孔3bから軸保持部材5の作用部5c内に挿入する。
なお、上記軸保持部材4を硬質金属で形成すれば、作用部4cが弾性変形したとしても、回転軸A1に対する締め付け力を大きく保つことができる。
なお、軸保持部材4に、ゴムなどのいわゆる弾性部材を用いてもかまわないが、この場合には、作用部4cがわずかな力でも大きく変形してしまうので、大きな締め付け力を発揮させることができない。
上記のように、一対の回転軸A1,A2それぞれに対して、作用部4c,5cが弾性接触して、回転軸を締め付けるが、このとき、上記弾性接触可能な範囲内であれば、両回転軸間A1,A2のずれを吸収することができる。
このとき、上記本体1は剛体からなるので、共振周波数が高く、高速回転にも耐えられる。言い換えると、この第1実施形態では、両軸保持部材4,5で回転軸A1,A2のずれを吸収できるので、これらの間を剛体で構成することができ、高速回転にも耐えられるようになった。
このように、本体1と袋ナット2,3とを異質の材質にしたのは、ねじ結合部分でのかみつきを防止するためである。
なお、上記従来の弾性カップリングは、70000〔rpm〕で共振して破損し、カップリングとして機能しなくなってしまった。
ただし、作用部が3つの場合には、いずれの作用部4c,5cも回転軸の外周に必ず接触して、回転軸を安定して支持できるメリットがある。
さらに、上記逃げ部4d,5dは必須ではない。しかし、逃げ部4d,5dを設けずに、作用部4c,5cが円周状に連続した構成では、軸保持部材4,5に軸方向の力を作用させたとき、この軸方向の力の全てを、作用部4c,5cの全周が軸中心線に向かう力に変換させることができない。そのため、上記逃げ部4d,5dを設けない場合には、軸方向の力を締め付け力として集中させる効率が低下してしまう。
ただし、上記逃げ部4d,5dは、上記のように周方向のひずみを吸収できれば、その形態は問わない。
また、この第1実施形態では、上記筒部1b,1cと、袋ナット2,3と、軸保持部材4,5とで、この発明の連結部を構成する。
すなわち、この第2実施形態のカップリングも、袋ナット2,3を締め付けるだけで、両回転軸A1,A2の軸中心線のずれを吸収して両者を連結することができる。
また、第2実施形態のカップリングも、本体1を剛体で構成し、ばね機構を備えていないため、第1実施形態と同様に、高速回転になっても共振して破壊されることがない。
このようにボルト6,7を用いたので、筒部1b,1c内に雌ねじ1k,1mを形成し、ボルト6,7を筒部1b,1cに差し込むようにしている。
この第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様の構成要素には、上記第1実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明は省略する。この第3実施形態の軸保持部材4,5は、図2〜4に示す第1実施形態のものと同じである。
上記ボルト6,7は、それぞれ上記雌ねじ1k,1mと結合する雄ねじ6a,7aと、回転軸を挿入する軸孔6b,7bとを備えるとともに、このボルト6,7の締め付け方向先端には、ボルト6,7を上記雌ねじ1k,1mに結合したとき、本体1の止め部1g,1hと対向する止め部6c,7cを備えている。
また、筒部1c内には、軸保持部材5を組み込み、軸保持部材5の一対の力点となる端部5a,5bを上記止め部1hと止め部7cに接触させている。
なお、上記軸保持部材4,5は、各筒部1b,1cの雌ねじ1k,1mが形成されていない部分に組み込まれ、その外周が上記雌ねじ1k,1mに接触しないような寸法関係を保っている。このようにしたのは、軸保持部材4,5の外周が雌ねじ1k,1mに接触すると、軸保持部材4,5の軸線が傾いてしまって、回転軸に対する締め付け力に偏りが生じる可能性があるためである。
上記のようにした第3実施形態では、上記ボルト6,7の軸孔6b,7bから、作用部4c,5c内にそれぞれ回転軸を挿入し、ボルト6,7を締め付けるだけで、各軸作用部4c,5cが回転軸と弾性接触し、軸中心線のずれを吸収しながら対向する回転軸同士を連結できる。
さらに、この第3実施形態においても、一対の連結部を構成する部材の内径を、異なるものにすれば、直径の異なる回転軸同士を連結することができる。
1b 筒部
1c 筒部
1e 雄ねじ
1f 雄ねじ
1g 止め部
1h 止め部
1k 雌ねじ
1m 雌ねじ
2 袋ナット
2c 止め部
3 袋ナット
3c 止め部
4 軸保持部材
4a (力点)端部
4b (力点)端部
4c 作用部
4d 逃げ部
5 軸保持部材
5a (力点)端部
5b (力点)端部
5c 作用部
5d 逃げ部
6 ボルト
6c 止め部
7 ボルト
7c 止め部
A1,A2 回転軸
Claims (4)
- 本体の両端側に連結部を備え、これら連結部のそれぞれに回転軸を連結するカップリングであって、
上記本体は剛体で形成されるとともに、
少なくともいずれか一方の上記連結部は、
軸線方向に相対移動可能にした一対の止め部を対向させ、
これら止め部間に筒状の軸保持部材が組み込まれ、
この軸保持部材は、
上記止め部に接触させた一対の力点と、
これら一対の力点間において上記軸保持部材の周方向に沿った作用部とを備え、
この作用部は、上記一対の力点の間隔を狭くする軸方向の力が作用したとき、この軸保持部材に挿入された回転軸に対して弾性接触して、締め付け力を発揮する構成にしたカップリング。 - 上記作用部は周方向に等間隔に複数設けられるとともに、これら作用部と作用部との間には逃げ部が形成され、この逃げ部は、上記軸保持部材に発生した周方向のひずみを吸収する構成にした請求項1に記載のカップリング。
- 上記連結部には、上記軸保持部材を挿入する筒部が設けられ、この筒部は上記止め部に接触する上記軸保持部材の両側部分が拡径方向に変形するのを阻止する構成にした請求項1又は2に記載のカップリング。
- 上記筒部にねじが形成され、このねじに連結するねじ部材を備え、
一方の上記止め部が上記筒部内に設けられるとともに、
他方の上記止め部が上記ねじ部材に設けられ、
上記ねじ部材を締め付けることによって、一対の止め部の対向間隔を小さくして上記一対の力点の間隔を狭くする構成にした請求項3に記載のカップリング。
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