JP2015197596A - ケイ素含有膜形成組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

ケイ素含有膜形成組成物及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多層レジストプロセスにおいて、基板に与えるダメージの大きい酸性剥離液やフッ素化合物を用いることなく、かつエッチング前後を問わずに除去することができるケイ素含有膜形成組成物及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】アルコキシ基及び酸無水物基を有し、分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいてOとSiの原子間に下記[1]式のA式で表される部分構造1〜100個及び下記[1]式のB式で表される部分構造0〜100個からなるシロキサン単位を有するポリシロキサン(A1)並びに溶媒(B)を含む、多層レジストプロセスに用いられるケイ素含有膜形成組成物。

(式中、Xは、酸無水物基を有する1価の炭化水素基を示す。Rは、互いに独立して、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、多層レジストプロセスに用いられるケイ素含有膜形成組成物及びパターン形成方法に関する。
半導体装置等の微細化に伴い、より高い集積度を得るために多層レジストプロセスを用いた加工サイズの微細化が進んでいる(特開2001−284209号公報参照)。この多層レジストプロセスでは、いわゆるフォトレジスト膜(以下、レジスト膜又は単にレジストと呼称する場合がある。)とは異なる膜をレジストの下部に形成する。厚さやエッチング耐性が異なる複数の層を組み合わせることにより、エッチング処理によって基板に形成されるパターンの形状をより精密にコントロールしたり、単層プロセスでは困難な深さのパターンを形成したりすることが可能となる。
レジスト膜の下部に形成する膜(以下、レジスト下層膜と呼称する。)を形成するための材料の一つとして、ポリシロキサン等のケイ素原子含有材料が知られている(特開2004−310019号公報及び特開2005−018054号公報参照)。ポリシロキサンは通常有機高分子で構成されるレジスト膜とは異なるエッチング特性を有するため、エッチング条件を適切に選択することにより、レジスト膜に形成されたパターンをより高い再現性をもってレジスト下層膜へと転写することができる。
実際の半導体等の製造工程においては、上記ケイ素含有膜や上記レジスト膜をパターニングした際に不具合が生じた場合に、再加工を行うことがある。再加工の際、無機膜がケイ素含有膜である場合、このケイ素含有膜を剥離するために、硫酸イオン及び/又はフッ素イオンを含有する酸性剥離液で処理する工程の後、アルカリ性剥離液で処理するウェット剥離方法(特開2010−139764号公報参照)や、フッ化物源とアンモニウム塩とを含むウェット剥離組成物(特表2010−515107号公報参照)、高濃度フッ化水素水を用いたウェット剥離やドライ剥離(特開2010−85912号公報参照)等が提案されている。しかしながら、上記従来のドライ剥離や酸性剥離液やフッ素イオンを含有する液を用いるウェット剥離方法においては、基板が大きなダメージを受けるという不都合がある。また、ドライエッチング後のケイ素含有膜又はその残渣はウェット剥離性が低下する傾向があり、この改善も求められている。
特開2010−139764号公報 特表2010−515107号公報 特開2010−85912号公報
本発明は上述のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、基板に与えるダメージの大きい酸性剥離液やフッ素化合物を用いることなく、かつエッチング前後を問わずに除去することができるケイ素含有膜形成組成物及びパターン形成方法を提供することである。
本発明に係る第一のケイ素含有膜形成組成物は、多層レジストプロセスにおいて用いられるものであり、アルコキシ基及び酸無水物基を有し、分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいてOとSiの原子間に下記[1]式のA式で表される部分構造1〜100個及び下記[1]式のB式で表される部分構造0〜100個からなるシロキサン単位を有するポリシロキサン(A1)並びに溶媒(B)を含む。
(式中、Xは、酸無水物基を有する1価の炭化水素基を示す。Rは、互いに独立して、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。)ポリシロキサン(A1)は下記[8]式の環状オルガノハイドロジェンシロキサンを含む組成物を、超強酸性触媒の存在下、実質的に水の非存在下において反応させることにより得られるハイドロジェンシロキサンと、不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物と、を白金触媒の存在下ヒドロシリル化反応させることにより得られたものであることが好ましい。
(式中、Rは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。sは、3以上の整数である。)
Xは、下記[3]式で表される酸無水物基を有する1価の炭化水素基であることが好ましい。
(式中、Wは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜10のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。)
本発明に係る第一のケイ素含有膜形成組成物は、下記[4]〜[7]式で表される化合物群から選ばれる1種以上を加水分解縮合してなり、酸無水物基を有しないポリシロキサン(A3)をさらに含んでいてもよい。
上記式[4]中、Rは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基である。このアルキル基はフッ素原子で置換されていてもよく、アリール基及びアラルキル基は置換されていてもよい。Xは、ハロゲン原子又は−ORである。Rは、1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。aが0又は1の場合、複数のXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。aが2の場合、複数のR及びXは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。aが3の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式[5]中、Rは水素原子、フッ素原子又は1価の有機基、Rは1価の有機基、bは1〜2の整数を示す。
上記式[6]中、Rは1価の有機基を示す。上記Rで表される1価の有機基としては、例えば上記式[5]におけるR及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記式[7]中、R10〜R13は同一又は異なり、それぞれ1価の有機基である。c及びdは同一又は異なり、0〜2の数を示し、R14は酸素原子、フェニレン基又は−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である。)である。eは0又は1を示す。上記10〜R13で表される1価の有機基としては、例えば上記式[5]におけるR及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
本発明に係る第二のケイ素含有膜形成組成物は、多層レジストプロセスにおいて用いられるものであり、アルコキシ基、酸無水物基及びポリエーテル基を有し、分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいて、OとSiの原子間に、下記[2]式のA式で表される部分構造1〜100個、下記[2]式のB式で表される部分構造1〜100個及び下記[2]式のB式で表されるシロキサン単位0〜100個のシロキサン単位を有するポリシロキサン(A2)並びに溶媒(B)を含む。
(式中、Xは、酸無水物基を有する1価の炭化水素基を示す。Yは、ポリエーテル基を有する1価の炭化水素基を示す。R1は、互いに独立して、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。)
ポリシロキサン(A2)は下記[8]式の環状オルガノハイドロジェンシロキサンを含む組成物を、超強酸性触媒の存在下、実質的に水の非存在下において反応させることにより得られるハイドロジェンシロキサンと、不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物と、を白金触媒の存在下ヒドロシリル化反応させることにより得られたものであることが好ましい。
(式中、Rは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。sは、3以上の整数である。)
Xは下記[3]式で表される酸無水物基を有する1価の炭化水素基であり、Yが下記[9]式で表されるポリエーテル基を有する1価の炭化水素基であることが好ましい。
(式中、Wは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜10のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。)
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、又は下記[10]式で表される基を示す。mは、1以上の整数を示す。p、qは、0又は1以上の整数を示す。但し、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)
(式中、Rは、炭素原子数1〜4の1価の炭化水素基を示す。)
本発明に係る第二のケイ素含有膜形成組成物は、上記酸無水物基を有しないポリシロキサン(A3)をさらに含んでいてもよい。
本発明に係るパターン形成方法は、基板の一の面側に前記第一又は第二のケイ素含有膜形成組成物を用いてケイ素含有膜を形成する工程、ケイ素含有膜上にレジストパターンを形成する工程、レジストパターンをマスクとしてケイ素含有膜をエッチングしケイ素含有パターンを形成する工程、及びケイ素含有パターンをマスクとして基板をエッチングする工程、を備える多層レジストプロセスである。本プロセスは、ケイ素含有膜を形成するよりも前に有機膜を形成する工程と、レジストパターン若しくはケイ素含有パターン又はその両方をマスクとして有機膜をエッチングし有機パターンを形成する工程をさらに備えてもよく、ケイ素含有膜又はケイ素含有パターンの少なくとも一部を窒素原子含有化合物を含む液体を用いたウェットプロセスにより除去する剥離工程をさらに備えてもよい。剥離工程は100℃以下で行われることが好ましい。
本発明に係るケイ素含有膜形成組成物によれば、基板に与えるダメージの大きい酸性剥離液やフッ素化合物を用いることなく、かつエッチング前後を問わずに除去することができる膜及びこれを用いたパターン形成方法を提供できる。
本発明に係る第一のケイ素含有膜形成組成物は、アルコキシ基及び酸無水物基を有し、分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいてOとSiの原子間に下記[1]式のA式で表される部分構造1〜100個及び下記[1]式のB式で表される部分構造0〜100個からなるシロキサン単位を有するポリシロキサン(A1)並びに溶媒(B)を含む。ポリシロキサン(A1)は、下記[4]式で表されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物の分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいて、OとSiの原子間に、少なくとも1種類のシロキサン単位が、シロキサン結合を形成して挿入されている、アルコキシ基と、酸無水物基を必須とする化合物である。この場合、部分加水分解縮合物の重合度(ケイ素原子又はSiO基の数)は2〜100、好ましくは2〜50、更に好ましくは2〜20であることが好ましい。挿入されるシロキサン単位は、下記[1]式のA式で表されるシロキサン単位1〜100個、好ましくは1〜50個、更に好ましくは1〜20個と、必要に応じて挿入される下記[1]式のB式で表されるシロキサン単位0〜100個、好ましくは0〜50個、更に好ましくは0〜20個からなる。なお、B式のシロキサン単位を含む場合、好ましくは1個以上含むことがよい。なお、上記の各種シロキサン単位は、同一のO−Si結合間に、共挿入されてもよいし、他のO−Si結合間に、個別に挿入されてもよい。
上記式[4]中、Rは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基である。このアルキル基はフッ素原子で置換されていてもよく、アリール基及びアラルキル基は置換されていてもよい。Xは、ハロゲン原子又は−ORである。Rは、1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。aが0又は1の場合、複数のXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。aが2の場合、複数のR及びXは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。aが3の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
(式中、Xは、酸無水物基を有する1価の炭化水素基を示す。Rは、互いに独立して、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20、特に1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の1価の炭化水素基を示す。)
本発明に係る第二のケイ素含有膜形成組成物は、アルコキシ基、酸無水物基及びポリエーテル基を有し、分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいて、OとSiの原子間に、下記[2]式のA式で表される部分構造1〜100個、下記[2]式のB式で表される部分構造1〜100個及び下記[2]式のB式で表されるシロキサン単位0〜100個のシロキサン単位を有するポリシロキサン(A2)並びに溶媒(B)を含む。ポリシロキサン(A2)は、上記[4]式で表されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物の分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいて、OとSiの原子間に、少なくとも2種類のシロキサン単位が、シロキサン結合を形成して挿入された、アルコキシ基と、酸無水物基と、ポリエーテル基を必須とする化合物である。挿入されるシロキサン単位は、下記[2]式のA式で表されるシロキサン単位1〜100個、好ましくは1〜50個、更に好ましくは1〜20個と、下記[2]式のC式で表されるシロキサン単位1〜100個、好ましくは1〜50個、更に好ましくは1〜20個と、更に必要に応じて挿入される下記[2]式のB式で表されるシロキサン単位0〜100個、好ましくは0〜50個、更に好ましくは0〜20個からなる。なお、B式のシロキサン単位を含む場合、好ましくは1個以上含むことがよい。
(式中、Xは、酸無水物基を有する1価の炭化水素基を示す。Yは、ポリエーテル基を有する1価の炭化水素基を示す。Rは、互いに独立して、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。)
上記[1]式で表されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物としては、下記に限定されないが、例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、及びこれらシラン単独もしくは複数組み合わせた部分加水分解縮合物が好適に使用される。
ポリシロキサン(A1)、(A2)は、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20、特に1〜10の1価の炭化水素基Rをもつ。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても、互いに異なっていてもよい。置換基を有してもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが例示される。これら1価の炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたものとして、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロプロピル基等
が例示される。これらの中ではアルキル基またはアリール基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基が特に好ましい。
また、ポリシロキサン(A1)、(A2)は酸無水物基を有する1価の炭化水素基Xをもつ。炭化水素基Xを有することにより、基板、有機膜又はレジスト膜との密着性が向上する。さらに、剥離工程において窒素原子含有化合物を含む液体と酸無水物基とが相互作用することにより、ウェットプロセスによる剥離性が向上する。酸無水物基を有する1価の炭化水素基として、下記[3]式で表される基を例示することができる。好ましくは無水コハク酸プロピル基である。
(式中、Wは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜10のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。)
ポリシロキサン(A1),(A2)は、分子内にアルコキシ基を含有していてもよい。アルコキシ基を含有することにより、接する他の層、特にシリコン含有基板や金属含有膜等の無機膜との密着性が向上する。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。ポリシロキサン(A1),(A2)のアルコキシ基と酸無水物基の数を調整することにより、ウェットプロセスによる剥離性や、有機膜、無機膜及び無機基材に対する密着性を制御することができる。
ポリシロキサン(A2)は分子内にポリエーテル基をさらに有する。ポリエーテル基は、ポリシロキサン(A2)と窒素原子含有化合物を含む液体や、有機膜、無機膜及び無機基材に対する親和性を向上させる。ポリエーテル基の種類や導入量を調整することにより、ウェットプロセスによる剥離性や、有機膜、無機膜及び無機基材に対する密着性を制御することができる。ポリエーテル基を含有する1価の炭化水素基としては、下記[9]式で表される構造を例示することができる。
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、又は下記[10]式で表される基を示し、好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。mは、1以上の整数を示し、好ましくは2〜6、更に好ましくは3〜6の整数である。p、qは、0又は1以上の整数を示し、好ましくは0≦p≦50、0≦q≦50の範囲をとり、更に好ましくは0≦p≦20、0≦q≦20の範囲をとる。但し、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)
(式中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基等の1価の炭化水素基を示す。)
ポリエーテル基部分は、エチレンオキサイド型(以下、EO型と記す。)、プロピレンオキサイド型(以下、PO型と記す。)、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド型(以下、EO−PO型と記す。)のいずれでもよく、EO−PO型の場合には、ランダム、ブロック、交互のいずれでもよい。
本発明に係るケイ素含有膜形成組成物は、活性水素含有化合物の捕捉剤をさらに含有してもよい。活性水素含有化合物の捕捉剤を含有することにより、アルコキシ基や酸無水物基の反応を防ぎ、保管中の経時変化を抑制することができる。捕捉剤としては、下記[11]式で表されるα−シリル脂肪族エステル化合物が例示される。
(式中、R15は、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20、特に1〜10のアルキル基、アリール基等の1価の炭化水素基を示す。R16は、水素原子又はメチル基を示す。Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。rは、1〜3の整数を示す。Rは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
なお、上記α−シリル脂肪族エステル化合物の配合量は、ポリシロキサン(A1)又は(A2)100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部である。
ポリシロキサン(A1)は、例えば下記(a),(b)の工程を経て製造することができる。
(a)(i)上記[4]式で表わされるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物と、下記式[8]で表される環状オルガノハイドロジェンシロキサンを含む組成物とを混合し、超強酸性触媒の存在下、実質的に水の非存在下において平衡化反応を行い、アルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサンを得る工程、
(式中、Rは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20、特に1〜10の1価の炭化水素基を示す。sは、3以上、好ましくは3〜8、更に好ましくは3〜6の整数である。)
(b)白金触媒の存在下、上記(a)の工程で得られたアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサンと不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物をヒドロシリル化反応させる工程。
ポリシロキサン(A2)は、さらに下記(a’)の工程を含むプロセスを経て製造することができる。
(a’)白金触媒の存在下、上記(a)の工程で得られたアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサンと不飽和結合を有するポリエーテル基含有化合物とをヒドロシリル化反応させる工程。
工程(a’)は、工程(b)の前に行われることが好ましい。
超強酸性触媒は、硫酸よりも酸性が強い触媒を指す。具体例として、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも反応性が高く、比較的低温で使用することができるトリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。超強酸性触媒の使用量は、原料となるシロキサン化合物の総量100質量部に対し、0000〜1質量部、好ましくは0.005〜0.5質量部、更に好ましくは0.01〜0.1質量部である。平衡化反応の温度は通常室温〜150℃であり、室温〜80℃が好ましい。反応時間は通常2〜24時間程度である。
超強酸性触媒は、公知の中和剤や、吸着剤、例えばMgAl(OH)16CO・4HOで表される結晶性層状化合物により非水系で除去できる。中和剤及び/又は吸着剤の使用量は、通常超強酸性触媒の添加量に対して質量基準で1〜10倍量であり、好ましくは2〜6倍量である。
上記のようにして作製されたアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサンは、上記[1]式で表されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物の分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいて、OとSiの原子間に、下記D式で表されるシロキサン単位が挿入されており、さらに必要に応じて下記E式で表されるシロキサン単位が挿入された構造をとる。
(式中、R20、R21は、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20、特に1〜10の1価の炭化水素基を示す。)
次に、上記(b)の工程について、説明する。
上記(a)の工程により得られたアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサンへ、不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物、白金触媒、及び、必要により溶剤を混合し、加熱することにより、ヒドロシリル化反応が進行し、目的とするポリシロキサン(A1)を得ることができる。
ここで、不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物としては、下記式で表されるものが挙げられる。特に好ましくはアリル無水コハク酸である。
(式中、Wは炭素原子数1〜8のアルキレン基、又は中間に2重結合を有するアルケニレン基を示し、yは0又は1である。)
上記不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物の使用量は、好ましくは上記(a)の工程により得られたアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサン1molに対し、好ましくは1〜100mol、更に好ましくは1〜50mol、特に好ましくは1〜20molを加え、ヒドロシリル化反応を行うことができる。
また、白金触媒としては、塩化白金酸等を使用することができる。実際には、取り扱いを簡便とするため、トルエン等の溶剤で、0.1〜2質量%程度に希釈して使用することが好ましい。白金触媒の添加量は、原料として仕込んだアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサン中に含有するSiH基の総mol数に対し、10−5〜10−4倍のmol数を添加することが好ましい。
ヒドロシリル化反応は、90〜120℃、特に90〜110℃で行うことが好ましく、また反応時間は、4〜10時間が好ましい。
次に、上記(a’)の工程について、説明する。
まず、上記(a)の工程により得られたアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサンへ、不飽和結合を有するポリエーテル基含有化合物、白金触媒、及び、必要により溶剤を混合し、加熱することにより、ヒドロシリル化反応が進行し、アルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサン中に含有する≡SiHの一部へ、ポリエーテル基含有化合物が付加される。次に、前記反応液中へ、不飽和結合をもつ酸無水物基含有化合物を添加し、加熱することにより、残り全ての≡SiHへ、酸無水物基含有化合物が付加され、目的とするポリシロキサン(A2)を得ることができる。
この場合、不飽和結合を有するポリエーテル基含有化合物は、下記式により例示される。特に、下記[9a]式で表される化合物が好ましい。
(式中、Zは、炭素原子数1〜4のアルキレン基等の二価炭化水素基を示す。xは、0又は1である。Rは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基等の1価の炭化水素基、又は下記[10]式で表される基を示す。p、qは、0又は1以上の整数を示す。但し、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)
(式中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基等の1価の炭化水素基を示す。)
上記不飽和結合を有するポリエーテル基含有化合物の使用量は、好ましくは上記(a)の工程により得られたアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサン1molに対し、好ましくは1〜100mol、更に好ましくは1〜50mol、特に好ましくは1〜20molを加え、ヒドロシリル化反応を行うことができる。
ヒドロシリル化反応は、60〜120℃、特に80〜100℃で行うことが好ましく、また反応時間は、3〜6時間が好ましい。白金触媒としては、上記のものが用いられる。白金触媒は、溶剤で希釈する場合、溶剤の種類は上記した通りであり、その使用量も上記した通りである。
また、上記不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物の使用量は、上記(a)の工程により得られたアルコキシ基含有オルガノハイドロジェンシロキサン1molに対し、好ましくは1〜100mol、更に好ましくは1〜50mol、特に好ましくは1〜20molの割合で配合し、ヒドロシリル化反応を行うことができる。
ヒドロシリル化反応は、90〜120℃、特に90〜110℃で行うことが好ましく、また反応時間は、4〜10時間が好ましい。白金触媒は、上記した通りである。
以上、ポリシロキサン(A1),(A2)の好ましい製造方法について説明したが、ポリシロキサン(A1),(A2)の製造方法は特に限定されない。例えば、無水コハク酸変性アルコキシシランとポリエーテル変性アルコキシシランとを加水分解縮合して製造してもよく、下記式で表される環状オルガノハイドロジェンシロキサンへ、白金触媒下、ビニルトリメトキシシラン、アリルポリエーテル、アリル無水コハク酸を順次付加していく方法により製造してもよい。
(式中、uは、3以上の整数を示す。)
また、下記式で表される直鎖状オルガノハイドロジェンシロキサンを使用して製造することもできる。
(式中、vは、1以上の整数を示す。)
上記直鎖状オルガノハイドロジェンシロキサンは、一般に強酸性触媒の存在下、ヘキサメチルジシロキサン(末端封鎖剤)と、上記式で表される環状メチルハイドロジェンポリシロキサンとの平衡化反応を行うことにより製造される。ヘキサメチルジシロキサンの配合量に対して、環状メチルハイドロジェンポリシロキサンの配合量を調整することで、vの数を自由に設定することができる。即ち、反応点(SiH)の数を自由に増やすことが可能となる。この直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンへ、ビニルトリメトキシシラン、アリルポリエーテル、アリル無水コハク酸を順次、ヒドロシリル化反応により付加しようとした場合、各化合物の導入量は自由に設定することができる。
本発明に係るケイ素含有膜形成組成物は、ポリシロキサン(A1),(A2)に加え、下記[4]〜[7]式で表される化合物群から選ばれる1種以上を加水分解縮合してなり、酸無水物基を有しないポリシロキサン(A3)をさらに含んでいてもよい。
上記式[4]中、Rは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基である。このアルキル基はフッ素原子で置換されていてもよく、アリール基及びアラルキル基は置換されていてもよい。Xは、ハロゲン原子又は−ORである。Rは、1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。aが0又は1の場合、複数のXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。aが2の場合、複数のR及びXは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。aが3の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Rで表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソアミル基等の分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
上記Rで表されるフッ素原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロn−プロピル基、ヘキサフルオロ−i−プロピル基、パーフルオロブチル基等が挙げられる。
上記Rで表されるシアノアルキル基としては、例えばシアノエチル基、シアノプロピル基等が挙げられる。
上記Rで表されるアルキルカルボニルオキシ基としては、例えばメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
上記Rで表されるアルケニル基としては、例えば下記式(i−1)で表される基等が挙げられる。
CH=CH−(CH−* (i−1)
上記式(i−1)中、nは、0〜4の整数である。*は、結合手を示す。
上記nとしては、好ましくは0又は1であり、更に好ましくは0(ビニル基)である。
上記Rで表されるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
上記Rで表されるアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記アリール基及びアラルキル基が有してもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、置換アミノ基等が挙げられる。
上記Xで表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
上記−ORにおけるRで表される1価の有機基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
上記aとしては、0〜2の整数が好ましい。
上記式[5]中、Rは水素原子、フッ素原子又は1価の有機基、Rは1価の有機基、bは1〜2の整数を示す。
上記R及びRの1価の有機基としては、例えばアルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基、ビニル基等が挙げられる。また、上記式[5]において、Rは1価の有機基、特にアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。
上記式[5]において、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等が挙げられる。
上記式[6]中、Rは1価の有機基を示す。
上記Rで表される1価の有機基としては、例えば上記式[5]におけるR及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記式[7]中、R10〜R13は同一又は異なり、それぞれ1価の有機基である。c及びdは同一又は異なり、0〜2の数を示し、R14は酸素原子、フェニレン基又は−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である。)である。eは0又は1を示す。
上記10〜R13で表される1価の有機基としては、例えば上記式[5]におけるR及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
ポリシロキサン(A3)は、ケイ素含有膜形成組成物に1種のみ含有されていてもよく、2種以上含有されていてもよい。
ポリシロキサン(A3)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)としては、通常1,000〜20,000であり、1,000〜15,000が好ましく、1,200〜10,000がより好ましく、1,500〜7,000がさらに好ましい。
ポリシロキサン(A1),(A2)とポリシロキサン(A3)とを混合して用いる場合、その割合はポリシロキサン(A3)100質量部に対してポリシロキサン(A1),(A2)の合計量が通常1〜200質量部であり、5〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。
<有機溶媒(B1)>
上記ケイ素含有膜形成組成物は、有機溶媒(B1)を含有する。有機溶媒(B1)としては、ポリシロキサン及び後述する任意成分を溶解又は分散できるものであれば特に限定されない。有機溶媒(B1)としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、カルボン酸エステル系溶媒、ケトン系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒、モノカルボン酸エステル系溶媒、環状ケトン系溶媒がさらに好ましい。特に好ましい例として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。ケイ素含有膜形成組成物は、溶媒(B1)を1種又は2種以上含んでいてもよい。
ポリシロキサン(A1),(A2)及びポリシロキサン(A3)の含有量の合計は、ケイ素含有膜形成組成物の全固形分に対して、通常70質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
<任意成分>
(架橋促進剤)
架橋促進剤は、上記ケイ素含有膜形成組成物からケイ素含有膜を形成する際等に、ポリシロキサンの分子鎖間又は分子鎖内における架橋反応を促進することができる化合物である。架橋促進剤としては、上記性質を有する限り、特に限定されず、従来公知のものを使用することができるが、例えば酸、塩基、金属錯体、金属塩化合物、オニウム塩化合物等が挙げられる。架橋促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記ケイ素含有膜形成組成物は、上記成分以外にも、任意成分として、さらに、酸発生剤、塩基発生剤、界面活性剤、β−ジケトン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー等を含有してもよい。
本発明に係るケイ素含有膜形成組成物は有機ポリマー、特に芳香環を含む有機ポリマーを主成分とするレジスト下層膜形成組成物により形成されるレジスト下層膜上に塗布されることが好ましい。
<レジスト下層膜形成組成物>
上記レジスト下層膜形成組成物は、芳香環を有する化合物(以下、「(C)化合物」ともいう)を含有し、さらに溶媒(B2)等の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
<(C)化合物>
(C)化合物は、芳香環を有する化合物である。(C)化合物としては、ノボラック樹脂(以下、「(C1)重合体」ともいう)、カリックスアレーン系化合物(以下、「(C2)化合物」ともいう)が好ましい。
<(C1)重合体>
(ノボラック樹脂)
上記ノボラック樹脂としては、下記式[12]で表される構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有するものが好ましい。
上記式(12)中、Zは、置換若しくは非置換のアルカンジイル基、置換若しくは非置換のアレーンジイル基又は置換若しくは非置換のオキシアルカンジイル基である。p1は、Zが芳香環に結合している結合数を示し、1〜10の整数である。p1が2以上の場合、複数のZはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R17は、炭素数1〜20の1価の有機基である。m1は、0〜6の整数である。m1が2以上の場合、複数のR17はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。m2は、1〜8の整数である。m2が2以上の場合、複数のR18はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R18は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。nは、0〜2の整数である。m1+m2+p1は10以下である。
上記Zで表される置換若しくは非置換のアルカンジイル基のアルカンジイル基としては、例えばエタンジイル基、プロパンジイル基、テトラメタンジイル基、ペンタメタンジイル基、ヘキサメタンジイル基、1−メチル−1,3−プロパンジイル基、2−メチル−1,3−プロパンジイル基、2−メチル−1,2−プロパンジイル基、1−メチル−1,4−ブタンジイル基、2−メチル−1,4−ブタンジイル基等が挙げられる。上記Zで表される置換若しくは非置換のアレーンジイル基のアレーンジイル基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基等が挙げられる。
上記Zで表される置換若しくは非置換のオキシアルカンジイル基としては、例えばオキシエタンジイル基、1,3−オキシプロパンジイル基、1,2−オキシプロパンジイル基、オキシテトラメタンジイル基、オキシペンタメタンジイル基、オキシヘキサメタンジイル基等が挙げられる。
上記Zが有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜22のアリール基等が挙げられる。上記ハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記炭素数1〜9のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。上記炭素数6〜22のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記R17で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜14のアリール基、グリシジルエーテル基、アルキルグリシジルエーテル基(但し、アルキル部位の炭素数は1〜6である。)等が挙げられる。
上記アルキルグリシジルエーテル基としては、例えばメチルグリシジルエーテル基、エチルグリシジルエーテル基、プロピルグリシジルエーテル基、ブチルグリシジルエーテル基等が挙げられる。
上記R18で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、上記R18で例示した炭素数1〜20の1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
18としては、水素原子、−R19−COOR20で表される基も好ましい。但し、R19は炭素数1〜20の2価の有機基であり、R20は3級アルキル基である。
上記R19で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、上記R17で例示した炭素数1〜20の1価の有機基から水素原子を1個除いた基等が挙げられる。上記R19としては、メタンジイル基が好ましい。
上記R20で表される3級アルキル基としては、t−ブチル基が好ましい。
m2としては、1又は2が好ましい。nとしては、1が好ましい。
(C1)重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)としては、500〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましく、1,200〜40,000がさらに好ましい。
(C1)重合体のポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」ともいう。)としては、400〜80,000が好ましく、800〜40,000がより好ましく、1,000〜35,000がさらに好ましい。
(C1)重合体のMwとMnとの比(Mw/Mn比)は、通常1〜5であり、より好ましくは1〜3である。なお、これらのMw及びMnの値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、単分散ポリスチレンを標準試料として測定することにより求めることができる。
レジスト下層膜形成組成物は、(C1)重合体を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。(C1)重合体(ノボラック樹脂)は、例えばヒドロキシ基を有する化合物と、アルデヒド類とを酸性触媒等を用いて反応させて合成することができる。
<(C2)化合物>
(カリックスアレーン系化合物)
上記カリックスアレーン系化合物としては下記式[13]で表される化合物が好ましい。
上記式(13)中、R21は、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。rは、4〜12の整数である。Yは、炭素数1〜10の炭化水素基である。kは、0又は1である。m3は、1〜3の整数である。m4は、0〜7の整数である。m3+m4は8以下である。Xは、置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基又は水素原子である。m3が2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。m4が2以上の場合、複数のYは同一でも異なっていてもよい。rが2以上の場合、複数のX、k、m3及びm4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記R21で表される炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基、これらの基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基等が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−S−、−NR’−、−CO−、−CS−、これらのうちの2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。
m3としては、kが0の場合は2又は3が好ましく、kが1の場合は1が好ましい。
m4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記rの下限としては4が好ましく、5がより好ましい。上記rの上限としては、8が好ましく、7がより好ましく、6がさらに好ましい。
(C2)化合物の分子量の下限としては、500が好ましく、700がより好ましく、1,000がさらに好ましい。(C2)化合物の分子量の上限としては、3,000が好ましく、2,500がより好ましく、2,200がさらに好ましい。
上記レジスト下層膜形成組成物における(C2)化合物の含有量としては、全固形分に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
<溶媒(B2)>
上記溶媒(B2)としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、カルボン酸エステル系溶媒、ケトン系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒、モノカルボン酸エステル系溶媒、環状ケトン系溶媒がさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、シクロヘキサノンが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがさらに特に好ましい。上記レジスト下層膜形成組成物は、溶媒(B2)を1種又は2種以上含んでいてもよい。
<その他の任意成分>
上記レジスト下層膜形成組成物は、上記(B),(C)成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。その他の任意成分としては、例えば酸発生剤、架橋剤、界面活性剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
(酸発生剤)
酸発生剤は、露光又は加熱により酸を発生する成分である。上記レジスト下層膜形成組成物は、酸発生剤を含有することにより、常温を含む比較的低温で、(C)化合物間の架橋をより効果的に行うことができる。
露光により酸を発生する酸発生剤(以下、「光酸発生剤」ともいう。)としては、例えば特開2004−168748号公報における段落[0077]〜[0081]に記載のもの等が挙げられる。
これらの光酸発生剤のなかでも、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネートが好ましい。
なお、これらの光酸発生剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、加熱により酸を発生する酸発生剤(以下、「熱酸発生剤」という。)としては、例えば、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、アルキルスルホネート類等を挙げることができる。
なお、これらの熱酸発生剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、酸発生剤としては、光酸発生剤と熱酸発生剤とを併用してもよい。
上記レジスト下層膜形成組成物における酸発生剤の含有量は、レジスト下層膜形成組成物の(C)化合物100質量部に対し、通常、5,000質量部以下であり、0.1〜1,000質量部が好ましく、0.1〜100質量部がさらに好ましい。
(架橋剤)
架橋剤は、架橋性基を有する化合物である(但し、(C)化合物で該当するものを除く)。上記レジスト下層膜形成組成物は、架橋剤を含有することで、(C)化合物間の架橋をより効果的に行うことができる。
上記架橋剤としては、架橋性基を2個以上有するものが好ましい。
上記架橋剤としては、例えばヘキサキス(メトキシメチル)メラミン等のメトキシメチル化メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル等のメトキシメチル化グリコールウリル等が挙げられる。これらの中で、メトキシメチル化グリコールウリルが好ましく、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルがより好ましい。
架橋剤の含有量としては、(C)化合物100質量部に対して、1,000質量部以下が好ましく、5質量部〜700質量部がより好ましく、30質量部〜500質量部がさらに好ましい。架橋剤は、1種又は2種以上を用いてもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、ぬれ性、現像性等を改良する作用を有する成分である。界面活性剤の含有量としては、(C)化合物100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。界面活性剤は、1種又は2種以上を用いてもよい。
<レジスト下層膜形成組成物の調製方法>
上記レジスト下層膜形成組成物は、例えば(C)化合物、溶媒(B2)及び必要に応じて含有される任意成分を所定の割合で混合することにより調製することができる。上記レジスト下層膜形成組成物は、混合後に、例えば0.1μm程度のフィルターでろ過することが好ましい。上記レジスト下層膜形成組成物の固形分濃度としては、0.1質量%〜50質量%が好ましく、0.5質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%がさらに好ましい。上記レジスト下層膜形成組成物における(C)化合物の濃度としては、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜15質量%がさらに好ましい。
以下、本発明に係るケイ素含有膜形成組成物を用いたパターン形成方法の実施形態について説明する。
[レジスト下層膜形成工程]
本工程では、基板上に芳香環を有する化合物を含有するレジスト下層膜を形成する。基板としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリシロキサン等の絶縁膜、並びに市販品であるブラックダイヤモンド(AMAT社)、シルク(ダウケミカル社)、LKD5109(JSR社)等の低誘電体絶縁膜で被覆したウェハ等の層間絶縁膜が挙げられる。ポリシリコンや、ポリシリコン中へ金属成分を注入したいわゆるメタルゲート膜等も含まれる。また、この基板としては、配線溝(トレンチ)、プラグ溝(ビア)等のパターン化された基板を用いてもよい。
レジスト下層膜は、上述したレジスト下層膜形成組成物を用いて形成される。レジスト下層膜形成組成物を基板上に塗布することにより、レジスト下層膜形成組成物の塗膜を形成する。この塗膜を加熱処理、又は紫外光の照射及び加熱処理により硬化させることでレジスト下層膜を形成できる。レジスト下層膜形成組成物を塗布する方法としては、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップ法等が挙げられる。また、加熱温度としては、通常150℃〜350℃であり、180℃〜300℃が好ましく、180℃〜270℃がより好ましい。加熱温度が350℃を超えると、後述のレジスト下層膜及びケイ素含有膜除去工程において、レジスト下層膜が溶解し難くなる傾向がある。加熱時間としては、通常30秒〜1,200秒であり、45秒〜600秒が好ましい。レジスト下層膜の膜厚としては、通常10nm〜500nm程度である。
また、上記基板表面又は上記レジスト下層膜上には、このレジスト下層膜とは異なる他の下層膜が形成されていてもよい。この他の下層膜は、反射防止機能、塗布膜平坦性、CF等のフッ素系ガスに対する高エッチング耐性等が付与された膜である。この他の下層膜としては、例えばNFC HM8005(JSR社)等の市販品を使用して形成することができる。
[ケイ素含有膜形成工程]
ケイ素含有膜は、本発明に係るケイ素含有膜形成組成物等を上記レジスト下層膜上に塗布し、硬化処理を行うことにより形成される。ケイ素含有膜形成組成物の塗布方法としては、例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。なお、形成されるケイ素含有膜の膜厚としては、通常10nm〜1,000nmであり、10nm〜500nmが好ましく、20nm〜300nmがより好ましい。硬化処理としては、上述したレジスト下層膜形成工程と同様の処理を適用することができる。
[ケイ素含有膜除去工程]
本工程では、塩基性水溶液を用い、上記ケイ素含有膜の少なくとも一部を除去する。本工程によれば、基板に大きなダメージを与えることなくケイ素含有膜を除去し基板を再加工することができる。除去方法としては、ケイ素含有膜と塩基性水溶液とが一定時間接触できる方法であれば特に限定されない。例えばケイ素含有膜が形成された基板を塩基性水溶液に浸漬する方法、塩基性水溶液を吹き付ける方法、塩基性水溶液を塗布する方法等が挙げられる。なお、この浸漬する方法における浸漬時間としては、例えば、0.2分〜30分が好ましい。これらの各方法の後においては、基板を水洗し、乾燥させるとよい。
上記塩基性水溶液としては、塩基性である限り特に限定されないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の塩基性水溶液を用いることができる。これらの中で、アンモニア、TMAH水溶液が好ましい。また、これらの塩基性水溶液は、過酸化水素等の酸化剤や、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や、界面活性剤を適量添加したものであってもよい。また、塩基性溶液であれば、水以外の有機溶媒を含む溶液であってもよい。
この塩基性水溶液のpHは、7.5以上が好ましく、8以上がさらに好ましい。
ここで、上記塩基性水溶液における水の含有量は、通常40質量%以上であり、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
これらの塩基性水溶液の濃度は、通常0.1質量%〜40質量%であり、0.5質量%〜30質量%が好ましい。
なお、ここでは説明の便宜上、ケイ素含有膜除去工程を後述するレジストパターン形成工程よりも前に行われる例を示したが、ケイ素含有膜除去工程は、レジストパターン形成工程より後に行うこともできる。
[レジストパターン形成工程]
本工程では、[ケイ素含有膜形成工程]で形成したケイ素含有膜上にレジストパターンを形成する。本工程において、レジストパターンを形成する方法としては、例えばレジスト組成物を用いる方法、ナノインプリントリソグラフィー法を用いる方法等の従来公知の方法で形成することができる。
[エッチング工程]
本工程では、上記レジストパターンをマスクとして上記ケイ素含有膜をエッチングして、ケイ素含有膜にパターンを形成する。本パターン形成方法によれば、エッチング後であっても、適正にパターニングされなかったレジスト膜及びケイ素含有膜を、上述のケイ素含有膜除去工程によって剥離できるため、基板にレジスト下層膜、ケイ素含有膜及びレジスト膜を再度形成して再加工することができる。本工程では、レジスト下層膜をさらにエッチングして、レジスト下層膜にパターンを形成する工程を有してもよい。
本工程では、基板をさらにエッチングする工程を有してもよい。本パターン形成方法によれば、基板にエッチングによりパターンを形成した後において、ケイ素含有膜を塩基性水溶液によって溶解することができる。アッシング処理等を用いることなくレジスト膜を除去することができ、アッシング処理等が基板に与える影響等を小さくすることができる。
上記エッチングとしては、1又は複数回のドライエッチングが好適に用いられる。ドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。また、ドライエッチング時のソースガスとしては、被エッチング物の元素組成にもよるが、O、CO、CO等の酸素原子を含むガス、He、N、Ar等の不活性ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、CHF、CF等のフッ素系ガス、H、NHのガス等を使用することができる。なお、これらのガスは混合して用いることもできる。
本発明について、実施例を挙げてより具体的に説明する。
[重量平均分子量(Mw)]
重量平均分子量(Mw)は、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフにより測定した。GPCカラムとしてG2000HXL:2本及びG3000HXL:1本(東ソー社)を、検出器として示差屈折計を、溶離液としてテトラヒドロフランを用いた。流量1.0mL/分、カラム温度は40℃とした。
<ポリシロキサン(A1)の製造>
製造例1(無水コハク酸変性メトキシシロキサンの製造)
下記(a)、(b)の2工程を経て、無水コハク酸変性メトキシシロキサンの製造を行った。
(a)メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサンの製造工程
撹拌機、温度計、及びジムロート冷却管を備えた1リットルの3つ口フラスコに、Si(OCH10で表されるメトキシシロキサン85.0g(0.181mol)、及びテトラメチルテトラヒドロシクロテトラシロキサン43.4g(0.181mol)を仕込んだ後、トリフルオロメタンスルホン酸0.0646gを撹拌しながら添加し、室温で4時間反応させた。反応終了後、MgAl(OH)16CO・4HOで表される固体塩基性中和剤0.388gを系内に添加し、2時間撹拌して、トリフルオロメタンスルホン酸の中和処理を行った後、ろ過精製を行い、122gの生成物−1(メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサン)を得た。ここで、生成物−1について、トルエン溶媒下、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定を行った。その結果、保持時間25〜37分の位置にブロードな生成物ピークを確認した。
(b)無水コハク酸基を導入する工程
撹拌機、温度計、及びジムロート冷却管を備えた1リットルの3つ口フラスコに、アリル無水コハク酸94.7g(0.676mol)を仕込んだ後、塩化白金酸のトルエン溶液(Pt濃度:0.5質量%)1.20gを撹拌しながら添加した。次に、100℃まで昇温した後、上記(A)工程で得られた生成物−1(メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサン)120gを滴下添加し、更に110℃で4時間の熟成を行った。
熟成終了後、系内の圧力を10mmHgまで減圧した後、窒素ガスバブリング下、110℃で10時間加熱した。室温まで冷却し、得られた液体をろ過することで残留したアリル無水コハク酸を除いた。183gの生成物−2(無水コハク酸変性メトキシシロキサン)を得た。GPC、FT−IR、29Si−NMR分析により、目的物である無水コハク酸プロピル基を有するポリシロキサンが得られていることを確認した。このポリシロキサンを(S1−1)とする。
<ポリシロキサン(A2)の製造>
製造例2(無水コハク酸/ポリエーテル共変性メトキシシロキサンの製造−1)
製造例1の(a)、(b)工程、及び下記(a’)工程を経て、無水コハク酸/ポリエーテル共変性メトキシシロキサンの製造を行った。
(a’)メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサンへのポリエーテル基及び酸無水物基の導入工程
撹拌機、温度計、及びジムロート冷却管を備えた1リットルの3つ口フラスコに、製造例1の(a)工程で得られた生成物−1(メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサン)120g、及びトルエン36gを仕込んだ後、塩化白金酸のトルエン溶液(Pt濃度:0.5質量%)1.50gを撹拌しながら添加した。次に、90℃まで昇温した後、式
CH=CH−CH−O(CHCHO)3.8CH
で表されるアリルポリエーテル20.3g(0.0849mol)を添加し、3時間の熟成を行った。
次に、温度を100〜110℃に維持しながら、撹拌下、アリル無水コハク酸107g(0.764mol)を滴下添加した後、110℃で5時間熟成を行った。
熟成終了後、製造例1と同様の手順により、残留したアリル無水コハク酸を除いた。197gの生成物−3(無水コハク酸/ポリエーテル共変性メトキシシロキサン)を得た。GPC、FT−IR、29Si−NMR分析により、目的物である無水コハク酸プロピル基及びポリエーテル変性ポリシロキサンが得られていることを確認した。このポリシロキサンを(S2−1)とする。
製造例3(無水コハク酸/ポリエーテル共変性メトキシシロキサンの製造−2)
製造例2において、CH=CH−CH−O(CHCHO)3.8CHで表される化合物の添加量を20.3g(0.0849mol)から40.6g(0.170mol)へ変更したこと以外は、同様の操作を行った。197gの生成物−4(無水コハク酸/ポリエーテル共変性メトキシシロキサン)を得た。GPC、FT−IR、29Si−NMR分析により、目的物である無水コハク酸プロピル基及びポリエーテル変性ポリシロキサンが得られていることを確認した。このポリシロキサンを(S2−2)とする。
製造例4(酸無水物基を有しないポリシロキサンの製造−1)
10%シュウ酸31.10gと水9.35gを混合し、シュウ酸水溶液を調製した。その後、テトラエトキシシラン64.07g、メチルトリメトキシシラン12.89g、フェニルトリメトキシシラン14.07g及びメタノール68.53gを入れたフラスコに、冷却管と、上記調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで置換し、エバポレーターにセットし、メタノールを除去して樹脂溶液262gを得た。この樹脂溶液中における固形分をポリシロキサン(S3−1)とする。得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は、焼成法により測定した結果、7.5%であった。また、固形分の重量平均分子量(Mw)は1,800であった。
製造例5(酸無水物基を有しないポリシロキサンの製造−2)
メタノール200g、イオン交換水200g、35質量%塩酸1gを1,000mlガラスフラスコに仕込み、テトラエトキシシラン50g、メチルトリメトキシシラン100g及びフェニルトリメトキシシラン10gの混合物を室温で加えた。そのまま、8時間室温で加水分解縮合させた後、プロピレングリコールモノエチルエーテル300mlを加え、減圧で濃縮してケイ素含有化合物1のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液300g(ポリマー濃度21%)を得た。この樹脂溶液中における固形分をポリシロキサン(S3−2)とする。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=2,000であった。
製造例6(酸無水物基を有しないポリシロキサンの製造−3)
イオン交換水260g、65質量%硝酸5g、テトラメトキシシラン70g、メチルトリメトキシシラン70g、フェニルトリメトキシシラン10gの混合物を室温で加えた。そのまま、8時間室温で加水分解縮合させた後、ブタンジオールモノメチルエーテル300mlを加え、減圧で濃縮してケイ素含有化合物1のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液300g(ポリマー濃度20%)を得た。この樹脂溶液中における固形分をポリシロキサン(S3−3)とする。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=2,500であった。
製造例8(有機化合物の製造−1)
1,000mLの三口ナス型フラスコに、レゾルシノール35g、アセトアルデヒド39g及びエタノール450gを仕込み、窒素雰囲気下、室温にて溶解させた。得られた溶液に、溶液温度40℃にて、濃塩酸95.6gを1時間かけて滴下し、溶液温度を80℃にして11時間熟成させた。熟成後、フラスコ釜を溶液温度が室温になるまで冷却した。その後、析出してきた赤茶色の固形物を、ろ過にてエタノール溶液を除去することにより回収した。メタノール/水混合溶液(各300g)を用いて掛け流し洗浄を行い、60℃で一晩減圧乾燥し、末端基がヒドロキシ基である茶色の固形物45.6gを得た。H−NMRにて目的の前駆体が得られていることを確認した。
次に、500mLの丸底フラスコを用い、窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド200mLに、上記得られた前駆体10.0gをマグネチックスターラーにより攪拌しながら溶解させた。攪拌下、得られた溶液に、クロロメチルスチレンを20.0g添加後、さらに炭酸カリウム28.4gを加え、80℃にて18時間反応を行った。反応終了後、この反応溶液を、酢酸14mLを添加した水2Lに加えた。上澄み液を除去し、残った高粘性物を最少量のアセトンに溶解させ、500mLの水に投入し再沈殿を行った。得られた高粘性物を65℃で一晩減圧乾燥し、黄土色の固体である化合物(Y−1)10.5gを得た。
<組成物の調製>
レジスト下層膜形成組成物又はケイ素含有膜形成組成物の調製に用いた各成分について以下に示す。
[有機溶媒(B)]
B−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
B−2:プロピレングリコールモノエチルエーテル
B−3:ブタンジオールモノメチルエーテル
[[D]酸発生剤]
D−1:ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート(下記式(D−1)で表される化合物)
[[E]架橋剤]
E−1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(下記式(E−1)で表される化合物)
製造例9(レジスト下層膜形成組成物(UL−1)の調製)
製造例8で得られた樹脂(Y−1)5質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(有機溶媒(B−1))95質量部に溶解させた。ここに酸発生剤(D−1)5質量部及び架橋剤(E−1)10質量部を溶解させ、混合溶液を得た。この混合溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過してレジスト下層膜形成組成物(UL−1)を調製した。
実施例1(ケイ素含有膜形成組成物(SG−1)の調製)
製造例1で得られた樹脂(S1−1)1質量部及び製造例4で得られた樹脂(S3−1)1質量部をプロピレングリコールモノエチルエーテル(有機溶媒(B−2))98質量部に溶解させて混合溶液を得た。その後、この混合溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過してケイ素含有膜形成組成物(SG−1)を調製した。
実施例2〜13,比較例1,2(ケイ素含有膜形成組成物(SG−2)〜(SG−15)の調製)
下記表1に記載の種類及び含有量の成分を用いた以外は、実施例1と同様にしてケイ素含有膜形成組成物(SG−2)〜(SG−15)を調製した。なお、表1中の「−」は、該当する成分を用いなかったことを示す。
製造例10(レジスト下層膜の形成)
上記調製したレジスト下層膜形成組成物(UL−1)をスピンコート法によりシリコンウェハー(基板)上に塗布した。その後、大気雰囲気下にて、250℃で60秒間ベークし、レジスト下層膜付き基板を得た。
実施例14〜26及び比較例3,4(ケイ素含有膜の形成)
上記レジスト下層膜付き基板上に、各ケイ素含有膜形成組成物を、スピンコート法により塗布した。その後、大気雰囲気下にて、220℃で60秒間ベークし、各「レジスト下層膜及びケイ素含有膜付き基板」を得た。
<評価>
上記得られた各基板を用い、下記項目について、下記方法で評価を行った。評価結果を表2に示す。
[溶媒耐性]
上記得られた各基板を、シクロヘキサノン(室温)に10秒間浸漬した。浸漬前後の膜厚を分光エリプソメーターUV1280E(KLA−TENCOR社)を用いて測定し、測定値から膜厚変化率を算出した。溶媒耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「○」(良好)と、1%以上の場合は「×」(不良)と評価した。
[TMAH現像液耐性]
上記得られた各基板を、2.38質量%TMAH現像液(室温)に60秒間浸漬した。浸漬前後の膜厚を分光エリプソメーターUV1280E(KLA−TENCOR社)を用いて測定し、測定値から膜厚変化率を算出した。溶媒耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「〇」(良好)と、1%以上の場合は「OLE_LINK2×OLE_LINK2」(不良)と評価した。
[高温TMAH現像液溶解性]
上記得られた各基板を、80℃に加温した2.38質量%TMAH現像液に5分間浸漬した。浸漬前後の基板を断面SEMにて観察し、ケイ素含有膜が除去されている場合は「〇」(良好)と、ケイ素含有膜が残存している場合は「×」(不良)と評価した。
[アルカリ性剥離液溶解性]
上記得られた各基板を、65℃に加温したアルカリ性剥離液A(25質量%アンモニア水溶液/30質量%過酸化水素水溶液/水=1/1/5混合水溶液)に5分間浸漬した。浸漬前後の基板を断面SEMにて観察し、ケイ素含有膜が除去されている場合は「〇」(良好)と、ケイ素含有膜が残存している場合は「×」(不良)と評価した。
表2の結果から示されるように、本発明のパターン形成方法によれば、基板に与えるダメージの大きい酸性剥離液やフッ素化合物を用いることなく、TMAH現像液、アンモニア水溶液を成分とする塩基性水溶液によって、ケイ素含有膜を除去することができる。
本発明のパターン形成方法によれば、基板に与えるダメージの大きい酸性剥離液やフッ素化合物を用いることなく、かつエッチング前後を問わずに、ケイ素含有膜を除去することができる。これにより、ケイ素含有膜を再度形成して再加工することができる。従って、当該パターン形成方法は、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に適用できる。

Claims (14)

  1. アルコキシ基及び酸無水物基を有し、分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいてOとSiの原子間に下記[1]式のA式で表される部分構造1〜100個及び下記[1]式のB式で表される部分構造0〜100個からなるシロキサン単位を有するポリシロキサン(A1)並びに溶媒(B)を含む、多層レジストプロセスに用いられるケイ素含有膜形成組成物。
    (式中、Xは、酸無水物基を有する1価の炭化水素基を示す。Rは、互いに独立して、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。)
  2. ポリシロキサン(A1)は下記[8]式の環状オルガノハイドロジェンシロキサンを含む組成物を、超強酸性触媒の存在下、実質的に水の非存在下において反応させることにより得られるハイドロジェンシロキサンと、不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物と、を白金触媒の存在下ヒドロシリル化反応させることにより得られたものである、請求項1のケイ素含有膜形成組成物。
    (式中、Rは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。sは、3以上の整数である。)
  3. 上記[1]式において、Xが下記[3]式で表される酸無水物基を有する1価の炭化水素基である請求項1又は2のケイ素含有膜形成組成物。
    (式中、Wは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜10のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。)
  4. アルコキシ基、酸無水物基及びポリエーテル基を有し、分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいて、OとSiの原子間に、下記[2]式のA式で表される部分構造1〜100個、下記[2]式のB式で表される部分構造1〜100個及び下記[2]式のB式で表されるシロキサン単位0〜100個のシロキサン単位を有するポリシロキサン(A2)並びに溶媒(B)を含む、多層レジストプロセスに用いられるケイ素含有膜形成組成物。
    (式中、Xは、酸無水物基を有する1価の炭化水素基を示す。Yは、ポリエーテル基を有する1価の炭化水素基を示す。R1は、互いに独立して、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。)
  5. ポリシロキサン(A2)は下記[8]式の環状オルガノハイドロジェンシロキサンを含む組成物を、超強酸性触媒の存在下、実質的に水の非存在下において反応させることにより得られるハイドロジェンシロキサンと、不飽和結合を有する酸無水物基含有化合物と、を白金触媒の存在下ヒドロシリル化反応させることにより得られたものである、請求項4のケイ素含有膜形成組成物。
    (式中、Rは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基を示す。sは、3以上の整数である。)
  6. 上記[2]式において、Xが下記[3]式で表される酸無水物基を有する1価の炭化水素基であり、Yが下記[9]式で表されるポリエーテル基を有する1価の炭化水素基である請求項4又は5のケイ素含有膜形成組成物。
    (式中、Wは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜10のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。)
    (式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、又は下記[10]式で表される基を示す。mは、1以上の整数を示す。p、qは、0又は1以上の整数を示す。但し、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)
    (式中、Rは、炭素原子数1〜4の1価の炭化水素基を示す。)
  7. 下記[4]〜[7]式で表される化合物群から選ばれる1種以上を加水分解縮合してなり、酸無水物基を有しないポリシロキサン(A3)をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項のケイ素含有膜形成組成物。
    (式中、Rは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基である。このアルキル基はフッ素原子で置換されていてもよく、アリール基及びアラルキル基は置換されていてもよい。Xは、ハロゲン原子又は−ORである。Rは、1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。aが0又は1の場合、複数のXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。aが2の場合、複数のR及びXは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。aが3の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    (式中、Rは水素原子、フッ素原子又は1価の有機基、Rは1価の有機基、bは1〜2の整数を示す。)
    (式中、Rは1価の有機基を示す。上記Rで表される1価の有機基は、上記式[5]におけるR及びRとして例示した1価の有機基と同様である。)
    上記式[7]中、R10〜R13は同一又は異なり、それぞれ1価の有機基である。c及びdは同一又は異なり、0〜2の数を示し、R14は酸素原子、フェニレン基又は−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である。)である。eは0又は1を示す。上記10〜R13で表される1価の有機基としては、例えば上記式[5]におけるR及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
  8. 基板の一の面側に請求項1〜7のいずれか1項のケイ素含有膜形成組成物を用いてケイ素含有膜を形成する工程、
    前記ケイ素含有膜上にレジストパターンを形成する工程、
    前記レジストパターンをマスクとして前記ケイ素含有膜をエッチングしケイ素含有パターンを形成する工程、及び
    前記ケイ素含有パターンをマスクとして前記基板をエッチングする工程、
    を備える、多層レジストプロセスによるパターン形成方法。
  9. 前記基板の一の面に、前記ケイ素含有膜を形成するよりも前に有機膜を形成する工程と、
    前記レジストパターン若しくは前記ケイ素含有パターン又はその両方をマスクとして前記有機膜をエッチングし有機パターンを形成する工程と、
    をさらに備える、請求項8のパターン形成方法。
  10. 前記ケイ素含有膜又は前記ケイ素含有パターンの少なくとも一部を窒素原子含有化合物を含む液体を用いたウェットプロセスにより除去する剥離工程をさらに備える、請求項8又は9のパターン形成方法。
  11. 前記剥離工程は前記有機パターンを形成する工程よりも後に行われる、請求項10に記載のパターン形成方法。
  12. 前記剥離工程は前記ケイ素含有膜又は前記ケイ素含有パターンの少なくとも一部と、前記有機膜又は前記有機パターンの少なくとも一部と、を除去する工程である、請求項10又は11に記載のパターン形成方法。
  13. 前記窒素原子含有化合物を含む液体は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド及び水を含む液、又はアンモニア、過酸化水素及び水を含む液である請求項10〜12のいずれか1項のパターン形成方法。
  14. 前記剥離工程は100℃以下で行われる、請求項10〜13のいずれか1項のパターン形成方法。
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