JP2015198255A - 粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法ならびに粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、2コンポーネント構成部分としての射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法および射出成形された樹脂結合型永久磁石 - Google Patents

粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法ならびに粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、2コンポーネント構成部分としての射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法および射出成形された樹脂結合型永久磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂内の磁性粒子が配向用磁石によって最適に配向され、ひいては構成部品コストがあまりかからないような方法を提供する。【解決手段】a)工具10が、磁石体30と、キャビティ20に隣接した壁領域40とを有し、b)粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂を、流動性の状態でキャビティ内に射出するステップと、c)磁石体を用いて熱硬化性樹脂に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップと、d)壁領域のアクティブな冷却を終了させるステップと、e)熱硬化性樹脂55の架橋が終了するまで、加熱装置を用いて壁領域を熱硬化性樹脂の架橋温度にまで加熱するステップと、f)加熱装置を遮断するステップと、g)熱硬化性樹脂を凝固させるステップと、h)凝固された熱硬化性樹脂を離型させるステップとを実施する。【選択図】図1

Description

本発明は、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法ならびに粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、2コンポーネント構成部分としての射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法および射出成形された樹脂結合型永久磁石に関する。
熱可塑性樹脂と磁性粉末とから成る樹脂結合型永久磁石(Polymer Bonded Magnets, PBM)は、既にモータ、センサ装置またはアクチュエータ装置のための多くの射出成形プロセスにおいてシリーズ式に使用されている。しかし、熱硬化性のエポキシ樹脂材料からも、たとえば国際公開第2002/069357号パンフレットに開示されているように、種々異なる磁性粉末バリエーションと相まって、高出力型の永久磁石が圧縮成形法または射出成形法で製造される。一般に云えることは、このような磁石は多くの周辺環境において使用され得ることである。なぜならば、射出成形された熱硬化性の構成部分は水を吸収せず、かつ化学的な架橋によって高い耐媒体性および耐熱性を有するからである。
独国特許第2756626号明細書には、電気機械用のロータを製造する手段が説明されている。この場合、特にシャフトに装着された、周方向で多極式に横方向で磁化された円筒状の永久磁石体の形の電気機械用のロータについて記載されている。この永久磁石体は、樹脂と混合された粉末状の磁性材料からトランスファ成形プロセスまたは射出成形プロセスにおいて、成形工具(型)内で成形され、次いで磁化される。
熱硬化性樹脂の場合には、粉末の粒子の高い充填度は問題とならない。材料は、高い粘度を有する大きな粉末含量においても、射出成形工具のキャビティにまで流れる。しかし、比較的高い架橋温度に基づいた熱硬化性樹脂の加工の際の高い工具温度は、組み込まれた配向用磁石にとっては厳しい条件となる。それにもかかわらず最適な規定磁力が保証され得るようにするためには、配向用磁石が規則的なサイクルで交換されなければならない。このような手間は、エポキシ樹脂材料にかかる高い材料価格と相まって、あとでかかる構成部品コストを高める。
国際公開第2002/069357号パンフレット 独国特許第2756626号明細書
本発明の課題は、冒頭で述べた、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法を改良して、熱硬化性樹脂内の磁性粒子が配向用磁石によって最適に配向され、ひいては構成部品コストがあまりかからないような方法を提供することである。
この課題を解決するために本発明の第1の方法では、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法であって、:
a)キャビティを備えた射出成形用の工具を準備するステップであって、該工具が、磁石体と、前記キャビティに隣接した壁領域とを有し、該壁領域が、加熱装置によって少なくとも部分的に加熱可能に形成されている、射出成形用の工具を準備するステップと、
b)粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂を、流動性の状態で前記キャビティ内に射出するステップと、
c)前記磁石体を用いて熱硬化性樹脂に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップであって、前記ステップb)または当該ステップc)の少なくともいずれか一方のステップの時間の間、前記壁領域のアクティブな冷却を行うステップと、
d)前記壁領域のアクティブな冷却を終了させるステップと、
e)熱硬化性樹脂の架橋が終了するまで、前記加熱装置を用いて前記壁領域を熱硬化性樹脂の架橋温度にまで加熱するステップと、
f)前記加熱装置を遮断するか、または前記加熱装置によって架橋温度よりも下の予め規定された温度にまで前記壁領域の温度を低下させるステップと、
g)射出された熱硬化性樹脂を凝固させるステップと、
h)凝固された熱硬化性樹脂を離型させるステップと、
を有するようにした。
さらに上記課題を解決するために本発明の第2の方法では、射出成形可能な樹脂と、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂とから成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石であって、該樹脂結合型永久磁石が2コンポーネント構成部分として構成されている樹脂結合型永久磁石を製造する方法であって:
a)工具内部に形状付与領域を備えた射出成形用の工具を準備するステップであって、該工具が、磁石体と、前記形状付与領域に隣接した壁領域とを有し、該壁領域が、加熱装置によって少なくとも部分的に調温可能に形成されている、射出成形用の工具を準備するステップと、
b)前記形状付与領域の範囲へスライダを位置決めし、これにより第1のキャビティを形成するステップと、
c)前記壁領域内に予め規定された温度が達成されるまで、該壁領域をアクティブに冷却するステップと、
d)射出成形可能な樹脂を流動性の状態で前記第1のキャビティ内に射出するステップと、
e)前記壁領域内に予め規定された第2の温度が達成されるまで、該壁領域をアクティブに冷却し、次いで該壁領域のアクティブな冷却を終了させて、凝固された射出成形可能な樹脂により、前記第1のキャビティ内に第1のコンポーネントを形成するステップと、
f)前記スライダを第2の位置へ移動させて、これによって自由になった空間により、第2のキャビティを形成するステップと、
g)粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂を、流動性の状態で前記第2のキャビティ内に射出するステップと、
h)前記磁石体を用いて熱硬化性樹脂に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップであって、前記ステップg)および当該ステップh)の時間の間、前記壁領域のアクティブな冷却を行うステップと、
i)前記壁領域のアクティブな冷却を終了させるステップと、
j)熱硬化性樹脂の架橋が終了するまで、前記加熱装置を用いて前記壁領域を熱硬化性樹脂の架橋温度にまで加熱するステップと、
k)前記加熱装置を遮断するか、または前記加熱装置によって架橋温度よりも下の予め規定された温度にまで前記壁領域の温度を低下させるステップと、
l)射出された熱硬化性樹脂を凝固させるステップと、
m)凝固された2コンポーネント構成部分を離型させるステップと、
を有するようにした。
本発明の第1の方法および第2の方法には、次のような利点がある。すなわち、射出成形工具内での射出された流動性の熱硬化性樹脂の遅延された架橋により、キャビティがまず(完全に)満たされ得るようになり、そしてそれと同時に工具の前記壁領域のアクティブな冷却に基づき、熱硬化性樹脂の架橋がなお阻止されている間、熱硬化性樹脂内の磁性粒子が配向用磁石によって最適に配向され、こうして高い永続的な磁力が形成され得る。さらに、工具内に組み込まれた配向用磁石や、基体の形態の封入支持体が、高い工具温度によって永続的に熱負荷されなくなり、これにより、好ましくは損傷が阻止され、配向用磁石のための交換・保守インターバルが、相応して従来よりも長く設定され得る。さらに、本発明による方法によって、射出成形された樹脂結合型永久磁石が、種々異なる磁気配向を有するような射出成形された構成部分も製造され得る。この場合、磁化のためには、それぞれ異なる配向を有する複数の磁界が使用される。この目的のためには、射出成形工具内に複数の配向用磁石が設けられていなければならない。これらの配向用磁石は、射出された熱硬化性樹脂における対応する領域に、その磁気配向に関して影響を与える。
本発明による方法の別の利点は、射出成形された樹脂結合型永久磁石の形状が極めて自由にデザインされ得ることである。特に、射出成形された樹脂結合型永久磁石のための薄い肉厚も実現され得る。この場合、これまでは、大きな剪断力に基づいて小さな肉厚を有する領域に摩擦熱が生じ、この摩擦熱が、熱硬化性樹脂の望ましくない早期架橋を招いていた。このような早期架橋が生じると、引き続き行われる永久磁石の磁化において磁性充填剤がもはや配向され得なくなり、その結果、これらの領域では、射出成形された樹脂結合型永久磁石の磁力が減少されていた。
さらに、請求項8に記載の本発明の第2の方法を用いると、射出成形された樹脂結合型永久磁石が、廉価な樹脂から多くのジオメトリバリエーションでかつ2コンポーネント構成部分として、たとえば予め射出成形工具の外部で形成された基体または第1の方法ステップで射出成形工具内に形成された樹脂体を有する2コンポーネント構成部分として、唯1つの射出成形工具によって製造され得る。射出成形工具外部で形成された基体ならびに射出成形工具内部で形成された樹脂体は、本発明による方法において射出された熱硬化性樹脂と、射出成形工具内で合体されるので、これによって形成された、本発明による射出成形された樹脂結合型永久磁石は、極めて正確な形状許容誤差を持って製造され得る。
本発明の第2の方法により射出された熱硬化性樹脂は、キャビティの充填時における正の収縮率(膨張)によって調節され得る。これにより、特に2コンポーネント射出成形法の変化形において、両コンポーネントの間の極めて密な結合が、高い寸法精度を持って形成され得る。磁性粉末の高い充填含量を有する熱硬化性樹脂は、流動性の状態でも極めて良好な流動性(水の流動性に類似)を有する。これにより、キャビティの(完全な)充填が容易にされている。これに対して付加的に、本発明による方法を用いて、射出成形された樹脂結合型永久磁石の磁気配向後にまで早期架橋が阻止されることに基づき、好ましくは高い磁力を有する極めて小型でかつ精巧な構成部分も製造され得る。
本発明の本質的思想は、流動性の状態における射出された熱硬化性樹脂の架橋を、キャビティの前記壁領域を射出時およびキャビティの充填後に熱硬化性樹脂の架橋温度よりも下にアクティブに冷却することにより、極めて長く抑制し、これにより、流動性の状態での熱硬化性樹脂の磁化が終了するまで、熱硬化性樹脂の磁気充填剤が、磁石体の磁界の作用を受けて極めて均一に配向され得るようにすることである。その後に、アクティブな冷却は終了されるので、加熱装置の作用により熱硬化性樹脂の凝固が行われ得る。引き続き、冷却された構成部分が取り出される。これにより、本発明により形成された、射出成形された樹脂結合型永久磁石は、極めて均一でかつ実質的にいかなる個所においても等しい強さを有する磁界を有する。これとは異なり、公知先行技術では、熱硬化性樹脂が流動性の状態で直接に高温の射出成形工具内に射出され、この場合、熱硬化性樹脂との接触面の温度は極めて高いので、射出時に工具のキャビティに向かう方向で直接に架橋が開始し、これにより、熱硬化性樹脂の磁性充填剤の磁気配向は、配向のための磁石体が磁性充填剤を所望通りに配向し得る前に、熱硬化性樹脂の凝固に基づき阻止されてしまう。さらに、前で説明したことは、永久磁石の磁界が、流動路端部において徐々に悪化することを意味する。
本発明の枠内で「アクティブな冷却」とは、特にキャビティもしくは形状付与領域の壁領域から、公知先行技術に基づき当業者に知られているような任意の冷却装置を用いて熱を積極的に導出することを意味する。本発明によれば、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂を流動性の状態でキャビティ内に射出することにより、熱硬化性樹脂によってキャビティを完全に満たすことができる。これに対して択一的な別の態様では、キャビティの完全な充填とは異なるキャビティのあらゆる別の充填度も、本発明による方法により実現され得る。特に、キャビティは流動性の状態における予め規定された熱硬化性樹脂容量で充填され得る。さらに、本発明による方法では、熱硬化性樹脂の架橋が終了するまで加熱装置を用いて前記壁領域を熱硬化性樹脂の架橋温度にまで加熱するステップの後に加熱装置を遮断する代わりに、加熱装置を用いて前記壁領域の温度を架橋温度よりも下の予め規定された温度にまで低下させることができる。
本発明による第1の方法の別の態様では、前記壁領域のアクティブな冷却のステップを、複数の冷却通路に冷却媒体を通流させることにより行うことができる。この場合、冷却通路は、工具の前記壁領域に隣接して形成されている。冷却媒体は、公知先行技術から知られている全ての媒体、たとえば水、オイルまたは種々異なる液体の混合物、特に水・グリコール混合物を包含することができる。冷却通路は、工具の前記壁領域に関して、第1に、加熱された壁領域の迅速な排熱が得られるように、第2に、工具の作動中に生じる力やモーメントに対する十分に高い強度が存在し、これにより、負荷を受けた場合のキャビティの壁領域の弾性変形ができるだけ少なくなるように配置されている。
本発明による第1の方法では、加熱装置が、電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータから形成されていてよい。工具のキャビティを巡るように、電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータが配置されており、この電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータは、バリオサーム式に架橋温度、特に130℃〜180℃の範囲まで加熱され得る。加熱セラミックスはキャビティの壁領域の表面のすぐ下で工具内に取り付けられる。厚膜ヒータは好適にはキャビティの表面に被着されて、相応する金属層で被覆される。本発明の択一的な別の態様では、工具のキャビティ近傍の壁領域が、液状の媒体によっても、または抵抗加熱装置によっても、または誘導式にも、調温され得る。
本発明による第1の方法のさらに別の態様では、熱硬化性樹脂が、50バール〜100バールの範囲の圧力でキャビティ内に射出され得る。キャビティ内のこのような内圧は、セラミックヒータのために最適である。なぜならば、この場合、キャビティの撓み、ひいては破損を招く恐れのある高い変形力が生じないからである。
本発明による第1の方法のさらに別の態様では、工具が、さらに熱硬化性樹脂をキャビティ内に射出するための少なくとも1つの流入部を有していてよい。この場合、前記ステップb)の時間の間、前記流入部のアクティブな冷却が行われる。すなわち、キャビティ内への流入部の領域のためには、同じく、キャビティの充填時に流入部の領域において、流動性の状態で射出された熱硬化性樹脂の架橋が阻止されることが確保される。したがって、この時間の間、流入部の横断面に関しては、公知先行技術の場合のように流入部の壁領域において、周面領域で硬化された熱硬化性樹脂によって流入部の横断面が狭められてしまう危険が生じることなしに、加圧下にある熱硬化性樹脂が流動性の状態で完全にキャビティの方向に移動させられることが確保される。
本発明による第1の方法では、前記壁領域のアクティブな冷却が、加熱装置の遮断後に行なわれ得る。これにより、工具内で、射出成形された樹脂結合型永久磁石の連続的な製造が行われる。本方法を用いると、熱硬化性樹脂から成る射出成形された樹脂結合型永久磁石を、大きな個数で連続的な生産プロセスにおいて製造することが可能である。これにより、本発明による永久磁石の経済的な製作が確保されている。
本発明による第1の方法のさらに別の態様では、前記ステップb)およびc)の時間の間、前記磁石体を用いて熱硬化性樹脂に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップのために、前記壁領域のアクティブな冷却が行なわれ得る。この場合、両ステップb)およびc)の時間の間、前記壁領域のアクティブな冷却が実施されるので、本方法の前で述べた利点が実現され得る。
さらに、本発明によれば、前述したように、射出成形可能な樹脂と、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂とから成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石であって、該樹脂結合型永久磁石が2コンポーネント構成部分として構成されている樹脂結合型永久磁石を製造する方法(第2の方法)が提供される。
本発明による第2の方法の別の態様では、スライダが、第2の加熱装置を有していてよい。この第2の加熱装置は、スライダの内部で、該スライダの、移動時に前記キャビティと接触する領域に隣接して配置されている。この第2の加熱装置は、熱硬化性樹脂の架橋温度の範囲内の温度間隔にスライダを加熱するために使用されるので、架橋を意図的に導入することができる。
本方法では、壁領域のアクティブな冷却のステップが、複数の冷却通路に冷却媒体を通流させることにより行なわれ得る。この場合、冷却通路は、前記形状付与領域もしくは前記壁領域に隣接して形成されている。冷却媒体は、公知先行技術から知られている全ての媒体、たとえば水、オイルまたは種々異なる液体の混合物、特に水・グリコール混合物を包含していてよい。冷却通路は工具の前記形状付与領域もしくは前記壁領域に関して、第1に、加熱された壁領域の迅速な排熱が得られるように、第2に、工具の作動中に生じる力やモーメントに対する十分に高い強度が存在し、これにより、負荷を受けた場合のキャビティの壁領域の弾性変形ができるだけ少なくなるように配置されている。
本方法のさらに別の態様では、加熱装置が電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータから形成され得る。工具の形状付与領域もしくはキャビティを巡るように、電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータが配置されており、この電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータは、バリオサーム式に架橋温度、特に130℃〜180℃の範囲まで加熱され得る。加熱セラミックスは形状付与領域の壁領域の表面のすぐ下で工具内に取り付けられる。厚膜ヒータは好適には形状付与領域もしくはキャビティの表面に被着されて、相応する金属層で被覆される。本方法の択一的な別の態様では、工具の形状付与領域近傍もしくはキャビティ近傍の壁領域が、液状の媒体によっても、または抵抗加熱装置によっても、または誘導式にも、調温され得る。
2コンポーネント構成部分として構成されている、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する本発明の第2の方法のさらに別の変化形では、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂を、流動性の状態でキャビティ内に射出する前に、永久磁石のための基体がキャビティ内に導入され得る。この場合、基体は射出された熱硬化性樹脂と共にその凝固後に一体的な構成部分を形成する。
本発明の第2の方法のさらに別の態様では、前記ステップg)およびh)の時間の間、前記磁石体を用いて熱硬化性樹脂に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップのために、前記壁領域のアクティブな冷却が行なわれ得る。この場合、前記両ステップg)およびh)の時間の間、壁領域のアクティブな冷却が実施されるので、本方法の前で述べた利点が実現され得る。
この変化形では、基体と、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂とから成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石であって、該樹脂結合型永久磁石が2コンポーネント構成部分として構成されている樹脂結合型永久磁石を製造する方法であって、:
a)工具内部にキャビティを備えた射出成形用の工具を準備するステップであって、該工具が、磁石体と、前記キャビティに隣接した壁領域とを有し、該壁領域が、加熱装置によって少なくとも部分的に調温可能に形成されているステップと、
b)前記キャビティ内に基体を導入し、かつ前記工具を閉じるステップと、
c)粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂を、流動性の状態で前記キャビティ内に射出するステップと、
d)磁石体を用いて熱硬化性樹脂に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップであって、前記ステップc)および当該ステップd)の時間の間、前記壁領域のアクティブな冷却を行うステップと、
e)前記壁領域のアクティブな冷却を終了させるステップと、
f)熱硬化性樹脂の架橋が終了するまで、前記加熱装置を用いて前記壁領域を熱硬化性樹脂の架橋温度にまで加熱するステップと、
g)前記加熱装置を遮断するか、または前記加熱装置によって架橋温度よりも下の予め規定された温度にまで前記壁領域の温度を低下させるステップと、
h)射出された熱硬化性樹脂を凝固させるステップと、
i)凝固された2コンポーネント構成部分を離型させるステップと、
を有することを特徴とする、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法が提供される。
本発明による射出成形された樹脂結合型永久磁石は、同じく前で挙げた利点を有する。
本発明により、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する工具の原理図である。 永久磁石が、外部で製造された基体を備えた2コンポーネント構成部分として構成されている、本発明により射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する工具の原理図である。 永久磁石が、2コンポーネント構成部分として構成されている、本発明により射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する別の工具を、第1の方法段階で示す原理図である。 図3に示した、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する工具を、第2の方法段階で示す原理図である。
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
図1には、本発明により、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂から成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造するための工具(型)の原理図が示されている。本方法を実施するためには、工具10が使用される。この工具10は第1の工具半部11と第2の工具半部12とを有する。しかし、射出成形工具の構造は2つの半部に限定されているわけではなく、2つよりも多い構成部分をも包含することができる。
射出成形された樹脂結合型永久磁石を形成するためには、工具10の内部が、キャビティ20と、磁石体30と、キャビティ20に隣接した壁領域40とを有する。さらに、壁領域40は加熱装置50によって少なくとも部分的に加熱可能に形成されている。好ましくは、壁領域40全体が加熱装置50によって加熱可能である。加熱装置50は、電気的な加熱セラミックス(図示しない)または厚膜ヒータ(図示しない)から形成されていてよい。工具10のキャビティ20を巡るように、電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータが配置されており、この電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータは、バリオサーム式に架橋温度、特に130℃〜180℃の範囲にまで加熱され得る。加熱セラミックスは、キャビティ20の壁領域40の表面のすぐ下で工具10内に組み込まれる。厚膜ヒータは、好適にはキャビティ20の表面に被着されて、相応する金属層(図示しない)で被覆される。本方法の択一的な別の実施形態では、工具10のキャビティ近傍の壁領域40が、液状の媒体(図示しない)によって、または抵抗加熱(図示しない)によって、または誘導式にも、調温され得る。
さらに、工具10は、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂55をキャビティ20内に射出するための流入部80を有する。この場合、熱硬化性樹脂55が流動性の状態でキャビティ20内に射出される時間の間、流入部80のアクティブな冷却が行われる。すなわち、キャビティ20内への流入部80の領域のためには、同じく、キャビティ20の充填時に流入部80の領域において、流動性の状態で射出された熱硬化性樹脂55の架橋が阻止されることが確保される。したがって、この時間の間、流入部80の横断面に関しては、公知先行技術の場合のように流入部80の壁領域において、周面領域で硬化された熱硬化性樹脂55によって流入部80の横断面が狭められてしまう危険が生じることなしに、加圧下にある熱硬化性樹脂55が流動性の状態で完全にキャビティ20の方向に移動させられることが確保される。
壁領域40のアクティブな冷却は、多数の冷却通路60,70に冷却媒体(図示しない)を通流させることにより行われる。この場合、冷却通路60,70は工具10の壁領域40に隣接して形成されている。冷却媒体は、公知先行技術に基づき知られている全ての媒体、たとえば水、オイルまたは種々異なる液体の混合物、特に水・グリコール混合物を包含することができる。冷却通路60,70は工具10の壁領域40に関して、第1に、加熱された壁領域40の迅速な排熱が得られるように、第2に、工具の作動中に生じる力やモーメントに対する十分に高い強度が存在し、これにより、負荷を受けた場合のキャビティ20の壁領域40の弾性変形ができるだけ少なくなるように配置されている。
このような射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造するためには、まず熱硬化性樹脂55が、流動性の状態でキャビティ20内に射出され、この場合、熱硬化性樹脂55は、キャビティ20が完全に満たされるまで射出される。その後に、磁石体30を用いて熱硬化性樹脂55に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界(図示しない)が印加される。この場合、熱硬化性樹脂55が流動性の状態でキャビティ20内に射出されかつ配向磁界が印加される時間の間、壁領域40のアクティブな冷却が行われる。引き続き、壁領域40のアクティブな冷却が終了される。次いで、壁領域40は、加熱装置50を用いて熱硬化性樹脂55の架橋温度にまで加熱され、この場合、壁領域40は、熱硬化性樹脂55の架橋が終了するまで加熱され、その後に、加熱装置50は遮断される。最後に、キャビティ20内で射出された熱硬化性樹脂55の凝固が生じ、その後に、凝固された熱硬化性樹脂55は、射出成形された樹脂結合型永久磁石として、エジェクタ90を用いて工具10から取り出され得る。
好ましくは、本方法では、熱硬化性樹脂が、50バール〜100バールの範囲内の圧力でキャビティ20内に射出される。キャビティ20内のこのような内圧は、加熱装置50、特にセラミックヒータのために最適となる。なぜならば、この場合、撓みや破壊を招く恐れのある高い変形力が生じないからである。
図2には、本発明による射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する工具(型)110の原理図が示されている。この場合、永久磁石は、外部で製造された基体95を有する2コンポーネント構成部分として構成されている。基体95は、粒子状の磁性材料を含有する射出された熱硬化性樹脂55と共に、この熱硬化性樹脂55の凝固後に一体的な構成部分を形成する。工具110はやはり第1の工具半部111と第2の工具半部112とを有する。しかし、射出成形工具の構造は、2つの半部に限定されているわけではなく、2つよりも多い構成部分を有していてもよい。
射出成形された樹脂結合型永久磁石を形成するためには、工具110の内部が、キャビティ220と、磁石体130と、キャビティ220に隣接した壁領域140とを有する。さらに、壁領域140は加熱装置150によって少なくとも部分的に加熱可能に形成されている。好ましくは、壁領域140全体が加熱装置150によって加熱可能である。加熱装置150は、電気的な加熱セラミックス(図示しない)または厚膜ヒータ(図示しない)から形成されていてよい。工具110のキャビティ220を巡るように、電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータが配置されており、この電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータは、バリオサーム式に架橋温度、特に130℃〜180℃の範囲にまで加熱され得る。加熱セラミックスは、キャビティ220の壁領域140の表面のすぐ下で工具110内に組み込まれる。厚膜ヒータは、好適にはキャビティ220の表面に被着されて、相応する金属層(図示しない)で被覆される。本方法の択一的な別の実施形態では、工具110のキャビティ近傍の壁領域140が、液状の媒体(図示しない)によって、または抵抗加熱(図示しない)によって、または誘導式にも、調温され得る。
さらに、工具110は、熱硬化性樹脂55をキャビティ220内に射出するための流入部280を有する。この場合、熱硬化性樹脂55が流動性の状態でキャビティ220内に射出される時間の間、流入部280のアクティブな冷却が行われる。すなわち、キャビティ220内への流入部280の領域のためには、同じく、キャビティ220の充填時に流入部280の領域において、流動性の状態で射出された熱硬化性樹脂55の架橋が阻止されることが確保される。したがって、この時間の間、流入部280の横断面に関しては、公知先行技術の場合のように流入部280の壁領域において、周面領域で硬化された熱硬化性樹脂55によって流入部280の横断面が狭められてしまう危険が生じることなしに、加圧下にある熱硬化性樹脂55が流動性の状態で完全にキャビティ220の方向に移動させられることが確保される。
壁領域140のアクティブな冷却は、多数の冷却通路200,210に冷却媒体(図示しない)を通流させることにより行われる。この場合、冷却通路200,210は工具110の壁領域140に隣接して形成されている。冷却媒体は、公知先行技術に基づき知られている全ての媒体、たとえば水、オイルまたは種々異なる液体の混合物、特に水・グリコール混合物を包含することができる。冷却通路200,210は工具110の壁領域140に関して、第1に、加熱された壁領域140の迅速な排熱が得られるように、第2に、工具の作動中に生じる力やモーメントに対する十分に高い強度が存在し、これにより、負荷を受けた場合のキャビティ220の壁領域140の弾性変形ができるだけ少なくなるように配置されている。
射出成形された樹脂結合型永久磁石の製造の第1のステップは、キャビティ220内への基体95を導入し、かつ工具110を閉じることである。その後に、熱硬化性樹脂55が、流動性の状態でキャビティ220内に射出され、この場合、熱硬化性樹脂55は、キャビティ220が完全に満たされるまで射出される。引き続き、磁石体130を用いて熱硬化性樹脂55に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界(図示しない)が印加される。この場合、熱硬化性樹脂55が流動性の状態でキャビティ220内に射出されかつ配向磁界が印加される時間の間、壁領域140のアクティブな冷却が行われる。引き続き、壁領域140のアクティブな冷却は終了される。次いで、壁領域140は、加熱装置150を用いて熱硬化性樹脂55の架橋温度にまで加熱され、この場合、壁領域140は、熱硬化性樹脂55の架橋が終了するまで加熱され、その後に、加熱装置150は遮断される。最後に、キャビティ220内の射出された熱硬化性樹脂55の凝固が生じ、その後に、凝固された熱硬化性樹脂55が、基体95と共に、2コンポーネント構成部分として、エジェクタ90を用いて工具110から取り出され得る。
好ましくは、本方法では、熱硬化性樹脂55が、50バール〜100バールの範囲内の圧力でキャビティ220内に射出される。キャビティ220内のこのような内圧は、加熱装置150、特にセラミックヒータのために最適となる。なぜならば、この場合、撓みや破壊を招く恐れのある高い変形力が生じないからである。
図3には、本発明による射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造するさらに別の工具250の原理図が、第1の方法段階において示されている。この場合、永久磁石は、2コンポーネント構成部分として構成されている。
工具250は、第1の工具半部251と第2の工具半部252とを有する。しかし、射出成形工具の構造は、2つの半部に限定されているわけではなく、2つよりも多い構成部分を有していてもよい。さらに、工具250は、この工具250の内部に位置する形状付与領域120と、磁石体130と、形状付与領域120に隣接した壁領域140とを有する。壁領域140は加熱装置150によって少なくとも部分的に調温可能に形成されている。これに対して付加的に、工具250はスライダ160を有する。このスライダ160は第2の工具半部252内に支承されていて、この第2の工具半部252内に案内される。スライダ160の操作は、機械機構(図示しない)またはアクチュエータ(図示しない)によって行われる。スライダ160は開始時に形状付与領域120の範囲内で出発位置に位置しており、これにより工具250の内部に第1のキャビティ170が形成される。第1の工具半部251は、射出成形可能な樹脂を流動性の状態で第1のキャビティ170内に射出するための第1の流入部115を有する。この場合、射出成形可能な樹脂を流動性の状態で第1のキャビティ170内に射出する時間の間、第1の流入部115のアクティブな冷却が行われる。すなわち、第1のキャビティ170内への第1の流入部115の領域のためには、同じく、第1のキャビティ170の充填時に第1の流入部115の領域において、流動性の状態で射出された射出成形可能な樹脂の架橋が阻止されることが確保される。したがって、この時間の間、第1の流入部115の横断面に関しては、公知先行技術の場合のように第1の流入部115の壁領域において、周面領域で硬化された射出成形可能な樹脂によって第1の流入部115の横断面が狭められてしまう危険が生じることなしに、加圧下にある射出成形可能な樹脂が流動性の状態で完全に第1のキャビティ170の方向に移動させられることが確保される。
本発明による射出成形された樹脂結合型永久磁石の製造の第1のステップは、形状付与領域120の範囲へスライダ160を位置決めすることである。これにより、第1のキャビティ170が形成される。その後に、壁領域140において予め規定された温度が達成されるまで、壁領域140のアクティブな冷却が行われる。壁領域140はこの場合、冷却媒体(図示しない)を用いて、約60℃〜90℃に調温される。引き続き、射出成形可能な樹脂、特に熱可塑性の樹脂が流動性の状態で第1のキャビティ170内に射出され、この場合、この射出は、第1のキャビティ170が完全に充填されるまで行われる。それと同時に、壁領域140において予め規定された第2の温度(好ましくは30℃〜40℃)が達成されるまで、壁領域140のアクティブな冷却が行われ、その後に、壁領域140のアクティブな冷却は終了され、この場合、凝固された射出成形可能な樹脂は第1のキャビティ170内に第1のコンポーネント175を形成する。
壁領域140のアクティブな冷却は、多数の冷却通路200,210に冷却媒体(図示しない)を通流させることにより行われる。この場合、冷却通路200,210は工具250の形状付与領域120もしくは壁領域140に隣接して形成されている。冷却媒体は、公知先行技術に基づき知られている全ての媒体、たとえば水、オイルまたは種々異なる液体の混合物、特に水・グリコール混合物を包含することができる。冷却通路200,210は工具250の壁領域140に関して、第1に、加熱された壁領域140の迅速な排熱が得られるように、第2に、工具の作動中に生じる力やモーメントに対する十分に高い強度が存在し、これにより、負荷を受けた場合の第1のキャビティ170(ならびに第2のキャビティ、図4参照)の壁領域140の弾性変形ができるだけ少なくなるように配置されている。
図4には、図3に示した、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造するさらに別の工具250の原理図が、第2の方法段階において示されている。スライダ160は第2の加熱装置190を有する。この第2の加熱装置190はスライダ160の内部で、このスライダ160の、移動時に第1のキャビティ170と第2のキャビティ(以下に説明する)とに接触する領域に配置されている。
第2の方法段階の内容は、スライダ160を第2の位置へ移動させることである。これにより自由となった空間によって第2のキャビティ180が形成される。次いで、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂155が、流動性の状態で、第2の工具半部252内に形成されている第2の流入部185を介して第2のキャビティ180内に射出され、この場合、熱硬化性樹脂155の射出は、第2のキャビティ180が完全に満たされるまで行われる。引き続き、磁石体130を用いて熱硬化性樹脂155に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界(図示しない)が印加される。この場合、熱硬化性樹脂155が流動性の状態で第2のキャビティ180内に射出され、かつ磁気的な優先方向を発生させる配向磁界が印加される時間の間、壁領域140のアクティブな冷却が行われる。次いで、壁領域140のアクティブな冷却は終了される。その後に、壁領域140は、加熱装置150,190を用いて熱硬化性樹脂155の架橋温度にまで加熱され、この場合、壁領域140は、熱硬化性樹脂155の架橋が終了するまで加熱される。次いで、加熱装置150は遮断され、その結果、射出された熱硬化性樹脂155が凝固させられる。最後に、凝固された熱硬化性樹脂155は、第1のコンポーネント175と共に、射出成形された樹脂結合型永久磁石のための2コンポーネント構成部分として、工具250から取り出され得る。
10,110,250 工具
11,111,251 第1の工具半部
12,112,252 第2の工具半部
20,220 キャビティ
30,130 磁石体
40,140 壁領域
50,150,190 加熱装置
55,155 熱硬化性樹脂
80,280 流入部
60,70,200,210 冷却通路
90 エジェクタ
95 基体
115 第1の流入部
120 形状付与領域
160 スライダ
170 第1のキャビティ
175 第1のコンポーネント
180 第2のキャビティ
185 第2の流入部

Claims (13)

  1. 粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂(55)から成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法であって、:
    a)キャビティ(20)を備えた射出成形用の工具(10)を準備するステップであって、該工具(10)が、磁石体(30)と、前記キャビティ(20)に隣接した壁領域(40)とを有し、該壁領域(40)が、加熱装置(50)によって少なくとも部分的に加熱可能に形成されている、射出成形用の工具(10)を準備するステップと、
    b)粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂(55)を、流動性の状態で前記キャビティ(20)内に射出するステップと、
    c)前記磁石体(30)を用いて熱硬化性樹脂(55)に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップであって、前記ステップb)または当該ステップc)の少なくともいずれか一方のステップの時間の間、前記壁領域(40)のアクティブな冷却を行うステップと、
    d)前記壁領域(40)のアクティブな冷却を終了させるステップと、
    e)熱硬化性樹脂(55)の架橋が終了するまで、前記加熱装置(50)を用いて前記壁領域(40)を熱硬化性樹脂(55)の架橋温度にまで加熱するステップと、
    f)前記加熱装置(50)を遮断するか、または前記加熱装置(50)によって架橋温度よりも下の予め規定された温度にまで前記壁領域(40)の温度を低下させるステップと、
    g)射出された熱硬化性樹脂(55)を凝固させるステップと、
    h)凝固された熱硬化性樹脂(55)を離型させるステップと、
    を有することを特徴とする、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法。
  2. 前記壁領域(40)のアクティブな冷却を、冷却通路(60,70)に冷却媒体を通流させることにより行い、該冷却通路(60,70)は、前記工具(10)の前記壁領域(40)に隣接して形成されている、請求項1記載の方法。
  3. 前記加熱装置(50)は、電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータから形成されている、請求項1または2記載の方法。
  4. 熱硬化性樹脂(55)を、50バール〜100バールの範囲の圧力で前記キャビティ(20)内に射出する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記工具(10)が、さらに熱硬化性樹脂(55)を前記キャビティ(20)内に射出するための少なくとも1つの流入部(80)を有し、前記ステップb)の時間の間、前記流入部(80)のアクティブな冷却を行う、請求項4記載の方法。
  6. 前記壁領域(40)のアクティブな冷却を、前記加熱装置(50)の遮断後に行って、前記工具(10)内で射出成形された樹脂結合型永久磁石の連続的な製造を行う、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記ステップb)およびc)の時間の間、前記磁石体(30)を用いて熱硬化性樹脂(55)に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップのために、前記壁領域(40)のアクティブな冷却を行う、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 射出成形可能な樹脂と、粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂とから成る、射出成形された樹脂結合型永久磁石であって、該樹脂結合型永久磁石が2コンポーネント構成部分として構成されている樹脂結合型永久磁石を製造する方法であって、:
    a)工具(250)内部に形状付与領域(120)を備えた射出成形用の工具(250)を準備するステップであって、該工具(250)が、磁石体(130)と、前記形状付与領域(120)に隣接した壁領域(140)とを有し、該壁領域(140)が、加熱装置(150)によって少なくとも部分的に調温可能に形成されている、射出成形用の工具(250)を準備するステップと、
    b)前記形状付与領域(120)の範囲へスライダ(160)を位置決めし、これにより第1のキャビティ(170)を形成するステップと、
    c)前記壁領域(140)内に予め規定された温度が達成されるまで、該壁領域(140)をアクティブに冷却するステップと、
    d)射出成形可能な樹脂を流動性の状態で前記第1のキャビティ(170)内に射出するステップと、
    e)前記壁領域(140)内に予め規定された第2の温度が達成されるまで、該壁領域(140)をアクティブに冷却し、次いで該壁領域(140)のアクティブな冷却を終了させて、凝固された射出成形可能な樹脂により、前記第1のキャビティ(170)内に第1のコンポーネント(175)を形成するステップと、
    f)前記スライダ(160)を第2の位置へ移動させて、これによって自由になった空間により、第2のキャビティ(180)を形成するステップと、
    g)粒子状の磁性材料を含有する熱硬化性樹脂(155)を、流動性の状態で前記第2のキャビティ(180)内に射出するステップと、
    h)前記磁石体(130)を用いて熱硬化性樹脂(155)に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップであって、前記ステップg)または当該ステップh)の少なくともいずれか一方のステップの時間の間、前記壁領域(140)のアクティブな冷却を行うステップと、
    i)前記壁領域(140)のアクティブな冷却を終了させるステップと、
    j)熱硬化性樹脂(155)の架橋が終了するまで、前記加熱装置(150)を用いて前記壁領域(140)を熱硬化性樹脂(155)の架橋温度にまで加熱するステップと、
    k)前記加熱装置(150)を遮断するか、または前記加熱装置(150)によって架橋温度よりも下の予め規定された温度にまで前記壁領域(140)の温度を低下させるステップと、
    l)射出された熱硬化性樹脂(155)を凝固させるステップと、
    m)凝固された2コンポーネント構成部分を離型させるステップと、
    を有することを特徴とする、射出成形された樹脂結合型永久磁石を製造する方法。
  9. 前記スライダ(160)が、第2の加熱装置(190)を有し、該第2の加熱装置(190)は、前記スライダ(160)の内部で、該スライダ(160)の、移動時に前記両キャビティ(170,180)と接触する領域に隣接して配置されている、請求項8記載の方法。
  10. 前記壁領域(140)のアクティブな冷却のステップを、冷却通路(200,210)に冷却媒体を通流させることにより行い、該冷却通路(200,210)は、前記形状付与領域(120)に隣接して形成されている、請求項8または9記載の方法。
  11. 前記加熱装置(150,190)を、電気的な加熱セラミックスまたは厚膜ヒータから形成する、請求項8から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記ステップg)およびh)の時間の間、前記磁石体(130)を用いて熱硬化性樹脂(155)に、磁気的な優先方向を発生させるための、所望の磁化に対応した配向磁界を印加するステップのために、前記壁領域(140)のアクティブな冷却を行う、請求項8から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 請求項1から12までのいずれか1項記載の方法により製造された、射出成形された樹脂結合型永久磁石。
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