JP2015199629A - 封着材料、封着体 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成のときに発泡が生ずることを抑制可能な封着材料などを提供する。【解決手段】封着材料は、結晶性のビスマス系ガラス粉末を含む。そのビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示で、Bi2O3を33%以上45%以下、B2O3を20%以上32%以下、ZnOを28%以上43%以下、CuOを0.1%以上2.5%以下含み、ZnOのモル量をBi2O3のモル量で割った値が0.76以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、封着材料、および、封着体に関する。
ソーダライムガラスなどの被封着物を封着する封着材料(シール材)として、低融点ガラスが用いられている。たとえば、ビスマス系ガラス粉末に低膨張フィラーを混合したもの等が封着材料として使用されている。
封着材料には、非晶質タイプと結晶化タイプとがある。このうち、結晶化タイプの封着材料は、たとえば、結晶性のビスマス系ガラス粉末を含み、封着時に行われる熱処理によって、そのビスマス系ガラス粉末が結晶化する。このため、結晶化タイプの封着材料を用いて封着を行ったときには、封着後に再度行われる熱処理の際に、流動しにくい。したがって、結晶化タイプの封着材料は、プラズマディスプレイパネル(PDP)排気管などのように、封着後に再度熱処理が行われる場合において、多く用いられている(たとえば、特許文献1から4を参照)。
特開2006−321665号公報 特開2008−230943号公報 特開2009−173480号公報 国際公開2013/154193号
しかしながら、結晶性のビスマス系ガラス粉末は、真空状態において450〜550℃の温度で焼成等を行って封着層を形成したときに、その封着層に発泡が生じる場合がある。封着層に発泡が生じたときには、複数の泡がつながる場合がある。その結果、封着体は、内部と外部とが貫通して、十分に封止されない場合がある。
具体的には、ビスマス系ガラス中のビスマス元素は、容易に酸化および還元がされる元素である。また、真空状態は、強烈に還元が生じる雰囲気である。このため、ビスマス系ガラス中のビスマス元素は、還元によって、たとえば、3価から0価へと価数が変化する。また、封着の際には、たとえば、ビスマス系ガラス粉末を含む封着材料とバインダ樹脂と溶媒とが混合されたペーストを塗布した後に、熱処理でバインダ樹脂等を分解させる。このため、その分解で生じたカーボンなどの不純物が、熱処理後の塗布層に残存する場合がある。その結果、真空状態において再度熱処理するときに、その残存するカーボンなどの不純物がビスマス元素を還元して、CO、CO、Oなどのガスが発生する場合がある。そして、上記の封着材料を用いて封着体を作製したときには、その作製した封着体の気密性が低下する場合がある。
したがって、本発明は、焼成のときに発泡が生ずることを抑制可能な封着材料、および、その封着材料を用いた封着体を提供することを目的とする。
本発明の封着材料は、結晶性のビスマス系ガラス粉末を含む。そのビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示で、Biを33%以上45%以下、Bを20%以上32%以下、ZnOを28%以上43%以下、CuOを0.1%以上2.5%以下含み、ZnOのモル量をBiのモル量で割った値が0.76以上である。
本発明は、焼成のときに発泡が生ずることを抑制可能な封着材料、および、その封着材料を用いた封着体を提供できる。
図1は、本発明に係る実施形態において、複層ガラスを示す図である。 図2は、本発明に係る実施形態において、複層ガラスを示す図である。 図3は、本発明に係る実施形態の変形例において、複層ガラスを示す図である。 図4は、本発明に係る実施形態の変形例において、複層ガラスを示す図である。 図5は、本発明に係る実施形態の変形例において、複層ガラスを示す図である。 図6は、本発明に係る実施形態の変形例において、複層ガラスを示す図である。
以下より、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されない。
[A]封着材料
本実施形態において、封着材料(シール材)は、結晶性のビスマス系ガラス粉末を含むガラスフリットであって、被封着物を封着して封着体を作製するときに用いられる。
また、本実施形態において、封着材料は、ビスマス系ガラス粉末の他に、セラミックスフィラー粉末を更に含んでもよい。
以下より、封着材料を構成する各材料の詳細について、順次、説明する。
[A−1]ビスマス系ガラス粉末
本実施形態の封着材料において、ビスマス系ガラス粉末は、結晶性であって、被封着物を封着する時に行われる熱処理(一般に600℃以下)によって結晶が析出し、熱膨張係数が低下する。結晶の析出は、たとえば、示差熱分析(DTA)によって確認することができる。結晶性のビスマス系ガラス粉末は、例えば、Bi・ZnO・B結晶が析出するものである。
本実施形態において、ビスマス系ガラス粉末は、ガラス成分として、BiとBとZnOとCuOとを含む。
具体的には、本実施形態において、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示(酸化物換算)で、Biが33%以上45%以下であり、Bが20%以上32%以下であり、ZnOが28%以上43%以下であり、CuOが0.1%以上2.5%以下である。更に、上記のビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、ZnOのモル量([ZnO])をBiのモル量([Bi])で割った値が0.76以上である(つまり、[ZnO]/[Bi]≧0.76)。
詳細については後述するが、本実施形態の封着材料は、焼成のときに発泡が生ずることを抑制することができる。
好ましくは、上記のビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、更に、Alを含んでもよい。詳細については後述するが、この場合には、上記のビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示で、Alが0%を超え0.4%以下であることが好ましい。
好ましくは、上記のビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、LiOを含んでもよい。詳細については後述するが、この場合には、上記のビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示で、LiOが0%を超え5%以下であることが好ましい。
また、好ましくは、上記のビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、更に、MnOとCeOとの少なくとも一方を含んでもよい。詳細については後述するが、この場合には、CuOとMnOとCeOとの合計が0.1%を超え5%以下であることが好ましい。
また、上記のビスマス系ガラス粉末は、450℃以上550℃以下の温度で熱処理が行われることによって、BiZnB結晶を生ずることが好ましい。ビスマス系ガラスは、典型的には、熱膨張係数が100〜120×10−7/℃であって、熱膨張係数が被封着物(ソーダ石灰ガラスなど)よりも高く、両者の熱膨張係数は大きく異なっている。そのため、ビスマス系ガラスと被封着物とは、熱割れを起こすので、両者の間を接着することが困難になる場合がある。ただし、このビスマス系ガラスにおいて、BiZnB結晶は、熱膨張係数が60〜70×10−7/℃程度であるため、ビスマス系ガラスの熱膨張係数を大幅に下げることができる。その結果、上記のビスマス系ガラス粉末を含む封着材料で形成された封着層において、BiZnB結晶が主結晶となり他の結晶相よりも多い場合には、その封着層と被封着物との間が十分に接着される。
さらに、上記のビスマス系ガラス粉末の比重(真比重)が7.2以下であることが好ましい。この場合には、発泡を抑制する効果がある。Bi−B−ZnO−CuO系ガラスの比重は、主にビスマスの総量と相関がある。ビスマス系ガラス粉末の比重が上記の場合には、ビスマスの総量が相対的に少ないため、真空中で酸化還元反応が起こりにくくなり、発泡を抑制することができる。
上記のビスマス系ガラス粉末のガラス組成に関して、各成分等を、順次、詳細に説明する。
[A−1−1]Bi
Biは、単独ではガラス化しない酸化物であるが、他の酸化物と組み合わせることによってガラス化する必須成分である。上述したように、Biは、本実施形態では、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成において、モル%表示で33%以上45%以下である。
Biの含有割合が、上記の下限値より小さい場合には、ガラスの軟化点が上昇するため、600℃以下の低温下では封着ができない場合がある。このため、Biの含有割合は、モル%表示で、33.5%以上が好ましく、34%以上が更に好ましい。
この一方で、Biの含有割合が、上記の上限値より大きい場合には、ガラス化せずに、Biが析出する場合がある。このため、Biの含有割合は、モル%表示で、43%以下が好ましく、42%以下が更に好ましい。
[A−1−2]B
は、ガラス骨格を形成する必須成分である。上述したように、本実施形態では、Bは、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成において、モル%表示で20%以上32%以下である。
の含有割合が、上記の下限値より小さい場合には、ガラス化しない場合がある。このため、Bの含有割合は、モル%表示で、21%以上が好ましく、22%以上が更に好ましく、23%以上が特に好ましい。
この一方で、Bの含有割合が、上記の上限値より大きい場合には、ガラスが安定化しやすくなり、封着のときに結晶化が起こりにくくなる。このため、Bの含有割合は、モル%表示で、31.5%以下が好ましく、31%以下が更に好ましく、30.5%以下が特に好ましい。
[A−1−3]ZnO
ZnOは、ガラスを安定化させ、封着温度および溶解温度を低下させる必須成分である。ZnOは、熱膨張係数を下げる、Bi・ZnO・B結晶の主要成分である。上述したように、ZnOは、本実施形態では、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成において、モル%表示で28%以上43%以下である。
ZnOの含有割合が、上記の下限値より小さい場合には、Bi・ZnO・B結晶が析出しにくくなる。このため、ZnOの含有割合は、モル%表示で、29%以上が好ましく、29.5%以上が更に好ましく、30%以上が特に好ましい。
この一方で、ZnOの含有割合が、上記の上限値より大きい場合には、ガラス化が容易でなく、ガラスの耐水性が低下する場合がある。このため、ZnOの含有割合は、42%以下が好ましく、41%以下が更に好ましい。
[A−1−4]CuO
CuOは、真空状態での焼成において発泡の発生を抑制するために添加される必須成分である。残存するカーボンなどの不純物によってビスマス系ガラスが還元されることを、CuOの添加によって抑制可能である。その結果、還元によってCOなどのガスが発生することを、抑制することができる。
上述したように、CuOは、本実施形態では、モル%表示で、0.1%以上2.5%以下である。
CuOの含有割合が、上記の下限値より小さい場合には、上述した発泡の発生を十分に抑制することが困難な場合がある。このため、CuOの含有割合は、モル%表示で、0.2%以上が好ましく、0.3%以上が更に好ましい。
この一方で、CuOの含有割合が、上記の上限値より大きい場合には、封着のときに析出する結晶相が変化し、熱膨張係数が十分に低下しない場合がある。このため、CuOの含有割合は、モル%表示で、2.4%以下が好ましく、2.3%以下が更に好ましい。
[A−1−5][ZnO]/[Bi]について
本実施形態においてビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、上述したように、ZnOの含有割合([ZnO])を、Biの含有割合([Bi])で割った値が、0.76以上である(つまり、[ZnO]/[Bi]≧0.76)。
上記の値が、上述した下限値よりも小さい場合には、封止のときに結晶が十分に析出せずに、所望の熱膨張係数にならない場合がある。このため、この値は、0.78以上がより好ましく、0.8以上が特に好ましい。
なお、ZnOとBiとの含有割合を上記のように規定していることから判るように、この値の上限値は、1.30である(つまり、[ZnO]/[Bi]≦1.30)。
[A−1−6]Al
Alは、耐水性を改善するための成分である。
上述したように、Alは、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成において、モル%表示で、0%を超え0.4%以下であることが好ましい。
Alが含有していない場合には、結晶核がないため、封着のときに緻密な結晶が析出しづらくなる場合がある。
この一方で、Alの含有割合が、上記の上限値より大きい場合には、封着のときに結晶が析出しにくくなるため、熱膨張係数が十分に下がらない場合がある。
[A−1−7]CuOとMnOとCeOとの合計量について
本実施形態においてビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、上述したように、MnOとCeOとの少なくとも一方を含んでもよく、CuOとMnOとCeOとの合計が、モル%表示で、0.1%を超え5%以下であることが好ましい。
本実施形態では、CuOとMnOとCeOとのうち、CuOの含有割合([CuO])は、上述したように、モル%表示で0.1%以上である。このため、MnOの含有割合([MnO])は、0%以上4.9%以下であることが好ましく、CeOの含有割合([CeO])が0%以上4.9%以下であることが好ましい。そして、MnOとCeOとの少なくとも一方を含有することが好ましいため、CuOとMnOとCeOとの各含有割合を合計した値は、0.1%を超え5%以下であることが好ましい(つまり、[MnO]>0%の関係と[CeO]>0%の関係との少なくとも一方を満たす方が好ましいので、0.1%<[CuO]+[MnO]+[CeO]≦5%の関係を満たすことが好ましい)。
MnOとCeOとの両者は、CuOと同様に、真空状態での焼成において発泡の発生を抑制するために添加される成分である。残存するカーボンなどの不純物によってビスマスガラスが還元されることを、MnO、CeOによる多価元素の相互作用により、更に抑制可能である。その結果、還元によってCOなどのガスが発生することを更に抑制することができる。
CuOとMnOとCeOとの合計が、上記の下限値よりも小さいときには、上述した発泡の発生を十分に抑制することが困難な場合がある。このため、この合計の値は、モル%表示で、0.2%以上が好ましく、0.3%以上が更に好ましく、0.4%以上が特に好ましい。
この一方で、CuOとMnOとCeOとの合計が、上記の上限値より大きい場合には、封着のときに所望の結晶以外の結晶が析出し、封着材料の熱膨張係数が十分に低下しない場合がある。このため、この合計の値は、モル%表示で、4.5%以下が好ましく、4%以下が更に好ましい。
[A−1−8]Li
LiOは、本実施形態のビスマス系ガラス粉末において、少量でガラス転移温度を下げ、結晶化を促進する成分である。
上述したように、LiOは、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成において、モル%表示で、0%を超え5%以下であることが好ましい。
LiOの下限値は、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成において、モル%表示で、好ましくは0.1%以上であり、さらに好ましくは0.2%以上であり、特に好ましくは0.3%以上である。
LiOの上限値は、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成において、モル%表示で、好ましくは4.5%以下であり、さらに好ましくは4.0%以下であり、特に好ましくは3.5%以下である。LiOの含有割合が上記の上限値より大きい場合には、LiOを含む結晶が析出して、熱膨張係数が低いBiZnBが主結晶とならない場合がある。その結果、封着材料と被封着物との間で熱膨張係数が大きく異なり、両者が十分に接着しない場合がある。
[A−1−9]その他の特性など
本実施形態の封着材料において、結晶性のビスマス系ガラス粉末は、メディアン径(D50)が、0.5μm以上30μm以下であることが好ましい。メディアン径(D50)は、粒度分布において累積した割合(体積割合)が50%になる粒径を示す。
メディアン径(D50)が、上記の上限値よりも大きいときには、例えば、封着材料をペースト化する際に、ビスマス系ガラス粉末が沈降しやすくなる。このため、そのペーストを用いて形成したペースト膜において、ビスマス系ガラス粉末が不均一になる場合がある。ビスマス系ガラス粉末のメディアン径(D50)の上限値は、好ましくは28μm以下であり、さらに好ましくは25μm以下である。
一方で、メディアン径(D50)が上記の下限値未満であるときには、ビスマス系ガラス粉末のハンドリング性が悪化する。このため、たとえば、封着材料をペースト化する際に、ビスマス系ガラス粉末を均一に分散させることが困難になる場合がある。ビスマス系ガラス粉末のメディアン径(D50)の下限値は、好ましくは0.6μm以上であり、さらに好ましくは0.7μm以上である。
[A−2]セラミックスフィラー粉末
上述したように、本実施形態において、封着材料は、セラミックスフィラー粉末を更に含んでもよい。
セラミックスフィラー粉末を含む場合には、封着材料は、ビスマス系ガラス粉末が60体積%以上100体積%未満であり、セラミックスフィラー粉末が0体積%を超え40体積%以下であることが好ましい。これにより、被封着物と、封着材料を用いてその被封着物を封着した部分とにおいて、互いの熱膨張係数を容易に整合させることができる。
具体的には、セラミックスフィラー粉末は、アルミナ、ムライト、ジルコン、コーディエライト、チタン酸アルミニウム、β−スポデュメン、α−石英、およびβ−ユークリプタイトから選ばれる1種以上の粉末であることが好ましい。
特に、セラミックスフィラー粉末は、たとえば、コージェライトのように、ZnOを含まないものが好ましい。本実施形態の封着材料においては、上述したように、ビスマス系ガラス粉末には、ZnOが相対的に多く含まれている。このため、耐水性を維持するために、セラミックスフィラー粉末としては、ZnOを含まないものを使用することが好ましい。
セラミックスフィラー粉末は、メディアン径(D50)が0.5μm以上30μm以下であることが好ましい。
セラミックスフィラー粉末のメディアン径(D50)が上記の下限値未満であるときには、封着材料をペースト化する際にセラミックスフィラー粉末を均一に分散することが難しくなる場合がある。セラミックスフィラー粉末のメディアン径(D50)の下限値は、好ましくは0.6μm以上であり、さらに好ましくは0.7μmである。
セラミックスフィラー粉末のメディアン径(D50)が上記の上限値を超えるときには、封着材料を焼成して形成した焼成層の表面からセラミックスフィラー粉末が突出し、焼成層の表面の粗度が大きくなって悪化する場合がある。
[B]複層ガラス(封着体)
以下より、上述した封着材料を用いて封着された封着体の一例として、封着体の内部を真空状態とした複層ガラスについて説明する。複層ガラスとしては、内部が真空であるもの(例えば、1×10−1〜1×10−7Pa程度の真空度)の他に、内部が空気(Air)であるものや、空気をアルゴンやクリプトンなどの希ガスで置換したものがある。
図1,図2は、本発明に係る実施形態において、複層ガラスを示す図である。図1では、複層ガラスの一部を切り欠いた斜視図を示している。図2では、複層ガラスの側部断面図を示している。
図1,図2に示すように、複層ガラス10は、第1のガラス板11と、第2のガラス板12と、封着層13とを有する。複層ガラス10を構成する各部について、順次、説明する。
[B−1]第1のガラス板11,第2のガラス板12
複層ガラス10において、第1のガラス板11と第2のガラス板12との両者は、真空状態の間隙Gを介して対面している。
第1のガラス板11と第2のガラス板12とのそれぞれは、たとえば、ソーダ石灰ガラスで形成されている。
第1のガラス板11および第2のガラス板12の種類は、用途に応じて、任意に選択できる。たとえば、強化ガラス、熱線吸収ガラス、高透過ガラス、型板ガラス、低反射ガラス、すりガラス、熱線反射ガラス、Low−Eガラス、網入りガラス、線入りガラスなどの種々のガラスを適宜使用できる。具体的には、強化ガラスは、加熱処理、化学変性等によって表面に圧縮応力層が形成されたもの等である。熱線吸収ガラスは、コバルト、鉄、セレン、ニッケル等の微量金属がソーダ石灰ガラス成分に加えられたもの等である。高透過ガラスは、可視光域において均一な分光特性を有するように、不純物の量が低減されたもの等である。型板ガラスは、遮蔽性および意匠性を付与するために、ロールアウト法によって成形されて表面に独特な型模様が形成されたもの等である。低反射ガラスは、細かな凹凸が表面に設けられたもの等である。すりガラスは、遮蔽性および意匠性を付与するために、フロート法によって成形され、表面がスリ加工されたもの等である。熱線反射ガラスは、TiO膜やTiN膜等の膜が表面に形成されたもの等である。Low−Eガラスは低放射ガラスであり、フッ素がドープされた酸化スズなどの透明導電性酸化物膜が面に設けられたもの、酸化物と銀と酸化物とが積層された多層膜が面に設けられたもの等である。網入りガラスは、金網が内部に封入されたものであり、線入りガラスは、金属線が内部に封入されたものである。その他、ソーダ石灰ガラス以外のガラス種としては、ホウケイ酸ガラス、アルカリバリウムガラス、シリカガラス、リチウムアルミナケイ酸ガラス、ホウ酸塩ガラスでもよい。
第1のガラス板11および第2のガラス板12の厚みは、ガラスの種類、および、必要とされる機械的強度等の特性に応じて、任意であり、たとえば、0.1mm以上20mm以下程度である。
[B−2]封着層13
封着層13は、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間を封着している。
封着層13は、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間において周縁部分に設けられており、間隙Gを密閉することによって真空状態を保持させている。本実施形態では、封着層13は、上述した本実施形態の封着材料を用いて形成されている。
[B−3]製造方法
複層ガラス10の製造方法の一例について説明する。
上記の複層ガラス10を製造する際には、最初に、たとえば、上述した封着材料をビヒクル(バインダ,溶媒)に混合させたペーストを準備する。
つぎに、たとえば、第1のガラス板11の面において周縁に位置する部分に、そのペーストを塗布し乾燥することによって塗布層を形成する。そして、熱処理を行うことによって、その塗布層に含まれるバインダを分解して除去し、焼成層を形成する。
つぎに、第1のガラス板11と第2のガラス板12とを組み合わせた後に、上記焼成層を再度熱処理して結晶化させることによって、封着層13を形成する。
ここでは、熱処理温度は、たとえば、450℃以上、600℃以下の範囲であり、熱処理時間は、たとえば、10分以上、60分以下の範囲である。このように、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間を封着することによって、複層ガラス10を完成させる。
なお、レーザー光を用いて塗布層を局所的に加熱することによって、上記の熱処理を行ってもよい。
上述したように、本実施形態の封着材料は、耐水性が十分に高く、結晶化温度の変化が小さい。このため、本実施形態では、複層ガラス10において、高い気密性を実現することができる。
なお、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間の間隙Gは、たとえば、予め設けられた開口を介して減圧された後に、その開口が封止されることによって、真空状態に保持される。その他、真空雰囲気下で複層ガラス10の組み立てを行うことによって、間隙Gが真空状態に保持される。
[B−4]変形例
複層ガラス10は、上記の構成に限らず、他の形態であってもよい。
[B−4−1]変形例1
たとえば、複層ガラス10は、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間に、スペーサ(図示省略)を備えていてもよい。
スペーサは、たとえば、円柱状の圧力保持部材であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間の厚みを一定に保持し、両者に加わる大気圧荷重を支持する。スペーサは、たとえば、空隙Gに複数が間を隔てて設置される。スペーサは、たとえば、金属材料(鉄、銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル、クロム、および、チタン等)、合金材料(炭素鋼、クロム鋼、ニッケル鋼、ニッケルクロム鋼、マンガン鋼、クロムマンガン鋼、クロムモリブデン鋼、ケイ素鋼、真鍮、ハンダ、および、ジュラルミン等)、セラミックス材料、および、ガラス材料等の材料を用いて形成される。
[B−4−2]変形例2
図3から図6のそれぞれは、本発明に係る実施形態の変形例において、複層ガラスを示す図である。図3から図6のそれぞれにおいては、複層ガラスのうち側部の断面を拡大して示している。
図3から図6のそれぞれに示すように、複層ガラス10b〜10eは、上述した封着材料で形成した封着層13b〜13eの他に、シール部材21b〜21eを用いて、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間を封着されていてもよい。
各例について順次説明する。
[B−4−2−1]変形例2−1
図3に示すように、本変形例では、複層ガラス10bは、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間に、封着層13bが設けられている。ここでは、封着層13bとして、第1封着層131bと第2封着層132bとが形成されている。
第1封着層131bは、第1のガラス板11の上面に設けられている。第2封着層132bは、第2のガラス板12の下面に設けられている。つまり、第1封着層131bおよび第2封着層132bのそれぞれは、第1のガラス板11および第2封着層132bにおいて互いに対面する面のそれぞれに接着している。ここでは、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面(xy面)の方向において、第2封着層132bが第1封着層131bよりも周縁側に位置するように設けられている。そして、第1封着層131bと第2封着層132bとの間は、シール部材21bで連結されている。
シール部材21bは、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間に設けられている。シール部材21bは、第1接着部211bと第2接着部212bと連結部213bとを含む。シール部材21bは、たとえば、アルミニウムなどの金属材料で形成されており、第1のガラス板11および第2のガラス板12に加えられる応力を緩和するように構成されている。
シール部材21bのうち、第1接着部211bは、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面の方向(xy面に沿った方向)に沿っている。第1接着部211bは、下面が、第1封着層131bの上面に接着されている。そして、第1接着部211bの上面と、第2のガラス板12の下面との間には、間隙が介在している。
シール部材21bのうち、第2接着部212bは、第1接着部211bと同様に、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面(xy面)の方向に沿っている。第2接着部212bは、上面が、第2封着層132bの下面に接着されている。そして、第2接着部212bの下面と、第1のガラス板11の上面との間には、間隙が介在している。
シール部材21bのうち、連結部213bは、第1接着部211bと第2接着部212bとの間に形成されており、第1接着部211bと第2接着部212bとを連結している。ここでは、連結部213bは、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面の方向(xy面に沿った方向)に対して傾斜している。
[B−4−2−2]変形例2−2
図4に示すように、本変形例では、複層ガラス10cは、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間に、封着層13cが設けられている。ここでは、封着層13cとして、第1封着層131cと第2封着層132cとが形成されている。
第1封着層131cは、第1のガラス板11の上面に接着している。第2封着層132cは、第2のガラス板12の下面に接着している。第1封着層131cと第2封着層132cとの両者は、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面(xy面)の方向において、同じ位置に設けられている。そして、第1封着層131cと第2封着層132cとの間は、シール部材21cで連結されている。
シール部材21cは、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間に設けられている。シール部材21cは、第1接着部211cと第2接着部212cと連結部213cとを含む。シール部材21cは、たとえば、アルミニウムなどの金属材料で形成されており、第1のガラス板11および第2のガラス板12に加えられる応力を緩和するように構成されている。
シール部材21cのうち、第1接着部211cは、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面の方向(xy面に沿った方向)に沿っている。第1接着部211cは、下面が、第1封着層131cの上面に接着されている。
シール部材21cのうち、第2接着部212cは、第1接着部211cと同様に、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面(xy面)の方向に沿っている。第2接着部212cは、上面が、第2封着層132cの下面に接着されている。
シール部材21cでは、第1接着部211cの上面と第2接着部212cの下面との両者が、間隙を介して対面している。
シール部材21cのうち、連結部213cは、第1接着部211cと第2接着部212cとの間に形成されており、第1接着部211cと第2接着部212cとを連結している。ここでは、連結部213cは、断面が半円状であって、第1接着部211cおよび第2接着部212cのうち周縁側に位置する端部において、両者を連結している。
[B−4−2−3]変形例2−3
図5に示すように、本変形例では、複層ガラス10dには、封着層13dとして、第1封着層131dと第2封着層132dとが形成されている。
第1封着層131dは、第1のガラス板11の上面に設けられている。第2封着層132dは、第2のガラス板12の上面に設けられている。第1封着層131dと第2封着層132dとの両者は、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面(xy面)の方向において、同じ位置に設けられている。そして、第1封着層131dと第2封着層132dとの間は、シール部材21dで連結されている。
シール部材21dは、第1接着部211dと第2接着部212dと連結部213dとを含む。シール部材21dは、たとえば、アルミニウムなどの金属材料で形成されており、第1のガラス板11および第2のガラス板12に加えられる応力を緩和するように構成されている。
シール部材21dのうち、第1接着部211dは、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面の方向(xy面に沿った方向)に沿っている。第1接着部211dは、下面が、第1封着層131dの上面に接着されている。第1接着部211dの上面は、第2のガラス板12の下面との間に間隙が介在している。
シール部材21dのうち、第2接着部212dは、第1接着部211dと同様に、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面(xy面)の方向に沿っている。第2接着部212dは、下面が、第2封着層132dの上面に接着されている。
シール部材21dのうち、連結部213dは、第1接着部211dと第2接着部212dとの間に形成されており、第1接着部211dと第2接着部212dとを連結している。ここでは、連結部213dは、第1のガラス板11と第2のガラス板12とが互いが対面する方向zに直線状に沿った平面部分を含み、この平面部分の面が、第2のガラス板12の側面に対面している。また、連結部213dは、上記の平面部分の上方と下方とのそれぞれに断面が円弧状に形成された円弧部分を含み、円弧部分のそれぞれが、第1接着部211dと第2接着部212dとに連結している。
[B−4−2−4]変形例2−4
図6に示すように、本変形例では、複層ガラス10eには、封着層13dとして、第1封着層131eと第2封着層132eとが形成されている。
第1封着層131eは、第1のガラス板11の下面に設けられている。第2封着層132eは、第2のガラス板12の上面に設けられている。つまり、第1封着層131eと第2封着層132eとの両者は、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面とは反対側の面に設けられている。ここでは、第1封着層131eと第2封着層132eとの両者は、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面(xy面)の方向において、同じ位置に設けられている。そして、第1封着層131eと第2封着層132eとの間は、シール部材21eで連結されている。
シール部材21eは、第1接着部211eと第2接着部212eと連結部213eとを含む。シール部材21eは、たとえば、アルミニウムなどの金属材料で形成されており、第1のガラス板11および第2のガラス板12に加えられる応力を緩和するように構成されている。
シール部材21eのうち、第1接着部211eは、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面の方向(xy面に沿った方向)に沿っている。第1接着部211eは、上面が、第1封着層131eの下面に接着されている。
シール部材21eのうち、第2接着部212eは、第1接着部211eと同様に、板状であって、第1のガラス板11と第2のガラス板12とにおいて互いが対面する面(xy面)の方向に沿っている。第2接着部212eは、下面が、第2封着層132eの上面に接着されている。
シール部材21eのうち、連結部213eは、第1接着部211eと第2接着部212eとの間に形成されており、第1接着部211eと第2接着部212eとを連結している。ここでは、連結部213eは、第1のガラス板11と第2のガラス板12とが互いが対面する方向zに直線状に沿った平面部分を含み、この平面部分の面が、第1のガラス板11と第2のガラス板12の側面とに対面している。また、連結部213eは、上記の平面部分の上方と下方とのそれぞれに断面が円弧状に形成された円弧部分を含み、円弧部分のそれぞれが、第1接着部211eと第2接着部212eとに連結している。
[B−4−3]変形例3
本実施形態では、上述した封着材料を用いて第1のガラス板11と第2のガラス板12との間を封着することによって、複層ガラス10を形成する場合に関して説明しているが、これに限らない。上述した封着材料を用いてガラス板以外の被封着物を封着することによって、複層ガラス10以外の封着体を形成してもよい。
以下より、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例によって限定されない。
表1では、例1から例16のそれぞれについて示しており、例1から例15は、実施例であり、例16は、比較例である。
[サンプルの作製]
各例においては、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成が、表1に示す組成になるように、サンプルの作製を行った。
具体的には、表1に示すように、各酸化物を原材料として調合して白金坩堝に入れ、900〜1200℃,1時間の条件で原材料を溶融させた。そして、ロールアウトマシンを用いて、その溶融物を急冷することによって、ガラスカレットを作製した。その後、遊星ボールミルを用いて、そのガラスカレットを2時間粉砕することによって、ガラスフリットを作製し、サンプルを完成させた。
[比重、および、ガラス転移温度Tgの測定]
各例のサンプル(ガラスフリット)に関して、比重、および、ガラス転移温度Tgを測定した。
ここでは、比重測定器(島津製作所製、商品名:SGM300P)を用いて、水を用いたアルキメデス法により測定した。
また、ブルカー(BRUKER)社製のTG−DTA2000SAを用いて、ガラス転移温度Tgの測定を行った。
[フローボタン試験(泡面積の測定)]
各例のサンプルに関して、フローボタン試験(FB試験)を行うことによって、泡面積を測定した。
具体的には、まず、各例のサンプルを、フローボタンの金型(直径12.7mmの円柱状)に入れた。ここでは、サンプルの比重に一致する重量(つまり、比重グラム)のサンプルを計量して金型に入れた(たとえば、比重が7.0の場合は、7g)。つぎに、その金型においてサンプルをプレスして成形した。つぎに、その成形したサンプルを、ソーダライムガラス基板の面上に載せて焼成を行った。焼成は、真空度が1×10〜1×10−4Paである真空雰囲気において、焼成温度が500℃であって、焼成時間が30分間である条件で行った。その後、焼成体であるサンプルの表面を研磨した(1mm厚程度)。そして、その研磨後のサンプルの表面に存在する泡の面積を求めた後に、単位面積(10mm×10mm=1cm)当たりの泡の面積(mm/cm)を算出した。
表1に示すように、例1から例15では、例16の場合よりも、焼成体の表面に存在する泡の面積(mm/cm)が顕著に小さい。このため、例1から例15の封着材料は、焼成のときに発泡が生ずることを抑制することができる。
なお、例4の封着材料では、ビスマス系ガラス粉末のガラス成分として、LiOを含有している。このため、例4の封着材料では、結晶化が、他の例の場合よりも促進されるので、ガラスの流動性が低下する。その結果、例4では、焼成体の表面に存在する泡の面積(mm/cm)が他よりも更に小さい。したがって、例4の封着材料は、焼成のときに発泡が生ずることを更に効果的に抑制することができる。
例7の封着材料では、Bの含有量に対するZnOの含有量の比(ZnO/B)が、1.00より小さい。このため、例7においては、四面体構造であるBO結晶が比較的多くなるので、ガラスの構造が安定になる。その結果、例7では、組成が類似している例6および例8よりも焼成体の表面に存在する泡の面積(mm/cm)が更に小さい。したがって、例7の封着材料は、焼成のときに発泡が生ずることを更に効果的に抑制することができる。
例10の封着材料では、ビスマス系ガラス粉末のガラス成分として、CuOの含有割合とCeOの含有割合とが同等である。CuOとCeOは、発泡を抑制することが可能な成分であると共に酸化剤であり、両者を同等の割合で含有させたときには、発泡の発生を更に十分に抑制することできる。このため、例10では、焼成体の表面に存在する泡の面積(mm/cm)が他よりも更に小さい。したがって、例10の封着材料は、焼成のときに発泡が生ずることを更に効果的に抑制することができる。
例11の封着材料では、ビスマス系ガラス粉末のガラス成分として、CuOの含有割合とMnOの含有割合とが同等である。CuOとMnOは、発泡を抑制することが可能な成分であると共に酸化剤であり、両者を同等の割合で含有させたときには、発泡の発生を更に十分に抑制することできる。このため、例11では、焼成体の表面に存在する泡の面積(mm/cm)が他よりも更に小さい。したがって、例11の封着材料は、焼成のときに発泡が生ずることを更に効果的に抑制することができる。
Figure 2015199629
また、8×10−5Pa程度の真空度とした複層ガラスに、本発明の封着材料を用いて封着を行ったとき、気密性が良好な真空複層ガラスが得られた。
10,10b〜10e…複層ガラス(封着体)、11…第1のガラス板、12…第2のガラス板、13,13b〜13e…封着層

Claims (10)

  1. 結晶性のビスマス系ガラス粉末を含む封着材料であって、
    前記ビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示で、
    Biを33%以上45%以下、
    を20%以上32%以下、
    ZnOを28%以上43%以下、
    CuOを0.1%以上2.5%以下
    含み、
    ZnOのモル量をBiのモル量で割った値が0.76以上であることを特徴とする、
    封着材料。
  2. セラミックスフィラー粉末
    を更に含み、
    前記ビスマス系ガラス粉末が60体積%以上100体積%未満であり、
    前記セラミックスフィラー粉末が0体積%を超え40体積%以下である、
    請求項1に記載の封着材料。
  3. 前記ビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示で、
    Alが0%を超え0.4%以下である、
    請求項1または2に記載の封着材料。
  4. 前記ビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示で、
    LiOが0%を超え5%以下である、
    請求項1から3に記載の封着材料。
  5. 前記ビスマス系ガラス粉末のガラス組成は、モル%表示で、
    CuOとMnOとCeOとの合計が0.1%を超え5%以下である、
    請求項1から4のいずれかに記載の封着材料。
  6. 前記ビスマス系ガラス粉末は、450℃以上550℃以下の温度で熱処理が行われることによって、BiZnB結晶を生ずる、
    請求項1から5のいずれかに記載の封着材料。
  7. 前記ビスマス系ガラス粉末の比重が、7.2以下である、
    請求項1から6のいずれかに記載の封着材料。
  8. 前記セラミックスフィラー粉末は、アルミナ、ムライト、ジルコン、コーディエライト、チタン酸アルミニウム、β−スポデュメン、α−石英、およびβ−ユークリプタイトから選ばれる1種以上の粉末である、
    請求項2に記載の封着材料。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の封着材料を用いて封着されていることを特徴とする、
    封着体。
  10. 第1のガラス板と、
    間隙を介して前記第1のガラス板に対面して配置されている第2のガラス板と、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間を封着している封着層と
    を有する複層ガラスであって、
    前記封着層が前記封着材料を用いて形成されていることを特徴とする、
    請求項9に記載の封着体。
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