JP2015197982A - 接続構造体、ワイヤーハーネス、及び接続構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような背景から、従来の圧着端子に対しては、水分の浸入により導体部の導電性が低下することを抑制する技術が提案されている。具体的に、例えば特許文献1には、粘度の高い樹脂製の絶縁体で露出した導体部全体を被覆することによって露出した導体に水分が接触することを抑制する接続構造体が開示されている。
そこで、特許文献2には、圧着部の一方の端部が被覆電線と圧着されて封止され、一方の端部と反対側の端部が溶接によって断面中空筒形状に形成されて封止された接続構造体が、開示されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、止水性をより一層向上させて導体部の劣化を抑制可能な接続構造体、ワイヤーハーネス、及び接続構造体の製造方法を提供することを目的とする。
具体的に説明すると、電線圧着範囲30bの内面には、圧着状態において、被覆電線のアルミニウム芯線が食い込むYZ平面の溝である係止溝33(電線用係止溝)が、長手方向Xに沿って所定間隔を隔てて3本形成されている。この係止溝33は、断面矩形凹形状に形成されている。また、係止溝33は、圧着面31からバレル構成片32の途中まで形成されている。この係止溝33は、被覆電線から露出した電線を食い込ませることによって圧着部30と電線との間の導通性を向上させるためのものである。なお、係止溝33は、圧着面31からバレル構成片32までの範囲内に連続的に形成され、圧着部30内で環状の溝を形成していてもよい。また、係止溝33は溝として形成されているが、係止部の態様は溝に限定されず、たとえば円形、矩形の穴(凹部)が離散的に配置されたものでもよい。
この被覆電線200は、図3に示すように、アルミ系材料からなるアルミニウム芯線201(導体部)と、アルミニウム芯線201を被覆する絶縁被覆202(被覆部)とを有する。被覆電線200を圧着端子10に圧着接続する際には、絶縁被覆202のうち先端の領域が除去され、露出したアルミニウム芯線である電線露出部201aが形成される。
本実施形態に係る接続構造体1は、図4に示すように、上述した被覆電線200が、圧着端子10の圧着部30に圧着接続されたものである。
すなわち、接続構造体1において、圧着部30は、長手方向Xの前方側が封止され、断面中空筒形状に形成されている。なお、封止は、板材が重なった部分を幅方向Yに溶接すると良い。
絶縁被覆202と、被覆電線200から露出したアルミニウム芯線201との境界に対応する位置には、図5に示すように、圧着部30が外方から押圧されることにより第一の凹部37aが形成されている。本実施形態においては、この第一の凹部37aは、被覆圧着範囲30aの周方向にわたってリング形状に形成されている。そして、この第一の凹部37aが形成されていることによって、圧着部30の管の内方に突出する第一の凸部37bが形成されている。ここで、この第一の凸部37bは、絶縁被覆202の被覆先端202aに当接している。
圧着端子10は、銅合金条を平面展開した端子形状に打ち抜いた後、中空四角柱体のボックス部20と後方視略O型形状の圧着部30とからなる立体的な端子形状に銅合金条を曲げ加工し、圧着部30を溶接することにより製造される。この際、図7に示すように、圧着部30は、バレル構成片32の対向端部32a同士を突き合わせた長手方向Xの長手方向溶接箇所W1と封止部30cにおいて圧着部30の前方を完全に封止する幅方向Yの幅方向溶接箇所W2とを溶接することによって形成される。
以上のようにして、接続構造体1に用いられる圧着端子10の製造が完了する。
また、圧着部30における被覆圧着範囲30a及び電線圧着範囲30bは、上述したように同時に圧着されても良いし、先に被覆圧着範囲30aを圧着したのちに電線圧着範囲30bを圧着しても良い。また、先に電線圧着範囲30bを圧着したのちに被覆圧着範囲30aを圧着しても良い。
被覆電線200の絶縁被覆202が、電線圧着範囲側に強く引っ張られることにより、絶縁被覆202の弾性力が低下してしまうことがある。しかしながら、接続構造体1では、上述したように第一の凹部37aが形成されることにより、圧着時において被覆先端202aに当接する第一の凸部37bが形成されているので、被覆電線200と圧着部30とを圧着接続する際に、第一の凸部37bによって絶縁被覆202の動きを制止し、絶縁被覆202が電線圧着範囲30b側に引っ張られることを抑制できる。
したがって、絶縁被覆202の弾性力を十分に維持することができ、圧着部30と被覆電線200とを十分に密着させることが可能となる。これにより、被覆電線200と圧着部30との密着性が良好となり、水分の浸入を確実に防止することができる。
以上のように、被覆電線200を圧着した状態において接続構造体1は、圧着部30の高い止水性により、アルミニウム芯線201の電線露出部201aと圧着部30の内面とが密着した接触箇所に水が触れることがない。
すなわち、図14に示すように、プレス加工によって端子形状に打ち抜いた板材としての銅合金条を丸めると共に、長手方向Xの前端部分をつぶして、封止部30Acを含む圧着部30Aの形状にあらかじめ形成する。
なお、図7〜10に示すように、圧着部30Aの底面側で対向端部32Aa同士を突き合わせて溶接してもよく、図14、15に示すように、圧着部30Aの上面側で対向端部32Aa同士を突き合わせて溶接してもよい。
10、110 圧着端子
20 ボックス部
21 弾性接触片
22 底面部
23 側面部
30、30A、130 圧着部
30a、30Aa、130a 被覆圧着範囲
30b、30Ab、130b 電線圧着範囲
30c、30Ac、130c 封止部
31 圧着面
32、32A バレル構成片
32a、32Aa 対向端部
33 係止溝
37a 第一の凹部
37b 第一の凸部
38a 第二の凹部
38b 第二の凸部
40 トランジション部
100a、100b ワイヤーハーネス
200 被覆電線
201 アルミニウム芯線(導体部)
201a 電線露出部
201aa 先端
202 絶縁被覆(被覆部)
202a 被覆先端
Ca 雌型コネクタ
Cb 雄型コネクタ
Fw ファイバーレーザー溶接装置
Hc コネクタハウジング
P 仮想平面
W1 長手方向溶接箇所
W2 幅方向溶接箇所
X 長手方向
Y 幅方向
Z 高さ方向
Claims (9)
- 導体部及び前記導体部を被覆する被覆部を有する被覆電線が、該被覆電線及び前記被覆部から露出した前記導体部に圧着接続する圧着部を有する圧着端子に接続された接続構造体であって、
前記圧着部は、長手方向の一方の端部が封止された断面中空筒形状に形成され、
前記圧着部の一方の端部の反対側は、前記被覆電線と圧着されることによって封止されており、
前記被覆部と前記被覆電線から露出した前記導体部との境界に対応する位置には、前記圧着部が押圧されることにより第一の凹部が形成されていることを特徴とする接続構造体。 - 前記第一の凹部は、前記圧着部の周方向にわたってリング形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接続構造体。
- 前記圧着部が前記被覆部を圧着する被覆圧着範囲において、前記圧着部が押圧されることにより前記圧着部の周方向にわたってリング形状の第二の凹部が形成されており、
前記第一の凹部の押込み深さ及び押込み幅は、前記第二の凹部の押込み深さ及び押込み幅よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の接続構造体。 - 前記圧着部の一方の端部は、ファイバーレーザー溶接によって溶接されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の接続構造体。
- 前記導体部は、アルミ系材料によって構成され、前記圧着部は銅系材料によって構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の接続構造体。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の接続構造体を複数束ねたことを特徴とするワイヤーハーネス。
- 導体部及び前記導体部を被覆する被覆部を有する被覆電線が、該被覆電線に圧着接続する圧着部を有する圧着端子に接続された接続構造体であって、
前記圧着部を、長手方向の一方の端部が封止された断面中空筒形状に形成し、
該圧着部の一方の端部の反対側から前記被覆電線を挿通し、前記被覆部と前記被覆電線から露出した前記導体部との境界に対応する位置において、前記圧着部を押圧することにより第一の凹部を形成した後に、前記圧着端子と前記被覆電線とを圧着接続して封止することを特徴とする接続構造体の製造方法。 - 前記第一の凹部を前記圧着部の周方向にわたってリング形状に形成することを特徴とする請求項7に記載の接続構造体の製造方法。
- 前記圧着端子と前記被覆電線とを圧着接続する際に、前記圧着部が前記被覆部を圧着する被覆圧着範囲において、前記圧着部を押圧することにより前記圧着部の周方向にわたってリング形状の第二の凹部を少なくとも一つ形成するとともに、
前記第一の凹部の押込み深さ及び押込み幅を、前記第二の凹部の押込み深さ及び押込み幅よりも大きく設定することを特徴とする請求項7または8に記載の接続構造体の製造方法。
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